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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

櫻町 宏毅 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/19/2012

会派名:

民主党・ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 県内自動車産業の果たしてきた役割と将来に対する知事の認識について
 (1) 自動車産業に対する総合的な支援策
 (2) 自動車関連諸税の抜本的見直しに対する認識
2 成年後見制度における市民後見人の普及策について
3 富士山世界文化遺産登録を目前とした景観の形成と保全について
4 工業用水道事業の将来性について
5 高等学校における医学部進学カリキュラムの新設について
6 防犯カメラの効果と設置に向けた取り組みについて


○議長(小楠和男君) これで渡瀬典幸君の質問は終わりました。
 次に、三十二番 櫻町宏毅君。
       (三十二番 櫻町宏毅君登壇 拍手)
○三十二番(櫻町宏毅君) 私は民主党・ふじのくに県議団所属議員として県政の諸課題について、知事または関係部局長、教育長、警察本部長に質問いたします。
 初めに、県内自動車産業の果たしてきた役割と将来に対する知事の認識についてのうち、自動車産業に対する総合的な支援策について伺います。
 自動車産業は、戦後復興期から今日に至るまで我が国の基幹産業として発展してまいりました。日本が世界第三位の国内総生産を誇る国となったのも日本におけるものづくりの象徴とも言える自動車産業の目覚ましい発展であることは誰もが認めるところであります。本県においても、トヨタやスズキ、ホンダ、ヤマハといったメーカー各社はもとより自動車関連の下請企業や部品メーカーが多く集積し本県経済の牽引役を引き受けるとともに、雇用の受け皿としてまた地域社会には納税という形で多大な貢献をしております。二十二年度工業統計調査では、県内の自動車産業従事者は約九万人で全製造業の二〇・五%に当たり、製品出荷額も約四兆三千五百七十七億円で静岡県全体約十五兆七千九百三十億円の二七・六%を占めております。自販連調査でも、新車販売店は六十三社、六百二十二カ所で営業し約八千五百人の雇用があるなど製造だけでなく販売関係者も多く携わっており、裾野の広い自動車産業が県内経済を支える主要産業であることは揺るぎない事実であると言えます。
 ところが、最近では自動車産業を取り巻く環境が大きく変わってまいりました。少子化傾向による国内の市場規模が縮小していることや、長期にわたって続く円高は、輸出比率が高いカーメーカー各社にとって収益に大きなダメージを与えております。さらに高い法人税や生産コストに含まれる労務費、電気料金が高いこと、他国との経済連携協定や貿易協定の締結が進まないことなど、自動車を筆頭にこれからの日本のものづくりは、成長する新興国の現地でつくって現地で販売しグループ全体で稼ぐという傾向になるものと思われます。
 私がかねてから一般質問の場で主張してきたことは、今後本県はもとより国内からものづくり企業がどんどん海外へ流出してしまえば、雇用の受け皿はなくなって失業率が高まり工場閉鎖による自治体の税収が少なくなり財政運営が厳しくなることによって、県民が求める行政サービスの質が低下するという点であります。円高傾向が続く現在では、国内の自動車需要を掘り起こし国内でつくった分を国内で販売することが、収益確保の上でも生産拠点の定着による税収や雇用の確保の面からも望ましい姿であると思われます。雇用が安定し所得がふえて消費が拡大となれば、県内景気の回復にも貢献できるからであります。つまりは財政や雇用、経済活動等々大きな役割を担っている自動車産業の県内への定着促進は、さまざまな観点から見ても本県にとって最重要課題の一つと考えます。
 そこで、本県経済の根幹を支えてきた自動車産業に対する総合的な支援策について、知事の御所見を伺うものであります。
 次に、自動車関係諸税の抜本的見直しに対する認識について伺います。
 自動車には、購入時や走行時、維持の段階で九種類もの税金がかけられており、このうち自動車取得税と自動車重量税は、創設当初は道路特定財源とする目的税でありました。自動車取得税は名前のとおり自動車を購入した際に支払う税ですが、消費税導入時に大半の消費課税、いわゆるぜいたく税が廃止されたにもかかわらず自動車取得税だけは残りました。理由としては自動車ユーザーが利用する道路の整備にのみ充てるためとされましたが、旧道路特定財源の一般財源化によってその課税根拠はもはやなくなっております。自動車重量税も同様に自動車の重さで道路が傷むから道路の整備に充てるという目的税であったにもかかわらず、こちらも廃止されておりません。課税根拠がなくなった税が残った上に社会保障費捻出のために消費税を上げざるを得ない状況では、デフレ脱却のため内需喚起が必要な折、最も効果的と思われる自動車の国内販売は冷え込み、これによって裾野の広い自動車産業の国内生産が減少、さまざまな関係企業の収益や雇用に多大な影響を及ぼすことは明白であります。自動車関係団体からの要望を受け、民主党税調で自動車関係諸税のうち自動車取得税と自動車重量税は二〇一四年からの消費税引き上げに伴い原則廃止に向けて調整するという方針を決定し、一部適用を開始しております。この方針は政権が変わった後でも継続されることを期待しております。
 この見直しによる本県への影響ですが、地方税である自動車取得税は二十二年実績で六十七億円、県税収入四千十七億円の一・七%を占めております。また市町に配分される自動車重量譲与税は九十四億円となっております。二〇一一年十二月定例会における意見書で、自動車関係諸税のあり方についての意見書が全会一致で採択されました。県議会の場においても、代替財源の確保を前提に自動車関係諸税の抜本的見直しを求めております。先ほど国内での自動車販売対策が肝要であると申し上げましたが、二〇一四年から始まる消費税の増税によって高額商品である自動車販売が一層低迷する危険があります。増税前の駆け込み需要は期待できるものの、その後の反動は相当大きいと思われます。自動車を購入しようとするユーザーにとって、車両本体価格と税金や保険を含めた諸経費の合計額が購買の際の判断となるわけであり、自動車関係団体が主張し民主党税調でも方向が示された自動車取得税と自動車重量税の廃止を含めた抜本的な見直しは喫緊の課題と思っております。県内の財政にも影響を及ぼす見直しとなりますが、この自動車関係諸税の抜本的見直しに対する知事の認識について伺います。
 次に、成年後見制度における市民後見人の普及策について伺います。
 認知症患者が増加していることに対する問題については、迅速にかつ充実させていかなくてはならない課題の一つであります。私は、昨年二月の一般質問において認知症対策のうち特に家族会の充実について質問をいたしましたが、今回は、本年四月に法改正された老人福祉法の施行を受け市民後見人の普及について県の所見を伺うものであります。
 認知症などのために判断能力が低下した人にかわり、第三者が財産管理や介護サービスの契約を行う制度に成年後見があります。身寄りがないあるいは親族に適任者が見つからない場合は、弁護士や司法書士などの専門職が後見人を務めることになりますが、認知症患者の中には、年金のみで生活しているなど低所得者が多く費用面では壁が高いという指摘がされております。また高齢化が一層進展し後見対象者が大幅に増加することが見込まれていることから、後見を担う専門家の数が不足し、認知症を患った方の適正な財産管理や契約履行が今後できなくなるのではないかといった話も聞かれます。
 そこで、にわかに注目されるようになったのが、地域住民が権利擁護に関する専門的な研修を受けて後見人になる市民後見人です。この市民後見人は日本社会にはまだまだなじみがなく、身寄りのない認知症高齢者がふえているにもかかわらず、実際には活動している市民後見人の数は少なく今後需要に供給が追いつかなくなることが問題視されております。市民後見人への期待が高まる一方で、トラブルも報告されております。東京都などは二〇〇五年から市民後見人の普及に向けて取り組んでおりますが、市民後見人を掲げる団体が依頼者の遺産の一部を相続する契約を勝手に結び遺族から訴えられる事例があったとのことであります。必要性は感じられても、親族以外の他人による財産管理に対する抵抗感や、そもそも地域住民で後見人になってくれる人材確保が難しいなどなかなか普及しない制度であると言わざるを得ません。
 しかし、県内にもこのまま需要ばかりがふえ続ける現状を看過することなく対応を始めた自治体もあります。沼津市や富士市では、二十三年度から厚生労働省の介護保険事業費補助金のメニューを活用し育成のための研修や組織づくりに取り組むなど、既に市民後見人の普及に向けて取り組みがスタートしています。事業主体は市町であるとのことで、県がみずから後見人を養成することはないにしても、県内自治体に対し市民後見人の必要性を展開周知するなどといった役割があると思いますが、今後県として市民後見人の普及に向けてどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、富士山世界文化遺産登録を目前とした景観の形成と保全について伺います。
 私は、来年夏に開催される世界遺産委員会において富士山が世界文化遺産登録されることは間違いないと思っている一人でございますが、日ごろから富士山の麓で生活しておりますと雄大な富士山にふさわしくない景観が目にとまることがあり、大変残念に思っております。最近気になったのは、選挙の時期ということもあったかと思いますが、政治家や政党関係のポスターであります。現制度上で認められておりますのでいたし方ないことかもしれませんが、世界遺産登録となった富士山を訪れる国内外の観光客が、雄大な富士山を眺めたその視界の中に政治関係のポスターがあったとしたら感動は薄れてしまうでしょう。当事者たる政治家各位がポスター類の掲示についても富士山との眺望を考慮されるということを願いたいものであります。
 さて、ポスター以外にも奇抜な色彩を使用した建物や過度な宣伝用看板など景観上富士山周辺にあってはほしくないものが多数存在しており、世界文化遺産登録前にきちんとしたルールのもとで景観を形成する必要があると感じます。富士山の景観の形成と保全は、複数の地元自治体にまたがる事業であり市町単独での事業には限界があります。やはりここは県が主導的な立場を発揮し、広域的連携を進めるべきと考えます。
 富士山の美しい景観を保全し良好な眺望を形成するため、世界文化遺産登録を目前とした現時点での状況と今後の計画について、県の所見を伺います。
 次に、工業用水道事業の将来性について企業局長に伺います。
 言うまでもなく、企業局では水道事業、工業用水道事業、地域振興整備事業の三本柱で事業展開がなされ、会計は独立した公営企業会計のもとで料金収入で費用を賄うことが原則となっております。つまりお客様あっての企業局会計ということでありますが、三本柱の一つである地域振興整備事業、いわゆる企業立地促進のための工業用地の造成は、長引く景気の低迷などの影響により事業規模は縮小傾向にあります。一方水道事業と工業用水道事業は、常に固定のお客様、つまりユーザーがいるわけであり、水を買ってもらって会計が成り立つ構図は設立当時のままで推移しております。このお客様の実態が時代の経過とともに変化してきておるわけであります。
 水道事業のうち、特に駿豆水道の今後については九月定例会で同僚の橋本県議からも指摘がありましたので、私は、富士市の製紙会社の多くがお世話になっている工業用水道事業の将来の姿について質問したいと思います。
 企業局では、地域経済の発展に伴う水需要の増加に対し良質な工業用水を安定的に企業からのリクエストに応えて供給しており、今日に至るまで企業の生産活動を工業用水の安定供給という面で支えてきた県企業局の功績は高く評価するところであります。しかし心配な傾向があります。工業用水のユーザー自体が県内から流出してしまうこと、流出しなくても使用する水量が極端に減少していることであります。工業用水道事業にとって最大のユーザーである日本製紙株式会社の鈴川工場の生産が今年九月に全面ストップ、富士工場に集約をされました。最大ユーザーの使用量の激減により企業局収入には多大な影響が及ぶと予想されます。県は、経営基盤の強化という観点から新たな成長産業を誘致することに重きを置いておりますが、今後企業局にとって工業用水を大量に使ってくれる産業が県内に進出することや、既存のユーザーが現契約以上に使用量をふやすことに大きな期待をかけることは、残念ながら現実的ではありません。かといって現ユーザーに対しては、その求めに応じて引き続き良質な工業用水を安定的に送り続けなくてはなりません。契約件数や契約水量が減少し企業局としての収入が減少した場合、残りのユーザーが給水コストを負担するということになればますます県外または海外への工場移転に拍車がかかってしまいます。企業局の安定経営をチェックすることは議会に課せられた責任ですが、一方でユーザーにかかる負担も軽減しなくてはなりません。
 企業局は、昨年度企業局改革プランを策定し経営努力を継続するとしていますし、現時点で工業用水道事業会計は健全な状態を維持できていますが、今後ユーザーそのものや各ユーザーの契約水量の減少が加速した場合、工業用水道事業会計自体が成り立たないことが懸念されます。
 五年後、十年後の工業用水道事業がどのようになっているのか、企業局は現時点でどのように分析し、一般会計からの繰り入れをせず引き続き独立した事業運営をするための方策について、企業局長のお考えを伺います。
 次に、高等学校における医学部進学カリキュラムの新設について教育長に伺います。
 私は、今年議会に設置されました医療・福祉対策特別委員会に所属しており、委員会では、特に医療福祉に関する人材確保策について、参考人からの意見聴取だけでなく県外視察も行ってまいりました。県外視察は北海道の先進事例を視察いたしましたが、その中の一つに道立小樽潮陵高校がありました。この高校は、北海道教育委員会による地域医療を支える人づくりプロジェクトの指定校として、普通科に医進類型を設置しております。北海道も本県と同様に医師不足に苦慮しており道内外を問わず医師確保に躍起になっております。特に道内の優秀な生徒を北海道の医師として育て僻地医療を含めた医療水準の維持確保に努力しており、その一環として道立高校から医師を目指す生徒の英才教育に取り組んでおります。医師を目指す生徒に対しきめ細かな学習支援を行うため、物理や化学、生物の理科三科目を履修する教育課程を編成、実施するとともに、数学、理科、外国語等の授業を少人数で行うなど医学部受験対策を徹底的に行っておりました。さらに地域医療の現状や医師という職業への理解を深める機会を提供し、地域医療を担う使命感の醸成も図っております。視察時には、医師を目指す生徒の授業を参観し、その後医療系大学が主催する研究発表会にて報告した生徒二名から当日のプレゼンテーションと同じ内容を聞くことができました。大変立派な内容であり小樽潮陵高校での成果を感じることができました。本県においても、医師不足解消のためのさまざまな取り組みを健康福祉部を中心に取り組んでいることは承知しておりますが、小樽潮陵高校のような医師を目指す生徒に対する専門性を高めるカリキュラムは医師確保策として大変有効であり、ぜひ本県でも取り組むべきテーマであると考えます。
 そこで、本県高等学校における医学部への進学指導に重点を置いたカリキュラムの新設について、教育長の所見を伺います。
 最後に、防犯カメラの効果と設置に向けた取り組みについて警察本部長に伺います。
 県内における刑法犯件数は減少傾向にあり、日ごろからの警察関係者の努力に敬意を申し上げる次第であります。減少に効果のあった要因の一つに、私は県内でも普及し始めてきた防犯カメラ設置によるところが大きいと感じております。防犯カメラは海外の大都市ではごく当たり前に設置されておりますが、県内では最近コンビニや銀行などの民間施設や商店街の一角にも設置されるようになり、その防犯カメラによって撮影された画像が事件解決の決め手となり犯人逮捕に役立つケースが多くなってきております。防犯カメラは、二十四時間監視しその映像を録画しておくことが有事の際の証拠となり事件の早期解決につながることは間違いない事実であります。
 この防犯カメラは、現在県内に県警が設置したスーパー防犯灯三十五基のほか、自治体や商店街などが道路や公園、地下通路等犯罪が起きやすいと思われる箇所に設置した街頭防犯カメラが六百十基、コンビニや金融機関の店内に設置されている防犯カメラに至っては県警が把握しているものだけでも約一万五千八百基あるとのことであります。
 事件解決につながった最近の例としては、今年六月静岡市内の金融機関において発生した威力業務妨害事件が挙げられます。これは、店内に爆発物を似せた不審物が置かれ付近で働く会社員等が一斉に避難する騒ぎとなった事件でありますが、防犯カメラに残された画像が犯人逮捕につながったと聞いております。常に監視されている気がしてならないといった防犯カメラの設置がプライバシーの侵害に当たるとの意見もありますが、存在そのものが犯罪を抑止する効果もあるわけであり、今後も積極的に設置を進めるべきと考えます。当然のことながら確実なメンテナンスと適正な画像管理を行うことが必要不可欠であることは申し述べるまでもありません。
 そこで、防犯カメラ設置の効果とあわせ、県警として防犯カメラの設置について今後どのように取り組んでいくお考えなのか警察本部長の所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(小楠和男君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 櫻町議員にお答えいたします。
 初めに、県内自動車産業の果たしてきた役割と将来に対する私の認識についてのうち、自動車産業に対する総合的な支援策についてであります。
 本県では、電気自動車などの次世代自動車の開発や普及を図る大手自動車メーカーの動きに合わせまして、平成二十二年度に国のEV・PHVタウンの指定を受けました。ふじのくにEV・PHV推進アクションプランを策定いたしまして、県、市町、企業をメンバーとする普及協議会を設置いたしまして、車両の導入や庁舎などへの急速充電器の設置を進めているところでございます。また全国EVサミットや全日本学生フォーミュラ大会で県内企業の電気自動車部品の展示紹介を行うとともに、県工業技術研究所において、部品の常設展示、機能・構造の研修会を開催しております。さらに次世代自動車の試作、実証試験を行う中小企業に対し助成をするなど県内の自動車関連企業が取り組む技術開発や人材養成、販路開拓に対して積極的に支援をしております。これらの取り組みに加えまして、研究所や工場の新設、増設を行う企業に対しましては、企業立地補助制度の見直しを行い補助率や限度額の引き上げを図るなど、県内におきまして研究開発や次世代の自動車の生産に引き続き活発に取り組んでいただけるよう自動車産業の定着にも努めております。
 こうしたことの一環といたしまして、西部、中部、あるいは議員の御地元の自動車関連産業、部品工場などを訪問しております。そうしたときに、県知事が来たのは初めてであると言われて歓迎していただいて、そしてそれが励みになっているということを私自身が知りまして、私自身も感激するというようなことがたびたびございました。特に県議の地元近辺の大手メーカーに参りましたところ、初めて知事が来て感激したと。したがって、雇用の確保と定着を約束するといった、そうしたうれしいお返事もいただいたのはつい最近のことでございます。
 県といたしましては、次世代自動車の普及促進のための環境整備、地域企業の技術開発や販路開拓への助成などを通じまして、例えば少子高齢社会に対応したイノベーションなども進めていただいております。近距離の運転しか行わず高速道路も利用しない二人乗りの小型車両といったようなものでございまして、そうした近距離専用の新しい車のイメージ、これなどは高齢者のための車ということで、そのイノベーションなどについても支援してまいりたいと。そして本県のものづくりの基幹産業として、県内経済を牽引する大きな役割を担っている自動車産業に対しましては、今後とも総合的な支援に努めてまいります。
 次に、富士山世界文化遺産登録を目前に控えた景観の形成と保全についてであります。
 荘厳な姿を持つ富士山は、日本と日本文化を象徴する美しい山として世界的な評価を受けております。その価値を確実に後世に継承していくためには、富士山周辺地域の美しい景観の形成と保全はまことに重要であります。そのため県では、富士山周辺の六市三町と平成十九年度に富士山地域景観協議会を組織いたしました。案内看板の集合化などの景観改善に向けた取り組みを行っております。またふじのくに色彩・デザイン指針に基づきまして、景観に配慮した公共施設の整備を推進しております。本年度は、富士山周辺の統一的な景観形成と保全をさらに推進するため富士山周辺景観形成保全行動計画を策定しているところでございます。この行動計画におきまして富士山周辺地域における景観特性を踏まえまして、景観形成方針をお示し申し上げるとともに、県、市町、地域住民等の役割の分担や景観上重要な地区における方策等を定め電線類の地中化や屋外広告物対策等の具体的な取り組みを実施してまいります。
 富士山周辺地域におきましては、建築物の高さ制限など市町の景観施策にはその取り組みの姿勢にばらつきが見られるのは遺憾でございます。このため私どもとしましては、市町に景観行政団体への移行や建築物の高さ規制の実施などを強力に働きかけています。先般建物よりも高い広告塔がございましたけれども、これを建物の高さ以下に押さえていただくというような、そういういい事例もあらわれております。地域住民等の関係者の皆様と緊密な連携を図りながら、富士山周辺地域の美しい景観の形成と保全を積極的に推進してまいります。法的には問題ない。しかし自分のものでも建物は人の目に映りますので、景観自体は公共性を持っていると。こうしたことはとても大事な価値観になると存じます。これを推進してまいりたいと存じます。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁申し上げますが、一言、北海道の高校の事例で医学部進学カリキュラムについて御紹介ございましたけれども、私は、これからの高等学校は、これまでのような普通高等学校の科目を満遍なくこなしていくということから思い切った専門性と、特に専門高校などの取り組みを参考にしながら、こうした専門性に向けた取り組みというものについては教育委員会を通じて積極的に支援していただくというそうした方向性を今考えているところでございます。以上でございます。
○議長(小楠和男君) 土屋経営管理部長。
       (経営管理部長 土屋優行君登壇)
○経営管理部長(土屋優行君) 県内自動車産業の果たしてきた役割と将来に対する知事の認識についてのうち、自動車関連諸税の抜本的見直しに対する認識についてお答えいたします。
 自動車取得税及び自動車重量税につきましては、本年八月に成立いたしましたいわゆる消費税増税関連法の中で、安定的な財源を確保をした上で地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減及びグリーン化の観点から見直しを行うとされているところでございます。この税制見直しにより自動車取得税及び自動車重量税が廃止された場合にあっては、ユーザーの購買意欲の高まりによって国内の自動車販売台数が増加することも予想され、自動車関連産業の活性化につながり地域の雇用の安定と税収の確保に貢献するものと期待されております。
 一方で、平成二十三年度におきます本県の自動車取得税は五十八億円、約七割を市町に交付してございます。自動車重量税は、国から約四割が市町へ譲与される仕組みとなっておりますので、これらを合わせた県内市町への交付総額は約百三十七億円で大変貴重な財源となっております。このため自動車取得税及び自動車重量税につきましては、県や市町村への交付金等による具体的な代替財源を制度的に確保するということを前提といたしまして、消費税率の引き上げに合わせ廃止を含めた抜本的な見直しを行うべきであると考えております。以上であります。
○議長(小楠和男君) 池谷健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
○健康福祉部長(池谷享士君) 成年後見制度における市民後見人の普及策についてお答えをいたします。
 県では、成年後見制度の利用に至らないものの、判断能力が衰え日常生活の支援が必要な方を対象に、福祉サービスの利用援助や金銭管理等を行う日常生活自立支援事業を社会福祉協議会を通じて県内全ての市町で実施してまいりました。このような中、議員御指摘のとおり、本年四月に市民後見人の育成や活用を市町の努力義務とした老人福祉法の改正が行われました。高齢化が急速に進行し、ひとり暮らしや認知症の高齢者が増加する中、法律面や生活面で日常生活を支援する権利擁護の担い手となる市民後見人の育成は県としても積極的に広めてまいりたいと考えており、今年度御殿場、菊川及び袋井の三市の社会福祉協議会を指定して、地域住民を対象としたセミナーの開催や成年後見制度の推進を目的とする委員会を設置するなど、地域レベルでの意識啓発と体制整備の推進を支援しているところでございます。今後昨年度から国のモデル事業を活用して意欲的に取り組まれている富士市と沼津市の成果や他の都道府県の先進的な事例の情報提供を行うなど、市町や社会福祉協議会の活動を支援しながら市民後見人育成の取り組みが全市町に広がるよう努めてまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 前田企業局長。
      (企業局長 前田幹夫君登壇)
○企業局長(前田幹夫君) 工業用水道事業の将来性についてお答えいたします。
 将来の工業用水道事業の経営には、給水収益の減少と維持管理費の増加により、一層の厳しさが予想されます。このため平成十八年度からの集中改革プランにより組織体制の見直し等に加え、現在収益の確保と経費の削減を目指しました企業局改革プランに取り組んでおります。具体的には、経済産業部と連携いたしまして、新たに立地予定の企業を訪問するなど新規顧客開拓に努めるとともに、非常勤職員の活用等による人件費の縮減、施設の長寿命化、電気料金の節約や浄水発生土の有効活用等の経費削減策に取り組んでおります。
 一方、顧客の皆様に安定的に工業用水を供給していくことも企業局の使命でありまして、そのための更新整備に当たっては、受水企業の皆様の水需要見込みや管体調査の結果を踏まえ効率的な施設の規模、更新の時期や費用等について長期的な視点で検討することが必要であると考えております。その際には、国の支援制度を積極的に活用いたしまして更新経費を節減し負担の抑制に努めることは当然でありますが、将来の永続的な収支見通し、さらに必要であれば料金制度の見直しも含め受水企業の皆様と相談してまいります。
 企業局といたしましては、今後とも利用者からの料金収入で経費を賄う独立採算制を堅持しながら、安価な工業用水を安定的に供給することに努めてまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 高等学校における医学部進学カリキュラムの新設についてお答えいたします。
 現在、本県の医師の数は増加傾向にあるものの、依然として全国平均を下回っていることは県教育委員会としても認識しており、本県の高等学校において医師を志す生徒の育成に努める必要があると考えております。そのため健康福祉部と連携し医学部への進学を希望している生徒を対象としてこころざし育成セミナーを実施しております。このセミナーは、夏期休業中に高校生が病院に出向き医療関係者から直接話を聞き体験的な活動を行うものであります。さらに本年度は、これまでの取り組みに加えて、高度な医療技術を有する著名な医師の講演や医学部へ進学するための学習方法について講習を行う冬期フォローアップセミナーを開催する予定であります。議員から御提案のありました普通科における医学部進学類型につきましては、本県では理数科がそれに近い役割を担っていると考えておりますが、今後は北海道の取り組みの成果などを踏まえつつ、本県としてふさわしい医学部進学を志す生徒育成のための方策について検討してまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 繁田警察本部長。
       (警察本部長 繁田 誠君登壇)
○警察本部長(繁田 誠君) 防犯カメラは、県内のさまざまな場所への整備が進み社会的にも認知され事件の解決手段としても有効でありますが、犯罪の抑止や県民の安心感の醸成に大変効果があると考えております。防犯カメラの活用事例としましては、御指摘の事案のほか、この十一月御殿場市内のコンビニにおける強盗未遂事件でカメラに映った被疑者の画像を公開したことにより早期検挙につながった事案や、二十二年でありますけれども自転車盗の被害が県下ワーストファイブであった駐輪場でありますけれども、これに対して富士市が防犯カメラを設置しましたところ、一年間で被害は四十三件から二十八件に減少したという事例もございます。
 警察といたしましては、県民の安全・安心の確保のため防犯カメラの設置がさらに推進されるように、犯罪の多発場所や県民が不安に感じる場所への防犯カメラの設置についてその場所を管理する自治体、商店街、事業者などに対して働きかけ、防犯カメラの設置による効果、有用性のアピールとともに、プライバシーを侵害しないため県のガイドラインに従った具体的な運用方法の指導を図ってまいります。
 今年十一月までに、四地区で十五基が増設されておりますが、さらに今週中に一時騒ぎとなりましたが、駿府城公園に四基、これは静岡市がつけます。また今年度中に客引きで不安感が生じております両替町商店街に数基が設置される予定です。これらがいかに今後有効に働いていくか、そういった事案も積極的に広報していくなどの対応を進めてまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 三十二番 櫻町宏毅君。
       (三十二番 櫻町宏毅君登壇)
○三十二番(櫻町宏毅君) 数点要望をさせていただきます。
 まず、知事から自動車産業の定着に向けて訪問したらその経営者が定着を約束してくださったということなので、大変お忙しい身だと思いますけれども、移動知事室を御利用いただきながら各企業を回っていただいて、企業の定着という観点で各企業の経営者に対してお話をいただければありがたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 後見人の普及策について要望させていただきます。
 まだこれは制度として始まったばかりでございまして、他県でもいろいろ試行錯誤している段階であります。認知症の方がふえる傾向はどこの県も一緒ですし本県も一緒なんですが、そこに専門じゃない弁護士以外の方にやっていただくということは、本当に手探りの状態だと思います。
 ここで県にお願いしたいのは、市町が独自にやろうとしていることをやはり全体で捉えるということをやっていただいて、その仕組みづくりあるいはモデルケースをつくってもらうとか、そういった県がどんどん関与していただくということを先駆的にやっている富士市なんかも期待をしておりますので、ぜひそこは県のリーダーシップを図っていただきたい。その点お願いしたいというふうに思います。
 それから、工業用水についてはありがとうございました。今、工業用水の送水する規模というのはかなり大きくて、かつての給水需要、要するに需要に対して送り込もうとしている規模なわけですから、やっぱりダウンサイジングが必要になってくると思うわけですね。今七水系ありますけれども、例えばそれぞれ一つ一つの水系で、そこの企業とそれから該当する自治体とそれから企業局に入っていただいて、 その単体だけで経営が成り立つようなそんな経営視点というのが必要になってくるのかなという気がしております。今は全体で経営を見ようとしているから大きな規模になってしまうとなかなか小回りがきかないというか、細かな手が打てないということがありますけれども、例えば富士市なら富士市が、恩恵を受けていた富士市と企業局と富士市の企業さんとでいろいろやり取りをすると。そこで規模が小さくなるんだったら送水方法も変えるとか、そんな流れをしていただきたいと思います。企業の変化と企業局の考えていらっしゃるプランとでは、かなりスピードに違いがあると思います。相当企業のほうが速いので、ぜひその点は早いうちから手を打っていただきたいというふうに思います。
 最後、教育委員会ですが、教育長ありがとうございました。知事からもぜひ専門性を持つ生徒を育てるべきだという御発言もいただきました。潮陵高校はですね、やはり近隣の医科系の大学と連携をとっているんです。旭川医科大、北海道大学医学部、札幌医科大、そこの医学部と学校が常に連携をとりながら生徒さんに臨床の体験とかをさせるということをやっておりますので、ぜひ本県にも浜松医科大学がありますし、東部にはがんセンターもありますから、そういったところと連携をとっていただきたいなというふうに思っています。高校生のうちから、もう医者を目指すんだ、本県に定着するんだと思っていただけるような生徒を育てる、そんな取り組みに強化をいただければというふうに思っております。これも要望させていただきます。以上であります。ありがとうございました。
○議長(小楠和男君) これで櫻町宏毅君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。再開は三時二十分とします。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

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