• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成13年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

岡本 護 議員

質問分類

代表質問

質問日:

03/02/2001

会派名:

平成21


質疑・質問事項:



    ○副議長 (芦川清司君)  ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 四十三番 岡本 護君。
            (四十三番 岡本 護君登壇 拍手)
    ○四十三番 (岡本 護君)  私は、 平成21所属議員を代表して、 通告に従い、 知事、 教育長、 警察本部長並びに関係各部長に質問いたします。
     まず最初は、 石川知事の政治姿勢についてであります。
     知事は、 昨年十二月県議会定例会で、 本年七月に施行されます知事選挙に三選出馬の意思を表明されました。 これに対し、 私ども平成21は、 知事の今日までの七年半にわたる行政全般の評価を行い、 個々の課題はあるものの、 推薦を決めたところであります。 そこで、 改めて知事の二十一世紀の展望と政治姿勢をお尋ねいたします。
     一九〇一年、 今から百年前になりますが、 ある新聞に次のような記事が掲載されました。 それは、 今後百年間で日本社会はどんなふうに変わるものかというものでした。 その第一は、 馬車にかわって自動車が発達するだろう。 第二は、 遠方にいながらにして顔を見ながら会話ができるだろう。 第三に、 幼稚園はなくなり全員が大学に学ぶだろう、 などなどであります。 ほんの一部の紹介でしかありませんが、 しかし、 当時にしてみれば文字どおり夢であったことと思います。 そんな二十世紀に比べて、 迎えた二十一世紀は果たしてどんな世紀になるでしょう。 楽しみでもあり、 不安でもあります。
     いま一つ紹介いたします。 昨二〇〇〇年の日本のイメージを漢字一文字であらわすとどんな文字かとのアンケートに、 一番多かったのが 「忙」、 忙しいという文字であります。 二番目が 「速」、 スピードの速いでありました。 同時に、 本年二〇〇一年のイメージはとの問いに、 一位は 「楽」、 楽しいという字であり、 二位が 「夢」 でありました。 これまた今の世相を映していると言えるでしょう。
     さて石川知事、 現実の社会を見てください。 何か感動することはありますか。 何か感激することはありますか。 残念ながら暗いニュースばかりでしょう。 親が我が子を虐待の末、 殺してしまう。 金欲しさに簡単に人を殺すなど、 残忍、 非道な事件ばかりであります。 加えて政治経済への不信、 不安、 不満は増大するばかりであります。 このような状況下で、 私たちは真の夢を求められるでしょうか。 いや、 こんなときだからこそ夢を持ちたい、 夢を持てる環境が欲しいと思うのであります。
     知事。 知事という役職は、 都道府県を統括し、 それを代表する首長とされております。 本来はサンスクリット語で、 「すべてを知る、 つかさどる」 の意味から、 中国が寺院の役職に使い、 やがて地方長官の名称に転用され、 それが日本の知事の語源とされているとのことであります。
     さてそこで、 あなたは迎えた二十一世紀をどう展望し、 我が静岡県民がこぞって夢を持ち、 その実現に向かって汗を流せるような環境、 加えて政治も経済も信頼し、 安心して暮らせる県政を築くため、 どのようなお考えをお持ちか、 お聞かせをいただきたいと思います。
     また、 このたび知事は、 一部不適切な支出があったとする食糧費の監査結果に対して、 本人を含む三役の給料の減額措置、 さらには、 関係者の処分など一連の対応を発表されました。 減給十分の三、 三カ月という知事御自身の処分は大変重いものと受けとめておりますが、 問題が県民の皆様からお預かりした大切な税金の使い方に関することだけに、 こうした問題が再度生じないよう万全の対応をとり、 県民の皆様に信頼や安心を持っていただくことが何よりも重要であると考えております。 知事の御所見をお伺いいたします。
     次に、 財政健全化計画の進捗状況についてお伺いいたします。
     知事は、 平成十三年度当初予算の編成に当たり、 県債残高が十二年度末見込みで一兆九千億円を超える状況であり、 公債費の急激な増加が見込まれるなど大変厳しい財政環境であるため、 財政健全化計画の枠組みの堅持を基本として、 行財政改革の積極的な推進に努めるとともに、 施策のより一層の重点化、 優先化に取り組むなど、 年間総合予算として編成したと説明されました。 そして、 三つの重点項目として、 「安心社会の構築」、 「魅力あふれるしずおかの創造」、 「行政の生産性の向上と財政健全化への取り組み」 を掲げ、 安心や魅力あふれる 「快適空間静岡」 の実現を目指し、 二十一世紀の新たな発展のスタートとなる予算とした、 とのことであります。
     さて、 今議会に提案されました平成十三年度当初予算案を見ますと、 健康福祉費や企画費、 教育費などが予算を増加させ、 反対に土木費、 農林水産業費など社会環境基盤の整備を減少させるという姿勢は、 まさに二十一世紀にふさわしいスタイルであると、 我が会派としても一定の評価をしているところであります。
     しかしながら、 一千百億円の財源不足が見込まれ、 財政の緊急事態宣言をし、 三割カットという大変厳しいシーリングで当初予算を編成し、 さらに毎年度五%の事業費カットや財政健全化債を活用しながら、 平成十六年度に収支均衡させるとの財政健全化計画を策定したのは、 ほんの一年前のことであります。 県内経済は、 企業を中心に緩やかな改善を続けているとのことでありますが、 個人消費は依然として低調であります。 知事は、 財政健全化に向けてどのような配慮をし、 昨年並みの財政規模を確保することが可能になったのか、 その取り組み状況についてお伺いいたします。
     また、 平成十二年度当初時より、 かなりの改善がされているとの説明がありますが、 それでも多額の財源不足が生じ、 財政健全化債の発行も予定されております。 さらに、 赤字県債である臨時財政対策債の問題もあり、 ここで手綱を緩めることがあってはならないと思います。
     そこで、 平成十六年度の収支均衡の見込みなど、 財政健全化計画の達成の見通しについて、 あわせてお伺いをいたします。
     次に、 静岡空港の建設についてであります。
     二十一世紀は、 人・物・情報が地球規模で活発に行き交う大交流時代という認識に立って、 県は空港建設に取り組んでおり、 我が会派としては、 静岡空港の必要性を認め、 その施策を支援してきたところであります。 しかしながら、 中部国際空港建設の進展、 羽田空港の再拡張構想など、 静岡空港を取り巻く環境も変化する中、 県民の間には、 さまざまな意見や疑問があることは御承知のとおりであります。 そのため、 去る一月、 会派として静岡空港建設について知事に申し入れ書を提出したところであります。 そこで、 今後、 空港建設を進めるに当たって、 県民の関心が高いと考える三点に絞って質問をいたします。
     まず、 用地取得についてであります。
     空港事業用地については、 空港本体部では九五%を超える用地が取得され、 これまでの県当局の努力は評価するものでありますが、 空港建設に反対する地権者などの用地は未取得の状態であります。 平成十八年開港に向けての工事工程から見れば、 用地取得の時期も自然と限りが出てくることから、 県民の一部からは土地収用法の適用も考慮したらどうかとの意見が出ていることは承知しておりますが、 用地の取得に当たっては地権者との間で円満に解決することが最良であり、 県民性からもそれが望ましいと思います。 用地取得は今後の重要課題と認識するものであり、 残された期間も少ない中、 今後どのように取り組んでいくのかを知事にお伺いをいたします。
     次に、 新幹線新駅についてであります。
     空港建設に要する総事業費は一千九百億円の枠組みの中で実施されております。 しかしながら、 空港に関連して構想されている新幹線新駅の設置や地域振興は、 今後事業費を増加させる要因になるのではないかと懸念をするものであります。 新幹線新駅については、 現時点では、 JR東海はダイヤの編成などから設置は困難である旨の見解を表明しております。 また、 建設費の負担割合などは未定でありますが、 建設費には約四百億円がかかることから、 県も相当の負担が必要となり、 今の財政環境から見ると、 この支出は難しいと考えます。 そこで、 開港までは空港建設に専念し、 新幹線新駅の設置については、 開港後に改めて検討すべきと考えますが、 知事の見解をお伺いいたします。
     最後に、 地域振興についてでありますが、 県は昨年十月から、 静岡空港地域振興検討協議会を設置して、 空港を核とした地域振興策の検討を進められております。 空港設置の効果は、 利用者の利便だけでなく、 地域経済や産業振興などに影響を与えますが、 現下の社会経済環境は大変厳しいものがあります。 そのため、 すぐに効果が発揮されることのないこともあり、 急いで成果を求めるのは得策でないと考えます。 今の時代は、 行政が主導的に行うのではなく、 民間の活力を最大限活用できるように誘導し、 県下全域に影響が及ぶような施策展開が重要であります。 地域振興等の検討に当たっては、 官民の役割分担や全県的な効果などの観点から、 より適切な対応が必要と考えますが、 あわせてお伺いをいたします。
     次に、 防災対策についてお伺いをいたします。
     最初に、 中央防災会議委員としての抱負についてであります。
     知事は、 本年一月に中央防災会議の委員に任命されたとのことであります。 中央防災会議は、 国政における防災の基本方針を定め、 各省庁の防災に係る施策の総合調整を行うという重要な事務をつかさどる組織でありますが、 このたびの中央省庁の再編に伴い、 国における防災対策が一段と強化されたことになったものと期待をしているところであります。
     こうした重要な場において、 本県の石川知事が委員として就任されたことは、 東海地震説発表以来、 四半世紀にわたって県民、 行政が一丸となって東海地震対策に取り組んできた結果であり、 地方からの意見を述べる貴重な機会を与えられたものとして、 大いに期待をしているところであります。 折しも、 東海地震の切迫性が指摘される中、 県全体を見たときには、 自主防災組織の活動の停滞や県民の意識の低下も指摘されております。 そこで、 知事は、 中央防災会議の委員として、 どのような抱負をお持ちなのか、 また、 予想される東海地震に備え、 県民のため、 中央防災会議の中でどのような主張をしていくお考えなのか、 御所見をお伺いいたします。
     次に、 浜岡原子力発電所の耐震安全性についてお伺いをいたします。
     最近、 マスコミでもしばしば取り上げられておりますが、 東海地震の想定震源域内では、 観測史上初めてと言われるほど地震活動の静穏化が続いているということで、 このデータが東海地震の切迫性を示すものとして、 専門家も注目していると伺っております。
     このような状況の中で心配されるのは、 中部電力浜岡原子力発電所の安全性についてであります。 原子力発電所は、 突発的に地震が起こっても一定の揺れを感知すれば原子炉が緊急停止をする設計になっていることや幾重もの安全対策がとられていることは承知しております。 しかし、 原子炉の運転により、 原子炉内には大量の放射性物質が存在することから、 原子炉が停止しても崩壊熱に対する安全性が確保されている必要があります。 週刊誌など読者の恐怖心をあおるような記事がたびたび掲載され、 東海地震により周辺に放射線被害を与えるような事故が起こるのではないかと、 県民も不安を感じているのではないかと思います。
     そこで、 浜岡原子力発電所の安全性、 とりわけ東海地震に対する耐震安全性についてお伺いをいたします。
     次に、 防災船 「希望」 についてであります。
     防災船 「希望」 は、 平成八年度、 国より三億円でTSL実験船を買い入れ、 改造費十九億円をかけて防災船機能を持たせ、 さらに、 フェリーとしても利用できるようにしたものであります。 本来、 防災船が主であることから、 おのずとサービスや運航にも制約があり、 その収入も多くは望めないところです。 予想される東海地震等の有事の際には、 文字どおり防災船として活用することになるわけですが、 現実にこのTSLが接岸できる港は、 清水港、 熱海港を初め八港に限られております。 ゆえに、 いざというときは、 真に県民の防災船になり得るだろうかと疑問の声も聞かれるのであります。 「二兎を追う者一兎をも得ず」 になりかねないと心配をしているところであります。
     経費面について少し触れてみますと、 平成十二年度予算では、 防災船としての維持管理経費として七億八千九百万円、 カーフェリーの赤字補てんを含めた活用事業として一億一千四百万円、 合わせて一年間に約九億円余りの経費を必要としているのであります。 さきの東京都三宅島の噴火に見られるように、 東京都に対し本県防災船 「希望」 のアピールをしたものの、 何ら具体的な要請もなく、 民間の観光船を使用しての避難でありました。 確かに、 巡航スピードやそれに伴うノウハウは世界一と自負しているものの、 現実には防災船としての活用は極めて限られているものとなっております。
     そこで、 かかる状況を踏まえ提案することは、 防災船 「希望」 を国に買い取り要求をし、 以降、 必要な事業は委託形式で本県が請け負い、 有事の際は防災船として活用することが現実的で最も望ましいと考えるものであります。 この提案を含めTSLを防災船として活用するための方策をどのように考えているのか、 知事の御所見をお伺いいたします。
     次に、 ユニバーサルデザインの推進についてであります。
     静岡県は、 平成十一年度より取り組み始めましたが、 当時はユニバーサルデザインとは一体何のことかというのが大半の声であったように思います。 しかし今日では、 それぞれの活動や意識が定着し始め、 市民権を得つつあるように思います。
     ところで、 私の知人に山下君という元体操選手がおりました。 彼は練習中、 鉄棒から落下、 脊髄を損傷して以来、 車いす生活を余儀なくされてきましたが、 社会の厳しさを知らされていることが幾つかあったと言います。 その一つは、 有料道路の発券機であります。 自家用で移動するのですが、 握力が弱いため券がつかめず苦労しておりました。 改善要望していたのですが、 なかなか進まないとのことでした。 いま一つは、 飛行機内の扱いについてであります。 車いすの方は、 係の案内で必ず最初に機内に入り、 席は一番奥の窓側に座ります。 他から見れば、 実にほほ笑ましい光景でありますが、 体の不自由な自分たちが通路側にいたのでは、 いざというときに他人の妨げになるからだというのです。 これが今の障害者に対する扱いだと彼は涙ながらに言いました。 残念ながら、 その山下君も先ごろ亡くなりました。
     すべてがこのような状態とは思いませんが、 しかし、 まだまだの感をぬぐえないのも事実であります。 だからこそ、 真にユニバーサルデザインの推進が必要と思うのであります。 幸い、 新年度予算でも明らかなように、 JR新幹線を初め四駅にエレベーターを設置することになり、 それぞれ助成するところです。 また、 既に実施している浜松市内のオムニバスに加えて、 静岡市でもその計画と聞きます。 これらの施設整備には、 何と言ってもまず公共施設管理者からその範を示すべきと思います。 もちろん、 民間の施設及び事業所においても公共性の高いところ、 あるいは、 大勢が集うところなどは率先してその整備に努めてもらいたいと思うのですが、 やはり予算が伴うことから、 一朝一夕には難しいかもしれません。
     固有名詞を出して大変恐縮ですが、 先ごろ浜松でオープンしたイトーヨーカ堂などは、 その先頭に立っていると認識をしております。 整備段階で、 さまざまな障害を持つ人たちを案内し、 店の内外にわたって彼らの意見を取り入れ、 利用しやすいように仕上げているようです。 大変すばらしい取り組みだと思います。
     そこで、 県庁を初め県内の公共施設におけるユニバーサルデザインに配慮した施設整備の状況と今後の計画及び民間事業者への整備費助成等について、 どのようにお考えなのかをお伺いいたします。
     次に、 「障害者」 という言葉についてお尋ねをいたします。
     何らかの障害を持つ人たちから見れば、 「障害者」 の呼び方は、 人格的に障害があるようにとらえている向きもあるようです。 私たちは、 社会に対して害のある人間なのか。 私たちは邪魔なのか。 健常者からは一種のひがみに聞こえるかもしれません。 でも、 こんな疑問や悩みは、 我々日本だけでなく、 アメリカにも同様なケースがあるようです。 「ハンディキャップ」 と呼んできましたが、 最近では 「ディスエイブルド・パーソン」 と呼んでいるようです。 しかし、 これも日本流に言えば、 「行動や情報に制約を受けているときや困難な人」 の意味となり、 決して好ましい呼び方とは思われません。 そんな試行錯誤を繰り返しながら、 現在では、 「チャレンジド」 と呼んでいる人たちもおります。 我々日本において 「チャレンジド」 が適当かどうかは難しいところでありますが、 ユニバーサルデザインの考え方を広く普及していく中で、 「障害者」 という言葉そのものを考えてみる必要もあるのではないかと思うのですが、 知事の御所見をお伺いいたします。
     次に、 イベント終了後の施設の利活用についてお伺いいたします。
     最初は、 小笠山総合運動公園の管理運営についてであります。
     当公園は、 二十一世紀に向けたスポーツと健康づくりの公園として計画され、 平成六年度の事業着手以来、 県民や地元関係者の御理解、 御協力のもと、 いよいよ来る五月には開園できるとのことであります。 この公園の主要施設であります静岡スタジアム 「エコパ」 は、 二〇〇二年FIFAワールドカップの国内開催会場の一つとして、 また翌年には、 NEW!!わかふじ国体秋季大会の総合開会式、 閉会式及び陸上競技の会場となることが決定いたしております。 これらの世界的、 全国的な大規模なスポーツイベントの開催は、 本県のスポーツ振興を初め周辺地域の振興などに大きな波及効果が生じるものと期待を寄せているところであります。
     ところで、 本県の県営都市公園には、 草薙総合運動場、 遠州灘海浜公園、 愛鷹広域公園や富士山こどもの国がありますが、 この小笠山総合運動公園は、 これら既存公園にはない大型競技施設と広大な園地を有しております。 ゆえに、 二〇〇二年ワールドカップやNEW!!わかふじ国体終了後における施設の利活用が大きな課題となってくると思います。 そのため、 例えば、 コンサートや各種展示会の開催など、 創意工夫を凝らした管理運営を図っていく必要があると思います。 これらの利活用を念頭に、 本公園の管理運営をどのように行っていくのか、 また、 施設利用料金の設定に当たっての基本的な考え方についてお伺いをいたします。
     また、 運営に当たっては、 ボランティアやNPO組織の活用や周辺地域を含めた各団体との協働が重要であると思いますが、 どのような形で地域との連携を図っていこうとしているのか、 あわせてお伺いをいたします。
     続いて、 しずおか国際園芸博覧会 「パシフィックフローラ2004」 の跡地利用についてであります。
     自然と共生を図り、 世界的な産業を生みはぐくんだ魅力いっぱいの地  浜名湖を舞台に開催されるこのイベントは、 県民の英知ともてなしの心で大勢の皆さんを迎え、 ぜひ成功させたいと思うのであります。 もちろん、 イベント後の跡地についても有効利用されなければ、 真の成功とは言えないと思います。
     現在のところ、 跡地の東側約三十四ヘクタールは都市公園としての活用が決まっておりますが、 残る西側約二十二ヘクタールは未定であります。 基本的に、 民間活力を導入した自由度の高い跡地利用を目指すということですが、 どのような形で民間誘致をされるのでしょうか。
     最近、 民間ではプロジェクト・ファイナンスという新たな資金調達法が広がり始めております。 聞きなれない言葉ですが、 従来の融資は企業に対する融資、 つまり、 コーポレート・ファイナンスと呼ぶのに対し、 プロジェクト・ファイナンスは土地など固定資産の担保なしに、 すぐれた事業そのものを担保に融資をするというものであります。 融資者は単に融資するのみでなく、 事業のプランを立て、 経営にも携わるのですから、 おのずと責任を感じ成功の率を高めていると思われます。
     この手法は、 一九七〇年代、 ヨーロッパで生まれたものであり、 最近ではユーロトンネルの成功例が挙げられております。 同様に我が国でも、 間もなく大阪にユニバーサル・スタジオ・ジャパンが誕生いたします。 新しい時代だからこそ新しい方法で新しい事業に取り組む、 そのことこそ生きた民活であり、 地域の活性化につながるものと思います。
     以上のようなことから、 国際園芸博覧会会場跡地の利活用について、 どのようにお考えか、 御所見をお伺いいたします。
     次に、 環境アセスメントについてお伺いいたします。
     二十世紀において、 私たち人類は、 活動する領域や自然への影響を拡大しながら、 今日の繁栄を築いてまいりました。 その結果、 地球環境が著しく損なわれ、 このままでは人類社会が存続できない段階に近づきつつあると言われております。 そして迎えた二十一世紀、 持続的発展が可能な社会を構築し、 将来の世代にこのすばらしい地球を承継していくためには、 この病んだ環境を回復、 保全し、 さらには創造をしていくことが強く求められております。 言うまでもなく、 この地球環境の保全は、 我が国のみでは解決でき得ない人類共通の課題であり、 各国が協力して取り組むべき問題ではありますが、 まずは、 それぞれの地域の足元の環境回復と保全から取り組まなければなりません。
     二十一世紀における開発の指標は、 「自然との共生」 がキーワードであり、 本県においても地域の環境特性を踏まえた開発手法が不可欠になっております。 このため、 開発事業の実施に当たっては、 環境への影響を事前に予測、 評価、 そして、 その結果を計画に反映させる環境アセスメントの果たす役割がますます重くなっていると思います。
     例えば、 先ごろ、 浜松市において運動場の建設を計画していた私立高校が、 市や市民団体の要望を受け入れて、 建設計画の変更を行いましたが、 論点になったのは、 貴重な自然環境の保全でありました。 このような状況を回避するため、 事業者が開発地域の選定に当たり必要とする環境情報があらかじめ提供されていれば、 不効率な事態を未然に防ぐことができたのではないでしょうか。 したがって、 行政が把握している環境データについては積極的に提供していくシステムの構築が求められていると考えるところですが、 県の対応をお伺いしたいと思います。
     また、 近年の地球温暖化は、 そのまま地球環境への悪影響、 特に生態系への影響が懸念されているところであります。 私たち、 地球の一員として自然と共生し、 健全な生態系を取り戻すことが求められております。 こうしたことを踏まえれば、 開発は、 地域に調和するだけでなく、 開発の内容を左右する環境アセスメントも当然、 地球環境への配慮をチェックするものでなくてはなりません。 県は、 ふじのくにアジェンダ21の改定など、 地球温暖化対策を強化する方針であるとのことであります。 地域開発の指導に当たっても、 こうした観点の取り組みが必要ではないかと考えますが、 県の対応をお伺いいたします。
     次に、 個別的労使紛争への対応についてお伺いいたします。
     近年、 企業活動の規制緩和が進展するとともに、 労働基準法を初めとする労働関係法令の大幅な改正により、 産業構造や労使をめぐる雇用環境は労働ビッグバンと言われるように大きく変化をしております。 このような状況のもと、 労働者の職業意識の変化やパート、 派遣労働者の増加等に伴い、 労働者個人と使用者との間で労働契約に関するさまざまなトラブルが増加しております。 今後ますます企業の分社化、 アウトソーシング、 派遣型雇用契約などが進んでいくと見られる中、 多様化、 複雑化した個別な労使紛争の増加が危惧されるところであります。 このため、 労働者が安心して働くことのできる環境の整備が必要であり、 個別的労使紛争へのセーフティネットの整備が急務となっております。
     今国会に、 個別労働関係紛争解決の法案が提出されたところでありますが、 これは、 都道府県労働局を中心に労働相談、 あっせんを行うものであり、 国の一律管理による方法に対しては使用者側の抵抗も大きく、 紛争解決の機能は不十分と言わざるを得ません。
     一方、 地方労働委員会は、 これまでの労働組合と使用者との間に発生した集団的労使紛争について、 あっせんや調停などを行い、 紛争の円満な解決に大きな役割を果たしてきたところでありますが、 いわゆる個別的労使紛争に対する解決機能はありません。 しかし、 平成十二年四月一日の地方分権一括法により、 地方労働委員会の事務が自治事務として位置づけられたことから、 都道府県の判断で、 地方労働委員会の機能に個別的労使紛争に対する処理機能を加えることが可能になっております。
     そこで、 地方労働委員会に個別的労使紛争を解決するための機能を整備充実させていくことが、 本県の労働行政において雇用関係のセーフティネット化を推進していく重要なポイントであると思います。 このことは、 安定した勤労者生活を実現するものであり、 「快適空間静岡の創造」 の着実な実行を図るという知事の方針とも合致するものであります。
     そこでお伺いいたしますが、 県として、 個別労働者と使用者との労使紛争の現状をどのようにとらえているのか。 また、 これを解決するための行政サービスの拡充が必要であると考えますが、 どのように認識しているのか。 加えて、 労働組合などは、 早期に地方労働委員会の機能を強化し、 個別的労使紛争の解決のために地方労働委員会を活用することを強く望んでおりますが、 県はどのように対応するのか、 あわせて知事の御所見をお伺いいたします。
     次に、 農林水産業行政の振興についてお伺いいたします。
     まず初めに、 遊休農地の活用についてであります。
     昨年末に公表されました二〇〇〇年世界農林業センサスによれば、 平成十二年の県内の耕作放棄地面積は平成七年から一二%も増加しています。 このような遊休農地の増加は、 農業の担い手が減ったり、 高齢化が進んだり、 あるいは農産物価格の低迷などによるものだと考えています。
     遊休農地は、 雑草や病害虫の発生源となったり、 水田においては、 用排水などの共同利用に支障を来し、 周囲の農地にも悪影響を与え、 さらには、 遊休農地が粗大ごみの廃棄場とされたり、 枯れ草による災害が発生するなど、 さまざまな問題を引き起こしております。 これは単に地域の農業者だけの問題でなく、 地元住民の生活にも影響を与える大きな問題となっており、 早急に遊休農地対策を進める必要があると考えております。
     一方、 県内にも、 こうした遊休農地の解消に向けて地域で取り組んでいるところもあります。 湖西市では、 農業委員と農政推進員とが連携して、 遊休農地所有者への説得活動を続け、 平成十年から十一年にかけて八ヘクタールの遊休農地の解消を実現したと聞いております。 また、 竜洋町では、 ごみ捨て場となったり、 ぼやが発生したことから、 地権者を対象に意向調査をするとともに、 農地の利用希望者を募った結果、 約十三ヘクタールを意欲ある担い手へ集積したとのことであります。
     そこで、 このような状況の中、 県は、 遊休農地対策について、 どのように取り組もうとしているのか、 まずお伺いをいたします。
     次に、 森林の適正管理についてであります。
     森林には、 木材生産だけでなく、 災害の防止、 水源の涵養、 生活環境の保全など、 さまざまな働きがあることは、 私たち経験から知っております。 しかし近年、 輸入材の増加と価格の低迷から、 林業はかつての元気を失い、 山村の過疎化、 高齢化と相まって、 手入れがされない森林が急速にふえております。 このままでは森林が荒廃し、 その多様な公益的機能が損なわれるばかりでなく、 長い間積み重ねられてきた文化や習慣、 技術を含めた山村の生活そのものが急速に失われるおそれがあります。 今こそ私たちは再生産可能な資源を生み出す森林を適正に管理し、 先人がはぐくんできた貴重な森林資源を子々孫々へ引き継ぐことが最も重要であると考えます。
     今回の通常国会では、 農林業の根幹をなす林業基本法を抜本的に見直す改正案が上程されていると聞いております。 このような状況の中で、 持続可能な森林管理を行っていく上で、 県はどのような対策を考えているのか、 その御所見をお伺いいたします。
     次に、 教育行政のうち、 中高一貫教育の推進についてお伺いをいたします。
     新しい世紀を迎え、 大きな構造変化の波が世界的規模で巻き起こっており、 我が国の社会が進むべき道も決して平坦ではないものと思われます。 このような中で、 我が国の教育のあり方も、 時代に対応したシステムに転換していくことが求められております。 昨年十二月には、 国の教育改革国民会議が教育を変える十七の提言を発表し、 静岡県においても、 人づくり百年の計委員会が幅広い観点からの教育改革の方向性を提言しておりますが、 そのいずれもが中高一貫教育の推進を挙げております。
     県教育委員会では、 平成十四年度からの設置を目標に、 浜松地区と川根地区での推進を発表されておりますが、 あすの我が県、 我が国を支える高い志を持った人間の教育という本県教育改革の柱となり、 幅広い教育の分野に改革の先導的モデルになることを強く希望するものであります。
     また、 実施予定二地区のうち、 併設型での実施が予定されている浜松地区では、 公立では全く新しい試みであり、 かつ母体となります県立浜松西高等学校が伝統ある学校だけに、 これから併設中学に進学しようと志す子供たちや保護者にとっては、 どのような入学者決定方法になるかが最大の関心事になってくるものと思われます。 つまり、 私が一番心配していることは、 現在でも大変な受験競争があるわけですから、 それがまだ幼い小学生からその競争が始まるかと思うと、 真に高い志を持ち、 心豊かな人間づくりが望めるだろうかと思うのであります。
     そこで教育長にお伺いいたします。 平成十四年度から中高一貫教育に当たり、 県教育委員会として、 どのような学校設置の理念を持って進もうとしておられるのか、 また、 浜松地区で実施される中学校入学者決定の具体的方法はどのようにされるのか、 お伺いをいたします。
     次に、 本県の環境教育、 環境学習についてであります。
     今日のさまざまな環境問題は、 一国一県の対応だけですべてを解決できるものではありませんが、 県民一人一人の意識の改革、 活動が全世界的な活動につながっていく原点となるものと認識をいたしております。 その意味では、 幼児期から始まる生涯を通じた環境教育、 環境学習の役割は大変重要であると言えます。
     昨年十二月に出された国の新しい環境基本計画 「環境の世紀の道しるべ」 では、 持続可能な社会の構築が目指す方向として位置づけられ、 特に環境教育、 環境学習については、 各環境政策分野において、 政策立案から実施の段階に至るあらゆる段階で活用することを示しております。
     さて、 本県においては、 本年度、 有識者による環境調和型教育創造会議を設置し、 その検討結果をもとに知事部局と教育委員会が連携して、 ふじのくに環境教育・環境学習基本方針を策定したと聞いております。 そこで、 その方針のポイントは何か、 また、 それを具体化するため、 今後どのような取り組みをしていこうと考えるのか、 教育長の御所見をお伺いいたします。
     続いて、 青少年の健全育成についてであります。
     県は本年度、 青少年健全育成総合戦略研究委員会を設置し、 「ふじのくに青少年健全育成総合戦略提言書〜美しい未来のために〜」 を作成し、 知事に提出されました。 青少年をめぐる現状と課題を科学的根拠に基づいて分析し、 発達段階及び社会領域に応じた具体的な対策が青少年健全育成のバイブルとも言うべき内容にまとめられております。 しかし、 ここで重要視されるべきは、 提言書の作成でなく、 いかにこの提言書を活用するかであります。
     戦後半世紀にして世界をリードする経済大国へと発展した我が国では、 その一方で、 物質的豊かさと心の貧困、 自由とわがままのはき違え、 家庭教育力の低下や地域の教育力低下を招くなど、 我が国の特徴とも言うべきさまざまな人づくり機能が失われてきたことは否めない事実であります。 このような実情を背景に、 社会では胸の痛くなるような青少年による事件が相次いで発生している現状であります。
     青少年問題は、 断片的な一時期の現象としてとらえるのではなく、 家庭を中心とした幼少期の人間関係を初めとして、 学校教育とのかかわり方や地域とのかかわり方など、 総合的かつ一貫性のある観点で検討されるべきであると考えます。 青少年はいつの時代も社会の宝物であります。 彼らの限りない可能性と魅力を引き出すため、 青少年団体活動の活性化や社会活動への積極的な参加が必要であります。 とりわけ、 幅広い視野を持った青少年リーダーの養成が不可欠であり、 その必要性を痛感する次第であります。
     そこで、 心豊かでたくましい青少年をはぐくむための青少年リーダーの養成について、 具体的にどのようにしていくつもりか、 教育長にお尋ねをいたします。
     最後に、 警察における児童虐待とドメスチック・バイオレンスへの対応について、 警察本部長にお伺いいたします。
     昨年は、 ストーカー規制法が施行されるなど、 ストーカー問題の対応で警察の皆さんは大変御苦労されたことだと思います。 そんな中で、 ストーカーとともに社会的に深刻な問題となってきたのが、 児童虐待とドメスチック・バイオレンス問題への対応ではないかと思います。 昨年、 児童虐待の防止等に関する法律が施行され、 児童相談所等の公的機関が被害児童の発見、 保護に当たることになりました。 また、 ドメスチック・バイオレンスに関しても、 今国会で審議されると伺っております。
     子供に対するせっかんや痴話げんかなどとして片づけられてきた夫婦げんかは昔からあったものです。 しかし、 この類のものが児童虐待やドメスチック・バイオレンスなどと呼ばれ、 社会的な問題としてとらえられるようになったのは、 比較的最近のことであります。 最近では、 しつけなどとは全く無関係な親の身勝手、 例えば、 単に親の言うことを聞かなかったとか、 親がパチンコに興じて車の中に放置された幼児が死亡したり、 自分の思いどおりにならないというだけでパートナーを傷つけ死亡させた事件が全国各地で発生しております。 県内においても、 昨年、 子供が泣きやまないのでカッとなり、 二階のベランダから投げ落としたり、 病気の妻に家事ができないと腹を立てて熱湯をかけた事件が発生しており、 他県の問題として片づけられない状況にあるのではないでしょうか。
     この原因には、 戦後の核家族化や都市化に伴う地域社会における連帯感の希薄化、 さらには、 自由の意味をはき違えた若者の無軌道ぶりを黙認してしまう社会風潮などの最近の世相が反映しているのではないかと考えるところであります。 このように考えたとき、 被害者保護などの防止対策は、 児童相談所などの公的機関が取り組むとしても、 やはり、 最終的には警察の対応を求めざるを得ない部分があるのではないかと思います。
     そこで、 今後発生の増加が懸念される児童虐待及びドメスチック・バイオレンスに対し、 警察はどのように対応される所存なのか、 警察本部長にお伺いいたします。
     以上で私の質問を終わります。 (拍手)

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp