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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小楠 和男 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/30/2016

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:


1 青少年に対する薬物乱用防止対策について
2 第二十九回技能グランプリについて
3 浜松市西南部の排水対策について
4 馬込川の河川改修について
 (1) 河川整備計画
 (2) 馬込川河口部の津波対策
5 天竜川ダム再編事業と海岸保全について
6 三ケ日青年の家の海洋活動再開について



○議長(鈴木洋佑君) これで田泰久君の質問が終わりました。
 次に、五十七番 小楠和男君。
       (五十七番 小楠和男君登壇 拍手)
○五十七番(小楠和男君) 私は自民改革会議所属議員として通告に従い一括質問方式で、知事及び関係部局長並びに教育長に当面する県政の諸課題についてお伺いいたします。
 初めに、青少年に対する薬物乱用防止対策について伺います。
 近年、交通事故や健康被害が多発し社会問題となっていた危険ドラッグにつきましては、私の平成二十六年九月定例会での一般質問、危険ドラッグ規制条例についてに答える形で県は同年十二月定例会で静岡県薬物の濫用の防止に関する条例を制定し、国に先駆けて知事指定薬物として指定し規制するなど撲滅に向けた対策を講じております。これにより県内はもちろん全国的にも街頭で販売していた店舗が全て閉鎖されるなど一定の成果を上げています。
 しかしながら、この規制強化により危険ドラッグは、インターネットを利用して密売されるなど流通の潜在化も見られ、また青少年の乱用薬物が大麻に移行しているとの指摘もあり警察によるマンションでの大麻の不法栽培の摘発が続いています。
 また、昨年の京都市内の小学生による大麻の乱用や、ことしに入り有名な元プロ野球選手や芸能人、富士市内の中学生による覚醒剤の使用が新聞、ニュース等で日々大きく報道されるなど全国的に薬物に関する事件が相次いで発生し大きな社会問題となっております。特に京都市内の小学生や富士市内の中学生による事案などを目にすると次代を担う青少年の薬物乱用が非常に憂慮されるところであります。
 覚醒剤や大麻等の薬物は、たった一度でも手を出すと自分の意思ではとめることができなくなり依存症という取り返しのつかない病気への第一歩となります。また薬物乱用はみずからの体や心をむしばむだけでなく、薬物を入手するために窃盗、強盗、売春、さらには殺人などの犯罪を誘発し家庭の崩壊、社会秩序の破壊等の要因にもなっています。特に将来を担うべき青少年が好奇心や仲間意識など安易な気持ちから薬物に手を染めみずからの人生を棒に振ってしまうようなことは絶対に防がなければなりません。
 そのため、青少年が薬物に手を出すことのないよう乱用を未然に防ぐための啓発活動が重要であると考えますが、青少年に対する薬物乱用防止対策にどのように取り組まれているのか伺います。
 次に、第二十九回技能グランプリについて伺います。
 議場の皆様は、平成十九年の十一月に二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会が静岡県で開催されたことを覚えておられますでしょうか。三期の皆さんが初当選した年であります。これは第三十九回技能五輪国際大会と第七回国際アビリンピックが世界で初めて同時に開催された大会でした。我が国のものづくりに必要な技能の次世代への継承と若者がものづくりの現場に就職しやすい環境づくりのため、広く国民各層にものづくり技能の魅力を伝えるための大会でした。
 技能五輪国際大会は沼津市門池地区で四十七職種を、障害を持った方々が競う国際アビリンピックは静岡のツインメッセで三十種目がそれぞれ開催され、世界五十五の国と地域の千百七十二人の選手によりわざが競われました。大会名誉総裁であられる皇太子殿下をお迎えしての開会式など大規模なそして華やかな大会でもありました。
 技能五輪国際大会に九名、国際アビリンピックに十一名の本県選手が日本代表として出場し好成績をおさめましたが、ここに至るまでの選手の育成には静岡県職業能力開発協会や静岡県技能士会連合会などと連携した支援がされてきました。また多くの方々に会場に足を運んでいただきものづくりに取り組む若者の真摯な姿を実際に見ていただけるよう、県内の公立中学校、県立高校、特別支援学校や私立高校などに借り上げバスの補助を出すなどの支援も行われました。民間の企業や団体、多くの市民ボランティアらの協力で三十万人の来場者を迎えて成功裏に終わりました。
 さて、話が長くなりましたが、第二十九回技能グランプリに戻させていただきます。
 先ほどの技能五輪国際大会は、隔年で開催されていますが国内では毎年技能五輪全国大会が開催されています。参加資格は原則二十三歳以下の若者で各都道府県の職業能力開発協会などにより選抜されます。国際大会の前年の大会が国際大会の選考会を兼ねることになっています。
 この大会は、厚生労働省と中央職業能力開発協会等の共催で開催されていますが、同じ主催者による技能を競う大会に隔年で開催される技能グランプリがあります。技能五輪が原則二十三歳以下に制限されているのに対し技能グランプリの出場者は当該の職種の特級、一級及び単一等級の技能検定に合格した技能士であり、熟練のわざを持った技能士による日本一を決める技能競技大会です。
 実施される職種は約三十。せっかくでございますので前回の二十八回大会で実施された二十八職種を御披露いたします。染色補正、婦人服製作、紳士服製作、和裁、寝具、石工、建築大工、瓦ぶき、畳製作、建築配管、プラスチック系床仕上げ、カーペット系床仕上げ、壁装、旋盤、フライス盤、機械組み立て、家具、建具、ガラス施工、貴金属装身具、印章木口彫刻、表具、園芸装飾、ペイント仕上げ広告美術、粘着シート仕上げ広告美術、日本料理、フラワー装飾、レストランサービスです。機械系から建築系、服飾系など多岐にわたっています。
 前回二十八回までの開催地は、原則として幕張メッセを中心とした千葉県で開催されており、地方での開催は平成十三年度の第二十一回大会が島根県、平成二十年度の第二十五回大会が兵庫県で開催されているのみです。ところがなんと平成二十八年度の技能グランプリが来年二月に我が静岡県で開催されることが内定したのでございます。私がこの話を聞いたのは五月中旬のとある職能団体の総会でした。すぐに担当部局に問い合わせをしたところです。
 準備期間がほとんどない中での本県開催の内定と伺いました。しかしながらせっかくの一流のものづくりのわざの日本一を決める大会が開催されるのであれば、成功させるのはもちろんですがものづくり県静岡を標榜している立場からは本県のものづくりのかなめとも言える技能が継承され、次世代の若者が技能職を目指したくなるような環境の整備の契機となる大会であってほしいものです。
 そこで、第二十九回技能グランプリには本県はどのような立場で参画し、大会の果実をどのように本県のものづくりの振興につなげていかれるのか伺います。
 次に、浜松市西南部の排水対策について伺います。
 昨年九月の台風十八号は浜松地方に大雨をもたらしました。市内を流れる河川の増水のため二十五万五千人に避難勧告、さらに緊急性の高い避難指示が二万七千世帯七万三千人に出され、市内の各地で浸水被害が発生しました。
 特に、私の選挙区である浜松市南区の通称高塚川周辺の浸水被害の映像が、八日から九日にかけての全国ニュースのトップで報道され私のところにも遠方の親族や友人から、おまえのとこ大丈夫かとのお見舞いの電話が多数かかってきました。幸い私の自宅には浸水被害はありませんでしたが自宅から東へ五十メートルの米津排水路沿いの道路は冠水しており危ういところだったと思います。県庁に出向くために浜松駅を目指しましたが何カ所も道路の冠水に遭遇し大変難儀をいたしました。全国に映像が流れた通称高塚川の流域ではその後の調査によると浸水面積二百三十二ヘクタール、床上浸水十六戸、床下浸水七十一戸であり、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げる次第であります。
 さて、通称高塚川ですが、正式には新橋一号排水路及び篠原十五号排水路で延長約六キロメートル、流域面積約七平方キロの普通河川であり田尻排水機場で馬込川に合流しています。浜松市南区の可美地区と新津地区の境界を東に流れていますがその勾配は極めて緩やかです。
 江戸中期の絵図には、この河川一帯は長さ約二・五キロメートル、幅百八十メートルの池として描かれており蓮池の名称が後の絵図や紀行文に記載されています。新津地区には新橋町の地名がありますが、この池に新しく橋をかけたことが町名の由来だとされています。戦前にはフロートをつけた水上飛行機がこの池におりたのを多くの住民が見学していたとの地元の古老が話をしてくれました。昭和三十年代の土地改良事業により水田として整備されましたが、池の一部は可美公園総合センターや浜松市新橋体育センターの敷地となりました。その後の高度経済成長の時代とともに水田は工場や宅地となり現在に至っています。
 今回は触れませんが昨年十二月議会で田口議員が質問した同じく台風被害のあった堀留川は、蓮池の一部である沼田池から新川に水を流すための排水路として大正末期につくられこの地域の排水を東の馬込川と西の浜名湖に流すための役割を持っており現在も水路はつながっております。
 このように、地形的な要因で浸水被害が起きやすい河川ではありますが、河川管理者である浜松市に対して県はどのように対策に協力していくのか伺います。
 また、冒頭申し上げた冠水をもたらした米津排水路も江戸中期の地図には米津池として描かれており、この地域一帯が低湿地だったことがうかがわれます。この米津排水路は、ため池等整備事業に採択され改修工事が進められていますが、工事の進捗状況を伺います。
 次に、馬込川の河川改修についてのうち、河川整備計画について伺います。
 一昨日の山ア議員の質問はソフト面の対策についてでしたが、私はハード面の対策について質問したいと思います。
 先ほどの浜松市西南部の排水対策でも一部触れましたが、浜松市内の排水は中小河川を経由して浜名湖から遠州灘に注がれるか、安間川から天竜川を経て遠州灘、馬込川水系から遠州灘に注がれるかの主に三ルートがあります。浸水被害の多い安間川流域は既に河川整備事業が着手され最大の懸案であった遊水地も間もなく事業が完了すると聞いています。また同じく新川を経由して浜名湖に注ぐ堀留川もことし六月に河川整備計画が策定され本年度から用地買収などに着手されるとのことです。
 残る一つ、馬込川の流域は、暴れ天竜と称された天竜川が三方原台地と磐田原台地との間で激しく流路を変えたその最も右岸寄りの分流に由来し浜松市中心部のほとんどが含まれます。天竜川の運んだ土砂が堆積してできた平らな低地であるという特性から排水不良が生じやすく内水被害による浸水が発生しやすい地形と言えます。さらに上流域での都市開発や市街化の進展により保水、遊水機能が大きく低下し馬込川への流出量の増大につながっていると考えられます。
 一方で、流域内には東名高速道路、東海道新幹線、東海道線、国道一号線の東西交通の大動脈を抱えているとともに、流域内の人口は浜松市の人口の五割強を占めており水害が起きたときの被害は甚大なものになると言わざるを得ません。
 現在の馬込川水系の河川改修規模は、時間最大雨量四十三ミリ、確率規模三分の一ですが、過去三年だけを見ても県の浜松総合庁舎に設置された雨量計では四十三ミリを上回る大雨は五回観測されており治水の安全度は決して高いとは言えません。
 このような都市型河川である馬込川の改修には、さまざまな課題があることも容易に想像できます。先ほど申し上げた東西交通インフラを初めとする多くの橋梁への対応をどのようにするのか、堤防の間際まで住宅が建設されているなど河道の拡幅の余地が限られることなどです。
 県では、これまでも馬込川水系の河川整備計画策定のための準備を進めてこられ、ことし一月には住民や学識経験者から成る馬込川水系流域委員会が設立されました。ここでの幅広い意見を河川整備計画に反映していくとのことです。
 そこで、河川整備の基本的な考え方と河川整備計画の策定スケジュールについて伺います。
 次に、馬込川河口部の津波対策について伺います。
 浜松市の遠州灘海岸では、寄附金を財源として県施行により防潮堤の整備が進んでおります。このため馬込川河口部についても一体的な津波対策が必要と考えられます。河口部の馬込川と芳川は、国道一号までは第一次地震被害想定に対応する海抜六メートルの堤防のかさ上げがおおむね完了しています。
 しかし、第四次地震被害想定を受けて検討された結果、高さ七メートルのレベルワンの津波により約二平方キロの浸水域が河口部に発生することがわかりました。これをもとに県では新たな方式の水門の検討に着手し、有識者による馬込川河口津波対策技術検討委員会を昨年二月に設立して検討を進め、本年三月の最終回となる第六回の検討委員会が開催され三件あった技術提案に対する評価を行ったとのことです。
 この検討委員会の結果を受け、今後どのように取り組んでいかれるのか伺います。また馬込川河口の津波対策は、先ほど伺った馬込川水系の河川整備計画とはどのように連動していくのかあわせて伺います。
 次に、天竜川ダム再編事業と海岸保全について伺います。
 天竜川ダム再編事業については、私は過去再三にわたり本会議で質問してまいりましたが、改選後初めての方もおられますので事業の概要と目的について簡単に申し上げておきます。
 天竜川ダム再編事業は、国土交通省浜松河川国道事務所のホームページによれば天竜川中下流域部の洪水防御をするため既設の利水専用ダムである佐久間ダムを有効活用して新たに洪水調節機能を確保し、佐久間ダムにおいて恒久的な堆砂対策を実施することにより土砂移動の連続性を確保して貯水池の保全を図るとともに海岸侵食の抑制等への寄与を目指すものですとありますが、さっぱりわかりません。
 私なりに解釈すれば、佐久間ダムの上流、下流の洪水対策と発電用に必要なダム湖の空き容量を確保するためにはダム湖に堆積する土砂を取り除いて何らかの方法で下流に流下させることが必要で、それによって海岸侵食対策にもなるという事業だと考えています。ついでに申し上げますと佐久間ダムの下流の秋葉ダムは、既に土砂でほぼ埋まっておりゲートをあけるだけで放流水とともに土砂が流れる状態にありますし、さらに下流の船明ダムはそもそも土砂が堆積しない構造でつくられておりますので佐久間ダムの堆積土砂対策こそがこの事業のメーンなのであります。
 平成十六年から行われた調査や試験の結果、当初はダム湖底の堆積土砂を吸引し排砂トンネルで佐久間ダム下流に流下させる計画でしたが、実証実験の結果、連続的な吸引ができないことや吸引部保全のための維持管理費が膨大となることなどが確認されたことからこの工法を断念し、代替案として佐久間ダム直下の河道にストックヤードを整備し平常時に掘削、しゅんせつした土砂をストックヤードに運び洪水時の佐久間ダムのゲート放流水で流下させる工法に変更し、今後詳細な検討を進めていくことが本年二月の工法検討委員会で決定しました。随分時間がかかりましたが、私としては落ちつくべきところに落ちついたなとの思いです。
 遠州灘の海岸侵食の被害は、磐田側で約二十四年前から、浜松側でも十三年前の平成十五年の海岸の埋め立てごみ露出以来で、静岡県では侵食対策の基本的な考え方として白砂青松の海岸保全を念頭に短期的対策として養浜を主体とし必要最小限の海岸構造物により砂浜の回復を目指し、国と連携した天竜川の掘削土砂を活用した養浜や離岸堤の設置、サンドバイパス事業等により対策がとられてきました。この対策による具体的な効果も確認できていますが、いずれにいたしましても恒久的な解決策は太古の昔のように上流から土砂を供給し続けること以外にありません。
 そこで、今回の工法の変更によって天竜川河口部への土砂供給にどのような影響が考えられるのか伺います。また早期に事業実施となることを望みますが、海岸管理者として県はどのようにかかわっていくのかあわせて伺います。
 最後に、三ケ日青年の家の海洋活動再開について伺います。
 県立三ケ日青年の家の海洋活動中に起きた不幸な事故から今月十八日で六年が過ぎました。亡くなられた西野花菜さんには改めて哀悼の意を表するとともに、このような悲しい事故を起こしてはならないと県の関係者として心が引き締まる思いがいたします。
 事故以降教育委員会では、事故の検証をしマニュアル作成や訓練を積み重ねてこられました。この間、安全が確保されるまで三ケ日青年の家における海洋活動を中止してきたのは当然の判断であると思います。
 しかし、海に親しみ皆が力を合わせてなし遂げる達成感を味わえる海洋活動には、他の活動では得られない価値があります。海洋活動があってこその三ケ日青年の家でもあります。もちろん安全確保は大前提ですが、私は早期の海洋活動再開を願っておりましたので今年度からいよいよ海洋活動が再開され、去る五月十日には第一陣として浜松市立三ヶ日中学校、五月二十七日には私の地元であります浜松市立新津中学校が実施したと聞き、安全対策もとうとうこの段階まできたのかと大変うれしく思っております。
 また、三ケ日青年の家は、平成三年の高校総体のヨット競技の会場として整備された経緯もあり、これまでも全国的なヨットやセーリングの大会の拠点となるなど浜名湖のマリンスポーツを全国に発信する役割を担うとともに、青少年がマリンスポーツを初めて体験する機会としての海洋活動でもあると思います。
 事故を教訓として安全最優先に海洋活動の再開までこぎつけた三ケ日青年の家の取り組みは、全国の安全モデルにもなるのではないかと思われます。三ケ日青年の家におかれてはますます安全確保に留意しつつ利用者の心に残る体験活動が提供できるよう期待しております。
 そこで、三ケ日青年の家において再開された海洋活動の状況と今後の見通しについて伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 幾つもの傾聴に値する興味深いお話を交えての本六月議会最後の御質問、謹んで拝聴いたしました。
 小楠議員にお答えいたします。
 第二十九回技能グランプリについてであります。
 第二十九回技能グランプリは、来年二月十日から十三日にかけて静岡市、沼津市を会場として開催されます。昨年末に厚生労働省から静岡県での開催について打診がありまして全面的な協力を申し出た結果、先月下旬に本県開催が正式に決定したところでございます。
 大会実施に際しましては、県技能士会連合会や県職業能力開発協会、地域企業と一丸となって一流の技能を競う大会を盛り上げてまいります。また特に若い世代に技能のすばらしさを伝えるために大会初の取り組みといたしまして高校生や技術専門校生が大会を見学するツアーを行うほか、各分野で活躍されている技能士による実演や作品の展示を実施いたします。
 さらに、出場する本県選手につきましては、各技能士会だけでなく多くの企業にも参加を要請しているところでございます。全職種出場を目標に過去最大の選手団を結成することとしております。また競技に精通した熟練技能者を出場選手のもとに派遣することにより上位入賞を目指してまいります。
 県といたしましては、次代を担う若者に感動を呼ぶものづくりを目の当たりにしてもらうとともに、本県選手のすぐれた技能を県内外に示し技術立国ふじのくにを強くアピールすることで、本県産業を支えるものづくり人材の裾野を広げてまいります。
 本大会の開催を契機に、技能士がみずからの技能に誇りを持ち、称賛や憧れの対象となる技能、匠の尊重機運が高まり、実学の重要性が明らかになるものと期待しております。この機を捉え、今年度からは県内外の企業と協定を締結し先端的な技術に関する職業訓練の実施や老朽化している清水技術専門校の建てかえと短期大学校化の検討、子供たちに大変人気があるものづくりを体験するWAZAチャレンジ教室の拡大などを行ってまいります。
 ふじのくにの基礎は人づくりです。国内外の憧れを呼ぶ魅力ある地域づくりのためには静岡という風土に根差した実学を根づかせることが必要であり、ライフステージに応じた職業訓練を実施いたしまして本県の製造業を初めとするさまざまな産業の競争力を強化し、県勢の発展につなげてまいろうと考えております。
 次に、天竜川ダム再編事業と海岸保全についてであります。
 天竜川は、南アルプスや中央アルプスの山々から生産される多量の土砂を流し続け、その土砂が遠州平野の扇状地と御前崎から愛知、伊良湖岬に至る海岸線を形成してまいりました。また平野部では洪水のたびに流路を変え、古くから議員御指摘の、御説明いただきましたような暴れ天竜として恐れられてきたわけでございます。
 この天竜川に建設された佐久間ダムは、発電や水利用に大きな役割を果たしてまいりました。その一方土砂の堆積が進み下流への土砂供給に支障が生じております。
 国では、佐久間ダムに新たな洪水調節機能を持たせるとともに、恒久的な堆砂対策を講じる天竜川ダム再編事業に取り組んでおり、遠州地域の治水対策と海岸保全を図る上で大きな期待を寄せております。
 本年二月に国が開催した恒久堆砂対策工法検討委員会では、これまで想定していた工法、すなわちダムに堆積する土砂を吸引してバイパストンネルでダム下流へ流すという工法から新しい工法――先ほど御説明いただきましたが――すなわち堆積する土砂を直接掘削してダムの直下の流れに運搬する工法への見直しが公表されたところです。この見直しにおきましては、国の検討により天竜川河口から海岸に供給される砂の想定量は変わらないということが確認されています。また今後は維持管理費も含めた経済性を重視して土砂を確実に運搬できる具体的な実施方法等の検討が進められます。そのことから早期の工事着手につながるものと期待しているところであります。
 県といたしましては、天竜川ダム再編事業の促進を国に強く働きかけるとともに、海岸への土砂供給が回復するまでの間、国との連携による天竜川の掘削土砂を活用した養浜等により、安全・安心で美しく豊かな遠州灘海岸の保全を推進してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(鈴木洋佑君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 青少年に対する薬物乱用防止対策についてお答えいたします。
 薬物乱用を未然に防止するためには、薬物を乱用することの恐ろしさを児童期から成長に合わせて繰り返し繰り返し何度も教育し十分に理解してもらうことが重要であります。
 県では、全ての小学校、中学校、高等学校において薬物乱用防止を目的とした薬学講座の実施や大学や高等専修学校における入学ガイダンス等で薬物乱用防止の教育を行い、学生が薬物に手を染めることのないように徹底して啓発しております。本年度からは大学ボランティアサークルと連携し青少年のための薬物乱用防止の啓発活動や新たに社会人となった若者を対象とした講習会を開催するなど小学生から新社会人に至るまで全ての青少年に対して薬物乱用防止に向けた取り組みを徹底することとしております。
 また、昨年議会の御協力も得て施行いたしました静岡県薬物の濫用の防止に関する条例では、青少年を薬物から守るための営業禁止区域の設定や薬物の危険性に関する正確な知識を持って行動するための教育及び学習の推進について規定するなど、薬物から青少年の身を守り健全な育成環境を確保するという点で全国的にも先進的な条例でございます。県では、全ての県民が条例の規定を守るよう啓発に努め、薬物乱用の撲滅につなげてまいります。
 今後とも、県といたしましては、条例の遵守や薬物乱用防止の教育と啓発活動を充実強化していくとともに、県警察本部を初め関係機関等と連携して全県一丸となって青少年の薬物乱用を根絶し、県民の健康と安全を守り安心な社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 村松交通基盤部長。
       (交通基盤部長 村松 篤君登壇)
○交通基盤部長(村松 篤君) 浜松市西南部の排水対策についてお答えいたします。
 高塚川は、浜松市が管理する普通河川であり、勾配が極めて緩く排水能力が低いことに加え洪水時には県管理の馬込川の水位が上昇して高塚川からの排水が困難となることから浸水被害がたびたび発生しており、昨年九月の台風十八号でも大きな浸水被害が発生しました。
 この浸水被害を契機として昨年十一月に県と市が合同で浜松市南部総合的治水対策推進協議会を設立し、浸水原因の分析と被害軽減に向けた対策の検討を行ってまいりました。本年三月の協議会において、馬込川の掘削や田尻排水機場の機能回復、高塚川の改修や公園等への貯留施設の整備など対策の方向性を確認しており、今年度はそれぞれの対策による効果を定量的に検証し具体的な行動計画を定め実施可能な対策から順次着手してまいります。
 また、高塚川より下流で馬込川に合流する米津排水路につきましては、平成二十六年度に老朽化した排水路の改良工事に着手し計画延長約三・八キロメートルのうち本年度末までに約一キロメートルを改修予定であり、平成三十二年度の完成を目指してまいります。
 県といたしましては、浜松市と連携し流域一体となった総合的な治水対策を推進し、県民の皆様が安全で安心して暮らせる地域づくりに取り組んでまいります。
 次に、馬込川の改修についてのうち、河川整備計画についてであります。
 馬込川は、これまでの河川整備により河口から約十九キロメートルで年超過確率三分の一程度の治水安全度を確保いたしました。また流域では多くの雨水貯留池の整備や湛水を前提とした土地利用などにより浸水被害の軽減が図られてまいりました。
 近年、豪雨の頻発や流域の開発の進展に伴い内水氾濫による浸水被害や上流の一部で堤防からの越水が発生し治水安全度の向上が求められていることから、県では学識経験者や地元代表者から成る流域委員会を本年三月に設立し河川整備計画の策定を進めております。
 今後の河川整備の基本的な考え方としては、近年の出水等を考慮して年超過確率十分の一程度の治水目標を想定しており、中心市街地を流れ橋梁も多く河川の拡幅による改修が困難であるという馬込川の特性を踏まえ、河床の掘削や護岸の改良によって断面を拡大することに加え流域における雨水貯留などを組み合わせ総合的な治水対策に取り組むこととしております。
 引き続き、浜松市と連携し、本年度中を目途に河川整備計画案を取りまとめ、パブリックコメントなどによって地域の皆様の御意見を伺った上で来年度には計画を決定してまいります。
 次に、馬込川河口部の津波対策についてであります。
 馬込川河口部の津波対策は、これまでの想定に対応した堤防のかさ上げがおおむね完了したものの第四次地震被害想定により津波高が見直されたことから、これに対応する新たな対策の検討を進めております。
 これまでの検討におきましては、東日本大震災以降、浮力や波力により作動する経済性にすぐれた新しい方式の水門の開発が民間企業により進められていることを踏まえ、馬込川河口津波対策技術検討委員会を設置し公募により提案があった三つの方式について砂の移動や堆積が激しい馬込川河口部への適用性を評価し、本年三月には実用化の可能性を確認したところであります。
 今年度は、この三つの水門方式に加え従来型の水門方式及び堤防かさ上げ方式を比較検討し、信頼性や経済性のほか最大クラスの津波に対する減災効果等を総合的に評価した上で最適な津波対策を選定いたします。河川整備計画では洪水だけでなく津波に対しても災害の発生の防止等について定めることから、現在策定を進めている馬込川の河川整備計画の中に選定した津波対策を位置づけることとしております。
 県といたしましては、河川整備計画に基づき総合的な治水対策及び防潮堤整備と一体となった津波対策を推進することにより馬込川流域全体の安全度を高め、災害に強く安心して暮らせる地域づくりに努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 三ケ日青年の家の海洋活動再開についてお答えいたします。
 平成二十二年六月十八日に三ケ日青年の家を利用して自然体験学習中に浜名湖でカッターボートの転覆事故があり、豊橋市立章南中学校一年生、西野花菜ちゃん、当時十三歳が死亡しました。
 県教育委員会では、事故直後に安全対策委員会を設置し約六年間にわたり安全管理体制の向上に取り組んでまいりました。この間、運輸安全委員会の勧告への対応、さまざまな緊急事態を想定した救助訓練の実施、外部有識者の指導助言を踏まえた安全対策マニュアルの検証と改善などさらに地元消防署やマリーナ等と連携し安全な海洋活動実施に向けた取り組みを重ねてまいりました。
 私は、教育長に就任して以来、御実家があります西野様のお宅に伺いました。豊橋のほうにあるんですが今まで三回ほどお伺いしました。そして花菜ちゃんの御冥福を祈りつつ、また御両親ともいろいろとお話しさせていただきました。そして過日西野様御夫妻より海洋活動再開を御了解いただきました。
 このような経過を経て本年四月に海洋活動を再開し、実施を予定している七団体のうち先ほど御説明にもありましたけども既に四校の小中学校がカッターボートによる海洋活動を実施いたしました。マニュアルに定められている事前指導や安全確認が確実に実行されていることはもとより、その日の天候や利用者の年齢に応じた柔軟な対応がなされていることを確認しております。湖上では一人一人のかけ声とこぐ力を合わせることで船が力強く進み、子供たちは大きな達成感を得ることができました。
 今後も、事故の教訓を決して忘れることなく安全最優先の運営で実績を積み重ね信頼回復に努めてまいります。また三ケ日青年の家で開催されるマリンスポーツの全国大会等において安全確保の重要性を発信するなど、三ケ日青年の家が安全な海洋活動の拠点として全国の青少年教育施設の模範となるよう取り組んでまいります。以上であります。

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