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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成22年9月静岡県議会定例会

池谷 晴一 議員(平成21)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:09/21/2010番目)
答 弁 者知事


    ○議長(天野進吾君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 池谷議員にお答え申し上げます。
     初めに、地域主権改革についてであります。
     地域主権改革というのは、明治維新以来、日本がその国力を上げるために東京にその力を結集してきた、その時代の百四十年間を振り返りますと、その功罪が明らかになって中央に集中することの弊害が明らかになったということから、これからは日本を一つの中心ではなくて多中心にしていくということから、地域が民意を十分に反映しながらそのあり方について自立的に決定し、地域の持っている資源や個性を生かすことができる方向というものが求められているものでございます。
     国のほうでは既に一九九五年――平成七年に地方分権推進法が成立いたしました。自民党政権下で成立したもので、鳩山政権で一丁目一番地になったのは別に党派による政策の違いということではなくて、この地域分権というのは日本の国が求めている共通の課題であるというふうに理解しております。この間、国と地方が対等・協力の関係に改められるための機関委任事務の廃止など大きな成果を上げた部分がありますが、一方で地方税財政改革や地方の事務執行に対する国の関与がまだ存在しておりまして、課題も多くあります。
     こうした中で、現在の政府が取り組んでいる地域主権改革では、去る六月に閣議決定されました地域主権戦略大綱におきまして、ひもつき補助金の一括交付金化や法令による義務づけ・枠づけの見直しなど地域の自立のための改革の道筋が示されました。その点は一定の評価ができるものと考えておりますが、補助金の一括交付金化を唱えた小沢さんに対して菅首相の側は、ややその点において腰が引けてたかというふうな印象もございます。
     大綱におきましては、地域主権改革の先にございます日本の国がどういうものであるのかが明確になっていません。政治主導で官僚の権限を政治家がしっかり実行するということ、また税源、これを地域に移すというようなことが言われておりますけれども、その後、徳川時代が三百諸侯から成っていたものを東京中心にして富国強兵を目指すと、そして廃藩置県をして中央集権の実を上げるといったようなことを踏まえた、それに対応したような国のビジョンが示されていないところがございます。県といたしましては、国政を預かる人々に対しまして、いわば地域主権のモデルをふじのくにとしてつくっていくのだということの御説明を機会のあるごとに申し述べてまいりたいと存じます。
     一方、県内におきましては、基礎自治体への権限移譲をさらに進めるふじのくに権限移譲推進計画を新たに策定しております。これは平成十年度から平成二十一年度までに、三年ごとに第一次から第四次の権限移譲推進計画を策定してまいったものでございます。こうした権限移譲は日本で一番を誇るものでございますが、しかし考えてみれば、例えば湖西の職員の方が御殿場の事情によく通暁されてるかどうか、あるいは小山町、御殿場の方々が南伊豆町の事情に通暁されてるかというとなかなか怪しいと。同じように国の方から見ると、我々の県は例えば富山県なり鹿児島県なり北海道のことについてよく知ってるかというとそれは怪しいと思います。そうしたことからこの県内におきましても、県の職員と市町の職員の方が交流をもっと密にいたしまして、県全体の中で各市町の占めている状況がよくわかるようにして、市町の実力を県の中でのバランスを考えながら上げていただく。その特性を伸ばしていただくようにしていってもらえるような、そういう人材をつくり上げてまいらねばなりません。
     三位一体、すなわち権限、財源、人材の移譲を進めるために新しい計画は今のところふじのくに権限移譲推進計画というふうにうたっておりますが、むしろふじのくに地域自立推進計画を策定いたしまして、国のモデルになるような小さなふじのくにという中における地域分権のあり方のモデルを志向してまいりたいというふうに考えております。
     次に、県財政についてのうち、まず九月補正予算についてでございます。
     九月補正予算につきましては、平成二十二年度当初予算を年間総合予算として編成しましたことから、その後の事情変化等によって必要となった義務的事業等に限って編成する方向で編成作業に入ったものでございます。
     しかし、有効求人倍率は徐々に回復の基調が見えてはまいりましたが、議員御指摘のとおり全国平均を下回りまだ〇・四九と、有効求人倍率が全国は〇・五三でしょうか、のように厳しい状況にございますので、その中でまた急激な円高が進行したということで、本県におきましては八月三十一日に経済産業政策会議を開催いたしまして、円高対策として地方が対応し得る中小企業対策などについて、必要な措置を機動的に講じていくことといたしました。
     これを受けまして九月補正予算には、公募方式による雇用創出事業の拡充、高校生の就職内定率の向上を目指す就職支援コーディネーターの設置などの雇用対策、中小企業の販路開拓支援、相談体制の充実などの円高対策を盛り込んだところでございます。このほかこの春の茶の凍霜害を踏まえました茶業経営対策などの危機管理対策、被災住宅の再建に対する支援などの災害対策、子育て支援の充実等にも対応してまいります。
     国の追加経済対策につきましては、県としても呼応するものにつきましてはスピード感を持って対応することが必要でございますので、内容が判明したものにつきましては補正予算を今議会に追加提案いたしまして、県内の雇用・経済状況を下支えしてまいりたいと思います。
     前後いたしますが、先日の台風九号に伴う大雨により小山町を中心に大きな被害を受けました。私も二度現地に入りまして、その折に池谷県議ともお目にかかったわけでございます。一方、土砂が流された結果、単に小山町という内陸だけではなくて、宇佐美、伊東、川奈などにおきましても流木被害が出ました。私はそちらにもきのう参りまして、宇佐美、伊東のほうはそれなりに流木などは一部散見される程度でございましたが、まだ川奈港におきましては流木が陸地に上げられていると。それだけでなくて、アシが目に見えない海底にたまっていると。それをダイバーが一生懸命引き上げて、それを赤い袋に入れてその処分を待っているという状況で、イセエビ漁ができないという状況がきのうの段階でもわかっております。こうした中で早期の復旧が必要でございますので、災害復旧費にかかわる予算につきましても今議会に追加提案をさせていただく予定でございます。
     次に、今後の財政運営についてでございます。
     当初予算時に作成いたしました財政の中期見通しにおける平成二十三年度の財源不足額は、ほぼ四百四十七億円から五百三十六億円と見込まれております。二十一年度決算後の活用可能基金は九十二億円にとどまり、財源不足額を補うには到底至らない状況でございます。また八月末に示されました国の平成二十三年度の地方財政収支の仮試算におきましては、来年度の地方税収入は本年度より若干伸びるものの、地方税を含む一般財源総額は二十二年度と同水準に据え置く方針となっておりまして、社会保障関係費等の義務的経費の増加が見込まれる中、厳しい予算編成になるものと考えております。
     一方、来年度は新しい総合計画のもとに富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの実現に向け、各種施策を着実に進めていく必要がございます。こうしたことから来年度当初予算編成に当たりましては、先ごろ実施いたしました事業仕分けの結果やふじのくに行財政革新戦略会議、国における議論を踏まえて政策的経費全般の見直しを進める中で、歳出のスリム化と歳入の確保についてあらゆる手法を駆使し、財源不足額の解消と新しい財源捻出に取り組んでまいります。
     次に、静岡型事業仕分けについてであります。
     今回の事業仕分けにつきましては、仕分け作業に参加された方々、また傍聴された方々の双方から、説明する職員、仕分け人をお願いいたしました県民委員とともに、レベルが上がったという評価をいただいております。昨年度よりも内容の濃い議論が行われたものというように、現在のところ理解しております。
     結果といたしましては、全体の八割を超える事業で何らかの改善の指摘があるという厳しいものでございました。この結果を真摯に受けとめまして、議論の過程でいただきましたさまざまな御意見、御提言について十分に検討し、特に不要とされた十六事業につきましては、県民の皆様にその後の見直しの方向性をわかりやすく説明してまいります。
     どういう方法でやるかということを考えておりますが、十六でございますので、しかも大半が教育関係であったということもございます。私も大変関心を持っておりまして、その不要事業についてどのように今、改善ないし処置をするかということについて、記者会見等を通じてその都度御説明申し上げまして、最終的に先生方の御議論も踏まえて当初予算に盛り込んでまいるというようにして、わかりやすくこの不要とされた事業についての我々の対応方針を御説明申し上げ、それを最終的に決断に持ってまいりたいというふうに思っております。
     また、当日は多くの方々が傍聴に訪れられましてマスコミにも大きく取り上げられました。県民の皆様に県の事業を知っていただいて、県政への参加意欲を、また参加意識を高める上で効果があったものと考えております。
     一方で、事業仕分けの進め方につきましては、論点の整理や議論の時間、さらには説明資料や説明方法など改善する余地も多いものと考えております。説明をするのは、議場におきましてはこういう部長さんなどがするわけですけれども、事業仕分けにおきましては実際に案を練っている最前線の課長さん、あるいはそのレベルの方々が議論をいたしますので、やはり議場とは違った緊迫感がございます。そうした中で、三十分のやりとりは適切に行われる場合もやや時間不足を感じられるときもございましたが、最終的に判定結果を仕分け人がコーディネーターによって手を挙げる場合、大体見ている方々の判断とそう変わらないという結果が出ております。
     判定人の結果がおかしいというようなことはあまりなかったように思います。それはマスコミがすべての、ほぼすべての事業仕分けに目を光らせておりますから、そういう点におきましても、もしもそうした議論の内容と判定の内容とがそごいたしますと、当然それに対する批判が出てくるでしょうけれども、必ずしもそういうものは見受けられなかったというふうに理解しておりますので、したがって来年は仕分け人と判定人を分けることも考えられる。それから事業によっては三十分を一気に一時間とは言わないまでも、舌足らずでしか説明できないような課長さんもいらっしゃいますので、そうしたことも勘案いたしましてもう少し時間を延長するなど、そしてまた事業もほぼ大きなものについては昨年、今年度といたしておりますので、もう少し丁寧にするという方法をも考えられる、すなわち改善の余地はまだあるというふうに考えております。
     このような成果と課題を踏まえまして、今後は職員が県民の皆様に直接説明する――私も含めてでございますけれども――そのような機会の拡大を図ることや、事業仕分けを含め事務事業の見直しの新しい方法について、行財政革新戦略会議などの御議論をいただいた上で、より一層の工夫を加えた取り組みを検討してまいります。
     次に、富士山にかかわる諸課題についてのうち、富士山世界文化遺産登録についてであります。
     議員御指摘の推薦書原案提出に当たって課題となっております富士五湖の文化財指定につきましては、山梨県におきまして八月に世界遺産推進課内に対外調整室が設置されました。体制を強化して、地権者などから同意取得作業の年内完了に向けて全力で取り組まれているとのことでございます。包括的保存管理計画の策定に当たっての関係省庁との合意につきましては、文化庁において自然公園法等の適用範囲や基準について、環境省や林野庁等と最終的な合意に向けた協議を行っているところでございます。
     この計画にかかわる地元関係者の理解につきましては、本県におきましては地元の市町、観光協会、登山組合、神社関係者等で組織する保存管理計画協力者部会を設置いたしまして、関係者の意見を計画に反映しておりまして、地元関係者の理解は得られているものと考えております。山梨県におきましても、富士五湖の文化財指定の同意取得作業等に合わせて地元関係者の理解を得られるように、本県でもし御協力できることがあれば積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
     さらに、県東部市町の富士山に関係した生業、権利等と登録にかかわる規制との両立につきましては、文化財保護法などによる既存の規制が基本であり、山小屋や林業等の生業や入り会いの権利等に影響を及ぼさないことを関係者に説明し、御理解をいただいております。引き続き関係市町と連携し情報を提供するなど、関係者の御理解を一層深めてまいりたいと思います。県といたしましては、山梨県や関係市町村、地元関係者との連携を密にして、来年の文化庁への推薦書原案提出に向け遺漏なきよう万全を期してまいる決意でございます。
     次に、地域資源を活用した新しい観光振興施策についてであります。
     観光の形態が議員御指摘のように団体旅行から個人旅行へと大きくシフトしております。自然環境や産業、文化などの地域資源を活用した新しいツーリズム、ニューツーリズムの創出が不可欠になっています。県ではそれぞれの地域の場の力を引き出して魅力を高め、それを人々に楽しんでいただく、人生を豊かにしていただくということができるように、そうしたことをマネージできる人材の育成やニューツーリズムの旅行商品化の支援などを行っているところでございます。
     例えば、これまで地元の魚でつくる押しずしづくりや芸妓さんのおけいこへの参加など、さまざまなプログラムから成る熱海温泉玉手箱、これも人気を呼んでるということでございます。また地域の五つの寺院が協力し、座禅や写経など僧侶の修行を体験する袋井の三日坊さんの旅のように、これまで観光と結びつけられなかった資源を活用した旅行商品も誕生しているわけであります。
     考えてみれば、スポーツもツーリズムになる、あるいは産業もツーリズムになると。それの最大のものが北京のオリンピックであり、あるいは上海万博であると。こうしたことはスポーツの祭典であると同時に世界じゅうの方々がそこに訪れ、あるいは魅力を感じて新しくまた訪れるきっかけにもなるということでございまして、こういう交流を通じて平和を築いていくという、そういう大きな使命もございます。
     そうしたことで、医療ツーリズム、あるいは食材を利用した食文化のツーリズム、B級グルメの全国コンテストというのも私はそれの一つだというふうに思いますし、本県にはモンゴル村というのがまかいの牧場にもございまして、お茶とバターをまぜたモンゴルのお茶だとかB級グルメになりそうな食品もあるのは御存じでしょうか。そのような日本で唯一のものもございまして、こうしたものを活用いたしますと、私は新しいものから古いものまで、本県の持っているいろいろな地域資源を活用して人々を呼び込むことができると。
     そのインフラ整備も今、着実に進みつつあるということでございますが、それにも増してやはり人々が自分たちの生活している地域というものについてよく知って、よく説明ができるだけの力を身につけて。これから二〇二〇年には十六億人になるというふうに予想されてる、日本におきましても二〇二〇年には二千万人とも三千万人とも言われるインバウンドのお客様を迎えようとしておりますし、本県におきましても二倍、三倍もお越しいただくような方々があっても全く不思議ではないというふうに思っております。そのためには先ほど御指摘ございました標識も、日本語とアルファベットと中国語とハングルというのはどこでも当たり前だというふうにするようなことも含めて、私は地域の方々がみずからのものが国際的に通用するのだという、そういう自信を持つためにしっかりと地域の勉強をしていただきたいと思っております。
     各地域が連携をいたしまして、魅力のある商品づくりや情報発信力を高めるための広範、広域的な組織づくりも支援してまいりたいと思っております。新しくつくられました体験型旅行の販売促進のための商談会を実施する予定でおります。時代に即応したニューツーリズムの振興に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
     次に、ものづくり振興条例についてであります。
     本県は豊かな水、大地等の資源に恵まれるとともに、東西大都市圏の中間的な位置にあることから、人、わざ、物の交流が活発で我が国有数の場の力を有し、これまでに進取の気質と報徳の精神を備えた多くの企業家が生まれてまいりました。ものづくりは、本県経済の発展と県民生活の向上に大きく寄与してまいったものでございます。
     しかしながら、現在、世界経済は新興国の経済成長や環境問題への対応など、新しい枠組みや価値観への転換期に当たっておりまして、ものづくりを取り巻く状況は大きく変化してきているものと認識しております。むしろ端的に言えば、日本だけがものづくりの圏でなくなっているということであります。中国もあるいは東南アジア諸地域も、その他アジア、インドを中心にした南アジアも、ものづくりを進められているということなのです。ですからものづくりだけが能ではないと思います。
     本県のものづくり産業が引き続き発展していくためには、ものづくりに携わる人々が地域のすぐれた人、わざ、物を新しい観点で組み合わせを変える、物の使い方を変えてみる、変えることがものづくりになります。プロデュースをするということは新しい結合をすることでございます。物の使い方について考える、従来の使い方しかないのだと思わない、新しい使い方が何かないかというように発想を転換していただくと。ものづくりとものづかいというものが一体的にならないと、既存のものづくりをしていくだけでは、将来先細りになりかねないという危機感を持っているものでございます。
     新しい価値を持つ商品やサービスを人々に提供していくことが、今ほど求められているときはありません。人々がものづかいの能力を高めて、それがものづくりの能力をさらに高めるという循環を生んでいくということが大切です。ものづくりとものづかいの両面ですぐれた人が育つと。目ききが育つことがとっても大切でございまして、これはこの方向に使えると、医療に使えると、必ずしもビークルだけではないといったような、そういう目ですね、こうした目ききが今求められています。こうした人の力、そして我々が持っているこの場の力を結びつけて経済の発展につなげてまいりたい。これが条例の目指すところでございます。
     施策の基本方向として新しい事業分野への進出は支援いたします。農工商連携、産学官連携など多様な連携の推進をしてまいります。六次産業化や経営革新の取り組みへの支援も行います。ものづくりとものづかいの能力を備えた人材の育成などにも取り組んでまいります。
     結合の仕方というのは物だけではなくて組織もそうであります。生産方法もそうであります。それから市場と生産地域とのこの組み合わせもそうでございます。生産の現場から最終的な消費地に至るまで、組み合わせを変えられるかどうか考えてみるということが大切であるというふうに思っておりまして、そういう思いがこの条例には込められております。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁申し上げます。

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