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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年2月静岡県議会定例会

櫻町 宏毅 議員(ふじのくに県民クラブ)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:03/01/2016番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) 東日本大震災から五年経過した本県の防災力についてお答えいたします。
 本県は、一九七九年以来東日本大震災が起こるまで三十余年間にわたりまして東海地震に備えるためにさまざまな二兆円を超える投資をいたしまして防災力を強化してきたわけでございます。防災先進県としての自他ともに許す自負もあったと存じますけれども東日本大震災はそのような自負を吹き飛ばすほどの強烈な危機意識を喚起したということでございます。
 大きくは三つあると存じます。一つは津波、一つは原子力、そしてまた大きな地震・津波と富士山の噴火というものが過去の歴史において関連しているということがございますので複合災害としての富士山の噴火も起こり得るということなどが大きく三つ挙げられると存じます。その中でも一番大きな衝撃は津波対策が十分であるかということだったと存じます。私どもはこの東日本大震災は人ごとではないと。我々の海岸線は五百キロ以上にもわたっておりましてそこに二十を超える市町が存在しているわけでございます。
 そこで、我々は地震・津波対策アクションプログラム二〇一三。平成二十五年度にこれを立ち上げました。その年から数えて平成三十四年度までの十年間の間に南海トラフの巨大地震が起こっても想定される被害者数を八割減ずるという目標を立て、四千二百億円余りの予算のうち平成二十五年度、二十六年度、二十七年度、皆様方にお認めいただきまして一千三百億円余りの予算を投じ大体三割強が終わっていると。今年度の平成二十八年度の予算をお認めいただければ、これが執行されれば四割強の執行ができるということでございます。
 これは、いわばハードの取り組みということになりますが、また新しい津波被害想定への対策としまして潜在自然植生というこういう植栽の仕方というものについても新しい自覚があったと思います。私ども海岸には松があるということでこれが津波にも役に立つというふうに即断してきたわけですけれども、これは防風とか防砂には役に立っても津波に対しては無力であるということであの有名な七万本のクロマツは全滅いたしました。最後に残った一本も枯れたわけです。したがってクロマツそれ自体は津波に対しては役に立たないと。そうした中で既に一九八七年、今から三十年ほど前に宮脇昭先生という方が潜在自然植生と。その土地に一番合った植物はそれを植えておけばすくすくと育つだけでなくて根をしっかり張って津波に対しても耐え得ると。これはさまざまな先生の御経験や観察から得られたものでこうしたものは最初に掛川におきましてそれが実施されていわゆる緑の防潮堤、森の防潮堤づくりが始まったことも大きいかと存じます。しかし一九八七年に立派な、どこの地域にはどういう潜在自然植生が、潜在的に自然であるような植生があるかということについて報告書が立派な本が出ておりますけれどもそれが放置されてきたと。今それがまたよみがえったというのも大きいかと存じます。
 この、ふじのくに森の防潮堤づくり、避難できる小高い丘を築く命山など県と市町、住民が協働して知恵を絞り地域の歴史、文化、原風景と調和のとれた津波対策というのが本県の特徴ではないかというふうに存じます。そのうちの一つは浜松市沿岸域の静岡モデルの防潮堤づくり。CSG工法によってなされておりますがこの六月に全体十七キロのうち五キロぐらいできますが、来年度中には大体九割ぐらいが整備ができるという見込みでございます。命山や津波避難タワーというのは震災時の七カ所から今年度末には百六十カ所に、津波避難地の誘導標識は百九十カ所から二千四百五十二カ所に急増いたしました。着実に津波対策は進捗しているという実感がございます。
 また、市町では第四次地震被害想定に基づくハザードマップの配布や新たに整備した津波避難施設を活用した訓練に取り組んでおり、津波避難訓練の参加者は震災前の一万四千人から昨年度は十二万六千人へ増加するなど確実に津波に対する意識が高まっていると認識しております。
 超広域災害への対応といたしましては、全国から迅速かつ効果的な支援を受けられるように大規模な広域防災拠点に位置づけられるように働きかけた結果、これが昨年正式に富士山静岡空港が大規模な広域防災拠点として位置づけられました。この機能を確保するために航空燃料タンクの増設、西側隣接地の整備を行うほか南海トラフ地震に対応した新たな広域受援計画の策定を進めるなど万全を期しております。
 また、浜岡原子力発電所の起こり得るべき事故に対しましてはいわゆるオフサイトセンターというのが今までは二・数キロのところにあったわけですけれども、PAZ内ではすぐに避難しなくてはなりませんので二十キロのところにこの三月には富士山静岡空港にでき上がります。そしてまた防災・原子力学術会議というのが静岡県で組織されておりまして、そこでの議論を踏まえて安全技術また安全文化のメッカになるような今動きがございます。その意味で浜岡原子力発電所の安全性というのは恐らく日本の数十カ所の中で最も高いというふうに私は感じております。
 火山に対しましては、神奈川県と山梨県で合同訓練が行われたりさまざまな今、防災訓練が行われておりますのでこの五年間における静岡県の防災力は極めて高まったと思います。
 ちなみに、これとの関連で津波から自由なところは内陸の高台部分でございますからそうしたところの内陸のフロンティアを拓く試みというのも確実に浸透してまいりました。それとの関連でやはりエネルギーというのは地産地消というのが望ましいということでこの試みも急速に進んでいるという認識を持っております。
 こうしたことは、基本的にはハードでございますけれどもやはり原点に立ち返りますと公助はもとより住宅の耐震化、水や食料七日分の備蓄などみずからの命はみずから守るというセルフヘルプ――自助。これが一番の基本であると。そして自主防災組織の強化や地域の特性に応じた防災訓練の実施などみずからの地域はみんなで守るという共助の取り組みを市町と一体となって推進し、想定される犠牲者を十年間で八割減少させることを目指し防災力の強化に努めていくということでございます。以上であります。

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静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

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