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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成26年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

土屋 源由 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/04/2014

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 伊豆地域の医療について                     
 (1) 医療提供体制の現状の把握                   
 (2) 順天堂大学医学部附属静岡病院の役割及び支援          
2 伊豆地域の観光振興について                   
 (1) 広域観光連携の推進                      
 (2) 韮山反射炉の世界文化遺産登録に向けた取り組み         
3 伊豆地域の森林保全について                   
4 特別支援学校について                      
 (1) 東部特別支援学校の整備                    
 (2) 臨時講師の率の高さへの対応                  
5 警察施設の充実について


○議長(中谷多加二君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第一号から第百二十号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、九番 土屋源由君。
       (九番 土屋源由君登壇 拍手)
○九番(土屋源由君) 皆さんおはようございます。私は自民改革会議の一員として通告に従い、知事及び関係部局長並びに教育長、警察本部長に県政の諸課題のうち、伊豆地域を中心とした課題について伺います。私は県議会議員となって初めての質問となりますので、わかりやすい答弁をお願いいたします。
 初めに、伊豆地域の医療についてのうち、医療提供体制の現状の把握について伺います。
 現在策定中の静岡県総合計画後期アクションプランには、基本方針の目指す姿として、「住んでよし 訪れてよし」、「生んでよし 育ててよし」の理想像をうたっています。この実現に向けたさまざまな施策を実行していくとしています。伊豆地域の医療提供体制の現状を見ると伊豆地域の病院や診療所に勤務する医師数は、賀茂地域の一市五町で九十五人、熱海、伊東の二市で二百三十六人、田方地域の三市一町で四百九十六人であり、その半数は伊豆の国市に勤務しております。このように地域間の格差は非常に大きい状況にあります。
 特に、「生んでよし 育ててよし」の言葉を数字で見れば、伊豆地域には診療所はあるものの、診療科目に産婦人科と小児科の両方ある病院は三カ所、小児科がある病院は七カ所、産婦人科がある病院はなく、この地域で子供を生み育てることに不安を抱く若い世代が医療の充実した地域に移住してしまうのは当然の結果と言えます。地域の担い手である若い人材が流出すれば、高齢化率が四〇%を超える市町にとって少子高齢化の進行に歯どめがかからず地域の活力が失われてしまうことになり大変な危機感を感じています。また伊豆地域の中には重篤な救急患者が発生した場合、受け入れ可能な救急医療機関まで一時間半以上かかる地域もあり、とても住んでよしと言えない状況であります。頼みの綱のドクターヘリは多くの命を救ってきましたが夜間や悪天候では活動できないこともあり、安心・安全を十分担保するに至っていません。
 さらに、昨年公表された南海トラフ巨大地震の被害想定によれば、伊豆半島沿岸では最大三十メートルを超える津波による甚大な被害が予想されております。賀茂医療圏と熱海伊東医療圏には、災害時の医療救護活動の核となる災害拠点病院がなく、近くても田方地域の順天堂大学静岡病院が対応することになります。ほかには三島社会保険病院のみとなり病院へのアクセスや診療の規模などを考えた場合、地域住民だけでなく観光客にとっても「住んでよし 訪れてよし」の合い言葉がむなしく感じてしまいます。
 そこで、伊豆地域における少子高齢化の一因である周産期医療、小児を含む救急医療について及び予想される大災害に対する災害医療の提供体制の現状について、県はどのように捉えているのか伺います。
 次に、伊豆地域の医療についてのうち、順天堂大学医学部附属静岡病院の役割及び支援について伺います。
 私は、歩いて五分程度で順天堂大学静岡病院に行くことができます。医療という点では伊豆地域に住んでいても恵まれた環境と言えます。しかし伊豆半島全域を考えたとき医療提供体制が脆弱な地域において、順天堂大学静岡病院は周産期医療、小児医療、救急医療及び災害医療の中核的な医療機関として大きな役割を果たしています。地元に大学病院があることは、かけがえのない心の支えになっており伊豆地域の命綱と考えているのは私だけではないと思います。先日田方消防の救急隊員に話を聞いたところ、本来なら近隣地域の病院に搬送する軽度の患者もなかなか受け入れ先が決まらないとき、すぐに対応してくれる順天堂大学静岡病院があることで助かると言っていました。本来であれば伊豆地域の中で医療提供体制が構築され、それぞれの病院がそれぞれの役割を認識し医療機関同士で連携をとりながら、それぞれの責任を果たすことが必要であると考えます。
 そこで、伊豆地域における順天堂大学医学部附属静岡病院の役割またその役割を維持するための支援について県の所見を伺います。
 次に、伊豆地域の観光振興についてのうち、まず広域観光連携の推進について伺います。
 私の住む伊豆の国市では、韮山反射炉が来年の世界文化遺産登録に向け国の推薦が決定しました。また江川文庫の所蔵する関係資料約三万八千点余りが国の重要文化財に指定されました。そして願成就院の仏像五体が県下唯一の運慶作の国宝として指定され、観光振興の目玉として注目されています。これは伊豆の国市にとって大きな財産ではありますが、伊豆地域全体としてどう生かしていくのかとなると、うまく連携がとれているとは思えません。
 伊豆のすばらしい温泉や料理、さまざまな景観や景色、史跡や文化などの観光資源は、どこにも引けをとらないものでありこれらを一つのパッケージとして売り込めば大きな効果が得られると以前から言われています。しかしどうしても伊豆は一つずつといった状態が今もそのままになっていると感じられます。数年前から観光圏の形成を目指す取り組みが進められておりますが、その兆しは見えても伊豆地域全体で取り組むといった状況にはなっていないようであります。訪れる観光客は、市町の境など関係なく興味のある場所を訪れており、誘客にとって複数の市町が広域で連携してPRすることが重要であり、やはり個々の市町で行う観光振興では限界があるように思えます。
 昨年富士山が世界文化遺産に認定され二月十一日には東駿河湾環状道路が中央道とつながり、飛躍的に交通アクセスが向上しました。観光振興には絶好の機会を迎えており、この機会を逃すことなく交流人口の増加に向けた施策を打ち出すチャンスだと思います。国交省では、伊豆にある道の駅を連携して情報の共有化を図り地域の魅力をスマホを使って配信を始めました。
 伊豆は一つの合い言葉が単なるかけ声だけにとどまることなく、伊豆各地の特色ある観光資源をミックスし一つのブランドとして売り込むため、県が市町の連携に深くかかわり伊豆へ観光客を誘致する必要があると考えますが県の取り組みを伺います。
 次に、伊豆地域の観光振興についてのうち、韮山反射炉の世界文化遺産登録に向けた取り組みについて伺います。
 ことし一月、韮山反射炉を含む「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の推薦書の正式版が日本政府からユネスコ世界遺産センターに提出されました。これにより登録の可否を決定するための審査が始まり、夏にはイコモスによる現地調査が予定されるなど世界文化遺産への登録実現に向け大きく前進いたしました。これまで韮山反射炉の保全や世界文化遺産登録のための推薦書提出に向け御尽力いただきました関係者の皆様に改めて感謝申し上げる次第であります。
 韮山反射炉は、実際に稼働した反射炉として日本国内では唯一現存しており日本の製鉄技術導入の黎明期を象徴する重要な資産であります。世界遺産登録を契機に韮山反射炉の価値が見直されることは、地域の誇りと愛着を生み出すこととなり伊豆地域全体の活性化を図る好機であるとも思っています。韮山反射炉の世界文化遺産登録に向けては、今後予定されている現地調査などへの対応について万全を期していく必要があります。また増加が見込まれる来訪者への対応など市と連携をとり、受け入れ体制の整備についても検討していく必要があると思っています。
 そこで、県では韮山反射炉の世界文化遺産登録に向け、どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、伊豆地域の森林保全について伺います。
 昨年十二月、治山砂防推進議員連盟で富士山麓の治山事業の視察に行きました。山奥の現場はなかなか一般の県民が立ち入ることができない場所でした。しかしその林道の両側はしっかりと間伐がなされ日の光が差し込み治山はもとより適切な森林管理がなされていると感じました。では伊豆地域の天城山系はどうでしょうか。天城の山は、県有林はほんのわずかで国有林と私有林が約半分ずつを占めています。国有林の整備は国に任せるとして私有林の荒廃はひどい状況にあります。間伐もされず鬱蒼とした森林は、下草も生えず土が露出したままで雨が降れば土ごと川に流失しています。私たちが心配するのは、森林が荒れれば保水力が失われ川の増水も早くなり下流域の水害に結びつくこと。また荒れた森林から流れる濁った水によりコケを餌とするアユの生育も影響を受け、最後は海にまで過剰な土が運ばれて行くことであります。この解決策は生命力にあふれた森林をつくることであり、目指すべき方向は森林を再生することだと思っています。
 先日、伊豆市から伊東の大室山へ抜ける県道を通る機会がありました。峠へ出る手前の道路では両側の森林が間伐され、しっかりと整備されていました。くねくねとした道路ですが木のすき間から対向車が見え安全面でも格段の違いがありました。しかしこの森林整備は、治山事業あるいは森林づくり県民税を使った事業で実施されたのか一般の県民はわかりません。ましてや山奥で森林の再生が進められている場合にはなおさらです。
 県では、治山事業、森の力再生事業のほか造林の補助事業などの制度を持っておりますが、一般の県民がこうした制度を知らないことが私有林の整備をおくらせている一つの要因ではないかと考えます。伊豆地域に見られる手のつけられていない荒廃した私有林の再生を促し森林の保全を進めるためには、森林の持つ機能や森林整備に関する助成制度などを広く県民に説明し、しっかりと周知することが重要と考えますが県の取り組みを伺います。
 次に、特別支援学校についてのうち、東部特別支援学校の整備について伺います。
 特別支援学校の施設整備に対する質問は、さきに何人もの議員が質問をしているところですが私は東部特別支援学校の施設整備計画について伺います。
 肢体不自由者を対象とした特別支援学校では、施設の老朽化が進むとともに医療的ケア対象児も学校に通うなど学校整備当時と現在とで児童生徒の実態が大きく変容している状態にあります。この状況に施設が対応し切れていない現状があります。平成二十三年三月に教育委員会で策定された特別支援学校施設整備計画では、こうした現状を受け特に施設老朽化の進む東部特別支援学校と西部特別支援学校の二校について、全面的に改築する方針を立て児童生徒の障害の重度化、重複化、多様化に対応できる教育環境を整えることとしています。しかしながら両校の既存の敷地面積が狭く十分な教育環境を確保することが難しいことから、具体的な計画が進まないまま既に三年が経過しようとしています。両校の関係者は一日も早い整備の実施を期待しております。
 そうしたところ今回平成二十六年度当初予算案において、西部特別支援学校の改築計画が具体化されました。両校の改築計画は同時期に計画されたにもかかわらず西部特別支援学校のみが先行するかのような印象を受けます。改築を待ちわびる思いはどちらの学校も同様です。東部特別支援学校の改築についても早急に計画の具体化を進めるべきと考えますが、現時点での東部特別支援学校に対する整備の方針について伺います。
 次に、特別支援学校についてのうち、臨時講師の率の高さへの対応について伺います。
 特別支援学校においては、昭和五十四年四月、障害のある子供の養護学校への就学が義務化されその対象となる児童生徒がよりよい環境で教育が受けられるよう、さまざまな整備が進められてきました。本県においては、現在静岡県立特別支援学校施設整備計画が策定されており特別支援学校が県内に二十一校あり、分校十四校、分教室四教室を加えれば計三十九もの教場が設置されています。また特別支援学校においては、一人一人の障害に応じた特別な教育課程を編成し個別の指導計画や支援計画に基づいた教育が行われております。そのため近年では中学校の特別支援学級から高等部への進学者が増加するとともに、小学部段階からの就学を希望する児童も多くなっていると伺っています。
 そのような中、先日の新聞で本県特別支援学校の教員の五人に一人が臨時講師であり、全国平均の約二倍の数であることが報道されました。臨時講師が多いことによって特別支援学校の教育の質が低下することが心配されます。また臨時講師が多くなっていることは、正規教員の数が不足していて児童生徒の増加に対応できていないからではないかと考えられます。
 このような状況に対し、教育委員会は今後どのように対応していくのか伺います。
 次に、警察施設の充実について伺います。
 さきの十二月議会におきまして、警察施設の整備についての質問がありましたが、そのことは承知の上で再度質問させていただきます。
 伊豆の国市は、十年前に伊豆長岡町、韮山町、大仁町の三町が合併し人口五万人の新市として誕生いたしました。新生伊豆の国市をそれまでの町の垣根を外して早く市として一体化させるためには、三つの障害があると当時の議員の中で話題となりました。
 その一つは市内でありながら市外局番が違うこと。二つ目は衆議院議員選挙の小選挙区の区割りが第五選挙区と第六選挙区に分かれていること。三つ目は警察の管轄が三島警察署と大仁警察署に分かれており、新市誕生にふさわしい名前をつけた警察署が新設されることでありました。市内の市外局番、選挙区の区割りについては合併して十年がたった今も全く解決されておりません。
 課題の一つであった警察の管轄については、三島警察署の管轄であった旧伊豆長岡町と韮山町が大仁警察署に編入され、伊豆の国市の行政区と警察の管轄が一体化されました。しかし大仁警察署の管轄が広がったことによる増員で警察署は極めて狭隘な状態となり、加えて庁舎の老朽化が目立ちます。これまでにも静岡県に庁舎の改築を働きかけてまいりました。管轄の拡大、署員の増員、業務の増加に見合った警察署にすることは、地域の安全・安心につながるほか合併による市のシンボルとなると考えたからであります。時はたち昭和五十一年に建てられた警察庁舎は現在もそのままであります。東日本大震災などの影響から早急に整備しなければならない地域が生じたことは十分承知をしておりますが、大仁警察署の整備もまた必要不可欠であります。
 そこで、大仁警察署の整備方針について警察本部長に伺います。以上について答弁を求めます。(拍手)
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 土屋議員にお答えいたします。
 伊豆地域の医療についてのうち、医療提供体制の現状の把握についてです。
 まず、周産期医療及び小児を含む救急医療につきましては、伊豆地域が他の地域に比べまして初期及び二次医療の体制が脆弱です。このため県では平成十六年、十年前から全国初の二機体制となる東部ドクターヘリの運航を開始いたしました。そして昨年末には二機の累計出動回数が全国で初めて一万二千回を超えました。このように重症患者に対する救命救急体制の確立を図っているところであります。
 一方、夜間のドクターヘリに関しましては幾つかの課題がありますが、まずはヘリポートを定めなくちゃなりませんで、賀茂地域におきまして伊豆半島、下田にヘリポートを何とか準備することができました。一方受け入れのヘリポートにつきましては、西部でさんざん探しましたけれども結局夜間のドクターヘリというのは騒音の規制がございまして、この規制に抵触することでなかなか整備できませんで今中部で一つ目安をつけまして探しているところであります。
 一方、伊豆縦貫自動車道を初めこういう高規格道路がしっかりしていることが大事で目下修善寺のところまでは、東駿河湾環状道路と結びつきまして行けるようになりましたけれども、さらにこれを賀茂地域にまで持っていかねばならないというのが喫緊の課題であるというふうに認識している次第でございます。
 伊豆地域、特に賀茂地域における僻地医療を充実させねばならないというようにかねてより考えておりまして、私この一月になりまして偶々自治医科大学医学部同窓会静岡県人会総会が開かれるということで、招かざる客だったんですけれどもそこに出かけてまいりまして、そしてありがたいことに温かく迎えていただきまして伊豆今井浜病院の小田病院長とお話しする機会がありまして、そしてこの賀茂地域ですね。その地域に重点的に自治医科大学の卒業医師を派遣していただくことになりました。そして来年度すなわちこの四月一日からは、伊豆地域の無医地区全てで巡回診療を実施していただける体制が整備できます。このように医療提供体制の確保を進めているところです。
 さらに、できるだけ身近な場所で安心して医療を受けることができるように地域医療再生計画に基づきまして、伊東市民病院を初め周産期医療及び救急医療を担う二次医療機関の機器整備――機械設備ですね――への支援を行いました。来年度には三島社会保険病院への新しい産科病棟の整備に対しましても支援を行い、妊産婦の皆様方の受け入れ体制の充実を図ります。
 また、災害医療につきましても心を砕いておりまして、伊豆の各地域におきまして発災後、外からの医療支援が受けられるまでの間、限られた医療資源の中で必要な医療を提供しなければなりません。そのために災害医療コーディネーターを中心にいたしまして地域の関係者が一体となった災害医療体制の構築を進めているところです。その一環として今月中に伊東市民病院を新たに災害拠点病院に指定いたします。こうして伊豆地域の災害医療体制の強化も図っているところであります。
 私どもといたしましては、引き続き市町、医療機関及び医師会等の関係機関との役割分担と連携強化を進めまして、伊豆地域における命を守る医療を提供する体制の確保に努めてまいります。
 次に、伊豆地域の観光振興についてのうち、広域観光連携の推進についてであります。
 近年の旅行形態は、名所旧跡を見物するというしかも団体旅行という形から、体験型、交流型の個人旅行――その中心は家族旅行でございますけれども――に変化しております。個々の観光地の取り組みだけでは旅行者のニーズに十分に対応できなくなっているというのが現状です。そこで今までにない新しい旅の楽しみをプラスした周遊型旅行商品が必要になっています。これまで伊豆地域では、広域連携による観光誘客を図る伊豆観光推進協議会が関東圏で観光キャンペーンなどに取り組まれてきました。また県と西伊豆の四市町、それから静岡市等が昨年度環駿河湾観光交流活性化協議会を設立されたところであります。駿河湾フェリー、これは清水港と土肥港を結んでおりますけれども、ただに西伊豆と清水というのではなくて、この土肥から全体伊豆半島を結ぶものとして駿河湾フェリー、県道二百二十三号を考えるという取り組みでございます。駿河湾フェリーから望む世界遺産富士山の魅力を生かし伊豆全域を一体とした誘客活動を展開しているところです。
 さらに、来年度は伊豆地域の全市町、観光協会、宿泊事業者等で構成する共同事業体を立ち上げましてウオーキングやサイクリング、四季の花めぐり、地引き網やところてんづくり体験など伊豆ならではの素材を組み合わせた旅行プログラムをワンストップで観光客に提供いたします。
 伊豆半島ジオパークや韮山反射炉を核といたしまして、伊豆は一つ一つならず伊豆は一つだという合い言葉。先ほど何度も強調されましたけれども、これを合い言葉として観光関係者や市町はもとより農林漁業、商工業、まちづくり団体など幅広い分野の方々と知恵を出し合い、世界標準の観光地づくりに取り組んでまいろうと思っております。
 世界標準という言葉は、もう既に戦前期ノーベル賞を受賞されました川端康成さんが「伊豆序説」をお書きになっています。その冒頭で、伊豆は詩の国――詩というのはポエムのほうですが――詩うたの国である、伊豆は日本歴史の縮図である、日本は南海のモデルである、伊豆は海と山の風景の画廊である、伊豆半島全体が一つの公園であると、こう言われているわけですね。その伊豆を愛された川端さんの伊豆を見る目。これが彼がノーベル賞を受賞されることによって世界標準であるということです。
 そして、伊豆半島も世界ジオパークになりますが、問題は土屋先生などをリーダーとして伊豆半島で観光業に従事されている方が、そういう世界標準のものを見てこられているかということです。ですから伊豆半島は世界標準になることは、これは場の力として持っていますけれどもそれを生かすためには、他の世界標準的な地域ですね。それを広域で特に先生のような方をリーダーとして一緒に寝泊まりする形でですね、旅をしてください。そして世界標準にまさる潜在力を持っているのでソフトパワーなどを使っていろいろなところが観光誘客のために工夫をしています。で、それらを取り入れてですね、場の力だけでなくてそれを生かす人もまた世界標準の観光ができる誘客ができるというふうになる必要があります。
 もう待ちの観光の時代は終わりました。攻めの観光の時代です。特に伊豆が一つ一つ、特に観光旅行業界がですね一つにならねばなりません。狭いんです。広いと思っているのは間違いです。まずは済州島に行ってください。あそこは四つの世界標準を持っています。うちはまだ一つです。一つというかまだありません。来年世界ジオパーク。来年ひょっとすると韮山も入るでしょう。しかしすぐ近くに富士山もございますし、景観それ自体はですね済州島をはるかに抜いているものです。済州島より狭いんですよ。ですから近くのですねそういうところに行っていただいて、もうぜひお約束いただきたいというふうに思うぐらいです。
 その他御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(中谷多加二君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) 伊豆地域の医療についてのうち、順天堂大学医学部附属静岡病院の役割及び支援についてお答えいたします。
 順天堂大学医学部附属静岡病院につきましては、伊豆地域唯一の高度専門医療機関であり総合周産期母子医療センター及び救命救急センターの運営、さらにはドクターヘリの運航など伊豆地域の県民の命を守る最後のとりでとして、県の政策医療に大変大きな役割を果たしていただいております。さらに災害時には、災害拠点病院として他の医療救護施設では対応困難な重症患者の受け入れやDMAT等の医療支援を伊豆地域全体に展開するための拠点としての役割も担っていただいております。
 このため県では、これまでドクターヘリの運航や救命救急センター等の運営を支援しますとともに、施設の耐震化やMRI、新生児モニターなどの高度医療機器の整備に対し重点的に支援を行ってきたところであります。
 県といたしましては、伊豆地域の初期及び二次医療の充実と連携強化を図るとともに、順天堂大学医学部附属静岡病院が引き続き伊豆の医療を支える三次医療機関として十分に機能が発揮できるよう支援を行ってまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 下山文化・観光部長。
       (文化・観光部長 下山晃司君登壇)
○文化・観光部長(下山晃司君) 伊豆地域の観光振興についてのうち、韮山反射炉の世界文化遺産登録に向けた取り組みについてお答えいたします。
 世界文化遺産登録の正念場となるイコモスの現地調査につきましては、富士山の世界遺産登録の経験を生かし、運営マニュアルを作成するとともに、入念にリハーサルを重ね万全の準備を進めてまいります。
 現地調査において主眼となるのは、資産の保存管理でありますので韮山反射炉の史跡指定地と水車の動力源となった河川について、文化財保護法や河川法などによる万全な保護措置がとられていることを調査員に理解いただくよう準備いたします。また来訪者への対応につきましては、韮山反射炉の価値などを情報発信する拠点として伊豆の国市が設置を計画しているガイダンス施設などに対し、世界遺産富士山と同様補助率をかさ上げして整備を促進してまいります。
 平成二十七年には、韮山反射炉が富士山に続く本県で二つ目の世界遺産となるよう伊豆の国市や国、関係する各県などと全力で取り組み、韮山反射炉の後世への継承と伊豆地域全体の活性化につなげてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 伊豆地域の森林保全についてお答えいたします。
 県では、森林の持つ水源涵養や土砂流出防止などの多面的機能の向上を目指し、森林所有者による整備が困難なために荒廃している森林については森の力再生事業により、また所有者による整備を期待する森林については造林事業などにより間伐などの森林整備を進めております。
 こうした森林の整備を進めるに当たり、広く県民の皆様に向けて目に触れやすい場所に事業の説明板などを設置するなど森林の機能と整備の必要性について理解促進に努めているところであります。また市町や林業事業体に対しては、森林整備に関する助成制度などの説明会を開催し制度の周知徹底を図っているところでありますが、さらなる整備の促進のためには森林所有者の助成制度に対する理解促進と森林整備への意欲向上を図ることが重要と考えております。
 このため県といたしましては、これまでの広報に加え森林整備に関する助成制度や収益性を向上させる低コスト生産システムなどをわかりやすく解説した手引書を作成しているところであります。
 さらに、今後地域に密着している林業事業体が現場でみずから事業をPRし直接森林所有者にアプローチする取り組みを支援するなど現場発信型の広報を展開しながら荒廃している森林の整備をより一層促進し、伊豆地域の森林の保全を図ってまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 特別支援学校についてのうち、東部特別支援学校の整備についてお答えいたします。
 県教育委員会では、静岡県立特別支援学校施設整備計画に基づき、学校施設の整備充実を図っているところであります。東部特別支援学校及び西部特別支援学校につきましては、校舎本体や電気、水道設備などの老朽化への対応とともに、児童生徒の障害の重度・重複化及び多様化に伴う車椅子の大型化や医療的ケア、送迎等に対応できる面積の確保など機能面における改善もあわせて行う必要があると考えております。
 議員御指摘のとおり、両校とも学校敷地に余裕がなく現在地での改築が困難であることから対応を検討した結果、まず西部特別支援学校につきましては、専門性を持つ医療機関に近接する県有地を移転先として整備することとし、設計等に要する経費を本議会にお諮りしているところであります。
 東部特別支援学校につきましては、近隣の医療型障害児入所施設とは多岐にわたって連携協力関係にあり、施設に入所している児童生徒を初め通学する児童生徒の緊急時の対応や機能訓練などをともに行っております。現在この連携協力関係を引き続き維持することを前提に対応を検討しているところであり、できるだけ早期に具体的な改築方針を定めてまいります。
 次に、臨時講師の率の高さへの対応についてであります。
 特別支援教育の内容が充実しより広く理解されたことなどにより、この十年間で特別支援学校の児童生徒数が千人以上増加しており正規教員の採用が児童生徒数の増加に十分追いついていない状況にあるため、やむを得ず臨時講師で補っているという状況でございます。正規教員の採用数は年々ふやしておりますが教員の資質能力を保ちながら今後も計画的に採用数をふやしていきたいと考えております。なお教員採用試験においては、現場での講師経験を考慮した教職経験者対象の選考も取り入れているところであります。
 また、臨時講師の資質向上につきましては、校外での研修会を年複数回行うとともに、各勤務校におきましてそれぞれの学校の状況を踏まえながら授業の進め方や保護者への対応方法などについて学ぶ校内研修会を実施しております。特に初めて教壇に立つ臨時講師につきましては、ベテランの教員とチームを組みながら指導に当たるなどの対応を行っております。
 今後も、このような取り組みを通して、臨時講師の資質能力の向上に努めてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 島根警察本部長。
       (警察本部長 島根 悟君登壇)
○警察本部長(島根 悟君) 警察施設の充実についてお答えいたします。
 警察施設につきましては、第四次地震被害想定に基づく震災への対応のほか庁舎の建築年度、耐震補強工事の状況、狭隘化の程度等、多角的な要素をもとに整備の必要性について検討を進めております。
 大仁警察署につきましては、建築後三十七年を経過し老朽化している警察庁舎であります。また耐震補強工事により一定の耐震性は確保されておりますが、管轄区域の拡大などにより署員数が増加し、非常に狭隘となっている事情もあり整備が必要な施設の一つであると認識しております。
 他方、警察署再編整備計画に基づく仮称浜松西警察署の新設、津波浸水被害を受けるおそれが高い下田警察署松崎分庁舎の移転、建てかえなど速やかな対応を迫られている施設も複数ありますことから、大仁警察署につきましては老朽化、狭隘化といった整備の必要性を十分認識しつつ他の施設の整備計画とのバランスを考慮しながら建てかえの実現に向け検討を進めてまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 九番 土屋源由君。
       (九番 土屋源由君登壇)
○九番(土屋源由君) それでは、答弁ありがとうございました。再質問を二つ、要望を二つさせていただきます。
 要望のほうから伊豆地域の医療について要望させていただきます。
 質問でも言いましたけれど特に伊豆地域ということも含めてですけど県の中ではお医者さん、看護師さん、その他それぞれの数が少ない状況があるということは承知をしています。しかし特に伊豆地域というところになりますと地域医療という観点から、医療提供体制というのが確保されているというのは、本当に難しいところにあるのかなというふうに感じています。その中でどのような対応をしていくのかというのは今答弁をいただきました。これからもしっかりとその地域にしっかりと医療提供体制が整うように要望していきたいと思います。
 それから順天堂大学のことですが、先ほども答弁の中にありましたように本当に大きな役割を担っているということであります。前々から知事は、医大の誘致というような話もございました。私たちから見れば医大の確保、そこの堅持といいますか、そこに医大があってくれるということを先ほども質問の中で言いましたけれど病院があるということが、どれだけ大きな皆さんに安心を与えているかという部分が大きいということがありますので、ぜひともこれからも支援を続けながら地域のために病院として役割を果たしていただくということをぜひとも県のほうでも応援をしていただきたいということを要望させていただきます。
 二点目の要望は、最後の五番目になります警察施設の充実について、本部長のほうに要望させていただきます。
 期限は限定はされていなくても整備が必要だということは承知をしていただけたのかなというふうに思います。そこで一つ要望しておきたいのは、警察署というのはそれぞれの地域においてはランドマーク的な部分もあったり、シンボルであったりとかっていうふうに私は思っています。ですから警察署がどこどこにあるということを起点に地図であったりとか、そういうようなことも含めて大切な施設の一つかなと。地域において。そんなふうに思っていますので、ぜひとも将来警察署がしっかりと改築をされるときには、その地域にふさわしい名前といいますか、今大仁警察署となっていますけれど今は大仁町という町がなくなってしまいましたので、伊豆の国市になっています。そういう中で現状のままであれば大仁警察署で結構ですので、新しい改築が済んだときにはぜひともその名前にふさわしい警察署を建てていただきたいというふうに要望しておきます。
 二点再質問をさせていただきます。
 一点は伊豆地域の観光振興についての部分で先ほど知事から、世界標準の観光地という形をとれと。いろんなところも見てくるつもりでいます。そんな中で七市六町、首長が集まったりとか観光推進協議会でみんな集まって話をしていくということで答えていただきました。しかしなかなかそれがそれぞれの地域の特色というか、それぞれ首長さんが集まったりとかっていうことになりますとどうしてもその地域だけが浮いてるような形になってしまって、伊豆全体で伊豆を売り出すという形になっていないというふうに自分は前から感じていましたし、これが何とか改善されたら伊豆はもっと一つとして売り出しができるのかなという思いがあります。そんな中で私たちが期待をしているのは、やはり県にまとめ役というような地域をまとめて伊豆を一つとして売り出すためのまとめ役というようなことを担ってもらえたらなというような思いがありましたので、その辺について、どういう形の事業展開をしていくのかという点を質問させていただきます。
 もう一点特別支援学校について、教育長のほうに再質問をさせていただきます。
 単純なというか私、教育にあまり詳しくないものですからお聞きしたいのは、普通の学校と特別支援学校の教育の違いというのがあるのかというのを聞きたいと思います。
 なぜかといいますとやはり特別支援学校という言葉がついていながら、正規教員といいますか教師という方よりか臨時講師が多くなってきている。先ほど説明は伺いました。少なくても同じ教育ということであれば、同じレベルの先生方の配置があっても不思議じゃないんじゃないか。かえって特別支援学校ということになれば、ベテランであったりとかそういう研修をしっかりと受けた方々がそこの先生としてなるべきじゃないかなあという思いが普通の人はそう思うんじゃないかなと思いますので、その辺の違いが出てきてしまう理由というのが、急に先ほどの話ですと千人以上増加をしているという話もございました。確かにその対応は難しいかもしれませんけれど、その中でやはり教育という点では、しっかりとそこに正規の先生を配置するというのが普通ではないかなと。それは普通の学校においても教員数が少ないということで、臨時講師であり非常勤講師でありという方々が入ったとしても、率は同じでなきゃおかしいんじゃないか。そんなようなことをちょっと単純に思ったもんですから、その辺の対応についてはどのようにされていくのか。その辺を教えていただきたいと思います。以上です。答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 下山文化・観光部長。
○文化・観光部長(下山晃司君) 伊豆の観光振興についての再質問にお答えをいたします。
 伊豆におきましては、既に伊豆半島ジオパーク推進協議会あるいは伊豆観光推進協議会などさまざまな組織が活動しておりますが、来年度県が支援して立ち上げます誘客、送客等のワンストップ窓口となる共同事業体は、これまでのこうした各組織の接着剤としての取り組みをさらに進めてまいります。その上で世界ジオパークの認定を目指しております平成二十七年度には、伊豆の七市六町の首長会議で策定いたしました伊豆半島グランドデザインに基づきます美しい伊豆創造センターを開設いたしまして、このセンターが伊豆の観光振興にかかわるさまざまな活動や事業を統括して伊豆は一つというものを具現化してまいる予定でございます。
 県ではこうした取り組みの中でまとめ役を果たし、あるいは県が期待される役割を果たすことによりまして伊豆地域の皆様と一緒になりまして、伊豆半島ジオパークあるいは韮山反射炉、そういったものも核にしながら伊豆全体を送り出す。そういった取り組みを進めてまいりたいとそのように考えています。
○議長(中谷多加二君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) 特別支援学校についての再質問、二つあったかなというふうに思いますけれどもお答えしたいなというふうに思います。
 一つは、普通の学校と特別支援学校との教育の違いということでありますけれども、これはちょっとかたい話になっちゃいますけれども、学校教育法の中で特別支援学校の教育というのは位置づけられておりまして、これは小学校、中学校、高等学校に準ずる教育を行うということと、もう一つは障害による課題を克服し自立を図るために必要な教育を行うという、大きく二つございます。
 前半の準ずる教育につきましては、基本的には準ずるわけですけれども障害に応じて特別な教育課程を組むことができるということで例えば教科を一緒にして教えるとか、あるいは道徳と特別活動の内容を合体するというようなそういうような特別な教育課程を組むということであります。
 後半の自立を図るためということにつきましては、これは障害者によらずに特別支援学校におきましては自立活動というそういう教育活動を行う中で将来自立して生きていける、そういう活動を各特別支援学校で行っているということでございます。
 それから、二つ目の講師の問題でございますけれども、先ほどの答弁でも申し上げましたけれどもやはり児童生徒数が予想以上に増加している中でなかなか教員の採用が追いついていかないということで、これにつきましてはより正確な児童生徒の将来予測というものをする中で適切な教員の採用計画というものをしていくとともに、当面はやはり講師の専門性を図るという意味でも校内研修、校外研修というものをやっぱり充実していくということが大切かなというふうに思っております。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 九番 土屋源由君。
       (九番 土屋源由君登壇)
○九番(土屋源由君) 答弁ありがとうございました。
 まとめ役というその役割をしっかりと県のほうが果たしていただきたいと。これはもう前から伊豆は一つずつという部分が、何十年もというぐらい続いてきているというのがあります。ですからやはり伊豆は、先ほども言いましたように伊豆というブランドで売れるような状況になるように県が指導していただきたいというように思いますので、ぜひともよろしくお願いします。
 もう一点、特別支援学校の今の御答弁でありますけれど、やはり臨時講師という形のものがどうしても皆さんにはいくら研修をされていても不安に感じてしまうということがありますので、しっかりと研修、先ほど言いましたような研修があるんであればしっかりとやっていただいて、父兄であるとか皆さんが心配をしないような状況になるまでにしていただくことを要望して質問を終わります。以上です。(拍手)

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