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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

江間 治人 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/30/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 JR磐田新駅について
2 富士山静岡空港の利用促進と就航促進の取り組みについて
3 大規模スポーツイベントを活用した誘客対策について
4 ふじ三三プログラムの推進について
5 総合教育会議と地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会について
 (1) 教育行政における総合教育会議
 (2) 地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会
6 コミュニティスクールについて
7 富士山の日の県立学校休日について


○議長(吉川雄二君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百十三号から第百三十八号まで及び平成二十六年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、九番 江間治人君。
       (九番 江間治人君登壇 拍手)
○九番(江間治人君) 私は自民改革会議の所属議員として通告に従い、知事及び関係部局長並びに教育長に当面する県政の諸課題について一括質問方式により伺います。
 初めて議員になり県議会という場で質問をさせていただくことに大きな喜びと大きな責任を感じます。これも私を信頼し支えてくださった多くの皆様のおかげと心より感謝申し上げ、最善を尽くすことをお誓い申し上げます。練習し過ぎて少し声がかれてしまいましたが、皆様にしっかり聞いていただけるよう大きな声で元気よく質問させていただきます。
 私の住んでいる磐田市は、天平の時代、聖武天皇の詔により国府が置かれ、遠江に赴任した国司桜井王はこの地に国分寺、国分尼寺そして七重の塔を建てました。このとき桜井王が京都から遠い海と言われる遠江から京都をしのんで詠んだ歌があります。「九月のその初雁の使にも思ふ心は聞こえ来ぬかも」。そして聖武天皇が返した歌「大の浦のその長浜に寄する波ゆたけく君を思ふこのごろ」が人々の心に伝承されています。また市民ナショナルトラスト運動で大部分が県有地となり自然環境保護地域に指定されたトンボの生息種類日本一と言われる桶ケ谷沼があります。このように歴史、文化、伝統そして海あり山ありうまいものあり自然のあふれるすてきなまち磐田市は、未来永劫輝き続け、そこに生きる人々、子供たちがたくましく輝き続けていくために行政、企業、市民が一体となってまちづくりに取り組んでいます。私も静岡県と磐田市の発展に寄与できますよう全力で取り組んでまいります。
 それでは質問に入らせていただきます。
 初めに、JR磐田新駅についてお伺いします。
 磐田市では、JR磐田新駅周辺を磐田市東部地区における新拠点と位置づけ、新たに多くの人々が暮らせる環境づくりを目指した土地区画整理事業による市街地整備を推進しています。それに伴って新たな玄関口となる新駅を核に生活に便利な商店街やビジネス街などの充実を図ることとしています。
 平成二十六年十二月にはJR東海と磐田市等の間で工事協定が締結され、平成二十八年度から新駅の建設工事が本格的に始まることになりました。また地元では今月十五日にJR新駅建設促進委員会が設立され、新駅を中心とするまちづくり、かかる諸問題に対して地元として何をなすべきかを考え若い人たちにも積極的に参加してもらい最大の努力をするという活動方針が決議されました。新駅周辺地区はジュビロ磐田のホームグラウンドがあり人口増加や産業集積が見込まれるポテンシャルの高い地区です。さらにコンパクトシティーを目指すまち・ひと・しごと創生総合戦略に合致するモデル地域となる可能性も大であります。
 磐田市が建設に向けて積極的に取り組んでいる中、県としても新駅の設置に対して積極的に支援すべきであると考えますが、県としての支援の必要性についてどのように考えるかお伺いします。
 次に、富士山静岡空港の利用促進と就航促進の取り組みについてお伺いします。 
 富士山静岡空港は中国からの旺盛な訪日需要を背景としてことしに入り中国路線の新規就航、増便が相次いでいます。八月末時点で公表されている新規就航計画を含めると中国路線は十四路線となり、昨年の同時期の一路線と比べるとその急増ぶりは明らかです。このような動きは空港の発展にとっては大変喜ばしいものであり、この勢いから目標とする年間利用者数七十万人の達成も視野に入ってきたものと思います。
 しかしながら、ことし一月から六月までの利用者数約三十二万人のうち訪日外国人が約十五万人と全体の半数近くを占めており、このうち約八割は中国からのインバウンド観光客と聞いています。これは羽田空港、成田空港への新規就航が難しい中、富士山静岡空港が首都圏に近く東京、富士山、京都、大阪などを結ぶゴールデンルート上にあることによって中国の各航空会社から選ばれてきたものと考えられます。しかし羽田空港の中国路線発着枠の拡大などに伴って今後静岡空港発着の見直しが行われることも考えられます。空港利用者七十万人を達成しさらに伸ばしていくためには、中国路線が安定的に運航されるようインバウンドの取り込みのみならず四十八の世界遺産を持つ中国の観光的魅力や業務渡航などによりアウトバウンド利用者を増加させていく必要があります。また今後の国際線については国際情勢の環境変化等の影響を受けやすいこと、特に九月三日に軍事パレードを行った中国との政治的な関係を懸念すると過度に中国路線に偏ることなく成長著しいタイやベトナムなど東南アジア諸国との新規路線の誘致にも取り組む必要があると考えます。
 そこで、就航都市が拡大した中国路線における日本人旅行者のアウトバウンド利用を促進するための取り組みと今後の国際線の新規路線の誘致に対する県の所見をお伺いします。
 次に、大規模スポーツイベントを活用した誘客対策についてお伺いします。
 九月十八日、県議会開会と同日に開幕したラグビーワールドカップ・イングランド大会では二十カ国が熱戦を繰り広げています。地元、五郎丸選手も大活躍で日本は何と優勝候補の南アフリカを終了間際のトライで逆転勝ち。スコットランド戦は残念でしたがジャパンウエー、桜のジャージは決勝トーナメント進出を目指して大健闘しています。来年はスポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックがブラジルのリオデジャネイロで開催されます。FIFAワールドカップと並んで世界三大スポーツと言われる二つの大会の次の舞台は日本です。私もかつてアテネと北京の二つのオリンピックを現地で観戦しましたが、各国からの多くの外国人が競技場周辺や観光地、繁華街などでにぎわっている光景を目にしました。
 これらのイベント期間中は大会関係者、各国選手団、観戦客そしてメディア関係者など多くの外国人の来日が見込まれており、こうした皆様に本県の魅力を知ってもらう千載一遇のチャンスとなります。特にラグビーワールドカップにあっては四十日という長期間で開催され、長い試合間隔のあき時間を利用して観戦客等が本県を訪問できるようにし周遊、滞在させる仕組みを県内観光関係者と連携して構築していく絶好の機会と捉えています。
 今後、二つの大規模スポーツイベントの日本開催に当たって国内他地域におくれをとらないためにも、直ちに顧客獲得に動き周遊型、滞在型の観光形態を根づかせ本県への誘客に結びつけていく必要があると思いますが、県の取り組みについてお伺いします。
 次に、ふじ三三プログラムの推進についてお伺いします。
 この夏、我が母校の野球部は史上初の県ベストフォーに進出し磐田市に元気を与えてくれました。私は一応野球部出身で、議員野球ではバットが空を切りましたが今回庵原球場や草薙球場に足を運び後輩たちの大活躍に熱い声援を送ってまいりました。私の高校時代の監督さんが現在七十八歳になりますが、ことし四月から磐田市全体の連合自治会長に就任すると聞いてびっくりしました。教諭を退職後、民生委員や自治会等、地域の仕事に積極的に取り組んでいらっしゃいましたが、七十八歳で市の自治会のトップをやる、常に社会参加されている方は元気で若いと改めて感じました。
 また、まち・ひと・しごと創生長期人口ビジョンによると少子高齢化や人口減少の影響により生産年齢人口の減少が顕著です。二〇一〇年に二百三十四万人、約六二%であった生産年齢人口が二〇二〇年には二百七万人となり二十七万人の減、二〇三〇年には百八十八万人となり四十六万人の減となります。これにより納税者あるいは社会保障費等の負担者が減少し県財政に大きな影響を及ぼし公共のサービスや民間消費にも影響を及ぼすものと考えられます。
 静岡県は、健康寿命日本一です。男女平均で七十三・五三歳。今月は敬老の日があり健康寿命を引き上げてくださっている元気な高齢者にたくさんお会いしましたが、これを七十五歳まで引き上げ、知事も七十六歳までを壮年とおっしゃっていますのでさまざまな経験を生かして仕事や地域活動に元気に活躍できる人口を維持することが重要だと考えます。
 現在本県には健康長寿のためのふじ三三プログラムがあり、それによりますと健康の三要素、運動、食生活、社会参加を三人一組で三カ月以上続けることとされています。そこで健康寿命をさらに伸ばすため、県は今後ふじ三三プログラムをどのように進めていかれるのかを伺います。
 次に、総合教育会議と地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会についてのうち、教育行政における総合教育会議についてお伺いします。
 私は、今年度からスタートした総合教育会議が県教育行政に大きな変化をもたらすことを期待している一人です。磐田市の教育委員を九年間務めさせていただき教育行政にかかわる課題を見てまいりました。教育委員会だけでは解決し得ない課題があることも知りました。そんな中で総合教育会議の制度がスタートし民意の代表として首長が直接教育委員と議論をする機会を得たことは教育行政に大きな意味を持つと考えています。
 八月二十四日に磐田市で第三回総合教育会議が開催され、傍聴に行ってまいりました。手前みそになりますが磐田市は市費教職員ふるさと先生を登用し県に先駆けて平成十六年から三十五人学級を推進してきました。またコミュニティスクールの積極的な取り組み、小中一貫教育の完全実施、小中一体化教育の計画策定など先進的な教育施策に取り組んでいます。その会議で教育委員会の取り組みが保護者や市民に周知されていない実態を踏まえ、教育の大綱をつくるに当たってこれを周知するためにはどうするかという議論の中で市長が広報誌で特集を組みましょうと発言しました。十一月ごろに特集を組むことになりましたがこのようなことは教育委員会だけではすぐに決められないことでした。私も九月十七日の県総合教育会議を傍聴させていただきましたが、予算の編成、執行権や条例提案権を有する自治体の長が会議にいることのスピード感、実効性の高さが総合教育会議の大きな役割の一つと感じました。
 そこで、教育委員会として総合教育会議をどのように教育行政に生かしていくのか、教育長の所見をお伺いします。
 次に、地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会について伺います。
 静岡県では、これまでに総合教育会議が三回行われテーマに沿って議論をされていますが、総合教育会議に先立って開催されている地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会が大きな役割を果たすと感じました。このような有識者会議の設置は全国的にも本県のみであると伺っていますが、議事録を拝見しますと各分野のすぐれた見識をお持ちになる委員がさまざまな角度からテーマに対して深い意味を持つ御意見を述べられていると感じます。磐田市からもラグビーヤマハ発動機ジュビロの監督であり夏の甲子園を沸かせた清宮幸太郎選手のお父さんの清宮克幸氏も出席されており、地域スポーツクラブ設立のモデル地区として磐田市が選ばれたことを大変うれしく思います。一回の会議が二時間程度では余りにももったいないとも思います。さらにこの実践委員会が教育行政改革の牽引役になるものと期待もしています。
 そこで、改めてこの実践委員会を設置した目的と実践委員会におけるこれまでの議論が期待どおりのものとなっているかを伺います。また実践委員会で出された意見を今後どのように生かしていくのかを伺います。
 次に、コミュニティスクールについてお伺いします。
 近年、学校を取り巻く環境は複雑化しており学校に求められる役割もかつてと比べ拡大、多様化しています。こうした中、学校と地域との連携や協働が重要となっており各地で地域とともにある学校の取り組みが進められています。こうした地域とともにある学校づくりの方法の一つとしてCS――コミュニティスクールという制度があります。本県においてもCSの設置が進み平成二十七年四月一日時点で四十一校が指定され、特に磐田市と御前崎市では市内の全ての小中学校にCSを設置しています。
 八月の磐田市のフォーラムでは子供たちの笑顔のために学校を支える地域のやりがいについて話題が出たと聞いており、まさに学校は地域の拠点でありこの制度には大きな魅力があることを感じています。しかし一方ではCS運営や地域との連携の中で教職員の負担が大きくなり本来の子供たちへの時間や自己研さんの時間が減少してしまうのではとの心配もあります。学校教育現場の中核は教職員であり彼らの指導力であることを考えると課題も幾つか見えてきます。
 こうした課題と成果を踏まえ、CSへの取り組みについて教育長の見解をお伺いします。
 最後に、富士山の日の県立学校休日について質問させていただきます。
 構成資産から三保松原を除外すべきとのイコモスの勧告に対し、世界遺産委員会委員の満場の一致を得て三保松原を含める形で富士山の世界遺産登録が決定されたことは記憶に鮮明に残っています。文化庁等関係の皆様の御努力と登録前、富士山の日を制定し県民の盛り上がりを見せたことも功を奏したのではないかと考えます。県西部地域でも富士山の文化的価値を再認識するよい記念日であると思いました。しかし現在その富士山の日、二月二十三日の県立学校の休校が有効活用できていない実態があると思います。
 登録前、富士山に関する市民運動に児童生徒を参加させたいという趣旨で市立小中学校も二月二十三日を休校にという内容の通知が県教委から市教委に出されました。磐田市教育委員会では保護者が仕事に出ているのに子供たちだけ家に置いておくことはできない、特に低学年や支援の必要な子供は難しいのでは。さらに保護者はこの年度末に近い時期に休暇をとれるだろうかとある女性委員から意見が出され議論を重ねた末、休校にしない決議をしました。
 現在、小中学校が富士山の日を休みにしている市町は三市一町と聞いています。県立学校においてはほとんどの高校生が受験や部活動等で地域のイベントに参加していないのも実態ではないでしょうか。また特別支援学校に通っている家庭は保護者が仕事を休めずもっと深刻だと考えます。
 富士山及び富士山の日をもっと盛り上げるために、県立学校を休校にすることを取りやめ新たな手法を検討することを御提案しますが、教育長の所見をお伺いします。以上について答弁を求めます。(拍手)
○議長(吉川雄二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 江間議員にお答えいたします。
 大規模スポーツイベントを活用した誘客対策についてであります。
 来年、リオデジャネイロにおきましてオリンピック・パラリンピックが開幕しますといよいよ東京オリンピック・パラリンピックに向けた海外誘客の取り組みが本格化すると予想されますことから、本県といたしましても総合的な展開を図ることが必要となっております。そこで本年度から観光関係団体等と連携いたしまして、オプショナルツアー取り扱い会社等に対し大規模スポーツイベントの観戦、応援に来日される外国人個人旅行者向けに本県滞在プログラムを御提案申し上げるほか、大規模スポーツイベントの役員やスポンサーなどの富裕層を専門に扱う国内の企画手配会社を県内視察等にお招きするなどして旅行商品の造成を積極的に働きかけているところでございます。
 また、オリンピック等に向け旅館、民宿など宿泊施設における外国人受け入れ体制を整えるほか、ふじのくに静岡らしい文化や食事を体験してもらう仕組みづくりを進めるとともに、市町や競技団体と連携しラグビーワールドカップやオリンピックの事前キャンプを誘致することにより本県の魅力を海外へ発信し旅行者の周遊、滞在を促すこととしております。
 大規模スポーツイベントの開催を誘客の絶好の機会と捉え、世界遺産の富士山や韮山反射炉を初めすぐれた自然景観、温泉、文化、食材等、静岡県が誇る世界クラスの宝を生かし、海外から多くの人々が本県を訪れふじのくに静岡の魅力を体感してもらえるよう誘客活動に取り組んでまいります。
 もとよりこうした国際的なイベントというのは誘客が多いにこしたことはないのでございますけれども、こうした世界的な観光のきっかけというのは地域を見直す、地域の方々が自分たちの宝物をもう一度確認してそれらを世界の方々に知っていただくということでなければなりません。今回江間議員におかれましては、冒頭におきまして八世紀半ばにおける遠江国府が置かれたときに都を遠く離れた桜井王の歌に対しまして初雁が本当に自分の気持ち、この都を思う気持ち、これを都の人は知っているのかというその思いを託した歌を送られたところ、何と聖武天皇がゆたけく君を思ふこのごろという歌を返されたと。当時は今と違って奈良の都と遠江というのは極めて遠いというふうに思われたに違いありません。一方その千二百年以上前に歌われたすばらしい御製、こうしたものが今、江間議員の心の中に生きているということがもうまことに磐田の宝ではないかというふうに思います。「時を超え所を超えて息づける磐田の文化頼もしきかも」といったところであります。
 こうした、それぞれの地域の文化を世界的なレベルであるということを示すために私どもは世界クラスの地域資源が今や二十を超すぐらいにあるということをやっているわけでございまして、決して郷土自慢とかということではございません。世界の中に息づく地域の力というものを客観的に知り、そして改めて自分たちの地域に対して自覚を持ち、自信を持ち、プライドを持って世界に堂々とおのれの姿を見ていただくと。こうしたことが実はこのスポーツイベント、文化交流の目的の一つであるというふうに考えている次第でございます。
 次に、総合教育会議と地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会についてのうち、地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会についてでございます。
 今年度から新たに制度化されましたのがこの総合教育会議でありますが、この会議は地方自治体の長と教育委員会の協議の場でございます。大切なことは予算の編成や執行等の権限を持つ首長の恣意が、政治的なイデオロギーが、独断等が教育行政に入らないようにするということが大切です。また社会全体の代表としての首長でございますから社会全体の意見が反映されるようにすることが肝要であるということです。
 ですから、この四月から総合教育会議が始まるということを見越して静岡県におきましては地域とともにある学校づくり検討委員会というのを昨年度開きまして、そしてそこで静岡県を代表される各界の方々に御参加を賜り、そしてその報告書をいただきました。その報告書に基づきましてこれを実践していくために私がその検討委員会の課題を踏まえて教育会議に、教育委員会に臨むと。それが総合教育会議です。総合教育会議はしたがって、その実践委員会の方々に折に触れて御参加いただくというそういうふうにしているわけであります。
 その実践委員会またその前の検討委員会におきましてふじのくにづくり支援センターの理事長の矢野弘典氏を委員長としております。この方は最高学府を出られ東芝にお勤めになり、ヨーロッパ東芝の社長をなさり、今は横綱審議会の委員もなさり、中日本高速道路株式会社のトップもお務めになり、まさに社会人として模範になる方でありましてみずからも論語を読むための私塾も開かれている方でございます。まことに立派な方でこうした方がたくさんいらっしゃるということなんですね。ですから社会の大人は全て子供たちにとって背中を見せても恥ずかしくない大人であるという自覚を持つということが大切で、教育は教育委員会あるいは教育の現場、学校の先生だけがするのではないと。社会総がかり、地域総ぐるみでやらねばならないというこれが本県の基本的な教育に対する姿勢でございます。
 この実践委員会におきましては経済、スポーツ。スポーツでは先ほど磐田の例がありましたが清宮さんがその委員に入っておられます。芸術におきましては本県御出身の仲道郁代さん、あるいは演劇における最近はもう国際クラスと言われているSPACの宮城聰監督等がお入りになり、もちろん教育やそれから福祉、農業、水産業。水産業ではいわば漁業士といいますか藪田さんという、最近知りましたが藪田さんの御令息だということを実は昨日知ったわけですけれども、偶々そういう方にお入りいただきまして社会のモデルになる方々の御意見を賜ってそれを子供たちに還元していくという、その有識者から成るのが地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会でございます。
 こうしたところで事前に幅広い御意見をいただいて、そしてこれまでに実践委員会は三回開催いたしました。これは検討委員会で出てきた報告書に基づいた課題を第一回目におきましては教職員及び高校生の国際化。高校生の国際化は言うまでもなく大事なんですけれども先生が国際化していないと子供は偏狭な心持ちになります。ですからやっぱり先生を大切にする、先生の国際化が入っているというのがこれが眼目なんですね。それから地域の人材の活用。三回目には新しい実学の奨励等をテーマにいたしまして高い見識と豊富な経験に裏打ちされた具体的で説得力のある御意見、御提言を踏まえた上でこの総合教育会議に臨んでいるところでございます。
 教育委員会の皆様と率直な意見交換が、今行われております。高校生の海外修学旅行の充実あるいは人材バンク。スポーツ界、芸術界あるいは実業界等の方々で力を子供たちのために割ける方々、こうした方を登録していただいてこれを人材バンクと称しましてそれを構築し、既に基本的に協議が整ったものについてはまず始めると。全部整ってからではなくてできるところからやっていくと。子供の成長は時間を待っておれませんのでいいものはなるべく早くやるということでございます。知事部局、教育委員会のそれぞれにおきまして具体化に向けて検討し速やかに実現を図っているところでございます。
 今後とも、実践委員会での御議論を踏まえまして総合教育会議で教育委員会と十分な意思疎通を図ること、そしてまた私、首長と教育界のトップである教育長と個人的な信頼関係もしっかり築き上げまして、社会総がかりでふじのくにの未来を担う有徳の人づくりを進めてまいる所存であります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(吉川雄二君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) JR磐田新駅についてお答えいたします。
 東海道本線袋井―磐田間の新駅につきましては、昨年工事協定が締結され磐田市では来年度から本格的に建設工事に着手していく予定であり、新駅設置費用に充てるため基金を創設し市民や企業から広く寄附を募るなど財源確保に向けた取り組みも進めていると伺っております。新駅周辺地域では既に従業員数の多い企業やヤマハスタジアムが立地しており、さらに土地区画整理事業による新たな基盤整備に伴い相当な人口が集積し新駅の設置により沿線地域の利便性の向上が見込まれています。また新駅を核としたバス路線の再編等により袋井市も含めた広域的な交通環境の向上が期待されております。これまでも県ではこの新駅周辺で実施されている土地区画整理事業に対して事業費の一部を助成し事業の円滑な実施を支援していることに加え、新駅の自由通路の整備につきましても昨年度から国庫補助金の予算確保に努めております。
 県といたしましては、駅舎の整備に関し新駅設置の効果や県の推進施策との関連等を勘案し、これまで個別の駅ごとに助成を行ってきたことを踏まえ現在磐田市と協議を進めており、必要な支援ができるよう検討してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 富士山静岡空港の利用促進と就航促進の取り組みについてお答えいたします。
 富士山静岡空港は、開港当初から国内遠隔地や東アジアを結ぶネットワークの構築を目指して就航促進に取り組んできた結果、現在中国からの訪日需要の受け皿となるなど中国、韓国及び台湾に十六路線という国内有数の国際線を有する地方空港となっております。こうした中、日本人利用客がふえつつあるもののインバウンド利用が大半を占める中国路線の安定的な運航に向けては江間議員御指摘のとおりさらなるアウトバウンド需要の創出が必要となっております。
 このため、先月には県内旅行会社やメディアを招いた武漢へのファムトリップを実施するとともに、県内企業等への路線利用の働きかけを行ってまいりました。さらに杭州などの新規就航地へのファムトリップの拡大や就航地と周辺景勝地を周遊する魅力ある旅行商品の造成促進、約四万人のサポーターズクラブ会員への定期的な就航地情報の発信などさまざまな手法により需要拡大に取り組んでまいります。
 一方、国際線は国際情勢、経済的な変化などのイベントリスクの影響を受けやすいことから一つの国に過度に偏重することなく就航促進に取り組むべきであるとも認識しております。このため訪日需要が高く本県企業も数多く進出している東南アジアとの新たな路線実現に向けタイなど旅客需要を見込める地域との既存路線の乗り継ぎ便の利用促進を図るとともに、チャーター便運航を積み重ねながら定期便就航に向けた航空会社との交渉に努めてまいります。
 県といたしましては、富士山静岡空港が首都圏空港の一翼を担う日本の空の玄関口として県民の皆様はもとより海外の皆様にも選ばれる魅力あふれる空港となるよう引き続き全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) ふじ三三プログラムの推進についてお答えいたします。
 運動、食生活、社会参加の健康長寿の三要素を生活に習慣づけている人は何もしない人と比べて死亡率が約半減するとの調査結果から、ふじ三三プログラムでは健康長寿三要素による生活習慣の改善を目標とし、働き盛り世代を中心に普及を進めてまいりました。
 このたび、本県では独自のふじのくに型人生区分を作成し高齢者に当たる老年を本県女性の健康寿命を上回る七十七歳以上に引き上げ、六十五歳以上の方でも壮年としてまだまだ元気で活躍できる世代であることを啓発し、豊かな経験や知恵を社会に生かしていただくこととしております。
 そのため、今年度からこれまでのプログラムに無理のない運動や目標設定を加えたシニア版ふじ三三プログラムを新たに作成し六十五歳以上の方にも取り組みやすい内容とし、健康長寿三要素の実践の普及に努めております。またスマートフォンなどで利用できるふじ三三アプリを開発し若い世代が気軽にいつでもプログラムを実施できる環境を整え、若い時期から生活習慣を見直すことで健康に関心を持ちいつまでも元気でいられるようにいたしました。
 今後とも、あらゆる世代にふじ三三プログラムを実施する機会を広めることで生活習慣の改善を促進し、本県の健康寿命のさらなる延伸を目指してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 総合教育会議と地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会についてのうち、初めに教育行政における総合教育会議についてお答えいたします。
 総合教育会議は知事と教育委員会という執行機関同士の協議調整の場であり、本年度は第一回会議において教職員及び高校生の国際化、地域人材バンクの構築などの重点的に講ずべき四施策について知事と協議することに合意いたしました。
 第二回会議においては私から高校生の海外渡航等を支援する基金の創設を提案し、第三回の会議におきましては知事から部活動支援のための地域スポーツクラブのモデル実施の提案をいただいたところであり、予算編成や執行に関するスピード感はもとより教育委員会からの積極的な施策提案ができたりさまざまな教育課題に対して幅広い視点での意見交換ができるなど、総合教育会議の意義は非常に大きいと感じております。
 教育委員会といたしましては、総合教育会議で知事との十分な協議を通じて教育目標を共有し、また県民に教育行政を知っていただくための情報発信の場としても積極的に活用しながら社会総がかりの教育を実現すべく進めてまいります。
 次に、コミュニティスクールについてお答えいたします。
 子供たちを取り巻く環境が複雑化、多様化して学校だけでは解決することが難しいさまざまな課題に直面する中で、学校と地域が連携、協働する地域とともにある学校づくりが求められています。議員御指摘のコミュニティスクールはその中核をなす仕組みであると捉えておりますが、その導入や運営に当たっては教職員の負担がふえてしまう等の課題があることも指摘されております。
 一方、本県ではこれまでコミュニティスクールのほかにも各地で学校評議員や学校支援地域本部等を活用した多様な取り組みが展開されてきました。このことを踏まえて県教育委員会といたしましては各学校や地域の実情に最も適した方法を選択することが重要であると考えており、それぞれの方法に応じた支援を行っているところであります。
 特に、コミュニティスクールについては県教育委員会が推進地域として指定されている磐田市、御前崎市などの学校に対しましては負担軽減を図りその継続的、安定的な運営が行われるよう学校運営協議会の運営業務等に当たるコミュニティスクールディレクターの配置を進めています。また今年度、県教育委員会ではコミュニティ・スクール推進会議を設置し県内で先行している取り組みについて多面的な検証を行うとともに、その成果等を研修会、フォーラムを通じて広報し県内の未導入地域の取り組みも促すこととしております。
 県教育委員会といたしましては、市町教育委員会との一層の連携を図りながらコミュニティスクールの成果と課題を共有し、学校や地域の実情に応じた地域とともにある学校づくりの取り組みを支援してまいります。
 次に、富士山の日の県立学校休日についてであります。
 県教育委員会では、毎年二月二十三日を富士山の日として児童生徒が富士山に関連する県民運動に参加し、または富士山について学ぶことができるよう県立学校を休業日としております。県立学校においては日ごろから生徒が富士山について興味関心を持つことができるよう、学校行事として富士登山を行ったり地理の授業の中で火山の仕組みに関連して富士山のことについて取り上げたり夏休み期間中に県教育委員会が主催するフィールドワークとして富士山五合目周辺の施設を見学するなどしております。しかし富士山の日を休業日とすることに関しては授業時間の確保の課題もありますし議員御指摘のような課題が寄せられていることも確かです。
 県教育委員会といたしましては、今後も学校教育の中で生徒が富士山について学ぶことで郷土愛が育ち自然と人が共生することの重要性を理解できるような教育を継続して行うこと、また富士山の日につきましても課題を整理しながら保護者や学校現場の意見を踏まえ、関係団体や関係機関が行うさまざまなイベント等を積極的に活用しより有意義な過ごし方ができるように努めてまいります。以上です。
○議長(吉川雄二君) 九番 江間治人君。
       (九番 江間治人君登壇)
○九番(江間治人君) 御答弁ありがとうございました。それでは要望を二つと再質問を二つさせていただきます。
 まず要望につきましてはJR磐田新駅につきまして、今御答弁いただきましたように非常に県も御支援、御協力をいただいていると思いますが、例に漏れず今後の建設費の増加等も予想され、また新駅周辺には古墳群それから貝塚跡それから近くに河川などもあり、平成三十二年三月開通までの間、多くの問題が今後も出てくると予想されます。県としても新駅建設にかかわる情報提供やあるいは諸問題に対してさらに御支援をいただけるように御要望させていただきます。よろしくお願いします。
 そしてもう一つ、コミュニティスクールについて要望を一つさせていただきます。
 今御答弁いただきましたようにとてもいい制度ではありますが、やはりもう既に各学校でそういう組織が、あるいは地域参加の組織ができているというのも現状だと思います。CSの制度や規約等についてもまだまだ問題もあると思いますのであえてCSを押しつけるのではなく、やはり答弁でおっしゃったように学校の地域に合った形で参加をしていただけるようなそういう制度にしていただいて、教職員の負担をなるべく減らしていただければというふうに思います。要望でございます。
 それから再質問でございますが、総合教育会議について再質問させていただきます。
 今御答弁いただきましたように実践委員会を通した非常にすばらしい計画等がございますが、現実にそれを実行する、そこがやはり大きな課題。課題というかこれがなかなかできないから教育行政は変わらないと言われている部分もございます。これを教育委員会に執行してもらうためには、特に地域スポーツクラブ静岡モデル版を実現するためには、極端に言うと私がイメージするには、やはり一旦部活動を全部やめて新しいものをつくって部活動はその地域スポーツクラブの補完くらいにするような、それぐらいの大胆な発想がないとこれは高校生の国際化等にしてもなかなか難しいと思います。学校は余りにもルーチンが多くてやはり新しいことをやるエネルギーは相当なものだと思います。また市町の教育委員会とも連携が重要です。ぜひこれは市の仕事、県の仕事と言わずに県の教育委員会として実現に向けて主体性を持って本気で取り組んでいただきたいと思いますが、その覚悟があるかどうか御質問させていただきます。
 それと再質問をもう一つです。富士山の日の休日についてであります。
 御答弁いただきましたように検討していただくということでございますが、やはり私が思うに二月二十三日は学年末ということで学校の先生も授業を進めたいという方も少なくないと思います。また二月に富士山に登ろうと思ってもなかなか登れないということで私も実は残念ながら富士山に登ったことはありませんが、一度登ると心に残る大きさが違うのではと思いますので夏にぜひ児童生徒みんなで富士登山をするというのはいかがかなと思いまして教育長のお考えをお伺いしたい。そして教育長は富士山に登ったことが何回あるかお伺いしたいと思います。以上でございます。
○議長(吉川雄二君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 二つ御質問いただきまして、ありがとうございます。
 まず最初のほうの実践委員会とそれから総合教育会議。これにつきましても私もいろいろな形で参加していますけれども、今のスポーツクラブの問題も各高校、中学でクラブをもう生徒数の関係もあって希望者の関係もあってクラブが成り立たないというところもありますので、そういうところに派遣もどうするか。それから静岡県の運動等をいかにしてもうちょっと元気よくするかと。そういうものも含めて考えて、現在先ほどもありました清宮先生のほうのお話もありましたけれども磐田市が中心になって一つのモデルができる。そうするとそれが県のほかの地域にも波及していくんじゃないかなとそんなふうに思っています。これをつくることが極めて大事だとそういうふうに思っています。これが一点。
 それから、二点目の富士山の問題ですけれども私は二回登っておりますのでそれ以上登らないほうがいいとそのように聞いておりますが、いずれにしましても学校教育の中で富士山の日というのがもうできて進んでおりますけれども、実際には二月二十三日というときは学年末でもありますしいろいろな点もありますけれども、もう一度これを整理しまして今どういうふうに各小中高でやられているかというものを私のほうで今整理しておりますので、そしてそれなりの資料あるいはその日を有効に活用するというようなことで世界遺産の富士山について学ぶ。そして自分の将来にそれが生きていくというようなことで考えたいと思います。以上です。
○議長(吉川雄二君) 九番 江間治人君。
       (九番 江間治人君登壇)
○九番(江間治人君) 御答弁ありがとうございました。私も来年夏には必ず富士山に登ってみます。
 私が議員になってやっぱり最初に感じたのは県と市町、学校現場との距離感でございます。ぜひ相互理解のもと、よりよい政策実現のために御努力それから執行をお願いしたいと思います。以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)

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