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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

池谷 晴一 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/04/2013

会派名:

民主党・ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 指定管理者制度について
2 生活排水処理対策について
3 富士山に係る諸課題について
 (1) 周辺の看板類対策
 (2) 富士山一周ロングトレイル
 (3) 観光振興と開発許可制度
4 国民皆保険制度を支える国民健康保険事業について
5 新東名(仮称)御殿場インターチェンジ周辺の道路整備について
6 子供たちのネット依存について


○議長(中谷多加二君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三十七番 池谷晴一君。
       (三十七番 池谷晴一君登壇 拍手)
○三十七番(池谷晴一君) 私は民主党・ふじのくに県議団所属議員として通告に従い当面する県政の諸課題につきまして、知事及び関係部局長並びに教育長に質問をいたします。
 まず、指定管理者制度についてであります。
 本県におきましては、本年四月一日現在、四十一施設に指定管理者制度を導入し利用者数は、総合計画における平成二十五年度の目標であります年間六百万人を平成二十二年度の実績で既に上回っています。また平成二十五年度当初予算における経費削減効果は約十二億円と見込まれております。
 このような中、現在多くの自治体で二期目あるいは三期目の指定管理者の選定作業が進んでいますが、本制度の課題も見受けられます。まず指定管理者の選定に当たりましては、できるだけ多くの企業等に参加していただき、競争の中、広くその管理アイデアなどを求めていくことが必要と考えますが、県においては応募者数が一社のみの施設または非公募施設は合わせて三十三施設あり、全施設の八〇%が実質的に単独型の募集形態で県施設の大半は、前管理者が次期も引き続いて継続して管理を行っている状況にあります。
 一方、次期管理者の審査に当たりましては、前期管理者は既に利用者アンケートなどをもとにした実績評価がありますので、これを審査の評価点とすることが必要と考えます。利用者の声に対応すると管理者及び県の維持管理経費が増大するという状況も想定されますが、利用者がよい評価であれば加点、悪い評価であれば減点ということも考慮すべきであると思います。
 指定管理者制度発足当初、従前の管理委託制度の廃止と本制度の導入がセットで進んだため従前からの外郭団体等管理受託者を指定管理者に選定した施設の割合が全国で約八割という状況の中、応募の現状についての認識及び県民、利用者の立場に立った的確な評価方法について、県の考えを伺います。
 また、昨年天野一議員からも同様の趣旨の質問がありましたが、本制度の目的は単なる経費の縮減ではないことから、指定管理者選定の採点の際には経費の縮減がサービス水準や安全管理、人員配置、労働条件等にしわ寄せがいっていないかの検証が必要で特に福祉施設や教育・文化施設など経験や専門的技術を要する施設においても本制度が数多く導入されている中、経費縮減のため正規職員及び専門的技術ノウハウを有する職員が短時間勤務のパート職員に切りかえられるケースもあります。
 施設の管理運営に係るコスト削減は歓迎すべきことではありますが、しかしその影響が住民サービスの質や指定管理団体の職員の人件費等にも及び、結果住民サービスの低下や労働条件の悪化、非正規労働者の増加につながっていくとすれば本末転倒であると思います。管理経費縮減と労働環境確保について、現状と対応を改めて伺います。
 次に、生活排水処理対策について伺います。
 静岡県の汚水処理人口普及率は、平成二十四年度末時点で七五・三%、全国第三十六位であり全国平均の八八・一%には大きな差があり、汚水処理施設整備がおくれている現状にあります。
 汚水処理の手法といたしましては、都市部における下水道、都市部以外で行われる浄化槽などがありますが、まず県内における下水道につきましては、下水道処理人口普及率が平成二十四年度末時点で全国平均七六・三%に対し六〇・三%といまだ整備途上であり、現下の厳しい財政状況の中で新規施設整備が必要で、また既存施設の維持管理、老朽化に伴う長寿命化、耐震化等への対応も必要であります。
 一方、県内の浄化槽数は、平成二十三年度末で約五十万六千基余りで全国第四位の設置数となっていますが、し尿及び風呂や台所、洗濯等生活排水まで処理を行う合併処理浄化槽の設置数は約十三万九千基にとどまっています。残りの約三十六万七千基は、し尿処理のみ行う単独処理浄化槽であり、し尿以外の生活雑排水はそのまま公共用水域に流されており早期に合併処理浄化槽への転換が必要であります。
 このような状況の中、県におきましては各種の汚水処理施設の整備を計画的に進めるために平成十三年度に策定した静岡県生活排水処理長期計画を現在見直し作業中と聞いていますが、生活環境の改善、公共用水域の水質保全を図るため、どのような見直しを行うのか伺います。
 また、浄化槽の整備につきましては、平成六年度に国において浄化槽市町村整備推進事業が事業化されています。この事業は市町が定められた区域内の住民から使用料を徴収して設置から維持管理までを行うものであり、市町の負担増が懸念されるものの、市町が責任を持って保守点検、清掃、補修、法定点検等を行うため安定した汚水処理が期待でき、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換や法定検査受検率の向上にも有効な手段であると考えます。全国では平成二十四年十二月末時点で四十都道府県百九十三の市町村で実施されており、うち二十八都道府県において都道府県が補助を行っていると承知しています。
 県内におきましては、掛川市が平成十七年度から実施し本年度から御殿場市が事業を開始しますが、残念ながら静岡県におきましては現在本補助制度は未整備であります。
 そこで、浄化槽市町村整備推進事業に対する県の考えを市町への県費補助制度の創設を含めて伺います。
 次に、富士山に係る諸課題について伺います。
 まず、周辺の看板類対策であります。
 国は、歴史や文化、風土など地域の個性を重視しながら美しい国づくりを進めるため、美しい国づくり政策大綱をまとめ、これに基づき景観法や屋外広告物法、都市計画法等により良好な景観形成を図っていますが、国民の間では都市景観、公共の色彩などに対する認識がいまだ低い現状があります。例えば看板類は無秩序に乱立しており、電線や電柱類も美しい景観を阻害している状況にあります。美しいまちづくりには、公共建築物のみならず一般建築物から個人住宅まで庭や塀、外壁、屋根など外部から見えるもの全てが公共の景観であるという国民、そして企業等の意識改革が必要であると思います。
 このような状況の中、特に富士山周辺地域は世界文化遺産にふさわしい良好な都市景観形成や自然景観の保全が必要であり、また世界文化遺産の構成資産だけでなく、周辺の文化財や伝統的建造物、そしてこれら施設周辺の地域についても景観保全対策が必要であると考えます。
 県におきましては、昨年一月に富士山包括的保存管理計画を策定、ことし三月には富士山周辺景観形成保全行動計画を策定し、市町の景観行政団体への移行、景観計画策定の支援を行い、また市町におきましても景観条例等の制定など対応していることは承知していますが、いまだ派手な色彩の屋外広告物や電柱などにくくられた違法看板、道路沿いに無秩序に設置された大きな野立て看板などが数多く存在し富士山の景観を阻害しています。
 そこで、富士山周辺の看板類設置の状況及び違法看板類撤去対策を伺うとともに、世界文化遺産登録を捉え富士山周辺の看板類に係る景観保全施策を今後どのように展開していくのか伺います。
 次に、富士山一周ロングトレイルであります。
 富士山頂を目指しての登山は山頂や登山道、山小屋等のキャパシティーや環境保全などの課題があり、入山料の導入も含め今後検討されていくことと思いますが、一方現在の健康増進、トレイルブームの中、富士山を眺めながら歩くという観光スタイルは十分に魅力的であり観光誘客が期待できるものであると考えます。
 このような中、県は本年六月に山頂以外にも魅力的な富士山のキャッチフレーズで富士山一周歩いて楽しむロングトレイル推奨ルートを公開しました。これは構成資産をめぐりながら、約百六十キロメートルを標準十一日間で一周するメーンコースとメーンコースに接続した遊歩道や山歩きなどを楽しむ九つのサブコース、そしてメーンコースから独立し食べ歩きなどテーマを楽しむ四つのサテライトコースであります。本コースは、構成資産や準構成資産と言えるような名所、旧跡をめぐり、また富士山を遠望しながら遊歩道等を歩き、そして富士山周辺のさまざまなグルメを食べ歩くなど富士山周辺観光振興に資するものであり、富士山頂に集中する登山客を分散させる効果も期待できると思います。バリエーション豊かな本コースを順次踏破しようと考える方も多くなることが想定されますが、一方皆様が訪れたときに危険を感じたり失望したりということは絶対にあってはならないことであると思います。
 現状の道路を基本に設定したことは理解しますが、例えばメーンコースの東富士演習場南側、国道四六九号につきましては、ふだんから大型車両が多く歩道の設備がないため路線バスを利用するとなっており、またサブコースには危険と思われる箇所もあります。このためサブコースやサテライトコースまで含め、トレイルに係る危険な箇所の洗い出しやトイレ、休憩施設、歩道等コースの整備、また外国人にもわかるような案内表示について早急に対応が必要であると思います。さらに本コースのPRを行うとともに、踏破者には記念品を授与するなどさらに多くの観光客に訪れてもらう工夫も必要であると思います。
 このトレイルを富士山の新たな魅力として輝かせるため、県はこれからどのような取り組みを行うのか、現状認識とあわせて伺います。
 次に、観光振興と開発許可制度であります。
 都市計画法上、市街化調整区域は市街化を抑制する地域であり、開発が認められるのは法に定める技術基準及び立地基準に該当する施設に限定され、また開発許可を受けた用途以外への変更等は原則認められません。特にホテルなどの商業施設は、市街化を誘引する施設であることから全国的にも立地は認められていない状況にあります。
 しかしながら、本県では富士山が世界文化遺産に登録され、これを契機に経済振興、地域振興を図りたいという強い願いもある中、富士山周辺の観光振興と開発許可制度について伺います。
 富士山周辺の市街化調整区域において、開発許可を得て立地したが経済状況等によりやむなく休業、廃業し、廃墟となった施設が複数あり、景観上、防災上からも好ましくない状況にあります。これらの施設は、立地時に調整池や排水施設、接続道路、緑地等の基準をクリアしており、技術的には何ら問題はありませんが、本県におきましては当該施設の用途を変更する場合、立地基準上商業施設を除く限られた用途に限り許可を受けることができるという状況にあります。一方山梨県富士北麓地域は、都市計画に区域区分いわゆる線引きを定めていないため観光主体の開発が積極的に行われ、さまざまな観光施設が立地しており、全国的には富士山は山梨県という認識を持っている方も多く、本県の観光振興の観点からは国内外に静岡県の富士山を積極的に発信する対応が必要と考えるところであります。さらに構成資産周辺や富士山を遠望できる地域に宿泊施設などを立地することは、富士山頂への弾丸登山者の増加に伴う高山病やけが人等の増加への対応、登山者の安全確保という観点からも有益と考えます。
 県、市町が、人口減少時代に対応するコンパクトシティーを目指していることは理解しますが、一方では内陸のフロンティアを進め総合特区の指定を受けている現状にあることからも前述のような施設の用途変更については、当該計画が市町の土地利用計画に合致し市街化を誘引しないなど一定の要件を満たす場合に限っては、従来の変更可能用途以外の用途であっても、やむを得ない場合として開発許可を可能とすることも検討すべきであると考えます。対応を伺います。
 次に、国民皆保険制度を支える国民健康保険事業について伺います。
 まず、国民健康保険制度は、農林水産業者や自営業者を中心とした制度として創設された我が国の国民皆保険制度を支える基盤であり、本来国の責任において運営すべきであると考えます。その現状は人口の高齢化や産業構造の変化等により高年齢者と低所得者の集中が進み、医療費が増大していく中で、保険料税収入が伸び悩むといった構造的な問題を抱えています。また保険者である市町村の財政状況を初め、被保険者の所得や医療費の状況などにより保険料税が相違するなど市町村により運営にばらつきがあるため、保険料税の平準化は困難な状況となっており、被保険者の不公平感もあります。
 このような状況の中、県におきましては現状を改善するとともに、今後の医療保険制度について将来地域保険として一元的運用を図るという観点から、まずは市町国保の運営に関し県単位による広域化を推進するため、平成二十二年に静岡県国民健康保険広域化等支援方針を策定し市町国保の広域化に取り組んできましたが、社会保障と税の一体改革を進めるために発足した社会保障制度改革国民会議は、その報告書において国民健康保険の保険者について都道府県への移行を明記しました。しかしながら保険者が現在の市町村から都道府県に移行した場合、国民年金のケースと同様に保険料税収納率の低下、都道府県内一律化に伴う保険料税の負担増、あるいは医療水準の地域における格差等の課題が生じるものと考えます。
 そこで、県内市町における保険料税の賦課や収納状況、医療費格差の現状等を踏まえ国民健康保険事業の都道府県化について県の認識を伺います。
 また、国民健康保険を安定して運営するためには、要は被保険者が医者にかからないよう健康をいかに維持するかが重要であり、幸い本県は健康寿命日本一で健康に係るさまざまな施策を県や市町、関係団体等が実践し成果を上げているところでありますが、都道府県化した場合、健康づくりなどの保険事業の取り組みをいかに維持していくべきか、県の考えを伺います。
 次に、新東名仮称御殿場インターチェンジ周辺の道路整備について伺います。
 知事は、二期目の県政の課題として富士山軸の地域づくりを掲げ、富士山を軸とした地域づくりを進め富士山の価値を国内外に広げるとともに、静岡県を広くアピールすることを目指しています。このような中、県におきましては新東名高速道路の開通や東日本大震災等、道路を取り巻く情勢が大きく変化していることから、ふじのくにのみちづくりを本年七月に策定しました。これによれば県内は、東名高速道路と新東名高速道路の東西軸に三遠南信自動車道、中部横断自動車道、伊豆縦貫自動車道の南北軸を配し格子状の高規格幹線道路ネットワーク整備を進めることとしていますが、富士山世界文化遺産登録や内陸のフロンティア構想を鑑みたとき、私はこのネットワークにもう一本の南北軸すなわち東富士五湖道路と連結し、富士箱根伊豆国立公園周辺における広域観光交通の軸となる国道百三十八号御殿場バイパスを位置づけることも検討すべきであると考えます。そして当バイパスと接続し、関東方面から富士山への新たな玄関口となる新東名仮称御殿場インターチェンジ――地元では名称について富士山御殿場インターチェンジにしてほしいという要望がありますが――当インターチェンジ周辺の道路整備が大変重要と考えるところであります。
 新東名仮称御殿場インターチェンジ周辺では、平成三十二年度の新東名御殿場ジャンクション以東の開通にあわせて、国により国道百三十八号御殿場バイパスの整備が、また県により県道仁杉柴怒田線の整備が進められていますが、一方当インターチェンジと富士山南麓地域、山梨県南部町を連絡し国道百三十八号、百三十九号とともに富士山を一周するぐるり富士山風景街道を形成する国道四六九号につきましては、まだまだ整備が十分な状況とは言えません。国道四六九号の沿線には、世界遺産の構成資産や富士山こどもの国、富士サファリパークなどの観光施設もあり、さらに大規模災害の際には東名、新東名、国道一号等の代替路線としての機能も有していることから、早急な整備が望まれるところであります。しかしながら当路線の整備は、富士市、富士宮市の一部区間で進められているものの、御殿場市仁杉から川島田間につきましては沿線に既に住居等が多く張りついており、事業の実施が大変難しい状況にあり未着手となっています。
 そこで、並行する都市計画道路御殿場高根線の国道百三十八号御殿場バイパスから国道四六九号の川島田までの区間について早急に整備することが必要と考えますが、所見を伺います。
 また、富士山を訪れる皆様の新たな玄関口となる当インターチェンジを中心とした道路網整備を考えたとき、小山町大御神のパーキングエリアにスマートインターチェンジ建設も決定している中、国道四六九号の起点を小山町の国道二百四十六号中島インターチェンジへ変更することも必要と考えますが、所見を伺います。
 最後に、子供たちのネット依存について伺います。
 厚生労働省の調査で自宅等でパソコンの前から動かずにオンラインゲームに熱中するネット依存傾向の中高生が五十一万八千人に上るという推計結果が出ました。また携帯電話やスマートフォン、ゲーム機等モバイル端末についても調査数字はないものの、相当数の子供たちが依存傾向にあることが推測され、内閣府が先月発表した子供の安全に関する世論調査によれば、子供がスマートフォンを利用することに「不安を感じる」と回答した人は七一・九%、また携帯電話やパソコンを使いネット上で第三者と交流するコミュニティーサイトを利用することに関し、「危険だと思う」との回答は八〇%で子供たちのネット利用への懸念が明らかとなりました。オンラインゲームにつきましては、利用時間が十二時間を超えると昼夜逆転して偏頭痛を起こし、学校へ行けなくなったり栄養失調や視力低下、骨粗鬆症等も引き起こすなど健康や日常生活への支障も指摘されています。また引きこもりや学業の成績低下、不登校、さらには両親との対立、暴力等に至り家庭崩壊などの例もあります。
 ネット依存対策の先進国である韓国では、二〇一一年十一月から午前〇時から六時まで十六歳未満がオンラインゲームにアクセスできない青少年夜間ゲームシャットダウン制度を導入したことが話題となっています。またモバイル端末におけるLINE等SNS――ソーシャル・ネットワーキング・サービスは、基本的には人と人とのつながりを促進、サポートするコミュニティー型のウェブサイトであり、情報化社会の現在、世界中の多くの方々がリアルタイムで利用し現代社会にはなくてはならないツールとなっていますが、一方このアプリを使用し悪口の書き込み、仲間外れの誘発、個人攻撃のメッセージの送付などが行われ、集団でのいじめに発展するケースも増加しています。本年三月に奈良県で中学一年生の女子生徒が自殺しましたが、その原因はこのアプリを利用した集団いじめではないかと言われています。
 これらのことから、子供たちのネット依存に起因するさまざまな課題への対策として、まず個人としては自分の情報を公開しない、誹謗中傷等悪意のある内容は書かない、ネット上で知り合った人とは会わないなどが必要であり、一方アプリ運営会社としては、正しい使い方を伝えるための安全教育の充実や危険な書き込み等への対応など企業努力が必要であると思います。
 子供たちのネット依存につきましては、基本的には国がまず対策を講じるとともに、県、市町、教育委員会、家庭、保護者、地域、企業が一丸となってそれぞれができることを実践し、的確な対策を講じつつ連携し、対応していかなければ解決しない大変大きな課題であると思いますが、教育長の所見と対応を伺います。以上につきまして、答弁を求めます。(拍手)
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 池谷議員にお答えいたします。
 富士山に係る諸課題についてのうち、周辺の看板類対策についてであります。
 富士山は、日本の国土のシンボルであります。また日本人の最も美しい心を映し出してくれる鏡でもある。逆に日本人の心を最も美しくしてくれるような存在でもあると存じます。
 この富士山がめでたく世界文化遺産に登録されました。国際的にもこのような自然の造形の傑作であるものの文化的価値が認識され評価されたということは、まことに喜ばしいことでございます。富士山の美しさ、その美しさに恥じないような地域社会をつくっていかねばならないということでございます。美しい景観の形成と保全というのは、これまで以上に重要な課題となりました。
 これまでも、関係市町と連携して策定いたしました富士山周辺景観形成保全行動計画で抽出されました重点箇所を中心に違反屋外広告物の撤去や屋外広告業者の指導を行ってまいりました。しかし道路沿いや観光地などでは、撤去しても撤去してもまた新しい違反広告物が設置されるなど対応に苦慮しているところです。法令違反ではないものの派手な色彩の看板が無秩序に設置されたりすることもございまして、これらが美しい景観を阻害しているためにこの十月からは案内図板について、色彩や設置方法などの規制を強化したところであります。
 さらにきめ細やかな規制を行っていくためには、市町が屋外広告物条例を制定していくことが重要です。と申しますのも県の条例では、良好な景観への観点から四つの規制地域に区分いたしまして一律の基準により規制しているのですけれども、市町が屋外広告物条例を制定なさいますと景観計画に整合したきめ細やかな地域区分の設定とそれぞれの地域の実情に合わせた規制誘導ができるからです。
 例えば二、三例を申し上げれば、三島市では富士山の眺望を阻害しないよう縦長の屋上広告物の設置を禁止なさいました。また富士宮市では規制地域を八つに細分化されまして朝霧高原などでは、自然公園法の工作物の基準とあわせて面積や色彩に厳しい基準を設けられています。あるいは富士市では富士山の眺望のよい道路を指定し、富士山を望む方向に限り広告面の字の色彩に厳しい規制を設けられています。こうした事例にございますように目下本年度中の条例制定を目指して準備を進められている沼津市と御殿場市とを支援しているところであります。
 本県といたしましては、今後も違反業者に対する指導の徹底や市町の条例制定の支援などの屋外広告物対策を推進いたします。それとともに電線類の地中化や公共施設における色彩・デザインの配慮など景観施策を積極的に推進いたしまして、富士山に恥じない良好な景観の形成と保全に努めてまいります。
 次に国民皆保険制度を支える国民健康保険事業についてであります。
 政府は八月、国民健康保険事業につきまして、都道府県が担うことを基本とする骨子を閣議決定なさいました。今後は国と地方の協議の場や社会保障審議会において、都道府県と市町村の役割分担などが検討されることになっております。御案内のように二十回もの審議が社会保障制度改革国民会議で行われまして、その答申が八月六日に安倍総理に対してなされ、これを受けて八月二十一日に政府は閣議決定をされたわけでございますが、この中身には国民会議報告書に書かれていることでございますけれども、保険料の賦課徴収、保険事業など引き続き市町村が担うことが適切な業務が存在するというふうにうたわれているわけです。国民年金のケースと同様、保険料の収納率の低下が心配されております。そういう意味で住民一人一人の状況に応じたきめ細かな対応を図る必要があることから現行のサービス水準を維持するためにも、こうした業務は市町村が引き続き担うべきであるというふうに考えているわけでございます。
 本県といたしましては、今後の国保の制度改革に当たりましては都道府県と市町村それぞれの特性を生かした役割分担が適切に行われて、被保険者にとっても運営する保険者にとってもよりよい保険制度が構築されるよう県内の市町と連携を図りながら、中央政府のほうに働きかけてまいろうと思っております。
 実際、仮に都道府県に運営を移行いたしたとしましても、医療費の増大や保険料の収入の伸び悩みなどによって現在大きな赤字構造を持っているわけです。これを残したままですと、この赤字を埋めるために保険料の大幅な上昇も十分にあり得ますし、またそうしたことでは県民の理解を得ることも容易ではありません。ですからまずはやはり国の責任において、こうした赤字構造の問題の解決を図るべきであるというふうに存じます。一方議員御指摘のとおり、なるべくお医者様にかからないことが望ましい。しかしながら高齢社会の中で、どうしても年をとるにつれて医者に診てもらわなくちゃならなくなります。
 そこで我々は、健康長寿日本一ということを目指して実現をいたしました。県民のこのような健康寿命のさらなる延伸を目指して県、市町、企業等が一体となってふじのくに健康長寿プロジェクトを展開しているところです。
 ありがたいことにこれまで保険事業で実施した四十九万人の特定健診データとこれは独自に分析したわけですが、その結果を市町の健康づくりに役立つように見える化した、見えるように透明化した市町別健康マップの作成などをしていたわけですが、この取り組みが大変高く評価されまして、厚生労働省が創設なさいました第一回の健康寿命をのばそう!アワードの厚生労働大臣最優秀賞を受賞したわけでございます。今後も県と市町等が一体となりまして、引き続き健康づくりなどの保険事業の充実を図ってまいります。なるべくお医者様にかからないぴんぴんころりではありませんけれども、保険料について困ることのないよう、市町と協力しながら健康寿命を伸ばしていきたいというふうに考える次第でございます。以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 土屋経営管理部長。
       (経営管理部長 土屋優行君登壇)
○経営管理部長(土屋優行君) 指定管理者制度についてお答えいたします。
 本県では、指定管理者の公募に当たっては県のホームページで公表しているほか報道提供や前回応募者への個別周知等の情報発信を行っているところであります。
 しかしながら、議員御指摘のように現状は一施設当たりの応募者数は平均で約一・五団体にとどまっており、指定管理者制度において民間の創意工夫をさらに生かすためには複数の団体による適度な競争環境が必要だというふうに考えております。こうしたことから公募の際には他の自治体の類似施設の指定管理者、あるいは関係の業界への周知を図るなど多様な情報発信を行うことを徹底しまして、幅広い団体の参加が見込めるように努めてまいります。
 なお、次期の指定管理者の選定に当たりましては、一層の経営努力を引き出すため前期の指定管理者の期間全般におけるサービスの内容や管理運営等の評価が優秀と県が判断した場合には加点を行う仕組みを設けているところであります。
 また、管理経費につきましては、県が前期の指定管理者の収支状況等を勘案しまして指定管理料の上限額を設定しております。選定時には必ずしも最低金額を提示した団体ではなく、経営状況やサービス向上あるいは利用者の安全確保等の取り組みを総合的に評価いたしまして、施設の設置目的に沿って最も効果的かつ効率的に運営できる団体を選定しているところであります。
 こうした中にありましても、議員御指摘のとおり不適切な労働条件は、サービスの質や利用者の安全確保にも影響しかねない重大な課題であります。県といたしましては、今年度労働関係法令の遵守に係る点検マニュアルを作成した上で指定管理者制度導入施設に対しまして、労働時間や社会保険への加入状況などの一斉点検を実施し、施設における労働環境の適切な確保に努めてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 生活排水処理対策についてお答えいたします。
 生活排水処理施設については、静岡県生活排水処理長期計画に基づき整備を進めており汚水処理人口普及率、下水道処理人口普及率とも着実に向上しておりますが、議員御指摘のとおり、いまだ全国平均を下回っている状況にあります。また計画策定から十年余りが経過し人口減少の進行や厳しい地方財政状況など社会情勢も変化していることから、市町の意向も踏まえ普及率の一層の向上が図られるよう今年度中に計画の見直しを行うこととしております。
 計画の見直しに当たりましては、目標年度を平成四十二年度とし生活環境の改善や公共用水域の水質保全を図るため、最適な整備方法への転換や既存施設の統廃合による効率化、建設コストの縮減などの新たな施策を盛り込むこととしております。また汚泥の有効活用や施設の耐震化など循環型社会の形成や防災・減災などの視点に立った施策も充実することとしております。
 また、市町が設置し管理を行う浄化槽市町村整備推進事業につきましては、合併処理浄化槽の普及促進や維持管理の適正化の観点からも有効な対策であり、県といたしましては今後市町への支援の方法についても検討しながら事業導入を積極的に働きかけてまいります。
 次に、富士山に係る諸課題についてのうち、観光振興と開発許可制度についてであります。
 市街化調整区域は開発を抑制する区域であり、開発許可はその区域に居住する県民が日常生活を健全に営むために必要な事業、あるいは市街化区域内で行うことが困難または著しく不適当である事業などに限り例外的に認められているところであります。また開発許可を受けた土地では、予定建築物の建築のみが認められております。したがいまして倒産等により放置された施設を用途変更し、開発許可地の再利用を図る場合におきましても市街化調整区域への立地がやむを得ないものと認められるかどうかなどを審査し、改めて開発許可を行うこととなります。審査に当たっての判断は、個別具体的な計画ごとに市街化促進のおそれや市街化区域への立地の困難性などの観点から行うことが原則でありますが、開発許可地の荒廃化防止や観光振興への貢献などの観点をどのように反映させるかは重要な課題と認識しております。
 このため県といたしましては、今後全国的な規制の動向の把握に努めるとともに、市町との協議の場を新たに設け社会経済情勢の変化や観光振興への対応といった観点から、開発許可制度の運用について幅広く検討を行ってまいります。
 次に、新東名仮称御殿場インターチェンジ周辺の道路整備についてであります。
 国道四百六十九号は、御殿場市を起点として山梨県南部町に至る広域幹線道路であります。県ではこれまで幅員が特に狭く大型車のすれ違いに支障がある富士市勢子辻から富士宮市山宮までの区間などを優先的に整備してまいりました。
 近年の少子高齢化の進展などにより将来交通量の伸びが鈍化してきたことを踏まえ、平成二十三年度から二カ年にわたり交通事故や渋滞の発生状況、周辺の土地利用などの現況調査と将来交通量推計を実施し、道路の規格や効果的な整備手法等の整備方針を検討してまいりました。この結果都市計画道路御殿場高根線の国道百三十八号御殿場バイパスから国道四百六十九号の川島田までの区間を国道四百六十九号のバイパスとして整備することとし、平成二十六年度の事業着手に向けて現在工区の設定や概略設計等の検討を進めているところであります。
 また、国道の起点変更につきましては、国において国道網の再編成を行う際に政令を改正し対応しており、直近では平成四年度に実施されておりますので国の動向を注視し今後の当地域の交通量の推移を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
 県といたしましては、世界文化遺産となった富士山の周辺地域において産業振興や観光交流人口の拡大などが図られますよう引き続き国や市と連携しながら、効率的に新東名仮称御殿場インターチェンジ周辺の道路整備に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 下山文化・観光部長。
       (文化・観光部長 下山晃司君登壇)
○文化・観光部長(下山晃司君) 富士山に係る諸課題についてのうち、富士山一周ロングトレイルについてお答えいたします。
 世界遺産富士山の構成資産やビューポイントなど富士山麓の魅力的な観光資源を歩いてめぐり豊かな自然を体感する富士山一周ロングトレイルコースは、六月二十一日の発表以来、首都圏や関西圏などからの問い合わせや雑誌社からの取材など大きな反響をいただいております。
 トレイルコースの発表に当たっては、事前調査を徹底し横断歩道のない場所や幅員の狭い場所などをコースマップで注意喚起するとともに、スタートとゴールは駐車場、トイレ等がある観光施設に設定するなど利用者の安全性と利便性に留意してコースを設定いたしました。またウオーキング人気の高い中高年齢層や山ガールと呼ばれる若い女性向けの雑誌などメディアを活用してPRするとともに、アウトドア系の旅行会社に定期的なウオーキングツアーの商品化を働きかけてまいりました。さらに今月二十五日、二十六日に本県で開催される道路と風景の調和を目指すシンポジウム日本風景街道大学においても、トレイルコースの魅力向上に向けた提案をいただくこととしております。
 今後は、利用者の声をコースの見直しに反映させ休憩施設や外国人にも対応した案内標識を整備するとともに、シンボルマークの作成や全コース制覇証明書の発行など一層楽しんでいただけるよう工夫してまいります。
 山頂以外も魅力的な富士山をキャッチフレーズに国や山梨県、地元市町、NPO等とも連携して、安全に楽しくより多くの方々に富士山を体験していただけるよう努めてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 子供たちのネット依存についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり子供たちを取り巻くネット環境の変化に伴い、インターネットの長時間利用等による健康への支障や情報モラルの不足によるネットいじめなど日常生活や対人関係の形成に大きな影響を与えていることは、まことに憂慮すべき状況であります。
 県教育委員会では、今年度学識経験者、携帯電話事業者、警察職員等にソーシャル・ネットワーキング・サービス事業者を加えた静岡県ネット安全・安心協議会において、これら課題への対応策の検討を進めているところであります。また小中学生及び保護者を対象に悪質サイトの危険性や情報モラルを周知するための小・中学校ケータイ講座を開催するとともに、携帯電話等を持つ割合が増加します小学校五年生の親子を対象に携帯電話などに依存した生活をしないなど、親子でのルールづくりの推進を学校と協力して実施しているところであります。さらには保護者や教職員を対象に、携帯端末の正しい知識や子供たちへの指導力を身につけるための大人のためのウエブチェック講座も開催しているところであります。
 県教育委員会といたしましては、子供たちがマナーや保護者との約束を守りネット環境との節度あるつき合い方ができるように人権教育の視点を重視しながら家庭、地域、企業等と連携し、これまでの取り組みをより充実してまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 池谷晴一君。
       (三十七番 池谷晴一君登壇)
○三十七番(池谷晴一君) 一点だけ再質問をさせていただきます。
 新東名インターチェンジ周辺の道路整備でございますけれども、ただいま都市計画道路御殿場高根線につきまして、仁杉から川島田までの間でございますけれども国道四六九号バイパスとして整備をしていただけるというお答えだったというふうに思いますけれども、供用開始の時期でございますが、新東名の御殿場ジャンクション以東の開通に合わせて少なくとも平成三十二年までには供用開始ができるということで理解してよろしいかどうか、御答弁を求めます。以上です。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
○交通基盤部長(長島郁夫君) 新東名仮称御殿場インターチェンジ周辺の道路についての再質問に対してお答えいたします。
 百三十八号の御殿場バイパスから国道四六九号までの川島田間の区間は延長が一・七キロ、そして概算事業費で二十億を今超える見込みでございます。
 県としては事業完了の明示はできませんが、できるだけ早く事業効果が発揮できるように工区設定を行いながら、少しでも効果が発揮できるように国や御殿場市と連携しながら、地元調整また必要な予算の確保に努めまして、一日も早い完成を目指していきたいと思います。以上でございます。

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