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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

遠藤 行洋 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/01/2018

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 富士山について                         
  (1) 自然環境保全と後世への継承                  
  (2) 火山防災対策                         
2 ラグビー普及のための取り組みについて              
3 県職員の長期療養の現状について                 
4 がん対策について                        
  (1) 県立静岡がんセンターにおける取り組み             
  (2) がん診療体制の整備とがん検診受診の促進            
5 子どものいじめ防止対策について                 
6 特殊詐欺対策について   


○副議長(山田 誠君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三十番 遠藤行洋君。
       (三十番 遠藤行洋君登壇 拍手)
○三十番(遠藤行洋君) 私はふじのくに県民クラブ所属議員といたしまして、当面する県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長、がんセンター局長、教育長、警察本部長に一括質問方式で伺います。
 初めに、富士山についてのうち、自然環境保全と後世への継承について伺います。
 去年十二月二十三日、静岡県富士山世界遺産センターがオープンしました。開館二カ月余りで十一万人以上が入場するなど当初の見込みを上回る勢いです。私も前日のセレモニーに出席し館内を見学させていただきました。富士山を仰ぎ見る静岡県に生まれ育った者として改めて感慨深いものを感じました。
 今の季節、真っ白い雪をまとった富士山はため息が出るほど美しく、気高さと荘厳さと気品と優雅さを兼ね備えたその立ち姿は究極の自然美です。世界の宝を後世にしっかりと伝承していくこと、それがふじのくにに住む私たちの責任であり義務であると考えています。
 来年度は、世界文化遺産登録五周年を迎えユネスコ世界遺産センターに二回目の保全状況報告書を提出しなければなりません。前回の保全状況報告書は非常に高い評価を受けました。しかし不十分な装備で登山しようとする登山者や夜を徹して登る弾丸登山者、利用者の増加に伴い影響を受ける自然環境の劣化などまだまだ課題が多いのが現状です。中でも富士山の神聖さ、美しさの維持の観点から私は富士山の自然環境保全に全力で取り組む必要があると考えています。
 私は、平成二十六年の二月議会で、富士山環境基本条例をつくり景観や環境を破壊するような行為には罰則を設けることも対策の一つであると提案をさせていただきました。
 一方で、世界中から多くの登山者や観光客が富士山を目当てに訪れています。本県にとって非常に重要で、欠かせないにぎわいを生む資源であることも否定できません。富士山の自然環境をしっかりと守っていくとともに、文化、芸術、観光の面を含め富士山の普遍的な価値を後世へ継承していくことが大切だと考えます。
 そこで、富士山の自然環境保全と後世への継承について、県として今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 その美しい富士山も活火山です。そこで富士山の火山防災対策について伺います。
 一月二十三日、草津白根山が噴火しました。気象庁はこの噴火を受け火山の監視体制を強化する方針を固めました。前兆や噴火を速やかに捉え登山客らへの情報提供につなげるということです。火山噴火予知連絡会火山活動評価検討会は、中長期的な富士山噴火の可能性について次のような見解を述べています。富士山は、一万一千年前から頻繁に噴火を繰り返している。九世紀以降、数十年から三百年間隔で噴火が発生、一七〇七年の最新の噴火から三百年余り経過しているものの、噴火履歴、地震活動などから見て、噴火の可能性がある。噴火発生の可能性のある地域は、広大であることを考慮した観測網の維持整備が必要である。
 これを受け、富士山においては気象庁で火山観測施設を整備するとともに、大学などの研究機関からデータの提供を受け監視をしています。しかし草津白根山では想定した火口の範囲外で噴火し、気象庁ではその確認に時間がかかっています。
 先ほど申し上げましたとおり、気象庁では監視体制を強化する方針ですが、ただ監視を強化しても前兆を捉えられない可能性もあります。富士山も二十四時間体制で監視している常時観測火山ですが、草津白根山と同様に想定している火口の範囲外で噴火する可能性は残ります。現在の科学では想定外を完全になくすことは困難ですが、できる限りの想定を行い対策を立てていくことは重要です。
 そこで、現在の富士山の火口範囲の想定の考え方と、それに対する県の認識について伺います。
 次に、ラグビー普及のための取り組みについて伺います。
 いよいよラグビーワールドカップまであと一年半に迫りました。チケットの先行販売が始まりまして、組織委員会の発表では人気のパックチケットは抽選倍率九倍を超えるなど順調な滑り出しと聞いています。
 しかしながら、日本ではまだまだラグビー文化が根づいているとは言えない状況です。それは子供のころからラグビーを経験していないのも一因です。子供たちへのラグビーの普及が課題ですが、タックルやスクラムなど身体的接触を伴うこともありましてなかなかプレーする機会がありません。
 ところで皆さん、タグラグビーは御存じでしょうか。タグラグビーは年少者、初心者向けのラグビーです。プレイヤーの腰にタグベルトを巻き、そこに左右二本のタグをマジックテープでつけます。このタグを相手プレイヤーが取ることでタックルのかわりになります。一チーム五人前後のプレイヤーで試合を行います。パスは自分より後方で、得点はトライのみです。
 先日、三島市立山田小学校の体育の授業を参観いたしました。県ラグビー協会から指導者が来てのタグラグビー教室、私も子供たちにまじってプレーをさせていただきました。子供たちは本当に楽しそうにプレーしていました。山田小学校の校長先生によりますと、タグラグビーは瞬発力、判断力、持久力がつく、安全で楽しく男女混合でプレーできるとその魅力を話してくれました。三島市の小学校では全ての小学校にタグラグビーのセットがあります。またことしになって三島市タグラグビー協会が発足、さらなる普及に取り組んでいます。
 来年は、世界のトッププレーを間近で見ることができ、いや応なくラグビー熱が盛り上がるでしょう。
 これを機に、県全域でタグラグビーの普及を図っていくべきと考えますが、県の取り組みを伺います。
 次に、県職員の長期療養の現状について伺います。
 県職員の皆さんには、日ごろから県政発展のために御尽力をいただきまして心より敬意と感謝を申し上げます。十二月議会で天野一議員が県職員の自殺対策について質問いたしました。ただそうなる前に対応することが極めて重要だと考えています。自殺に至らないまでも、鬱病など心の病を抱えている職員が大勢います。
 病気による療養が三十日を超える場合、所属長は静岡県職員安全衛生管理規程に基づき総括安全衛生管理者に療養報告書を提出することとされています。それによりますとメンタル疾患による県職員の長期療養者、つまり療養のため三十日を超えて休んでいる方は平成二十四年度六十九人、平成二十五年度六十七人、平成二十六年度七十人、平成二十七年度六十六人、平成二十八年度六十四人となっています。
 職員数に対する長期療養者の割合は五年平均で一・一三%、実に県職員の八十八人に一人がメンタル疾患で登庁できない状況となっています。
 民間企業と比較してみましょう。厚生労働省の平成二十八年労働安全衛生調査によりますと、メンタルヘルス不調により連続一カ月以上休んだ労働者の割合は〇・四%、二百五十人に一人の割合です。つまり県職員のメンタルヘルス不調者は民間企業の三倍近い数値になっているのです。なお平成二十九年度におきましても、ことし一月末現在で五十五人となっておりまして深刻な状況です。
 このような現状を県庁組織のトップとしてどのようにお考えでしょうか、知事の御所見を伺います。
 次に、がん対策について伺います。
 初めに、県立静岡がんセンターにおける取り組みについてです。
 県立静岡がんセンターは、症例数のみならず患者、家族支援など日本トップレベルのがん専門病院として日本のがん治療をリードしています。また先進医療として認められている陽子線治療のほか手術支援ロボットダビンチを用いたがんの手術に取り組むなど高度医療の提供と開発研究、医療従事者の人材育成に取り組んでいます。今後もますます県民の期待に応える医療サービスを提供していただけると確信をしています。
 このような評判を聞き全国津々浦々から患者さんが訪れています。この県立静岡がんセンターの高度がん専門医療を、がんに苦しむ多くの患者さんにできるだけ早く提供することが患者さんのお気持ちに応える第一だと思っています。
 しかし、私の周囲で聞く話の多くがもっと早く診てもらえないかというものです。県立静岡がんセンターのホームページに主な診療科の初診予約待ち日数というのがあります。これは診療科によって異なるんですが、例えば乳腺外科ですと予約から初診まで六日となっています。同じくホームページにある手術待ち期間についてを見ると、そこには乳腺外科は待ち期間十二週間とあります。およそ三カ月です。一日当たりの平均手術件数が二十件近いことを考えますとある程度待つことは仕方ないかもしれませんが、患者さんにとっては一刻も早く手術してもらいたいと思うのが心情です。
 そこで、待ち日数短縮のためどのような取り組みをしているのかがんセンター局長に伺います。
 次に、がん診療体制の整備とがん検診受診の促進について伺います。
 がん医療は日進月歩で進んでいますが、県内でもがんによる死亡者がふえ続けています。平成二十二年には一万人を突破、平成二十七年には一万五百七十人ががんでとうとい命を失っています。幾ら医療技術が進歩しても、がんの治療を早期の段階で始めるのと進行した状態で始めるケースでは大きな差があります。術後の生存率は初期の段階で治療を始めれば八割を超える方が五年以上生存できます。がん対策は何と言っても早期発見、早期治療が重要です。がん検診の受診率は徐々に伸びてはいますが、まだ六割の方が受診していません。
 がん対策推進条例が平成二十六年十二月に制定、施行されて三年がたちました。この三年間でがん検診受診率は胃がん、肺がん、大腸がんは受診率がアップし目標の四〇%を超えています。しかし乳がん、子宮頸がんは目標の五〇%に達していません。特に子宮頸がんは若い女性の受診率が低いということです。
 県では、がん検診の精度管理委員会を設置し全県から医師を招いてがん検診の受診率向上について御意見をいただいたそうです。
 県民の方々をがんから守る取り組みとして、県内のがんの診療体制の整備及びがん検診受診の促進について現在の状況と今後の展望を伺います。
 次に、子供のいじめ防止対策について伺います。
 全ての子供はかけがえのない存在であり、私たちはその一人一人の個性が尊重され尊厳が守られる環境を築いていかなければなりません。いじめは被害を受けた子供の尊厳を傷つけ基本的人権を侵害しその心身の健全な成長や人格の形成に重大な影響を与えるだけではなく、生命や身体に危険を生じさせるおそれがあり、どのような理由があろうとも許されない行為です。いじめはどの子供にも、どの学校でも起こり得る問題です。子供たちの中でいじめに関する意識を高め、みずからいじめ問題の解決に取り組んでいくことがいじめの未然防止、早期発見、早期対応に効果的です。
 いじめ問題に積極的に取り組んでいる地域の小学生、中学生を対象としてことし一月二十日、文部科学省で全国いじめ問題子どもサミットが開かれ、静岡県代表として三島市立山田小学校の児童二名が参加しました。当日はグループに分かれ各学校のいじめ問題への取り組みを発表。山田小学校の児童二人は「自分も大事みんなも大事」というタイトルであいさつ運動や廊下を歩こうプロジェクトなどいじめ防止への取り組みを堂々と発表していました。
 静岡県子供いじめ防止条例が平成二十八年十二月に制定され一年以上が経過しました。これまで静岡県と県教育委員会で条例の啓発リーフレットを作成し、県内の小中学校に配布し啓発活動に努めました。
 いじめ解消率も向上し、小学校では八割、中学校では七割を超えていますが、今後いじめの未然防止、早期発見、早期対応に向けて県としてどのように取り組んでいくのか、教育長の御所見を伺います。
 次に、特殊詐欺対策について伺います。
 県内の刑法犯認知件数は、平成十四年をピークとして十五年連続して減少しています。治安が向上していることはとても喜ばしいことです。
 さて、去年九月に内閣府が行いました治安に関する調査において、日本は安全・安心な国かという質問に対し八割の方が「そう思う」と回答しています。平成二十四年に行った前回調査の六割から大幅に上昇しており、日常生活の中で安全・安心だと思う住民がふえていることがうかがい知れます。
 一方、刑法犯認知件数が減少しているにもかかわらず県内の振り込め詐欺などの特殊詐欺は件数は前年から六十六件増加となる三百九十八件を認知、被害額は前年からわずかに減ってはいますが、およそ九億六百万円に上っています。刑法犯認知件数の減少と特殊詐欺件数の増加は、全国的にも同様な傾向にあります。
 こうした現状を反映してか、先ほど申し上げた世論調査では不安を感じる犯罪と警察に力を入れて取り締まってほしい犯罪としておよそ五割の方が振り込め詐欺や悪質商法等の詐欺を挙げています。これらの犯罪はどちらも前回調査と比較して不安に思う方、取り締まりを要望する方が増加しています。県民を初め日本中の多くの方がこうした特殊詐欺の撲滅を願っています。
 私の地元三島市では、警察署の担当者が自治会や老人会などに出向き被害防止に向けた研修会などを開催しています。出席された方に話を聞きますと、大変わかりやすい、とても参考になったなどと、とても好評です。このような取り組みはこれからどんどん拡充して実施していただきたいと考えています。
 県警察では、日ごろから啓発活動、関係機関への働きかけや連携、だまされたふり作戦などのさまざまな取り組みを推進されていることは承知をしておりますが、高齢者を中心として特殊詐欺被害がやまない現状を踏まえより一層の取り組みを期待しています。
 そこで、特殊詐欺被害の現状と今後の対策について警察本部長に伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(山田 誠君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 遠藤議員にお答えいたします。
 いつお聞きしてもめり張りのきいたいいお声で、記録に残らないのを残念に思います。
 さて、富士山についてのうち、自然環境保全と後世への継承についてであります。
 世界遺産富士山の豊かな自然環境や美しい景観、歴史、文化を守り育み、その恵みを後世に引き継ぐことが重要です。このことから本県では富士山の保存、活用の基本方針、方法などを定めた富士山包括的保存管理計画に基づきまして静岡県行動計画として具体化した事業を全庁を挙げて取り組んでいるところであります。
 自然環境の保全につきましては、ボランティアと協働した清掃活動や登山ガイドブックの配布、外来植物の除去活動など富士山憲章に基づく環境負荷の軽減、環境保全意識の高揚、生物多様性の確保に向けた取り組みを着実に行っているところであります。
 一方、外国人登山者が深夜に集団で騒ぎ、たき火、野宿を行い大量のごみを放置するなどの新たな問題が発生しております。来年度は県内三つの登山口におきましてごみの持ち帰りを多言語等で記載した袋を手渡し登山マナーの向上を呼びかけるなど、富士山の自然環境保全対策を強化いたします。
 また、富士山―信仰の対象と芸術の源泉というのが世界文化遺産としての正式の登録名でございますけれども、富士山―信仰の対象と芸術の源泉として後世に守り伝えていくための拠点施設でございますのが静岡県富士山世界遺産センターでございます。
 昨年十二月二十三日に開館いたしまして、二カ月を迎える前日に十万人を超えました。そしてそれから三日たって、二月二十五日には十一万人を超えたということでございます。おかげさまで多くの方々にお越しいただいているところであります。県ではこのセンターを軸にいたしまして国内外の多くの皆様に歴史、文化、自然などを多角的に紹介するとともに、富士山の総合的、学術的、国際的な研究を行いその成果を発信してまいります。
 さらに、実際に山麓の構成資産を訪れていただき構成資産相互の歴史的つながりを知っていただくことで富士山の価値について理解を深めていただけますように、山麓の構成資産をめぐるモデルコースを広く情報提供し周遊を促進してまいります。
 富士山が世界文化遺産として登録され間もなく五年となります。本県といたしましては日本の国土の象徴でございます富士山が、国内外の多くの皆様に愛され富士山が末長く後世に継承されますよう引き続き国、山梨県、関係市町、地元の皆様方と連携をいたしまして富士山の適切な保存管理に万全を期してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(山田 誠君) 吉林副知事。
       (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事(吉林章仁君) ラグビー普及のための取り組みについてお答えいたします。
 タグラグビーは、タックルを行わないという特徴を持ちながらラグビーボールに触れラグビーという競技のだいご味や楽しさを体験することができます。
 そこで県では、小学生世代の子供たちのラグビーへの関心を高めるため平成二十八年度からラグビーワールドカップ二〇一九静岡県開催推進委員会の事業として県内へタグラグビーの普及を進めております。これまでにタグラグビーの指導方法を学ぶティーチャー研修会を小学校の体育教諭等を対象に実施いたしまして、四百三十人余りの先生方に指導者証を交付いたしました。また子供たちが実際にタグラグビーを行う機会を提供するためラグビー元日本代表の指導によるタグラグビー教室を開催し、二百三十人余りの子供たちの参加を得てまいりました。またタグラグビーに必要な用具につきましても、ティーチャー研修会の実施に合わせまして市町の教育委員会を通じて希望する小学校に貸与する取り組みなどを行っております。そのほかラグビーの普及に向けまして、今年度はヤマハ発動機ジュビロの現役選手が小学校を訪問しラグビーボールを使ったレクリエーションを子供たちと行い、ラグビーの魅力やラグビー精神を子供たちに伝えラグビーのおもしろさを講義するスクラム先生プロジェクトという事業を新たに開始したところでございます。
 県といたしましては、議員御紹介の三島市のような積極的な取り組みが今後県内全域に広がってまいりますよう静岡県ラグビーフットボール協会、地元ヤマハ発動機ジュビロなどのラグビー関係者、市町の教育委員会等の協力を得まして、小学生世代の子供たちがラグビーに親しむ機会を数多く設けることによりましてラグビーワールドカップ二〇一九のレガシーとなるラグビーの普及とファンの拡大に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 杉保危機管理部長。
       (危機管理部長 杉保聡正君登壇)
○危機管理部長(杉保聡正君) 富士山についてのうち、火山防災対策についてお答えいたします。
 火山の防災対策において、想定される火口範囲を適切に設定することは噴火の影響範囲の推定やそれに基づくハザードマップの作成、さらには避難計画の策定のために非常に重要であります。本年一月に噴火した草津白根山では過去二百年程度の噴火の記録から火口範囲を想定しており、今回噴火した場所は約三千年前の噴火であったため想定火口範囲に含まれていませんでした。
 一方、富士山につきましては、国、関係自治体と学識経験者が参加した富士山ハザードマップ検討委員会において想定火口範囲が決定されました。これは約三千二百年前から現在に至るまでの山頂や山腹で噴火した火口を網羅し、未確認の火口がある可能性も考慮してそれぞれの火口周辺一キロメートルまでを想定火口範囲としたものです。この想定火口範囲に基づき溶岩流、火砕流、噴石、降灰等の火山現象のハザードマップを作成しております。県ではこのハザードマップに基づき避難計画を策定するとともに、噴火時の避難ルートマップの作成や登山届専用アプリの普及、情報伝達訓練の実施など住民や登山者等の安全確保対策を進めてきたところであります。
 県といたしましては、今後も火口範囲などについての最新の科学的知見を取り入れハザードマップの見直しを行うなど、富士山の火山防災対策の実効性を向上させることにより住民等の安全・安心の確保に努めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) 県職員の長期療養の現状についてお答えいたします。
 メンタルヘルス不調により長期療養となった職員、具体的には連続して三十日を超える休暇等を取得した職員を指しますが、議員御指摘のとおり各年度六十五人から七十人程度、職員数に対する長期療養者の割合は五年間の平均で一・一%、八十八人に一人の割合となっております。メンタルヘルス不調に至った要因は仕事や家庭などさまざまであります。また全ての年代にわたって長期療養が生じておりますが、最近の状況を分析しますと、とりわけ二十歳代の男性、四十歳代の男性及び女性の発生割合が平均値のおよそ一・五倍から二倍と高くなっております。
 こうした状況に対処するため、長期療養中の職員につきましては、本人やその御家族に対しまして医師の指示に従って治療に専念していただくよう要請しております。また通院しながら勤務している職員に対しては、時間外勤務や出張などについて配慮しているところでございます。
 また、予防が大変大切であります。新規採用職員に対してはストレスへの気づきや対処法などの基本的な事項を、中堅職員に対しては子育てや介護など四十歳代以降のライフステージに応じたストレス対処法を中心に研修を行っております。また産業医による健康相談、専門機関を活用したストレスカウンセリングなど職員自身が気軽に相談できる体制づくりにも努めているところです。
 加えて、昨年度からはストレスチェック検査を実施し、専門医が高ストレスと判定された職員やその所属長に対して面接、助言をするなど職員のメンタルヘルス対策の充実を図っております。
 今後とも、ストレス検査の結果や長期療養に至った要因を分析し職場環境の改善や研修、相談体制の充実につなげるとともに、新たに健康経営の視点から職員の主体的な健康づくりを促すためのインセンティブ制度を来年度スタートするなどメンタルヘルス対策の強化に努めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 小櫻がんセンター局長。
       (がんセンター局長 小櫻充久君登壇)
○がんセンター局長(小櫻充久君) がん対策についてのうち、県立静岡がんセンターにおける取り組みについてお答えをいたします。
 静岡がんセンターでは、平成十四年の開院以来患者の視点の重視を基本理念とし、さらに患者さんと家族への約束といたしましてがんを上手に治す、患者さんと家族を徹底支援する、そして成長と進化を継続する、この三つを掲げまして全人的医療の実践に努めてまいりました。
 がんの予防、早期発見につきましては疾病管理センターを設置いたしまして相談や予防教育、情報提供を行いまして、診療につきましては最新、最先端のがん医療の提供と患者、家族の抱える悩みや負担を和らげるための支援に取り組んでまいりました結果静岡がんセンターを受診する患者数は年々増加を続け、現在外来患者は一日当たり約千二百人、入院患者につきましても昨年度実績で年間延べ十九万人以上となっております。
 患者数が増加する中、初診待ち日数や手術待ち日数の短縮を図るため平日の外来予約患者数の平準化や手術室の効率的な運用などに取り組んでおりまして、これは直近の実績でありますけれども予約から初診までの日数は全診療科の平均で八・五日、初診から手術までは平均で一カ月強となっております。しかしながら全国的な麻酔科医師不足の中、当センターでも実施できる手術件数に限りがあることなどから特定の診療科におきましては手術までお待たせする状況が出ております。
 このため、診察の結果病状などから医学的に緊急性が高いと判断された場合には順番にかかわらず速やかに手術を行うなど弾力的な運用にも努めますとともに、地域の医療機関と連携いたしまして医師の派遣等を柔軟に行うことによりまして当センターでの手術実施の円滑化を図ってまいります。またよろず相談や患者家族支援センターにおきまして手術待ち患者さんに対し術前の準備や療養生活に関する説明を行うとともに、さまざまな相談にもきめ細かく応じていくことで患者さんの悩みや負担の軽減を図ってまいります。
 今後とも、ますます増加が見込まれるがん患者さんに最適な医療を日々提供するため引き続き医師の確保に最大限努力いたしますとともに、地域の医療機関との連携により機能分担を図ることで手術や入院の待ち日数の短縮に努めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) がん対策についてのうち、がん診療体制の整備とがん検診受診の促進についてお答えいたします。
 県では、静岡県がん対策推進条例を制定し、誰もが適切ながん医療を受けられる医療体制の整備やがんの早期発見、早期治療に欠かせないがん検診の受診率の向上などがん対策の一層の推進を図っております。
 がんの診療体制の整備につきましては、これまでに国や県が指定したがん専門治療を行う病院を県内に二十二カ所設置し、高性能な医療機器の活用や放射線療法の実施などの高度な治療から緩和ケアの提供などきめ細かな医療まで県民の皆様が身近な地域で安心して質の高いがん医療を受けられる体制づくりを進めております。
 今後は、現在策定を進めております第三次静岡県がん対策推進計画に基づき患者一人一人に合わせたがん医療の実現を目指し、ゲノム医療や希少がん、難治性がん対策などの先進的な医療にも対応できるように施設や設備の整備助成や医療人材の養成などを行いがん医療を担う医療機関のさらなる機能の向上に努めてまいります。
 がん検診受診の促進につきましては、市町を初め県対がん協会や企業などと連携し県民に向けた幅広い受診啓発や未受診者へのきめ細かな受診案内を行い受診率向上に努めております。主要ながんの検診につきましては受診率の目標を達成するなど着実に成果を得ているところですが、女性特有の乳がんと子宮頸がんの受診率につきましてはいまだ目標に達していません。
 今後は、女性で構成するプロジェクトチームによる受診啓発の運動や受診促進の講演会を行うなど検診の重要性について意識の高揚を図っていくとともに、がん検診精度管理委員会からの御意見も取り入れて受診率向上に努めてまいります。
 県といたしましては、静岡県がん対策推進条例が目指す県民の皆様がどこにいても生涯にわたって健やかに安心して暮らしていけるように引き続きがん検診の受診促進とがんの診療体制の整備を着実に進め、がんを早期に発見し確実に治すふじのくにづくりを目指してまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 子供のいじめ防止対策についてお答えいたします。
 いじめは人権の侵害であり、児童生徒の心身の成長や人格の形成に影響を与えるだけでなく命にかかわる事態も起こり得る行為であります。いじめによる重大事態に係る報道を聞くたびに教育に携わる者としては大変残念であり、一層の対策が必要であると考えております。
 各学校では、道徳などの授業や特別活動を通して人を思いやる心や異文化への理解を育み人権意識の涵養に努めております。またアンケート調査や児童生徒との面談等によりいじめを初期段階から積極的に把握するよう取り組んでいるほか、生徒指導担当者の研修会や校内研修により教員の意識の向上を図っております。
 さらに、県内の相談機関を掲載したパンフレットを児童生徒や保護者に配布し周知しているほか、専門的な支援を行うため個別の相談に対応するスクールカウンセラーや福祉等の専門機関につなげるスクールソーシャルワーカーを配置しております。
 平成二十九年三月の国の方針の改定に伴い、本県では静岡県いじめ問題対策連絡協議会等での議論を踏まえいじめの防止等のための基本的な方針を改定したところであり、今後実践的な対応が図られるよう市町教育委員会や各学校に周知していくこととしております。
 また、来年度は児童生徒数や困難事案の多い中学校区に専属のスクールカウンセラーを配置し全体の相談時間数をふやすとともに、学校数の多い市町にスクールソーシャルワーカーを重点的に配置するなどよりきめ細かな相談体制を構築してまいります。
 県教育委員会といたしましては、静岡県いじめ防止条例の基本理念に基づき社会総がかりでいじめ対策を進め、全ての子供たちが健やかに成長し安心して生活できる環境づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 筋警察本部長。
       (警察本部長 筋 伊知朗君登壇)
○警察本部長(筋 伊知朗君) 特殊詐欺対策についてお答えいたします。
 初めに、特殊詐欺被害の現状についてであります。
 議員からも御指摘いただきましたとおり、認知件数、被害額ともに高水準で推移し憂慮すべき状況にあります。被害の実態につきましてはオレオレ詐欺被害が全体の三分の二を占めており、本県の特徴としてはATM等における振込型が減少傾向にある一方、近隣駅や首都圏などに被害者をおびき出し現金を直接交付させる形態や自宅及びその周辺においてキャッシュカードを手交させる形態の被害が急増している現状にあります。
 このため、県警察ではだまされたふり作戦による受け子被疑者らの現場検挙や突き上げ捜査による犯行アジトの摘発などを強力に進めており、昨年は特殊詐欺グループを構成する受け子やかけ子等の被疑者九十四件八十七人を、また携帯電話などの犯行ツールを供給する助長犯罪被疑者八十五件七十五人を検挙したところであります。
 次に、今後の対策についてであります。
 こうした特殊詐欺被害の現状を踏まえ、取り締まりに関しては引き続きだまされたふり作戦や突き上げ捜査による犯行アジトの摘発と中枢被疑者の検挙、実行を手助けする助長犯罪被疑者の検挙を中心としてより強力に推進してまいります。また被害防止については県内の金融機関の御協力のもと預手プランやキャッシュカードの振り込み制限などに取り組んできたほか、詐欺電話を物理的に遮断するための迷惑・悪質電話防止装置の普及等を対策の柱とするしずおか関所作戦や高齢者宅を直接訪問しての注意喚起などに取り組んできたところであります。
 今後は、これらの取り組みに加え高齢者を守る立場にある子供や孫など現役世代へのアプローチを強め社会全体で高齢者を守る機運の醸成に努めてまいります。
 県警察といたしましては、引き続き県民の皆様を特殊詐欺被害から守るため組織の総力を挙げ検挙と抑止の両面から諸対策を推進してまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 遠藤行洋君。
       (三十番 遠藤行洋君登壇)
○三十番(遠藤行洋君) それぞれ御答弁をいただきましてありがとうございます。
 それでは、一点、意見と要望をさせていただきます。
 県職員の長期療養の現状についてであります。
 伊藤経営管理部長から現状と対策について御答弁をいただきました。この原稿を書くに当たりまして、私、再三資料とそれからデータを要求いたしましたけれども出てきませんでした。何回も何回も要求してようやくきのう出てきたんですね。
 最初に、私が書いた質問原稿、これ答弁調整というのがあるんですけれども、原稿に対して見え消しという形で加筆修正を加えるわけなんですけれども、私が書いた原稿、戻ってきたときは原文が直されておりまして見え消しでなくて消し消しになっていました。そのときは私、大変遺憾に思いました。テストで生徒が書いた原稿を先生が赤ペンで直すんじゃなくて、もう答案そのものを消して戻すような、そういう感じですよね。何でこういうことをするのかなと、よっぽど触れてほしくないのかなと。それともデータを把握してないのかなと、いろいろ思ったんですね。最初はよっぽど触れてほしくないから最初の原稿でなかったものとして扱うというふうに思ったのかなと思ったんですけれども、どうも調査していくうちに把握していないんじゃないかなというふうに思いました。
 私、原稿の中で触れました静岡県職員安全衛生管理規程という規程集があります。これはいつ制定されたものなのかといいますと、昭和五十五年四月一日、静岡県知事山本敬三郎とあります。療養の報告を規定している第三十条は平成十年に改定されていますが、ほぼ二十年間、この規定は全く変わっていないということなんですね。ですからそれから今まで全く変わってないんですね。この三十条の中に療養の報告という項目があって、そこに、所属長は職員が次に掲げる場合には総括安全衛生管理者に報告しなければならない、負傷または病気のため療養する場合でその期間が引き続き三十日を超えるときとあるんです。つまり三十日を超えなければ報告義務がないということですね。ただ余りにも三十日を超えなきゃ報告しなきゃいけないというのは、余りにも期間が長過ぎるということで人事課のほうで一週間を超える場合にはなるべく報告しなさいねということを通達しているようですけれども、ただこの県職員の長期休暇というのは非常に複雑になっていまして、今言った特別休暇というのは病気療養のために九十日間までとれるんです。さらにそれでも治らない場合は百八十日まで延長できると。さらに病気休職という制度もあってそれが三年以内、もう一つ有給休暇というのがあります。有給休暇は一年で二十日あって、その二十日間というのは繰り越し繰り越しになってきますので大体ほとんどの職員さんは四十日間あるわけですね。その有給休暇というのは、全くその理由をつけて上長に報告する必要がないということで、結局ですねこのメンタル疾患で休んでいる人の実数はなかなか把握し切れていないというのが実情じゃないかなというふうに思うわけです。実際に今、きのう出てきたメンタル疾患の特別休暇、長期療養、それから私は七日間以上休んだ方も相当やっぱり重いということで七日以上を調べてくださいと申し上げたんです。ただ七日以上というのがなかなか報告義務がないと。ただですねメンタル疾患というのは民間では三日休んだらもう危険信号だと言われています。三日間休んだらもう、やっぱりその、メンタルのケアを本当に懇切丁寧にやんなきゃいけないということでございます。
 まず、私はこの平成十年から変わっていないこの規定をやっぱり今の時代に合わせたような規定に変えていくべきじゃないかなと思います。その当時、ストレスがなかったとは言いませんけれども、今の時代に比べたらはるかにストレスは少なかったのではないかなと。あれから二十年たって職場環境や経済環境、それから県庁の組織も大きく変わっていると思います。だから今の県庁組織の体制に合わせたような規程をつくって、そしてやっぱりこの県庁で働く皆さんが生き生きと働きがいを持ってやりがいを持って勤められるようなそんな職場環境づくりをオール県庁でつくっていただきたいなというふうに思います。
 県庁の職員の皆さん、本当によく頑張っていると思います。一緒に仕事をしていて頭が下がる思いです。本当にみんなよく頑張っていらっしゃって、そういう人たちがやっぱりこれからもずっとここで働いてよかったと思えるような職場環境づくりをしていくことがやはり知事の目指す富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりにつながっていくのではないかなと思います。
 議員と県職員というのは車の両輪です。やっぱりともに、その両輪がうまくかみ合って初めてよりよい静岡県がつくられていくんではないかなというふうに思うわけです。ぜひ皆さんで、オール県庁でこの職場環境づくりを一緒に進めていってほしいなということを心からお願いいたしまして私の要望と意見を終えさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

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