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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

伴 卓 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/04/2020

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 予算編成五箇条の成果について                  
2 スポーツ施策に係る体制の強化について              
3 郷土芸能活動の推進について                   
4 認知症患者の支援体制について
5 メンタルトレーニング等を活用した部活動のあり方について     
6 交差点内における歩行者の安全確保策について


○議長(鈴木利幸君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二十二番 伴  卓君。
       (二十二番 伴  卓君登壇 拍手)
○二十二番(伴  卓君) 皆さん、こんにちは。ふじのくに県民クラブの伴卓です。
 質問に先立ち、現在我が国で感染拡大している新型コロナウイルスの対策に当たり連日各所で御対応いただいております関係者の皆様には敬意を表しますとともに、事態終息に向け引き続き御尽力賜りますようお願いを申し上げます。
 私たち県議会も、党派会派を超えて知事を初めとする当局側の皆さんと一致団結をして取り組んでまいるときです。その上でも今定例議会はより重要な議会であります。
 しかしながら、昨年末の知事のある発言をめぐり定例会を迎えるに当たり一抹の緊張感と不安の念を抱いておりましたが、その念は質問初日自民改革会議の代表質問によって見事に払拭されました。野崎議員は質問の冒頭、金子みすゞさんの詩「こだまでしょうか」を引用されました。他者を批難する言葉で始まるこの詩は発した言葉は自分に返ってくるという表現をしています。確かに知事の発言は芳しいとは言えないものがあります。しかし詩の最後では前者がごめんなさいと伝え、言われた側もごめんなさいと言い合い仲直りをします。
 今は緊張状態を収束させ行政と議会が車の両輪となり、新型コロナウイルス対策を含む待ったなしの県政の諸課題についてともに取り組もうと「こだまでしょうか」を引用した、何とも粋で秀逸な融和の手を差し出してくださった自民改革会議の懐の深さに感銘し大変勉強をさせていただきました。ここに会する皆さんも同じ思いを抱かれたのではないでしょうか。
 私も若輩ゆえにこの理解に差異がございましたら御容赦賜りたく存じますが、諸先輩方を見習い県政の諸課題について光を当てるべく通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長、教育部長及び警察本部長に分割質問方式にて質問いたします。
 初めに、予算編成五箇条の成果について伺います。
 県は昨年十月、令和二年度当初予算を編成するに当たりその指針として新たに予算編成五箇条を掲げました。五箇条の中身は一、現場主義、県民本位、二、エビデンスに基づく立案、三、ビルド・アンド・スクラップ――創造的破壊、四、多様な主体と連携・共創、五、みずから財源確保というものです。財政が厳しさを増す一方で県民の行政に対する期待と要望はふえ、新しいさまざまな課題に対応する予算を編成するため重要な視点であると評価しています。
 まず、三のビルド・アンド・スクラップ――創造的破壊については昨年の九月定例会以降我が会派が代表質問でも重点的に取り上げてきたテーマであり、十二月の会派提言でも知事に要望いたしました。新事業を立ち上げるに当たり既存事業の抜本的見直しは必要不可欠であり、知事のもとで徹底的に議論するよう求めました。またCの多様な主体との連携、共創やDのみずから財源確保については、多様化、複雑化する現代社会において限られた財源、資源のもとさまざまな地域課題に対応するためには特に重要な視点です。
 私は、ことしの初め大阪府の公民連携の取り組みについてヒアリングを行ってまいりました。厳しい財政状況を背景に大阪府では全庁内を俯瞰する専用デスクを設置し、大阪府と民間企業のニーズを常にマッチングし双方がスピーディーに連携できる仕組みを構築しています。さらに大阪府内の基礎自治体から出向職員を受け入れ公民連携の手法をOJTを通じて基礎自治体にフィードバックできる体制も築いており、本県も見習うべき部分が多いのではないでしょうか。
 これら五箇条の視点から今後の県の施策、事業の方向性を考えると例えば製造業中心の産業構造が転換期にある中、産業政策については技術革新や社会ニーズの変化等を踏まえた上で従来施策のビルド・アンド・スクラップを進めめり張りのついた施策展開が求められます。また県民の健康寿命の延伸についても健診などさまざまなデータに基づき実効性のある政策立案が求められているほか、スポーツや文化政策に関しても県民本位の視点を中心に据えつつ多様な主体との連携や共創によりオリンピック・パラリンピック等のレガシー継承を進めていく必要があります。
 そこで、県がみずから指針として掲げた五箇条それぞれについて令和二年度当初予算編成において具体的にどのような成果が見出せたのか、またその成果を今後の行財政運営にどのように生かしていくのかこれまでのふじのくに県民クラブの代表質問の流れを総括しながら伺います。
 次に、スポーツ施策に係る体制の強化について伺います。
 昨年九月二十八日、エコパスタジアムは二〇〇二年サッカーFIFAワールドカップ以来の割れんばかりの大歓声に包まれました。中でもアイルランド戦はシズオカ・ショックとして私たちの郷土の名を世界にとどろかせたラグビーワールドカップ二〇一九は、我々の記憶に新しいところです。
 いよいよことしは東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック開催年となり、県内でも自転車競技が開催をされます。県では大規模スポーツイベントを契機にスポーツ行政を推進すべく、二〇一六年四月知事部局にスポーツ局を新設しました。本県におけるラグビーワールドカップ二〇一九の成功により同局の大きな目標の一つは果たされたのではないかと思います。そして現在は東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの成功に向け全力で取り組んでいるところと思いますが、大会が無事に終了すればまた一つ大きな目標が達成をされます。
 このような面から、令和二年度は本県のスポーツ行政において大きな区切りの年となると考えられます。しかし過日、県は文化・観光部をスポーツ・文化観光部に組織を改めるとの方針発表をいたしました。歴史的な大規模スポーツイベントの開催に向けスポーツ施策を推進するためスポーツ局が新設された経緯がありますが、さらにこのタイミングでスポーツ・文化観光部として体制を強化する意義についてお伺いしたいと思います。
 また当局側として国際大会の成功は悲願でありますが、その後のレガシーとしてスポーツ王国の基盤づくりについても改めて確認をしたいと思います。
 私の地元富士市では、長年の地域の課題でもあった富士常葉大学の跡地に時之栖が手がけるスポーツ交流施設の整備が進んでおります。誘致に携わった一員としても大いに期待を寄せているところであります。また富士市の河川敷はアルティメットスポーツや女子のソフトボールの全国的なメッカであり、気候やアクセスのよさからさまざまなスポーツ団体の合宿地としても近年来訪者がふえています。同様に県内市町では同様の理由でさまざまな団体が来訪しています。
 しかしながら、市町単位で頑張るよりもやはり県全体としてアスリートファースト県としてホスピタリティを高めていくべきではないでしょうか。当然そのためにはさまざまな競技のフィールドの整備も求められます。選手を受け入れる設備と県民のホスピタリティが肩を組めばこれほど強力なスクラムはありません。スポーツ局を改変するからにはぜひとも本県を俯瞰して、さらにハード的な面でもスポーツの基盤強化に期待を寄せるところであります。
 そこで、知事部局にスポーツ局を設置しこれまで取り組んできたことの成果をどのように捉えているか、また来年度スポーツ施策に関する体制をさらに強化することにより県は何を実現しようとしているのか伺います。
 次に、郷土芸能活動の推進について伺います。
 日本全国を見渡してお祭りをやらない町はほぼゼロと言っても過言ではないかと思います。お祭りには寺社の祭典に伴うもの、特段の信仰を持たない地域のコミュニティーのもの、自治体や公益団体等が主催するフェスティバルのようなもの、さまざまです。しかしながらこれらの多くのお祭りには出演者がいます。舞踊や演奏、その地域のみに伝わる郷土芸能など多様です。
 今全国各地でお祭りの担い手不足が叫ばれています。人口減少や少子化といった社会的要因も背景にありますが、長年続いてきた地域のお祭りが催行されなくなればそれに付随している郷土芸能なども衰退をたどらざるを得ません。これらの芸能は一度途絶えてしまうとなかなか復活させることは難しく、地域文化の喪失とも言えます。
 一方、ことしはいよいよ東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック開催年となり並走してきた文化プログラムも最終年を迎えます。オリンピック・パラリンピックのレガシーも大切ですが、文化プログラムによって見出されてきた県内の芸能に一過性で終わらせずに閉幕後はどのように光を当てていくのか、先ほど申し上げた地域の郷土芸能は完成度という点からすれば開きはありますが地域の子供たちや青年あるいは住民が一丸となって取り組む伝統は守るべき静岡の、ひいては日本の伝統ではないかと言えます。
 これらの関係団体の皆さんにヒアリングを行いますと備品購入や文化財の修繕費用などを相談されることもありますが、一番のニーズは演奏や出演機会の創出ではないかと感じています。私も地元富士市で二十年以上和太鼓をたたいていますが、交流のある多くの団体が同じ思いを抱いており三年前から富士市内の古民家を貸し切り演奏会を主催をしています。ふだんは限られたコミュニティーだけでの演奏ですが、地域の垣根を越えた他団体と交流できることに非常に共感を持っていただけています。一当事者としても思うことは訪日客の訪れる空港や観光施設などで披露する機会があってこそやりがいもあり、また団体の活動に活力をもたらします。
 文化プログラムの継承として県内の意志ある文化団体とネットワーク等を築き、さまざまな機会で演出機会をつくるなど郷土芸能が維持されさらに発展していくために県としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、認知症患者の支援体制について伺います。
 日本の高齢化社会の到来は、地球規模で俯瞰してもいずれの国も経験のしたことのないスピードで進んでいます。六十五歳以上の人口は一九八〇年からこの四十年間で四倍となり現在三千六百万人に達しています。このままのペースで進めば四十年後の二〇六〇年には六十五歳以上の人口が四〇%となります。厚労省のデータと合わせると四〇%のうち三〇%が認知症予備軍と医学界では懸念をされ、既に認知症を発症されている方が約五百万人、軽度認知障害とされる方が四百万人と目されています。誰しも望んで認知症を発症するわけではありませんが、この数字を事実として受け入れ行政としてもサポートをしていかなければなりません。
 先日医師や介護関係の仕事につかれている方にお話を伺った際、認知機能検査を行う認知症疾患医療センターが不足をしているとの声をたびたび耳にしました。同センターは認知症患者の原因疾患、重症度などを見きわめる鑑別診断や専門相談などの専門医療機関であり、調べてみますと現在静岡県内では政令市を含め十五の医療機関が指定を受けています。しかしながら県内の八つの医療圏域における所在地をまとめますと県西部地区に三つ、中部地区に五つ、東部地域は富士圏域に二つ、駿東田方地域は三つ、御殿場小山裾野北駿地区はゼロ、熱海伊東圏域と伊豆賀茂圏域にそれぞれ一つと私がお話をいただいた方の声がわかります。ちなみに政令市の浜松市においては聖隷三方原病院のみと受け入れる側の多忙さも予測できます。初診からいきなりこれらの医療機関を受診すればさらなる混雑を生むため、厚生労働省も認知症サポート医の養成を始め本県でも取り組んでおられるかと思います。
 高齢社会を迎えた今、かかりつけ医とサポート医そして認知症疾患医療センターが連携をして安心な医療体制が構築されることが望ましいと考えます。県の人口動態の変化や医療機関の連携さらにはサポート医の確保など、県は今後どのように対応していくのか伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 伴卓議員には、冒頭思いもかけず私の極めて不適切な発言に対して御心労を煩わせていたということを知りまして、恐縮しております。
 また、伴議員は少年時代からスポーツ万能で大学時代もアスリートとしてならされ、スポーツマンらしいすがすがしい御提言をいただきましてまことにありがとうございました。
 日本にはけんかを含めた汚いものを水に流してきれいさっぱり仲よくするという言葉がございますが、どうしてこういう言い方がされるのかというと日本の川は例えば揚子江とか黄河とかアマゾンと違って見た目には泥に見えますけれども、日本の川は清冽な美しい水だからではないかと思います。ちょうど今時分だと思いますけれども、奈良東大寺におきまして二月堂修二会、お水取りと称されるものが行われている最中じゃないかと思います。これは二週間目の最後に若狭、福井県から流された水を奈良でお水をくむという行事でありまして、これは若水とも称されて美しい水だと、それを仏様にお供えしそれをいただくことによって改めて心も体もきれいにするということであります。
 私はもう今後一切汚い言葉を決して使わないと、たとえどのような状況であってもということで心に深く誓っておりますが、改めてその誓いを確認する機会をいただきまして御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 伴議員にお答えいたします。
 スポーツ施策に係る体制の強化についてであります。
 ラグビーワールドカップ二〇一九につきましては、スポーツ局が中心となり関係する市町や各界各層の皆様と一丸となってまさにワンチームで準備を進めた結果、静岡の国際的な存在感またエコパの知名度の飛躍的向上等々大きな成果を上げたところであります。また本番年を迎えました東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックにつきましても大会の成功に向けて万全の準備を進めている最中であります。大会終了後も本県がサイクリストの憧れを呼ぶ聖地となるようナショナルサイクルルートの認定を目指した取り組みを行います。またバイシクルピットの設置も増設、充実させます。矢羽根型路面表示の整備も拡大いたします。こうしてソフト・ハード両面からの取り組みを進めている最中であります。
 さらに県と市町が連携し誘致活動を展開した結果、議員の地元富士市を初め現在十六の市町が十四の国と地域とのオリンピック・パラリンピックホストタウンに登録され、市民ボランティアの活用や外国の代表チームを応援する食事メニューの開発、外国の子供たちとの音楽交流など多くの市町がスポーツを通じた地域の活性化や国際交流さらには共生社会の推進に積極的に取り組んでおります。
 私はラグビーワールドカップの開催を通じてスポーツの持つ力の大きさを改めて実感いたしました。スポーツライターとして著名な玉木正之という方がいます。彼が最近「スポーツとは何か」という興味深い本を、時宜にかなう形で出版されました。彼はこの書物の中で正しくもスポーツは体育ではないと、スポーツは日本で言うところの体育も知育も徳育も全部含むそうしたものであるということを説得力を持ってお書きになっております。今回のラグビーワールドカップの成功やオリンピック・パラリンピックの開催の好機を逃さず、スポーツ・文化観光部を中心に部局横断的な組織を設置するなどスポーツ施策を総合的に推進するための体制を強化いたします。そして全庁を挙げて国際的なスポーツの祭典が持つ人を励ます力、未来をつくる力、世界とつながる力を最大限に生かした取り組みを進めてまいろうと考えております。
 オリンピック・パラリンピックを大成功に導くとともに、議員御指摘のスポーツ王国の基盤となる場の充実やアスリートファースト県としてのホスピタリティーの向上を図りながら大会後のレガシー創出、新たなスポーツ交流の促進などによりスポーツを愛する全ての人を引きつける聖地ふじのくにの実現を目指してまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 郷土芸能活動の推進についてお答えをいたします。
 県内各地域で開催されているお祭りでは、地域の人々によって守り伝えられてきた郷土芸能が多く披露されております。それらは地域の人々にとりまして見る者、参加する者が一体となって楽しみ地域のよさや誇りを感じることができる大切な文化資源です。
 一方議員御指摘のとおり過疎化や少子高齢化の影響により、地域によっては後継者不足等により郷土芸能の存続が厳しい状況も見られます。今後参加者を維持、拡大していくためには、発表の場の充実などにより出演者のやりがいや活動への意欲を高め実施団体の活性化を図ることが重要であると考えております。また若い世代の方々に伝統芸能に興味、関心を持ってもらうことも重要です。
 このため、伝統芸能の発表の場として本年十一月には県内約二十団体、海外及び全国各地から約十団体が静岡市に集結し郷土芸能を披露する地域伝統芸能全国大会を開催いたします。会場には観光情報や屋台による食文化の発信等のコーナーを設置するなどまさにお祭りのようなにぎわいをつくり県内外からお越しになる方々に楽しんでいただくとともに、郷土芸能に携わる方々にもよい刺激になる承継への機運醸成が図られる大会にしてまいります。
 いよいよ本番を迎える文化プログラムでは、今年五月に富士宮市で開催するふじのくに伝統芸能フェスティバルを初め多くの郷土芸能の参加が予定されております。これらを通じて郷土芸能を披露する場を創出するとともに、観光やまちづくり等との連携を促進し皆様に各地の郷土芸能のすばらしさを知っていただくよう努めてまいります。
 文化プログラムが終了する二〇二〇年度以降につきましても、郷土芸能を初めとする県民主体の文化芸術創造活動を継続して支援するため静岡県版アーツカウンシルの設立に向けた準備を進めてまいります。文化プログラムの展開で培った経験、人材、ネットワーク等を生かして支援や助言を行うことにより郷土芸能活動の維持、発展につなげてまいります。
 県内各地域で住民の皆様によって育まれ愛されているさまざまな伝統芸能や郷土芸能が、文化プログラム終了以降も地域への愛着や誇りにつながる貴重な文化資源として着実に継承されるよう積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 佐藤政策推進担当部長。
       (政策推進担当部長 佐藤典生君登壇)
○政策推進担当部長(佐藤典生君) 予算編成五箇条の成果についてお答えいたします。
 令和二年度当初予算編成に当たりましては、まずは五箇条の一つ目、現場主義、県民本位に基づき現場に精通する部局長のマネジメントのもと県民の皆様にとって真に必要な事業の選択に徹底して取り組んだところであります。
 具体的には五箇条の二つ目、エビデンスに基づく政策立案の取り組みといたしまして、観光施策においてデータに基づくマーケティングの強化を図るとともに、東京、大阪、名古屋に設置している観光案内所を営業、商談機能に特化した営業拠点に転換することといたしました。
 五箇条の三つ目、ビルド・アンド・スクラップ――創造的破壊の取り組みといたしまして海外駐在員が活動する国や地域の多様化に伴い期間を限定し、設置が容易な海外のコワーキングオフィスを活動拠点として活用する一方、現在配置している海外駐在員を減員し職員が出張により迅速かつ機動的に対応する体制に見直しました。
 五箇条の四つ目、多様な主体との連携・共創の取り組みといたしまして静岡茶の再生に向けこれまでの県主導による需要創出から転換し生産者や茶商、企業や大学などが参画するChaOIフォーラムを核として民間との連携により取り組むことといたしました。
 五箇条の五つ目、財源確保の取り組みといたしまして県民だよりの広告収入の増加や未利用土地の積極的な売り払いなど徹底した収入確保に取り組みました。
 こうした取り組みの結果六十九億円の財源を確保したところであります。来年度以降におきましては新型コロナウイルス感染症の影響による経済の下振れなど厳しい財政状況が想定される中、予算編成五箇条をさらに徹底し全庁一丸となって事業の見直しを行い効果的かつ効率的な行財政運営を進めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 池田健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長(池田和久君) 認知症患者の支援体制についてお答えいたします。
 県では、地域包括ケアシステムを推進する静岡県長寿社会保健福祉計画におきまして県民の皆様が年齢を重ねても住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう認知症にやさしい地域づくりを柱に掲げ、市町や関係団体とともに状態に応じた医療や介護サービスが適切に提供される体制づくりを進めております。
 このため、認知症医療の拠点となる認知症疾患医療センターを各圏域に指定し専門医療相談に応じるとともに、かかりつけ医の相談役となる認知症サポート医や専門医療機関と連携し地域の実情に即して鑑別診断を分担するほか多職種による事例検討会を開催しております。また地域における認知症への対応力の向上を図るため研修会を開催し、かかりつけ医向けの研修会には約千人の方が歯科医師、薬剤師、看護職員等を対象とした研修会には約三千五百人の方が受講されております。
 これに加え認知症サポート医につきましても約三百人を養成し、地域包括支援センターや専門医療機関との調整、かかりつけ医への支援、県民向けの講演会など幅広い活動を展開することで県内全ての市町において身近な地域で安心して相談や治療が受けられる体制の整備を進めております。さらに来年度からは県医師会と協力して認知症サポート医リーダー連絡会を設け、認知症疾患医療センターなどの関係機関や地域のかかりつけ医等との連携強化策について検討するほか今後のサポート医の確保策等についても検討し、将来に向けた医療体制の充実を図ってまいります。
 県といたしましては、今後とも関係者の連携に基づく相談体制の強化を図り社会全体で認知症の方とその御家族を支える認知症に優しい地域づくりを進めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 伴  卓君。
       (二十二番 伴  卓君登壇)
○二十二番(伴  卓君) それぞれ御答弁ありがとうございました。
 それぞれ要望だけさせていただきたいと思います。
 まず予算編成についてですけれども多様な、いわゆる県庁外の企業さんであるとかNPOさんとの連携、これ県のほうも大分取り組んでいるという報告を受けましたけれども、今まさにコロナウイルス等で企業との包括連携を活用すべきときじゃないかというふうに会派からも先般要望いたしましたが、言い方が雑かもしれませんけれども県のお財布が厳しいのであれば、やっぱり民間のノウハウやお力をかりて普及啓発活動等はできるかと思いますし、より財政、将来負担をかけないそういった取り組みを考慮していただきたいなというふうに思います。
 大阪府のようなデスクが必要かどうかというのはわかりませんけれども、県のほうに問い合わせがあったときに即座にじゃあここの部局ですよ課ですよというのが案内できるような体制またふやしていっていただければというふうに思います。
 スポーツ施策に関する強化ですけれども、知事御答弁ありがとうございました。
 実は私の富士の河川敷は非常にソフトボールの女子のいわゆる全国大会を何度もやったりですとか、あるいはクリケットだとかペタンク――日本ではまだまだ少しマイナーな競技ですけれども――こういったことが行われています。せっかくこうしたスポーツ文化が花開くタイミングですのでぜひこれを契機に全てのスポーツに優しい県なんだということで旗を振っていただきたいなというふうに思いますし、スポーツ・文化観光部となりますので知事おっしゃっていただいたように全庁挙げてスポーツに優しい県、受け入れられるような郷土づくりをしていただきたいと思います。
 そして四つ目の郷土芸能活動ですけれども、これは私も今ずっと本当ここ何十年と和太鼓に興じていまして、やっぱり今回こういった大きな大会がそれぞれ二十年度ありますけれどもそんな大会があったんだという声もやっぱり多いです。当然全団体が出ればその分だけ日がかかってしまいますので大変な予定になってしまうということはわかりますけれども、ここで盛り上げておいてまたこの以降ですね、やっぱり県内のいろんなよさこいなんかもあるでしょうし太鼓だったり演舞だったりあると思いますけれども、そういった団体の皆さんとネットワークを築けるような仕組みづくりを少しお手伝いいただけないかなというふうに思っております。
 最後にこの認知症患者の支援体制ということですけれども、数字は明らかでしてこれから先高齢化、超高齢化社会という中で認知症を患われる方というのはふえていく一方かと思います。医療体制を整えるということは非常に予算も必要になりますけれども、例えばふじのくに県民クラブがおととしから提案をしてきましたコミュニティナース制度の活用ですとか、先般も厚生委員会の視察で高知県、愛媛県行かせていただきましたけれどもこうした地域の看護師さんや医療機関等が連携をして行っているところもありますので、これはぜひ参考にしていただいて包括的にサポート医、かかりつけ、そして関係者が先般我が会派の良知議員からも5Gの活用の話もありましたけれども、こういったIT機器の駆使をして対策を講じていただきたいというふうに思います。以上、要望だけいたします。
 では、質問に戻ります。
 次に、メンタルトレーニングを活用した部活動のあり方についてお伺いします。
 近年、甲子園を見ていますと初出場初優勝という目新しい高校の活躍が目にとまります。彼らは試合中にそろって同じポージングをしたり、ゲームセットと同時に勝利チーム部員が人差し指を天に立てマウンドに駆け寄るシーンを皆さんも目にされたことがあるかと思います。実はこれらのポージングには強豪校をまねているだけでなくメンバーのみが共有している思いがあり、ポージングによって心を通わせいまや甲子園出場校の多くのチームがメンタルトレーニングを導入しています。
 当然試合には勝敗がつきものですが、元来勝利主義は部活動の趣旨から外れます。ただやるからには野球なら甲子園、サッカーなら国立――現在は埼スタですけれども――ラグビーなら花園とそれぞれ聖地があり憧れを抱くことでしょう。しかしながら彼らが三年間で求めるものは肉体的な成長ではなく仲間とのきずなや他者をおもんぱかる心、物心への感謝など精神的な成長も著しいものがあります。
 メンタルトレーニングと聞くとトップアスリートたちが自己の有する能力をできる限り一〇〇%発揮するための精神の保ち方というイメージが強いですが、部活動におけるメンタルトレーニングは勝つことを最優先にしておらず、教育的にも多くのいい効果をもたらすと考えられています。
 県内の高校では韮山高校野球部が試合中に厳しい局面を迎えた際、ふだん選手たちが用いているポージングが観客席からわき起こりグラウンドの選手たちを支え、選手が平常心を取り戻せたと伺いました。また今でこそ強豪校と言われる北海道の駒澤大学苫小牧高校も一九九五年に香田監督が指揮をとるまでは無名の高校でした。ちなみに香田監督もメンタルトレーニングの第一人者です。
 しかしながら香田監督は勝利のためにメンタルトレーニングを取り入れたわけではなく、就任当時とてもよそには言えない素行の部員たちになぜ野球をやるのか、野球を通して自分たちがどうありたいのか考えさせたそうです。そこで当時の野球部員たちは一度も津軽海峡を渡ったことのない大深紅の甲子園優勝旗を北の大地に掲げ、道民と笑顔で喜びを共有するという目標を打ち立てました。その後二〇〇一年には約四十年ぶりに甲子園出場、二〇〇四年には初優勝をなし遂げ、さらに二年後の二〇〇六年の夏には早稲田実業との名勝負が生まれました。
 己のためでなく他者の喜びのために頑張る力は他喜力と言われ、脳科学的にも肉体に大きな力を生むことが解明されています。香田監督のようなメンタルトレーニングを実践している有名校の指導者や元プロ野球選手の桑田真澄さんは共通して次のような考え方をしています。暴力や暴言による指導をなくし、主体的、対話的で深い学びを学習や課外活動で実践するのに最適なのがメンタルトレーニングであると。
 スポーツは必ずしも練習量が結果に比例するわけではありませんが、練習をしなければ競技力は向上しません。しかしながら部活を通して心身の成長は必ずできます。
 現在中学校、高校の部活動の課題に指導者不足が挙げられていますが、その中でも学校によってはメンタルトレーニングに理解のある先生や保護者が部員たちに機会を提供しているケースも年々ふえています。できればどの高校に進学しようともどの部活に入ろうともメンタルトレーニングという概念を早い段階で学生たちには、そして指導する立場の方にも知ってもらいたいと思います。
 競技力向上以上に教育的な面でも効果が期待されるメンタルトレーニングを活用するなど、今後の部活動のあり方について県の考えを伺います。
 最後に、交差点内における歩行者の安全確保策について伺います。
 昨年五月滋賀県大津市内で発生した交差点内での事故は、乗用車二台が絡みうち一台が信号待ちをしていた園児らの列に衝突し十六人が死傷するという筆舌に尽くしがたい事故として報道が全国を駆けめぐりました。私ごとですが間もなく娘が幼稚園入園を控える一人の父親としても、御遺族のことをおもんぱかるに胸が張り裂けんばかりであります。この場より改めて御冥福をお祈りいたしますとともに、二度とこのようなことがあらんことを強く祈ります。
 しかしながら、こうしている今もどこかで事故は発生をしています。最近私が車を運転中に感じることは、交差点に進入する際前方信号が青になると同時に急発進をしショートカットで右折をする対向車、直進車の切れ間を狙って右折する危険な運転が目立つ気がします。
 このドライバーは急いで曲がりたいという意識から無理な運転をしていると思うのですが、歩行者への注意が散漫となりひやりとする場面をたびたび目にしてまいりました。歩行者が横断歩道を横断しているなど過失がなくとも自動車と歩行者の事故ともなれば歩行者の重大なけがは避けられません。
 ちなみに、お隣の愛知県では交差点内の横断歩道を通常の直角からあえて十二度傾斜をつけて描いたり、信号機のLED化、車線の多色化など複合的な対策が効果を生み事故件数の削減につながっていると伺いました。既に本県においても事故削減に取り組んでいるかと思いますが、交差点を横断中の歩行者が被害者となる事故の現状、これを踏まえた上で事故防止対策及び交通の取り締まり状況についてお伺いします。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木教育部長。
○教育部長(鈴木一吉君) メンタルトレーニング等を活用した部活動のあり方についてお答えいたします。
 部活動は体力や技能の向上を図るだけでなく、自己肯定感や責任感の涵養に資するとともに異年齢との交流の中で人間関係を構築するなど人格形成に大きく寄与することから、教育的意義は大きいものと考えております。
 議員から御紹介がありましたメンタルトレーニングにつきましては、一部の県立高校におきまして部活動を通して個人の成長をより実践的に高めていくために専門家を招聘し、運動部員を対象にメンタルトレーニング講座を実施しております。このほか多くの学校ではみずから考える力を育むため生徒に部活動に対する自己目標シートなどを作成させ、技術の向上だけでなく精神面の成長にもつなげております。
 また、県教育委員会では生徒が主体的に部活動に取り組む契機とするため他校の生徒と部活動の意義や効率的、効果的な練習方法等について意見交換を行う部活動ミーティングを開催しております。
 県教育委員会といたしましては、部活動を担当する教員等に対し生徒の精神的な成長につながる指導等を含めて効率的な部活動の実施について働きかけるとともに、生徒が夢や目標に向かって取り組み心身ともに成長できる部活動となるよう必要な支援を行ってまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 小嶋警察本部長。
○警察本部長(小嶋典明君) 交差点内における歩行者の安全確保策についてお答えいたします。
 昨年県内で約二万五千件発生した人身交通事故のうち、交差点において横断歩行者が被害に遭う交通事故は九百十二件でした。このうち加害車両の進行方向別では車両右折時の事故が五四・二%と半数以上を占めております。
 このような交通事故実態を踏まえ、県警察では交通安全教育、道路交通環境の整備、交通指導取り締まりを三本柱とした交通事故防止対策を推進しております。
 交通安全教育については企業講習や各種交通教室、運転免許更新時講習等の機会を捉え交差点の中心に寄らず内側を小回りで右折することの危険性や法律で規定する安全な右左折方法を教示しております。
 道路交通環境の整備としては、自動車と歩行者を分離する歩車分離式信号機の導入や反射効果が高く見えやすい横断歩道標識の設置等を実施しているほか、道路管理者と連携し右折車両の小回りを防止するためのゴム製ポールの設置、右折車両を交差点の中心の直近まで誘導する右折誘導線やカラー舗装化を進めております。
 交通指導取り締まりについては、横断歩行者妨害や交差点を小回りで右折する交差点右左折方法違反などに重点を置いて実施しております。
 県警察といたしましては、引き続き関係機関、団体と連携し交差点内における歩行者の安全確保に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 伴  卓君。
       (二十二番 伴  卓君登壇)
○二十二番(伴  卓君) それぞれ御答弁ありがとうございます。
 教育部長に一点再質問をさせていただきたいと思います。
 支援をしてくださるということで最後のほうお言葉がありましたけれども、例えばこれいきなり全ての高校全ての部活にメントレやりましょうと言ってもやっぱお金も厳しいですし予算がないと思うんですね。ただ例えばその圏域ごとというかある程度地域を絞って、いついつ、この辺、この会場を借りてやりますよ、なので興味のあると言ったら変ですけれども来れる部活動の先生や学生の皆さん一堂に会することができませんかというような提案をしたいと思いますが、御所見があれば教えていただきたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木教育部長。
○教育部長(鈴木一吉君) メンタルトレーニング等を活用した部活動のあり方についての再質問にお答えいたします。
 議員が御提案がありましたとおり、部活動については心身ともに成長するということにつながりますので各学校で取り組んでいる先進的な取り組み、メンタルトレーニングを初めとして効率的な取り組みがありましたら各地区でやはり展開をするというような形が参考になると思いますので、そのようなことを含めまして今後展開できますように取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(鈴木利幸君) 伴  卓君。
       (二十二番 伴  卓君登壇)
○二十二番(伴  卓君) 御答弁ありがとうございました。
 最後に、要望を少し添えて終わらせていただきたいと思います。教育部長にいたします。
 私も先ほど知事が御紹介いただいたように学生時代スポーツに打ち込んでおりました。全国大会に何度か出たわけでありますけれどもその日の朝にやっぱり駅に送迎してもらう両親の車の中で非常に感謝をしたなという記憶があります。スポーツの最たる魅力というのは人に感謝をする道という精神が通じていくんじゃないかなと思います。競技力も大切ですけれども、こうしたメンタルトレーニングを活用をして感謝であるとか先ほどのスポーツの中に含まれる知育、徳育の部分ですとか高めていただければと思います。よろしくお願いいたします。以上で質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木利幸君) これで伴卓君の質問は終わりました。

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