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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成26年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

落合 愼悟 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/03/2014

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 在宅介護への支援について                    
2 南海トラフ巨大地震に対応した災害医療体制の整備について                                
3 県ナースセンターの取り組みについて
4 水素エネルギーの利活用について                 
5 製造業・建設業等の現場技術者の育成について
6 全国学力・学習状況調査結果に対する教育施策について       
7 教員の健康管理について


○議長(中谷多加二君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第一号から第百二十号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、四十七番 落合愼悟君。
       (四十七番 落合愼悟君登壇 拍手)
○四十七番(落合愼悟君) おはようございます。
 朝、県庁の玄関へ来ると最近お花がすごく多くなって本当に心が豊かになりますよね。ことしの浜名湖花博二〇一四の成功を祈念いたします。
 それでは、私は自民改革会議所属議員として県政の諸課題について、分割質問方式で知事、関係部局長及び教育長に伺います。
 最初に、在宅介護への支援について伺います。
 介護保険制度が施行した二〇〇〇年には、七十五歳以上の後期高齢者が九百万人でした。二〇一五年は千六百四十六万人、二〇二五年には二千百七十九万人と推計されています。介護保険の総費用は、当初の三・六兆円から今年度は九・四兆円、二〇二五年には約二十兆円に達するとの見込みでございます。介護保険料も一カ月平均二千九百十一円だったのが四千九百七十二円へふえており、税と社会保障の一体改革をしても二〇二五年には平均八千二百円になると厚労省は推測しております。
 そのため、今国会で介護保険制度の大幅な改正法案が提出される見込みでございます。改正内容として二〇一五年八月から一定以上の所得のある高齢者を対象に保険料を一割から二割に引き上げるとともに、要支援者を対象としたホームヘルプサービスとデイサービスを市町村の地域支援事業に移行するほか、特別養護老人ホームへの入所対象者を現在の要介護一以上から要介護三以上に限定するなどの見直しが含まれています。
 介護保険制度は、在宅介護主体へ大きく変わってまいります。しかし現状でも要介護者が増加する中で親の介護のため職場をやめざるを得ない状況、年老いた夫を年老いた妻が介護するという老老介護、認知症のパートナーを認知症の老人が介護する認認介護、ひとり暮らしの要介護者も多く在宅介護には大きな課題があります。また介護事業所のサービスにも大差があり、市町村にもサービスの内容や価格に格差が出る可能性もあります。在宅介護の家族負担を軽減するために在宅介護サービスの充実が必要と考えます。
 そこで、安心して在宅での介護を続けられるよう県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、南海トラフ巨大地震に対応した災害医療体制の整備について伺います。
 静岡県は、昨年第四次地震被害想定第二次報告でライフラインや交通施設被害、生活支障などを見込みました。想定では医療機関でも対応できない重傷者があふれ、食料や水が不足し避難所に入れない地域が出るとの見方を示しました。想定では入院が必要な重傷者や被災した病院から転院しなければならない患者がふえ、最悪のケースでは四万人余りが病院に入れない状態となっています。各市町が指定する救護所でも救護資材の備蓄状況が十分でない救護所もあると医療関係者からの指摘もあります。
 県は、DMAT調整本部設置や大規模災害時における地域医療救護活動の医療資源や災害医療コーディネーターの配置などを進め、市町との連携した災害医療体制に取り組むとのことですが、今後起こり得る南海トラフ巨大地震発生時に機能するか不安です。大規模地震災害時において医療救護体制の実効性について県の取り組みを伺います。
 次に、静岡県ナースセンターの取り組みについて伺います。
 二月に県内の病院を数カ所訪問し、各病院の看護職員から病院内での労働状況や環境について伺ってきました。病院により差はありますが、二十四時間働く看護職員の休憩所や更衣室が手狭でソファーベッドをロビーに置き、つい立てで仕切って夜間の休憩所にしている病院や保育所もないなど労働環境はよい環境とは言えず、もっと整備すべきと感じました。
 また、どこの病院も看護職員は不足であり、慢性的な看護職員の不足を補うため民間紹介者の仲介による採用がふえています。民間紹介所の場合、紹介料が高額、看護経験が未熟、短期間でやめるなど多くの問題があります。
 県には、看護職員を無料で紹介している県ナースセンターがありますが、看護職員から県ナースセンターのナースバンク事業はインターネットでの登録方法が煩雑。民間の紹介所は熱心で結局民間に頼ってしまうとのことでした。高度化する医療に対応するため、医師とともに優秀な看護職員の確保は不可欠です。県ナースセンターの機能を大きく高めることが必要であると考えますが、県の所見を伺います。以上三点について答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 落合議員にお答えいたします。
 南海トラフ巨大地震に対応した災害医療体制の整備についてであります。
 南海トラフ巨大地震等の大規模災害に対しましては、これまでにも増して実効性のある取り組みを行っていくことが重要です。このため昨年十一月にDMAT受け入れ体制の確立を目的といたしまして、中部ブロック八県のDMAT四十三機関と二百四十四人の御参加によりまして、二日間にわたり大規模な実動訓練を実施したところでございます。
 この訓練では、新東名高速道路浜松サービスエリアを拠点とした参集訓練、災害拠点病院での活動拠点本部の設置運営訓練、病院支援訓練、航空自衛隊浜松基地における患者の広域搬送訓練などを行いまして、本県のDMAT調整本部等と県外DMAT等との連携強化を図ったところでございます。
 また、地域における災害医療体制の充実強化を図るため、先月被災地の医療関係者や医療支援の専門家などから成る災害医療ACT研究所から講師を招きまして、災害医療コーディネーターなど五十一人の参加を得まして、東日本大震災のさまざまな状況を再現しながら医療対策本部を運営する演習など臨場感のある研修会を開催いたしました。
 さらに、災害時における医療機関の情報通信体制や診療機能の強化を図るために災害拠点病院や救護病院などにおける衛星電話や人工呼吸器などの応急用資機材の整備に対する財政支援を行いまして、今年度中に必要な資機材の整備を完了させる予定です。
 加えて救護所につきましては、昨年五月に改定いたしました静岡県医療救護計画におきまして、その役割や必要となる備蓄資材等の設置運営指針をお示しいたしました。また九月補正予算で創設した緊急地震・津波対策交付金によりまして、各市町が進める整備について補助率のかさ上げなどの支援を図って充実をしているところでございます。
 県といたしましては、防ぎ得る災害死を一人でも多く減らすために引き続きこうした体制整備を進めるとともに、より実践的な訓練を積み重ねることによって、いつどんな災害が発生しても迅速に対応ができますように万全の準備を進めてまいります。以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) 在宅介護への支援についてお答えいたします。
 高齢化が急速に進行する中、介護が必要な状態となっても住みなれた地域で自分らしく暮らし続けるためには、在宅介護の充実が重要であります。このため県では、静岡県長寿者保健福祉計画に基づき、訪問介護など在宅サービスの提供体制の整備に努めてまいりました。その結果、在宅サービスの利用回数は、介護保険制度施行時の平成十二年度と比較すると訪問介護が約二・五倍、通所介護が約四・五倍、短期入所生活介護が約四倍と大幅に増加しております。さらに在宅介護を支援する地域密着型サービスは、認知症高齢者グループホームや小規模多機能型居宅介護事業所の整備が県内全域で着実に進んでいる状況であります。
 しかしながら、団塊の世代が全て七十五歳に到達する二〇二五年に向けて介護サービスの充実が一層必要となりますので、介護基盤緊急整備基金を活用した施設整備を促進することとし、来年度は認知症高齢者グループホーム十八カ所、小規模多機能型居宅介護事業所十五カ所、二十四時間定期巡回・随時対応型サービス九カ所を整備いたします。さらに市町に対しましては、来年度の次期介護保険事業計画の策定に当たっては、将来の介護サービス料を十分見据えた上で多くの要介護者やその御家族を支えてきた在宅サービスや地域密着型サービスの充実を図るよう働きかけてまいります。
 県といたしましては、県民の皆様が、いつでもどこでも必要な質の高い介護サービスの提供を受けられる体制の整備に全力で取り組んでまいります。
 次に、県ナースセンターの取り組みについてであります。
 県ナースセンターは、県が設置し運営を県内約一万九千人の会員を有する公益社団法人静岡県看護協会に委託しており、経験豊富な専門の就業相談員が求人施設と求職者のマッチングをきめ細やかに行うことで、年間約七百人が病院や診療所などに就業するなど県内の看護職員確保に大きな役割を果たしています。
 しかしながら、看護職員に必ずしも十分に知られていないなどとの御指摘もありますことから県ナースセンターの就業相談員が、県内三カ所のハローワークに毎月一回出向いて求職者との面談を開始したところであります。来年度はこの取り組みを全県に拡充するとともに、ナースバンク登録者に対してメールマガジンの配信を開始するなどの情報発信力の強化に取り組みます。
 また、求職者の登録システムについては、使い勝手をよくするよう全国の都道府県ナースセンターのシステムを一体的に運用している中央ナースセンターに対して、早急な改善を強く働きかけているところです。
 県といたしましては、こうした取り組みに加え実技実習などを内容とする再就業準備講習会等を開催している県ナースセンターの特徴を生かして利用者の増加を図り、一人でも多くの未就業看護職員の再就業につなげてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 四十七番 落合愼悟君。
       (四十七番 落合愼悟君登壇)
○四十七番(落合愼悟君) 再質問をさせていただきます。
 最初に、在宅介護の支援についてであります。
 仕事をやめれば経済的に困窮になってしまう。これが年間に十万人、介護離職をされているということでございます。また介護での虐待は一万六千を超えるということで、大変在宅介護においては問題があると思います。
 そこで、介護者の四人に一人が介護鬱と言われる、その実態を県は調査したことはありますかどうか伺います。
 そして二番目に県内に少なくとも七十八カ所あるショートステイではない、お泊りデイ実態調査を二月に行ったということでございますが、その内容について実態調査の結果について伺いたいと思います。
 次に、南海トラフ巨大地震に対応した災害医療体制の整備についてであります。
 県全体で対応できない患者は、入院が四万人、外来が三万人と推定されるとなっております。医師一人一日当たり重傷五人、軽傷七十人が限界ということでございます。これが対応できないとき住民はどのようにしたらいいのか、県はどのように考えているのか、その点を伺いたいと思います。
 そして次に、県ナースセンターの取り組みでございます。
 ナースセンターも行ってまいりました。ホームページも確認いたしました。ホームページで就職先というか見ますと、もうすぐに民間の業者のホームページに飛んでしまいます。これではやはり改善されないということで、先ほど中央のナースセンター――全国システムですね――の改善をということでございます。
 静岡県としてこれはできないのか、どうしても全国に任せにゃならんのか。その点を伺いたいと思います。以上で再質問お願いします。
○議長(中谷多加二君) 宮城島健康福祉部長。
○健康福祉部長(宮城島好史君) 落合議員の再質問についてお答えいたします。
 まず一番目に在宅介護についてでございますけれども、在宅で介護をされている方が大変御苦労されているというふうな実態については重々把握しております。しかしながら鬱というふうなことに特化した調査ということではなくて、在宅の方々がどんなふうに苦労しているとかいうふうなことが中心の調査でございます。またこれから介護の計画をつくる上で、こういった実態についても十分把握しながら新しい計画について進めてまいりたいと考えております。
 次に、お泊りデイサービスの実態についてでございますけれども、二十五年十一月に新しい調査を行いました結果、七十八カ所のお泊りデイの施設が百二十八カ所にふえているというふうな、そういった実態がございました。またそういったお泊りデイの方々については、家族の病気、冠婚葬祭、仕事等の緊急な場合について、あと家族の休息というふうなことで利用されていることがわかりました。また、お泊りデイとかそういった在宅サービスの実態については、今後ともしっかり把握してまいりたいと思っております。
 次に、南海トラフなどの医療体制についての再質問についてでございますけれども、やはり大地震が起きたときに大変な状況になるというのは重々承知しております。そのため県のほうでは、そのための救護計画を改定いたしました。その中で市町村には役割を示してそれをお願いするとともに、賄い切れない重傷患者については県外に搬送するですとか、あと県外のほうからDMATというふうな形で医療救護の支援を行うような、そういった体制の構築にも努めております。
 今後とも、そういった状況が起きても適切に対応できるように、関係各位と協力しながら進めてまいりたいと思っております。
 次に、ナースセンターについてでございますけれども、実はこのシステムは全国一律に都道府県ナースセンターという中央のナースセンターで運営していますので、私どもだけで解決できません。しかしながら落合議員御指摘の問題は重々承知しておりますので、早急に改善するように強く働きかけてまいります。以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 四十七番 落合愼悟君。
       (四十七番 落合愼悟君登壇)
○四十七番(落合愼悟君) ありがとうございます。
 要望だけお願いしたいと思います。
 在宅介護に対しては、本当に介護している方が非常に大変な状況でございます。ぜひ支援の手を差し伸べていただきたいと思います。
 では、次に移ります。
 水素エネルギーの利活用について伺います。
 水素は、爆発しやすく元素ナンバー一番と非常に小さいため、金属などを簡単に通り抜けます。通り抜けるとき組織を壊し金属疲労を起こします。非常に取り扱いが難しい物質です。皆さんも小学校の理科で水の中に電極を入れ電気を流すと電気分解して水素が発生する実験をしたと思います。その逆に水素と酸素で電気をつくることができます。その原理を応用したのが燃料電池です。CO2など大気汚染のないエネルギーであり排出するのは水だけです。
 福岡県にある九州大学では、水素について世界的な研究開発に取り組んでおり水素エネルギーの実証実験が行われています。ようやく水素を閉じ込めておける合金が開発され、相当な衝撃にも耐えられる水素タンクが実用化されました。電気自動車がバッテリー容量からガソリン車並みの航続距離が得られないのに対し、水素を燃料とする燃料電池自動車は五百キロ以上の航続距離を持っています。
 昨年の東京モーターショーでトヨタ自動車が二〇一五年に発売する燃料電池自動車の試作車を出品しました。国は、一カ所当たり約六億円かかる燃料電池自動車の水素ステーションを二〇一五年に向けて百カ所設置することを目指しています。今年度全国で十九件の補助金交付決定がされていますが、静岡県内事業者はまだありません。燃料電池の市場規模は、二〇二五年に世界で五兆円規模に拡大。その半分が燃料電池自動車との試算があります。
 県では先日、燃料電池自動車の普及促進に向けた協議会を設置したとのことですが、将来、水素社会の到来が期待される中、どのように燃料電池自動車の普及に取り組んでいくのか伺います。
 次に、製造業・建設業等の現場技術者の育成について伺います。
 日本経済は、景気回復の兆しを見せ建設業界でも資材の高騰や熟練技術者不足で公共事業入札が不調の状況も見られます。国では公共事業の労働単価を七%上げるなど対策を行っていますが、建設業や製造業では団塊の世代の技術者が大量に退職し、今や熟練技術者の確保が大きな課題となっております。
 作業現場では、ベテラン技術者が減り作業ミス事故も多く発生しています。愛知県の製鉄工場火災は、工場が全停電したことによりコークス炉が過熱し火災になった事故ですが、この場所にベテランの電気工事人がいれば防げた事故だと思います。工場では自動化が進み熟練職人は必要がなくなり、ただ操作ボタンを押すだけになっています。しかし停電したときは全てが機能しなくなります。停電しても非常電源があるから大丈夫などと思ってはいけません。不測の事態のときは電気工事人がいなければ対応できないのです。最近の若者たちは、技術を覚えるまでに何年もかかる現場技術者を目指そうとしません。しかし技術を覚えれば、どこの会社でも技術者不足ですから高給で優遇してくれます。本県の製造業、建設業を持続的に発展させるためには、多くの若者に技術・技能を習得させ、製造現場、建設現場を支える優秀な技術者として育成することが必要です。
 そこで、現場技術者を育成するために県としてどのように取り組んでいくのか伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 水素エネルギーの利活用につきましてお答え申し上げます。
 水素は、石油などの化石燃料を代替する発電などに利用できるエネルギー源であります。また水素ですのでそれを燃やす、すなわち酸化しますとH2Oになって水だけになるのでCO2を出さないということで、環境負荷の低減にも大きく貢献いたします。そうした利点を生かすさまざまな実証研究が行われています。
 その活用方法としては、一つには家庭用燃料電池でありますが、もう一つが燃料電池自動車と言われるもので、これは業界ではフュエル・セル・ビークル(FuelCellVehicle)というふうに言いあらわして、その頭文字をとりましてFCVと言うそうでございますが、このFCVは来年に本格的な市場投入が予定されております。本県におきましても大きなメーカーがそれをつくっておりまして、私自身もその現場に行きまして、それを間近に見てかつしっかりと御説明を受けて実用化近しという印象を強くしたわけでございます。
 こうしたことを受けまして、県におきましてはFCVの普及と燃料充填施設である水素ステーションの整備を官民で協働して進めるために、エネルギー事業者や車両メーカー、バス事業者、市町などに呼びかけまして、ふじのくにFCV普及促進協議会を設立いたしました。こうしたことで先ほどの課題を検討するということを始めた次第でございます。
 FCVの普及に不可欠な水素ステーションの整備に当たりましては、第一に水素の輸送、貯蔵といった供給面での技術的な制約がまだございます。また第二に設備コストが極めて高額であるということの課題があります。第三番目におきましては、水素ですから爆発すると非常に危険で安全面での厳しい規制といった課題もございます。一方FCVは、先ほどの御指摘のとおりクリーンであることに加えまして五百キロ以上の走行距離を持てるということからわかりますように電源としても使えると。しかもこれはEV以上に使えるということでございますので、防災対策上の利点もあるということでございます。
 そうしたことを踏まえまして、本県が東西交通の要衝に立地しており、かつ富士山や伊豆半島などを有する観光県であることに加えまして、本県の経済規模を考えますならばFCVの市場としては有望であるということで、ぜひステーションの整備をすべきとの関係者の意見が多く寄せられているところであります。
 今後は、FCVの市場投入の状況などを見きわめながら、協議会の場におきまして水素ステーションの整備の主体、整備手法、設置場所など具体的な事項につきまして検討を進めます。そして官民が連携してFCVの普及や水素ステーションの設置に取り組んでいこうと考えております。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 渥美経済産業部長。
○経済産業部長(渥美敏之君) 製造業・建設業等の現場技術者の育成についてお答えいたします。
 県では、技術専門校において、高校卒業者などの若者を対象に製造業や建設業等の基礎的な知識と技術に加え時代のニーズに合わせた実践的な技術を習得する職業訓練を行っており、本年度は太陽光発電システムの施工技術を学ぶ実習を新たに取り入れるなど訓練内容の充実を図っております。また離職者に対しては、現場で必要な技術や資格を習得する、おおむね六カ月程度の短期間の職業訓練を実施して早期の再就職を支援しております。さらに企業ニーズに対応したオーダーメード型の在職者訓練を拡充するとともに、製造業や建設業等の団体が設置した認定職業訓練校に対し支援するなど技術者のスキルアップを図っております。
 加えて工業高校生等が技能の向上を目指す契機となるよう、昨年度から技能五輪などを見学する機会を提供するとともに、全国大会の県予選として技能競技大会を開催するなど製造業、建設業等を担う人材の裾野を広げる取り組みを進めております。
 今後とも若者に技術・技能の魅力を広く伝えるとともに、技術専門校が技術者育成の中核的な機関としての役割を担えるよう訓練内容の充実を図り、本県の製造業、建設業等の現場技術者の育成に積極的に対応してまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 四十七番 落合愼悟君。
       (四十七番 落合愼悟君登壇)
○四十七番(落合愼悟君) 御答弁ありがとうございます。
 水素エネルギーの利活用については、ぜひ大きな市場ができますので積極的に進めていただきたいと思います。期待をいたしたいと思います。
 製造業・建設業等の現場技術者の育成について再質問いたします。
 きょうの建通新聞でも建設業協会の伊藤会長が、抜本的な対策が必要ということで建設業の人手不足について非常に困っているということを述べておりました。今、県ではテクノカレッジ沼津、清水、浜松とあります。離職者向けの講座がございます。これについても今年齢的にやっぱり四十代ぐらいまではぜひ教育をしていただきたいなと思うんですが、そして浜松と沼津は電気工事の講座を行っておりますが、清水のテクノカレッジでは行っていないということで清水についてなぜ行ってないのか、それを伺います。
 そして、最近の新入ですね再就職じゃなくて。そのときの入校者が非常に減っているということでございます。それに対してどのように対策をとっているのか伺いたいと思います。以上です。御答弁をお願いします。
○議長(中谷多加二君) 渥美経済産業部長。
○経済産業部長(渥美敏之君) 製造業・建設業等の現場技術者の育成についての再質問にお答えいたします。
 議員、今御紹介いただきましたように技術訓練校は、私ども沼津、清水、浜松と三カ所で開校して訓練を行っておりますが、それぞれの地域あるいは全体の入校希望者等を勘案しながら設置科を決めて対応させていただいているところでございます。
 また、入校希望者が大変少ないといいますか少し定員を割っているということでございますが、この訓練校の入校者の多くは高等学校の卒業者が多くございますので高等学校への訪問をさせていただくとか、オープンキャンパスを開催させていただく、あるいはハローワークやジョブステーション等での紹介をさせていただきながら入校者の確保を図っているところでございます。以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 四十七番 落合愼悟君。
       (四十七番 落合愼悟君登壇)
○四十七番(落合愼悟君) 答弁ありがとうございました。
 技術者をふやすためにも、ぜひお願いしたいと。せっかくもともとは訓練校として出てきています。そういう中でイメージというじゃなくてやはり技術を高めるためのPRをぜひお願いしたいし、高給が取れるということもしっかりPRした中で多く募集をしていただきたいと思います。
 次に移ります。
 全国学力・学習状況調査結果に対する教育施策について伺います。
 我が会派の中沢公彦県議が、代表質問で全国学力・学習状況調査結果について教育長に厳しく質問をされましたが、この三日間、静岡新聞一面に「静岡の学力 小六最下位の衝撃」の連載記事が載っております。私は以前、本会議の一般質問で全国学力・学習調査結果において常にトップの秋田県、福井県の調査分析の必要性とともに、福井県が独自に実施している教員養成ツール授業名人制度や福井県が各地元のおじいちゃん、おばあちゃんを約五千人登録して小学校の低学年各教室に配置する学校生活ボランティア制度について、視察調査の必要性を申し上げました。答弁で教育長は、福井県や秋田県を視察し新たな政策を考えていきたいと述べております。まだその結果を伺っておりません。
 また、昨年十一月にも県の学力向上推進協議会の会長である静岡大学の村山教授と富士宮市、磐田市教育委員会、推進校二校の校長先生、県教育委員会指導主事による推進メンバーが秋田県に視察に行かれたと聞いております。今後の学力向上のための教育施策の策定に当たり福井県、秋田県の視察結果と、その取り組みの反映状況について教育長の所見を伺います。
 最後に、教員の健康管理について伺います。
 昨年十二月に文部科学省が公表した公立学校教職員の人事行政状況調査結果によると平成二十四年度の病気休職者数は全国で八千三百四十一人、そのうち精神疾患で休職した教員が四千九百六十人と半数以上を占めております。ある書籍によりますと教員の職務構造は、教員の仕事に切れ目がなく明確な休憩時間がないため堂々と休める時間がない、年次有給休暇をとりたくても同僚へ気兼ねが存在し、なかなかとりにくい。また教師の文化として、業務の無限定性、無定量性による勤務時間概念の空洞化、一国一城のあるじとして初心者でも一人前として扱われ責任を負うこと。さらに学校を取り巻く社会構造の変化として上からのお達しが次々と出てくるなど大量の文書が横行し学校の官僚化が進行しており、ゆとりの喪失、家庭の養育機能の低下による教員の負担過重などが指摘されておりました。まさに教員の多忙化やストレスの要因を言い当てています。私の地元の学校では、校庭やトイレの清掃を子供たちではきれいにならないため教員にやらせていると聞きました。このようなことも多忙化に拍車をかけ、さらなるストレスになりメンタルが不調になってしまうのではないかと思われます。私は子供の教育を担う教員が、意欲と使命感を持って教育活動に専念できる良好な教育環境の確保が学校教育の質の向上の前提となるものであり、極めて重要であると考えます。
 そこで、本県の教員の精神疾患による長期休職者の状況とそれらへの対応、さらに長期休業者を出さないための対策についてどのように取り組んでいくのか、教育長に伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) 全国学力・学習状況調査結果に対する教育施策についてお答えいたします。
 議員から御紹介がありましたように、学力向上推進協議会のメンバーを中心に秋田県の視察を行いました。その結果を踏まえ学力向上対策として授業の目標を明確にし、子供たちに見通しを持たせること。学習内容を定着させるために調査結果を分析、活用することなどについて、ことし一月に提言をいただいたところでございます。
 この提言を受け指導主事や地域の授業改善を牽引する教科等指導リーダー、研修主任を対象とした研修会を開催し授業改善に関する共通理解を図ってまいります。既に先月、指導主事研修会を開催したところであります。また各教育事務所の地域支援課の指導主事を中心に学校教育を直接担っている学校のそれぞれの実態に応じた授業改善の視点について指導助言をしてまいります。
 調査結果の分析、活用といたしましては、児童生徒一人一人のつまずきを早期に把握しチアアップシートの活用など授業改善や補充学習等に生かすことのできる取り組みを行っており、引き続き学校や市町教育委員会にこれらの取り組みを促してまいります。
 今後は学力検査問題を参考にした問題の作成、非常勤講師や地域人材を活用した学習支援サポーターの配置を初め、秋田県、福井県等の教育視察の結果を踏まえながら総合的に学力向上対策に取り組んでまいります。
 次に、教員の健康管理についてであります。
 本県では、平成二十四年度に精神疾患で休職した教員は百人で全国の状況と同様、高い水準になっております。教員が休職した場合は、教育活動に支障がないよう代替の臨時講師を配置して対応しており、また復職に当たりましては職場復帰訓練や健康審査会などを通して医師、保健師が指導助言を行い、円滑な学校運営ができるよう支援しているところであります。
 県教育委員会では、メンタルヘルスケアを積極的に推進するため、教職員の心の健康づくり計画を策定し経験年数や職務に応じた研修、冊子「教職員のためのメンタルヘルスガイド」や広報誌「福利しずおか」等による情報の提供を行うとともに、相談窓口を設置し臨床心理士による面談を実施しております。また公立学校共済組合等と連携し、保健師等を講師として派遣する職場の健康づくり支援事業や電話による健康相談事業を行っております。
 教員の多忙化につきましても、学校に勤務する教職員の多忙化解消検討会を設置し解消に努めているところであり、教員が生き生きと子供と向き合う時間の確保に向けた取り組みを進め教員が心身ともに健康で教育活動に専念できるよう努めてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 四十七番 落合愼悟君。
       (四十七番 落合愼悟君登壇)
○四十七番(落合愼悟君) 教員の健康管理については、ぜひ先生方のために健康管理のためになるべく鬱にならないように見てやっていただきたいと思います。
 では、再質問をさせていただきます。
 全国学力・学習状況調査結果に対する教育施策についてでございます。
 なぜ静岡県の学力が平成十九年から毎年下がってきてしまったのか。その点について見解を伺います。
 二番目、毎回調査結果から見る改善ポイントを示した学校改善支援プランを作成しております。これをせっかくつくっているのに学校現場ではどれくらい使用しているのか、役に立っているのか。その辺をどういうように見ているのか伺います。
 三番目、秋田県の教員と授業の取り組み方の違いについて村山教授たちの視察結果に載ってございます。秋田県は、学習指導要領に沿った授業の進め方を明確にして取り組んでいる。静岡県は行き当たりばったりだという形で書いてございます。これに対してはもう明示されていますので、それに対してどうしていくのか、ある程度もう考え方はできているでしょうから、ぜひ要望ですね。提案ですね。提言に載っていますので、それに対してどのように現場と県の教育委員会との関係、していくのか。やはり強い指導力をもってやっていただきたいと思います。それについて考え方を伺いたいと思います。
 もう一点、確かな学力の指標を市町の教育委員会は、授業がわかると答える生徒の割合につけかえているんですね。なぜ確かな学力としての指標にしなかったのか。そこがなぜなんだろうなと。県の指導がやはり各市町の教育委員会に通じない。この辺さっきの関係と同じように――考え方ですね――を答えていただきたいと思います。
 そして、授業名人制度について福井県へ行ってきてくれました。いつでもDVDにしてございます。毎年二人授業名人を選んでDVDにして、これは福井県として平成十九年からかな、行っているんですが、各科目に授業名人がおりまして、そのDVDを先生方が借りて研究するんですね。ですから公開授業を見に行かなくてもいつでも研修が自分でできる、研究ができるんです。そのやり方は静岡県も取り入れるべきじゃないかと思います。きょうの静岡新聞の改革の鍵を握る指導主事という何かテーマが載っていますけど、教師力を高める。これはまさにそういうことを言われてるんじゃないかな。やっぱり教員の質を高めるための手法がちゃんとできていない。福井県はできてる、私は思います。授業名人のDVDのような形でやれるかどうか伺います。以上です。答弁をお願いします。
○議長(中谷多加二君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) 全国学力・学習状況調査結果に対する教育施策について、再質が五つあったかなというふうに思います。
 まず一つ目の平成十九年度から静岡県の場合にはずっと下がってきてしまっているのではないかと。この辺の原因についてでございますけれども、正直申しまして本県の場合にはこの調査というのがあくまでも国が実施する学力・学習状況調査ということで、そのことを静岡県の教育委員会も含めまして授業改善に積極的に生かそうという意識がやはり他県に比べて低かったのではないかなというふうに思います。この点は、県も市町教育委員会も反省をしながら今後有効活用に努めていきたいなというふうに思っております。
 二つ目の授業改善プランに関連しまして、いろんなリーフレット等も出しているわけですけれども、それがどれだけ活用されているかということであります。
 これにつきましても一つ目の御質問と同じように、やはり意識の面で必ずしも高くなかったということで、ことしは一つの工夫としまして教員と保護者の一体的なリーフレットをつくりまして学校・家庭が一致団結して、この学力・学習状況調査に向き合うというような工夫もしたところでございます。その辺の活用状況も今後調査する中で来年度、より活用される資料、リーフレットをつくっていきたいなというふうに思っております。
 三つ目の授業に取り組むところで、いわゆる授業の目的等が明確になっておらず、ある意味では行き当たりばったりではないかという、そういう指摘もあるということでございます。これにつきましては、きょうの答弁でも申し上げましたように、やはり授業を明確にし子供たちにその授業で一体何を学習するかという見通しを持たせるというところにつきましては、秋田県の視察を踏まえましてやはり本県の場合は弱かったかなというふうに思いますので、この点につきましては指導主事あるいは研修主任等の研修会の中で授業改善の視点、ポイントというものを共通理解する中で各学校の一時間一時間の授業を見つめていきたいなと。指導助言をしていきたいなというふうに思っております。
 四つ目の指標として、市町教育委員会のほうは授業がわかるということで、この学力・学習状況調査の指標を用いていないのではないかということでございます。議員の御指摘の背景には、昨年度の確かな学力の育成に向けた提言の中に、市町教育委員会の提言の中にこの調査を確かな学力の指標として位置づける必要があるのではないかという、そういう提言を踏まえた御質問ではなかったかなというふうに思います。私たちとしては調査結果を一つの指標にするということは非常に大切かなというふうに思いますけれども、市町教育委員会で行政的な指標に必ずしも調査結果の指標を位置づけなくても、日々の市町教育委員会が各小学校を指導する中でこの学力・学習状況調査の結果の指標というのは非常に大きな意味を持つと思いますので、行政的に例えば授業がわかるという割合を指標にしていたとしましても日々の学校への授業改善の指導につきましては、調査結果の指標というものを十分踏まえた形で指導されているのではないかなというふうに思いますけれども、これもまた市町教育委員会との話し合いの中でどういうような実態にあるのか。その辺につきましては、意見を聞きながら今後の対応を考えていきたいなというふうに思っております。
 最後、福井県の授業名人DVD化でございますけれども、これにつきましては本県の場合御案内のとおり教科等指導リーダーというシステムを導入しまして、県下各地に授業にすぐれている、そういう指導リーダーを配置しておりますので、私たちとしてはDVDの有効性というものを踏まえながらも実際に先生方が近くの学校に出向いて、あるいは自分の学校の教科等指導リーダーの授業を実際見る中で授業力、教師力を高めていくという方法で今後進めていったらいいかなというふうに思っているところでございます。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 四十七番 落合愼悟君。
       (四十七番 落合愼悟君登壇)
○四十七番(落合愼悟君) もう時間がございません。やはり確かな学力の指標について、これは後で変えるということはおかしいと思います。ぜひ負けないでやっていただきたいと思います。
 そして授業名人でございます。福井県はやはりコアリーダーというのを設けています。同じような形でやっています。なおかつこういう形のDVDを使って研究させているんです。常に研究しようという意識が教員にはあります。やはり静岡県と大きな違い。これが学力の差、体力の差、はっきり出てくると思います。ぜひ教員の研修をお願いをいたします。
 また、もう一点要望だけ言っておきます。
 さっき、学校生活ボランティア制度。これは教室で地域のおじいちゃん、おばあちゃんが先生たちを支援するんです。この制度もぜひもう一度考えていただいて、政策に反映していただけたらありがたいと思います。以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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