• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

伊藤 和子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/25/2019

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 小規模市町の持続可能な行政経営への支援について
2 静岡県東京観光案内所の効果的な活用方法について
3 結婚支援の推進について
4 ふじのくに美農里プロジェクトを活用した地域農業の活性
 化について
5 森林認証材の利用拡大について
6 今後に向けた小中一貫教育の取り組みについて


○議長(鈴木利幸君) これで鈴木澄美君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、二十四番 伊藤和子君。
       (二十四番 伊藤和子君登壇 拍手)
○二十四番(伊藤和子君) 皆様こんにちは。質問に先立ち御挨拶をさせていただきます。私はことしの四月の選挙で袋井市森町選挙区から立候補し初当選をさせていただきました、森町出身のふじのくに県民クラブ所属議員の伊藤和子と申します。前職は森町の議会議員として二期六年間活動させていただきました。女性のきめ細やかな視点を生かし県民の皆様が今まで以上に、赤ちゃんから老後まで安心して暮らせる社会の実現に向け積極的に政策提言をしてまいりたいと考えております。
 まだ四カ月しかたっておりませんけれども、このように早くから一般質問の登壇の機会を得ましたことに感謝を申し上げます。
 本日は地元森町や袋井市の現状を交え、県政の諸課題について通告に従い知事、副知事及び関係部局長並びに教育長、教育部長に一括質問方式にてお伺いいたします。
 まず最初に、小規模市町の持続可能な行政経営への支援についてお伺いいたします。
 私が暮らしております森町は、農産物が豊かで神社仏閣も多く、蔵のある町並みや古くから伝承されてきた舞楽やお祭りが住んでいる住民の暮らしの中に息づく遠州の小京都と呼ばれている風情豊かな町であります。また森町出身者には現在静岡空港で結ばれております台湾に製糖工場を建設いたしました、日本製糖業の父鈴木藤三郎氏、書道家の杭迫柏樹氏など日本を牽引する人材を輩出しております。
 また、森町は人口が一万八千人弱の小さな町ではありますが、東京や大都市にはない魅力やポテンシャルに満ちた地域です。人口減少、少子高齢化が進み、このような小さな市町をいかに持続させ盛り上げていくかが私たちに課せられた重要な課題であります。
 平成の大合併で森町は単独での生き残りを決断いたしました。しかし現在では人口減少に歯どめがかからず行政経営も容易ではございません。職員の削減や事業の見直し、ごみやし尿処理事業などは周辺市町との共同実施を通じて、公立病院も何とか維持している状況です。
 一方、合併して大きな自治体の一部となる選択をした自治体は行政経営が安定したメリットはございますが地域の主体性や地方自治の身近さは失われてしまったのではと思います。
 合併のよしあしは年月を経て判断されていくものと考えますが、団塊ジュニア世代が全て高齢者となる二〇四〇年は着実に近づいてまいります。小規模市町が今後持続可能な行政運営を続けていくためには、単独で難しい部分はあらゆる手段を利用し人材の交流や多様な主体との連携などで乗り越えていく必要があり、広域の連携を加速化させることが必要ではないかと考えます。
 また、このような市町は長年人口減少対策やライフラインの維持、水道、病院、公共交通などの事業、サービス的な事務は補完、支援の対象とは注目されておりませんでした。しかし人口減少対策など県にとりましても共通の行政課題となっており、補完、支援の取り組みによって県と小規模市町が共通の課題への政策を見つけるきっかけにもつながるのではないかと考えます。
 そこで、広域自治体である県としてこのような市町に対してどのようにして持続可能な行政経営の支援に取り組んでいくのかお伺いいたします。
 次に、静岡県東京観光案内所の効果的な活用方法についてお伺いいたします。
 県では、東京有楽町の東京交通会館内にシズオカ・マウントフジ・グリーンティープラザとして静岡県東京観光案内所を設置しております。首都圏において本県の観光情報を発信する重要な拠点と考えられます。他の都道府県のアンテナショップがにぎわう東京交通会館内において、本県観光案内所はいま一つにぎわいが感じられません。アンテナショップではなくあくまでも観光案内所であるとしても、通りかかる一般の方々から見てもその違いはわからず中途半端な感は否めません。
 先日観光案内所に行ってまいりましたが、東京有楽町の駅前という立地条件にもかかわらず来店者が年間約三万人、一日約八十人では、やはり早急に時代のニーズに対応した形にしていくべきだと考えます。
 現在、首都圏のマーケティング拠点としてふじのくにショールームの開設に向け物件の調査を進めておりますけれども、具体的な物件の選定には至っていないのが現状でございます。ふじのくにショールームの開設までこの現状を維持していくのでしょうか。
 最近では、SNSが情報発信の主要なツールとなっております。必ずしも観光案内所を利用しなくても本県の魅力を広くアピールすることができます。しかし実際に本県のさまざまなおいしい物をそこで味わっていただいて、県産品を手にとっておいしさやよさを知ってもらい、その体感した感動をSNS等で拡散してもらうことが私は効果的であると考えます。そのためには県内市町や関係団体等に東京観光案内所を積極的に活用してもらう取り組みが必要ではないかと考えます。
 東京観光案内所の効果的な活用方法についての考えと、ショールーム設置後の継続の有無についてもお伺いいたします。
 次に、結婚支援の推進についてお伺いいたします。
 合計特殊出生率の低下要因として未婚化、晩婚化が挙げられております。国の調査によりますと五十歳までに一度も結婚したことのない男性は四人に一人、女性は八人に一人であり、平均の初婚年齢もこの五十年間で男性は四歳、女性は五歳程度上昇しているということです。
 本県では、新婚家庭への経済的な支援や出会いイベント等の結婚支援に取り組んでいる市町があります。私の地元森町においては結婚相談所が定期的に開かれておりますが、結婚に至るケースが少なく、近隣市町と連携はしておりますけれども市町のみの取り組みには限界があると感じております。私も知人に個人的に出会いの場を設けたことがありますが、若い人の結婚に対する意識は低く結婚支援の難しさを痛感しております。
 結婚は個人の価値観によるところが大きく、行政や企業が立ち入ることは価値観の押しつけやハラスメントにつながるというデリケートな意見もあることを承知しております。しかし結婚に憧れる人が家庭を持ち子供を産みたいという希望をかなえることができれば、個人はもとより人口減少に悩む自治体や労働力不足、消費拡大に悩む企業にとっても歓迎すべきことであり、ウイン・ウインの関係になるのではないかと考えます。
 今こそ地域や企業、そして関連団体が連携した結婚に関するサポートが必要であり、結婚したい人が結婚できるような支援を県も市町もともに進めていくべきと考えております。
 今後、県として結婚支援にどのように取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。
 次に、ふじのくに美農里プロジェクトを活用した地域農業の活性化についてお伺いいたします。
 農業の基盤整備事業については、国庫補助事業を活用した県営事業等の推進によりさまざまな整備が進められております。
 しかし、近年他のインフラ整備と同様、施設の老朽化に伴う適切な修繕、改良が必要となっており、特に補助事業の要件を満たさない小規模な施設の修繕等への財源措置が必要となっております。適切な時期に適切な手当をすることが施設の長寿命化につながり、将来的な経費の削減につながると考えます。財政が厳しい市町ではなかなか進んでいかないのが現状です。
 また、農道、用水路等の農業に欠かすことのできない農業用施設の維持管理については、これまで地域の農家により作業が行われ施設の長寿命化に寄与してきた部分もありますけれども、昨今農村地域では高齢化や混住化が進行し、これまでのような適正な維持管理が困難な状況になっております。
 こうした中、県では農業者と地域住民が一体となって農地や農業用施設の保全管理活動に取り組むふじのくに美農里プロジェクトを市町とともに推進しているところでございます。私が住む森町においては現在、一宮の水と環境を守る会が活動しており、農業用施設の点検、補修のほか幼稚園児からシニア世代まで巻き込んだ農業体験など幅広い世代を対象とした多彩な取り組みを展開し地域農業の活性化に寄与しております。
 私は、このふじのくに美農里プロジェクトは農地や農業用施設を適正に管理するために有効な施策であり、全県的に広げていくべきと考えます。このプロジェクトの推進の有効手段の一つとして、周知を図っていくためにモデルとなる活動組織を選出して、プロジェクトの成果等の情報発信により未着手地域や既存の活動組織に制度の認知度の浸透を高めていくことが効果的ではないかと考えます。
 県として、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 次に、森林認証材の利用拡大についてお伺いいたします。
 森林認証材制度は、適正に管理された森林から生産された木材などに認証マークをつけることによって持続可能な森林の利用と保護を図ろうとする制度でございます。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの関連施設では持続可能性に配慮した木材の調達基準に適合した森林認証材が主に使われております。認証材を使用するという意義が国民の皆様に浸透して、オリンピック以後もさまざまな建築物で認証材の使用がスタンダードになっていくものと期待しているところでございます。
 このようにオリンピック以後の需要を見据えるとともに、適正な森林の利用や保全に向けて私の住む森町では平成二十八年八月に県、掛川市、森町森林組合、そして掛川市森林組合とともに遠州森林認証グループを立ち上げ現在までに約二千ヘクタールの森林がFSC森林認証を取得いたしました。
 その後、認証グループは建築主に認証材の利用を働きかけ、掛川市の粟ヶ岳山頂に建築いたしました休憩所粟ヶ岳世界農業遺産茶草場テラスなどで遠州森林認証グループの認証材が使用されております。また東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの関連施設の選手村ビレッジプラザではこのFSC認証材が同施設の床材に使用される予定です。
 森林認証材は、県産品のアピール力を高め他産地との差別化を図ることが可能となることから、販売戦略の一つに取り入れることで県産材の利用拡大を図り地域の活性化につなげる有効な手段になると考えます。また森林所有者にとりましては、世界基準の森林管理をしていることから森林施業のモチベーションの向上にもつながります。
 しかし、認証材は公共施設などを中心に使用されており一般的にはその利用が十分とは言えない状況です。認証材の利用を拡大させて森林所有者の持続可能な森林経営を促すには県民や企業に対して森林認証制度の周知が不可欠でございます。認知度の向上を図っていくには地域材の利用促進に向けて広く一般消費者に向けた木材利用や認証材の普及啓発が必要です。認証材を使う意義などが一般的に理解されるようになれば、特にESG投資やSDGsなど環境への取り組みを強化している県内外の企業に受け入れられると考えます。
 県は、森林認証材の利用拡大に向けてどのように取り組むのか、お伺いいたします。
 最後に、今後に向けた小中一貫教育の取り組みについてお伺いいたします。
 近年では県全体でも人口減少が続いております。特に中山間地域におきましては人口の減少が著しく、高齢化が急激に進み地域の活力の低下が懸念されております。また児童生徒数の減少も続いており、過去十年間における県内の公立小中学校の児童生徒数は約一一%、約三万四千人減少し、学校の統廃合により小中学校の数は七百九十一校から七百五十九校と三十二校減少しております。小中学校が小規模化して単独では十分な集団規模を確保できないため多くの児童生徒との交流の場の確保が難しく、多様な教職員からの指導が受けられないといった教育上の問題が懸念されております。
 既に、県内でも小中一貫教育の取り組みが行われている地域もございますけれども、このような小規模小中学校の今後を考えると小中学校における小中一貫教育の実施が将来に向けた方向性の一つになると考えられます。
 小中一貫教育につきましては、小学校から中学校への進学に際して新しい環境での学習や生活に不適応を起こす、いわゆる中一ギャップによる解消をされることや九年間の系統的、継続的な指導によって教育の効果が高まるといったメリットがあります。その一方では人間関係が九年間固定されるということによる弊害や他の学校に移るという場合にカリキュラムの違いに戸惑うといったデメリットも挙げられており、その効果の十分な見きわめが必要と考えます。
 平成二十八年に、文科省は九年間の義務教育を一貫して行う新たな学校の種類であります義務教育学校の設置を可能とする制度改正を行っており、手引や事例集による周知を行っているところであります。
 このような状況を踏まえて、県教育委員会として今後の小中一貫教育の取り組みについてどのように考えているのかお伺いいたします。以上について答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 伊藤議員におかれましては、遠州の小京都と言われる森町の町議会、二期六年の実績を踏まえられまして県議会で立派なデビューを果たされましておめでとうございます。森町には鈴木藤三郎さんや、現在も御活躍中の杭迫先生だけでなく元気のいい女性もいるということがよくわかりました。これからも大いに県政のために御尽力ください。
 伊藤議員にお答えいたします。
 私は、森林認証材の利用拡大についてお答えしたく存じます。
 森林認証制度というのは国際的な、先ほど御紹介されましたFSCというのと日本におけるSGECというのがございます。これは森林の持続可能性を確保するために重要ですが、一方で違法な森林伐採というのがございまして、これを防ぐためにも必要とされています。森町あるいは遠州は豊かな森がございますけれども世界最大の森林はアマゾンです。アマゾンでは現政権のもとで物すごい勢いで熱帯雨林が破壊されつつあります。国際的にも問題になっておりまして、一分間にサッカーフィールド一つ分がなくなっていくという物すごいスピードで今、破壊されているところということでございます。そうしたことがございますので、森林認証制度というのが国際的にも注目されているということです。
 これは、第三者機関が森林管理の持続性や環境保全への配慮等に関する一定の基準に基づいて森林を認証する制度です。ここから生産される木材にロゴマークをつけて流通させ、消費者が森林認証材を選択的に購入することで森林管理を支援するという制度です。
 森林認証材は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの関連施設におきまして調達基準の一つとして使用されました。そのことから今後の利用を拡大していくための絶好の機会であると捉えております。
 本県の森林認証林の面積は十年前は一万ヘクタールに達していなかったと存じます。しかし本県森林組合の総元締めである県議会の中谷さんと、それから森林組合の人たちの御協力によりましてどんどんこの認証林がふえておりまして現在は全国四位、約六万七千ヘクタールに達しています。ここから生産される丸太は約十三万立方メートルに及んでおります。
 県は、この強みを生かしましてその利用拡大に取り組んでいるところです。しかし認証制度は県民の皆様や企業による理解が十分に進んでいませんので、認証材の利用拡大には制度や使う意義の周知が不可欠であると認識しております。
 このため、県は静岡県森林認証推進協議会と連携いたしまして、この会長が中谷さんです。連携してホームページやイベント出展により認証制度をPRしております。また静岡県富士山世界遺産センター、ふじのくに茶の都ミュージアム等々多くの県民の皆様が訪れる県有施設に認証材を率先して利用しておりまして、直接見ていただき、また触れていただくことで認知度の向上を図っているところでございます。
 さらに、オリンピック・パラリンピックの選手村ビレッジプラザの建設に本県産の認証材を提供する取り組みを進めております。去る九月十日、県庁本館前で行った提供木材出発式を初め森林認証林の伐採や製材などの作業工程ごとに情報発信をしているところです。加えまして、このオリンピック・パラリンピックが終わりますと返却される認証材をレガシーとして利用することで本県認証材の品質の高さをPRしていく予定でおります。
 また、建築、木材関係団体などで組織するふじのくに木使い推進会議におきまして今年度は環境への配慮に積極的な企業をお招きしてSDGs  これは国連が掲げている十七の目標でございますけれども  このSDGsに寄与する認証材利用の意義を共有するとともに、利用事例や調達方式を紹介いたしまして社屋の建築、オフィス家具などでの認証材の利用を働きかけていくつもりでございます。
 県としましては、世界基準の森林から生産される認証材利用の意義につきまして県民の皆様や、また企業の方々の御理解を促進して認証材の利用拡大を図ってまいります。
 その他の御質問につきましては副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(鈴木利幸君) 吉林副知事。
       (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事(吉林章仁君) 小規模市町の持続可能な行政経営への支援についてお答えをいたします。
 今後、人口減少、少子高齢化のさらなる進展が見込まれる中で県内市町は限られた人材と財源により高まる行政需要に呼応した持続可能な行政経営を実現していかなくてはなりません。特に小規模市町は予算や職員などの経営資源が限られますことから、近隣市町との広域連携や県との垂直連携、情報技術の活用などによりましてサービスの確保と効率化を図ることが求められております。
 このような中、県では社会経済情勢や住民ニーズの変化に伴う新たな行政課題を共有し共同で解決方策を検討する行政経営研究会を設けました。これまでファシリティマネジメントやICT活用などの課題に取り組みますとともに、市町の要請に応じてまして技術職員や広域行政に精通する職員等の派遣を行っております。
 また、平成二十七年度から過疎化が進む賀茂地域一市五町と県との間で広域連携会議を発足いたしました。消費生活センターや教育委員会指導主事及び幼児教育アドバイザーの共同設置、税の徴収事務の共同処理など着実に広域連携を具体化してきております。これらの取り組みは県内他地域の先例となります、横展開による活用やさらなる工夫も期待されるところでございます。
 一方、地域の活力向上に向けましては地域資源を活用した産業振興や交流人口の拡大、施策の重点化など地域が本来持っている魅力を最大限発揮させる不断の取り組みも必要であります。このため各市町の目指す姿に応じまして、庁内関係部局や地域局等の出先機関が専門的知識や現場の実情を踏まえて助言、協働するなど今後も各市町の地域活性化の取り組みを積極的に支援をしてまいります。
 県といたしましては、引き続き行政経営研究会などのさまざまな取り組みを通じまして、小規模市町に共通する行政課題の解決や県と市町または市町間の連携の加速化に努めるなど市町の持続可能な行政経営を積極的に支援し、県内全地域が誰もが努力をすれば人生の夢を実現し幸せを実感できる理想郷となりますよう努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 植田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 植田基靖君登壇)
○文化・観光部長(植田基靖君) 静岡県東京観光案内所の効果的な活用方法についてお答えいたします。
 東京観光案内所は、本県に来訪する観光客の三五%以上を占める主要なマーケットである首都圏の情報発信の拠点として設置され、来訪者への観光案内を初め静岡茶の提供や本県産品の販売、旅行会社やメディアへの営業活動、県内市町・観光関係団体等の首都圏におけます観光PRの支援等を行っております。特に首都圏の旅行会社やメディアに対しましては、ラグビーワールドカップの開催地である本県の魅力や駿河湾フェリーを組み合わせた旅行プラン等について積極的な営業や情報発信を行っているところであります。
 議員御指摘の県内市町等による案内所の活用につきましては、最近では伊東市や函南町などが案内所を拠点として特産品や観光地のPRを実施し効果的な情報発信を行ったところであります。今後につきましても、県内市町や観光協会等に利活用を働きかけるなど多くのお客様でにぎわうよう取り組んでまいります。
 一方、インターネットやスマートフォンの普及により観光情報の収集手段のデジタル化が進み対面による観光案内所の役割は低下傾向にありますことから、首都圏での効果的な情報発信のあり方について検討する必要があります。
 今後につきましては、現在経済産業部が検討を進めているふじのくにショールームとあわせて県内市町や観光関係団体等の御意見も伺いながら東京観光案内所の最適なあり方について検討を進めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 藤原健康福祉部部長代理。
       (健康福祉部部長代理 藤原 学君登壇)
○健康福祉部部長代理(藤原 学君) 結婚支援の推進についてお答えいたします。
 県では本年度、次期ふじさんっこ応援プラン策定のため少子化対策に関する県民意識調査を実施いたしました。結婚についての項目では独身者の約八割が結婚を希望している一方、結婚適齢期と言われる二十歳から三十四歳までの方の約半数が独身でいる主な理由として適当な相手にめぐり会わないを挙げております。
 現在、県内では主として市町や民間事業者が出会いの場を提供しておりますが、特に市町による取り組みの多くが、相手や地域が限定されがちである、イベント的でその後のフォローが十分に行えていないといった課題があると伺っております。
 茨城県や兵庫県では、県が市町、関係団体、企業などとの連携のもと結婚支援センターを運営し成果を上げており、センターの複数設置やマッチングシステムの導入など会員の利便性の向上に工夫を凝らしているとのことであります。
 県といたしましては、今後県内の出会いの場に関する取り組み状況を詳しく調査しその成果と課題を把握するとともに、他県の好事例について研究し市町や企業とともに結婚を希望する人がその希望をかなえ安心して子育てができる環境の整備に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 志村農林水産担当部長。
       (農林水産担当部長 志村信明君登壇)
○農林水産担当部長(志村信明君) ふじのくに美農里プロジェクトを活用した地域農業の活性化についてお答えいたします。
 ふじのくに美農里プロジェクトは、多面的機能支払交付金を活用しまして地域の共同作業による農地、水路、農道等の保全管理を支援することで担い手農家の維持管理作業の負担を軽減し農村環境の保全と担い手農家への農地集積を後押しする制度であります。これまでに県内で二百五十組織が一万五千二百二ヘクタールの農用地を対象に保全管理に取り組んでまいりましたが、近年活動の核となる人材の高齢化が進み事務処理の負担が大きいなどの理由から本プロジェクトの取り組み件数が伸び悩んでいる状況にあります。
 このため、事務処理につきましては交付金を用いた外部委託が可能であることなどを活動組織に提案しているところでありますが、さらに全ての優良農地にこの取り組みの拡大を図るためには本プロジェクトの効果や必要性を農村地域の住民の皆様に広く理解していただくことが重要であると考えております。
 こうした中、富士宮市の、いいな故里は、守ろう原睦み会が昨年度関東農政局長表彰に輝きました。これは小学生による地域発祥の和紙原料の栽培でふるさとへの愛着を育む取り組みや、県外出身者によるSNSを用いた広報などにより多様な主体の参画がふえた活動が高く評価されたものでありまして、移住者を含めた役員の世代交代にも成功した優良事例となっております。こうしたすぐれた活動を紹介する事例集を作成しまして活動組織やこれまで活動を行っていない農村集落に情報発信し、その重要性を理解していただくことで取り組みの拡大に努めてまいります。
 県といたしましては、本プロジェクトによる継続的な支援を通じて農地等の適正な管理の推進と担い手農家が営農に専念できる環境を構築し地域農業の活性化を図ってまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 今後に向けた小中一貫教育の取り組みについてお答えいたします。
 文部科学省が平成二十九年三月に行った調査によりますと、令和五年度までに小中一貫教育のうち設置済みを含め義務教育学校は百校が、また併設型小中学校は五百二十五校が全国で開校する予定となっております。
 県内では、平成二十六年度に併設型小中学校である沼津市立静浦小中一貫学校が、また平成三十年度には義務教育学校である伊豆市立土肥小中一貫校がそれぞれ開校し、令和元年度からは沼津市の全小中学校が併設型小中学校となりました。さらに複数の市町が小中一貫教育の方針や計画を策定し実施に向けた具体的な検討を行っております。また静岡市、浜松市におきましても併設型小中学校を設置しております。
 小中一貫教育は、議員御指摘のとおり子供たちの学習意欲の向上や学習習慣の定着、自己肯定感の高まり、教職員の教科指導力の向上などの成果がある一方で、児童生徒の人間関係の固定化や教職員の多忙化などの課題が指摘されております。これまでの小中学校とは制度上異なる学校を設置することは市町の判断によるものでありますが、その実施につきましては子供たちにとって最適な環境となるよう成果や課題を踏まえ地域の実情に対応していくことが重要であります。またその具現化に当たりましては保護者や地域の理解を得ながら進めることが大切であると考えております。
 県教育委員会といたしましては、小中一貫教育を推進する市町からの要望があれば先行実施している学校の事例等の紹介や教育課程に関する研究を行うなど市町の取り組みを支援してまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 伊藤和子君。
       (二十四番 伊藤和子君登壇)
○二十四番(伊藤和子君) 御答弁をいただきありがとうございました。
 それでは、要望二点と再質問一点をさせていただきます。
 まず、要望の一つ目でございますけれども、静岡県東京観光案内所の効果的な活用方法につきましては県民の皆様方からも大変御指摘が多いので早急に取り組んでいただきたいと思っております。県内の各市町そして各団体の情報発信のツールの一つと活用していただき静岡県全体のアピールができ、そして各地域のさまざまな物産等の販路拡大につながるものと期待しております。
 要望の二つ目でございますけれども、このふじのくに美農里プロジェクトは地域にリーダー的存在がいるかいないかでプロジェクトの活用に大きく影響し格差が生じてまいります。ここはですね、地域任せにするのではなく県が率先して指導していただきまして、特に未着手地域につきましては大きな力を入れていただき静岡県全体の地域農業の活性化につなげていただければと思います。
 続いて、再質問を一点させていただきます。
 森林認証材の利用拡大についてでございます。一般の消費者への認知度を高めて普及啓発をしていく中で、消費者にもっとメリットがなければ消費の拡大にはつながっていかないのではないかと思っております。
 県として、公共事業への認証材の拡大のみならず一般消費者へのメリットとしてどのようなことを考えていらっしゃるのかお伺いします。
 また、スターバックス、それからマクドナルドの紙製品はこれからFSC認証紙を使うことになります。ユニクロも購入した袋はFSCの認証紙のバッグにするそうですので、こういった大きな企業の動きと、そして地域の認証林や認証材の動きをリンクさせていくには県の後押しが必要となってまいりますので、どのようにお考えになっていくのかそのあたりをお願いいたします。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(志村信明君) 再質問にお答えいたします。二点いただきました。
 一点目につきましては、消費者へのメリットとしてどのようなことを考えているのかという御質問でございます。
 この森林認証材につきましては、農林水産省が行いました前回のアンケート調査によりますと  平成二十七年のものですが  約九割の方がこの森林認証材製品を購入したいといった、そういった調査結果もございます。そういったことから、この認証材はトレーサビリティーが証明されているといったことから環境によいものですとか、あるいは愛着のある地域の木材を使用したいと、そういった消費者の方々にとりましてはそうしたことを納得した上で購入できると、そういったメリットがあるものと考えております。
 また、認証材を利用することは、先ほどから答弁や御質問でいただいておりますように地域の環境や地球環境の保全につながるものでございます。そうしたことから環境問題に意識の高い、そうした一般の消費者の皆様にとりましてはこの認証材を利用するということで環境保全の取り組みにも貢献していると、そういうことが実感できるものであると考えておりまして、メリットといいますか、そういったことで御協力をいただければと思っております。
 二つ目でございますが、大きな企業の参加ということでございます。先ほどの答弁でも御紹介したふじのくに木使い推進会議というものを持ちまして、環境への配慮に積極的な企業の皆様を招いて認証材利用の意義を共有するという取り組みを進めてまいります。そうした中で御紹介にありましたような企業の皆様にも参加していただきまして、そしてまた大企業の皆さん、そうした方々にも参加していただきまして、またよい事例につきましてはSNS等を使いまして広く広報するということで多くの皆様に参加していただく、そういったことで普及させていきたいと思っております。以上でございます。
○議長(鈴木利幸君) 伊藤和子君。
       (二十四番 伊藤和子君登壇)
○二十四番(伊藤和子君) ありがとうございました。
 それでは最後に一点、要望させていただきます。
 静岡県の認証材を今後どのように展開していくべきか、県にとりまして私は大きなテーマとして捉えていただきたいと思っております。そして認証材がもっと幅広い分野で利用されもっと県民の皆様に身近なものになってもらえるような、そんな明るい未来に期待しております。以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(鈴木利幸君) これで伊藤和子君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩します。
 再開は十五時ちょうどとします。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp