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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成26年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

天野 一 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/05/2014

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの現状認識と将来について
2 富士山静岡空港の現状認識と今後の計画について
 (1) 空港機能のあり方
 (2) 新幹線空港新駅
3 デザインセンター廃止後の現状について
4 県立中央図書館について
5 県立公文書館について
6 全国学力・学習状況調査について


○議長(多家一彦君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十二番 天野 一君。
       (六十二番 天野 一君登壇 拍手)
○六十二番(天野 一君) 私は自民改革会議所属議員として通告に従い、当面する県政の諸課題に対し県知事及び関係する部局長並びに教育長にお伺いします。一括方式でお願いします。
 初めに、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの現状認識と将来についてお伺いします。
 平成二十三年度から、静岡県では富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりを掲げ、有徳の人材を育て、物心ともに豊かな社会を築き、地域主権に向けて「住んでよし 訪れてよし」、「生んでよし 育ててよし」、「学んでよし 働いてよし」の理想郷の実現を目指し三年半が経過しました。しかし平成二十六年十一月一日現在の本県の人口は三百六十九万七千百三十四人。平成十七年の三百七十九万人をピークに減少が続き、七月には平成四年七月以降二十二年間続いていた人口三百七十万人を割り込み、本格的に人口減少県となりつつあります。また総務省が公表した二〇一三年の人口移動報告によると、本県は転出者が転入者を上回る転出超過が六千八百九十二人で、最多の北海道八千百五十四人に次ぐ全国ワースト二位であります。転出超過は十二年の三千九百五十二人から増加し、人口流出が拡大しています。全国の市町村別では、沼津市は六番目に転出者が多く、静岡市と浜松市の両政令市も転出超過となりました。この数字を見ると、住んでよしという本県であるのか心配になります。本当に住んでよしの地域であれば人口増に結びついてよいのではないでしょうか。また、ことし七月に東京商工リサーチがまとめた全国企業の財務データ分析調査によると、赤字企業率は静岡県は三一・七%と全国で二番目に高く過去二年連続のワースト一位に続き、依然として憂慮すべき状況にあります。さらに雇用面では、県内の有効求人倍率は二十九カ月ぶりに全国平均に追いついたものの正規雇用が約九万人減ったというショッキングな事実もあり、これらからも働いてよしの本県なのか疑問が残ります。いずれにせよ、静岡県は「住んでよし 訪れてよし」、「生んでよし 育ててよし」、「学んでよし 働いてよし」の理想郷とはほど遠いところにあるのではないかと感じるのは私だけでしょうか。
 現在、ふじのくにづくりの総仕上げに向け、平成二十六年度から平成二十九年度を計画期間とする後期アクションプランが実施されているところでありますが、そこでお尋ねします。日本の理想郷をつくるため施策が適切なのか。現状の認識と将来についてどう考えているのかお伺いします。
 次に、富士山静岡空港の現状認識と今後の計画についてのうち、空港機能のあり方についてお伺いします。
 県は先月、富士山静岡空港の二〇一三年度収支について一般財源として五億一千八百万円を投入したと発表しました。前年度からわずかに改善したものの、開港から五年連続の赤字となっております。無論、静岡空港には社会資本としての役割もあり、単純な収支だけでなく経済効果などにも着目しなくてはならないことは十分承知しております。今後も県が主体となり路線誘致や敷地の活用で収支改善を目指していくと同時に、県民もともに静岡空港の利用拡大を推進する体制を構築することが重要であると考えます。しかし最近は空港の便数や利用者の拡大を目指すべきところが、いつの間にか防災活用のための空港としての議論が中心になっていると感じます。大規模震災災害発生時の防災拠点としての優位性があるとの考えは否定しませんが、空港周辺整備などを含めて約一千九百億円のコストをかけ交通インフラとして設置した意義が曖昧になっているのではないでしょうか。
 開港して五年が経過し、旅客ターミナルビルの改修・増築工事などの投資も予定し、空港機能のあり方も含め今後どのような空港を目指していくのか改めてお伺いいたします。
 次に、新幹線空港新駅についてお伺いします。
 最近の県の空港利活用の情報に違和感を覚えるのは私だけでしょうか。例えば新幹線空港新駅構想です。空港新駅は何のためにつくろうとしているのでしょうか。発端は静岡空港の利活用向上のはずが、いつの間にか防災のための空港新駅の議論に変わりました。空港新駅は災害時の人員・物資輸送や富士山噴火への備え、首都圏空港の代替施設としての優位性があるとの考えは決して否定しません。これを静岡空港の利活用上の施策の一環とすることは全く別の次元の話だと私は考えます。東日本大震災時のように、鉄道はレールや架線が破損してしまえば全く役に立ちません。ましてや停電時には新幹線は動きません。十月の台風十八号のように、JR東海道線の復旧もやっとの状態では何をか言わんやです。またJR東海と具体的な協議が進んでいない中で、その建設費用も明確にならないとは思いますが、相応の県民負担が生じることになります。このようなことからいま一度、県民に対してその役割、必要性をしっかり説明し、十分な理解を得た上で進めていくことが必要ではないかと考えます。
 そこで、新幹線空港新駅の役割についてどう考えているのかお伺いいたします。
 次に、デザインセンター廃止後の現状についてお伺いします。
 平成十三年三月、県中小企業総合指導センターの廃止に伴い静岡県デザインセンターが廃止され、デザインセンターが実施していた業務は本庁、県工業技術研究所、財団法人しずおか産業創造機構へ移行しました。デザインセンター廃止から十三年が経過しましたが、現在の状況を考えるとデザインセンターを廃止して本当によかったかどうか改めて検証する必要があると考えます。今、伝統工芸品産業界は惨たんたるありさまであります。その大きな原因の一つは、県の施策としてデザイン部門において伝統工芸技術よりも先端産業技術に重きを置いた人材の配置や研究開発を実施してきた結果ではないでしょうか。デザインセンター廃止当時、業界を初めとする識者はかねがね静岡文化芸術大学に地場産業デザイン学科を設置できないものかと訴えてまいりました。その理由の一つとして、地場産業デザイン学科の学生が静岡県の伝統工芸職人とコラボレーションし、駿河漆器、駿河蒔絵、竹千筋ほか、多くの地場産業といった伝統工芸品の技を用いて現代のライフスタイルにマッチした新製品をデザインするようになればという考え方でありました。最近ではアジア諸国の富裕層や中間層が、エンターテインメント、おしゃれ、やすらぎ、健康などに価値を見出し始め、我が国のファッション、コンテンツ、伝統工芸品などクールジャパンへの評価が、欧米のみならずアジア諸国で高い評価が出てきております。こうしたことから、担い手である職人、クリエーター、中小企業を世界市場へ結びつける新たな構想のもとでブランド戦略、販路開拓、マーケティング、プロモーションを一貫して支援できるよう工業技術研究所や地域の大学等と連携を図ることも必要であると考えます。
 そこで、県ではこうした現状を踏まえ、デザインセンター廃止から十三年を経過した今、今後地場産業や伝統工芸品の振興にどのように取り組んでいくのかお伺いします。
 次に、県立中央図書館についてお伺いします。
 図書館は、県民が人生におけるさまざまな課題を解決する場として、また心や生活を豊かにするための知恵があふれる場として身近な情報拠点の役割を長らく果たしてまいりました。しかし現在はインターネットの普及、電子書籍など紙の本の居場所がどんどん狭くなってきております。さらに図書館を無料の貸し本屋と考えている人や、図書館員を単なる貸し出しの受付の事務員だと思っている人も多いのではないでしょうか。これは図書館が調べる、考える、解決するための情報や資料を提供してくれる情報センターであり、県民の生活に大いに活用できる社会教育施設であるということを十分認識されていないということであります。一方では価値観の多様化や人口減、財政難という課題があり対応が求められている状況にあります。
 このような中にあって、静岡県立中央図書館では関係者の努力で読書県しずおかをつくるべく広く県民へのサービスが行われ、頑張っていると評価いたします。県立図書館には来館者はもとより市町立図書館及び図書館職員と市町の図書館施策を支援するという使命があります。同時に地域資料を初めとする資料全般の収集、保存に中核的な役割を果たし、長期的、全県的な資料保存のセンターとなるべきものであります。また県内公共図書館のネットワーク構築のかなめとなり、全体として、より高度な図書館システムとして組織され重層的なサービス活動ができる体制をつくることが求められてきております。
 よりよい図書館づくりのために活動することを目的に県民で組織されている団体で静岡図書館友の会では、このたび県立中央図書館の使命を果たすために必要なこととして、一つ、県立図書館機能を発揮できる直営による体制の維持と施設の充実、二つ、県立図書館にふさわしい十分な資料費、運営費の確保、三つ、継続的な運営を担える専門性のある職員体制による継続的な運営が重要だと訴えております。しかし近年の県立中央図書館の資料充実費の推移を見てみますと、平成二十一年には一億円あったものが、以降年々減少し、平成二十六年には七千三百五十万円になってきております。
 このような状況の中、今後、図書館の役割をしっかりと果たしていくためにはどのようなことが必要だとお考えなのかお伺いします。
 また、現在の県立中央図書館は一九六九年に建設され、全国で八番目に古くなってきております。電算システムの導入やホームページの開設のほか平成二十二年に耐震補強工事を行ってきておりますが、時代のニーズに応えるには建物も手狭になってきており、県立図書館にふさわしい施設とは言えなくなってきております。
 そこで、これからの県立図書館のあり方について、移転や改築を含めどのようにお考えであるかお伺いします。
 次に、県立公文書館についてお伺いします。
 公文書館は、歴史資料として価値のある公文書を保存し公開する場所です。例えばより多くの公文書を東静岡駅周辺のような利便性の高い場所で公開することにより、県民が公文書を通じて本県の歴史や文化を学び研究する場ともなります。そしてこのような公文書を通じて得られた地域情報は地域の財産とも言うべきものであり、これらが過去と未来をつなぐ知の集積として記録され、地域においてさまざまな分野で活動する多様な主体に活用され発信されることにより地域コミュニティーをより豊かにし、新たに人と人、人と地域をつなぐ力として地域に輝きをもたらすものになるものと私は考えます。ところが静岡県には公文書館がありません。四十七都道府県のうち三十四の都道府県は既に建設をされております。私は過去に何度か質問をし、本県では歴史的文書閲覧室を設け、歴史的公文書を公開しているとの答えをいただいておりますが、まだまだ十分なものとは言えません。
 歴史的に価値のある公文書を後世に継承し県民に向けサービスとして公開するため、一層の方策を講じていく必要があると考えますが所見をお伺いします。
 次に、全国学力・学習状況調査についてお伺いします。
 静岡県では、昨年度に引き続き平成二十六年度全国学力・学習状況調査に参加した県下五百六の小学校のうち、国語Aの成績が全国の平均正答率以上の二百六十二の小学校、全体の五一・八%の校長名を公表しました。マスコミは知事と教育委員会、また下村文部科学大臣とのやりとりを大きく報道しました。私はここで三者が議論した公表の是非について議論はいたしません。なぜならば公表された学力調査結果は今後の学習指導に役立つものとしなくてはならず、そこにこそ議論すべき課題、問題点があると考えるからであります。
 私が危惧していることが二点あります。
 第一点は、余りにも平均正答率に世間が振り回されていることです。資料の代表値として最もよく用いられるのが平均値です。しかし平均値は代表値として決して万能ではなく、データに関する間違った先入観を与えてしまうことがよくあります。このことを説明するよいデータがあります。総務省統計局がまとめた平成二十五年の家計調査年報を参考にします。日本における勤労者世帯の貯蓄高の平均は千二百四十四万円です。このことはテレビや新聞紙上で発表されますが、普通の家庭の感覚とずれがあります。実際、平均値を下回る世帯が全体の約三分の二を占め、貯蓄の低いほうに偏った分布をしています。他方、貯蓄額が二千五百万円以上四千万円未満の世帯が七・九%、四千万円以上の世帯が五・七%になることに注意する必要があります。このデータの場合は中央値七百三十五万円のほうが現実の感覚に合っています。学力調査の結果を示す代表値として平均正答率は必ずしも適切ではないのではないでしょうか。例えば子供たちの平均点が五十点というだけでは学習集団の中で子供たちのテスト結果がどのような分布状況なのかわからず、今後の指導方針や指導方法を定めることは困難です。結果、その方針、方法を定めることのできるのは平均点ではなく子供の本当の学力を知る現場の教師の力ではないかと考えています。
 そこで、教育長にお伺いします。今回の調査結果をもとに、単なる調査対策ではなくて教師が確かな指導力を身につけ、子供は学びの基礎力、生きる力を伸ばしていくため、今後どのような指導方針や指導方法をとられていくのかお伺いします。
 第二点、子供たちへの影響です。もっと言えば子供たちの後ろにいる保護者への影響であります。子供たちと同時に保護者の理解が得られないと学校教育は成り立ちません。今回の公表に私は子供たちへの愛情を感じることができませんでした。子供たちは公表によって何を感じ何を考えたのでしょうか。特に全国の平均正答率を下回った学校に通う子供たちが不安になるのを教育的に影響があらわれていないかどうか、その点について教育長にお伺いします。以上について回答を求めます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 天野一議員にお答えいたします。
 十二月議会の最後の質問を締めくくるにふさわしい、大変厳しい内容でございまして、平成二十六年――二〇一四年、しっかり反省するべきところを反省し、平成二十七年度、すばらしい静岡県にするように励ましの御指摘だったというふうに受けとめた次第でございます。
 さて、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの現状認識と将来についてであります。
 私は、世界の宝となりました富士山を仰ぐすばらしい静岡県の大地に「住んでよし 訪れてよし」、「生んでよし 育ててよし」、「学んでよし 働いてよし」の日本の理想郷を築こうと全力で取り組んでおります。御年七十二歳になられる天野先生を見ておりますといかにも幸せそうで、いつぞやハワイでお孫様といい時間を過ごされていたのを考えたりしておりますと、これらに加えまして「生まれてよし 老いてよし」の理想郷というのもつけ加えられるかという思いでおります。こうした県民が満足度最高にするために、総合計画後期アクションプランを定めた次第でございますけれども、県議会を初め各界各層の皆様に御参画を賜って県民の英知を結集して策定したものでありますので、私はこれを県民の県民による県民のための計画であるということで、それぞれがそれぞれの分に応じてこの地域をよくしていこうということで御参画いただくことを期待しております。
 議員御指摘のとおり、本県は人口減少並びに景気の低迷など辛い事実に直面しております。人口減少には自然減と社会減がございますけれども、私が就任しましたときの合計特殊出生率は一・四三でございました。それが今一・五三に上がりました。中には三十五市町の中で裾野市、長泉町のように一・八二まで上がったところもございます。二・〇七というのが人口を維持する合計特殊出生率の数字でございますけれども、これは決して夢ではないと。そしてまた本県独自の調査によりますれば大体二人から三人ぐらいのお子様に恵まれたいというのがカップルの希望でございますので、こうしたものが後期アクションプランの中に入っております。
 そしてまた、景気の低迷は、私が就任しましたときのいわゆる有効求人倍率は最低でございました。それがついに一を上回り全国と並んだということで、なるほど非正規雇用が増したというのは静岡県だけでなくて日本全体で、恐らくこれは小泉内閣のときの竹中大臣などの経済思想の影響ではないかというふうにも思います。人を商品のように、いらなくなればすぐにポイ捨てできるような、そういう人の扱いというのは基本的に間違っていると私は考えております。ともあれ、まずは人々が仕事につけるということが大切で、この方面におきましてもそれなりに失業者も平成十九年の五万五千を下回る五万四千人になっておりますので、V字型の回復とまではいかなくても底はついてこれが回復基調にあるという認識を持っております。
 ともあれ、これらの追い風をさらに順風にするために、後期アクションプランには人口減少社会への挑戦、新成長産業の育成と雇用創造など八つのテーマを重点取り組みと位置づけておりまして、強い危機感とスピード感を持って推進してまいる所存であります。
 人口減少に関しましては、今月中にいただく有識者会議からの御提言を踏まえまして県としての施策を取りまとめた上で、各界各層の皆様とともに県民会議を立ち上げ、東京一極集中に歯どめをかけて人の流れを呼び込む施策をオール静岡で強力に推進してまいります。来年の四月からは、この人口問題については恐らく日本におけるトップの識者と言っていい鬼頭宏先生が県立大学の学長に御就任されますので、そうした身近で立派な方の御助言をいただけるという環境も今整えつつあります。
 また、経済回復に向けた動きを確実なものとするため、産業成長戦略会議におきまして官民一体となった産業成長戦略の検討を進め、本県産業の力強い再生と一層の活性化を図り、次世代産業の創出につなげてまいります。この戦略会議には経営者協会の会長岩崎氏が入っておられますけれども、山梨県、長野県と経営者の三県合同の会議があるそうでございますが、他の二県の方々からも大変関心と評価をいただかれたという、そういう御感想もいただいております。
 国のほうも、地方創生しか成長戦略が見出されなくなっているほど、今、国と地方との関係が大きく転換しようとしております。こうした転換期の中、我々は人口問題については社会増で人口維持をしている東京。まさにアリ地獄というように形容することができる東京。この東京の時代というものを地方創生によって幕を閉じさせると。花道が東京オリンピックであるというように考えまして、ポスト東京時代の日本の理想郷を創るという気概を持ちまして、国の国土強靱化に先駆け防災・減災と地域成長とを両立させる、美しくかつしなやかな、つまり強靱な静岡県をつくるべく、そうしたフロンティアとして中山間地域、美しい景観に恵まれた内陸のフロンティアとして、そこを拓く取り組みや本県の魅力を最大限高めるふじのくにの食・茶・花の都づくりなど日本における本県の中心性を高め、全国のモデルとなる取り組みを積極的に推進してまいります。
 実際、本年――平成二十六年を閉じるに当たりまして、今や世界水準のものが伊豆半島、富士山、南アルプス、茶草場、そして音楽都市としてユネスコの創造都市に選ばれたということで、ついに、恐らくこれほどの環境に恵まれた地域資源に恵まれたところはないというふうに思っておりますので、これらを足がかりにいたしまして後期アクションプランが目指す県民幸福度最大化に向けまして、今後とも県議会や県民の皆様から御意見をいただき、それに真摯に耳を傾けまして常に柔軟に施策の改善を図り計画の実効性を高めてまいろうと思っています。
 日本の理想郷づくりに全霊を挙げて邁進してまいりますので、天野先生を初め県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、富士山静岡空港の現状認識と今後の計画についてのうち、空港機能のあり方についてでございます。
 富士山静岡空港は、国内の遠隔地やアジアを中心とした国・地域と本県を航空路線で直接結ぶもので、観光、ビジネスなどさまざまな交流や物流を促進する重要な社会資本です。開港以来、既に二百七十万人余りの方々に御利用いただいております。国内外から来静された皆様の県内での消費活動等により毎年二百億円前後の経済波及効果が推計されております。そのほか修学旅行など身近にある空港を利用した海外経験を通じて県民の皆様の国際感覚も培われていると。そうした効果が相乗的に空港の存在感を高めているというふうに存じます。このため交通インフラとしての空港の本来の機能を最大限発揮できるように、航空会社に対しまして増便や新規路線の開設などを働きかけております。それとともに、やはり空港ターミナルのビルの持っている問題点も五年余りたちましてわかってまいりました。そこで、その問題点を解消するべく増改築や二次交通の改善などにより空港の利便性を高め、年間利用者数七十万人の早期達成に向けて全力で取り組んでまいります。
 やはり、平時にはこうした経済効果、また人々の国際感覚を高めると同時に有事にも役に立つということが極めて大切でございます。富士山静岡空港は南海トラフの巨大地震や富士山噴火などの大規模災害が発生した場合、あるいは東京に直下型の地震が発生した場合など空路を活用した応援部隊の受け入れや広域医療搬送等の機能を発揮し得る大規模な広域防災拠点として、既に国のほうでも例示されているところでございます。当然それは県民の安全・安心に大きな役割を果たすものと考えております。
 新幹線と空港とが一体になっているところは、日本広しといえどもほかにございません。そしてまた、当初は新幹線と本県の空港とが必ずしも両立しないというような意見もありましたけれども、今や両方ともウイン・ウインの関係になり得るという認識が高まっております。またJR東海と静岡県との関係も当初は極めて厳しいものがあったというふうに承知しておりますけれども、既にそのトップ、今でもトップでいらっしゃる葛西会長さんが本県に来られて私を歓待してくださるなど、さらにことしになりまして山田会長、柘植社長がお二人そろって表敬に来られるなど信頼関係が醸成されております。加えて原町近辺におきまして線路をまたぐ南北通路、かなり立派なものでございますけれども、これにつきましてもJR貨物は言うまでもなくJR東海のほうからも大変好意的な態度をいただいているわけでございます。何をするにつきましても、まずは人と人の信頼関係がないと前に進みません。ですからまず人の心と心とがしっかりきずなで結ばれると。信頼関係で結ばれるということが大切であって、今、空港問題につきましてもそうした醸成ができつつあるというふうに認識しております。
 私どもは、まずは富士山静岡空港の、県政発展に不可欠な交通ネットワークの核とするということ。そしてまた航空路線の充実、空港機能の強化に全力で取り組むとともに、いざというときに日本の役に立つためにも防災拠点機能をあわせ持った他に類を見ない魅力あふれる富士山静岡空港の実現を目指そうと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(多家一彦君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 富士山静岡空港の現状認識と今後の計画についてのうち、新幹線空港新駅についてお答えいたします。
 富士山静岡空港への新幹線新駅の設置は、国内初となる空港と高速鉄道の結節により東名高速道路や新東名高速道路、御前崎港と連携した陸・海・空の交通ネットワークが強化され、本県の産業や経済、観光の振興等に大きな効果をもたらすものと考えております。新駅は国家的な見地からも首都圏空港の一翼を担う富士山静岡空港のアクセス強化につながり、空港の利用促進や県内外からの来訪者の利便性向上、空港周辺の魅力あるまちづくりの拠点として地域の活性化に大きく寄与するなど多面的な役割を担う重要な社会基盤となります。また南海トラフ巨大地震等の災害が発生した場合において、自衛隊などの応援部隊の集結、展開や物資輸送、人員の受け入れが容易になるなど大規模な広域防災拠点としての富士山静岡空港のポテンシャルを一層高めることとなります。
 県といたしましては、さまざまな機会を通じて新駅の役割や重要性を県民の皆様にわかりやすく説明するとともに、県議会の皆様と連携し国の協力も得ながら新駅設置をJR東海に働きかけてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 土屋経済産業部長。
       (経済産業部長 土屋優行君登壇)
○経済産業部長(土屋優行君) デザインセンター廃止後の現状についてお答えいたします。
 県では、中小企業のものづくりにおいてデザインを戦略的に活用することは極めて重要であると認識しております。そのためデザインセンター廃止後の平成十三年度からは民間デザイナーの紹介やデザイン開発指導など工業技術研究所や静岡県産業振興財団において各機関の専門性を生かし、連携して支援しております。具体的には家具等の地場産業や伝統工芸品の生産者の皆様方から伝統のよさを現代に生かすデザインを求める声が多いということから、昨年度は若手デザイナーと職人が協力して六工芸品、四十六種類の新製品を製作し、首都圏等において販路開拓する事業を支援いたしました。また先月二十六日から三日間、東京ビッグサイトで開催されました国際家具見本市に県ブースを設置いたしまして、静岡県産材をテーマに県内の企業十一社と工業技術研究所、デザイナーが連携して杉やヒノキを使った家具、内装材、げた等の商品を紹介したところであります。
 県といたしましては、今後とも販路拡大を図るため中小企業とデザイナーとのマッチング会の開催や、すぐれたデザインの商品を展示商談会等で紹介するなど地場産業や伝統工芸品産業に対して積極的に支援をしてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 県立中央図書館についてお答えいたします。
 読書県しずおかを目指す本県にあって、県立中央図書館はその中心的な役割を担うべく調べる、考える、解決するを合い言葉に子供と大人の読書活動の推進、所蔵資料を活用してさまざまな疑問や課題を解決する相談サービスの充実、市町立図書館をサポートするための機能の強化などに努めてまいりました。
 県教育委員会では、平成二十四年度に県立中央図書館の十年後の目指すべき姿を三本の柱としてまとめました。一つ目は、知の財産を生かした生涯学習社会実現のための図書館。二つ目は、網羅的な地域資料の収集によるふじのくにのことなら何でもわかる図書館。三つ目は、ネットワークの強化による市町立図書館を強力にバックアップする図書館であり、現在この三本の柱をもとに運営に取り組んでいるところであります。
 議員御指摘のとおり、昨今の図書館をめぐる情勢には厳しいものもありますが、県立中央図書館の果たすべき役割、目指すべき姿の実現のため、かなめとなる図書資料の充実など必要な予算の確保に最大限努め県民の学びのニーズに応えてまいります。また将来を見据えた生涯学習の拠点となる県立の図書館としてどのような施設、設備、組織が必要なのか、施設の規模や立地も含め関係部局と調整しながら検討を進めてまいります。
 次に、全国学力・学習状況調査についてであります。
 県教育委員会では本年度、市町教育委員会と連携した調査直後の自校採点による早期対応策を実施し、問題の傾向や子供たちの学びの現状、授業改善のポイントなどをまとめ七月に学校へ配付いたしました。各学校におきましては、校内研修等で活用することにより学習集団の分布、一人一人の子供の状況などについての把握や課題解決に努めているところであります。
 公表における教育的な影響につきましては、昨年度の公表を受け調査への意識が高まり本年度の結果につながった一方、学校現場からは、特に校長名が掲載されなかった小学校において責任を感じている子供や保護者がいたとの報告も受けております。なお調査の目的は教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることにあります。県教育委員会では本調査をより実効性の高いものにするため、小学校五年生及び中学校二年生を対象に秋に実施することや、平均正答率のような相対的な評価ではなく、到達目標の数値をあらかじめ明示することなどを意見書としてまとめ文部科学省に提出したところであります。
 今後も、調査結果を有効に活用し、本県がこれまで大切にしてきた子供を中心に置いた授業づくり、学校づくりを着実に行ってまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 下山経営管理部長。
       (経営管理部長 下山晃司君登壇)
○経営管理部長(下山晃司君) 県立公文書館についてお答えいたします。
 歴史資料として価値のある公文書は県民共有の貴重な財産であり、より多くの公文書を適切に保存し県民がいつでも利用できるようにすることは県の責務であると認識しております。このため国立公文書館の指導助言を受けて選別基準を設け、専門研修を受けた職員が歴史的文書を選別しております。選別した文書は四万七千冊を超え、この中には静岡大火に関する文書や東海地震説が発表される前に実施した地震図上演習に関する文書など県民の皆様の学習や研究に活用できる文書が含まれております。また歴史的文書をインターネットで紹介したり、県庁や県立中央図書館で企画展示を行うほか、県史編さん資料とあわせて閲覧できるワンストップサービスを歴史的文書閲覧室で実施するなど県民の皆様により親しんでいただけるよう努めております。
 今後とも、歴史的文書の保存と公開を一層拡充させるとともに、ホームページを活用したPRや他の機関と連携した企画展示等を進めていくことにより、歴史的に価値がある公文書の保存、公開を初めとした公文書館機能をこれまで以上に充実させてまいります。以上であります。

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ファックス番号:054-221-3179

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