本会議会議録
答弁文書
令和2年6月静岡県議会定例会
佐地 茂人 議員(自民改革会議)の 一般質問 に対する答弁
(質問日:06/30/2020番目)
答 弁 者 | : | 知事 |
○副議長(良知淳行君) 川勝知事。
(知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 佐地議員にお答えいたします。
マリンバイオテクノロジーの産業応用についてであります。
先端バイオテクノロジーを活用して新しい産業創出を目指すマリンオープンイノベーションプロジェクトは、昨年七月にプロジェクトの推進機関であるMaOI機構を設立いたしまして、十月には産学官金のネットワークであるMaOIフォーラムを立ち上げました。こうした形で官民を挙げて研究開発や事業化に向けた取組を展開している最中であります。
新型コロナウイルスの感染拡大によりセミナーの開催が延期されるなど一部事業の実施に影響が出ておりますが、大学や研究機関における研究開発や民間企業を中心とする事業化への取組などは着実に進んでおりまして早くも成果が現れつつあります。
具体的に申し上げますと、研究開発の面では慶應義塾大学医学部と県水産・海洋技術研究所との共同研究により本県産の魚介類から網膜疾患の治療に有効な成分が確認され国際的な学術誌ニュートリエンツに論文が掲載されました。また事業化の面では、海洋の微生物を活用したサバ発酵調味料を用いたハラール――イスラムの方たちの戒律に応じた食のことでございますが――ハラール対応の鯖ラーメンがドバイで開催された中東最大規模の総合展示会で高い評価を得たということでございます。
本年秋には、清水マリンビル内にプロジェクトの中核拠点施設となるMaOI−PARCを開設いたします。そこで研究開発と事業化の基盤となるオープンデータプラットフォームを構築いたします。県内外の大学やJAMSTEC――海洋研究開発機構、またNITE――経産省の製品評価技術基盤機構などの研究機関と連携いたしまして駿河湾の海況や微生物、環境DNA、最先端の海洋研究の状況など静岡の海に関する多様なデータを集積し企業や研究者に橋渡しをいたします。データが集積し使えることで人が集まり、オープンイノベーションにより新たなビジネスが創出されてさらに人と人との交流が生まれるという好循環につなげていこうという考えでございます。
あわせて、海洋生分解性プラスチックなどの研究も東京工業大学や民間企業と連携しながら進めており、海洋資源の保護や海洋環境の保全にも精力的に取り組んでまいります。
議員御指摘のとおりファルマバレーなど他の先端プロジェクトとの連携促進を図りまして相乗効果を高めていくことが重要です。ファルマバレーと連携した海洋微生物由来の新たな医薬品の開発やフーズ・ヘルスケアと連携した魚介類の新しい機能性成分の探索にも取り組み、その成果を社会実装し健康寿命の延伸につなげていくなど親和性の高い他のプロジェクトとの連携を深めてそれぞれの知見と成果を最大限に生かしつつイノベーションの創出に努めてまいります。
県といたしましては、このような県内外とのネットワークの構築によりMaOI−PARCを中心としたマリンバイオテクノロジーの世界的な拠点を形成いたしまして、産業応用の具体的な成果につなげてまいります。以上であります。
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