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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成19年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

中谷 多加二 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/11/2007

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:

1 限界集落について                         
2 しずおか光ファイバ整備構想の実現に向けた取り組みについて                               
3 乾燥木材の供給体制の整備促進について               
4 メタボリックシンドローム対策について               
5 観光施設としての浜名湖ガーデンパークの活用について        
6 元静岡県クレー射撃場の環境対策について              
7 F1日本グランプリ開催の評価と今後の取り組みについて



    ○議長(佐野康輔君) ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、四十三番 中谷多加二君。
            (四十三番 中谷多加二君登壇 拍手)
    ○四十三番(中谷多加二君) 私は本年二月議会での代表質問に続きまして二回目の質問をいたします。知事及び関係部局長、教育長にお伺いをいたします。
     最初に、限界集落について伺います。
     近年、人口の減少と高齢化の進展により、その存続が危ぶまれている集落が全国で急増し問題となっております。長野大学の大野晃教授は、六十五歳以上の高齢者が集落人口の半数を超え地域共同体としての機能の維持が困難になっている集落を限界集落と定義づけていますが、昨年度国土交通省と総務省が過疎地域に指定された全国の市町村に対して実施したアンケートによると、六万二千余の集落のうち七千八百余の集落で六十五歳以上の高齢者が集落人口の半数を超えたとのことでありますし、また浜松市天竜区や伊豆半島を初め県内でも高齢者の割合が年々高くなってきている地域がふえております。
     このような集落では、冠婚葬祭や生活用水の確保などの日常生活でのさまざまな共同活動が継続できなくなったり、神楽などの伝統芸能や集落独特の風習が喪失してしまうだけでなく、山の荒廃や田畑の放棄も進み水源涵養や森林保全等の公益的な機能も低下するなど、国土保全の観点からも今後深刻な事態となることが懸念されます。
     こうした中、さきの新聞報道によれば本年十月京都府綾部市において全国から八百五十人もの参加者を集めて、限界集落の活性化を目指す全国水源の里シンポジウムが開催され、この中で水源の里条例を制定し限界集落を水と空気を生み出す水源の里として積極的に位置づけ、集落の住民による主体的な地域づくり活動を支援している綾部市の取り組みについての報告があり、多くの参加者の関心を集めたとのことであり、また先月の三十日には東京で限界集落を抱える自治体が連絡協議会を開催し取り組みの先進事例などを紹介しました。
     私も、地域と地元の市町が一緒になって地域の活性化に取り組み集落の皆さんが生き生きと暮らすことのできる地域を創出していくことが、限界集落の問題に対応する上での基本的な考え方になってくるのではないかと考えます。今後静岡県内においても同様の問題が発生することが懸念されるところでありますが、こうした現状について県としてどのように考えているのか所見を伺います。
     次に、しずおか光ファイバ整備構想の実現に向けた取り組みについて伺います。
     情報通信サービスは今や私たちの日常生活やビジネスに欠かせないものとなっており、県内でのブロードバンドサービスの世帯普及率は既に五〇%を超えております。このうち近年都市部を中心に急速に進展する光ファイバーにつきましては、県内の世帯普及率が本年三月末現在で一三%全国第十七位という低い状況にあり、世帯カバー率においても約七六%と十分な整備がなされていない状況にあります。東海道沿線の都市部を離れるとほとんどその整備がなされておらず、天竜川流域の北遠山間部などの広大な地域でその整備が待たれております。
     私は、そもそも高速大容量の光ファイバー通信網のような全県のどこにいても利用可能になるという情報通信基盤は、交通基盤の整備がおくれている地域の交流手段として、また遠隔医療や遠隔教育といった住民生活の手段として、山間部などの条件不利地域においてこそ不可欠な社会資本であり、現在の流れは全く逆で、中山間地域における情報通信格差の解消は喫緊かつ重要な課題であると考えております。(「そのとおり」と言う者あり)はい、ありがとうございます。
     こうした県民の期待にこたえ、知事は昨年度の県議会定例会において、陸・海・空の三次元にわたる交通基盤に加え情報通信基盤を第四の重要な社会資本ととらえ、情報格差の解消に向け県として積極的に取り組むと力強く答弁されました。本年三月には条件不利地域のブロードバンド環境の整備に向けたしずおか光ファイバ整備構想が策定されたところでもあり、今後の展開を注目をしております。
     ところで去る十一月の新聞報道によりますと、NTTはこれまで二〇一〇年に全国で三千万件の光ファイバー回線の普及を目標に掲げてきましたが、需要の拡大が思うように進まないことからその目標を二千万件に下方修正しました。総務省が二〇一〇年までに国内でブロードバンド利用の空白地域解消を掲げる政策に影響を与えかねないとも報じられております。
     私は、こうした状況にあっても本県が進める光ファイバー整備におくれが出ることがないよう、引き続き県と市、町、事業者が連携し、県が掲げる構想の早期実現に向けた取り組みを力強く推進していただきたいと考えております。本年度は県の構想の具体化に向け市や町が地域整備計画の検討を行っているところであると伺っております。
     そこで、現在の市や町の整備計画への取り組み状況はどうか、また今後構想の実現に向けいかに取り組むのか知事の所見を伺います。
     次に、乾燥木材の供給体制の整備促進について伺います。
     天竜地域を初め県内各地の伐採現場では、古くから「葉枯らし」という伐採した木に枝葉をつけたまま一定期間林内に放置する方法により杉などの丸太の乾燥を進め、また製材工場や建築現場においても時間をかけて作業することにより自然に木材を乾燥させ、木の色や香りなどを生かした住宅づくりがなされてきました。
     一方、近年では住宅建築においても合理化が進み、工期の短縮化につながるプレカット製品の利用が急速に拡大するなど、木材も工業製品としての品質や性能が求められるようになってきております。品質の確かな県産材製品の供給を目指し、平成十七年度から実施されているしずおか優良木材の家総合支援事業への申請件数を見ますと、募集枠が昨年度の百三十棟から本年度百六十棟に拡大されましたが、依然として約二倍の応募があるなど好評を博しており、来年度以降もこの制度の継続を願うものであります。こうしたことから品質の確かな県産材を志向する県民が着実に増加していることがわかります。
     また、世界的な木材需給構造の変化や原油、為替の動向などにより、外材を中心としてきた木材の大口需要者が国産材の利用を拡大する機運が高まっているようです。このような中、本年六月耐震強度偽装などをきっかけに建築基準法が改正され、確認申請の審査が厳格になったことなどから、国土交通省が発表した本年九月の住宅着工戸数は前年比四四%減と三カ月連続で大幅な減少となり、在来木造住宅も二四%の減少となっています。このことは住宅産業に大きな打撃を与えており、今後の需要動向は予断を許さない状況でもあります。
     さらに来年以降には、建築確認申請の際、使用構造材料の品質表示が求められるようになるなど、建築や設計関連産業のみならず住宅へ木材を供給する林業・木材産業においても大きな影響を与えるものと推察されます。特に木造住宅の柱やはりには品質の表示はもとより、施工後の反りや曲がりなどのふぐあいが発生しないよう適正に管理された乾燥材の使用がさらに進んでいくものと考えます。
     そこで、木材本来のよさを生かしながら、品質や性能の確かな製品需要に対応し安定的に木材を供給していくことが必要と考えますが、本県の乾燥木材供給体制をどのように整備していくのか県の考えをお伺いをいたします。
     次に、メタボリックシンドローム対策についてであります。
     十月二十四日の新聞記事にあった「私とラブラブの彼はめっちゃいけ面で癒し系なのに、メタボリック症候群で、ちょっとうざい」という言い回しに目を引かれました。これは代表的国語辞典として知られている「広辞苑」の来年一月の改訂を報じた中にあり、現代語など一万項目を追加するとの発表を受け新聞が記事の一部に文章として例示したものであります。追加される言葉の一つになったメタボリック症候群は、ここ数年のうちに定着した言葉となっていることがうかがえるところであります。
     略してメタボ――メタボリックシンドローム、この言葉を聞いて心配ないと自信を持って言える議場内の皆様はいかほどかと拝察をいたしますが、この内臓脂肪症候群は、内臓脂肪を蓄積することによって血圧、血糖が高くなったり血中の脂質異常を起こしたりして、食事や運動などの生活習慣を改善しなければ心筋梗塞や脳卒中などが起こりやすくなる状態を言うとのことであります。気をつけましょう、メタボには。
     県民の認識度を直近の県政世論調査結果で確認したところ、「あなたはメタボリックシンドロームという言葉を聞いたことがありますか」という問いに対して九一・二%が「聞いたことがある」と答えており、その内容についても「知っている」と答えた人が八四・五%と関心の高さがうかがわわれます。この結果を見ても、時の言葉としてだけではなく県民の健康に対する志向があらわれており、がんを初め糖尿病や脳血管疾患、心疾患などの生活習慣病の予防に向けた取り組みが期待されていると受けとめられます。
     そこで、県民の認識度の高いメタボリックシンドロームの予防に向け、県はどのように取り組むのか所見を伺います。
     次に、観光施設としての浜名湖ガーデンパークの活用についてであります。
     浜名湖ガーデンパークは年間百万人を超える多くの方が訪れており、地域住民の憩いの場として県民に定着していると感じております。しかしながら来園者の多くは浜名湖を中心とした県西部地域の住民であると伺っており、県外などからの観光目的の来園につきましては団体バスが増加しているとの話も聞いておりますが、まだまだ集客の余地があるのではないかと考えております。浜名湖ガーデンパークには、県内外の観光客を引きつける多くの観光資源があると思っております。
     浜名湖八景の一つである展望塔からの眺望は、水と緑に彩られた浜名湖の魅力を十分満喫させてくれます。またこの十月にはキリンアグリバイオの花卉商品開発センターがオープンし――私も一度訪れて施設を案内していただきましたが――将来的には一般公開も予定していると伺い、浜松市が推進している産業観光の拠点としても期待されております。
     中でもモネの庭につきましては、浜名湖花博開催時にフランスの本家モネの庭のチーフガーデナーの指導を受けてつくられた本場の雰囲気を堪能できる庭園でもあります。花博開催時も人気の高いエリアでありましたが、今後も観光の目玉となる施設であると認識しており、より一層の充実を図る必要があると考えます。今年度、庭園の水準の維持向上を図るため土壌改良や排水設備など基盤整備を行うとともに、フランス学士院芸術アカデミーに対し技術指導や庭園の命名を依頼していると聞いておりますが、この進捗状況についてお伺いをいたします。
     また、モネの庭を初めとした魅力を県内外に発信し、ガーデンパークを県内外から多くの方が訪れる観光施設として活用するため、今後どのように取り組まれていくのかあわせて伺います。
     次に、元静岡県クレー射撃場の環境対策についてであります。
     静岡県クレー射撃場は本県初の公営クレー射撃場として、昭和五十九年候補地に名乗りを上げていた当時の春野町、中川根町、富士宮市、浜北市の二市二町の中から、春野町の町有地に県が設置したものであります。昭和六十年八月には敷地面積約七万四千平方メートル、スキート射撃場二面とトラップ射撃場二面を有する静岡県クレー射撃場が開場しました。この射撃場は多くのクレー射撃の愛好家や猟友会の方々などに利用され、開場してから閉鎖に至るまでに約八万四千人の利用実績があったのであります。
     しかしながら、残念なことに旧春野町が定期的に実施してきた水質調査において、平成五年調整池などの二カ所で環境基準値を超える鉛が検出されました。このため平成八年以降旧春野町は鉛弾の除去工事を実施してきましたが、平成十四年六月に地元住民一同から旧春野町に即時閉鎖を求める要望書が提出され、その翌月から休場となったのであります。平成十五年の静岡国体の開催の折には一時開場しましたが、この静岡国体を最後に施設は惜しまれながらも閉鎖されるに至りました。
     この間の鉛弾使用量は約三百トンに及びますが、静岡国体の開催までに約二百トンが回収処分され、現在は約百トンの鉛弾が残っていると推計されております。静岡国体の終了後、はや四年が経過しましたが、今なお汚染土壌が残されたままになっており、施設はすべて撤去され更地のまま放置されております。幸いなことにこれまでに住民に健康被害が生じたという報告は聞いておりませんが、この状態がこれからも長く続くことは環境対策上好ましくないことであり、何らかの対策を講じる必要があるのではないかと思います。
     そこで、現在のクレー射撃場周辺の土壌汚染の状況と、これまでに講じてきた環境対策の進捗状況について伺うとともに、今後どのような対策を行う考えか伺います。
     次に、F1日本グランプリの開催の評価と今後の取り組みについて伺います。
     F1日本グランプリが、去る九月二十八日から三日間、実に三十年ぶりに小山町の富士スピードウェイで開催されました。F1は世界最速のドライバーを決めるモータースポーツの最高峰であるとともに、世界の自動車メーカーが技術力を競う場であります。また世界百七十四カ国でテレビ放映され、オリンピックやワールドカップに匹敵する世界的なスポーツイベントでもあります。こうした世界的なイベントが本県で開催されたことは、本県の存在を世界にアピールする上で大きな意義があったと言えます。
     三日間のトータルでは約二十八万人にも及ぶ観客が国内外から来場したとのことであり、特に決勝当日は雨が降り霧が立ち込める悪天候にもかかわらず十四万人が来場しました。私も二日間観戦しましたが、甲高いエンジン音を響かせ水しぶきを巻き上げながら繰り広げられる激しい高速バトルに大観衆は沸き返り、レースそのものは大きな盛り上がりを見せ、イギリス人レーサー、ルイス・ハミルトンの優勝で幕を閉じたところです。
     当初懸念されていた東名高速道路や主要幹線道路での渋滞の発生については地域の交通への大きな影響はなかった模様でありますが、会場内の運営面に目を向けると場内道路の陥没やシャトルバスの運行に問題があり、体調不良を訴えた方が数多く出るなど、夜を徹して対応に追われた主催者の苦労も並大抵のものではなかったかと思います。折しも二〇〇九年以降、鈴鹿サーキットとの隔年交互開催が発表され、鈴鹿では巻き返しに歓迎ムード一色であるとの報道もあります。
     私は、F1日本グランプリのような世界的なイベントが本県で開催されることは大変名誉なことであり、F1日本グランプリの発祥の地である本県こそが日本のF1の本家であると考えております。また富士山静岡空港が開港すれば、F1レーサーやその関係者の移動、膨大な量の資器材の運搬などの利用が予想され、グローバルな情報発信をする最大のチャンスと言えるF1日本グランプリを県として生かさない手はありません。県としても、市町と緊密に連携を図りこれまで以上に積極的な支援を行うとともに、効果的に情報発信をしていくことが必要であると考えます。
     そこで、今回開催されたF1日本グランプリにおける地域への経済効果と課題をどのように認識しているのか、また今回の結果を踏まえて、県として来年度の開催に向けどのように取り組んでいくつもりか所見を伺います。
     このあたりで質問を終わろうと思いましたが、一言申し上げます。
     インドは「ナマステ」、「ギュウ・ナイ・ドン」これはトルコ語で「こんにちは」という意味です。牛丼の間に「ない」を入れればいい、とは通訳の解説。
     私は今回の海外派遣の団員の一人として、インド、トルコを視察してまいりました。最後に訪れたのはトルコ共和国国立ボアジチ大学。知事も訪問され静岡県立大学と交流協定を結んでいるこの大学は、日本を例にとると東京大学と同程度の優秀な学生が入学を許可される、つまり一〇%以下の進学率で、しかもその年の大学入学統一試験の上位千分の一が入学できるからだと、日本語コースの常勤講師は言われました。
     この講師は名を所司真理子・エルドアンさんといい、二十八年前に二十六歳でトルコに移り住み、そして現在では年に二度くらい里帰りができるようになり、あの「恋人よ」という曲を大ヒットさせた五輪真弓に似た女性。講師は「日本に帰るたびに何でこんな国になってしまったんだろうとすごく残念に思う。企業の不正、子供が親を殺す、わけのわからない理由で殺人を犯すなど、トルコでは考えられない。またこの大学から日本に行かせる学生と日本からこちらに来る学生を比較すると、トルコ人の方が立派。日本の学生は一言で言えば自分のことしか考えてない、日本を背負っているという意識がとても少ない。里帰りするたびに思うのはトルコで子供を育ててよかったと今はしみじみ思う」と言われました。
     最近の日本の現状を指摘され、私は一瞬言葉を失いました。ひょっとすると今回の海外事情調査を通じて、この日本人講師の本音が聞けたことが私にとって貴重な成果の一つだったのではと思えてなりません。
     関係者並びに雨の中遠いところから傍聴にお出かけをいただいた皆様に、心から感謝を申し上げて質問を終わります。(拍手)
    ○議長(佐野康輔君) 石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事(石川嘉延君) 中谷議員にお答えをいたします。
     初めに、しずおか光ファイバ整備構想の実現に向けた取り組みについてであります。
     光ファイバーなどによるブロードバンドサービスは、遠隔医療、在宅学習などの住民生活の利便性や国際化の進展、地域経済の活性化など地域社会に欠かせないインフラであります。こうした中で市や町においては、県の示した整備構想をもとに住民アンケートの実施や地域の実情に即した整備方法などの検討を行っております。事業者との調整を進めながら、順次光ファイバ地域整備計画の策定に着手しているところであります。
     県の整備促進策としては、過疎、辺地などの条件不利地域における民間事業者の初期投資に対して、県と市や町が支援することを基本に考えておりますが、事業者は一定以上の利用者が確実に見込まれることを整備の際の前提条件としておりますことから、商工団体や農業団体などにも呼びかけて利活用の拡大にも取り組んでおります。県といたしましては、引き続き市や町に光ファイバ地域整備計画の策定を働きかけるとともに、この計画を策定した市や町が具体的な整備方法や整備時期などを検討する際に、県も積極的に相談に乗り整備が促進されるように努めてまいります。
     ということでありますけども、昨今の財政危機は市や町においても大変深刻なものがありまして、県も応援するからまずは市や町がブロードバンド対応できるように積極的に通信事業者と協議をして整備計画を立てやってくれと言っても、先立つものがないとこういう反応が強烈に返ってくるわけです。それを県が代行して全部丸抱えできるかというと、県も今現在はそれだけの余力がありません。したがってこの光ファイバ整備計画についても二〇一一年のテレビの地上デジタル放送化、これの完了までにこれを終えてしまいたいという意気込みで始めたわけでありますけども、なかなかそのとおりにいかないじゃないかという心配の状態であります。
     今後、政府の経済政策、地域政策の中で三%程度の経済成長が実現され、それに伴って適度な税収の回復が見られてくることを期待しながら、今後いろいろ努力をしていきたいと思うところであります。
     F1のグランプリ開催の評価と今後の取り組みについてでありますが、F1グランプリが本県で開催されましたことは大変喜ばしいことであります。とりわけ世界百七十カ国余に放映されるこの国際イベントが今後も継続的に開催されることによって、本県のイメージを広く世界に浸透、定着できる効果も見込まれます。観光を初め地域振興に多大な貢献が期待されるところであります。
     今年の大会が県内にもたらした経済効果でありますが、開催準備に係る経費を除いて三日間の大会開催日に限定して推計したところ、二十八万人の来客数や大会関係者の消費見込み額から二十四億五千万円に及ぶ結果が算定されて、地域経済に与えた効果は大きなものがあったと受けとめております。細かい点でいきますと、例えば仕出し弁当など一定の基準があってそれをクリアするのは大変だったとか、いろいろ思惑が違って損したとかという声もないわけじゃないんですけども、一方でホテル、旅館等は膨大な旅客の殺到によって大変高い値段でお客を獲得できたとか、いろいろなことが取りざたされております。
     今後、これが来年はもう一度富士スピードウェイで開催されて以降は、その後、鈴鹿と一年交代ということになるようでありますけれども、いずれにしてもそのグランプリが開催される場所だということのブランド価値は高まってまいりますから、グランプリが開催されない時期でも集客機能は相当高くなっていくことが見込まれます。そういうことで、今後そのような存在――富士スピードウェイの存在がこの駿東郡の北部地域ですね、富士山ろく、本県の東北地域の地域振興に大変大きな影響を与えていくんじゃないかというふうに考えます。
     したがって国交省にも働きかけながら、この地域の道路交通、これの円滑化に向けて一層力を注いでいかなければいけないというふうに考えておりますし、追いかけて富士山が世界文化遺産登録になってまいりますと、いよいよ国内外から多くの関係者をこの地域に引き寄せることにもなってまいりますから、そういうことも視野に入れて、もてなしの面でも高い評価を得て、できればこの地域に多く滞在してもらえるような、そういう一大リゾート地になっていくような方向に地域が進んでいってくれることを期待しているわけであります。
     今回、ユニバーサル技能五輪国際大会の特に技能五輪の選手の選手村が御殿場市の旅館、観光施設を会場に設営されまして、ここにほぼ一週間選手が滞在したわけでありますが、反応を聞いてみますと、もうとにかく富士山が間近に見られるという、そのことだけでもう合格点取ってるわけですね。非常に高い満足度を得られておるわけであります。そういうことを考えてみても、この地域の持つ潜在的な可能性というのは非常に高いということを実感をさせられたわけであります。
     また、それに先立って専門委員会の方々が今年の初めと去年と二回この地域で会合を開きましたけども、富士山が見えなくても非常にあの地域の雰囲気は高い評価を得てるわけでありますので、そういう意味で、これから今後のあの地域のいろいろ展開を考える上で、このF1グランプリというのは一層それに拍車をかけてくれるものと期待をしているところでございます。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長(佐野康輔君) 藤原総務部長。
            (総務部長 藤原通孝君登壇)
    ○総務部長(藤原通孝君) 限界集落についてお答えいたします。
     人口減少や高齢化の進行に伴いまして、これまで地域全体で担ってきた社会的な共同生活の維持が困難になる、いわゆる限界集落につきましては、住民の生活の場であることはもちろん、水源涵養あるいは森林保全など都市部の方々にとっても重要な役割を担っているものと認識をいたしております。県では、これらの集落を含む過疎地域あるいは中山間地域等の条件不利地域に対しまして、過疎地域自立促進特別措置法に基づく国の支援制度により交通基盤の整備や産業振興等を進めるとともに、国の事業等を活用した耕作放棄地の発生防止や多面的な機能の維持を図ってまいりました。
     こうした中、本年十一月国の地域活性化統合本部が取りまとめました地方再生戦略を見てみますと、地方都市、農山漁村と並びまして基礎的条件の厳しい集落というカテゴリーを立て、これに対しても積極的に対応することが示されたところであります。県といたしましても、こうした国の動向にも注目しながら県の地域支援推進事業費補助金といった補助制度等を活用いたしまして、市や町との連携のもと、本県への移住希望者の定住促進、地場産業の創出、都市部との体験交流など、地域の特性や地域住民の創意工夫を生かした地域づくりを引き続き支援してまいりたいと考えております。
    ○議長(佐野康輔君) 杉山産業部長。
            (産業部長 杉山栄一君登壇)
    ○産業部長(杉山栄一君) 乾燥木材の供給体制の整備促進についてお答えいたします。
     全国的な国産材の利用拡大の機運が高まっている中で本県産材の利用を促進するためには、主要な用途である建築用材として、施工後の反りなどのふぐあいが生じない品質の確かな乾燥木材の供給拡大を図ることが重要であります。
     このため、県では本年三月に策定したしずおか木材流通マスタープランにおいて、建築用材に占める県産乾燥材供給量を平成十七年の三万四千立方メートルから、平成二十二年には六万三千立方メートルへ引き上げることを目標に掲げ、製材工場や共同利用施設への乾燥施設の導入を進めているところであります。本年六月には中部地域の森林組合や木材協同組合など九つの団体が共同で、国、県の補助事業を活用して最新の乾燥施設や木材の含水率測定装置、製品保管倉庫などを備えた静岡乾燥木材加工センターを岡部町に整備し、しずおか優良木材認証工場として順調に稼働しているところであります。
     県といたしましては、今後こうした乾燥施設の整備が進むよう関係者への働きかけや補助制度や融資制度の活用による施設の導入支援を行うとともに、乾燥技術についての研究開発を進め品質や性能の確かな乾燥木材の供給体制の整備を図ってまいります。
    ○議長(佐野康輔君) 藁科厚生部長。
            (厚生部長 藁科一仁君登壇)
    ○厚生部長(藁科一仁君) メタボリックシンドローム対策についてお答えいたします。
     静岡県におけるメタボリックシンドロームの状況は、平成十五年の県民健康基礎調査によると県民のおよそ八人に一人が、また本年八月に実施しました県内の健診機関調査では予備群を含めて四十歳から七十四歳の約四分の一が該当すると推計されております。
     メタボリックシンドロームは日ごろの生活習慣に起因するもので、健康に及ぼす悪影響やよい生活習慣を啓発していくことが重要であることから、県ではセイウチのポン太を使ったテレビCMの放送や、チェックリストを市や町、事業所等へ配布するなど啓発活動を展開してまいりました。また医療制度改革に伴い、来年度から始まる特定健診・保健指導はメタボリックシンドロームに着目して実施され、健診結果を踏まえた保健指導で生活習慣を改善するための目標を受診者みずからに選択させて実践に結びつけようとするものであり、その予防・改善に大きくつながると考えます。
     国では、メタボリックシンドロームの該当者・予備群を平成二十四年度までに一〇%減らすことを目標としており、県といたしましても、現在見直し作業中のしずおか健康創造21アクションプランに盛り込み、目標達成に向けた体制づくりや広報啓発に努めてまいります。そのための具体的な取り組みとして、望ましい食事の組み合わせを示した「食事バランスガイド」、健康づくりのための運動指針「エクササイズガイド」、県民体操「デイ・バイ・デイしずおか」などを活用して、県民みずからが行う健康づくりの支援に努めていく考えであります。
    ○議長(佐野康輔君) 衛門建設部長。
            (建設部長 衛門久明君登壇)
    ○建設部長(衛門久明君) 観光施設としての浜名湖ガーデンパークの活用についてお答えいたします。
     浜名湖ガーデンパークは、ことしの四月から十一月末までに、前年の同時期と比較いたしますと四%上回る約七十八万人もの方が訪れるなど高い評価をいただいており、中でもモネの庭は人気の高いエリアであることから魅力の維持向上に重点的に取り組み、この十一月から土壌や排水などの基盤改良工事に着手し来春には完了する予定であります。
     また、フランス本国のモネの庭を所管するフランス学士院芸術アカデミーとの間で、管理水準の一層の向上を図るためにフランスの主任庭師による技術指導を受けることや、花博終了後継続して使用してきたモネの庭という通称にかえてアカデミーから正式な命名を受けること、県がモネ関連のアカデミーの事業に対する支援を行うことなどを合意事項とする協定を締結する方向で交渉を進めております。その他の施設につきましても、展望塔券売所の風よけ、雨よけ施設を設置するほか、キリンアグリバイオ花卉商品開発センターを来年度早い時期から一般公開していただくための協議などを行っております。
     今後もモネの庭などの観光資源を活用して、地域活性化に資するため旅行ツアーへの組み込み、県内外への広報、周辺観光施設との連携など、観光客の誘致に向けた取り組みを積極的に実施してまいります。
    ○議長(佐野康輔君) 遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長(遠藤亮平君) 元静岡県クレー射撃場の環境対策についてお答えいたします。
     元静岡県クレー射撃場は、鉛汚染による地域住民の健康不安の払拭と生活環境保全の観点から平成十七年三月に閉鎖し、不用な建物、工作物の撤去をして現在立入禁止の措置を講じております。土地の所有者である浜松市が定期的に行っている水質検査等の調査結果報告によれば、クレー射撃場内では一部に鉛の検出量が高い場所があるものの、調整池に設置した水質浄化装置等の効果により周辺環境への影響はほとんど見受けられず、数値も安定した状況にあります。
     これまでの環境対策といたしましては、詳細な土壌汚染状況の調査を実施するとともに、四人の大学教授等で組織する環境対策検討委員会を設置し植物による浄化などの調査研究を行ってまいりました。さらに具体的かつ効果的な工法を検討するため概要設計を実施し、本年五月には環境対策検討委員会から、鉛散弾を取り除いて汚染された土を溶け出さないよう不溶化する遮水工封じ込めや、場外にそれらの土を搬出する掘削除去などの工法について助言を受けたところであります。
     県といたしましては、いただいたこの提言を踏まえ環境対策の手法や実施時期等について浜松市と協議を進め、できるだけ早期に対策を講じてまいりたいと考えております。
    ○議長(佐野康輔君) これで中谷多加二君の質問は終わりました。

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