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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

多家 一彦 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/02/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 沼津駅周辺総合整備事業について
2 新たな沼津港港湾振興ビジョンについて
3 今後の高齢者施設の整備について
4 国の基本的な方針を踏まえた難病対策の推進について
5 少子化社会における静岡県職員の仕事と子育ての両立支援について
6 韮山反射炉を活用した伊豆の観光誘客について
7 東京オリンピック・パラリンピックの伊豆開催に伴う県の対応について


○副議長(杉山盛雄君) これで東堂陽一君の質問は終わりました。
 次に、六十三番 多家一彦君。
       (六十三番 多家一彦君登壇 拍手)
○六十三番(多家一彦君) 私は自民改革会議所属議員として知事の政治姿勢並びに県政の諸課題について、通告に基づく質問をいたします。質問は一括質問方式で伺います。
 昨今の本県においては、次々とグローバルで期待感にあふれる話題が上がっております。富士山の世界遺産登録はもとより、ことしだけでも三月にラグビーワールドカップが東京オリンピック・パラリンピックの前年――二〇一九年に本県で開催されることが決まったのを初め、七月には韮山反射炉が世界遺産に登録されました。このほかにも東京オリンピック・パラリンピックの自転車競技の伊豆市での開催に向けた動き。そして残念ながら伊豆半島のジオパークの世界ジオパークへの認定は今回保留となり次回以降に持ち越されましたが、まさに地球規模で豊かで輝く本県の魅力をアピールできるまたとない機会が訪れていると思います。このまたとないチャンスを生かしていくためには本県の魅力をさらに高め、また人々に誇れる地域づくりを確実に進めていかなければならないと思います。そうした観点から幾つかの県政の課題について質問をいたします。
 初めに、沼津駅周辺総合整備事業について伺います。
 沼津駅北口では昨年七月に総合コンベンション施設「プラサ ヴェルデ」がグランドオープンし、展示イベント施設と一体となって大きな集客力を発揮し年度末までに約五十六万人が来場しました。また南口の再開発ビル「イーラde」の来場者が年間二百万人に上るなど、拠点施設の整備により駅周辺ではにぎわいが着実に戻りつつあります。これらの南北の核となる拠点施設と既存の商店街とを一体的に利用することができれば、さらに沼津駅周辺の拠点性が高まり大きなにぎわいを創出することができるものと考えます。しかしながら現状では鉄道により中心市街地が分断され、南北の幹線道路では通勤時間帯の渋滞や豪雨時の冠水などによる交通の課題を抱えているほか、駅周辺の踏切ではこの一年間に踏切内での死亡事故が二件発生しています。本事業は沼津駅周辺で抱えているこれらの課題を抜本的に解消し、県東部地域の拠点としてふさわしいまちづくりをつくり上げていくために早急に進めなければいけない事業であると認識しております。
 本事業の核となる鉄道高架事業については、平成二十三年県議会九月定例会において蓮池章平議員の質問に当時の森山交通基盤部長から平成三十年代半ばの完成を目指すとの答弁がありましたが、事業が実質中断していたことなどを踏まえると現状では達成するのは極めて困難であると考えます。一部の市民からは事業の完成時期が明確にならないことに対する不安の声が上がっており、市民に安心感を与えるとともにまちづくりの機運をさらに高めていくためにはスケジュールを明確にした上で事業を推進していくことが重要であり、その鍵を握るのは新貨物ターミナルの用地買収と駅周辺の土地区画整理事業による高架用地の確保の二つであると考えます。
 このうち、新貨物ターミナルについては本年一月二十九日に県、市共同で開催した市民説明会以降、新たに地権者と土地売買契約を結び、懸案となっていた用地取得に解決の糸口が見えてきたところであります。今後さらに用地買収を加速させるべきと考えており、一定の時期が来た段階では知事にも土地収用法の適用を考えていただきたいと思っております。
 また、駅周辺の土地区画整理事業について鉄道高架事業の影響を受けない地域では既に事業が進捗し拠点施設や民間施設が続々と完成しておりますが、高架用地を含む地区のうち特に静岡東部拠点第二地区では鉄道高架事業のおくれに伴い事業が停滞しており、区域内の住民からは生活設計が決まらず困っているとの声も聞いております。新貨物ターミナルの用地買収が進む中、駅周辺の高架用地を確保するためにもおくれている土地区画整理事業を着実に進めていく必要があると考えます。
 そこで、新貨物ターミナルの用地買収及び静岡東部拠点第二地区土地区画整理事業について、事業推進に向けた今後の取り組みについて伺います。
 次に、新たな沼津港港湾振興ビジョンについて伺います。
 沼津港は国から平成十二年に特定地域振興重要港湾に指定され、これを受け県は沼津市から意見を聞きながら平成十四年三月に沼津港港湾振興ビジョンを策定いたしました。県、市、沼津港関係者は、このビジョンに基づき大型展望水門「びゅうお」や市場見学ができる水産複合施設イーノ、マーケットモールみなと新鮮館の整備など官民挙げて港のにぎわいづくりを進めてまいりました。この間に港の開発とあわせ背後の飲食商店街等の開発も進み、沼津の宝である海の幸などによる集客を中心に沼津港を訪れる観光客は平成十八年度で年間九十二万人、さらに平成二十四年度は年間百四十五万人にも達しており、また最近では沼津港関係者のたゆまぬ努力により夜間のライトアップだけでなくジャズ演奏や大道芸などを中心としたぬまづ港の街バルなどさまざまなイベントを開催し、恐らく百五十万人をはるかに超える来訪者が食やレジャーを求めて沼津港に足を運んでいるものと思われ沼津市内でも最もにぎわいのあるスポットとなっております。
 一方、昨年八月をもって沼津港と戸田漁港、土肥港を結んでいた定期航路が廃止されたことや、韮山反射炉の世界文化遺産の登録を初め伊豆半島の世界ジオパーク認定に向けた活動など港を取り巻く情勢も大きく変化してきております。またにぎわいが沼津港に集中することで港周辺の交通渋滞の発生、にぎわいが町なかや周辺地域に波及していないなどの課題も顕在化しております。これらの状況を踏まえ、県は有識者会議を設置し昨年度から沼津港の目指すべき将来像となる新たなビジョンの策定を進めており、地元地域は沼津港が県東部の中心としての役割を担うよう大きな期待を寄せていると聞いております。私は今回のビジョンにはこれからの観光交流時代にふさわしい沼津港が伊豆地域を背負って立つような将来像とそれを実現化していくための魅力づくりが求められていると感じております。
 そこで、新たなビジョンではどのような視点で沼津港の将来像と新たな魅力づくりの策定を進めているのか。また課題となっているにぎわいを町なかや周辺地域へ波及させるためにどのような方策を検討しているか伺います。
 次に、今後の高齢者施設の整備について伺います。
 かつての高度成長期にはニュータウン、住宅団地、集合住宅などが次々に建設されました。家族で住んでいたこれらの住まいの多くでは子供の世代が巣立った今、高齢者のひとり暮らしや高齢者夫婦のみの世帯になっています。県内総人口が減少する中で県内のひとり暮らし高齢者はこの十年間で約一・八倍に増加して十八万人余りに、夫婦のみ世帯も約一・六倍に増加して十五万世帯余りになっています。かく言う私自身、現在は妻と二人暮らしです。高齢者だけの生活は不安定で、現在は健康でも一人が要介護状態に陥るとすぐにいわゆる老老介護の状況になり生活に大きな負担や支障が生じることになります。
 また、老後の生活は主に年金で支えられることになりますが、その金額は想像以上に少ないのが現状です。施設に入所した場合の負担は、例えばユニット型の特別養護老人ホームの場合は所得や介護度にもよりますが月額で十三万円ないし十四万円かかる方もいると聞きます。年金のみの生活では夫婦の一人が入所したらもう一人の生活が困難になってしまいます。多くの高齢者が今は元気で健康に留意しながら生活していても、少しずつ衰えを感じつつ経済的にも将来に向けて多くの不安を抱えながら生活されているのではないでしょうか。
 私は最近、比較的低額な料金で生活する上で必要な食事等を提供してくれるケアハウスという施設に注目しております。今年度初め沼津市内のケアハウスの開所式に出席し、この様子を自分のブログで紹介したところ驚くほど多くのアクセス件数があり関心が高いことを実感いたしました。県の発表によると県内の特別養護老人ホームの入所待機者は現在も一万人を超えていますが、私が住む沼津市周辺のユニット型特別養護老人ホームは必ずしも満室になっていないという話を聞きます。また有料老人ホームやサービスつき高齢者住宅もふえております。もちろん特別養護老人ホームなど要介護度が高い方の施設も必要ですが、急増するひとり暮らしや老老世帯の高齢者にとって多様な形態の施設サービスが求められているものと感じました。
 そこで、県では今後の高齢者施設の整備についてどのように考えているのか、県の所見を伺います。
 次に、国の基本的な方針を踏まえた難病対策の推進について伺います。
 難病対策につきましては、本年一月一日に難病の患者に対する医療等に関する法律が施行されました。これに伴い難病の医療費助成制度の対象となる疾病が五十六から三百六まで大幅に拡大されるなど難病対策の大きな進展につながるものと期待されております。私はこれまでさまざまな疾病の難病患者さんから医療費助成の対象とならないかと相談を受け県当局に強く要請してまいりましたが、今回の対象疾病の拡充を患者の皆さんは大変喜んでおられると思います。一方で慢性疲労症候群とも言われる筋痛性脳髄膜炎やシックハウス症候群に代表される化学物質過敏症、以前は小児糖尿病とも言われた1型糖尿病など、患者数が人口の〇・一%を超えることや診断基準が明確でないことなどを理由に今回の見直しでも対象とならなかった疾病がまだまだあるのが実情であります。
 こうした状況を受け、我が会派におきましてはより多くの難病が助成対象となるよう要件の緩和などを求める意見書の提出に向け準備を進めているところであります。こうした中、先月十五日に厚生労働省から新たに難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針が示されました。本方針では良質かつ適切な医療の確保と療養生活の質の向上を目的に医療費助成制度、人材の養成、療養生活の環境整備など九つの柱に分けて国及び地方公共団体が取り組むべき方向性が示されております。
 本方針の基本的な方向として、難病の患者さんとその御家族の皆さんを社会全体で支援していくことや、社会参加の機会が確保され住みなれた地域で尊厳を持って生きることができるよう共生社会の実現に向け総合的な施策を実施することが示されております。難病は治療が難しく長期にわたる療養生活が必要となり、患者さん御本人はもとより介護する家族の皆さんの御負担も非常に重いものであります。患者さんや御家族の皆さんの御負担の軽減を図り安心して療養生活を送っていただくためには、本方針に沿った具体的な施策を早期に実施することが必要であると思います。
 そこで、厚生労働省の示した基本的な方針を踏まえ今後どのように難病対策を進めていくのか、県の所見を伺います。
 次に、少子化社会における静岡県職員の仕事と子育ての両立支援について伺います。
 少子化社会対策白書によると、日本はアメリカ、フランスなど諸外国と比べ合計特殊出生率が低く十五歳から六十四歳までの生産年齢人口の割合も低いなど少子化の進行や人口減少は深刻さを増しています。働く人よりも支えられる人が多くなる時代において、子育て世代を社会全体で支援していくことは極めて重要であります。こうした背景を踏まえ当県議会でも六月議会において会議規則を改正し、欠席規定に出産を明記し女性議員が出産と議員活動を両立しやすい環境を整備しました。また八月には女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進するため女性活躍推進法が成立するなど、仕事と子育ての両立を可能にしていこうという機運が高まっています。
 これまで県では、職員の仕事と子育ての両立支援として育児休業など休暇休業制度の充実や育児休業から復帰する職員に対する職場復帰支援研修、さらには県庁内一時預かり保育施設の設置など子育てしやすい環境の整備に取り組んでいることは承知しています。このような取り組みは職員の能力発揮の面からも意義があり、今後は各種制度の充実だけではなく職場の意識変革や男女を問わず子育てしやすい多様な働き方の選択肢を提供していくことが不可欠であります。
 民間企業の中には自宅近くで仕事ができるサテライトオフィスの整備や産後休暇や育児休業から復帰した社員を対象とした在宅勤務制度、週休三日制度の導入などの動きがあると聞いております。県は民間企業をリードする立場としてみずからが率先して働き方の見直しを進め、仕事と子育てが両立しやすい多様な働き方のモデルを示していくことが重要であると考えますが、今後職員の仕事と子育ての両立支援についてどのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、韮山反射炉を活用した伊豆の観光誘客について伺います。
 韮山反射炉は去る七月五日、ドイツのボンで開催されましたユネスコの世界遺産委員会で韮山反射炉を含む明治日本の産業革命遺産として世界文化遺産リストに登録されました。富士山に続く世界遺産登録であり、これは日本の十九の世界遺産のうち本県の二遺産は奈良県の三遺産に次ぐものとなっております。七月に登録されてから三カ月経過したところでありますけれども、この間新聞、テレビ、雑誌など各種メディアに取り上げられ全国各地から多くの観光客にお出かけいただいております。韮山反射炉の入場者数は七月が四万五千四百六十八人、八月が六万五千八百三十四人となっており、対前年同期比ではこの二カ月間で九四四%であり九倍以上の伸びを示しております。これは大変喜ばしいことではありますが、入場するために長い行列に並ぶばかりかボランティアガイドがつかない場合は時代背景や反射炉の役割に関する説明もなくすぐに見終えてしまい、残念なことに満足度の低いものとなってしまうようであります。世界遺産富士山のように構成資産が複数あるのであれば二日間ぐらいじっくり時間をかけて周遊することができますが、韮山反射炉の場合は他の関連資産と離れ過ぎていて周遊することができない状況となっております。
 しかしながら、韮山反射炉の周辺や伊豆半島を見渡せば反射炉を導入した江川英龍の住まいであった重要文化財江川家住宅、源頼朝の奥州攻め戦勝祈願のために北条氏が建立し我が国を代表する仏師である運慶作の諸仏が鎮座する願成就院を初め、開国の町下田や幕末、明治にかけてすぐれた芸術を残した伊豆の長八ゆかりの松崎町など歴史的にも魅力ある観光素材がございます。こうした素材を生かし、いかに周遊を促し観光客の満足を高めていくかが重要であると考えております。
 そこで、今後世界文化遺産となった韮山反射炉を活用し伊豆の観光誘客をどのように展開していくのか、県の所見を伺います。
 最後に、東京オリンピック・パラリンピックの伊豆開催に伴う県の対応について伺います。
 現在、国際自転車競技連合UCIと東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会との折衝が進められており、伊豆市にある日本サイクルスポーツセンターが二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックにおいてトラック競技を初めとした自転車種目の競技会場候補地として有力視されているところであります。特にベロドロームはナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設に指定されており、二百五十メートルの木製バンクを備えた国内最高のトラック種目の施設として大会組織委員会から高い評価を受けており必ずやオリンピック会場として選定されるものと確信しております。本県でオリンピック・パラリンピックの競技が開催されるということは我々県民にとって望外の喜びであるとともに、今後の県政史に残るほどの大規模スポーツイベントとして後世に語り継がれると言っても過言ではありません。またこの千載一遇の機会を活用し富士山、伊豆を初めとした本県の魅力を世界にPRするとともに、大会終了後の効果をも見据え本県のさらなる発展につなげていくことも期待されるところであります。
 一方、オリンピック・パラリンピックは世界三大スポーツとして世界中が注目する大会であります。その運営に当たりましては会場整備や選手、観客の輸送、安全確保や警備のほか世界各国からの来訪者のおもてなしなど多岐にわたる課題に対し大会組織委員会や関係自治体と協力し相当の覚悟を持って準備に臨んでいく必要があります。
 また、来年一月下旬にはリオ五輪の前哨戦としてベロドロームでアジア自転車競技選手権が開催されます。昨年七月、日本自転車競技連盟の橋本聖子会長が県庁に知事を訪れ開催に当たっての協力を要請しました。本県は東京オリンピックの自転車競技開催候補地としてぜひとも大会を成功させなければなりません。今日現在、残念ながら国際自転車競技連合と組織委員会との調整はついておりませんが、周辺のインフラ整備などは早目に準備に取り組まなければならないと、こんなふうに思っております。
 こうしたことを踏まえ、東京オリンピック・パラリンピックの伊豆開催を見据えどのように対応していくのか、県の所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 多家議員にお答えいたします。
 新たな沼津港港湾振興ビジョンについてであります。
 県は、昨年十一月に沼津港の将来を考える有識者会議を設置いたしました。この方面に明るい難波副知事に関与していただいております。沼津港を取り巻く環境の変化や沼津港及び周辺地域が持つ歴史・文化等の多様な魅力、課題などを整理し二十年先の将来を見据えた沼津港の新たなビジョンの策定作業を今、地域の皆様の意見も聞きながら丁寧に進めているところです。
 沼津港の目指すべき将来像につきましては、有識者会議におきまして引用いたしますと、「美しい駿河湾と富士山の眺望、港らしい風情とが調和した高質な水辺空間という類いまれな魅力を持つ公共空間として、地域の人々、訪れる人々が憩うとともに、県東部・伊豆地域の活力の源となっていること」という――引用いたしましたところですけれども――提言を本年三月にいただきました。
 県ではこれを受けまして、先月県、市、有識者から成る沼津港振興基本計画策定委員会を開きまして、将来像を具現化するための新たなビジョンである沼津港みなとまちづくり推進計画、これは副題が「みんなで創り、みんなが集う『ガーデンポート』」となっておりますが、その素案を取りまとめたところであります。内港には「びゅうお」と新鮮館がありますが全体として一体感がなかったというのが問題であるというそういう認識を持っておりまして、内港全体の一体感をいかにつくるかということがキーになっております。
 この計画では、県、市、地域が一体となって管理運営するエリアマネジメントの考え方を導入し来訪者を魅了してやまない駿河湾の食の魅力をさらに高めるとともに、富士山や千本松原の借景を最大限生かした魅力ある交流空間の創出に取り組むこととしております。かなりきれいな絵が見えてまいりました。何といいましてもここは皇族の皆様や文化人に愛されたところでございますので、ここに来訪者をいざなう回遊性の向上に努めてまいります。
 それだけでなくて、それに加えまして外港における物流機能や防災機能の強化、駐車場の効率的な運営による渋滞の緩和、さらに公共交通機関を活用した中心市街地とのアクセスの改善などを進めることとしております。駅から内港までの道は電柱も埋設されておりまして非常に魅力的な道になり得ると考えているのでございます。
 今後は、現在実施中のパブリックコメントを踏まえ本年十二月を目途に推進計画を策定し、沼津市や地元関係団体等と連携をいたしまして――ようやく連携ができるようになりました。地元同士が今まで若干の、何ていいますか、誤解がそれぞれにあったと思うんですけれども、手を携えることができるようになりまして、連携して来訪者や地元の皆様が気軽に集い、憩い、交流できるガーデンポートづくりを推進してまいります。
 次に、東京オリンピック・パラリンピックの伊豆開催に伴う県の対応についてであります。
 現在、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が自転車競技種目のうちトラックレース等の伊豆開催実現に向け国際自転車連合と最終調整に入っております。私は組織委員会の森喜朗会長を信じ吉報を首を長くして鶴首しているところであります。
 森会長を信じると申しましたが、森会長とはもう十年を優に越す友誼を結んでいるということでお信じ申し上げているところでございます。加えまして私よりもはるかに長い森喜朗会長との信頼関係を築いてこられました多家先生が折に触れ、節々で森会長から私に直接、あるいは多家先生を通しましてこの進捗状況について情報をいただいているということもございまして、これ以上できない形で伊豆における実現に向けて今進んでいるというように認識しているところでございます。
 静岡県でのオリンピックの開催は伊豆地域を初めとする本県の国際的な知名度の向上、国際交流の機会拡大や経済波及効果が大いに期待できるところであります。何よりオリンピック開催地としての県民の誇りと使命感の醸成につながります。大会の成功に向けまして全県を挙げて取り組む価値のあるものと考えております。
 開催に当たりましては会場となる伊豆ベロドローム等の施設や設備の改修、一千人にも及ぶとされる選手団や大会関係者の宿泊先の確保、通信インフラの充実、会場の警備、国内外から訪れる観戦客の円滑な輸送等など万全な大会運営が求められます。あわせて大会運営以外のさまざまな課題につきましても組織委員会、関係自治体等と協議を進めて解決していく必要があります。このため、かつてオリンピック競技会場となった自治体の取り組みについて情報収集をしているところであります。
 県といたしましては、オリンピック会場に決定の暁には組織委員会との連携を密にし個々の課題の検証や全県を挙げた受け入れ体制の構築に取り組むとともに、多家議員御指摘のとおりまずはリオ五輪の前哨戦として開催される来年一月のアジア自転車競技選手権大会を成功させねばなりません。この件につきましても自転車競技連盟の会長をされておられます橋本聖子議員が静岡県知事室にお越しになりましたけれども、これも多家議員の御配慮によりまして、改めて、こうした伊豆に国際的な大会を呼び込むことについて御尽力を賜っていることに対しまして、高い席ではございますけれども御礼を申し上げます。
 私ども、何としてでも来年一月のアジア自転車競技選手権大会を成功に導き、そしてまたオリンピック競技会場地として大会運営の実現に向けて着実に実績を積み上げてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○副議長(杉山盛雄君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 沼津駅周辺総合整備事業についてお答えいたします。
 新貨物ターミナルの用地買収につきましては、本年一月のまちづくりに関する説明会以降、積極的な交渉を再開し新たに五件の権利者に御理解をいただいて契約を結び、用地取得率は面積ベースで約七六%となっております。今後さらに用地買収を進めていくため沼津市では用地交渉の人員を増員するとともに、新貨物ターミナルの近接地に相談窓口を兼ねた事務所を設置したところであります。
 県といたしましては、市と連携して地権者の方々に対しこれまで築き上げてきた良好な関係を生かしながら将来のまちづくりに向けての整備の必要性や騒音、振動などの生活環境対策を粘り強く説明し、必要な土地を提供していただくよう鋭意取り組んでまいります。また静岡東部拠点第二地区土地区画整理事業につきましては市が地権者を対象に事業の具体的な進め方を説明しているところであり、地区内の住民の皆様が生活設計を描けるようにそれぞれの移転先を決める換地設計に速やかに着手し、早期に建物移転補償等を進めていくこととしております。
 県は、土地区画整理事業に必要な予算の確保に努めるとともに、区画整理事業と鉄道高架事業との事業間の調整を図ることにより確実に高架用地が確保できるよう、市とともに計画的な事業推進に取り組んでまいります。県東部地域の拠点都市としてふさわしいまちづくりを進めていくためには沼津駅周辺総合整備事業を推進していくことが不可欠でありますことから、県といたしましては引き続き本事業の早期完成を目指して全力を尽くしてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 今後の高齢者施設の整備についてお答えいたします。
 県では、高齢者が生活環境や経済的、身体的な状況などに応じて安心して生活できるよう、三年ごとにふじのくに長寿社会安心プランを策定し高齢者施設の計画的な整備を進めております。特別養護老人ホームにつきましては今後三年間で約二千床を整備し、在宅での生活が困難になった方々が一日も早く入所して必要な施設サービスを受けられるよう着実に施設整備を推進してまいります。
 ケアハウスにつきましても、今後三年間で約三百床を整備し日常生活の自立に不安を抱く高齢者を受け入れ食事の提供や生活支援などを行い、安心できる生活を送れるようにしてまいります。また小規模多機能型居宅介護や認知症対応型グループホームなど地域密着型サービスの施設整備に積極的に取り組むとともに、有料老人ホームについて運営事業者への適切な指導を行い良好な居住環境の確保を図るなど、高齢者の方々がひとり暮らしや老老世帯となっても住みなれた地域で不安を感じることなく生活ができるよう努めてまいります。
 今後も、地域において増加する高齢者の方々のニーズに応じた多様な形態の施設の整備やサービスの充実を図ることで、いつでも、どこでも、誰もが、健やかに、生き生きと、安心して暮らせる健康長寿のふじのくにづくりを目指してまいります。
 次に、国の基本的な方針を踏まえた難病対策の推進についてであります。
 県では、国が示した方針を踏まえ医療費助成制度の適切な運用や医療に関する人材の養成、療養生活の環境整備の三つの柱を中心に難病対策に取り組んでおります。
 医療費助成制度につきましては、対象疾病が大幅に拡大したことから難病についての講演会やホームページを通じ対象疾病や申請方法を初め制度を利用できる医療機関などを紹介し、広く周知を図っております。また診断を行う難病指定医を対象に対象疾病や診断基準等の理解を高めるための研修会の開催や審査体制の大幅な拡充などにより制度の適切な運用を進めております。
 人材の養成につきましては、訪問看護師やホームヘルパー等を対象に難病患者の特性について正しく理解するための研修会を開催することで患者一人一人のニーズに合ったきめ細かなサービスが提供できるようにしてまいります。
 療養生活の環境整備といたしましては、患者団体が個々に開設していた相談窓口を一本化し医療や生活、就労など幅広い問い合わせに対応することで利便性の向上を図りました。また新たに難病対策地域協議会を設置し医療や福祉等の関係者によるネットワークづくりを進め、在宅での療養生活を地域が包括的に支援する体制を整えることとしました。
 今後も、基本方針で示されました難病に関する調査研究への協力や医療提供体制の確保などにもしっかりと取り組み、難病対策のさらなる充実や難病患者や御家族の皆様の負担軽減に努め、地域で不安なく安心して生活いただける共生社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) 少子化社会における静岡県職員の仕事と子育ての両立支援についてお答えいたします。
 少子化の進行による人口減少が深刻さを増す中、結婚や子育てに温かい社会の実現を目指し、行政に加え地域、企業などが社会全体としてそれぞれの役割を一層果たしていくことが期待されております。特に行政には子育て世代に対する支援の充実に加えみずからも他の模範になるよう率先して取り組み、子育てしやすい環境づくりを広めていくことが必要であると認識しております。
 県では、議員御指摘のとおり各種休暇休業制度の充実に加え県庁内一時預かり保育施設や子育て・介護相談窓口の設置など職員が仕事と家庭を両立しやすい環境を整備してまいりました。
 さらに、今年度は新たに策定したふじのくにワーク・ライフ・バランス推進計画に基づき、二十八歳の全ての職員を対象に一時預かり保育施設を活用した静岡型の次世代育成支援研修を実施し保育実習を通じて若手職員の結婚や子育てに関する意識を高めてまいります。管理職員に対しましては子育てや介護に対する理解を促進する男女共同参画セミナーを開催し、仕事と家庭の両立支援に関する意識の醸成を図るなど職場の意識改革に取り組んでおります。
 今後は、フレックスタイム制やテレワークなど働く時間と場所を柔軟に選択できる多様な働き方を検討するとともに、先日閣議決定されました女性活躍推進法に基づく基本方針を踏まえまして、ロールモデルとなる人材の育成や管理職員に対するワーク・ライフ・バランスに資する取り組みの人事評価への反映など働き方に対する価値観や意識の変革に努め、職員が仕事と子育てを両立しながら能力を十分に発揮できる日本一働きやすい県庁を目指してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 韮山反射炉を活用した伊豆の観光誘客についてお答えいたします。
 韮山反射炉の世界遺産登録の効果により全国各地から多くの観光客が伊豆の国市を訪れておりますが、これを一過性のものに終わらせないためには伊豆での広域的な周遊や滞在を促すことにより伊豆全体の活性化につなげることが大変重要だと認識しております。
 このため県では、伊豆地域の誘客促進を図るため、圏央道の開通により新たな市場となった北関東の旅行会社を招いた視察ツアーを実施し交通アクセスの向上を実感していただくとともに、韮山反射炉を初め伊豆下田のペリーロード、西伊豆の海岸等の多彩な見どころを紹介するなど伊豆を広域にめぐる旅行商品の造成を働きかけたところであります。
 さらに、国の地域住民生活等緊急支援のための交付金を活用し県内宿泊一泊につき三千円を補助する消費喚起・県内交流緊急対策事業を実施しているところですが、旅行会社への補助要件として旅行コースに韮山反射炉やジオポイントなどの伊豆の見どころを含むこととするなど、伊豆を周遊する旅行商品の造成を促しているところであります。
 今後、韮山反射炉を初めとする伊豆地域の世界クラスの資源と温泉、食、花、歴史などの魅力のスポットを連携させ最大限に活用することで立ち寄り先を点から面へふやすなど、伊豆への一層の観光誘客を図ってまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 六十三番 多家一彦君。
       (六十三番 多家一彦君登壇)
○六十三番(多家一彦君) それぞれに満足のいく御答弁をいただきました。一点だけ要望します。
 交通基盤部長、ありがとうございました。一月二十九日の県、市共同で開催した説明会以降、五件の新たな用地の確保ができたと。七六%。私は七〇%、あと三〇%どうするんだということで思い悩んで、沼津の皆さんがさまざまな動きをしているところでありますが、現実に用地を確保して高架事業に着手したら十三年間を要する。こういう説明がさまざまな会合でされているところであります。
 昭和六十年、沼津駅周辺総合整備事業の計画が策定されてもう既に三十年です。そして事業実施が十三年、用地確保に何年かかるか。大変な努力をしていただかなければならないと思いますけれども、昭和二十二年十二月八日生まれの多家一彦は六十七歳と十カ月。建設するだけで十三年といいますと知事の言う老年前期の終盤になります。ぜひ一生懸命の努力をしながら一日も早い用地の確保をして鉄道高架事業本体の建設に取りかかっていただきたい。そのことを要望して終わります。(拍手)
○副議長(杉山盛雄君) これで多家一彦君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩をいたします。

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