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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成21年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小楠 和男 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/25/2009

会派名:

自由民主党県議団


質疑・質問事項:

1 東海北陸、 長野各県との広域連携について              
2 浜名湖の舟運 (湖うみの駅) について                  
3 知的障害児 (者) の就労支援について                
 (1) 特別支援学校                          
 (2) 障害者支援施設                         
 (3) 就労支援策                           
4 高校生の進路意識について                     
5 子供の安全対策について



    ○副議長 (込山正秀君)  ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、 知事提出議案第一号から第八十六号までを一括して議題といたします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、 四十三番 小楠和男君。
            (四十三番 小楠和男君登壇 拍手)
    ○四十三番 (小楠和男君)  私は自由民主党所属議員として県政の諸課題について、 知事、 関係部長、 教育長、 警察本部長に伺います。
     まず初めに、 東海北陸、 長野各県との広域連携についてであります。
     本県では、 平成十八年からお隣の山梨県と神奈川県とで山静神サミットを開催しており、 富士山静岡空港の利活用や富士箱根伊豆地域にかかわる観光などの共通の課題について、 定期的に協議の場を設けております。 サミットでは、 海外からの来訪客を円滑に誘導するための共通サイン整備や、 富士山静岡空港を活用した富士箱根伊豆地区への観光客の誘客対策の取り組みなど多くの成果が出始めていると思われます。
     一方、 本県の西隣である愛知県と長野県との交流連携については、 本県の取り組みはお寒い限りと言わざるを得ません。 平成六年から浜松市、 愛知県豊橋市、 長野県飯田市を核として、 三県の市町村や商工会議所などが中心となって三遠南信サミットが開催され、 共通の課題である三遠南信自動車道の整備促進や産業文化交流について議論を深めつつ、 過日、 第十六回目のサミットが浜松市で開催された長い歴史があります。 この三遠南信サミットには、 静岡県は後援として名を連ねてはいますが単なるオブザーバーにすぎません。
     愛知県や長野県との県同士の交流連携が進まない理由は、 ちょっと考えただけでも幾つか浮かんできます。 富士箱根伊豆のようなナショナルブランドの共通課題がないこと、 愛知県は二つ、 長野県も一つ空港を持っているように、 空港を持たない山梨県や神奈川県との違い、 愛知県は中部地方の中心とも言える大県であり、 余り愛知県に近づくと首都圏と中部圏との間にある静岡県としては東西のバランスが崩れる心配があること、 長野県には石川知事が同じテーブルに着きたくないと思われる知事が在籍していたことなどが挙げられると思います。
     それらの事情を理解した上で、 私は愛知、 長野の両県はもちろんのこと、 さらに広域の東海北陸の各県との連携を強化していくことを提言します。
     その理由の一つは富士山静岡空港の利活用の観点からです。 静岡空港を利用する国内外の観光客がどれだけ県西部へ向かうのか、 また逆に県西部からどれだけ空港に向かうのかという不安があります。 県西部には浜名湖などの豊かな自然環境や産業観光の対象となる産業の集積はありますが、 先ほど申し上げたように、 国内外の観光客を引きつける富士箱根伊豆のようなナショナルブランドは存在しません。 浜名湖観光圏の申請を行うなどさまざまな努力はしているものの、 その非力さは否めません。 県西部への観光客の誘客には、 県境を越えた東海中部地方を視野に入れていく必要があると思います。
     また空港関連では、 フジドリームエアラインズが石川県小松空港に一日二便の就航を表明しているのに続き富山空港にも就航を検討しているなど、 今まで本県とは大変遠い存在だった北陸地方が一気に身近な存在となります。 富山、 石川、 福井の北陸三県との連携は焦眉の急と言えると思います。
     二つ目の理由は、 広域的な幹線道路網の整備や治水や利水などの河川に関する課題、 自然環境の保護に関する課題など、 県境を越えた連携が必要な従来の課題に加えて、 外国人労働者の急増による諸課題など新しい課題も産業構造の似た東海地方の共通課題であると思います。
     さらに、 国と地方をめぐる長年の課題をここで取り上げる時間はありませんけれども、 東京一極集中を是正するための地方分権の進展について、 遅々として進まないことにいらいらを募らせている一人としては、 地方の発言力をもっと増す必要がある。 そのための知事同士のコミュニケーションを深めてほしいとの思いが三つ目の理由です。
     全国知事会がその役割を果たすことは十分承知していますが、 組織が大きくなればなるほど総論賛成、 各論反対になりがちです。 東海や中部といった単位でのコミュニケーションを深めるとともに、 各県がリーダーシップをとり議会や産業界などを巻き込みながら連携を図ることによって、 より大きな地方の声を発信していくべきだと思います。
     過日の三遠南信サミットで基調講演をされたPHP研究所の社長で道州制ビジョン懇談会座長の江口克彦氏は、 政府の提唱しているビジット・ジャパンは誤りで、 アラウンド・ジャパンであるべきだとお話されました。 私なりの解釈をすると、 ビジット・ジャパンは東京を目指していると読み取ることができ、 アラウンド・ジャパンは東京以外の日本各地を目指すことと考えます。 地方に東京に負けない魅力と活力が必要とされています。 今こそ東海北陸、 長野各県との連携を深めていくべきだと思いますが所見を伺います。
     次に、 浜名湖の舟運――湖(うみ)の駅について伺います。
     私がこの構想について質問するのは、 平成十一年二月議会以来実に十年ぶりとなります。 十年前の経過と結果について簡単に触れておきます。
     浜名湖では現在、 三ヶ日町瀬戸と舘山寺温泉を結ぶ観光船が就航しているにすぎませんが、 昭和五十二年までは浜名湖の湖内に縦横に舟運がめぐらされ、 東海道線の鷲津駅や弁天島駅とも接続し、 通勤通学の足としても利用されていました。 また戦前には浜松市の中心部である現在の浜松商工会議所の南側まで、 浜名湖から新川、 堀留川を利用して物資が運ばれていた歴史があります。 浜名湖花博の開催が決まったのは平成七年、 その後プランが具体化するとともに、 先ほどの質問で申し上げたように観光資源に乏しい浜名湖に新しい観光資源としての舟運の活用を求める動きが、 浜松市の舘山寺や湖西市の観光協会、 商工会などから提唱され、 平成十一年二月に浜名湖湖(うみ)の駅連絡協議会が設立されました。
     これを受けて、 平成十三年度に県が中心となって湖(うみ)の駅構想検討委員会が設置され、 構想の実現の可能性について検討がされました。 結果として新たな観光資源としての期待は大きいものの、 採算性や事業主体の不明確さなどから実現困難との結果となり、 その後お蔵入りとなりました。 しかしながら平成十六年に開催された浜名湖花博では、 漁業者などによる水上タクシーは殊のほか評判がよかったなどの報告もされており、 水上交通への期待は地域の方々によって受け継がれてきました。
     この構想をお蔵から引き出し日の目を見せてくれたのは浜松商工会議所の動きでした。 近年世界的に水辺が見直されていることから、 アメリカ・ボストン湾のウオーターフロント事業や韓国ソウル市の中心部を流れる清渓川再生などを参考にしながら、 浜名湖の舟運と堀留運河の連携をまちづくりの観点から研究し、 さらに観光振興や防災の観点も加えて調査を始めたことによります。 昨年七月に 「舟運都市浜松の実現に向けて」 と題した講演会を開催するとともに、 十月には浜名湖地域舟運都市構想研究会が発足して調査研究を進めています。
     一方、 国土交通省では、 平成二十一年度から河川や水辺をまちづくりや観光の核にして地域開発を進める市町村に、 ハード・ソフトの両面から支援するかわまちづくり支援制度を新たにつくることとしています。 さらに河川を使って物資を輸送する舟運の利用を促進する新たな対策を打ち出すようです。 二酸化炭素排出量の少ない舟運は環境面ですぐれているとともに輸送コストも下がることがあることがわかっており、 震災時の緊急輸送などにも舟運への期待が高いことがその理由だそうです。 浜名湖、 新川、 堀留川はともに県管理の河川でありますし、 交通政策や観光振興の面でも県の果たす役割は大きいと思います。
     折しも浜松市では、 浜松モザイカルチャー世界博二〇〇九が本年九月から開催されます。 浜名湖地域舟運都市構想研究会では、 このイベントに合わせて東名高速道路浜名湖サービスエリアに桟橋を設置して会場である舘山寺フラワーパーク港までの舟運を結ぶことを手始めに、 舟運都市浜松を目指した取り組みをさらに進めていこうとしています。
     浜名湖の舟運復活の動きに対して県はどのように支援していかれるのか伺います。
     次に、 特別支援教育と福祉施策について伺います。
     特に知的障害児・者の就労、 自立といった進路について考えてみたいと思います。
     近年、 本会議での特別支援学校やその分校の設置についての質疑が目立ってふえていると思います。 事実、 今議会には幾つかの特別支援学校とその分校設置についての議案が上程されています。 特に知的障害を持った子供さんとその保護者の皆さんには、 中学校の特別支援学級や特別支援学校中等部を卒業後さらに三年間の教育を受けたいとして、 高等部やその分校の設置を強く要望しておられ、 本県としてもその要望にこたえるべく今日まで努力してきていることは承知しています。
     そこで気になるのは、 特別支援学校高等部卒業後の進路についてです。 浜松地域における工業高校への分校設置が予定されていますが、 この分校設置には地元経済界の強い要望があったと聞いています。 卒業生の一般企業への就職に対して地元経済界などの協力体制が必要だと思いますが、 どのように取り組んでいかれるのかまず伺います。 また現状の特別支援学校高等部の進路についても大変厳しい状況にあると聞いています。 一般企業への就職はほんのわずかにとどまっており、 授産施設などの福祉的就労も施設側の受け入れ人数が少ないこととともに、 施設側が求める能力とのミスマッチが多く、 せっかく施設に入所してもすぐにやめてしまうことなどが施設側から指摘されています。
     我が国の経済、 雇用環境がさらに悪化していく中、 特別支援学校高等部卒業生に対して就労・自立対策をどのように講じていくのか伺います。
     皆さんは静岡県立富士見学園、 静岡県立浜松学園という施設を御存じでしょうか。 学園という名称でグラウンドも体育館もプールも設置されていますが、 厚生部所管の障害者支援施設です。 ともに就労、 自立を目的に寮生活を営みながら実習や自立訓練に取り組んでいます。 富士見学園の入所者には特別支援学校高等部の卒業生が多く、 浜松学園には中学校の特別支援学級の子供たちなど中学校卒業生が多いことが特徴です。 特別支援学校高等部との対比から、 ここでは浜松学園をモデルに質問を進めていきます。
     浜松学園は定員一学年三十人の二年制の入所施設です。 入所者全員が一般企業への就職を目指して金属加工、 組み立て加工、 縫製加工などの実習に取り組むとともに、 寮生活を通じて規則正しい生活習慣の習得など社会に出てきちんと自立した生活が送れるよう訓練に励んでいます。
     浜松学園は、 かつては一般企業への就職率一〇〇%を誇り知的障害児の東大とも言われたような存在でした。 特別支援学校高等部が充実するとともに、 寮生活でなく自宅から通わせたいとの親の思いもあり入園希望者が減少傾向にあります。 このような状況下においても、 平成十九年度も二十五名の卒園生のうち一般企業へ二十三名が就職するという高い実績を残しています。
     しかしながら、 経済・雇用環境の悪化は浜松学園にも及び、 本年度平成二十年度の一般企業等への就職は、 卒園生二十四名中の四分の三程度にとどまりそうです。 特別支援学校高等部の整備が進む中、 浜松学園の今後についてどのように考えておられるのかお伺いするとともに、 卒園生の就労・自立対策をどのように講じていくのか伺います。
     地元経済界の要望にこたえて特別支援学校の分校が設置されるのは、 就職先の心配が頭から片時も離れることのない保護者の皆さんにとって画期的なことだと思います。 さらにこうした障害のある方の就労については、 より積極的に企業側に働きかけ関与を求めていくことが重要であると思います。 また特別支援学校高等部卒業生や浜松学園などの卒園生が就職しても、 そのまま企業に生涯にわたって雇用されている場合ばかりではありません。 企業とのミスマッチなどにより退職をした場合には学校や学園の支援は受けにくくなります。 県として、 このような知的障害を持った方に対する就労支援についてどのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、 高校生の進路意識について伺います。
     一昨日、 昨日とキャリア教育についての質問が相次ぎました。 私の質問もキャリア教育とは書いてありませんが、 小中学校を経て教育委員会の関与する最終段階である高校生のキャリア教育の成果についてお尋ねするものです。 遠藤教育長は二日間の答弁で、 本県ではしっかりとキャリア教育を行っているとの答弁をされていましたが、 少し残念な事例を示しながら高校生の進路意識について伺いたいと思います。
     まず、 進学についてです。 大学全入時代と言われているように、 大学や学部を選びさえしなければだれでも大学に入学できるようになりました。 昨年の入試で定員割れした四年制私立大学は四七・一%とほぼ半数に達しています。 また大学生の基礎学力低下が著しいことも事実で、 多くの大学で新入生に補習が行われています。 学力の低い生徒でも入学させなければ学校経営に支障を来す大学が、 学力試験を課さない推薦入試やAO入試などを積極的に進めてきた結果、 昨年の入試では推薦やAO入試で入学した大学生は四三・四%であり、 私立大学に限れば何と半数以上の五一・四%の学生が学科試験を受けずに合格しているのです。
     このような現状から、 進学校と言われる高校でも難関大学を一般入試で挑戦するのでなく、 指定校推薦やAO入試などの学科試験のない安易な受験で済ませようとする生徒が多くなっていると聞きます。 結果として、 推薦入学を目指す生徒は日常の授業はほどほどでよく、 教室内では難関校に挑戦するために努力している生徒とほどほどでいい生徒が混在することになります。 また二学期の段階で合格が決まってしまう推薦入学の生徒に、 その後の高校生活をどのように送らせるのかも大きな課題だと思います。
     そこでまずキャリア教育の観点から、 大学進学後にこんなはずではなかったとか、 自分に合わないといったようなミスマッチのない大学選びをどのように指導していくのか伺います。
     次に、 就職について伺います。 昨年秋から年明けにかけて高校の進路指導、 特に就職担当の先生方は大変な御苦労があったと思います。 九月の一次試験で合格できなかった生徒には、 その後の求人はぱったりとなくなってしまいました。 リーマンショック以降の経済危機が我が国にも及んできてからです。 さらにキャリア教育の成果が残念ながらあらわれず、 そもそも就職する意思がなかったり、 親の経済力が許せば、 とりあえずどこでもいいから専門学校へでも行こうかと考えている多くの生徒に対しての進路指導は短期間でできるものではありません。
     教育雑誌に載っていたお話を紹介します。 高校二年生の十二月ごろ進路指導室を訪ねてきた二人の女の子の話です。 担任からそろそろ進路希望を決めろと督促され、 どうしてよいかわからず進路指導室へ来たようです。 進路指導の先生は、 まず自分の好きなことや興味のあることを考えてその中から自分の将来の仕事に結びつきそうなものを選ぶ、 そしてその仕事につくためにはどうすればいいかを調べて進学するか高卒で就職かを決めるようにアドバイスしました。
     一人の答えは、 一番興味があるのはメイク、 次は服、 アクセサリー、 アイスクリーム、 倖田來未と答えたところで先生の制止に遭いました。 すると興味のあるものがわからない、 第一、 将来働きたくないので結婚して専業主婦になるとのこと。 その話を聞いていたもう一人は、 考えるの面倒くさい、 メイクが好きなのでメイクの専門学校に行く、 卒業したら化粧品を売ると話して、 二人で楽しそうに帰っていったそうです。 先生の落胆したであろう姿は容易に想像できます。
     この女の子二人は、 決してごくわずかな特殊な子供たちではなく、 就職や職業観の希薄な高校生はかなりの割合で存在していると思います。 企業ガイダンスやインターンシップ、 授業で現役の社会人の話を聞くなどのことが行われていることは承知していますが、 現状を見る限りでは効果は限定的と言わざるを得ません。 高校生の職業選択に対して、 今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いします。
     次に、 子供の安全対策について伺います。
     昨年春から夏にかけてのことです。 私の学校に保護者の方から問い合わせがありました。 一件は、 磐田地区で不審者情報があり、 小学校からの連絡で保護者は子供を学校に迎えに来てほしいとのこと、 おたくの学校ではどうされますか、 こういう問い合わせでした。 下のお子さんが磐田市の小学校に通っており、 上の兄弟が私の学校に在籍しているという御家庭の方からでした。 しばらくして今度は浜松市の我が校の近隣で郵便局強盗が発生し、 その連絡を受けた小学校が先ほどと同じく保護者による子供の迎えを要請されたとのことでした。 この件は残念ながら後でわかった話で、 我が校では郵便局強盗があったことをすぐに把握できていませんでした。
     この二件の情報を聞いて、 子供たちを預かっている立場の者として少し調べてみる必要を感じました。 磐田の件では中学校は集団下校をさせたようです。 また浜松の事例では近接の交番から小学校に連絡があったとのことでした。
     県下各警察署では、 それぞれに独自にファクスやメールを利用して不審者情報や犯罪情報などを直接、 あるいは教育委員会を通じて学校へ連絡されておりますが、 一部では区役所に提供された情報が教育委員会に届かず、 浜松市教育委員会から警察署の情報を関係地域の学校に提供することはしていないとのことでした。
     また、 教育委員会とのやりとりの中で、 浜松中央署が即時通報システム――ハーネットの導入を計画しているとの情報を得ました。 このシステムは、 携帯電話やパソコンのメールアドレスを登録した方にできるだけ速やかに身近な事件事故の情報をメールで提供するもので、 導入後既に千三百件を上回る登録数があります。 私自身と我が校も登録し、 一日約三件程度の事件事故情報がメールに入ってきます。 幸い今のところ生徒の安全対策を講じる必要のある情報には接していませんが、 学校にとっては大変ありがたい情報提供システムです。
     過日お邪魔した老人クラブの会合で、 ハーネットに登録している自治会長さんが、 その情報をもとに、 オレオレ詐欺や空き巣が近くで発生しているので注意をするようにお年寄りに呼びかけているなど、 その効果は広範囲に及び始めているようです。 広い通学区域を持つ高校では、 もう少し広い範囲の警察署の情報が得られるとさらにありがたいと思う次第です。
     また、 子供たちには放課後や休日などには学校も保護者も目の届かない時間が多く存在します。 弱者である子供をターゲットにした犯罪が目につきますし、 中学生や高校生にはさまざまな誘惑や犯罪の触手が伸びてきていることもあるようです。
     そこで、 このような情報提供システムなどを含め子供たちの安全確保のための方策について警察本部長に伺い、 私の質問を終わります。 (拍手)
    ○副議長 (込山正秀君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  小楠議員にお答えをいたします。
     初めに、 東海、 北陸、 長野各県との広域連携についてであります。
    これまで本県は、 中部圏のメンバーとして東海、 北陸、 長野の各県とは地域開発や観光などにかかわる協議会におきまして、 交通基盤の整備や観光ルートの開発などの広域的な課題に連携して取り組んできたところでございます。 そういう一環で中部経済連合会と中部圏知事会議が連携をして、 広域観光についてのマップとかあるいは観光ルート、 こういうものを表示した冊子をつくるとか研究を共同でするとか、 そういうことも行ってきております。
     また市町村レベルでは、 小楠議員の御紹介のような、 三遠南信地域においては、 自治体それから経済界、 この方々が盛んにいろんな交流をしております。 また南アルプスに関連して、 静岡市、 川根本町が隣接県の市町村と連携をいたしまして、 世界自然遺産登録をしようという活動も開始しているなど、 県境を越えて長野、 山梨あるいは愛知県とのいろいろな動きが出てきております。
     一方、 今日における空港、 高速道路等の高速交通体系の整備の進展は、 地域間の時間距離を縮め人・物・情報の交流を広域化させておりますので、 富士山静岡空港の利活用促進を初めとして、 道路、 河川、 環境問題等共通の広域的な課題に対して、 東海、 北陸、 長野の各県と本県が一層連携を深める必要が出てきておることは小楠議員の御指摘のとおりだと思います。
     こうしたことから、 本県といたしましては、 まず手始めに富士山静岡空港からの路線就航先である石川県との新たな交流事業に着手するとともに、 富士山、 白山、 立山の日本三名山を共通のコンセプトとした広域的な連携に取り組み始めたところであります。 今後地域間の交流が拡大する中で、 重点的に対応すべき課題や共通の目標を明確に見定めて、 実質的な効果が得られるよう連携関係の構築に取り組んでまいりたいと思います。 特にその突破口として観光交流、 これはお互いに相互にメリットを感じられるものでもありますので、 この点を先頭に連携強化に取り組んでいったら実効が上がるのではないかというふうに感じているところでございます。
     次に、 浜名湖の舟運――湖(うみ)の駅についてのお尋ねであります。
    この問題については、 小楠議員も御紹介ありましたように平成十一年だったでしょうか、 本会議での御質問から、 我々も地域の関係者と一緒になって浜名湖の湖面を利用した交通体系の再現といいましょうか復活、 これについても取り組んでみたところであります。
     しかし、 浜名湖花博の開催時には一部、 一時的に湖面を利用しての交通も実現しましたが、 日常的、 恒常的にこれを継続するには、 採算性の観点からなかなか踏み出し得ないということでさたやみになってきております。 ところが小楠議員の御紹介のように、 浜松商工会議所の中に再びこの問題に取り組もうという動きが出てきておりまして、 私もその辺のお話もちょっと聞いたことがあります。 特に東名の浜名湖サービスエリアと舘山寺を結ぶ舟運、 これを定期航路化したいということで具体的な動きが始まりそうだというお話も伺っておりますので、 期待をしているところでございます。 特に今後、 国内外からの交流人口の波は当然浜名湖地域にも押し寄せてくるわけでありまして、 その際にやはり浜名湖の舟運というのは一つの魅力ポイントになり得ると思います。
     私自身の若いころの体験を通じてみましても、 弁天島から舘山寺まで定期船が出ていましたね。 あれなどは特に天気のいいシーズンなんかすばらしい舟運だったと思うのであります。 そういうことも含めて今後交流人口を対象にして、 観光という観点からこの浜名湖の舟運も復活の可能性もあると思いますので、 地元で始まりました研究会の成果に期待しているところであります。 そういう中から、 条件整備の面で県としても河川管理者という立場からいろいろ取り組まなければいけない課題提起も出てこようと思いますので、 今後それらを踏まえて、 地元市町、 関係団体等と多面的に研究し必要な対策を打てるようにしていきたいと考えております。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁申し上げます。
    ○副議長 (込山正秀君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  知的障害児・者の就労支援についてのうち、 特別支援学校についてお答えいたします。
     県立浜松城北工業高等学校内への特別支援学校高等部分校の設置に当たっては、 浜松市産業界や労働・福祉機関、 浜松市教育委員会等と連携した協議会を設け、 障害者にとって豊かな社会生活につながる就労を目指してまいります。 具体的な教育内容といたしましては、 地元産業界のバックアップによるものづくりのまち浜松市ならではの実践的な職場実習や、 企業において製造や人事部門の第一線で活躍している方々による授業など、 卒業後の確実な就労に向け職業教育の充実に取り組んでまいります。
     また、 生徒の就労・自立対策については、 子供の障害の程度や特性を踏まえ、 将来働くことを通して社会自立、 生活自立できるよう小学部段階からの計画的、 継続的な指導を行うとともに、 進路予定先の事業所や福祉施設での体験実習を繰り返し行うなど、 子供一人一人に応じたきめ細かな進路指導の充実に努めてまいります。 現在厳しい経済状況の中ではありますが、 福祉就労を含め介護、 サービス関係等への職域の拡大や職場環境の整備等について、 今後も労働・福祉機関と一層連携を密にし取り組んでまいります。
     次に、 高校生の進路意識についてであります。
     まず、 大学選びについてでありますが、 入学する大学によって生徒の人生は大きく左右されることから、 生徒に何のために大学に行くのか、 将来どんな職業につきたいのか等を十分に考えさせるとともに、 大学が実施しているオープンキャンパスに積極的に参加させ、 自分の目でじかに大学の講義や教授陣の顔ぶれ、 研究内容、 さらには卒業生の進路先等を確認するよう多くの高校では指導しておりますので、 それらを一層充実させることが大切であると考えます。
     また、 キャリア教育の一環として、 職業への理解や社会への適応力を高めるため、 生徒が企業を訪問し直接経営者や従業員にインタビューして企業や職業について研究している学校や、 新たな科目を設定してロールプレーなどを授業に取り入れ、 コミュニケーション能力や規範意識、 円滑な人間関係形成能力の育成に力を入れている学校など、 特色あるさまざまな取り組みがありますので、 それらを多くの学校で共有化できるよう努めてまいります。
     教育委員会といたしましては、 本年度新たに、 将来医師を希望している生徒に対して実際の医療現場に接する機会を設けるこころざし育成セミナーを実施いたしました。 またNPOと連携して学校と企業のコーディネートを行い、 普通科高校でのインターンシップの推進に取り組んでいるところでもあります。
     今後は、 社会や企業との連携をより一層深め、 人としてのあり方生き方を考えさせ生きる力を育成するキャリア教育の充実を図り、 高校生の進路意識の高揚に努めてまいります。
    ○副議長 (込山正秀君)  大須賀厚生部長。
            (厚生部長 大須賀淑郎君登壇)
    ○厚生部長 (大須賀淑郎君)  知的障害児・者の就労支援についてのうち、 障害者支援施設についてお答えいたします。
     県立浜松学園は、 昭和四十二年の開設から今日に至るまで千百人を超える障害のある方を二年間の就労訓練と自立訓練を経て一般就労へと送り出し、 知的障害児・者の社会的自立に大きな役割を果たしてきましたが、 近年の特別支援学校高等部への進学率の上昇や在宅ニーズの高まりなど取り巻く環境は大きく変化いたしております。
     こうした中で、 入所施設という特徴を生かし、 今後とも家庭の支援力が弱く家庭からの生活支援や就労活動への協力が得にくい方の受け皿としての機能を発揮いたしますとともに、 より多くの企業からの業務を行い習得できる技術の幅を広げたり、 農業などの新しい分野も積極的に開拓するなどにより、 就職につながる実践的な訓練内容へと充実を図ってまいりたいと考えております。 また来年度は、 雇用情勢の悪化等の影響により離職せざるを得なかった卒園生等に対して、 再就労のための短期訓練を新たに実施してまいります。
     さらに、 十五歳から二十歳までの方々の自立のための支援につきましては、 制度やニーズが大きく変化いたしておりますことから、 来年度には今までの施策を改めて検証し、 福祉、 教育、 労働等各分野の連携や役割分担について県の組織を挙げて検討してまいりたいと考えております。
    ○副議長 (込山正秀君)  杉山産業部長。
            (産業部長 杉山栄一君登壇)
    ○産業部長 (杉山栄一君)  知的障害児・者の就労支援についてのうち、 就労支援策についてお答えいたします。
     障害のある方の就労を進めるためには、 企業に対する働きかけと関係機関が連携した就労支援体制の充実が重要であると考えています。 このため県では、 中小企業事業主等を対象とする障害者雇用企業見学会の開催や、 企業を直接訪問して求人の開拓や各種支援策の周知を行う求人開拓員を本年度の二人から来年度は三人に増員するなど、 引き続き企業への働きかけに努めてまいります。 また障害のある方は一度離職すると再就職することが容易でないことから、 来年度はジョブコーチの支援対象者を百五十五人から百七十一人に拡大し、 就職と職場定着を支援してまいります。
     さらに、 県内七カ所に設置している障害者就業・生活支援センター等を拠点に、 地域のハローワークなどと連携して生活相談や就労支援にも取り組んでおりますが、 来年度は賀茂地域にもミニセンターを設置することとしており、 これにより県内すべての障害保健福祉圏域での就労支援体制が整うこととなります。 こうした取り組みに加え、 あしたか職業訓練校のほか三カ所の技術専門校においても個々の能力と適性に応じた職業訓練を実施するとともに、 来年度からは特別支援学校と連携し、 就職先が内定していない高等部の生徒を対象とする職業訓練を実施することとしております。
     今後とも、 教育委員会や静岡労働局、 関係団体などと連携して、 障害のある方の就労支援に積極的に取り組んでまいります。
    ○副議長 (込山正秀君)  原田警察本部長。
            (警察本部長 原田宗宏君登壇)
    ○警察本部長 (原田宗宏君)  子供の安全対策についてお答えいたします。
     子供を犯罪から守るためには、 地域社会が子供を守り育てる意識を持っていただき、 子供の安全に対する役割を担っていただくことが重要であります。 その前提として地域住民、 関係機関、 団体が子供の安全を脅かす情報を共有していく必要がありますので、 警察といたしましても、 各種情報が迅速かつタイムリーに提供できるよう犯罪情報ネットワークの充実拡大を重要な課題として取り組んでまいりたいと考えております。
     現在の情報発信システムにつきましては、 各署におけるメール、 ファクスを活用した幼稚園、 学校、 教育委員会、 PTA、 ボランティア等への配信、 県警ホームページへの声かけ事案発生マップや性犯罪の発生状況等の掲載のほか、 交番、 地区防犯協会の発行する広報紙による犯罪情報の提供などがあります。 また児童生徒の防犯意識と危機意識を高めるため、 学校やボランティアと連携して、 防犯教室や不審者侵入事案の対処訓練などを実施しているところであります。
     平成二十年中に警察で認知した子供に対する声かけ事案等は一千十六件にも及び、 前年より百二十三件、 一三・八%増加しており、 下校時間帯に被害が集中している状況にもあります。 このため現在実施している登下校時の子供見守り活動の実態調査結果を踏まえ、 これまでの対策をさらに強化するとともに、 新たな施策として、 子供に対する声かけやつきまとい事案等の発生情報を警察本部から、 希望される方の携帯電話やパソコンへリアルタイムに配信する電子メールを活用したネットワークを構築することとしております。 このネットワークは、 登録された方に市町村単位の情報を配信するものであり、 登録者が居住地域のほか隣接する市町村の情報が必要であるとして登録していただければ、 その希望エリアの情報も入手できるシステムであります。
     さらに体制面では、 子供、 女性を対象とした声かけ、 つきまとい事案等の警戒や行為者の特定・検挙等を任務とする被害防止対策係を新設し、 子供の犯罪被害防止を徹底してまいりたいと考えております。

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