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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

赤堀 慎吾 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/29/2023

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 移住・定住の促進について
(1)子育て世代のさらなる移住促進に向けた取組
(2)若者のUターン就職の促進
2 多文化共生社会推進のための日本語教育について
3 原子力災害時の広域避難計画の実効性の向上について
4 水田農業の経営の安定について
5 菊川水系における水害対策について
6 県管理河川における堤防の草刈りについて


○議長(中沢公彦君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百四号から第百三十三号まで及び令和四年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題といたします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、六番 赤堀慎吾君。
       (六番 赤堀慎吾君登壇 拍手)
○六番(赤堀慎吾君) 皆様おはようございます。
 ラグビーワールドカップの観戦で朝早く起きられた方もあるかと思いますが、元気よく質問いたしますのでよろしくお願いをいたします。
 私は、自民改革会議所属議員として通告に従い当面する県政の諸課題について知事、副知事及び関係部局長に対し一括質問方式にて伺います。
 初めに、移住・定住の促進についてのうち、子育て世代のさらなる移住促進に向けた取組について伺います。
 少子高齢化が急速に進行する中、様々な社会的、経済的な課題が深刻化しています。昨年度設置された移住・定住等促進特別委員会においては、様々な関係者から現状や課題を聴取し移住・定住の促進等による社会増の実現に向けた提言を行っています。本県では令和四年度の移住者が二千六百三十四人となり過去最多を記録しました。またふるさと回帰支援センターが公表する移住希望地ランキングで三年連続一位となるなど移住施策に関して一定の成果を上げていると思います。
 一方で、総務省の住民基本台帳人口移動報告によると東京圏に対しては十歳代、二十歳代を合わせて毎年六千人程度の転出超過が継続するなど若年層をはじめとした転出超過の状況は依然として改善しておらず、移住や定住が着実に進んでいるという実感があまりないのが現状です。将来にわたり持続可能な地域を実現するためには多様な人の力が求められます。
 地域の暮らしに引かれて移住した若い世代が新しいまちづくりの担い手となり、刺激を受けた地域住民が活力を取り戻し、さらに移住者が増えるという好循環を創出していくことが移住施策の目的と考えます。そのためには本県への移住を希望する方がその希望を着実に実現できるよう移住に関する相談体制を充実し情報発信を的確に行っていくことはもちろんのこと、仕事と子育ての両立や安心して子育てができるなど子育て世代が望む生活スタイルや暮らしやすい環境、受皿を整えることが重要であると考えます。
 大都市圏へのアクセスのよさと豊かな自然環境を併せ持つ本県は移住希望者にとって魅力的な地域です。より一層若者や子育て世代に選ばれるよう県内市町や関係団体等と連携した取組を進めていくことが不可欠と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、若者のUターン就職の促進について伺います。
 静岡県の人口減少が止まりません。県の推計人口では令和四年は三百五十八万二千百九十四人で、ピークであった平成十九年の三百七十九万六千二十九人から二十一万三千八百三十五人減少しています。十五年間で沼津市の人口を超える人数が減少しました。昨年は一年間で二万四千六百二人減少しており、減少数では全都道府県で多いほうから三番目であります。
 人口減少の要因の一つに、若者の県外への流出が挙げられます。しずおか産学就職連絡会がまとめた二〇二二年春に卒業した大学生の就職状況によりますと、大学入学者の三〇%が県内の大学に進学しそのうち県内に就職した学生は八四%を占めますが、七〇%を占める県外の大学に進学した学生のUターン率は三六%であり、特に首都圏の大学に進学した学生のUターン率は三一%にとどまっています。県内出身者全体の県内就職率は五一%で、大学に進学した二人に一人が県外に流出しております。
 また、静岡新聞によりますと大学生の二人に一人が奨学金を借り、その多くが返済の必要な貸与型であり、平均受給額は三百万円を超え返済期間は十五年に及ぶということです。労働者福祉協議会の調査では返済中の三割強が、結婚や出産の人生設計に影響していると答えています。人口減少をいかに抑えていくかは本県にとって大きな課題であり、中でも進学等により県外へ転出した若者を呼び戻すことは喫緊の課題と言えます。
 県は、ふじのくにパスポートや「三十歳になったら静岡県!」に取り組み、若者の就職支援を行っており、今年度からは大学生の取材による企業情報誌を発行するとも聞いております。しかし若者のUターン就職を促進するためには、若者に対してより直接的な支援が必要であります。
 そこで、若者の本県での活躍を後押しするとともに、県内事業所の人材確保を図るため県内に就職した学生の奨学金の返済を支援する制度の創設が有効だと考えます。既に市町単位で実施しているところもありますが、県が土台をつくり、その上に市町が工夫を凝らすような仕組みが理想的であり、大切なのは静岡県が一つになって若者のUターン就職に取り組んでいるという姿勢を示すことであると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、多文化共生社会推進のための日本語教育について伺います。
 多文化共生社会を推進する上で最も大きな課題は言葉の壁であると言われますが、本県では初期日本語教室を実施し外国人に簡単な日本語を理解してもらうよう努めています。しかし現在の初期日本語教室だけでは十分と言えず、各市町においては行政や国際交流協会等が独自に日本語教育について施策を展開しています。
 先月八月四日に開催された大井川以西の八市一町でつくる遠州広域行政推進会議でも、日本語教育の充実のために国や県がさらなる支援を行うべきだという意見が相次ぎました。私の地元菊川市では、七月現在不就学の外国人の子供たち十七人が就学準備のため、虹の架け橋という教育推進支援を受けています。この事業は平成二十二年度から五年度間は国の委託事業として実施されていたものですが、現在は市町の事業として国庫補助を受けながら運営されており、菊川市は隣接する掛川市、御前崎市と三市で共同しNPO法人に委託して実施しています。県内ではほかにも焼津市や牧之原市で同様の事業が行われています。
 虹の架け橋教室では、平仮名、片仮名、小学一年生で習得する漢字などの日本語の初期指導とともに、掃除や朝の会など日本の学校スタイルを取り入れた指導を行い小中学校で学ぶための準備をしています。また地域と交流することで日本文化を体験するなど日本語が分からない不就学の子供たちには必要不可欠な存在となっていますが、定員をオーバーし入所できずに待機する子供が出てくるなど教室数の増加や充実した施設の設置等が望まれています。
 今年の六月九日、閣議決定により特定技能二号の在留資格が建設、造船・舶用工業の二分野から自動車整備、宿泊、外食業等十一分野に拡大されました。これに伴い専門技術を持つ外国人人材の在留期間の上限が撤廃され家族の帯同が可能になるなどの規制緩和により、これまで外国人があまりいなかった地域においても今後は外国人の方々の増加が見込まれ、人口減少が進む本県では貴重な存在であり県内各地で外国人の日本語教育に取り組む必要が出てくると考えます。
 しかしながら、地域資源の違いにより独自の取組にも限界があり、県としてより広域的な立場から各市町がどんな取組を行いどんな課題を持っているのかしっかりと把握した上で対応することが求められるのではないでしょうか。
 地域や年齢の違いにかかわらず全ての外国人が日本語で必要なコミュニケーションが取れる多文化共生社会の実現に向け、市町の日本語教育推進体制の構築に県として積極的に関わっていくことが必要と考えますが、今後の取組について伺います。
 次に、原子力災害時の広域避難計画の実効性の向上について伺います。
 平成二十三年三月の福島第一原子力発電所事故では多数の住民の方々が避難を余儀なくされました。事故から十二年半が経過していますが、いまだに原子力緊急事態宣言が発出されたままであり帰還できない地区が残っています。
 この教訓を踏まえ、他の原子力発電所の立地地域と同様に浜岡原子力発電所における原子力災害に備えて、県は浜岡地域原子力災害広域避難計画を策定し、これを基に発電所から三十一キロ圏内である原子力災害対策重点区域に位置する十一の市町はそれぞれの避難計画を策定し実効性の向上に取り組んでいます。
 私の地元である菊川市は、市全域が原子力災害対策重点区域に含まれており、平成三十一年三月に広域避難計画を策定していますが、市が開催した住民説明会ではバスの手配や交通渋滞、要配慮者の避難方法、避難経路での検査等について住民から様々な不安の声が寄せられていました。県の広域避難計画には今後検討及び関係機関との協議を進める課題として、避難経路及び避難手段の確保における関係機関との協力体制の強化、避難経路での燃料の確保、渋滞対策、降雪対策等が挙げられており、昨年度県が実施した原子力災害時における県民の避難意向調査においても同様の課題が指摘されています。また本年六月の定例会では、北陸地方など降雪地域への避難について取り上げられ議論されたところです。
 浜岡原子力発電所の周辺地域に住まわれている方々をはじめ県民の皆様の安全・安心のためには、これらの課題の解決に絶えず取り組み避難計画の実効性の向上を図っていく必要があると考えますが、現在の県における検討状況、今後の具体的な取組について伺います。
 次に、水田農業の経営の安定について伺います。
 全国的に米の消費が減少し続けており、国が公表する米の一人当たりの年間消費量によると令和四年度は五〇・九キログラムであり、私が社会人として勤め始めて間もない昭和五十八年の七五・七キログラムに比べ四十年間で二四・八キログラム、三二・八%も減少しています。また最近公表された令和四年度の食糧自給率は、カロリーベースで三八%と横ばいで推移し金額ベースは過去最低の五八%となり、農林水産大臣も記者会見において、海外依存度の高い小麦、大豆、飼料作物等の生産拡大を着実に進めていきたいと述べています。
 このような情勢下において、国は需要に応じた米の生産を進めるとともに水田を活用した麦、大豆、飼料用米などの生産拡大を経営所得安定対策等による交付金により進めており、私の地元である遠州東部地域においても農業者が飼料用米や小麦の生産に取り組んでいます。
 一方、飼料用米については令和五年産から交付単価の算出方法が見直され令和六年産からは国が認める品種以外は支援額が段階的に引き下げられることとなったため、飼料用米を生産してきた農家に不安が生じており何らかの対応が必要ではないかと考えています。加えてウクライナ紛争など海外の情勢不安を背景に食料安全保障への関心が高まっており、国産小麦の生産を拡大していこうとする動きがある中で収量の増加や品質の向上による生産力の強化に取り組むことは時間を要してでも進めていく必要があると考えます。
 そこで、本県においても飼料用米や小麦の生産を支援することは水田農業の経営安定につながると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、菊川水系における水害対策について伺います。
 近年、気候変動の影響による降雨量の増加により全国各地で浸水被害が頻発しており、本県においても昨年九月の台風十五号や今年六月の台風二号などにより県内各地で大きな浸水被害が発生しました。私の地元菊川市も例外ではなく、令和元年十月の台風十九号では一級河川菊川の支川黒沢川や江川の周辺地域において内水氾濫により四十二戸が床上浸水するなど大規模な被害が発生しました。
 菊川水系の中でも黒沢川流域はこれまでも大雨のたびに家屋への浸水を繰り返しており、この地域の住民にとって浸水対策は以前からの悲願であります。一級河川菊川水系は昭和四十二年の菊川本川の一級河川指定及び直轄管理区間への編入から、数回にわたる支川の直轄管理区間への編入を経ながら河川改修が進められてきました。現在直轄管理区間では、国が平成二十九年に策定した菊川水系河川整備計画に基づき堤防の整備や河道掘削、横断工作物の改築などの治水対策を実施し浸水被害の防止が図られています。
 激甚化、頻発化する水害に対して、国は令和二年に流域のあらゆる関係者が協働して総合的かつ多層的な水害対策に取り組む流域治水を推進することとしており、令和三年には流域治水の実効性を高めて強力に推進するため流域治水関連法を一体的に改正し特定都市河川の指定拡大などを図っています。
 これまで菊川水系では、直轄管理区間においては河道掘削や防災ステーションの整備などに取り組んでおり、支川の県管理区間や市管理河川及びその流域においてもハード・ソフトの水害対策を国、県、市などの関係者が連携して着実に実施することが求められます。菊川市としても黒沢川流域にある市立岳洋中学校の校庭を利用した校庭貯留施設の建設などに取り組んでおります。
 そこで、菊川水系における水害の軽減に向け、今後県としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、県管理河川における堤防の草刈りについて伺います。
 河川環境の保全は、単なる治水機能の確保にとどまらず私たちの暮らしに潤いと安らぎを与える水辺空間の創出としても大変重要なものです。また洪水が激甚化、頻発化する近年において堤防の健全性を確認する上で定期的な除草等、適切な維持管理が必要であると認識しています。
 県では、これまで地元住民や河川利用者との協働の下、清掃や除草等の河川美化を行うリバーフレンドシップ制度を導入しその活動を支援してきました。しかし近年の人口減少や高齢化、生活様式の変化等により地域によっては自治会等による除草の継続が困難になっており、自治会が経費を負担し業者に委託したり、作業に参加できないお年寄りなどは代わりにお金を払って作業をしてもらっているとの話も聞いています。
 私の地元の菊川市を流れる一級河川江川の一部にも、河道内に丈の長い草が繁茂し堤防斜面の地面部分が見えなくなるなど早期の対応が望まれる箇所もありますが、自治会等で対応する場合こうした場所の除草には危険が伴い多大な労力を要すると聞いています。
 知事は、森は海の恋人だとおっしゃっています。森と海が恋人同士であるならば、両者をつないでいる、結んでいるのはまさしく川です。県の「森は海の恋人」水の循環研究会でも、森、川、海の深いつながりを研究することは重要であり日本の中心の静岡県からその取組を発信することは大変有意義であると報告されています。
 川は全ての県民にとって大変重要な存在であるはずです。日本では雨が河川に流れ出てくる割合はおおむね五割を超えていると言われています。つまり流域に降った雨の半分以上は河川に流れ込んでいるということです。
 本来、河川の管理は川が流れているところの住民だけが背負うものではないと思います。治水機能を維持し地域に親しまれる河川の環境を将来にわたって維持していくためにも、地域住民等の負担を軽減するよう予算をしっかり確保し、地元自治会へのさらなる支援等これらの課題に対する検討が必要と考えますが、河川管理者の責務として今後どのように対応していくのか、県の見解を伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(中沢公彦君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 赤堀議員には、早起きをされてサモア―日本戦をテレビ観戦された由、私も早く起きまして、まずは西の端に落ちる直前の中秋の名月を見た後観戦いたしました。世界ランキングで一つ上のサモアに、最後のすさまじい追い上げを振り切って二十八対二十二で勝利を収め、これをばねにですね、さらに世界ランクが上のアルゼンチンに勝っていただきたいという思いで今日は元気いっぱいでございます。
 さて、私のほうからは移住・定住の促進についてのうち、子育て世代のさらなる移住促進に向けた取組についての御質問にお答えをいたします。
 多様な暮らし方や働き方への関心が高まり住まいもその一つの選択肢となっている中で、本県への移住者数は年々増加しており、移住した世帯主の八割を超える人たちが三十代前後の子育て世代となっております。将来にわたり持続可能な地域形成を実現するためにはこの世代をさらに呼び込んでいくことが重要でありまして、そのための対策を考慮する必要があると考えております。
 まず、移住後の住まいにつきましては、ふじのくに空き家バンクや市町等による空き家案内ツアー、住宅リフォーム支援制度の活用を促進しながら本県の豊かで広い暮らし空間を提供し、快適な暮らしの実現の後押しをしてまいります。また仕事につきましては、県内企業への就職をはじめ起業やテレワークといった多様な働き方に対する支援を行ってまいります。
 子育て世代への対応につきましては、子育て経験のある先輩移住者グループによる伴走支援や移住者同士や地域住民との交流の場を設けるなど移住者に寄り添って移住生活をサポートする取組を広げながら移住者が地域に円滑に溶け込める環境づくりを進めてまいります。子育て世代が抱く移住後の住まいや仕事、なかんずく子育てに関する不安や疑問に東京の移住相談センターと市町や関係団体との連携体制を生かしまして丁寧に対応してまいります。あわせてSNSや首都圏で開催するセミナー等を通じて本県が子育て世代にとって魅力的な地域であることを引き続き情報発信してまいります。
 今後は、保育に関する情報や子供の遊び場、地域の行事などより具体的に移住後の暮らしをイメージしていただけるように子育て世代の関心に応える情報の強化を図ってまいります。多彩なライフスタイルが実現できて子育て世代が暮らしやすい地域として引き続き多くの方々に本県を選んでいただけるよう、移住・就業支援金も活用いたしまして市町や地域団体等と連携しながらさらなる移住・定住を促進してまいります。
 その他の御質問につきましては副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○議長(中沢公彦君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 原子力災害時の広域避難計画の実効性の向上についてお答えいたします。
 浜岡原子力発電所における原子力災害に備え、県及び関係十一市町は策定した広域避難計画の実効性の向上を目指し、広域避難の拠点となる避難経由所や避難所の運営マニュアルの作成など運営体制の充実に向け避難先自治体や関係機関との協議を進めているところであります。加えて降雪対策や要配慮者の避難対策、避難経路、避難手段の確保における関係機関との協力体制の強化、渋滞対策等の広域避難に係る課題の解決に取り組んでおります。
 まず、降雪対策につきましては避難途中に自家用車を一時的に預ける駐車場所を準備しバス等に乗り換えて避難する方法を検討しており、現在この方法を実現するため駐車場所や移動手段の確保に向けて施設管理者や交通関係機関、関係自治体と協議を進めております。
 要配慮者の避難対策につきましては、原子力災害時に要配慮者が一時的に屋内退避を行うことができるよう社会福祉施設や避難所の放射線防護対策を進めているほか、市町と連携し県が作成したガイドラインを活用した説明会や個別訪問を行い社会福祉施設等の避難計画の策定を推進しております。
 避難経路等における関係機関との協力体制の強化や渋滞対策につきましては、今年度エリアメールやスマートフォンによるQRコードの読み込みを使用した、原子力災害時避難情報発信・集約システムの開発を進めております。住民の方々への避難情報の確実、迅速な伝達、避難状況のリアルタイムでの集約による関係機関との効率的な連携を可能とすることで円滑な避難の実施に結びつけてまいります。また開発後は、原子力防災訓練等で検証を重ねながら運用体制を強化してまいります。
 県といたしましては、今後とも県と関係市町が一体となって国の支援、避難先自治体や関係機関の御協力を得ながら広域避難計画の実効性の向上に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 増田経済産業部長。
○経済産業部長(増田始己君) 移住・定住の促進についてのうち、若者のUターン就職の促進についてお答えいたします。
 県では、これまで若者のUターン就職を促進するため、学生向けにはふじのくにパスポートを活用して、社会人向けには「三十歳になったら静岡県!」をキャッチフレーズとして本県の暮らしの魅力や県内の企業情報の発信などに努めてまいりました。今年度はこれらに加え、首都圏大学に向けた広報の拡充などにも取り組んでいるところであります。
 このような中、国は来年度から移住・就業支援金制度の対象を学生に拡大する方針を明らかにしました。具体的には、奨学金の返済負担軽減等を通じた少子化対策の一環として地方の中小企業に就職する都内大学の卒業生に対し六十万円を支給する方針で、本県におきましても学生のUターン就職促進施策に活用してまいりたいと考えております。議員御指摘の学生の奨学金返還支援制度につきましては、支援内容は様々でありますが、現在県内の十四市町において実施されていると承知しております。
 県といたしましては、県内市町の奨学金返還支援制度や来年度創設される大学卒業生向け移住・就業支援金の若者のUターン就職に対する効果などを踏まえ、学生に対する経済面の支援策について引き続き研究してまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 松村地域外交担当部長。
○地域外交担当部長(松村昭宏君) 多文化共生社会推進のための日本語教育についてお答えいたします。
 県内では、各市町が地域の実情に応じた日本語教育を実施しておりますが、県は対話交流型日本語教育を実施する市町に対して指導者の養成、学習教材の提供、コーディネーターによる教室運営方法調整等の支援を行い、外国人県民が生活に必要な最低限の日本語を身につけることができるよう日本語教育推進体制の構築を進めております。
 議員御指摘のとおり、国の在留資格制度の見直しにより今後は外国人集住都市以外にも外国人の増加が見込まれ、県内に九町ある日本語教室空白地域の解消が課題となります。県は意向調査により市町の実態把握をしておりますが、空白地域の町からICT教材の活用希望があったことを受け、本年度教材に加えオンラインによる双方向型での日本語教室を空白地域で開催する予定です。
 虹の架け橋教室につきましては、外国人児童生徒の就学準備支援として成果を出していると認識しております。国の補助金に加えまして県が事業費支援をすることは困難ですが、県教育委員会において市町との役割分担を踏まえまして日本語指導が必要な児童生徒が能力に応じた日本語及び教科指導を受けられるよう、小中学校への十分な教員の配置や支援員の派遣等に努めておりまして、市町には自動翻訳機の貸与等を行っております。
 県といたしましては、空白地域の解消に向けてICT教材の活用や広域による日本語教育の実施を提案するとともに、県内市町に寄り添い意見を聞き連携しながら地域の課題に対応することで市町の日本語教育推進体制の構築を支援してまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 水田農業の経営の安定についてお答えいたします。
 本県耕地面積の約三分の一を占める水田をフル活用し需要に応じた主食用米の生産に加え飼料用米や小麦等の戦略作物を生産することは、水田農業の経営安定や食料の安定供給など本県の農業振興において大変重要と考えております。
 県では、これまで水田で戦略作物を生産する農業者に対して交付金を助成する国の経営所得安定対策等を活用し生産構造の転換を促進してまいりました。一方今年度から国の交付単価等が縮小された飼料用米と小麦につきましては、県独自に交付対象を設定できる産地交付金による支援の拡充に向けて国や市町との協議を進めてまいります。
 飼料用米の生産拡大に向けましては、農業者の生産計画に即応できるようJA等と連携し、国が認める専用品種の種子の確保に取り組んでいるところであります。加えて小麦との二毛作におきましても、安定した収量が確保できる新品種の選定を進めており、令和六年産から対象品種に認定されるよう国との手続を進めてまいります。
 また、畑作物である小麦につきましては生産量の増加や品質の向上を図るため、排水性を高める暗渠排水等の基盤整備により水田の汎用化を進めるとともに、肥料の適正量や適切な施用時期の実証試験にも取り組んでおり、最適な栽培手法を生産現場に普及拡大してまいります。
 県といたしましては、飼料用米や小麦等の生産拡大を支援し水田農業の経営安定と食料の安定供給を図ることで本県農業の持続的な発展を実現してまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 勝又交通基盤部長。
○交通基盤部長(勝又泰宏君) 菊川水系における水害対策についてお答えいたします。
 菊川水系は二十五河川、延長約百二十二キロメートルが一級河川に指定されており、このうち県は支川や菊川本川の上流部など延長約八十五キロメートルを管理しております。この県管理区間では河川整備計画に基づき西方川、稲荷部川、亀惣川における川幅の拡大などの河川改修やその他の河川におけるしゅんせつなどの治水対策を実施してまいりました。
 近年の激甚化、頻発化する水害に対し、菊川水系では令和二年七月に国や県、関係市による菊川流域治水協議会を設置し、令和三年三月に流域治水対策の全体像を示す菊川水系流域治水プロジェクトを策定いたしました。今後ともこの計画に基づき各河川の特性に応じた河川改修、落差工や堰の改築、水田貯留などの対策を協議会において進捗管理を行いながら流域の関係者が連携して実施してまいります。
 また、市街化が進み内水被害が頻発している黒沢川流域につきましては、早期の浸水被害軽減のため雨水貯留浸透施設などの整備の加速化や土地利用規制が可能となる特定都市河川の令和六年度の指定を目指し国、県、菊川市による調整を進めてまいります。
 県といたしましては、菊川水系における浸水被害の軽減に向け流域治水の考え方に基づくハードとソフトの対策を国や関係市と連携して進めることにより、水害に強い地域づくりに努めてまいります。
 次に、県管理河川における堤防の草刈りについてであります。
 県では、安全な河川施設や良好な水辺空間を保持するため河川の除草を実施しております。しかし除草の対象面積は約三百六十万平方キロメートルと広大であるため、地域の自治会などの御協力を頂いており、こうした活動には心から感謝しているところであります。
 県では、従来から肩掛式草刈機で行われていた除草作業を軽減するため、新たに大型のリモコン式草刈機を昨年度から導入し除草作業の効率化を進めております。さらに堤防の強化のために行う堤防天端の舗装などにより除草対象面積を減らすことにも取り組んでいるところです。また地域の自治会などによる河川除草等の活動はリバーフレンドシップ制度により支援しております。豪雨が激甚化する中、河川の重要性に目を向ける機会となる地域活動は河川愛護だけでなく住民の水防災意識の向上にもつながるものと期待しております。
 このため、県ではより効率的な河川除草への改善や工夫を続けることはもとより予算確保に努めてまいります。また地域活動での負担を軽減するよう、議員御指摘の危険が伴い多大な労力を要する箇所の県による直接実施やリモコン式草刈機の活動団体への貸出しなどにより地域活動が継続していくよう支援してまいります。
 県といたしましては、引き続き河川における地域活動との協働を通して地域に愛される河川の良好な維持と地域防災力の向上ができるよう取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 赤堀慎吾君。
       (六番 赤堀慎吾君登壇)
○六番(赤堀慎吾君) 御答弁ありがとうございました。
 幾つか大変いい御答弁を頂きましてありがたく思っておりますが、意見、要望を三点申し上げたいと思います。
 まず一点目は、若者のUターン就職の促進についてですが、私は本県の人口減少の状況は、これはもう切実と言うかゆゆしきものであるというふうに思っております。その対策の一つとしてUターンした学生の奨学金の返還への支援ということを提案をさせていただいたんですが、ただいまその国が移住支援金制度を拡充するというような御答弁もありましたが、それはあくまでも国の話なんですよね。やっぱり静岡県に戻ってくるためには静岡県が政策を打つべきだと思ってます。
 県内十四市町が実施しているというお答えもありましたけれども、やっぱり県と市町が一つになって一緒になって、静岡県が一つになって若者のUターン就職を進めてるんだよっていう姿勢を示すことが重要ではないかというふうに思っておりますので、引き続き御検討をしていただくように要望いたします。
 二点目は、多文化共生社会推進のための日本語教育についてでございますが、このうち虹の架け橋教室の関係ですけれども、今御答弁の中で市町との役割分担を行ったという御答弁がありました。これ、私の解釈が間違いでなければ静岡県の在留外国人数は平成二十年に十万三千二百七十九人でピークを迎えたんですね。ところがこの後リーマンショックによる世界同時不況により国に帰られた外国人の方が多くて、それ以降減少し続けて平成二十六年には七万五千百十五人まで減少しました。市町と役割分担をしたのは恐らくこのときだと思うんですよ。それ以降また外国人の住民の方は増えてて、令和三年には九万七千三百三十八人まで回復しております。ですから役割分担の話合いをしたときと今では社会状況が変わってますので、改めて話合いをしていただきたいと思います。これが二つ目の要望です。
 それから三点目ですが、県管理河川の整備と管理についてでございます。
 ただいま非常に積極的な御答弁を頂きましてありがとうございました。また本定例会の代表質問において、流域治水の取組により国庫支出金や緊急しゅんせつ事業債等を活用し河川の整備等は加速化されているという答弁もあったかと思います。
 ただ、私はですね、毎年のように水害に遭っている状況を鑑みれば、さらに迅速に進める必要があるのではないかと考えております。
 財政の基本として、入るを量りていずるを制すと言います。南洲翁の遺訓にも出てまいります。私ももっともだと思っております。ただ誤解を恐れずに申し上げれば、地方自治体の財政運営は本来いずるを量りて入るを制するものだと思っております。
 県民の生命と財産を守るためにやらなければならないことがあるのであれば、財源をしっかり確保して取り組むべきだというふうに思います。雨は待ってくれないんです。雨が降るたびに不安な時間を過ごしている県民がたくさんいるんです。
 三つ目の要望ですが、これまで御努力されていることは承知をいたしましたが、安全・安心な社会の実現のため県管理河川の整備管理をさらに加速化して進めていただくようお願いいたします。以上で質問を終わります。(拍手)
○議長(中沢公彦君) これで赤堀慎吾君の質問は終わりました。

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