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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

植田 徹 議員

質問分類

一般質問

質問日:

07/02/2012

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 富士山と新東名高速道路を活用した富士地域の活性化について                               
2 新幹線駅と在来線富士駅の結節について              
3 岳南地域の工業用水について                   
4 電力を融通し合うことができるセーフティーネットワークの構築について                          
5 ふじのくに先端医療総合特区の取り組みによる地域企業への支援について



    ○議長(小楠和男君) これで大池幸男君の質問は終わりました。
     次に、五十五番 植田 徹君。
           (五十五番 植田 徹君登壇 拍手)
    ○五十五番(植田 徹君) 六月定例会最後の質問者となりました。午後のひととき睡魔の訪れる時間帯ではございますが、どうか御清聴をお願いをいたします。
     私は自民改革会議の所属議員として、通告に従い知事、関係部局長、企業局長にお伺いをいたします。
     初めに、富士山と新東名高速道路を活用した富士地域の活性化について伺います。
     四月十四日に華々しく開通をした新東名高速道路は、期待どおりの効果を発揮し現東名高速道路との間で交通量の分散化が図られ、ゴールデンウイーク期間中においても渋滞や交通事故の減少に大きく寄与しました。
     特に、駿河湾沼津サービスエリアや清水パーキングエリアは多くの観光客でにぎわい、本線上まで駐車場待ちの車両が連なるなどその集客力は目をみはるものがあり、改めて新東名が地域にもたらす効果、可能性について再認識をしたところであります。
     しかし、しかし一方で我が地元富士地域におきまして新富士インターチェンジで開通式が盛大に行われたもののサービスエリアやパーキングエリアが設置されていないために、開通以降は多くの車両が通過するものの、地元に対する直接的な効果を享受しておりません。サービスエリアやパーキングエリアが設置されたほかの地域との違いは歴然であります。休日ともなれば山梨方向に向かう車両が新富士インターチェンジから大量に流出し、慢性的な渋滞を引き起こしております。地元に効果をもたらすどころか逆にマイナスの影響が生じております。インターチェンジの出口周辺に道の駅があったら、土産物屋があったら、あるいは飲食店があったら、どれだけ地元にお金が落ちるでしょうか。指をくわえて渋滞車両を眺めている現在の状況はまことに残念でなりません。
     新東名高速道路は、当初の開通予定を一年前倒しして開通したものの、この開通のインパクトを受けとめるための施設の整備が追いついていないことが一つの原因であります。また長期的な構想としては、以前私が本会議で指摘をいたしました富士山を眺望できるパーキングエリアの設置が必要であると考えております。ふじのくにを掲げる静岡県において、新東名高速道路に車をとめて写真一枚撮るところもないという状況は余りにも寂しいではありませんか。しかしながら新規のパーキングエリアの設置には多くの時間を要することも事実であります。このため喫緊の対応といたしまして、準工業地域への都市計画変更を予定しております新富士インターチェンジ周辺の土地区画整理事業地区内や周辺の未利用地において休憩施設や店舗等を建設し、早期に新東名高速道路の開通の効果を享受することを提案いたします。
     「鉄は熱いうちに打て」と申します。新東名高速道路開通のもたらす経済、物流、観光など多くの分野での可能性を多くの住民、関係者が現実のものとして感じているこの機会をとらえ一気呵成に動き出す必要があります。
     安全・安心で魅力ある地域づくりを目指す内陸のフロンティアを開く構想は、今後県と市町が協議をしながら九月末に向けて全体構想の策定、総合特区の申請を行う予定と伺っております。都市計画区域の変更などの土地利用を初め市町がかかわる分野も多く、市町の取り組みの姿勢、意欲が本構想の成功のかぎを握っていると考えます。現時点でパーキングエリアやサービスエリアを持たない富士地域において、インターチェンジ周辺での開発や内陸のフロンティアを開く構想にかける期待は大きく、地元も県と一体となって構想推進に取り組む用意があります。基幹産業である製紙業等の空洞化により停滞する富士地域にとっては、富士山を間近に望む好立地を生かし訪日外国人観光客の多様なニーズへの対応、またロングステイにも対応できる新たなリゾート機能や首都圏、中京圏の間に位置する立地を生かしハイパー物流――サード・パーティー・ロジスティックスの誘致により広域物流拠点としての機能を集積させ、あわせて地域の雇用創造を図ることも可能となるような、まさに地域再生に連なる内陸フロンティアを望むところであります。
     そこで、私から御披露させていただいた提案を含め富士地域における内陸のフロンティアを開く取り組みによる地域活性化の県の考え方について、知事の所見をお伺いいたします。
     次に、新幹線駅と在来線富士駅の結節についてであります。
     世界文化遺産として登録を目指す富士山を望む富士山静岡空港が開港してはや三年となります。去る六月三日には三周年の記念式典も行われ、四年目の新たなスタートを切ったわけでありますが、本年三月にはチャイナエアラインが開港後初めての国際新規路線である台北線の運航を開始し、満席となる便もあり順調に利用されていると聞いております。また先月十八日からは中国東方航空が新たに上海線を武漢へ延伸し、航空ネットワークが着実に充実してきております。利便性の向上を通じて、富士山静岡空港の今後のさらなる飛躍を期待するものであります。
     富士山静岡空港は、五月末現在で開港以来の利用者が約百五十七万人に達しております。海外からの利用客も多く、現在東日本大震災による影響などによりインバウンドの回復がおくれている地域もありますが、外国人の出入国者数については平成二十二年度には広島や仙台より多い全国第八位となっており、国際線利用客数全体でも全国第十位のポテンシャルを発揮しております。
     このような中で、来年には富士山の世界文化遺産登録を控えており、その実現に地元の期待も高まっているところであります。登録後は富士山静岡空港を利用し海外からの富士山への来訪者がさらにふえることが見込まれます。外国からのお客にとって見知らぬ土地での移動は不安を覚えることも予想されますので、空港や富士山へのアクセス等の利便性向上は重要な視点であります。新東名高速道路も開通し、車による富士山静岡空港へのアクセスはより便利なものとなりました。しかしながら富士山静岡空港に直結する新幹線新駅はいまだ実現しておりません。航空機と新幹線が結節する新たな交通体系としての県民の期待は多大なものがありますので、新幹線新駅の実現に向けて引き続き御努力いただきたいと考えます。リニア開通時――二〇二七年まで待たずとも技術的には十分可能だと思います。また今後一層の国際線利用の増加見込みや首都圏補完空港としても十分機能する位置にあることから、国への働きかけをもあわせて御努力いただければと考えます。
     また、交通網の結節という点では、私の地元富士市におきましては富士地域の表玄関である新幹線新富士駅と在来線富士駅がつながっていないアクセスの悪さは、以前にも本会議で指摘したところであります。くれぐれも富士山静岡空港が新幹線新富士駅の轍を踏んではならないということをあわせて申し上げておきたいと思います。新幹線新富士駅は、昭和六十三年三月在来線の富士駅と結節をしていない中で開業し現在に至っております。新富士駅と在来線駅とのアクセスは、バスやタクシーを使わざるを得ないのが現状となっております。
     そのような中で、富士市におきましては平成二十二年三月に市民本位の便利な交通体系を確保しコンパクトなまちづくりを実現するため富士市総合都市交通戦略なるものを策定し、地域公共交通総合連携計画や都市計画マスタープランなどとともに公共交通ネットワークの再構築を検討していると聞いております。しかし富士市には現在でも多くの貨物引き込み線があります。これらを利用した身延線の延伸化により新富士駅と富士駅の接続を図る等々、これら既存施設を活用した連結も考えられるのではないでしょうか。新幹線新富士駅と在来線富士駅との接続は、世界文化遺産登録を目指す美しい富士山を間近に望む富士市、富士宮市の岳南地域全体における観光や産業の振興に大きな影響を与える広域的な課題であり、このような交通インフラの整備は五十年先を見詰めた長期的な視点で考えるべきものと思います。
     地元富士市が主体となって検討していく課題ではありますが、県の主導や推進力を期待されるところであり、このことについて県の所見をお伺いいたします。
     次に、岳南地域の工業用水について伺います。
     岳南地域における製紙業の歴史は古く、江戸時代文化年間、西暦一八〇〇年ごろに富士地区の特産であるミツマタを原料として駿河半紙をすき、江戸や京都、大阪において好評を博したとされております。明治時代から大正時代にかけては岳南地域に多くの製紙会社が誕生し、紙の黄金時代が築かれました。岳南地域の製紙業は豊富な地下水によって支えられ成長してまいりました。戦後には紙の需要が高まる中で、原質調成機械や抄紙機等の開発も相まって製紙機械工業が大きく発展し、富士市は紙のまちとして全国に知られるようになりました。その後も紙の需要は拡大を続けてきましたが、平成三年のバブル経済の崩壊を契機に紙の需要が鈍化し、製紙業を取り巻く環境は大変厳しいものとなりました。さらに最近では人口の減少やペーパーレス化による国内需要の低迷に加え、中国やインドネシアからの安価な輸入紙の増加により国産品のシェアが減少している状況にあります。
     こうしたことを背景に、製紙業を基幹産業とする富士市の製造品出荷額等は平成十三年まで浜松市に次いで県内二位を維持しておりましたが、平成二十二年には県内五位と以前に比べ落ち込んでおります。さらに昨年八月には大手製紙企業が規模縮小を発表するなど大変ショッキングなニュースもありました。製紙業は運輸、倉庫などの物流や薬品を扱う化学など関連産業も多いことから製紙企業の撤退が地域経済に与える影響は非常に大きく、このまま撤退が続けば地域経済が空洞化してしまうおそれがあります。活気にあふれる富士市の産業を取り戻すためには、地域経済の牽引役である製紙企業を留置する必要があるのです。
     そこで私は、ほかの地下水脈にも影響を及ぼさないように通常よりも深く、例えば四百から五百メートル掘って水脈を当て富士山からの良質な地下水をくみ上げ、既存の管路を使ってより安い金額で企業に水を供給したらどうかと考えました。かつて岳南地域では地下水のくみ上げ過ぎによる塩水化などの地下水障害が発生したため全国に先駆けて地下水利用対策協議会を設立し、地下水使用量の制限や工業用水道への転換など官民挙げて地下水の適正利用を推進してきたことは十分承知をしております。また企業局の工業用水供給量は非常に多く、それを地下水で賄うには現在でも解消されていない地下水の塩水化への対応など解決しなければならないさまざまな課題があることと思いますが、製紙業の窮状を打破するためには発想の転換が必要なのではないでしょうか。
     さて、企業局が経営する工業用水道事業の中で、岳南地域を給水区域とする富士川及び東駿河湾工業用水道事業はいずれも黒字経営を維持しておりますが、一方で赤字経営となっている事業もあります。私はかねてから、個々の工業用水道事業においてできる限り収支の均衡が図られるようにすることが必要であり、それに向けた取り組みが求められると主張してまいりました。こうした中、受水企業の皆さんが導入に期待をかけていた節水努力が料金に反映される二部料金制が本年四月に導入されたことは歓迎すべきことであります。二部料金制の導入により徐々に効果が上がってきていますが、その一方で受水企業の皆さんからはより一層の負担軽減を望む声もあります。
     私は、こうしたことを踏まえ富士市の基幹産業である製紙業の企業を留置し産業再生を図るためには、岳南地域の工業用水料金のさらなる見直しに取り組む必要があると考えますが、企業局長の所見をお伺いいたします。
     次に、電力を融通し合うことができるセーフティーネットワークの構築についてであります。
     夏本番を控えことしも全国的に電力不足が懸念されており、特に西日本の電力不足は大きな問題となっております。関西電力管内では電力不足を解消するため福井県にある大飯原子力発電所を再稼働に向け原子炉を起動させましたが、再稼働に当たっては国を二分する大きな議論を巻き起こしたところであり、電力を安定的に確保するためには数多くの課題を乗り越えていく必要があるものと考えます。
     我が県に目を移しますと、昨年県内で実施された東京電力管内における計画停電は記憶に新しいところであり、ことしは東京電力、中部電力ともに供給余力はあるものの、猛暑などが重なれば昨年と同じことが起こり得ると懸念されております。このような経験を踏まえ電力会社による大規模な電力ネットワークに依存するだけではなく、地域ごとに電力を自給自足できるような仕組みを検討する必要があると強く感じているところであります。
     私の地元である富士市は、富士川を挟んで東京電力と中部電力の二つの電力会社から電力の供給を受けているために、昨年の計画停電の折には同じ市内でありながらそれぞれの管内の間で市民生活に大きな差異が生じました。中には計画停電が行われた時間帯には、東京電力管内から中部電力管内に住民が大移動するような状況も見受けられました。万が一にもことしこのようなことが生じれば、東京電力管内に住む県民や企業は将来に対する不安から他の電力会社の管内への移転についても検討をせざるを得ない状況になります。こうした電力会社の管内の違いによる不平等は、電力を融通し合うことにより解消できると考えられますが、二つの電力会社においては供給する電力の周波数が異なることから現状では自由に融通し合うことができません。
     そこで、広域的な電力会社のみに依存するのではなくそれぞれの地域内で電力を確保し、それを融通し合うことができる仕組みを構築することが重要であると考えますが、県の所見を伺います。
     また、万が一に備え周波数が異なる電力を相互に融通し合うことができるよう周波数の変換能力をさらに拡大していくことも重要な検討事項であると考えますが、このことについても所見をお伺いいたします。
     最後に、ふじのくに先端医療総合特区の取り組みによる地域企業への支援についてお伺いをいたします。
     国は、平成二十二年に決定しました新成長戦略において高い成長が見込める産業と位置づけた医療関連産業などの成長戦略を実現するために、地域を指定して規制の特例措置や金融、財政などの支援措置をオーダーメードで集中的に実施する総合特別区域法を制定しました。
     本県が申請をしましたふじのくに先端医療総合特区は、昨年十二月二十二日に国から地域活性化総合特別区域として指定され、ことし三月九日には第一次の総合特区計画の認定を受け、県、富士山ろくの十二市町や金融機関、商工関係団体等が連携して推進しているところであります。この総合特区では富士山麓先端健康産業集積プロジェクト、いわゆるファルマバレープロジェクトの一環として、革新的ながん診断装置、診断薬の開発と地域企業における医療機器の開発や医療機器メーカーへの部品、部材供給への参入を目指すとしており、各地で企業や商工会議所、商工会、行政といった関係者への説明会に多くの参加者を集めるなど地域の期待も高まってきております。
     これまでにも、ファルマバレープロジェクトでは県、市町や産業支援機関などが連携しまして、医療機器メーカーとの交流会や製品開発をリードする人材養成などにより地域企業の医療機器分野への新規参入や第二創業を支援し、医療機器を開発する企業があらわれるなどの成果を上げていると承知をしております。特に医薬関連メーカーの生産拠点が集積をしています富士地域においては、富士市と県中小企業団体中央会東部事務所の支援のもと医療機器分野への進出に意欲を持つ企業が集まり医療、福祉現場によるシーズ、ニーズの把握と関連機器の開発に対する勉強会として、富士山麓医療関連機器製造業者等交流会が開催をされております。
     平成二十三年度には、東部地域のさまざまな分野の中小企業者を中心として行政、公設研究機関、大学、医療メーカー等の専門的な助言者を含めて、医療、福祉・介護、生活の三分野をテーマとしたワーキンググループや全体交流会が延べ二十回開催され、新製品の開発や企業の新分野への進出に取り組んでいるところであります。
     既に、この地域の企業が参画した共同研究により患者の負担を軽減した人工呼吸補助器や骨腫瘍検査器具などの製品化を実現しており、今後もこの地域の積極的かつ戦略的な取り組みが医療現場のニーズを解決する医療関連機器の製品化を進め、ファルマバレープロジェクトを牽引していくことが期待されております。
     そこで、県としてファルマバレープロジェクトをより一層推進していくためにも、総合特区制度における財政、金融等の支援措置や規制緩和の特例措置を最大限に活用していくことが重要と考えますが、ふじのくに先端医療総合特区の取り組みの進捗状況と特例措置等の活用による地域企業への支援を今後どのように進めていくのかお伺いをいたしまして質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(小楠和男君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 植田議員にお答えいたします。
     初めに、富士山と新東名高速道路を活用した富士地域の活性化についてであります。
     言うまでもなく、富士地域は日本のシンボル、霊峰富士の雄大な眺望を仰ぐことができるところであります。それだけではなく富士山からの豊かな湧水、大渕のお茶、富士梨、シラス、焼きそば、酪農製品など地域振興に活用できるまさに場の力が、宝物が埋まっているとも言うべき地域でございます。そうした中新東名が開通いたしまして、これを受けて富士山を眺望できるパーキングエリアあるいはサービスエリアをそのような場所に設置すべきであるという御提言は、もっともなことであると存じます。
     私は、中日本と矢野氏が会長に就任されたときからかかわっておりまして、そして新東名の工事中のところを何度も行き来しておりましたが、しかし知事になってから富士川楽座が大変に繁盛しておりまして、それは富士川を眼下に望み、また富士山を眺望できるというそういう立地条件によるということを知りました。そして新東名に、富士山を見ながら走ることはできるけれどもそれを楽しんで食事をしたりあるいは写真を撮ったりする場所がないということを知りまして、それを働きかけたのでありますけれどももう既にSA、PAの場所が決まっておりまして、それを前提にした上で開通を急ぐというそういう流れでございました。
     しかし、やはりこれは議員の言われるとおりまことに重要な施設になるであろうということで、私は昨年の暮れに金子新社長と親しく対談をいたしまして、皆さんの前でそのようなSA、PAの場所、あるいは場合によっては泊まることもできるホテルなどのようなそういう場所を富士市周辺に持つべきであるというふうに提言しましたところ、初めて本格的にそのことについて検討するというふうに社長が言われまして、そうしてこの一月に富士市、NEXCO中日本と勉強会を立ち上げまして、富士山を眺望できる施設の設置に向けて検討を進めているところでございます。
     新富士インターチェンジの周辺地域は、産業都市として発展してきた富士市にありまして工業団地、住宅団地、総合運動公園などが周囲に展開しております。インターチェンジに隣接する土地区画整理事業用地では、物流団地の形成を中心に今事業を進められておりますが、ここにはやはり休憩施設や店舗等の設置も念頭に置かねばならないというのが新東名開通以後の課題になっているのではないかと存じます。私自身もその場に何度も立ちまして、またその周辺にございます施工総合研究所、さらにまた眺望として絶景ともいうべき岩本山等々に立ちまして、どこが一番いいか、こうしたことを検討課題として今一緒にやっているというところでございます。そうしたことからこの提言を何とか形にするべく、県としても努力してまいりたいと思います。
     新富士インターチェンジの周辺は、まさに内陸のフロンティアを開く取り組みを進める上で、そうした今申しましたようなことを含めた多様な発展の可能性を秘めた地域であるということでございます。富士市また地元住民の皆様の御意見を踏まえながら豊かな自然や富士山を間近に望む景観を生かして、農芸品などの多彩な地域資源を活用して新産業が立地する、活力にあふれ美しく品格のある地域づくりを進めてまいります。唯一欠陥は、今の区画事業のところは送電線です。ですからこの送電線の問題もあわせて我々は考慮しながら、このSA、PAあるいはホテルというものの立地場所を中日本とともに推進してまいりたいと思っております。
     次に、ふじのくに先端医療総合特区の取り組みによる地域企業への支援についてでございます。
     総合特区につきましては、本年三月九日国から金融支援と財政支援を内容とする第一次の計画認定を受けました。これによりまして地域企業が医療機器等の研究開発、設備の新増設、これなどを行う際の借り入れに対しまして利子補給が受けられます。また医療現場の課題を解決するための医療機器開発が国の支援制度の対象となりました。既に医療機器開発を計画している複数の地域企業から相談が来ております。利子補給の申請準備が進められておりまして、富士地域の企業が国の支援制度を活用してがん診断装置の開発を開始されているところでございます。
     また、提案をしておりました規制の特例措置につきましても、医療機器製造販売業許可に必要な責任者資格について国と協議が進んでいます。具体的には大学の理工学系の修了者については三年間の従事経験が不要となります。高校の工業系の修了者につきましては三年間の従事経験により新しい資格が付与されます。要するに学歴要件の緩和が認められる見込みでございます。さらに沼津工業高等専門学校が地域企業を対象に行う医療機器開発エンジニアの養成講座の修了者につきましては、三年間従事するべきということが不要になる見込みでございます。地域企業の医療産業への参入が、これらによりましてさらに加速されるものと期待しています。
     今後も引き続き地域協議会からの御意見も賜りながら、地域企業の医療健康分野への参入支援策など国に追加提案をしてまいる所存です。
     そして、ファルマバレープロジェクトの第三次戦略計画ではものづくり、ひとづくり、まちづくり、世界展開という四つの柱を掲げられていますけれども、さらに県立大学の理事長に医学界の最重鎮のお一人とも言うべき本庶佑先生をお迎えしておりますし、薬学の御出身の木苗先生が学長でもありますので、こうした方々の知見も取り込みましてこのクラスターの充実に努めてまいりたいと思っております。
     その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げますが、議員から言われました新幹線新富士駅と在来の富士駅との御質問の中でも触れられました空港と新幹線駅との結節をする交通体系の構築につきましては、私はできる限りの努力をして、リニア新幹線が開通するときには新しいダイヤ編成の中でこれが即実行できるような、そういう方向に向けて努力してまいりたいと思っております。以上でございます。
    ○議長(小楠和男君) 下山文化・観光部長。
           (文化・観光部長 下山晃司君登壇)
    ○文化・観光部長(下山晃司君) 新幹線駅と在来線富士駅の結節についてお答えいたします。
     新富士駅と富士駅間の移動の円滑化を図ることは、富士地域における人の流れを飛躍的に改善し、ビジネスや観光振興ばかりでなく都市部のまちづくりを進める上でも非常に重要な課題であります。新富士駅と富士駅間の鉄道による結節につきましては、地元市町の要望などもあり富士市、JR東海、県などが連携してさまざまな角度から検討してまいりましたが、多額の建設費や利用客の確保、用地の取得など多くの課題について解決するまでに至っていないのが現状であります。
     こうした中、富士市では、平成二十二年に富士市総合都市交通戦略を策定し、新富士駅から富士駅を経由して岳南鉄道までを結ぶ利便性の高い新たな交通システムの導入を検討しております。富士山の世界文化遺産登録後には、新富士駅と富士駅間の円滑な移動手段の整備がこれまで以上に重要になりますことから、県といたしましては富士市の新たな交通システム導入の検討に参画するとともに、両駅を大量かつ高速で結節するさまざまな可能性について、富士市を初め地元経済界やJR東海と連携し検討を進めてまいります。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 前田企業局長。
           (企業局長 前田幹夫君登壇)
    ○企業局長(前田幹夫君) 岳南地域の工業用水についてお答えいたします。
     企業局では、岳南地域における製紙業等の水需要に対応しつつ地下水保全を図るため、地域の皆様方の御理解、御協力を得ながら富士川工業用水道、東駿河湾工業用水道を整備し、地域の産業の発展に寄与してまいりました。
     これらの工業用水道料金は、給水開始以来契約水量に基づき料金を徴収する責任水量制をとってまいりましたが、本年度から必要な経費を固定的経費と変動的経費に分けて料金を算定する二部料金制を導入し、節水等により使われなかった動力費や薬品費などの変動的経費の減少を料金に反映させ受水企業の負担の適正化を図ったところであります。本制度導入後の使用水量は、五月累計で前年同期に比べまして一割以上の減少となっております。企業の節水への取り組みが進んでいるものと受けとめております。
     こうした状況は、企業局にとりましては変動的経費は減少いたしますが、同時に収入の減少にもつながるものであります。本制度導入による経営への影響につきましては、両工業用水道事業の今後の収支全体を見て判断する必要があります。こうしたことからさらなる料金の見直しにつきましては、今後数年間の収支状況の分析と施設整備の見通しを踏まえて検討してまいります。
     また、地下水の利用につきまして御提案がございましたが、水源の多様化により工業用水の安定供給に資する示唆に富んだ御提案ではございますが、岳南地域の地下水に与える影響や新たな設備投資に伴う企業局の採算性を考慮いたしますと慎重に研究する必要があると考えております。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 伊藤静岡県理事。
           (静岡県理事 伊藤秀治君登壇)
    ○静岡県理事(伊藤秀治君) 電力を融通し合うことができるセーフティーネットワークの構築についてお答えいたします。
     東日本大震災により被災した福島第一原子力発電所の停止に伴い東京電力管内は電力不足となり、本県東部地域が計画停電に見舞われるなど、東西で周波数が異なり電力の融通が行われない我が国の脆弱な電力供給体制が明らかになりました。
     県では、産学官で構成します分散型エネルギーシステム活用研究会を設置し、製紙業など天然ガスコージェネレーションを有する企業が集積しています富士・富士宮地域をモデルに、地域内で電気や熱を有効利用するエネルギーの地産地消の仕組みづくりを研究してまいりました。
     本年度は、研究会に参加した企業や電気事業者と調整を図り、電力受給が逼迫します夏場に向けましてまずは企業が有する余剰電力を供給する取り組みを実施してまいります。また電力供給力の確保や供給コストの低減、地域の需要家の確保などの課題を整理し、地域内でエネルギーを融通し合うモデル事業の実施に向けまして取り組んでまいります。
     また、議員から御指摘がございました周波数変換能力の拡大についてでありますが、現状では計画分も含めまして百二十万キロワットしかないため、計画停電発生直後に開催の関東地方知事会におきまして直ちに本県から追加提案いたしまして、周波数変換能力を拡充するよう国に要請したところであります。今後ともさまざまな機会をとらえまして国等に働きかけてまいります。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) これで植田徹君の質問は終わりました。
     以上で質疑及び一般質問を終わります。

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