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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

岡本 護 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/05/2020

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを契機とした
 屋外広告物対策の取り組みについて                 
2 美しい日本語、正確な日本語に関する教育の充実について      
3 ひきこもりにより困難を抱えた家庭への支援について        
4 再犯防止の推進について                     
5 自動車関連企業の他産業への展開について             
6 深層水の利活用について                     
7 駿河湾フェリーの運航支援について


○議長(鈴木利幸君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十二番 岡本 護君。
       (六十二番 岡本 護君登壇 拍手)
○六十二番(岡本 護君) 私は、ふじのくに県民クラブの所属議員として当面する県政の諸課題につきまして通告に従い知事、副知事、関係部局長並びに教育長、教育部長に一括質問方式で質問いたします。
 初めに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを契機とした屋外広告物対策の取り組みについて伺います。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの自転車競技開催を控え、世界各地から観戦などで本県を訪れる多くの観光客を美しい景観でお迎えするために県は平成二十九年十一月に条例を制定し主会場となる伊豆半島や自転車競技ロードレースコースの沿線で屋外広告物の規制を強化して違反広告物の是正に取り組んでこられました。その成果として規制を強化した幹線道路沿いでは、違反広告物がなくなり景観が目に見えてよくなっているとの声を各方面から聞いておりますし、私自身も過日ほんの一部ですが現地を確認してまいりました。民間の広告看板などに加え政党ポスター等も少なくなったと聞いており改めて多くの関係者の理解を得ながら進めてきていると強く感じております。
 なお、政党等のポスターについて言えば政治への関心を高めるためにも例えば公設の広告板を設置するなどの工夫により、より秩序あるポスターの掲出が理想的であると思います。これは今回は質問として取り上げておりませんが今後の検討に期待をしたいと思います。
 いずれにしましても、屋外広告物対策の取り組みに当たってさまざまな事情を抱えた広告主や関係者との調整など最前線で対応してこられた現場の職員の皆さんには大変な御苦労があったであろうと察しられ感謝を申し上げたいと思います。
 これまでの取り組みにより、美しくなった地域を全国にPRして多くの人に見てもらいたいものであり、さらにこの取り組みを県内全域に広げ今後も継続してより美しい景観を誇る静岡県づくりを進めてほしいと思います。
 そこで、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック開催まであと五カ月と迫っていますが、伊豆半島やロードレースコース沿線における違反広告物対策の取り組みに係る成果について伺います。またより美しい静岡県づくりを目指してこれらの取り組みを今後どのように全県に進めていくのかあわせて伺います。
 次に、美しい日本語、正確な日本語に関する教育の充実について伺います。
 学習指導要領の改訂により、小学校では来年度から五、六年生においては教科としての外国語が導入されるとともに三、四年生においても、それまで五、六年生で行われていた外国語活動が導入されます。現代社会においてグローバル化が急速に進展する中、日本国内でも今後さらに外国語教育の必要性が高まってくるものと考えられます。
 勤勉な我々日本人は、外国語、中でも英語をいち早くマスターし将来は日本の公用語となることも予想されます。一方でこのような状況だからこそ我々がいま一度日本語のよさを見詰め直し美しい日本語、正確な日本語を後世に継承していく必要があると考えます。
 近年、若年層を中心とした日本語の乱れを指摘する声がさまざまなメディアから聞かれるようになってまいりました。新聞には「怒り心頭に発する」、「天地天命に誓う」などを誤って使用されることの多い言葉に関する文化庁の調査結果が毎年掲載されています。またテレビ番組においても漢字やことわざ、慣用句の意味や用法をクイズ形式で問うものが数多く放送されており、その中で回答者が本来の意味、用法を理解していないばかりか誤用していることを正当化する場面もしばしば見られます。
 日本語は、その豊かな語彙によって繊細な日本の風土や自然、物事の状況や人々の心情を的確にあらわすことができるものであります。外国語教育が大切であるのは当然ですが国際社会の中の日本であることを踏まえると、まずは子供たちが日本語について正しく学びその美しさを理解することが先決であると考えます。
 そこで、小中学校における国語教育において言葉に親しみを持ち日本語を正しく理解し美しい日本語を継承しようとする子供を育てる指導が重要であると考えますが、県教育委員会としての考えを伺います。
 次に、ひきこもりにより困難を抱えた家庭への支援について伺います。
 八〇五〇問題、八十歳代の親が五十代のひきこもりの子供の面倒を見ることを余儀なくされている家庭の増加が社会問題化しております。親の年金が主たる世帯収入となっている場合世帯で経済的な困窮に陥ってしまう、また親が亡くなり年金収入が途絶えた途端に生活が行き詰まってしまうなどより深刻な貧困に陥る可能性があります。親子が年齢を重ね生活上の問題が深刻になる八〇五〇問題に至る前に七〇四〇問題として、自立に向けた支援など何らかの対応が必要と考えられます。
 四十代を中心とした世代は、就職氷河期時代とも言われ正規雇用者の増加に向けた支援等の取り組みが進められており就労の安定が実現すれば七〇四〇問題の解消につながるものと期待されます。
 しかしながら、ひきこもりにより社会とのつながりを拒絶してしまっている場合そもそもそういった就労支援につなげられないという難しさがあります。また十八歳以下の若年層が介護等の過度の負担を強いられるヤングケアラーといった事象も問題視され始めていますが、家庭内で問題を抱え外部にSOSが発信されにくいという点では七〇四〇問題、あるいは八〇五〇問題も同じであります。七〇四〇問題等の大きな要因となるひきこもりについては、本人だけではなく家族も外部への相談をちゅうちょする場合が多いためその家庭が抱えている問題がさらに表面化しにくく第三者が気づけないという難しさがあります。
 内閣府は、四十歳から六十四歳のひきこもりの人が全国に六十一万三千人に上ると推計していますが地域において実効性のある取り組みを進めていくためには正確な実態把握が必要であると考えます。七〇四〇問題が八〇五〇問題へと進行することを食いとめるためにひきこもりの実態を把握し世帯単位での支援が必要であると考えます。
 そこで、県では家族のひきこもりにより世帯単位で支援を必要としている家庭に対してどのように支援していくのかを伺います。
 次に、再犯防止の推進について伺います。
 我が県においては、県民、行政、警察が一体となって犯罪の起きにくいまちづくりに取り組んでおります。その結果平成十五年以降県内の刑法犯認知件数は十七年連続して減少し昨年は一万八千件を下回り記録が残る昭和五十二年以降の最少を更新しました。
 一方、刑法犯により検挙された者のうち再犯者が占める割合は近年約五割で推移しており、再犯の防止は犯罪を減らすためには避けて通れない重要課題と考えます。
 このたび県は、再犯の防止等の推進に関する法律に基づき静岡県再犯防止推進計画を策定し本年度中に公表予定であると伺っております。私自身も保護司として長年活動しておりますが更生保護の現場においては就労支援、住居の確保、医療・福祉の対応などさまざまな分野にわたる難しい課題があると実感しております。
 再犯防止推進計画の策定に当たり、関係する各団体からも更生保護の現場におけるさまざまな課題について要望が出されており今後の具体的な取り組みによる成果を大いに期待しております。再犯防止の取り組みは安心・安全なまちづくりに大きく寄与するものであります。それと同時に貧困や疾病、依存症などさまざまな生きづらさを抱え立ち直りに多くの困難を抱える人たちに地域等とのつながりにより立ち直りのきっかけを提供するものであると考えます。
 そこで、県は今後再犯防止の推進にどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。
 次に、自動車関連企業の他産業への展開について伺います。
 本県は、製造品出荷額等が全国四位の国内有数のものづくり県であり中でも自動車産業が西部地域を中心に盛んであります。しかし自動車産業は現在電動化や自動運転化などが進展し百年に一度の大変革期にあると言われています。
 先ごろ、EUを離脱したイギリスにおいては二〇三五年以降はハイブリッド車を含めガソリン車、ディーゼル車を認めないとの発表もありました。EVでは自動車部品の約三割を占めるエンジン関連部品が不要となるなど多くの自動車部品メーカーが自社の技術力を生かす場を失っていくことが危惧されています。
 県内企業が有するこれらの技術は、先人たちから現役世代に至るまでの創意工夫の精神や探求心、そして汗と努力により積み上げられてきたものであり一朝一夕には築くことができない本県にとって大きな財産であります。これらの技術がこのまま失われていくことになれば本県の経済を支える製造業は発展に向けた揚力を失い回復もままならず衰退に向かうおそれもあります。
 このため、産業構造の変化などにより県内企業が事業を継続することが困難になった場合でも事業の廃止や廃業などにより各企業が有する高い技術を埋もれさせることなく新たなものづくりの現場で生かし、さらに磨きをかけていくことが本県経済の持続的な発展のためには重要であると考えます。
 そこで、例えばこれまで培ってきた技術を生かし航空機の製造への参入も期待できるのではないでしょうか。自動車一台当たりの部品点数は約三万点と言われていますが航空機ではその百倍の三百万点に及ぶとのことです。
 県内中小企業の技術を新たな産業分野で生かすことができるように、県として企業の新たな産業への参入を支援していくことの重要性が増していると考えますが産業構造の変化に直面している自動車産業について県のこれまでの取り組みと今後の方策を伺います。
 次に、深層水の利活用について伺います。
 県は、平成十三年度に急峻な海底地形を利用して新焼津漁港に駿河湾深層水の取水給水施設を整備し水深六百八十七メートルと三百九十七メートルの二層からの取水を開始しました。これまで魚類の飼育や海藻の養殖研究のほか魚市場や水産加工、活魚輸送、食品開発、さらには温浴施設など深層水の高栄養性、低温安定性、清浄性の特性を生かし研究から一般まで水産のみならずさまざまの分野で利用され産業振興や地域振興に寄与してきたと認識をしております。
 しかし、平成二十一年八月に発生した駿河湾地震の影響により水深六百八十七メートルから取水していた管が途中で破損したため現在は水深三百九十七メートルと二百七十メートルとなり同一の層からの取水となっていると伺っております。また給水開始から十九年が経過し当時の深層水ブームも去り深層水に対する注目度も低下している現状となっております。
 今般、本県では多くの魚種で不漁が深刻化しており資源管理とともに種苗放流等による資源の回復への取り組みの重要性が高まっております。よって深層水の特性を生かしこの分野への利用に活路を見出せるのではないでしょうか。
 そこで、駿河湾深層水についてかつてのように二層から取水できるように施設を整備する考えはあるのか伺います。また深層水の利用促進に係る取り組みと今後の技術開発による利活用の可能性についてあわせて伺います。
 次に、駿河湾フェリーの運航支援について伺います。
 昨年六月、県が主体となって民間事業者から駿河湾フェリーの運航を引き継ぎました。しかし大型台風の影響などにより乗船客数が落ち込んでおり、大変厳しい経営状況にあることは既に皆さん御承知のとおりと思います。加えてこのたびの新型コロナウイルスによる観光への影響を考えるとより深刻な状況と言えるでしょう。このような厳しい環境下において県は利用促進を図るためさまざまな取り組みを進めてきたことも認識しております。
 しかしながら、駿河湾フェリー事業における具体的な将来ビジョンが不透明な中で進められる取り組みについて利用者数の増加といった目に見えた成果があらわれないこともあり、果たして今後どのような展開につなげようとしているのかわからないという懸念の声も多く聞かれます。これらの支援には県民の貴重な税金が投入されている現状である以上税金を投入する意義、必要性等を県民に理解していただくことが重要であると考えます。
 一方で、道路交通網の整備も進み陸上での移動の利便性も日々高まっており海上交通を取り巻く環境も過去とは大きく変わってきております。また駿河湾フェリー運航事業を引き継いでから一年には満たないものの夏、秋の旅行シーズンなどを実際に経験する中で県においてもさまざまな課題が見えてきているのではないでしょうか。
 そこで、いま一度県が駿河湾フェリーの運航を支援していく意義及び今後のビジョンを伺います。あわせて事業を引き継いで見えてきた課題及びそれらを踏まえた取り組みについて伺います。
 以上が私の質問ですが、結びにふじのくに県民クラブを代表してこの三月末をもって退職されます職員の皆様に一言御礼を申し上げます。
 本年度末で定年退職されます職員の皆様は、掛澤地域外交担当部長、鈴木経営管理部長、鈴木くらし・環境部長、池田健康福祉部長、天野経済産業部長、志村農林水産担当部長、宮尾交通基盤部長、神村出納局長、松下企業局長、望月議会事務局長、鈴木人事委員会事務局長、河野収用委員会事務局長、鈴木教育部長を初め知事部局で二百四十一名、教育委員会で七百六十四名、警察本部で百七十一名、合わせて現時点で千百七十六名と伺っております。最も早い方で昭和五十三年の入庁とのことであります。その当時は二度の石油ショックのはざまにありその後景気回復に向けて動き出し空前のバブル景気を迎えたものの、バブルが崩壊しこれらを契機に県財政の厳しさが一層増す状況に加えリーマンショックもまた大きな影響を受けたものと認識しております。さぞ御苦労されたことと存じます。
 しかし、皆様の静岡県を思う気持ちと献身的な行動は大きな力となり現在の安心・安全の県づくりにつながったものと思います。改めて今日までの職務を全うされましたことに敬意を表します。
 いまや人生は百年時代と言われます。それからすれば六十歳はまさにスタートラインに立ったと言ってもよいでしょう。そこであえて昨年と同じ言葉を申し上げます。
 四十、五十ははなたれ小僧、六十、七十は働き盛り、九十になって迎えが来たら、百まで待てと追い返せ。
 これは、実業家としても有名な渋沢栄一氏の言葉だそうです。氏は一八四〇年生まれで九十一歳の長寿でした。まさに百年時代を予想しての言葉ではないでしょうか。氏の言葉を借りれば皆様はこれからが働き盛りです。文字どおり人生の節目として今日までの豊富な経験と見識を生かし新たな道を歩まれますよう御期待申し上げます。また折に触れ後輩にも御指導賜れば幸いです。皆様方の一層の御活躍と御多幸を心より御祈念申し上げ私の質問を終わります。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 岡本議員におかれましては、この三月末をもって定年退職する者に対しまして温かいねぎらいの言葉を頂戴しまた励ましのお言葉をいただきましてまことにありがとうございました。定年退職予定者になりかわりまして厚く御礼を申し上げます。
 岡本議員にお答えいたします。
 自動車関連企業の他産業への展開についてであります。
 本県は、製造品出荷額等の約四分の一を輸送用機械が占めており自動車産業は多くの雇用と付加価値を創出する基幹産業として本県経済発展の原動力となっております。しかし現在自動車産業は百年に一度と言われる大変革期を迎えており、エンジン関連部品の減少や情報通信技術との融合など直面する技術課題に早期に対応することが求められております。
 このため、県では昨年度自動車部品メーカーの関係者などから成るEV・自動運転化等対応研究会を四回にわたって開催いたしました。この研究会の提言を踏まえ次世代自動車への展開を目指す企業への支援と他の成長分野に挑戦する企業への支援に取り組んでいるところであります。
 まず、次世代自動車への展開を目指す企業に対しましては浜松地域イノベーション推進機構の次世代自動車センターを中心に県内企業がみずからの固有技術を探索して磨き上げ次世代自動車の部品を製造する開発型企業へと成長していくことを後押ししております。
 一方、他の成長分野への参入を目指す企業に対しましては例えば医療機器開発であればファルマバレープロジェクトの支援機関の持つノウハウやネットワークを生かし企業の円滑な参入に向けた伴走型支援を行っております。その結果医療健康分野への参入を果たした中小企業四十七社のうち八社が自動車関連企業からの参入となっております。
 議員御指摘の航空機分野につきましても、高度な精密加工技術を持つ自動車関連企業にとりましては有望な参入領域と言えます。しかし中小企業が航空機産業に参入するためには高度な品質保証に係る認証取得や新たな設備投資が不可欠となります。
 このため、県では企業が行う認証取得や機械設備導入に対する助成制度を設けて支援しているほか重工メーカーOBなど四名の専門コーディネーターを配置し参入企業の技術的な課題解決や販路開拓支援などに注力しているところであります。
 こうした取り組みの結果、航空機部品の共同受注グループいわゆるSOLAEに参画する県内企業十四社のうち十一社は自動車関連企業からの参入となっております。また国のアジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区の指定県内企業も平成二十六年度には七社であったものが現在では十八社まで着実に増加しております。
 県といたしましては、本県の自動車産業が大きな変化に直面する中そこで培った高度な加工技術などを武器に次世代自動車開発に挑む県内中小企業の支援に引き続き注力していくとともに、医療機器や航空機部品開発など新たな成長分野へ挑戦する中小企業に対しましても環境整備や支援制度の充実により一層の参入促進を図ることで高い技術力、開発力に裏打ちされた強靱な産業構造の構築に努めてまいります。
 次に、駿河湾フェリーの運航支援についてであります。
 駿河湾フェリーは、美しい富士山の姿を海上から望むことができる公共空間として大きな役割を果たしているとともに地域経済に多大な効果をもたらす本県の重要な社会資本であります。県民の皆様と協働でこのかけがえのない航路を支え後世に引き継いでいく必要があると考えております。
 昨年六月に一般社団法人ふじさん駿河湾フェリーが運航を開始して以来、相次ぐ台風や長雨による影響を大きく受けまして昨年六月から本年一月までの利用人員は前年度の同時期に比べ約二割の減となっております。年間利用人員の目標達成は大変厳しい状況でございます。
 これまで、三市三町を初め関係者が協力して船内でのイベントを開催するなど利用促進に努めておりますが旅行会社等への営業活動の強化、船内の魅力向上、サービスの改善、運航ダイヤや料金の見直し、二次交通の改善等々多くの改善すべき課題のあることが明らかとなってまいりました。こうした課題を見詰め潜在需要の大きい海外からの誘客を促進するため海外の旅行会社へのセールス活動を積極的に行います。また中部横断自動車道の開通により新しい需要の期待できる甲信越地域に対する営業を強化してまいります。また土肥港側の二次交通の強化を図るためデマンド型タクシーやレンタカーの試験的な導入、e−バイクの活用など効果の見込まれる利用促進策から速やかに実施をしてまいります。
 さらに、企業経営等の専門家に依頼し法人の経営状況や利用者等の現状を分析いたしました上で運航ダイヤの見直しや利用者拡大による収入確保、経費の削減など抜本的な対策を盛り込んだ経営戦略を策定してまいります。
 今後とも、県及び環駿河湾地域の三市三町を初め地域の皆様と連携しながら駿河湾フェリーの魅力を一層高め、国内外からより多くの方々に利用していただけるよう全力で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(鈴木利幸君) 宮尾交通基盤部長。
       (交通基盤部長 宮尾総一郎君登壇)
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを契機とした屋外広告物対策の取り組みについてお答えをいたします。
 県では、景観形成の方針や主要な方策を示したふじのくに景観形成計画におきまして本県を印象づける七つの広域景観のエリアを設定し美しい景観への取り組みを進めております。このうち東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックが行われる富士山エリア及び伊豆半島エリアにおきましては先行して景観協議会を設立した上で行動計画を策定し、市町と連携して違反広告物の是正に粘り強く取り組んでまいりました。その結果本年一月末までに伊豆半島の規制区域内では二千二百三十二件の違反広告物のうち約八割の千七百七十五件、ロードレースコース沿線では百四十四件のうち約九割の百三十二件の是正が完了したところであり、引き続き東京五輪開催までに是正の完了を目指して市町とともに取り組みを加速してまいります。
 現在、この取り組みを県全体に展開していくため既に全ての市町におきまして幹線道路や主要なインターチェンジ周辺などを重点箇所と定め違反広告物の是正を進めているところであります。今後はこの重点箇所を拡大するとともに、是正が完了した地域での景観を維持するため定期的なパトロールの強化も図ってまいります。
 県といたしましては、関係する市町と連携を図りながら美しい景観形成を県内全域で推進しふじのくに回遊式庭園の実現を目指してまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 美しい日本語、正確な日本語に関する教育の充実についてお答えいたします。
 グローバル社会に向け、外国語教育の必要性は高まっておりますが議員御指摘のとおり国際社会で自分の意見を述べるための論理的思考力の育成や日本人の自己の確立のためには日本語を正確に理解し適切に表現するための国語教育が重要であると考えております。
 各学校におきましては、国語を正確に理解し適切に表現する資質、能力の育成を目指して指導しており具体的には短歌や俳句、詩などを音読することにより言葉の響きやリズムに親しんだりグループや学級全体に自分の考えを伝えたりするなどの言語活動に取り組んでおります。また朝読書の時間や授業で学校図書館を利用することにより複数の本や新聞を活用するなど読書活動の充実を図り豊かな情操を養うとともに、多くの言葉に触れることで豊かな語彙を習得できるよう努めております。
 さらに、子供たちにとりましては身近で強い影響力を持つ教員に対し初任者研修や学校訪問を通じて正しく美しい言葉遣いや黒板に正確で丁寧な文字を書くことなど語彙を豊かにすることを意識した授業や活動について指導しております。
 日本語は、国語の授業に限らず全ての教科における資質、能力の育成の基盤となるものであります。
 県教育委員会といたしましては、引き続き子供たちの語彙を豊かにするため学校教育のさまざまな場面で話す、聞く、書く、読む活動を効果的に取り入れ美しい日本語、正確な日本語の教育の充実に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 池田健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長(池田和久君) ひきこもりにより困難を抱えた家庭への支援についてお答えいたします。
 ひきこもりにつきましては、長期化により介護や生活困窮等が世帯内で発生するなど問題が深刻化、複合化しておりますことから議員御指摘のとおり早期に相談につなげ支援を行う必要があります。
 このため、県ではひきこもりの方の実態を把握することが重要と考え昨年九月から十二月にかけて政令市を含めた県内全ての市町と協力いたしまして民生委員児童委員等に御協力いただきひきこもりの方の状況調査を行いました。現在結果を取りまとめているところでありますが、ひきこもり状態にあるおよそ二千人の方について調査することができました。年齢は四十歳代、ひきこもり期間は十五年以上が最も多くなっていることがわかってまいりました。
 県では、平成二十五年度にひきこもり支援センターを設置してひきこもり支援に取り組んでおり窓口相談や各家庭を訪問するアウトリーチ型の支援など世帯を単位とした支援を行うほか、家族向けの勉強会や家族交流会を開催し同じ問題に直面する家族が集まり悩みを語り支え合う取り組みを行っております。またひきこもりの方が自宅以外でも安心して過ごすことができる居場所を県内五カ所に設置し社会参加の第一歩を踏み出していただけるよう支援しております。
 さらに、身近な相談窓口となる市町の職員等を対象としたひきこもりサポーター養成研修によりまして複合化、複雑化した課題に対応できるよう市町の相談体制づくりを支援してまいります。
 県といたしましては、今回調査した内容を詳細に分析し市町及び関係機関と共有、連携して困難を抱えた御家庭へ早い段階から包括的な支援ができるように取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 再犯防止の推進についてお答えいたします。
 再犯防止はこれまで、犯罪をした人や非行をした少年が責任を自覚し被害者等の心情を理解した上で社会復帰することを目的として刑務所や保護観察所など国の機関が中心となって行われてまいりました。近年安全・安心なまちづくりの観点から地方公共団体や民間団体を含めた社会全体での対応が求められてきております。
 このため県では、国と県、民間団体等で構成する静岡県再犯防止推進協議会を立ち上げ情報共有や意見交換を繰り返してまいりました。現在県が実施する支援策を九項目に取りまとめた静岡県再犯防止推進計画の最終整理を行っているところであります。
 本計画では、犯罪をした人などに対する就労を初め住居の確保、高齢、障害、薬物依存等の特性に応じた保健医療・福祉サービス、保護観察中の少年等に対する復学、進学に関する支援等を行うほか保護司の確保に努めるとともに関係機関との連携を強化することとしております。
 県といたしましては、犯罪をした人などが県民の皆様の理解と協力を得ながら孤立することなく再び社会を構成する一員となることができるよう本計画に基づき支援することにより安全・安心なまちづくりにつながる再犯防止を推進してまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 志村農林水産担当部長。
       (農林水産担当部長 志村信明君登壇)
○農林水産担当部長(志村信明君) 深層水の利活用についてお答えいたします。
 駿河湾深層水につきましては、平成二十一年の駿河湾地震により破断、停止した旧の六百八十七メートル管の給水再開に向け取り組んだ結果平成二十四年に破断した二百七十メートルの位置から新たな給水を再開したところであります。さらにもう一つの三百九十七メートル管をつなぎ目詰まり等のトラブルに対処可能としたことにより現在は同一層からの取水ではありますものの二カ所の水深からの安定した水量の取水を継続しております。
 かつての二層からの取水につきましては、より深い層の深層水は低温、清浄で栄養塩に富み利用者にとって有益ではありますが復旧は工法的制約や莫大な復旧費用を要することから現時点では現状の二カ所の取水で活用していくこととしております。
 また、深層水の利用促進に係る取り組みにつきましては漁港の魚市場や温浴施設などの利用を含め毎年度の利用者数は約四千人でおおよそ十二万トンの深層水を提供しておりますが、近年では商品開発などの利活用が伸び悩んでいる状況にありますため量的、質的の両面からその利用拡大に取り組んでいく必要があります。
 このため、近年拡大している新たな活魚需要への利用も見据え活魚輸送など深層水が持つ低温安定性や清浄性といった魚の生存に効果的な特性が生かせる利活用向けの促進を図っているところであります。
 さらに、今後の技術開発による利活用につきましては議員御指摘のとおり種苗生産に向けた活用も効果的であると認識しております。このため現在県水産技術研究所では資源の減少が著しいキンメダイにつきまして生息水温を維持できる低温安定性を生かした種苗生産技術の開発、またウナギにつきましては清浄性を生かした飼育技術の開発に深層水を活用するなどの取り組みを進めているところであります。
 県といたしましては、今後もこの取り組みを進めることにより駿河湾深層水の利活用の促進に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 岡本 護君。
       (六十二番 岡本 護君登壇)
○六十二番(岡本 護君) それぞれ前向きな答弁をいただきました。ぜひ早期の実現を期待をしたいと思います。
 そこで、一点のみ要望したいと思いますが再犯防止の推進についてであります。
 明治時代の郷土の実業家の金原明善翁は、私財を投じて天竜川の治水事業並びに植林事業を、そしてさらには北海道の開拓など近代日本の発展に寄与された人物であります。
 その一方で、明善翁は更生保護にも尽力をされ今日更生保護制度の基礎をつくったと言われていますし更生保護の父とも言われております。
 刑を終え出所した人の保護といいますと犯罪者、つまり加害者を保護すると思われがちですがここで言う保護は社会から排除しない環境をつくる、そして社会防衛の意味に解することが妥当であると考えます。
 そこで、少なくとも社会でこれから活動するといういわゆる更生しようとする人たちが社会で生活するより刑務所にいたほうが居心地がいいということのないような、そういう環境をつくらなければいけないと思います。そのために先ほど御答弁いただきました再犯防止計画のこれからの確実、完全な実施を強く要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○議長(鈴木利幸君) これで岡本護君の質問は終わりました。

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