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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

木内 満 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/29/2016

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 富士山世界遺産センター(仮称)について
2 医師確保の取り組みについて
3 県東部を中心とした産業政策について
(1) ファルマバレープロジェクトのさらなる推進
(2) CNF関連産業のメッカを目指す取り組みについて
4 モンゴル国との通商に向けた取り組みについて
5 寄附文化の推進について


○副議長(杉山盛雄君) これで大石裕之君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、五番 木内 満君。
       (五番 木内 満君登壇 拍手)
○五番(木内 満君) 皆さんこんにちは。私は自民改革会議の所属議員として当面する県政の諸課題に対し通告に従い、知事並びに関係部局長に対し分割質問方式でお伺いいたします。
 それでは質問に入ります。本日が私の初質問となります。いささか緊張しておりますがどうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
 十二月定例会にて債務負担行為の増額が承認され、本定例会の開会日である二月二十二日に無事に入札が終わりました富士山世界遺産センター(仮称)について、まずお伺いいたします。
 富士山世界遺産センターは、皆様も御存じのとおり本年一月にユネスコに提出した保全状況報告書におきましても情報提供の拠点として静岡県、山梨県の両県で整備するよう位置づけられた施設であり、山梨県では既設の富士ビジターセンターに新たな施設を併設することで整備が進んでおり平成二十八年六月に開館の予定となっております。
 静岡県においてセンターが設置される私のふるさと富士宮市においては、富士山世界遺産センターの設置に合わせ富士宮市世界遺産のまちづくり整備基本構想を打ち出しております。この構想の骨子を極めて簡単に申し上げれば富士山本宮浅間大社の門前町として浅間大社の大鳥居から東西にやっぱり横に発展してきた町の動線に加えて今度は浅間大社と富士山世界遺産センターをつなぐ縦の動線を新たに町の中に形づくっていくという壮大な構想であります。富士山世界遺産センターの建設は富士宮市の中心市街地のありようを大きく変える転換点ともなり、それだけに富士宮市においては富士山世界遺産センターの建物・展示物といったハードの整備が着実に進行していくかどうかは大変重要な関心事として市民に受けとめられています。
 さて、本県の富士山世界遺産センターについてはハードの整備からソフトの整備に軸足が移っていく段階を迎えていると感じております。施設整備が先行している山梨県においては指定管理者を置く公設民営で管理運営を行うこととし既に昨年十二月議会において指定管理者の選定まで済んでおります。
 山梨県の富士山世界遺産センターでは、調査研究以外の業務のほとんどを指定管理者に委ねることとし施設の維持管理から地域との連携、観光情報の提供、広報や利用促進のイベント企画、物販、飲食まで一括して指定管理者に任せる内容と伺っております。山梨県の富士山世界遺産センターは既設の富士ビジターセンターを下敷きに保全状況報告書に定められた字義どおりの情報提供拠点であるのに対し、静岡県の富士山世界遺産センターは「守る」、「伝える」、「交わる」、「究める」という四つのコンセプトに係る活動の成果を最後一つに連ねることで富士山学を体系化しようという壮大な構想に基づくものであり、同時に先ほど申し上げたとおり富士宮市の中心市街地のありようを一変させるほどのインパクトのある施設としても位置づけられています。静岡県が策定した富士山世界遺産センター――仮称――基本計画においては運営形態は公設公営、公設民営、PFI方式の主要三方式のそれぞれの利点、課題を踏まえ最適な手法を検討するとしておりますが、全ての活動、事業、地域のステークホルダーとの間を責任を持って連ねながら富士宮市はもとより富士山周辺の地域振興の新たな中心的な存在として機能していくことが期待される静岡県の富士山世界遺産センターにおいては、おのずと県がより責任を持つ形で運営されていくべきと私は考えます。
 さて、以上を踏まえ二点お伺いいたします。
 一点目です。富士山世界遺産センターの整備については開館時期がこれ以上おくれることは絶対に許されないということは当局、議会ともに十分に認識しておるところではございますが、改めて現在予定されております平成二十九年十月下旬までに確実に完成を迎えることができるか。また昨年七月に着手している展示物製作等の進捗状況とあわせて決意のほどと今後の工事完成までの推進体制についてお伺いしたいと思います。
 二点目です。富士山世界遺産センターの運営体制についてお伺いしたいと思います。先ほど申し上げたとおり静岡県における富士山世界遺産センターはその性質上私は公設公営、直営の形をとり富士山学の拠点として、また富士宮市を初めとする富士山周辺の地域振興の新たな中心的存在としてその責任を十分に果たしていただきたいと考えております。富士宮市世界遺産のまちづくり基本構想は従来の東西動線に加え浅間大社と富士山世界遺産センターをつなぐ南北の動線を新たに構築するものであります。その中心に位置する富士山世界遺産センターには世界遺産にふさわしいまちづくりを視野に入れた戦略的なかかわりが期待されており、地域のボランティア育成、観光情報の効果的な発信、地域の産品、グルメ、富士山グッズの販売機会となるミュージアムショップの企画などにおいて早い段階から地域との連携を深めていく必要があると考えます。
 そこで、センターの運営及び地域との連携についての基本的な方向性について、県の所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 木内議員にお答えいたします。
 富士山世界遺産センター――仮称――についてであります。
 センターの建築工事につきましては、おかげさまで先ごろ再入札が完了し無事落札者が決定いたしました。県議会の皆様方には御心配をいただきましてまことにありがとうございます。これも前回の議会におきまして債務負担行為の三億円分の増額をお認めいただいたことによると思っております。
 私は、この議論を通じまして血税をどのように有効に使うかというときに行政側と議会側のそれぞれが最善の努力をしたということに深い感銘を受けました。特にすぐ近くの自治体におきまして予算額が三十三億円、決算が五十九億円。これがまかり通るようなことがあるだけにやはり一銭も無駄にしてはならないと。私どもも文化・観光部長を中心にいたしましてこの予算額を削る上で、また最低限の機能を守る上で文字どおりいわば職をかけて努力をいたしましたけれども、これも厳しいチェック機能が働いたからであるというふうに感謝する次第であります。ありがとうございました。
 さて、現在本定例会への契約議案提出に向けて準備を進めておりまして県議会の御承認をいただいた上で本年三月末ごろから建築工事に着手してまいります。この件に関する第一の御質問でございますが現在映像の撮影などの展示物製作を先行して行っておりますが、建築工事の開始に当たり県、設計者、施工業者、展示物製作業者が緊密に連携をしながら推進する体制を整えておりまして、保全状況報告書に記載した工程表にのっとりまして平成二十九年十月末までに確実に完成するよう整備を進めてまいります。
 第二の御質問でございますけれども、センターの運営につきましては県による直営を基本といたします。山梨県のセンターなどと連携を図りながら「守る」、「伝える」、「交わる」、「究める」というこの四つのコンセプトに基づく事業を展開いたします。実施に当たりましては民間事業者、世界遺産ガイド、ボランティアなど地域の方々の参画が不可欠であると考えておりますのでよろしく御協力のほど、また御理解のほどをお願いをいたします。
 県ではこれまで、世界遺産ガイドの養成に努めてまいりましたほかセンターに設置予定の観光案内窓口やミュージアムショップなど地域や民間のノウハウの活用が期待できる部分の運営について富士宮市や関係団体などと協議を行っております。今後世界遺産ガイドや地域住民の皆様にどのような形でセンターの運営を御支援していただけるのか、関係者の御意見を承りながら鋭意検討を進めてまいります。
 日本の国土の中心であり、国土統合のシンボルである富士山が人類共通の財産になりました。これを後世へ継承していくためにふさわしい施設として、またとりわけ地元に愛され地元を中心に地域とともに歩んでいける施設となるよう富士宮市がお進めになっておられます世界遺産のまちづくりなどとの連携も十分に図って富士山世界遺産センター――仮称――の整備を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(杉山盛雄君) 木内 満君。
       (五番 木内 満君登壇)
○五番(木内 満君) 知事からの力強い御答弁をいただきまして、まことにありがとうございます。確実な完成に向けて関係者皆様の御努力を一層お願いするとともに、私たちもこの施設が血税を使ってできたと。そしてこれからさらに運営に向けてまだまだ静岡県の皆様の税金の中から出資していただくためには効果を最大限に発揮することこそが何より大切だと思っております。私も富士宮市の一員として、富士山周辺に住まう者の一人として、静岡県会議員としてその発展に力を尽くしてまいりたいと思います。ぜひとも今後とも地域の声をよく聞いていただけるよう要望としてお願いいたしまして次の質問に移らせていただきたいと思います。御答弁ありがとうございました。
 続きまして、静岡県の医師確保への取り組みについて伺います。
 昨年十二月に公表された厚生労働省のデータによれば、平成二十六年末現在静岡県の医療施設に従事する人口十万人当たりの医師数は百九十三・九人と前回調査時の平成二十四年末に比べ七・四人増加しました。全国順位で見ると平成二十四年末時点の調査より一ランク上昇したものの四十位と相変わらず低位でもあり、十万人当たりの医師数全国平均の二百三十三・六人を人数でいうと四十人ほど、割合でいうと二割ほど下回っている状況がございます。さらに静岡県内を圏域別に見ていきますと賀茂、富士、志太榛原、中東遠の4圏域が静岡県の平均をさらに下回っており、中でも特に低いのが中東遠圏域と私のふるさと富士宮市を含む富士圏域となっている現状があります。
 私のふるさと富士宮市の富士宮市立病院では、平成二十六年度に整形外科の常勤医が四人から一人に激減し手術や入院を要する患者様を市外の病院に搬送せざるを得ない状況が続いていました。小児科でも平成二十七年から常勤医の確保が難しくなり患者様の受け入れを制限せざるを得ない状況が続いていました。富士宮市、富士宮市立病院の懸命の努力によって本年四月以降に新たに八名の常勤医確保のめどがつきひとまず窮地は脱したと伺ってはおりますが、多くの富士宮市民からはまたいつ何どき同じような状況が起こってしまうのではないかと不安の声が上がっています。
 医師数が全国平均を大きく下回る静岡県において、とりわけ十万人当たりの医師数が少ない圏域においては富士宮市と同様の不安は絶えず県民のそばにあるのが現状です。いかにして医師の静岡県における絶対数をふやしながら同時に医師の圏域ごとの偏在を解消していくのか。その取り組みは多くの県民から切実な思いとともに求められていると受け取っております。
 静岡県においては、平成十九年より医学修学研修資金事業を行っております。これは医師を志す医学生に月額二十万円を貸与し、貸与を受けた期間の一・五倍すなわち医学部六年間であれば貸与を受けた場合はその後九年間静岡県の指定する医療機関で勤務することを条件に修学資金の返還を免除することで静岡県での医師確保につなげようという事業です。平成二十七年度までに約七百七十名に研修資金を貸与しこのうち百二十一名が静岡県内で返還免除のための勤務を開始しております。当初は二十名程度で始まった医学修学研修資金の貸与事業は平成二十一年よりその枠を百名まで拡大し、現在では毎年百二十名程度の静岡県で医師として勤務することを約束した医学生が誕生していることになり確かに静岡県内に医科大学が設置化されたことと同様な、むしろそれ以上に静岡県の医師確保にはつながっている事業である点は高く評価しています。
 しかしながら、医師の偏在解消という側面で見た場合はどうでしょうか。今年度勤務している百十名の勤務先の内訳を見ますとそのうち西部が四十九名、中部が四十八名、そして東部では十三名とほかに比べ極端に東部地域での勤務が少ないという現状があります。医学修学研修資金事業は現状では医師の偏在解消に寄与できていないという状況があるのではないかと考えますが静岡県の考えと、今後どのように医師の偏在解消に努めていくのか、そのお考えを伺いたいと思います。
 もう一点、別の観点から医師の確保についてお伺いします。それは女性の医師への支援です。女性医師の割合は増加傾向にあり近年では医学部入学者に占める女性の割合は三分の一にまで上昇しています。しかしながら女性医師の就業傾向を見ると医学部卒業後十一年ごろまでに就業率が低下していく傾向が明らかになっています。女性医師がより活躍できる環境を整えることは小児科、産婦人科など女性医師の割合が高く地域の課題と直結する診療科の医師確保にもつながる可能性があり積極的に進めるべきと考えますが、静岡県の取り組みについて伺います。答弁を求めます。よろしくお願いします。
○副議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 医師確保の取り組みについてお答えいたします。
 医学修学研修資金については、今年度も百十名の修学研修資金の貸与を受けた医師が県内の公立病院等で勤務し今後毎年四十人以上の医師が新たに勤務を開始することが見込まれるなど医師確保の成果が着実にあらわれております。一方で勤務する医師は医師としての経験が十分でないことから医師としての能力を高めるためには指導医からの指導が必要でありますが、東部地域など指導医の少ない地域では十分な指導を受けられないためその地域で勤めることを希望する医師が少なく地域偏在の解消には十分に寄与できていない状況にあります。
 このため、県では聖マリアンナ医科大学との東部地域への指導医師派遣を含む協定の締結や研修医の指導体制の充実を図る県内病院に対する財政的支援を行うなど若手医師がいつでも十分な指導を受けられる研修体制となるよう努めているところでございます。
 また、平成二十九年度から新専門医制度が導入されることから医学修学研修資金利用者や県内で働く医師が医師不足地域の病院にも勤務しながら専門医資格を取得できる研修プログラムの作成の支援や、県内で勤務することの魅力を直接医学生等に伝え医師確保に貢献する次世代医師リクルーターを養成するなど医師の確保と地域偏在の解消に積極的に取り組んでいるところでございます。
 女性医師の支援につきましては、県医師会と連携して開催いたしました女性医師支援フォーラムにおきまして女性医師の勤務の実態や悩みを把握し女性医師の勤務環境の改善に努めております。また女性医師支援コーディネーターを配置し女性医師にとって働きやすい医療機関の紹介や産休明けの医療施設への復帰について助言するなど県内の女性医師が安心して働ける環境づくりを推進しております。
 県では、県内外の医科大学との連携のほか若手医師や女性医師にとって魅力ある研修環境の整備などにより県内外の多くの医師や女性医師の確保と県内定着に努め、全ての県民がいつでも必要な医療の提供を安心して受けられる体制を構築してまいります。以上です。
○副議長(杉山盛雄君) 木内 満君。
       (五番 木内 満君登壇)
○五番(木内 満君) 要望を一点と再質問を一点申し上げたいと思います。
 女性医師への支援について要望を申し上げます。私の母は個人的なことになりますが産婦人科の開業医でした。私が生まれたその日にもですね、陣痛のさなか取り上げ、また私を産んだ後、産後直後から分娩台に立っているような母でした。約三十年その状態で病院を続け自分の大腸がんに気づかず、気づいたときには手おくれになっており今から六年前に亡くなりました。
 そこまで極端な状況は、もはや時代が違い、ないのかもしれませんが、志高くお医者様として地域のために貢献されようという方ほどその御本人の生活は報われないという点もあるかと思います。ぜひ目指していただきたいのは静岡県が女性医師が日本で一番働きやすい地域を目指していただきたいと思います。お医者様同士結婚される事例も多いかと思います。女性医師が働きやすい地域をつくることで全体的な医師確保にもつながっていくのではないかと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
 再質問させていただきます。
 先ほど平成二十九年から始まる新専門医制度の中でも研修のローテーション等に工夫を加え研修が受けられるような取り組みをしていきたいという御答弁をいただきました。新専門医制度におきましてはですね、基幹となる大学病院の配置に対する考え方が現状よりも強くなるのではないかという懸念があります。その中で静岡県内の浜松医科大学にますます寄っていってしまうのではないかという漠然とした心配がありますが、そういった状況の中でいかに新専門医制度の中で東部地域への医師の確保、医師偏在の解消に向けて具体的にどのような取り組みを今行っておられるのかお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○副議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 木内議員の再質問にお答えいたします。
 新専門医制度の導入に向けまして、議員御指摘のとおり大学病院というのが非常に大きな位置づけになってきます。大学病院が基幹施設となりましてそこで新専門医の資格を取得するための研修プログラムをつくっていくわけでございますが、県といたしましてはこの研修プログラムをつくるに当たりましてこの基幹施設だけでなく連携施設も関係してきますので、この連携施設を東部地区なり今医師が不足している地区を連携施設としていただけるようなそういうようなプログラムをつくるように要請していき、それによりまして専門医の資格を取るときにそれぞれの医師が不足している地区でもしっかりと勤めながら専門医が取れるようなそういうようなプログラム作成を支援していきたいと考えております。以上です。
○副議長(杉山盛雄君) 木内 満君。
       (五番 木内 満君登壇)
○五番(木内 満君) 御答弁ありがとうございました。
 次の質問に移りたいと思います。
 続いて、県東部地域を中心とした産業政策についてのうち、まず本年三月に新拠点施設である静岡県医療健康産業研究開発センターが一部開所することになりましたファルマバレープロジェクトのさらなる推進について伺います。
 本年三月に一部開所する新拠点施設は、旧長泉高校を改装して整備された施設で地域の中小企業のためのレンタル工場、高度な研究開発を行うラボ、プロジェクトや研究開発を支援するためのオフィススペース、情報交換や人材育成のための展示場や会議室など医療健康産業創出のための拠点としてふさわしい施設であると評価しています。先日も内覧会に行かせていただきすばらしい可能性を感じる施設だと感じております。また研究開発室については第一期募集の入居者も決定されましたが高度な研究開発を行う県外大手企業二社、地元の中小企業一社が入居し、オフィスには首都圏より薬機法や知的財産権を専門とする支援事業者が入居するなど当初の目的に沿った顔ぶれがそろいつつあり、今後の展開に大きく期待したいと思っております。
 すばらしい拠点ができたことで、ファルマバレープロジェクトの飛躍的な深化を期待するところではありますがぜひともお伺いしたいのは今後の支援の方向性であります。医療健康産業は極めて高付加価値で無限の可能性を秘めた産業分野でありますが新規参入のハードルは高い分野ではないかと考えています。薬機法や知的財産といったハードルもありますがそれ以前に地域の中小企業者にとってはどのようなニーズやマーケットがあるのかという情報がまず得にくいということも挙げられるのではないかと思っています。高い技術をお持ちの企業はたくさんあります。そうした技術をお持ちの企業が医療健康産業へと参入するに当たってまず製品、商品ありきで売り方を考えるいわゆるプロダクトアウトの支援ではなく、持っている技術や経験を生かせる市場を探っていくいわゆるマーケットインの支援を強化していただきたいと考えておりますがそのために静岡県としてどのような支援が行えるか伺いたいと思います。
 また、静岡県医療健康産業研究開発センターのオープンを契機に、ほど近くに立地する私の母校でもあります沼津工業高等専門学校との連携を強化していただきたいと考えております。沼津高専は工業を学ぶ五年制の高等教育機関であり高校三年間と短大二年間の一貫教育により即戦力となるエンジニアを育成することを目的としています。さらに専門的に学び工学士の学位取得を目指す専攻科の中にファルマバレープロジェクトに呼応した医療福祉機器開発工学コースを設けており、中小企業の技術者向けに富士山麓医用機器開発エンジニア養成プログラムを提供するなどファルマバレーの中核を担う教育機関としての役割を十分に今果たしていると認識しておりますが、静岡県医療健康産業研究開発センターのオープンを契機にさらにシナジーを高めていっていただきたいと思っています。そのためにどのような連携を図っていっていただけるのかお伺いしたいと思います。
 次に、CNF関連産業のメッカを目指す取り組みについて伺います。
 CNFはセルロースナノファイバーの略で、木材などの植物繊維をナノレベルまでにほぐすことで軽量で高い強度を持ちながら環境への負荷が少ないバイオマス素材として近年注目を集めております。原材料となる木材資源が豊富にありCNFと技術的に親和性の高い製紙産業が集積している岳南地域は次世代のバイオマス素材であるCNF関連産業のメッカとなれる可能性がある地域であり、私も大変期待する分野であります。とはいうもののCNF関連産業のメッカを目指す取り組みはまだ緒についたばかりであり、昨年ふじのくにCNFフォーラムを設立し本年一月末現在九十八の企業団体が参加しているものの、今のところは言うなれば助走の段階というのが私の理解であります。静岡県には今後加速度的に取り組みの速度を速め、一日でも早く目に見える形での製品化、商品化をするべく取り組みをリードしていっていただきたいと強く願います。
 そこで、今後具体的にどのような道筋でCNF関連産業のメッカとなっていくのかのお考えをお伺いしたいと思います。特に地域の中小企業者を巻き込み地域の中小企業者と連携して進めていくという観点からのお考えをお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 県東部を中心とした産業政策についてのうち、CNF関連産業のメッカを目指す取り組みについてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、まだ助走段階です。しかしCNF関連産業のメッカとなるという決意を立てております。このメッカになることを目指しまして昨年六月、全国に先駆けましてふじのくにCNFフォーラムを設立いたしました。これまでにセミナー等を五回開催しておりますがいずれも定員を大きく上回る参加者があり、地域企業のCNFに対する関心の高さと新素材の利用に関する意欲を実感しているところです。
 そこで、県富士工業技術支援センターを中核的支援機関といたしまして地域企業からの相談に応じるということをいたしますと同時に技術講演会の開催、CNFに関する最先端の情報の提供に努めているところです。
 先月二十五日に、地域企業とCNFを製造する企業とのビジネスマッチングを開催いたしましたが開催の継続を要望する声が強いことからこれも継続して実施することといたしました。さらに多くの中小企業によるCNFを用いた製品開発を支援するため県の研究機関に技術コーディネーター二名を配置いたしまして企業間あるいは大学、研究機関との共同研究や共同開発の推進を図ってまいります。加えて最先端の技術を学ぶため東京大学の磯貝研究室に県職員を派遣いたしますが受け入れてくださることになりました。また京都大学や産業技術総合研究所などの研究者との人的ネットワークの拡大も進めます。
 日本政府も、国家戦略の一つとしてオールジャパンの体制でCNFの実用化に取り組まれることになりました。文字どおり助走から離陸という段階でありますがどこの地域が最初に離陸するかと。私どもが最初に離陸してみせるという決意でございます。それはまず第一に県内に豊富な森林資源があるということでございます。そして製紙産業も日本一集積しているということでございます。さらに二つ目としてCNFの利用ができる多彩な産業も集積していると。第三に磯貝先生が静岡県の御出身であるということです。このマルクス・ヴァーレンベリ賞、これは日本から二人、フランスから一人受賞されたわけでございますけれどもフランスの方も日本人です。ですからまさに日本の得意とするところであり磯貝先生が本県出身者であるということでございますので、磯貝先生も御協力を惜しまないというふうに言っていただいておりますだけに私どもはCNFの製品化、商品化の取り組みを積極的に進めてまいる所存であります。
 今後、富士工業技術支援センターを中心に最先端の知見、技術の集積を進めまして静岡大学や地域の中小企業とも連携して日本そして世界を牽引するCNF関連産業のメッカを目指してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 篠原経済産業部長。
○経済産業部長(篠原清志君) 県東部を中心とした産業政策についてのうち、ファルマバレープロジェクトのさらなる推進についてお答えいたします。
 ファルマバレープロジェクトでは、ベッドサイドニーズに応えるものづくりを基本にマーケットインによる製品開発を促進してまいりました。ファルマバレーセンターは臨床現場のニーズ把握に努め地域企業が開発に着手するときから積極的に関与し患者や医療者の負担を軽減する製品などが数多く開発されております。今後は新拠点施設に配置するラボマネジャーや入居するテルモ株式会社、薬事コンサルタントが持つ最新の市場情報や臨床現場のネットワークを活用しより市場性の高い製品開発を進めてまいります。
 また、沼津工業高等専門学校は地域に密着したアカデミアとしてインフルエンザ等診断キットなど地域企業との共同開発を進めるとともに、平成二十一年度から医用機器開発のエンジニア養成プログラムF―metを実施し、平成二十六年度からは専攻科に医療福祉機器開発工学コースを新設して産業人材を育成するなどプロジェクト推進に大きな力を発揮いただいております。
 今後は、沼津高専と新拠点施設に入居する企業との連携を図り医療機器の共同開発を促進するとともに、インターンシップや実習の場として新拠点施設を活用いただくことにより地域企業が求める実践力の高い産業人材の育成を進めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 木内 満君。
       (五番 木内 満君登壇)
○五番(木内 満君) 御答弁ありがとうございます。
 CNFにつきましては、地元でも浸透してきておりまして林業関係の方からも期待しているよと言われることが多くなりました。ぜひとも加速度的な推進をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは質問を続けさせていただきます。
 静岡県の地域外交について、とりわけ私の第二のふるさととも言えるモンゴル国との通商に向けた取り組みについてお伺いします。
 昨年八月のモンゴル訪問団に私も同行させていただきまして、十六年ぶりにモンゴルを訪れました。十六年前学生のとき私はバックパックにテントと寝袋を詰めて私の馬を買い単身で放浪をいたしました。少し話がそれましたが昨年八月の訪問に同行しモンゴル国教育・文化省と教育・文化・科学分野での交流に関する覚書を締結するなど当初ドルノゴビ県との県対県で始まった交流が国対県となっているということに大きな可能性を感じました。
 知事は、昨年九月議会で地域外交について経済交流から通商へと一段レベルを上げたいと答弁されました。また本議会に提出された知事提案においても地域外交を経済交流から通商へシフトアップするとともに、地域外交を知事直轄組織へ改組し新たに地域外交監を置くなど地域外交にかける知事の一方ならぬ熱意を感じています。その中でモンゴルは中国、韓国などと並んで重点的な地域として位置づけられております。経済交流から通商へという言葉から私もその可能性に大いに期待しますが、知事提案においては協定締結の周年式典に関して言及があるのみで具体的な通商へ向けたビジョンは記載がありませんでした。
 昨年八月には、民間交流団体の活躍やモンゴル国政府機関の協力によりモンゴルでの物産展やビジネスマッチング商談会には多くのモンゴルの方にも御来場いただきました。しかしまだ両国関係者のニーズやウオンツには隔たりがあり、さまざまな面でインパクトを与える事業ではあったもののすぐに新たなビジネスが始まっているという状況ではないと聞いています。そもそも空輸か近隣国を経由しての陸路しか流通手段がないモンゴルと日本、静岡県とモンゴルとの間で新たな商流が生まれるまでには時間がかかると考えます。静岡県として今後どのようにモンゴル国との間で通商への道筋をつけていかれるおつもりなのか、その戦略について伺います。
 最後に、寄附文化の推進というテーマで質問させていただきます。
 昨年十一月に日本ファンドレイジング協会が発表した推計によれば、二〇一四年の日本における個人寄附の総額は七千四百九億円でございました。同協会が推計を始めた二〇〇九年に比べ約二千億円の増加となっています。この傾向は東日本大震災のあった二〇一一年に十五歳以上の国民の七〇%近くが寄附というものを経験し社会の課題解決のために寄附をするという行為が一般化したことが原因の一つと言われています。阪神・淡路大震災が我が国におけるボランティア文化の契機となったように東日本大震災が我が国における寄附文化の契機となったと後に言われるようになると私は信じております。
 五年間で約一・五倍にふえた日本の個人寄附ですが、アメリカの個人寄附の規模を皆さん御存じでしょうか。その額何と二十七兆円相当ということで桁が二つ違う規模となっています。フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏が昨年五兆円を段階的に寄附すると宣言したことも皆様記憶に新しいかと思いますが、我が国に比べ社会保障が乏しいアメリカにおいて寄附は社会基盤を支える大きな力となっています。我が国においても人口減に伴い税収の将来見通しは厳しく政府支出の抑制が予想される中で寄附という行為の社会における役割は今後高まっていくと私は信じております。安倍政権も共助社会の実現というスローガンのもと寄附文化の推進に取り組んでいます。
 静岡県では、一条工務店様の三百億円という巨額の篤志により防潮堤の整備が行われるなどまことに志ある事例がございます。また共助社会の実現を目指し地域内での志ある資金の循環を目的としたふじのくにNPO活動基金事業のような先駆的な取り組みも行われてきました。静岡県は寄附先進県となる下地は整っていると感じております。
 一方で、例えば年間五十兆円あると言われる相続財産に関して遺産の一部を寄附として地域に残す遺贈をしたいと考える方がふえているというデータがあるにもかかわらず、安心して託せる先がないや制度がよくわからないなどの理由により実際には遺贈というものはふえていないという現状もあります。税制面の整備や人々の意識は変わりつつあるのに寄附に結びついていない状況を私は大変もったいないと感じています。
 こうしたことから、私は静岡県を挙げて寄附文化の推進に取り組むことで寄附をする方のお気持ち、お金が社会の課題解決に向けて活動するさまざまな団体の活動の資金となって活力ある地域創造につながることを期待したいと考えておりますが、今後の県の寄附文化の推進に向けての取り組みについてお教えください。よろしくお願いします。
○副議長(杉山盛雄君) 篠原経済産業部長。
○経済産業部長(篠原清志君) モンゴル国との通商に向けた取り組みについてお答えいたします。
 昨年八月に、首都ウランバートルにおいて食品関連などの本県企業とモンゴル企業との商談会を開催したところ本県企業十社に対して約百三十人のモンゴル企業関係者が来場し、静岡茶について具体的な成約がありました。またマグロや静岡牛などの本県産品を紹介する物産展には二日間で約二千人の来場者があり大変好評でありました。
 今月開催したふじのくに総合食品開発展には、食品や農産物を販売するモンゴル企業が出展し自社製品をPRするなど今後のビジネスにつながる取り組みを進めております。加えて農業分野では本県職員を派遣しソバの試験栽培の技術支援を行いソバを収穫することができました。このソバは食品関係者からおいしいとの評価をいただいたところであります。
 県といたしましては、今後ともモンゴル政府と連携し引き続きビジネスマッチングの機会を設けるとともに、人の交流に力を入れてまいります。具体的にはモンゴルからの技能実習生の受け入れやモンゴルにおけるビジネスを開く人材の育成など人の交流を活発化させ、本県とモンゴルとの通商への道筋をつける取り組みを進めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 池谷くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 寄附文化の推進についてお答えいたします。
 本県では、御指摘の防潮堤工事に加え掛川城やJR掛川駅の整備を初め県民や企業の皆様からのさまざまな寄附行為が行われてきました。こうした寄附は行政はもとよりNPO法人や財団法人など多くの非営利団体の財源として重要な役割を果たしております。しかしながら国の市民の社会貢献に関する調査によれば寄附の妨げとして寄附が実際に役立っているか疑問、寄附先のNPO等の信頼度が低い、寄附のための情報が不足などが挙げられております。
 県では、平成二十三年度から県民の寄附をもとにNPOの活動を助成するふじのくにNPO活動基金事業を実施、平成二十六年度にはその仕組みを継承する市民ファンドが設立されたことからその運営支援に努めているところであります。
 今後は、寄附の受け皿となるNPOの育成を強化するとともに、高齢者を中心に遺贈寄附への関心が高まっていることから人生の集大成としての社会貢献を本人の望む形で実現するための方策について弁護士、税理士、金融機関や市民ファンド等により構成する研究会で検討してまいります。
 さらに、県のNPOに関する情報サイトに具体的な寄附の事例やクラウドファンディングなど新たな寄附手法等を紹介した専用ページを設けるなど寄附という形で社会のために役立ちたいという県民の思いをかなえる環境を整備し、寄附文化の醸成に努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) これで木内満君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 三月一日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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