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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成18年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

植田 徹 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/30/2006

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:



    ○議長 (芦川清司君)  これで酒井政男君の質問は終わりました。
     次に、 五十六番 植田 徹君。
            (五十六番 植田 徹君登壇 拍手)  
    ○五十六番 (植田 徹君)  午後のひととき、 共産党の次とあって睡魔の訪れる時間帯でありますけれども、 しばしの御清聴をお願いをいたします。
     私は自由民主党所属議員として当面する県政の諸課題について、 知事及び関係部局長並びに教育長に質問いたします。
     初めに、 富士山の自然と恵みについて伺います。
     まず、 富士山の世界文化遺産登録についてでありますが、 昨年の十二月議会でも取り上げておりますので簡潔に質問いたします。
     富士山を世界文化遺産にしようと昨年度、 私の地元、 富士市を含め特別名勝富士山の所在地である市や町と県の推進協議会や山梨県側を交えた両県合同会議が設置されました。 また富士山を世界遺産にする国民会議や富士山世界文化遺産県民の会が、 国民的あるいは県民向けの機運の盛り上げを図るべくさまざまな取り組みを始めていると聞いております。
     去る五月十一日開催された県世界文化遺産登録推進本部において、 本県と山梨両県の学術委員会や二県学術委員会を設置して専門家による視点で検討を行い暫定リスト素案としてまとめ、 来年早々にも国に提出していくと聞いております。 そうした中で五月二十三日には静岡県学術委員会が、 またつい先ごろは二県学術委員会が開催されるなどいよいよ具体的な作業が始まったと感じております。
     そこで知事にお聞きします。 世界文化遺産登録に向け、 第一目標である国の暫定リスト登載を目指し学術委員会でどのように検討していくのか、 富士山の世界文化遺産登録の進捗状況と今後の取り組みについて伺います。
     次に、 富士山の豊かな水の利用についてであります。
     地球温暖化対策は国際的な課題であり、 石油などを消費する従来のエネルギー利用に対し二酸化炭素を排出しない自然エネルギー導入の必要性はますます高まっております。 こうした中で小水力発電は農業用水などの既存施設の水の流れの落差を利用するため、 小さな投資で安定した発電量を維持できるなど広い地域で導入が可能な今後の有力な新エネルギーと期待しているところであります。
     栃木県の導入事例を見ますと、 用水路の二メートルの落差を活用し三十キロワット、 約五十世帯分の電気を賄っているとのことであります。 わずかな発電量ではありますが、 私たちの周りにはこうした活用可能な落差が無数にあり、 全国で三百万から四百万キロワットにも及ぶ莫大な開発可能量が推計されるとの記事を拝見しました。 私は地球環境への配慮や今後のエネルギー需給が頭打ちになることを考えると、 火力発電所のような大規模集中一辺倒から小規模で身の回りの電気を供給する分散型の新エネルギーにシフトしていく必要があり、 小水力発電などの新エネルギーを導入していくことが二十一世紀型社会を切り開くかぎを握っていると考えております。
     本県は富士山や南アルプスを源流とする豊富な水源に恵まれ、 とりわけ私の地元富士市は富士山ろくの豊かな水源の恩恵を受けて製紙業を中心に発展してまいりました。 この富士地域の豊富な水資源を最大限に利用することが喫緊の課題と考えております。
     小水力発電を普及するためには関連情報が少ないこと、 河川等の利用に複雑な法律や規制があることなどの課題があることは承知しております。 こうした課題があるにしても、 私は未利用となっている水資源を自然エネルギーとして利活用することは大いに意義があり、 富士山の豊かな水を利用して導入促進を図るべきであると考えますが、 県は今後どのように取り組んでいこうと考えているのか伺います。
     次に、 空港を活用した富士山周辺の観光振興についてであります。
     観光が二十一世紀のリーディング産業と言われ、 WTO世界観光機関では国際ツーリズム市場は今後急激に拡大していくと予測しております。 中国では昨年、 訪日団体観光ビザ発給地が全国に拡大され、 訪日旅行者も今後爆発的に増加するのではないかと思われます。 国内観光に目を転じれば元気でリッチなお年寄り層の滞在型の国内旅行は確実にふえていくのではないかと思われます。
     観光を取り巻くこのような環境の中、 二〇〇九年三月、 富士山静岡空港は開港します。 富士山静岡空港の開港は、 これまで富士山を間近で見たい、 富士山に触れてみたいと思う国内遠隔地や中国を初めとする海外の多くの皆さんに大きな道を開くものであります。 そして富士山周辺や伊豆を含めた東部地域一帯の観光の魅力を十二分に楽しんで満足していただき、 もう一度富士山に来たいと思っていただくことが大切です。 富士山周辺を訪れていただく皆様に満足していただける仕掛けづくりなど空港開港に向けて準備を進めることが必要であります。 県の御所見を伺います。
     次に、 岳南地域の市町合併について伺います。
     県は本年三月、 合併推進構想を公表し、 この構想では合併を推進する市町の組み合わせとして五つの組み合わせが示されましたが、 このうち二つの組み合わせが私が住む富士市を含む岳南地域に係るものでした。 一つは生活圏が一体化している地区であります富士・富士川地区であり、 もう一つは人口一万五千人未満の町を含む地区である富士宮・芝川地区であります。
     これらはそれぞれの組み合わせとして示されておりますが、 同時に構想の中で 「富士川流域の二市二町は生活圏が一体化しており、 人口を合算すると三十八万人を超えていることから、 二市二町が合併して中核市を目指すべきであると考える」 としており、 「合併新法の期限内の実現性を考慮しそれぞれの組合せを示すが、 あくまで将来の中核市への移行を視野に入れた一つのステップであり、 関係市町による二市二町の合併を目指した取り組みをあわせて期待する」 としております。
     私は一市一町それぞれの組み合わせで一度合併してしまえば、 住民が慣れるまで次のステップに進むことは難しいと思います。 既に富士市、 富士宮市、 芝川町で住民票や戸籍謄本の相互交付の取り組みもされております。 岳南地域の一体性のある発展を目指すならば一気に二市二町の合併を目指すべきと考えます。 合併に向けた現在の状況と二市二町合併について県の考えを伺います。
     次に、 中心市街地商店街の活性化について伺います。
     中心市街地の商店街衰退の原因として大型店の郊外出店がすぐに挙げられますが、 この問題の背景として、 モータリゼーションの進展や中心部の居住人口の減少、 公共事業の郊外移転など町全体の郊外化、 都市機能の分散などがあることも忘れてはなりません。
     今般のまちづくり三法の改正を機に、 各地域において自分たちの町の新たなビジョンを作成し地域が一体となってまちづくりに取り組んでいくべきであると思いますが、 中でも町中の居住機能を高めていくことが大切ではないかと考えます。 町中に住む人をふやしにぎわいを取り戻すためには、 町中への優良な共同住宅の建設促進に加え大型店やスーパーマーケットの計画的な誘致など町中で暮らす住民の利便性向上についても検討を進めるべきであると考えます。
     さて、 私の地元富士市の吉原商店街では、 熱意のある商業者や市民、 学校などが協働して高校生のチャレンジショップやコミュニティー施設 「吉原小宿」 の開設、 しにせ旅館を核としたにぎわい再生などに取り組んでおります。 このほかにも高齢者や子供たちの交流の場の設置や商店での中学生、 高校生の職場体験などが考えられますが、 商店街の中、 世代、 分野を超えた住民の交流が街に元気をつくり出すのではないでしょうか。 もとより、 商店街を活性化し町中のにぎわいを回復させるには商業者みずからが魅力ある店づくりに努力することが最も重要でありますが、 私は商店街を舞台に交流をさまざまに促進することが街の活性化につながっていくのではないかと思います。
     そこで、 このような交流による地域商店街のにぎわい創出の取り組みに対し、 県は今後どのように支援していかれるのか伺います。
     次に、 教育及び少子化対策について伺います。
     初めに、 地域における通学合宿についてであります。
     教育委員会では、 子供たちが学校や家庭を離れた環境で仲間と協力しながら自分たちの力で生活体験すること、 日常生活に必要な生活能力を習得するとともに、 お互いの立場を理解し協力し合う心をはぐくむことを目的に、 地域における通学合宿を昨年度から実施しております。 昨年度実施した団体から、 参加した子供、 親、 そして通学合宿を実施した地域の人たち、 それぞれに大きな効果があったとの報告を受け、 教育委員会では昨年度の十六カ所から今年度は一気に百カ所の実施を計画していると二月の県議会において我が党の代表質問に対して答弁をいただきました。
     私の子供のころはパソコンもゲームもありませんでした。 また親も忙しく、 いつも近所の子供だけで遊んでおりました。 そうしますと、 年の多い子供は小さい子の面倒を見なければなりません。 また小さい子も自分の言いたいことをしっかり伝えないと大きい子供の遊びについていけませんし置いていかれます。 そうした子供だけの世界の中で、 ほかの子供を世話したり思いやったり遊んでもらったりいろいろなことを教えてもらったりして、 家族や学校とは違う人間関係を学んだ気がいたします。  私もこの通学合宿は大賛成であります。 先日お伺いしたところ、 私の地元の富士市においても通学合宿にかなり積極的に取り組んでおり、 七カ所で実施する予定と聞き、 その成果を大いに期待しているところであります。
     そこで教育長にお伺いいたしますが、 百カ所での実施を目的にしている通学合宿でありますが現時点の実施予定状況を伺います。 また通学合宿は参加した子供や親だけでなく地域づくりにも役に立つと考えますが、 教育長がどのように考えているのか伺います。
     次に、 子供の救急医療体制の確保についてであります。
     少子化を話す会で幼い子供を抱える若い人たちより切なる要望を聞きました。 また最近、 病院の医師不足を主な要因として、 小児科を初めとする救急医療体制が維持できなくなったなどの報道が新聞やテレビで伝えられております。
     昨今の医師不足は病院及び勤務医にいろいろな面で過重な負担を強いております。 その中で子供を安心して育てるためには、 子供の救急医療は少子化対策においても子供の命を守る上で欠かすことのできない、 いわゆる命綱であります。 救急医療体制の維持確保は行政の重大な使命であります。 そのためには地域の医師の協力が不可欠であり、 私の地元である富士地区においても重要な課題となっております。
     そこで、 子供を安心して育てるためのこども病院または子供の救急患者を速やかに搬送するための救急医療体制の整備が地域ごとに必要と考えます。 国の宝である子供の命を守るために、 どのようにして救急医療体制を確保していくのか県の考えを伺います。
     次に、 富士市における産業振興の基盤整備について伺います。
     まず、 新々富士川橋の進捗状況と周辺道路の渋滞対策についてであります。
     富士市は富士山ろくの豊かな自然環境のもとに多彩な地場産業が展開され、 県内でも有数の工業地域であります。 全国的な地方工業都市の例に漏れず、 近年、 工業の低迷、 景気は上昇傾向とのことであるものの、 元気ある富士市の再生には至っておりません。 またまちづくりの面でも中心市街地の空洞化が進んでおります。
     このような状況の中、 都市の活力から見て、 依然として物流、 通勤、 商業、 業務活動など地域の活力を支えるインフラの整備が産業振興の重要なポイントと考えます。 特に地域産業の核である道路、 鉄道、 重要港湾を絡めて総合的なネットワークは富士市における最大のテーマだと思います。
     中でも最大の関心事は新々富士川橋の早期開通と考えております。 さらに富士川町との合併が聞かれる中で、 橋の開通に伴い通行車両の増加は避けられないと思います。 この点では私の住む鷹岡地域は富士市と富士宮市の接点となり、 通勤時は国道百三十九号や幹線道路より渋滞を嫌った迂回車両が県道一色久沢線の榎沢橋の交差点や県道鷹岡柚木線の龍厳橋付近を初め各所に集中し、 道路の幅員が狭いため渋滞は日常化しております。 このため、 小中学校の通学路である生活道路まであふれて、 歩行者にとってまさに命がけの道路と言えます。
     そこで、 新々富士川橋事業の進捗状況と今後交通渋滞の悪化が懸念される県道一色久沢線や県道鷹岡柚木線の渋滞対策について県のお考えを伺います。 また先ほどの富士市と富士宮市の通勤車両の渋滞緩和策として、 本市場大渕線について早期に開通していただくことを強くお願いをしておきます。
     次に、 伝法沢川流域等の治水対策についてであります。
     富士市の市街地を流下する伝法沢川及び合流後の小潤井川や和田川周辺の市街化は目覚ましく、 小学校や住宅、 福祉施設及び店舗など飛躍的に開発が進んでまいりました。 市街化の進展とともに流域の保水能力が低下し、 流出量が増大することにより治水安全度は低下し、 これらの流域では近年浸水被害が多発し、 とりわけ伝法沢川が小潤井川に合流する付近の富士市千代田地区においては二年に一度の頻度で床上浸水被害が発生をしております。
     県では伝法沢川の治水対策においては、 下流河川である小潤井川の沿川が人家連檐している状況の中で下流部からの抜本的改修には多額の予算と長い年月を要することから流域の富士市とともに検討会を設け、 平成十二年八月、 洪水規模による浸水被害解消を目指し総合的な治水対策の検討を進めた結果、 平成十六年十二月に富士市との共同事業により浸水頻発地域の上流に調整池を設置する方針を打ち出しております。
     その後も浸水被害は絶えず、 平成十七年七月には伝法沢川流域で床上浸水三戸を含む三十五戸の浸水被害が、 また和田川流域では床上浸水五戸を含む八十一戸の浸水被害が発生するなど、 近年局所的な集中豪雨が多発する傾向にある気象状況を考えますと対策工法の実施による早急な効果発現が求められます。 ここでは調整池整備等の伝法沢川の治水対策の整備スケジュール及び和田川の治水対策への取り組みについてお伺いをいたします。
     最後に、 田子の浦港の改修と吉原鈴川海岸の整備状況についてであります。
     田子の浦港においては近年取扱貨物量も増加の一途であり、 また利用船舶の大型化が進んでまいりました。 主要岸壁である中央埠頭第一バースが水深九メートルから十二メートルに改良され、 さらに第二バースの改良も耐震機能を有する岸壁として整備が進んでいると聞きますが、 しかし現在、 港内の航路は大量の土砂のしゅんせつがされていないために、 大型船舶の入港に際し清水港で積み荷を減量して喫水を上げて入港しております。 清水港でおろした貨物を陸路で運搬している状況であります。 これは時間や運搬費の大きなロスであります。
     この点については、 地域経済の振興の面から早急に全面的な供用ができるように平成十七年度から国直轄事業により着工したことはありがたいことと思っております。 当局に引き続きお願いを申し上げます。
     さて、 田子の浦港は潤井川、 沼川など五河川が流入する河口にある掘り込み式港湾のため、 毎年相当な規模で維持しゅんせつが行われております。 そこで、 河川より流入する土砂を港湾内で塩分とまじり合う前に効率的に取り除くことにより、 現在の一立方メートル当たり約一万数千円かかるといわれる費用の大幅な経費節減が見込まれると思います。 また土砂の再利用が可能と考えられます。 ここでは維持しゅんせつ費用を軽減する県の取り組みについてお伺いをいたします。
     また、 田子の浦港の西側港口の富士地区には港内のしゅんせつ土を盛り土した護岸が昨年完成し、 これによってつくられた用地にシンボル緑地公園として本年度より着手していただきました。 これにつきましても地域の住民の期待が集まっております。 しかし東側の吉原海岸について、 この地域では台風時に大波が海岸に打ち寄せ、 十数名の死者や大型の船舶が打ち上げられた経緯のある地域であります。 また海浜の侵食が進み、 海上より富士山が望める地域としては見るに忍びません。 県内を初め山梨県、 神奈川県にも販路の拡大した重要な石油基地を防潮堤の背面に抱えており、 また砂地であることで地震の際には液状化現象の危険が想定されております。 これらの地域を守る防潮堤に至っては既に三十数年が経過したもので老朽化が危惧されております。
     また、 昭和四十七年に堤防前面の海岸側には一部が盛り土され、 鈴川砂山公園として周辺地域の住民から憩いの場やスポーツ施設として長年利用されております。 周辺住民は、 富士地区のシンボル緑地のような港を中心とした交流の場として吉原鈴川海岸にも緑地公園を兼ねた幅広な堤防を築造していただき、 市民が集えるそして憩える緑地の整備を心から望んでおります。  ここで、 田子の浦港の東港口の吉原鈴川海岸整備について県の取り組みについてお伺いをいたしまして、 私の質問を終わります。 (拍手)
    ○議長 (芦川清司君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  植田議員にお答えをいたします。
     初めに、 富士山の世界文化遺産登録についてであります。
     富士山の豊かな自然環境や文化、 美しい景観を保全し次世代に引き継ぐため、 富士山を世界文化遺産として登録していくことは私たちの責務であると考えております。 このため、 先ごろ発足いたしました学術委員会、 これは静岡・山梨両県それぞれにありますと同時に二県の合同学術委員会もあります。 まあ三つあるということになります。 それぞれにおいて富士山の歴史、 文化、 信仰、 自然などをさまざまな面から検証し、 富士山が世界文化遺産の登録基準に合致することを明確にするとともに登録範囲についても御検討いただくということになっております。
     これをもとに、 富士山を世界遺産候補とする暫定リスト素案を静岡・山梨両県合同会議で作成をし、 来年早々にも候補選考の基礎資料として文化庁に提出する予定であります。 これを受けて文化庁としてユネスコに提出をする候補として入れるかどうか検討した上で、 入れるということになれば閣議決定を経て正式な暫定リストに登載されることになるわけでありまして、 それから今度ユネスコへのいろいろ働きかけ、 向こうからの審査が始まってまいります。 それら全部合算いたしますと結論が出るまでに五年近くかかるのではないかと、 まあ見込まれますけれども、 この五年という期日をできるだけ早く短くするように努力をしていきたいと考えておるところでございます。
     一方で、 このような学術的な資料の取りまとめ、 評価と同時に国内での暫定リストに登載する場合ももちろんでありますと同時に、 ユネスコにおきます登録、 態度決定に当たっても国内における支持とか理解ですね、 これがどれぐらいあるか、 その程度も非常に重要であるというふうに言われておりますので、 まずは県内の県民の皆様の御理解、 御支援をいただきながらそこを足がかりにして日本全国の国民的な理解、 支援、 これをいただくようにしていかなければいけないということで、 まず手始めに県民だよりへの掲載、 児童生徒への出前講座、 巡回パネル展などを開催をするとともに、 山梨県や関係する市町と連携を図りつつ民間団体、 企業等との協働によって幅広い機運の盛り上がりを図ってまいる考えであります。
     次に、 富士山の豊かな水の利用についてであります。
     植田議員御紹介していただきましたように、 最近各地で小規模水力発電が動き始めまして大変注目が集まっております。 国では平成十六年度から五年間の計画で全国におきます小規模水力発電所の開発可能地点の調査を実施しているところでございます。 本県の場合では既に川根本町の住民の方々が利用している農業用水、 これを活用して三百ワットの水力発電施設が設置されて、 既に夜間の街灯等にこの電力が使われております。 また伊豆市では今年七月から民間事業者が河川を利用して百キロワットの水力発電施設を稼働させると、 こういう段階を迎えております。 百キロワットというと、 最大六十世帯ぐらいの電力が賄えるということのようであります。 また富士市の製紙工場では新エネルギー・産業技術総合開発機構、 いわゆるNEDOの補助制度を活用して、 工業用水を利用した小型水力発電を三基設置するなど具体的な取り組みも始まっているところであります。
     県といたしましては、 国の全国調査の状況や導入事例も踏まえながら、 富士山の豊かな水を利用した小水力発電の可能性について市、 町、 民間事業者などと連携を図り検討してまいりたいと考えております。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長 (芦川清司君)  大村生活・文化部長。
            (生活・文化部長 大村義政君登壇)
    ○生活・文化部長 (大村義政君)  富士山の自然と恵みについてのうち、 空港を活用した富士山周辺の観光振興についてお答えいたします。
     富士山静岡空港の開港により、 北海道などの国内遠隔地はもとより、 中国、 韓国などの東アジアから本県へのアクセスが飛躍的に向上することから、 日本を代表する観光資源で世界でも知名度が高い富士山を活用しての観光誘客は大いに期待できるものと考えております。 こうしたことから、 国内誘客地として有望な北海道に対しては観光交流団の派遣や地元新聞への広告掲載により、 富士山を初めとする本県の観光魅力をPRするとともに富士宮市と伊豆市天城地区の観光協会が連携して取り組む富士山静岡空港を利用した富士山と伊豆を結ぶ観光ルートの開発と売り込みを支援してまいります。
     また、 富士山周辺地域を外国人観光客受け入れのモデル地区に指定し、 観光案内映像ソフトの作成やおもてなし講習会の実施など受け入れ体制づくりを進めるとともに、 富士箱根伊豆国際観光テーマ地区の外客促進計画に富士山静岡空港を基点とする富士山周辺の周遊コースも盛り込んだところであります。
     今後は空港から富士山周辺への交通アクセスの検討や東部地域へのコンベンション誘致体制の整備を図るとともに、 富士山風景街道や景観形成ガイドプランなどを他の部局や地元の市や町、 関係団体等と連携して推進し、 富士山周辺の観光振興に積極的に取り組んでまいります。
    ○議長 (芦川清司君)  白岩総務部長。
            (総務部長 白岩 俊君登壇)
    ○総務部長 (白岩 俊君)  岳南地域の市町合併についてお答えいたします。
     県の市町村合併推進構想における岳南地域の構想におきましては、 生活圏が一体化している二市二町が合併して中核市を目指すことへの期待を示しつつも合併新法の期限内の自主的な合併の実現可能性を考慮して、 より一体性の強い富士市と富士川町及び富士宮市と芝川町を組み合わせとしたところです。
     この構想を受け富士川町では、 富士市との合併の是非を問う住民アンケートを実施し、 圧倒的多数の賛成を得たことから富士市とともに合併協議会設置に向けた準備に取りかかっていると伺っております。 また芝川町においては本構想について住民の理解を深めていただくために五月に県と町が協力して合併推進構想説明会を開催したところであり、 今後、 町内の各地域において富士宮市との合併についての住民説明会を開催する予定とのことであります。
     県といたしましてはまず、 構想を契機とした地域の自主的な取り組みを尊重し、 この地域の合併の実現を支援していくこととしておりますが、 今後、 仮に二市二町の合併を目指した具体的な取り組みが進み状況の大きな変化があった場合には、 合併推進審議会における審議も含め適切かつ柔軟に対処してまいりたいと考えております。
    ○議長 (芦川清司君)  杉山商工労働部長。
            (商工労働部長 杉山栄一君登壇)
    ○商工労働部長 (杉山栄一君)  中心市街地商店街の活性化についてお答えいたします。
     商店街は街の顔として、 また地域コミュニティーの核として大きな役割を果たしております。 商店街の活性化を図るためには商店主みずからが消費者ニーズに合った品ぞろえやサービスの提供などに努力することはもとより、 市民、 学生、 NPO等との協働による交流の場を創出することも大変重要であると考えています。
     県ではこれまでも、 交流による商店のにぎわい創出の取り組みを促進するため、 商店主、 地域住民などまちづくりに関係する人材の養成やホームページを活用した商店街のプロフィール、 イベント等の情報提供に取り組んでいるほか、 各地で開催されるまちづくりに関するワークショップ等にも積極的に参加しているところであります。
     また、 本年度、 個性的でにぎわいのある商店街づくりを促進するいきいき商店街づくり事業を見直し、 これまでの施設・設備の整備に対する助成に加え新たにソフト面に関する取り組みに対しても支援することといたしました。 この事業により、 NPO法人や福祉関係者など商業関係者以外と商店街との連携による地場産品を活用した体験工房や高齢者、 子供たちの交流の場づくり、 中学生、 高校生による商店での職場体験や大学生の協力を得て行う店舗装飾などの取り組みについても支援することとしております。
     県といたしましては今後とも、 商店街において多様な交流が行われ、 商店街が住む人、 訪れる人にとって魅力的な場所となるよう市や町と連携し、 積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。
    ○議長 (芦川清司君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  教育及び少子化対策についてのうち、 地域における通学合宿についてお答えいたします。
     実施予定数でありますが、 六月二十九日現在で正式に申請書が提出された団体が五十二、 実施すると申し出があった団体が四十九あり、 おかげさまで合わせて百一団体となりました。 今後さらに数団体が開催に向け検討しております。
     通学合宿は、 異年齢の子供たちが共同生活をすることにより、 規則正しい生活習慣、 協調性、 他人を思いやる心や我慢する力などを育てるよい機会であります。 この通学合宿を実施するためにはPTAや青少年関係団体、 自治会やボランティアなど地域に住む多くの人たちの参加や協力が必要になり、 地域の子供は地域で育てるという機運が醸成されることにより、 地域の教育力を高めることができると考えております。 また多くの団体が協働することで希薄になりがちであった大人の人間関係が復活し、 ひいては地域のネットワークの拡大につながることも期待できますことから、 住民主導による地域づくりの一層の推進に役立つものと考えております。
    ○議長 (芦川清司君)  藁科健康福祉部長。
            (健康福祉部長 藁科一仁君登壇)
    ○健康福祉部長 (藁科一仁君)  教育及び少子化対策についてのうち、 子供の救急医療体制の確保についてお答えいたします。
     救急医療は比較的軽症な救急患者の診療を行う初期救急、 入院を要する第二次救急、 重症救急患者への第三次救急と、 患者の重症度に応じた医療体制で対応しております。 例えば富士地域では、 初期は通年体制で地域の小児科医が中心となって富士市救急医療センターで対応し、 第二次小児救急時には富士市立中央病院が三百六十五日、 二十四時間対応で小児患者を受け入れる体制をとり、 重症の新生児や小児患者が発生した際には県立こども病院との連携のもと、 ドクターカーや救急車で搬送する体制が整備されております。 一方、 県内の一部には小児救急医療体制の確保に困難を来している地域も見られますことから、 保健所が市や町、 医療機関、 医師会等、 医療関係者との話し合いの場を設け、 地域の実情に応じた対策を進めているところであります。
     今後とも県内全域において小児救急体制の確保充実に努めてまいります。
    ○議長 (芦川清司君)  古川土木部長。
            (土木部長 古川博一君登壇)
    ○土木部長 (古川博一君)  富士市における産業振興の基盤整備についてのうち、 初めに新々富士川橋の進捗状況と周辺道路の渋滞対策についてお答えいたします。
     新々富士川橋については平成十四年度から富士市側において事業説明を行い、 これまでに起点となる県道鷹岡柚木線との交差点付近の用地を一部取得したところであります。 本年度は引き続き延長約五百メーターの取りつけ道路部の測量調査や用地の取得に努めるとともに、 富士川に建設する橋脚の配置などについて河川管理者と協議を進めてまいります。
     次に、 県道一色久沢線の榎沢橋の交差点と県道鷹岡柚木線龍巌橋付近の渋滞対策については、 本年度から富士市などと連携し、 交通の実態調査や渋滞緩和対策の検討を行ってまいります。 また鷹岡地区周辺の渋滞緩和に向けて、 富士市とともに都市計画道路本市場大渕線や第二東名自動車道に並行する県道一色久沢線のバイパスなど幹線道路の整備についても積極的に進めてまいります。
     次に、 伝法沢川流域等の治水対策についてであります。
     伝法沢川につきましては今年度、 川の断面の狭い三百六十メーター区間の川底を切り下げる工事を完了するとともに調整池の掘削工事を開始し、 平成二十年度までに支川横堀川の洪水を流入させるための越流堤、 放水管を整備し、 引き続き平成二十四年度の完成を目指して伝法沢川の洪水を流入させるための導水路を整備いたします。
     次に、 和田川につきましては昭和五十一年の浸水被害を契機に改修を進め、 沼川合流点から水道橋まで約二・八キロメーター区間について改修を完了しており、 その上流部については今後、 川底を切り下げる工事等について検討してまいります。
     県では過去十年間で床上浸水被害が複数回発生している小潤井川、 伝法沢川及び和田川について、 今年度、 富士市や関係機関から成る協議会を設置し、 河川整備のほか下水道や公園などを利用して雨水をためたり地下に浸透させたりする施設の設置及び適切な土地利用の誘導など、 総合的な治水対策を含む豪雨災害対策アクションプランを策定して、 地域全体の治水安全度の向上に取り組んでまいります。
     次に、 田子の浦港の改修と吉原鈴川海岸の整備状況についてであります。
     田子の浦港港内への流入土砂を一層軽減するため、 潤井川河口部に設けている沈砂池を田子の浦橋のかけかえに合わせ、 上流川に約六十五メーター拡張することとしております。 これにより港内に流入せず沈砂地にたまる土砂が年間約二千立方メートル増加し、 しゅんせつ土砂の処理費用節減と養浜への活用拡大が図られますことから早期完成に向け整備を進めてまいります。
     また、 田子の浦港の東側の吉原鈴川海岸につきましてはセメントをまぜた港内しゅんせつ土を活用して堤防を拡幅し、 堤防を利用した鈴川砂山公園を地域の運動公園として拡充再整備することとしております。 このため、 年度内に工事が着手できるよう現在具体的な整備計画について地元関係者と調整を進めております。
    ○議長 (芦川清司君)  これで植田徹君の質問は終わりました。
     議事の都合により十分間休憩します。

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