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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成21年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

多家 一彦 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/23/2009

会派名:

自由民主党県議団


質疑・質問事項:

1 平成の大合併について                       
 (1) 合併の意義と功罪                        
 (2) 東部地域における合併の見通し                  
 (3) 東部地域における多極分担型地域構造の形成            
2 東部コンベンションセンター整備事業について            
3 市町振興助成事業貸付金について                  
4 県立静岡がんセンターにおける研究と成果について          
5 一一○番通報への迅速的確な対応について



    ○副議長 (込山正秀君)  これで桜町宏毅議員の質問は終わりました。
     次に、 五十九番 多家一彦君。
            (五十九番 多家一彦君登壇 拍手)
    ○五十九番 (多家一彦君)  二十世紀と二十一世紀の節目をまたいで続いている世界的な社会経済の変革は今なお進み、 我が国においてもさまざまな社会のシステムの見直しと改革が進展しております。 地方自治のありようについてもまた同様であります。
     地方分権の大きな流れの中で、 基礎自治体の強化を目指す平成の大合併が進められ、 そして今、 道州制への移行の道筋が開かれようとしている中、 本県においては、 石川知事が確かな自治行政の経験に基づく慧眼をもって地方の時代のリーダーシップを発揮されているところであります。 今なお国と地方のありようの変革は道半ばにある現在、 私は自由民主党県議団所属議員として通告に基づき、 本県の状況を踏まえた地方自治の将来に対する知事のお考えを伺うとともに、 当面する県政の諸課題について、 知事、 関係部局長並びに警察本部長にお尋ねしたいと思います。
     初めに、 平成の大合併についてのうち、 合併の意義と功罪についてであります。
     我が国の市町村の数は、 平成二十一年――ことし一月一日現在、 千七百八十一となりました。 明治二十一年に七万一千三百十四市町村があったことと比較すると、 実に百二十年間で四十分の一になったものであり、 改めてその推移に驚くものであります。
     この市町村数の変遷の歴史の中では大きく三つの節目がありました。 一つ目は明治二十二年の市制及び町村制の施行に伴う明治の大合併であります。 二つ目は昭和二十八年の町村合併促進法などの施行による昭和の大合併、 そして現在の合併特例法などによって進められているいわゆる平成の大合併であります。
     明治維新後の町村は地縁によるいわゆる共同体的なものであり、 地方行政の単位としては規模が小さいものでありました。 そこで明治の大合併においては、 町村の規模の合理化を図ることを目的に国が町村合併標準を示し、 全国一斉に強力に町村合併を推進した結果、 市町村の数は約五分の一に減少し、 近代的な地方自治行政を担う市町村の基礎が築かれたものと認識しております。
     昭和の大合併は、 戦後の新しい社会体制の中で地方自治の進展を図るべく、 人口八千人未満の小規模町村を合併することにより、 町村数を約三分の一に減少させるという計画に基づき町村合併が促進されたものであります。 また町村合併法の失効に先立って市町村建設促進法が制定され、 合併市町村への優遇措置とともに、 未合併町村の合併推進に関して知事や大臣の勧告など強力な措置を規定し、 国と県の強いリーダーシップのもとで小規模町村の解消が進んだのであります。 この昭和の大合併により戦後の民主体制を地方行政に取り入れる基礎が確立され、 市町村の近代化と住民本位の地方自治の進展に大きな役割を果たしたと言われております。
     そして現在の平成の大合併であります。 平成十一年に施行された地方分権一括法により合併特例法が改正され、 合併支援措置が拡充されたことに伴い、 市町村合併が一段と促進されました。 国から地方への権限移譲という地方分権の担い手となる基礎自治体の基盤強化は、 住民本位の地方自治をさらに発展させるものとの強い期待と高い志のもとで、 先ほど申し上げましたように千七百八十一市町村という数字に至ったのであります。 現在においても、 合併特例法失効後のさらなる合併促進を図るために施行された合併新法に基づき市町村合併が進められており、 多くの市町村で合併の検討が進行中であると認識しております。
     一方では、 マスコミ報道などによれば、 合併のメリットとともに小さな規模の町村が大きな都市に組み込まれる中で感じるデメリットなども指摘され、 住民の立場に立った満足感としては疑問を呈する声も少なくないと感じております。
     しかしながら、 私は、 住民本位の真の地方自治進展を図る上での市町村合併の意義は大きく、 その意義を損なうことなく、 「合併してよかった」 とだれもが感じるような合併が今後も促進されるべきであると考えます。
     そこで、 明治や昭和の大合併を経てさらに進んだ今回の平成の大合併について、 道州制等の将来展望を踏まえた中での歴史的意義及び合併の功罪についての知事の御所見を改めてお伺いしたいと思います。
     次に、 東部地域における合併の見通しについてであります。
     本県における平成の市町村合併を振り返ってみますと、 平成十五年の静岡市と清水市の合併以降二十件の市町村合併が成立し、 七十四あった市町村の数はことしの一月一日現在で半分の三十七となり、 それぞれの市町村の行財政基盤の強化や生活圏と行政区域の一体化による効果的なサービスの提供が図られております。
     特に、 県中部地域と西部地域においては、 静岡市と浜松市が政令指定都市に移行し、 今後の都市間競争にも勝ち抜いていける堂々たる魅力と風格を備えた都市が誕生したものであり、 ここに至る道筋には、 地元の皆さんの熱意と努力はもちろん石川知事の支えも大きな力であったと思います。
     この一方で、 県東部地域に目を向けてみますと、 伊豆市や伊豆の国市など一部には合併が進んだものの、 全体的に見ますと市町村の合併はおくれている感が否めず、 特に強力に地域の発展を牽引するたくましい拠点都市の形成には至っていないのが現状であります。 全国で基礎自治体の強化が進み道州制導入への道筋が開かれようとしている今、 首都圏と中部圏の境目にある県東部地域は、 富士箱根伊豆の豊かな環境とたくましい産業基盤を持つ地域でありながら、 このままでそのポテンシャルを生かすことができるのか危惧する声もあります。 東部地域においても、 地域の発展をリードする拠点都市、 静岡市や浜松市のような政令指定都市の誕生を期待する声を、 私自身多くの方々から聞いているところであります。
     一方、 合併新法は平成二十二年――来年三月に期限切れとなり、 平成の大合併もいよいよ終盤と言われております。 このような中で、 現在の東部地域の状況は、 一部で広域行政推進の検討は行われておりますが、 正直言って今以上の拠点都市形成につながる合併の実現可能性は非常に低いと思います。
     合併の枠組みは、 沼津、 三島、 裾野、 函南町、 清水町、 長泉町であったり、 沼津、 裾野、 御殿場、 小山町、 清水町、 長泉町の三市三町、 あるいはこれに伊豆市や伊豆の国市などを加えた六市四町であったりとさまざまに取りざたされておりますが、 いずれも政令指定都市の人口要件を満たすものではなく、 枠組みからの議論だけが空回りしているとの印象もぬぐえません。 このままでいいのでしょうか。
     また、 新聞報道等によれば、 国は合併新法の期限後については平成の大合併の原動力となった促進措置を打ち切り、 合併を支障なく済ませるための最低限の制度のみを整える方向で検討に入ったと聞いております。 東部地域の核となる拠点都市、 政令指定都市の実現に向けては、 もちろん地元の意向が尊重されることは重要でありますが、 拠点都市の必要性の意義を明確にし、 地域全体のありようを俯瞰する知事が強いリーダーシップを発揮することも必要と考えます。
     そこで伺います。 知事は、 東部地域の将来のありようをどのようにお考えなのでしょうか。 そしてその展望を踏まえる中で、 どのように拠点都市の形成、 政令指定都市の実現に向けて取り組む姿勢をお持ちなのか、 率直な御所見、 お考えを伺いたいと思います。
     次に、 東部地域における多極分担型地域構造の形成について伺います。
     地方分権の大きな流れの中で、 県の中部では静岡市が、 西部では浜松市が、 それぞれ県と同様の権限を有する政令指定都市として、 いわばひとり立ちをする状況になりました。 これに対し東部地域は、 先ほども申しましたが、 拠点都市を形成する広域合併はその見通しすらないというのが実情であります。 道州制導入が検討されている中で、 今の東部地域の状況で首都圏と中部圏の間に埋没することなく自立した地域として力を発揮していけるのだろうか、 大きな危惧を感じるものであります。
     本県の東部、 中部、 西部を比べると人口も経済規模もほぼ同等であります。 加えて東部地域は首都圏に近く、 さらに豊かな環境資源を抱え非常に高いポテンシャルを有している地域であり、 この地域の将来を確かなものにしていくことが、 本県にとっても極めて重要な意味を持つと思うのであります。
     拠点都市形成に至る市町村合併の見通しの立たない中で、 知事は東部地域における多極分担型地域構造の形成ということを提唱されたわけであります。 このことは、 知事のこの地域における将来展望に基づくものであり、 東部地域の各市町がそれぞれの魅力や個性、 強みを発揮しながら連携していくという意味では、 極めて重要な考え方を提示されたものであると思います。
     しかしながら、 幾つもの合併の枠組みが提起され、 また広域的には本県と神奈川県、 山梨県にまたがる地域でSKY圏構想が提起されるなど、 さまざまな地域の広がりを設定する構想がある中で、 東部地域の将来ビジョンとそこに至る道筋が地域住民にとっては幾分見えにくくなっているというのも東部地域の人々の率直な声であるような気がします。 いま一度、 東部地域の将来ビジョンを県と各市町、 そして住民の皆さんが共有し、 真剣にかつ率直に東部地域のポテンシャルを生かす地域づくりの道筋を確立することが必要だと考えるものであります。
     そこで、 知事が多極分担型地域構造の形成を提起し、 その先に何を見据えるのかという真意を伺うとともに、 多極分担の名のもとに具体的にどのように東部地域の一体感を強め連携を促す地域整備を進めていこうとされているのか、 その点についてお考えを伺いたいと思います。
     次に、 東部コンベンションセンター整備事業について伺います。
     先ほども申しましたように、 東部地域は中部、 西部とほぼ同等の人口と産業規模を有しておりますが、 かねてから中部、 西部と比べ交流機能、 高等教育機能などの高次都市機能の集積が圧倒的に不足しているのではないかと指摘されております。 これには東部地域に飛び抜けて強力な拠点都市がないという事情も要因となっているものと思います。
     こうした中で、 東部の中核都市たる沼津市においては、 JR沼津駅を中心とした中心市街地の交通上、 都市整備上のさまざまな課題を克服し、 東部地域の拠点にふさわしい都心整備を進めるべく沼津駅周辺総合整備事業を推進し、 県もまたその中核を成す鉄道高架事業の事業主体として大きな役割を担っているところであります。 また沼津駅周辺総合整備においては、 土地区画整理事業と鉄道高架事業とを一体的に進めることにより、 土地利用の高度化、 高次都市機能の導入を図るものでもあります。
     このような中で県は、 市などとともにJR沼津駅北口の区画整理事業区域に位置する旧国鉄清算事業団用地を平成九年に取得し、 この土地を活用しての高次都市機能の導入について調査研究を重ねてまいりました。 そして提起されたのが、 市の用地と一体となり民間活力を導入して進める東部コンベンションセンター整備事業であります。 このことは富士箱根伊豆の環境資源を擁する県東部地域の個性を生かすものであり、 また静岡がんセンターの開設を契機に推進しているファルマバレープロジェクト、 さらには静岡空港の開港など本県の重要プロジェクトとも連携する、 県全体にとっても極めて意義ある事業であると思います。 もとよりこの事業を成功させ東部地域の顔にふさわしい交流拠点を形成することは、 広域都市圏の求心性を高め将来の東部地域の発展に寄与するものとして、 東部地域の人々の期待も熱く高まっております。
     この事業実施に当たっては莫大な費用がかかりますが、 効率的、 効果的に土地利用を図りながらより望ましい整備を進めるべく、 県と沼津市は、 民間事業者のコスト縮減ノウハウや地域活性化に寄与する企画力、 設計力等を最大限に活用することとし、 昨年八月から事業プロポーザル方式を採用して事業者の選定を進めていると承知しております。 しかし百年に一度と言われるような現下の厳しい経済環境の中で、 民間活力の活用が順調に進むのか気がかりでもあります。
     そこで、 東部コンベンションセンター整備事業の現在の進捗と今後の見通しについて、 どのような状況にあるのかお尋ねします。
     また、 コンベンションセンターは、 県が整備する会議場施設、 市が整備する展示イベント施設、 さらには民間のホテル等の機能が複合して活用されていくべきものと考えますが、 完成後の施設の活用、 運営について、 県、 市の役割を含めどのように進めていくのでしょうか。 この点についてもあわせて伺いたいと思います。
     次に、 市町の地震対策事業促進に向けての市町振興助成事業貸付金の活用について伺います。
     本県では、 昭和三十九年に市町村振興助成事業貸付金制度を設け、 以来今日に至るまで市町村の公共施設の整備を財政面から支援してきました。 この間、 具体的な貸付対象事業の変更を行いながら、 本貸し付けが果たしてきた役割は非常に大きなものであると評価しております。
     こうした中で、 本貸し付けのさらなる活用の観点からお尋ねしたいと思いますが、 昨年五月の中国四川大地震では、 耐震性の劣る小中学校や高校が倒壊し数多くの子供たちが犠牲になったことは記憶に新しいところであります。 国ではこの地震災害の教訓を踏まえ、 地震防災対策特別措置法を一部改正し、 倒壊の危険性が高い校舎等の耐震補強について昨年の六月から国庫補助率を二分の一から三分の二に引き上げるなど、 公立小中学校の耐震化を早急に推進をすることとしております。
     これを受け、 本県においても昨年七月、 耐震化を加速する観点から県の所管する大規模地震対策等総合支援事業費補助金についての制度改正を行い、 公立幼稚園、 小中学校の耐震化にかかわる市町への財政的支援の拡充等を行うとともに、 耐震化計画の全体の前倒しを市町に要請したところであります。 こうした中で県内市町の公立小中学校の校舎や屋内運動場の耐震化率を見ますと、 平成二十年度末には文部科学省基準を満たす校舎等は約八九・九%になると見込まれております。 しかし文科省による基準を一〇〇%達成するためには、 県内市町全体で二十年度以降さらに約五百億円の事業費が見込まれ、 市町の財政負担はなお大きいものがあります。
     市町の財政は、 経済情勢の悪化による税収減に加え扶助費を初めとした社会保障関係費や公債費といった義務的経費の支出による硬直化が進み、 平成二十一年度以降も大変厳しい状況が予想され、 各市町においては、 公立小中学校の校舎等の耐震化の必要性を十分に認識しながらも、 重い財政負担によって国、 県が目標としている耐震化計画の達成にはおくれが出るのではないかとの不安を感じております。 このような状況を勘案するとき、 私は、 今まさに市町振興助成事業貸付金を有効に活用し、 市町による公立幼稚園、 公立小中学校の耐震化事業を促進すべきと考えますが、 当局のお考えを伺いたいと思います。
     さらに、 防災対策上学校以外の市町の公共施設の安全性の確保も喫緊の課題でありますので、 それらに対しても市町振興助成事業貸付金の積極的活用を図るべきと考えますが、 この点についてもあわせてお考えを伺います。
     次に、 県立静岡がんセンターにおける研究と成果について伺います。
     静岡がんセンターが平成十四年九月に開設され、 県民が県内で国際的にも最先端レベルの高度がん治療を受けられることになりました。 しかしながら統計を見ますと、 昭和五十六年以降依然として我が国の死亡原因の第一位はがんであり、 また先ごろ示された世界保健機関の予測でも、 西暦二〇一〇年までに世界の死亡原因の第一位は現在の心臓病からがんに変わるとの情報を耳にするなど、 がん治療の一層の発展を期待するばかりであります。
     こうした中、 がんを上手に治すための医療技術の開発、 患者家族の支援技術の開発、 そしてファルマバレープロジェクトの推進を使命として静岡がんセンター研究所が設置され、 遺伝子診療研究部、 免疫治療研究部、 患者・家族支援研究部など八研究部三室体制で研究が進められるとともに、 医学・看護学・工学――医看工の連携としての大学、 企業等との共同研究にも取り組んでいると承知しております。
     がん分野における研究は多様で、 静岡がんセンターでは新しい薬や治療法の研究のみならず患者さんの視点を重視した研究の実践として、 患者さんや家族の悩みや負担を和らげるケア技術の研究を進めており、 こうしたさまざまな研究成果が少しでも早くあらわれがん撲滅が実現されることが、 県民の切なる願いでもあります。
     また、 静岡がんセンターを拠点にさまざまな産業・学術分野とも連携して進められているファルマバレープロジェクトの推進により、 県民の健康増進と健康関連産業の振興を目指す上でも、 静岡がんセンターの研究成果には大きな期待が寄せられているところであります。
     そこで、 本県がん対策の中核を担い、 ファルマバレープロジェクトの中核施設でもある静岡がんセンターの研究への取り組みとその成果について、 どのようになっているのか現状を具体的に伺いたいと思います。
     最後に、 一一〇番通報への迅速的確な対応について伺います。
     昨年八月十六日栃木県鹿沼市の市道で発生した車両水没死亡事故は、 皆さんの記憶の中にも残っているものと思われます。 私の地元沼津市でも、 三つ目ガードやあまねガードなどJR線の下をくぐる道路が数本存在していることから、 人ごととは思えぬショッキングな事故でありました。 この事故では、 消防、 警察へなされた通報の取り扱いについて議論を呼び、 それぞれの機関において反省教訓をもとに、 同じ轍を踏まぬよう改良、 改善等が図られているものと思います。
     警察では、 毎年一月十日をごろ合わせから一一〇番の日として、 正しい一一〇番通報への理解と協力を求める活動をされておりますが、 こうした行事等を通じて一一〇番が県民に理解され通報が正しくされても、 それを受けた警察が適切な対応をとらなければ、 事件解決や人命救助には結びつかないのであります。 言うまでもなく一一〇番は県民が警察に助けを求める緊急の通報であります。 最近ではわがままというか身勝手なお門違いの通報も多数あると聞いておりますが、 そうした中でも、 対応すべき通報についてはプロの判断、 そして適切な対応を図ることが、 県民の安全・安心の確保につながるものだと確信いたしております。
     そこで、 一一〇番通報への迅速的確な対応について、 どのように取り組んでいるのか、 警察本部長に伺います。
     以上で私の質問を終わります。 (拍手)
    ○副議長 (込山正秀君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  多家議員にお答えいたします。
     初めに、 平成の大合併についてのうち、 東部地域における合併の見通しについてであります。
     東部地域は、 豊かな自然環境と活発な産業活動を兼ね備え、 県民所得の水準が高く、 多くの交流人口を呼び込むことのできる地域でありますが、 今後この地域が将来にわたって持続的な発展を図るためには、 都市的な魅力を持った自立性の高い広域的な都市機能を発揮する地域でなければいけないというふうに考えております。
     こうした考え方のもと、 県では、 東部地域三市三町の枠組みを将来の政令指定都市へのステップとして、 静岡県市町村合併推進構想に位置づけて合併を推進してまいりましたけれども残念ながら不発に終わっております。 これは政令指定都市への道筋とか、 合併の組み合わせについて市町村ごとに考えが異なるために合意形成が容易に行い得ません。 知事が強力なリーダーシップを発揮してやれと、 やるべきだというお話でありますけれども、 強制的にこの合併をさせる手段を欠いている状況の中ではいかんともしがたいというのが現実のところでありまして、 今後もあきらめてはいけませんけれども、 現状では何の動きも起こし得ない状態でいるということであります。
     これはよくよく考えてみますと、 特にいわゆる旧駿東郡市ですね、 それから田方郡の北部地域、 これらは大変地域の産業状況を反映して、 市町村財政という観点でいくと極めて豊かであると。 さらに北駿地域の二市一町について言えば、 自衛隊の施設が存在するということを背景に、 これに伴ってさまざまな防衛施設のための大変有利な市町村財政補助金が出るというようなことから、 合併の何ていうか、 合併に至る機運というか動機づけがされないという実態にあることが、 合併が進まない最大の理由だというふうに考えております。
     日々の生活を支える市町村行政という観点から考えると、 中長期的な視点に立って地域の大構想を立てて、 大変広域にわたって大きな影響を与えるような事業というのはもともと考えにくいわけでありますので、 そういう部分については県が本来担うべき立場にもあるし、 ただその構想を実現するためには地域の協力が必要だということにもなってくるわけでありますけども、 この点でこれまでいささかこの地域に何を仕掛けたらいいのかということについて、 なかなかいいプロジェクトといいましょうか案も浮かばない状態で来たと。
     しかし、 豊かな財政力を背景に市町村行政レベルとしては大変高い行政水準を維持されておりますので、 短期的に見ると余り不満が発生しないとこういう状態で来ておるわけであります。 今後もその状況は急変はしない。 しかし一方で、 人口減少そして住民のニーズが徐々に徐々に非常に高度なものを求めるようになってきてるという背景、 これを考えると、 このままでいったんでは要するにこの地域の活力は早晩減衰していくんじゃないかと、 これははっきり私は断言できるわけであります。
     そこで、 現状ではなかなか大同合併して大仕掛けの地域形成プロジェクトに取り組まないというならば、 もう県が勇を鼓してこれと思うものをやるべきではないかということから、 たまたま沼津駅の北の旧国鉄清算事業団用地に着目し、 折から進行中のJRの高架化、 この事業の進展に合わせてあそこに拠点的な都市機能の配備を行ったらどうかということで、 東部拠点地域整備事業に取り組み始めたところでございます。
     もちろんここの地域の整備だけで、 この東部地域の都市的な機能すべてが完備するわけじゃありませんので、 これからも時代状況の推移を見ながらどのようなものを配置をしていくか、 財政状況もにらみながらいろいろ探って、 その実現に邁進しなければいけないと思います。 その際にどこにそういうものを着地させるかについては、 これまた現在の市町村間でいろいろ引っ張り合いがあると思いますけども、 これは調整してきちんとやっていかなければいけないというふうに思います。 既に県立がんセンターあるいは富士の県立水泳場などは、 そういうある程度市町村間の調整の上に大変高い機能のものが存在しております。 まだこれは単なる数多く必要とする点のごくわずかでしかありませんので、 今後この点をどんどんいろいろなところにふやしていくということを考えながら取り組んでいかなければいけないと思います。
     そういうときに、 それを後押しする理念というのが多極分担型地域形成の考えであります。 この多極分担型地域形成の考えは、 単に東部地域の形成を推進する上での理念として有効といいましょうか有益であるばかりでなく、 本県全体についても同様な考え方で取り組んでいくべきものだと、 非常に有効な、 有益な私は理念だというふうに思うわけであります。 したがって県全域のいろいろな機能強化についても、 この多極分担型地域形成の理念のもとで今後推進していくべきだというふうに考えておりますし、 そのまた地域適用版、 とりあえず急がれるのが東部地域だというふうに考えておるわけでございます。
     一方で、 この浜松、 静岡両政令市が、 今後どのように自分自身の力を高めていくのか、 都市経営の中でどういう方向をたどっていくのか、 これまた注目しておるわけでありますし、 またその機能が高まるように県と政令市、 連携していろいろ取り組んでいく必要もあるというふうに考えております。 そういう中で、 市独自の取り組みとして行政区域を拡大をすると、 隣接した市町に働きかけて合併を促すという動きも今後十分出てくるというふうに私は思うのであります。 それがどういうふうな成果をもたらすのか、 非常に興味深いところでもあります。
     そういう動きに対して、 そういう軍門に下るまいということで、 それぞれの地域がまた独自に奮闘努力をして独自の力と魅力を形成するということが誘発されてくると、 非常に静岡の地域が、 どこの地域も非常に活力が高まってくるというふうにも思うわけであります。 これは、 ある意味で昨今いろいろ取りざたされておりますいわゆる競争、 単純な競争という意味じゃなくて、 お互いにそういう刺激をし合う過程で、 いい現象としてそのようなものが出てこないかということを期待してるわけでございます。
     例えば、 富士・富士宮地域を考えますと、 実はいろんな人々の活動、 行動ぶりを見ておりますと、 沼津地域と静岡地域、 両方にらんでる気配があるわけですね。 あるいは両方をうまく利用しようとしているというふうにも言えるし両方に引っ張られる、 その辺が、 だからどちらを主体的に考えるか、 それぞれの受けとめ方なんですけどね、 そういうふうにも見えるわけであります。
     さかのぼって江戸時代以前を考えますと、 長泉町と清水町ですか、 その間を流れている非常に細い境川が旧駿河と伊豆の境だったわけですね。 そういう歴史的な縁も何かの機会にわっと浮上してこないとも限らないと、 私は将来的には思っております。
     そういう中で、 じゃあ今は富士川から東って、 一区切りによく東部、 東部って言いますけれども、 沼津や三島の方々がそういうことは当然だということでやっておると、 全然違うことになっていってしまうかもしれないし、 これは今後何とも判断がつかない状態ですね。 そこで富士川から東の地域は、 県も県なりにいろいろな状況を見ながら、 どういうふうにやっていったらいいかということは十分考え、 策も練らなきゃいけませんけれども、 地域においてもそういういろいろな角度から、 将来の地域のあり方をよく研究し協議をして、 一定の方向に向かっていくということが強く求められると思います。
     そういうことをしないと、 私は、 今後ともますます東京の影響というのが、 特に新幹線を通じて強く出てくる可能性があると。 この東部地域が、 一定のかなり高度の都市的な魅力を形成しないと、 今でも見られる東京方面からの通勤客がどんどんどんどんふえて、 あの地域に存在している企業に従事する人たちが、 地域にあんまり定着しないということがさらに促進されるというふうに思うんです。 それをそうでない方向に持っていくようにすれば、 あの地域はかなり可能性がふえてくると思うし、 その瀬戸際に今あるんじゃないかなと思うんですね。 東京との引っ張り合い、 これも考えていかなきゃならないし、 静岡との引っ張り合いも、 今は強力ではありませんけれども、 これからこの地域も放っておけばどんどん人口減少していくわけで、 いろいろ危機感も出てきてるわけですね。 そういう中で、 より影響範囲を広めるというような活動が、 絶対この地域から起こってくると思うんです。 そういうちょうどはざまの地域ですので、 これから相当主体的に何をするかということを考えていかなきゃいけない地域だと。
     県も、 したがってそういう観点から地域の人がどのように選択するのか、 十分情報の提供とか意見の交換とか、 こういうことをやりながら地域の人たちが望む方向に動いていくというふうになろうかというふうに思うわけでございます。
     その他の御質問については、 関係部局長、 教育長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長 (込山正秀君)  藤原総務部長。
            (総務部長 藤原通孝君登壇)
    ○総務部長 (藤原通孝君)  平成の大合併についてのうち、 合併の意義と功罪についてお答えいたします。
     地方分権が進む中で、 住民に身近なサービスを提供する市町村の役割はますます重要であり、 また厳しい財政状況下で、 住民のニーズの多様化や高度化に対応した行政サービスの維持向上を図ることが必要となっております。 さらに現在、 道州制についてさまざまな議論が行われておりますけれども、 この道州制論議につきましても分権型の内政構造を構築するという方向で進められるべきものであると考えております。
     こうしたことを踏まえますと、 明治、 昭和の大合併を経た平成の大合併の意義といいますのは、 施策、 政策の内容決定まで含めた本格的な分権型社会に対応して、 基礎自治体である市町村の行財政基盤を強化し、 自治能力を高めることにあると認識をいたしております。 またこうした市町村合併は、 あくまでよりよい地域づくりのための手段であります。 長期的な視点で合併のメリットを最大限に活用するとともに、 合併に伴って生じますさまざまな課題を克服していくことが必要であると考えております。 県といたしましても、 合併した市町村やその住民の方々の意見を把握するとともに、 合併後のまちづくりに対して引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。
     次に、 市町振興助成事業貸付金についてであります。
     議員御指摘のとおり、 児童生徒の安心・安全の確保に加えまして、 地域住民の避難先ともなる公立小中学校等の耐震化は喫緊の課題であります。 市町村の財政について今後も大変厳しい状況が予想される中で、 この事業を促進するため市町村の財源確保を支援するということは大変重要であると考えております。 また小中学校以外の公共施設につきましても、 災害時の防災拠点等の役割を担っており耐震化が不可欠であることは同様であります。
     こうしたことから、 県といたしましては、 引き続き公共施設全般の耐震化事業を市町振興助成事業貸付金の対象といたしますとともに、 国、 県の補助金による財政支援の拡充とも呼応して、 地震対策事業の促進のため、 市町村に対し本貸付金の積極的な活用を働きかけてまいりたいと考えております。
     具体的には、 総務部自治局で主催する各市町村等へいろいろな説明会がございます。 そういった説明会等の際に、 この市町振興貸付金の活用を働きかけましたりとか、 あるいはこうした防災対策につきましては防災局、 教育委員会等と連携して働きかけるなど、 さまざまな手段を講じて取り組んでまいりたいと考えております。
    ○副議長 (込山正秀君)  衛門建設部長。
            (建設部長 衛門久明君登壇)
    ○建設部長 (衛門久明君)  東部コンベンションセンター整備事業についてお答えいたします。
     県と沼津市は、 公募により事業者を選定するため、 昨年の八月に募集要項を公表いたしまして、 十一月には事業提案書の提出を受け、 現在学識経験者等から成ります事業提案審査委員会により審査を行っているところであります。 本年三月下旬には優先交渉権者を決定する予定であります。 来年度は事業者が設計を行った上で、 平成二十二年度内に工事に着手できるよう進めていく予定であり、 施設の供用開始時期については、 沼津市の展示イベント施設は平成二十四年度、 県の会議場施設は平成二十六年度を見込んでおります。
     また、 東部コンベンションセンターを最大限に活用して、 国際会議、 学会、 スポーツイベントなど地域の価値を高めるすぐれたコンベンションを誘致するためには、 県、 市、 この両方の施設の一体的な利用による利便性の向上や効率的な運営に加えまして、 東部地域における観光施設や自然を生かしたアフターコンベンションの提案など効果的な誘致活動が必要であります。 このため県といたしましては、 来年度から、 県と市の役割のほか、 静岡県東部地域コンベンションビューローなどの民間団体との連携や指定管理者制度の導入など、 施設の管理や運営方針を含めた活用戦略を沼津市とともに検討してまいります。
    ○副議長 (込山正秀君)  小野寺がんセンター局長。
            (がんセンター局長 小野寺恭敬君登壇)
    ○がんセンター局長 (小野寺恭敬君)  県立静岡がんセンターにおける研究と成果についてお答えします。
     研究所では、 がんを上手に治すための診断技術の開発、 患者家族の支援技術の開発、 そしてファルマバレープロジェクトの推進の三点を使命として研究に取り組んでおります。
     研究所の主要研究課題であるがんの免疫療法や腫瘍マーカーの開発などに加え、 ファルマバレープロジェクトの中核施設として首都圏の三大学等との医看工連携にも取り組んでおり、 既に延べ二十九件の特許出願などの成果も出ております。 また近年、 がんセンターの医療現場の提案に地元企業等が積極的に応じ共同で研究開発に当たることにより、 例えば骨腫瘍検査セットの小型化、 耐久性向上や前立腺がんの放射線治療精度向上用チューブの開発など、 具体的にさまざまな医療器具の製品化等に結びつき、 こちらは八件の特許出願となっております。 さらに患者・家族の負担が大きいがんによる病臭について、 世界的な香料会社である高砂香料工業株式会社と、 昨年十月から消臭・脱臭方法についての共同研究を始めるなど新しい分野にも取り組んでおります。
     加えて、 新薬開発等の一翼を担う治験等の受託研究につきましては、 国立がんセンター、 中央病院等に続く我が国トップレベルの抗がん剤治験実施施設となっておりますが、 契約件数は年々増加し、 来年度の契約予定件数及び受託収入は八十二件、 五億三千八百万円余で、 件数、 金額とも当初予算比で一〇%を上回る伸びを示しております。 また既に、 当センターが治験参加し承認された新規抗がん剤等は九種類に上っております。
     来る二月の二十八日にも、 がんセンターで開催する静岡がん会議で、 さまざまな研究成果の事例発表を行い、 さらなる企業等との技術連携の道を探るなど、 今後ともファルマバレーセンターと協働して情報発信等にも積極的に取り組むことにより、 地元企業の取り組み機運を高め新規事業創出や地域産業活性化に努めてまいります。
    ○副議長 (込山正秀君)  原田警察本部長。
            (警察本部長 原田宗宏君登壇)
    ○警察本部長 (原田宗宏君)  一一〇番通報への迅速的確な対応についてお答えいたします。
     近年、 無差別殺傷事件、 突発的集中豪雨被害の発生等の際に見られましたように、 警察によるスピーディーな対応――クイックレスポンスがますます強く求められるようになっていることから、 特に一一〇番通報への的確な対応に努めているところです。 特に御指摘のように、 昨年の栃木県鹿沼市での事案を他山の石として真摯に受けとめ、 大雨による予想水没箇所の資料化、 県下各消防機関との通報要領の協議などを行ったところであります。
     また、 事案発生に対しては、 一一〇番受理時の事案発生場所の確実な特定と臨場、 警察署と通信指令室の連携強化、 消防等関係機関からの通報を受理した際の情報の共有化、 道路管理者への予想水没箇所の早期交通規制措置の要請等について県下各警察署に指示するなど、 諸対策を講じたところであります。
     なお、 昨年、 通報のおよそ六割が携帯電話からでありましたが、 本県では携帯電話からの一一〇番に対応する位置確認のシステムが整備されておりません。 そこで現在、 警察庁との調整を重ねながらできる限り早くこのシステムの整備を図っていく予定であります。 ただこの携帯電話発信地表示システムが導入されたといたしましても、 携帯会社の測位方式や第二世代と第三世代携帯電話等機種の違い、 通報場所の環境などによって、 位置特定について半径十五メートルから数キロメートルの誤差が生じます。
     さらに、 携帯電話の機能や環境以前の問題として、 電話の先でパニック状態に陥っている通報者を落ち着かせ事案の概要や場所を聞き取ることは、 非常に困難を伴う作業でありますので、 一一〇番を利用する方は、 落ち着いて、 何があったのか、 場所はどこなのか、 著名目標等を具体的に伝えていただきたいと思いますし、 こうしたことを重点として広報活動を行っているところであります。
     いずれにいたしましても、 一一〇番通報につきましては、 今後も県民の安全・安心を確保するべく、 新システムの導入などにより一層迅速的確な対応に心がけていく所存であります。
    ○副議長 (込山正秀君)  これで多家一彦君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
     次会の議事日程を申し上げます。
     二月二十四日午前十時三十分会議を開き、 質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれで散会します。

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