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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

遠藤 行洋 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/28/2013

会派名:

無所属


質疑・質問事項:

1 内陸フロンティア構想の着実な推進について
2 富士山の世界文化遺産登録を契機とした観光振興について
3 食による地域の活性化について
4 介護給付の適正化について
5 いじめ問題への対応について
6 静岡草薙球場について


○副議長(大石哲司君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、一番 遠藤行洋君。
       (一番 遠藤行洋君登壇 拍手)
○一番(遠藤行洋君) それでは、通告に従いまして当面する県政の諸課題について、知事及び関係部局長、教育長に伺います。
 初めに、内陸フロンティア構想の着実な推進について伺います。
 このほど、内陸フロンティア構想の総合特区の指定を受けました。防災・減災と地域成長を両立する構想を国が先駆的な事例と認めたことは、有事への備えが待ったなしの今県民にとって喜ばしいことです。
 さて、一昨年来、県は新東名や今後県内に整備される高規格幹線道路などを軸として安全・安心で魅力ある地域づくりを目指す内陸フロンティア構想を提唱してきました。この構想を進めるに当たりまして、県は防災・減災を前提として各地域の実情に応じた先導的モデルとなる地域づくりの提案を市町に求めました。その上で取り組みの具体化を図ってきたと理解をしております。今回それらの提案が国の後押しを受けることになれば、構想の早期実現が大きく期待できます。私の地元である三島市でも、平成二十五年度内に供用開始予定の東駿河湾環状道路によりまして東部地域の人、物の動きが大きく変わることを見越しています。民間企業とともに地元で温めてきた地域づくりを内陸フロンティア構想の推進力を得て一気呵成に実現しようという高揚感で満ちています。
 しかしながら、今回の総合特区の提案全体を見てみますと特区の指定区域は限定的です。県内全域への取り組みの拡大を目指す県にとっては、今回の特区の区域外で特例措置を受けられない近隣の市町が今後どのように取り組みを進めていくのかが課題です。またこの構想の実現には、安全・安心な社会基盤が整うことで活力を得ていく民間企業にどのような形でかかわってもらうのかが重要です。三島市の特区提案のような取り組みは少なく、まだまだ具体的な連携方法がはっきりしないという課題もあるのではないでしょうか。
 そこで、内陸フロンティア構想の着実な推進に向けまして、特区地域を先導的モデルとしてほかの市町の取り組みをどう進めていくのか、さらには地域づくりの主体となる民間企業や地域住民をこの構想の推進力としてどう取り込んでいくのか、県の考えについて伺います。
 次に、富士山の世界文化遺産登録を契機とした観光振興について伺います。
 三島市は、源兵衛川に代表されますように富士山の雪解け水が長い年月を経て湧き出した湧水に恵まれています。この貴重な湧水を守りたいと市民、企業、行政の協働による活動もありまして、町中にせせらぎがあふれる水の都です。このすばらしい三島市の湧水は、ことし六月に予定されている富士山の世界文化遺産の構成資産には残念ながら入っておりません。富士山が生み出す豊富で良質な地下水は、三島市に限らず山梨県を含めた富士山周辺地域の人々に潤いを与えています。そして貴重な資源として古来から保全や活用が行われてきました。特に活用の面では多くの人々を魅了する観光資源として、また生活用水や農業、製紙業などの産業を支える資源として、さまざまな面で人々に恵みをもたらしてきました。中でも観光資源としては、三島市の楽寿園にある小浜池や構成資産にもなっている富士宮市の白糸の滝、富士山本宮浅間大社の湧玉池、日本一の湧水量を誇る清水町の柿田川湧水などが有名です。
 柿田川湧水は、清水町や三島市など周辺地域およそ三十五万人の飲料水として住民の生活を支える重要なものとなっています。また富士山の湧水で身を締めた三島うなぎや湧水で育てた富士宮市のニジマスなど食の分野でも地域の大きな資源となっています。
 富士山周辺地域は、これらの富士山の恵みによる湧水のほかにもさまざまな観光資源に恵まれています。世界文化遺産の構成資産のほか源頼朝が源氏再興を祈願した三嶋大社などの歴史・文化施設、大型アウトレットモールやサファリパークなどさまざまな民間観光施設があります。富士山の世界文化遺産登録は、ふじのくに静岡の魅力を国内外に情報発信し誘客と結びつける絶好の機会です。その素材として富士山周辺地域の魅力的な観光資源を活用していく必要があると考えます。
 富士山の世界文化遺産登録を契機とした観光振興に県としてどのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。
 次に、食による地域の活性化について伺います。
 私は、食というものは無限の可能性を秘めていると思っています。単に農林水産業の振興というだけではなく観光誘客や文化などにも大きく影響を及ぼします。ある意味、食は静岡県の将来を左右するものではないかとも考えております。
 私の地元の三島市では、三島馬鈴薯を使ってみしまコロッケがつくられています。以前は地元の方々が主に食されていたのですが、その知名度が上がるにつれて県内外からわざわざみしまコロッケを求めて買いに訪れておりまして、観光資源としても価値を増しています。先日放送されたテレビ番組の中で、みしまコロッケの会会長がその経済効果をおよそ十億円と言っておりました。コロッケという普通のお総菜が三島うなぎに匹敵するようなブランドを確立し観光の目玉になるという食による地域おこしの大きな成功事例であり、全国に誇り得る三島の宝ではないかと思っています。
 このような地元のすばらしい食材を使って地域の特産品を開発し地域おこしをしていこうという動きは、県内各地に広がっています。これまでの農林水産業は単に農産物をつくって売る、船で魚をとって市場に出すというようになかなか付加価値のつかないものでした。農業生産額も年々減少し第一次産業は衰退産業と思われていました。しかしみしまコロッケのような事例を見るとやり方次第ではまだまだ成長の余地があり、本県の次世代を担う産業として大いに期待できるのではないかと考えています。静岡県は食材の王国です。地域の食材を使って地域の特産品を開発し地域おこしをする。このような食に関する取り組みについて県ではどのように支援していくのでしょうか。静岡県の食に対して強い思いを抱く知事の御見解を伺います。
 次に、介護給付の適正化について伺います。
 県予算における義務的経費の削減については、川勝知事を初め関係職員が長年にわたり取り組んでいると思いますが、高齢化の進行とともにふえ続けている介護費用の抑制など介護給付の適正化は喫緊の課題です。
 そもそも介護保険制度は、平成十二年四月それまでの老人福祉、老人保健、医療保険の各制度の中から高齢者の介護に関する部分を再編して、社会全体で介護を支える新たな社会保障制度として創設されたことは皆さん御存じのとおりであります。その介護制度もことしで十三年目となりました。介護サービスの利用が必要であるとして本県で要支援、要介護認定を受けた方は、平成十二年四月末の時点では五万七千人であったものが平成二十三年度末には十四万人とおよそ二・五倍に増加しました。これにより本県における介護給付費の総額は介護保険制度が創設された平成十二年度は八百九億円であったものが、平成二十二年度では二千百五億円とおよそ二・六倍に増加しています。これは全国平均のおよそ二・二倍より高い伸びとなっており、県財政における義務的経費が増加している一つの要因となっています。
 本来、介護保険法には「都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように必要な助言及び適切な援助をしなければならない」と定められています。また厚生労働省では、平成十六年十月に都道府県が市町村などと連携して介護給付の適正化に努めるよう介護給付適正化運動の実施についてという通知を出して介護給付の適正化を進めています。
 あわせて、都道府県の国民健康保険団体連合会、いわゆる国保連ですが、医療情報との突合と縦覧点検などを効率的に行えるシステム国保連システムを導入して保険者の支援を行うなどさまざまな適正化に向けた取り組みが行われています。
 また、全国に目を向けて見ますと、民間活力を利用して介護給付費の請求内容をチェックするなど新しい試みを行っている団体もあります。県内の全ての保険者において同じ取り組みを行うことは職員の配置状況や団体規模、財政状況などから難しいとは思いますが、今後の高齢者人口の増加を見据え介護給付の適正化に積極的かつ効果的な取り組みを行っていく必要があると考えています。
 そこで、介護給付の適正化に向けてこれまでどのような取り組みを行ってきたのか、また今後はどのような方針で進めていくのか、県の御所見を伺います。
 次に、いじめ問題への対応について伺います。
 いじめが原因と思われる自殺によって子供のとうとい命が失われる事件が全国で相次いで起こっています。学校や家庭という子供にとって本来安全・安心であるはずの場所で、いじめの被害などで苦しむ子供が後を絶たないことを重く受けとめなければなりません。私たちはその解決に向け学校・家庭・地域を含め全県で取り組んでいく必要があると感じています。文部科学省の平成二十三年度問題行動等の調査によりますと、静岡県のいじめの状況は認知された件数だけで二千九百八十九件でした。これに対して平成二十四年九月の緊急調査では、四月から八月の五カ月間で四千二百七十一件と前年一年間のおよそ一・四倍となっています。いじめられている子供を最後まで守り通すことは子供の生命を預かる学校として当然の責務です。そしていじめる子供に対しては毅然とした態度でいじめは絶対に許されない行為であること、人として恥ずべき行為であることを認識させる心の教育も学校の大きな役目と考えています。どのようなささいないじめであっても子供にかかわる大きな問題として捉え、緊密な連絡と協力体制を整え組織的に対処していく必要があるのではないでしょうか。
 このような中、静岡県・市町教育委員会では、オール静岡でいじめをなくす取り組みを推進するため九月に静岡県の学校からいじめをなくす提言を発信しました。その提言を受けまして、一月に静岡県いじめ対応マニュアルを県内の学校へ配布いたしました。県、市町の壁や公立、私立の枠を越え保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校の指導をつなぐマニュアルを発信されたことに私は子供を守る県民の一人といたしまして高く評価をしております。マニュアルも全て読ませていただきました。本当によくできていると思いました。ただマニュアルというのは実行されなければ絵に描いた餅になってしまいます。
 今後、このいじめ対応マニュアルをどのように活用して子供たちの心の教育を充実させていくのか、また教職員の資質を向上させていくのか、教育長の御所見を伺います。
 最後に、静岡草薙球場についてであります。
 正式名称は静岡県草薙総合運動場野球場です。現在草薙球場は大規模な改修工事が行われています。第一期工事では内野スタンドの耐震補強やダッグアウト、ロッカールーム、トイレなどを改修したほか、バリアフリー化を図るためエレベーターや車椅子席を新設しました。第二期工事ではこれまでの外野スタンド、スコアボードを撤去して、両翼百メートル、センター百二十二メートルにフィールドを拡張するのを初め全面LED方式のスコアボードを設置するほか、静岡県産の間伐材で七千席のベンチ式椅子席を完成させるとしています。また一塁側、三塁側のファウルエリアに座席数一千席のフィールドシートを新設するというものです。県ではこれを砂かぶり席と呼んでいるそうです。
 まず外野フィールドについてですが、これまでは両翼九十一メートル、センター百十五メートルと余りにも狭くホームラン量産球場でした。高校野球の試合でもホームランにより一方的な試合になることも多く、フィールドの拡張は多くの野球関係者が望んでおりました。ただ拡張後の外野席が従来の芝生席ではなく椅子席になってしまうということです。
 現在、テレビCMでもオンエアされていますけれども、静岡の民間企業主導で草薙球場応援プロジェクトが展開されています。私はアマチュア使用の地方球場においては外野席を椅子席にするメリットをあまり感じておりません。県民球場、市民球場では芝生席のほうがはるかに使い勝手がいいのです。また砂かぶり席と呼んでいるフィールドシートは外野のファウルグラウンドをほとんどつぶしてしまいます。今後草薙球場の試合ではレフト線、ライト線のファウルボールを野手は追わなくなってしまうでしょう。確かにフィールドシートはプロ野球では人気です。選手を間近に見ることができる上、ライナーで飛んでくるファウルボールは本当にスリリングです。西武ドームではヘルメットの着用を呼びかけているほどです。ただ今草薙球場は県営球場です。高校野球の聖地でもあり、県内の高校球児は決勝の舞台でもあるこの球場で戦うことを目標に毎日頑張っているのです。
 そこでお伺いします。草薙球場は静岡県の野球の殿堂としてプロ野球をメーンとしたハイレベルな野球を開催することを第一義とするのか、それとも広く県民の皆様に使っていただくことを第一義とするのか球場としての位置づけを明確にする必要があると思っているんですが、いかがお考えでしょうか。報道によりますとプロ野球の秋季キャンプ、トライアウト、オープン戦、公式戦、さらに東京六大学野球などの誘致活動も行うとありました。
 具体的にどのように取り組んでいくのでしょうか。また既に意中の球団にアプローチなどをしているのでしょうか。御所見を伺いたいと存じます。以上で私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(大石哲司君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 遠藤行洋議員にお答えいたします。いいお声をされていますね。うらやましく存じます。
 初めに、食による地域の活性化についてでございます。
 四年前の平成二十一年、本県の食材数が二百十九であるという新鮮な発見がございました。そしてその食材は、林産物、農産物、海産物全てにわたっておりましてその品質が極めて高い。したがって例えば農産物については、農業芸術品、つづめて農芸品という言葉も定着しつつあります。まさに食材日本一の食材の王国であるというこの本県の場の持っている力を生かしまして、食と農を軸とした新しい産業と雇用の創出を図ろうということで、翌平成二十二年度から食の都づくりに積極的に取り組んでまいりました。
 一月三十一日に浜松市におきましてふじのくにコロッケサミットinはままつが開催されましたが、みしまコロッケを初め県内十地域から実に三十二種類の味自慢のコロッケの生産者など約百十人が参加されまして、食による地域おこしがこうした事例に見られますように全県に広まっております。先日西伊豆町の皆様がお見えになりました。商工会から西伊豆自慢品に認定されている新感覚の焼きそば海賊焼というのが全国商工会連合会が主催するむらおこし特産品コンテストで経済産業大臣賞を受賞したという御報告をいただいたのであります。これは本県の食の都づくりの一環として始めたところのふじのくに新商品セレクションにおいて金賞を受賞されたものです。その商品が全国で一位となるという快挙をなし遂げられました。まさに食による地域おこしの好事例であると考えております。
 三島市におきましては、昨年秋に青果市場が市街地から富士山の見える箱根西麓野菜の産地に移転しました。もとあった青果市場も、またオープン前の青果市場も御一緒でございましたでしょうか、そのときに見に行きまして御説明を受けた次第でございます。新東名や伊豆縦貫道が交差する地の利を生かして、地元の新鮮な野菜の供給が以後始まりました。将来は隣接地への農家レストランの整備も検討するということで、その場所も見せていただきました。そしてこの間その横を通りまして、立ち寄りはしませんでしたけれども建物の中でたくさんの食材が売買されているにぎやかな現場を見て喜んだ次第でございますが、この食の可能性にかけた新しい地域活性化の取り組みとして大変高い期待を抱いております。
 今後とも、JAや商工会議所、商工会といった地域の経済団体とも連携をしながら、地域の食材を活用した特産品の開発や販路拡大など六次産業化の推進、多彩で高品質な農林水産物やその加工品のブランド化を初め食による地域の活性化と次世代を担う農林水産業の振興を積極的に支援してまいる所存でございます。
 次に、静岡草薙球場についてであります。
 静岡草薙球場は、日米野球を初め幾多の名勝負が繰り広げられた伝統のある球場であり、沢村・ベーブルース・メモリアルスタジアムという別名もあるぐらいでございます。また高校や社会人野球などアマチュア野球におきましては聖地とされておりまして、多くの県民の皆様に愛されている球場でございます。しかし現在の球場は建設から四十年が過ぎまして、老朽化や利便性といった面では課題がありますしまた狭いところでもございますので、本年六月のリニューアルオープンを目指し整備を行いました。その整備に向けて検討する中で、静岡県野球協議会からグラウンドの拡張は言うまでもありませんがロッカールームのほかそうした諸室の充実、そして外野スタンドの椅子席化、また収容人員の増加などの要望が、約三十万人の署名を添えて提出されてきたものでございます。芝生席では雨天時あるいは雨天後の観戦に支障を生じているので、快適に観戦ができるように外野スタンドを椅子席化するということにした次第でございます。
 このリニューアルに当たりましては、静岡新聞社と静岡放送から多くの県民の皆様から寄附を募って外野席七千席分の県産木材を県に寄贈したいというまことにありがたい申し出がございました。感謝をもってこのお申し出をお受けしたところでございます。そして昨年の三月にこのお申し出がございまして、昨年の七月から協賛金の応募を開始いたしまして来月三月三十一日が締め切りとなっておりますが、応募状況が個人応募が四百人、企業応募が七社にとどまっております。
 そこで、私といたしましてはその間いろいろな方の御意見を聞く機会がございまして、協賛をした方はベンチに自分の名前が記入されていると、あるいは記されているというのを望んでいたと。しかしそれがないので寄附も今する気はないというふうなことでございまして、お名前をベンチに掲載したいという考えを静岡新聞社、静岡放送と相談しながらですね、それが可能かこれを今探っているところでございます。
 リニューアル後の利用につきましては、平成十九年度に策定した草薙総合運動場再整備基本構想におきまして静岡県野球の振興拠点として位置づけて、県民の皆様の御利用を第一に考えております。また多くの県民の皆様がプロ野球公式戦などを観戦できる機会をふやすことも、野球に対する関心を高め野球人口の拡大や技術力の向上につながることから、屋内運動場を初めプロ野球にも配慮した整備を行ってまいります。プロ球団からの強い要望は例外なく室内練習場の存在です。それがこれまでございませんでしたのでこれもつくります。その狙いは推して量ってくださいませ。プロ野球につきましては目下のところは県と静岡市、関係団体とが連携して誘致を進めてございますけれども、来年度はまずヤクルト球団と横浜DeNA球団が主催する公式戦の開催が実現したということでございます。
 我々といたしましては、今後もこうした球団も含めた野球関係者に対しましてプロ野球公式戦や秋季キャンプなどの誘致に向けまして積極的に働きかけるとともに、野球王国静岡復活の契機となりますように利用促進に努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(大石哲司君) 伊藤静岡県理事。
       (静岡県理事 伊藤秀治君登壇)
○静岡県理事(伊藤秀治君) 内陸フロンティア構想の着実な推進についてお答えいたします。
 防災・減災の地域づくりと地域成長の両立を目指す内陸フロンティア構想は、内陸高台部には豊かな自然環境や地域資源を生かした産業基盤や居住空間の創出を、臨海都市部には高次の都市機能を備えた再生都市の形成を目指す取り組みであります。構想を県内全域に広げていくためには総合特区制度を活用し先導的モデルの早期実現を図るとともに、そのノウハウを他の地域が吸収しそれぞれの地域特性を生かしつつ持続的発展が可能な成長戦略を描いていく必要があります。
 このため、地域づくり構想策定のアドバイスを行う専門家を派遣するとともに、地域政策局単位のワンストップ窓口であるチームフロンティアが中心となりまして先導的モデルとなる地域の成果や課題の解決策を学ぶことのできる現地見学会を開催するなど、積極的な情報提供に努めてまいります。
 また本構想では、これまで制度面など行政主体の供給側に立脚した取り組みを進めてまいりましたが、今後は実際にニーズを有する需要側との連携を深めるため行政に対し提言活動等を行う仮称ではありますけれども民間コンソーシアムなどの設立を進め、産学官が連携した地域づくりを加速させてまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 下山文化・観光部長。
       (文化・観光部長 下山晃司君登壇)
○文化・観光部長(下山晃司君) 富士山の世界文化遺産登録を契機とした観光振興についてお答えいたします。
 富士山の世界文化遺産登録は、富士山の構成資産はもとより美しい自然景観や豊富な温泉、多彩な食、歴史が刻まれた建造物など本県の観光資源の魅力を国内外の多くの方々に知っていただき、来訪に結びつける大きなチャンスであると考えております。
 このため、来年度は富士山周辺地域の市町や観光関係団体、山梨県などととも連携し構成資産等をめぐるモデルルートを設定するとともに、富士山周遊マップの作成や旅行会社等を対象としたファムツアーを実施するなど地元の皆様と一体となった誘客活動を展開してまいります。また鉄道、高速道路、フェリーなどの交通事業者とも連携しながら富士山と伊豆、奥大井、浜名湖など各地の魅力ある観光資源を結ぶ商品造成を促進するとともに、首都圏の鉄道駅や新東名のサービスエリア、航空機の機内誌、海外の国際観光展などで集中的に情報発信し誘客効果の波及に努めてまいります。
 こうした取り組みにより、世界文化遺産登録を契機として世界に誇る富士山と周辺地域を初め県内全域を新たな観光エリアとして光を当てることで観光振興を図ってまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 池谷健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
○健康福祉部長(池谷享士君) 介護給付の適正化についてお答えをいたします。
 高齢化の進行に伴い今後も介護需要の増大が見込まれる中、介護保険制度を安定的に運営していくためには適正な要介護認定、必要なサービス計画、いわゆるケアプランの作成及びこれに基づく過不足のないサービスの提供による給付の適正化が不可欠であります。
 このため、県では従来から介護認定審査会委員研修、認定調査員研修などを実施し、市町において要介護認定が適正に行われるよう支援するとともに、県独自の点検マニュアルを作成しケアプランの点検や医療情報との突合など国が示した介護給付の適正化事業を全ての市町で確実に実施できるよう取り組んでまいりました。また介護サービス事業者に対しましては、制度説明会を開催するほか定期的に実地指導を行い必要に応じて監査を実施しております。
 これらの取り組みの結果、県内市町における適正化事業の実施率は全国と比較しても高いレベルにあり介護給付は適正に行われていると認識しておりますが、引き続き要介護認定研修会や事業者指導を実施するとともに、市町に対しましては議員から御指摘がありました国保連の介護給付適正化システムの活用など適正化事業を一層推進するよう働きかけてまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) いじめ問題への対応についてお答えいたします。
 本年一月に策定いたしました静岡県いじめ対応マニュアルは、議員からも御指摘のありましたとおり学校現場で十分に活用されるマニュアルとすること、また子供みずからがいじめについて主体的に考えることに留意し、県・市町教育委員会、県警察本部、私学協会等が連携協力して作成いたしました。このマニュアルはいじめへの対応の基本的な姿勢や方法等をまとめ、各市町教育委員会や学校がそれぞれの実態に即した内容をさらに加えて活用できるようにいたしました。
 また、第一章「いじめの未然防止」では、子供の人権感覚、規範意識の醸成を初め子供同士の望ましい人間関係のあり方などを示しており、集団づくりやいじめ防止に向けた子供たちみずからが考える主体的な取り組みが各学校において着実に実践されるものと考えております。さらに来年度は県総合教育センターにおきましてマニュアルを活用しいじめの理解や対応をテーマとした研修会を開催し、教職員がいじめに適切に対応する力を高めてまいります。
 今後は、学校におけるすぐれた実践事例を集め各学校に広くお知らせすることによりいじめ防止に向けた対応をより充実させてまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 一番 遠藤行洋君。
       (一番 遠藤行洋君登壇)
○一番(遠藤行洋君) 御答弁ありがとうございました。
 二点再質問させていただきたいと存じます。
 最初に、富士山の世界文化遺産登録を契機とした観光振興についてですが、きのうも知事から御答弁がありました除外要請があった三保の松原についてですけれども、これイコモスへの提出期限がきょうだと思うんですけれども、このイコモスに対してどのような回答をしたのか。三保の松原も観光資源として非常に重要なものだと思っております。その辺のところをお答えをいただければと存じます。
 また、全体の名称、これも変更の要請があったと承知しておるんですが、その全体の名称をどのようにされたのか御答弁をいただきたいと存じます。
 そしてもう一つ、静岡草薙球場についてであります。
 知事からも沢村栄治とベーブルースのお話がありましたけれども、室内練習場の整備、推して知るべし、推して量るべしというようなこともございました。今回の改修というのはもうはっきり言ってプロを意識した改修でございます。アマチュア野球を対象とする球場ならばフィールドシートのようなものは決してつくらなかったと思います。ですからやっぱりプロを意識するプロ野球誘致を前提とした改修だということで、その草薙球場の位置づけをもう一度確認したいと思います。
 確かに歴史と伝統のある球場です。沢村栄治とベーブルースが対戦した実はその一カ月後の十二月二十六日に、大日本東京野球クラブという現在の読売ジャイアンツの前身である日本で初めての職業野球の球団ができるんですね。その大日本東京野球クラブがその翌月の一月に三週間草薙球場で練習をして第一次のアメリカ遠征に向かうということなんです。ですからあの草薙球場というのは、職業野球発祥の地であり日本のプロ野球の原点でもあるんです。ですからただ単にベーブルースと沢村が対戦した球場だということではなくてその草薙球場の歴史を踏まえた上で、本当に野球の殿堂である草薙球場をこれからどういうふうにしていくのか、それをやはり県としてももう一回再確認をしていただきたい。ただ単に球場を改修すればいい、室内練習場をつくればいい、それだけでは私はないと思っております。例えば名前にしても、静岡県草薙総合運動場野球場というようないかにもお役所的な名前ではなくて、それこそ知事がおっしゃったように沢村・ベーブルース記念草薙スタジアムとかこういうような名前に変えるというのも一つの提案ではないかと思っております。そのほうが全国にアピールする力もあります。私はネーミングライツで多少のお金を得るよりも、よっぽどそのほうが静岡県の発展のために寄与するのではないかなと思います。
 その辺につきまして、ぜひ知事の御見解をもう一度伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○副議長(大石哲司君) 下山文化・観光部長。
       (文化・観光部長 下山晃司君登壇)
○文化・観光部長(下山晃司君) 三保の松原について再質問にお答えをいたします。
 イコモスへの追加情報の提供は、最終的には文化庁がその文案を決定し提出することとしておりますが、本県といたしましてもそれに対して意見をきちっと伝えているところでございます。
 一つは、三保の松原の除外でございますが、芸術の源泉であり信仰の対象であります富士山の顕著で普遍的な価値を証明するのにこの三保の松原は不可欠な資産であるという認識でございまして、三保の松原を含んだ富士山が世界遺産登録されるよう強く主張しているところでございます。
 また、名称につきましても、芸術の源泉、信仰の対象というものがきちっと盛り込まれた名称にするべきということについて文化庁に伝えてございます。そのような内容で追加情報が提供されるものと考えております。以上でございます。
○副議長(大石哲司君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 静岡草薙球場についての再質問についてお答えいたします。
 先ほど知事から御答弁しましたけれども、草薙球場は高校また社会人野球などのアマチュア野球において聖地とされているところで、多くの県民に愛されている球場であります。十九年に策定した基本構想の中で、やはり静岡県の野球の振興の拠点として位置づけ県民の皆様の利用を第一にということで今回の整備も行っているものであります。当然プロ野球の公式戦、それに来ていただいて観戦できるということは野球人口の拡大とか技術力の向上につながるものというふうに考えておりますけれども、第一義的にはやはり県民の皆様の利用ということで進めているものでございます。以上でございます。

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