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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

大石 健司 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/29/2023

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 リニア中央新幹線整備への県の対応について
(1)リニア中央新幹線建設促進期成同盟会での対応
(2)土地所有者や地元住民への対応
(3)青崩峠トンネル工事に対する対応との違い
2 榛南地域における治水及び津波対策について
(1)坂口谷川水災害対策をはじめとする榛南地域における治水の取組状況
(2)牧之原市相良地区海岸線の津波対策の進捗状況と今後の計画
3 近海物の県内漁協への水揚げ量増加の取組について
4 スポーツコミッションの推進について


○副議長(鈴木澄美君) 次に十二番 大石健司君。
       (十二番 大石健司君登壇 拍手)
○十二番(大石健司君) 皆さんこんにちは。
 私は、自民改革会議の所属議員として通告に従い知事、副知事及び関係部局長に対し分割質問方式で伺います。
 初めに、リニア中央新幹線整備への県の対応についてのうち、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会での対応について伺います。
 午前中の公明党蓮池先生の代表質問にでも触れられましたが、先月五月三十一日知事はリニア中央新幹線の沿線都府県でつくるリニア中央新幹線建設促進期成同盟会の総会に昨年七月の加盟以来初めて出席されました。その総会の場で知事は副会長として挨拶に立ち開口一番、静岡県はリニアには一貫して賛成しております、改めて従来のお立場を表明されました。リニア大推進論者であるという御自身の立場を表明されました。ここまではいつもの川勝節ですが、私はニュース映像で間髪置かずに述べられた次の発言に仰天しました。知事はこうおっしゃいました。田代ダムの取水抑制と燕沢の盛土三百六十万立方メートルと藤島沢の要対策土十万立方メートルを合理的に解決すれば何の支障もありませんと断言されたのです。
 するとどうでしょう。二週間後の今月十四日には突如県はJRに対して、田代ダムを管理する東電の関連会社と田代ダム案についての協議入りを認める文書を送付したんです。これにもびっくりです。
 知事は、昨年七月に同盟会への加盟が認められて以降も記者会見や本会議等事あるごとにリニアトンネル工事による大井川流域の水資源や生態系の影響等、県がJRに提出している四十七項目の問題全てを解決するまでは県内の着工は認めないという立場を表明されてきました。
 しかし今回、状況は知事の発言で急展開したように見えます。今後JRと東電の協議が進み、水問題についての協議が進み合意した暁には、先ほど述べた知事の話によればもはや残る障害は工事による発生土関連の項目だけということになります。
 今日に至るまでJRから全四十七項目の解決に向けた約束も具体的な対策も何も出されていない現状で、知事が期成同盟会で話した合理的な解決に向けて県は着々と動き始めた、そんな感がします。その認識でよろしいですか。
 そして、残る発生土問題の解決実現に向けてもこれから県は主体的にどう取り組んでいくのかを伺います。
 さらに驚きの報道がありました。期成同盟会総会後の東京発の産経新聞によれば、知事は昨年十二月頃国などの関係者に、@長野県内の停車駅を現計画の飯田市よりも約百キロ北の松本市に設置し変更し、静岡県内を通らないルートに変更すること、AJRが計画する品川――名古屋間の先行開業を断念し、その後に予定されている名古屋――大阪間の開業に合わせて全線一括開業を目指すことを要請したとのことですが、この報道は事実でしょうか。
 思い起こせば、知事は令和二年十月にも同じルート変更案の論文を文芸誌に寄稿し物議を醸しています。あのときは、直後に当時の難波副知事がルート変更は必要ないと否定して騒動はいつの間にかうやむやになりました。しかし昨年七月の期成同盟会への加盟に当たり、知事はちょうど一年前の今日六月二十九日の定例記者会見で、現行ルートでの整備を前提に取組を進めると県の姿勢を示しました。しかし晴れて建設促進期成同盟会に加盟した現在でもやはりルート変更が知事の本心、最終目的であるというのであれば期成同盟会で退会や除名にも匹敵する大問題であると思いますが、県の見解をお聞かせください。
 次に、土地所有者や地元住民への対応について伺います。
 さきの静岡県議会二月定例会で私が、リニア工事に使用する土地や森林のほとんど全てを持っている十山株式会社や井川地区の地元住民に対する県の対応について質問した際、森副知事から静岡県中央新幹線環境保全連絡会議の場に限らず十山株式会社や地元井川住民の皆様と情報共有や意見交換を行うように努めていきますと、そういう答弁を頂きました。
 しかし、それから半年近くがたちますが最大の当事者である十山株式会社や地元住民の意見や要望が表に出ることもありませんし県の専門部会にも相変わらず呼ばれません。さらには県のJRに対する要望書の内容を事前に伝えるわけでもなく、今でも蚊帳の外に置いているように見えてなりません。その理由について伺います。
 次に、青崩峠トンネル工事に対する対応との違いについて伺います。
 先月五月二十六日、国土交通省中部地方整備局飯田国道事務所が浜松市天竜区と長野県飯田市の境の青崩峠に建設中の三遠南信自動車道の青崩峠トンネル四千九百九十八メートルが貫通しました。国内最大の断層、中央構造線がすぐ近くを走っているため地盤が非常にもろく、地下水位も高いため大量の出水が続き史上最難関のトンネル工事と呼ばれてきた超難関工事でしたが、世界に冠たる我が国の最先端土木技術によって掘削工事着工から四年の歳月をかけてついに完成、貫通したのです。ちなみにリニアトンネルの静岡工区の長さはこの青崩峠トンネルの約二倍の八千九百メートル、工期は約五分の一の十か月とJRは発表しています。
 さらに、ところでこの天竜川にほど近いこのトンネルの両出入口の標高は、静岡県浜松市側が標高六百八十二メートル、長野県飯田市側が五百九十二メートルであり海に近い静岡県側の方が九十メートルも高いのです。静岡県は首尾一貫してリニア中央新幹線の工事におけるトンネル湧水の県外流出と環境への影響を徹底的に問題視しております。しかしながらこの青崩峠トンネルの工事においては何をしてくださったんでしょうか。本工事着工前に県内部分で先進ボーリングを許した理由はなぜですか。工事中のトンネル湧水量を事前に把握していましたか。本工事中のトンネル湧水量は国交省からしっかりと毎日報告を受けていましたか。私にはリニア中央新幹線工事と青崩峠トンネルの工事の湧水の県外流出の構図は同じに見えます。
 知事は今月十三日の定例記者会見で、突如これからは静岡の水、山梨の水という議論はしないと言い出しましたが、これまでは命の水は一滴たりとも譲らない、静岡県から山梨県に流れた地下水は全量返せと主張していました。天竜川の水は命の水ではないのですか。長野県に流れた水は返してもらったんですか。今はどうですか。明らかなダブルスタンダードではないでしょうか。
 また、このトンネルの工事による大量の発生土はどこに運び、どこに積んだのでしょうか。土質は工事前に科学的に確認・分析し、有害物質を含む要対策土についても協議や調査を行ったのでしょうか。お答えください。以上、答弁を求めます。
○副議長(鈴木澄美君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 大石健司議員にお答えいたします。
 リニア中央新幹線整備への県の対応についてのうち、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会での対応についてであります。
 五月三十一日に開催されましたリニア中央新幹線建設促進期成同盟会総会で、私は本県のリニア中央新幹線に対する基本姿勢を述べました。併せて南アルプストンネル工事に伴うトンネル湧水の県外流出と大量の発生土の処理という二つの大きな課題の解決に向け、関係の皆様に御理解と御協力をお願いした次第でございます。この期成同盟会における合理的に解決すれば何の支障もないとの発言は、田代ダムの取水抑制の実現性、ツバクロの発生土置き場としての適切性、藤島の要対策土処理の適法性、合理的に解決すれば現時点における二つの大きな課題であります工事中のトンネル湧水の県外流出と大量の発生土処理について支障がなくなるということでございます。
 これは全て四十七項目と関わっております。トンネルを掘ると水質が変わります。トンネルを掘り、また発生土が出ますとそれを積み上げれば生態系に影響が出ます。ですからこの大きな柱の中には四十七項目全部が入っているというふうに御理解ください。このリニア中央新幹線工事の着工には、引き続き専門部会で出していただき有識者会議で今検討を進めていただいております事項四十七項目について対話を尽くし、その対応策について地元の理解が必要であるという考えに全く変わるところはありません。
 この大きな問題の早期解決に向けまして、県専門部会におきましてJR東海との対話を鋭意進めております。科学的、工学的根拠に基づく検討の結果が示され、対応策について地域の皆様が御理解なさって納得していただくことが合理的であります。押しつけられるのではなくて自分たちが腹の中で分かるということが大切です。
 しかし、これまでのJR東海さんの御説明はまだ不十分で解決に至っておりません。引き続きこの課題の解決に向けまして沿線都府県とも情報共有を図りながら論点を明確にしつつスピード感を持って取組を進めてまいります。
 去る六月二十日に、沿線都府県との間でこの総会において我々の問題を共有しようということが決まりまして、早速担当の方たちが十都府県集まりまして議題はこれからの方法を、それからもう一つは静岡県の南アルプスの水問題ということで一時間議論していただきました。一気にこれでこの沿線都府県にこの我々の問題が共有されたというふうに思っております。こうした形でスピード感を早めているということでございます。
 次に、ルート変更に関する私の見解でありますが、私から国などの関係者にルート変更を要請した事実はありません。私は一貫して現在のリニア計画に賛成しております。昨年の七月のリニア中央新幹線建設期成同盟会への加盟に当たり現行ルートでの整備を前提として県内の課題解決に向け取組を進めることを明確に申し上げました。現行のルートを前提にしなければ専門部会は開くことができません。現行のルートを前提にしなければ有識者会議は開くことができません。現行のルートを前提にして全てしていただいてるわけです。これまでの専門部会での対応も全て現行ルートを前提に行っているものであります。
 引き続き、リニア中央新幹線整備に伴う大井川の水資源と南アルプスの自然環境への影響の回避、低減を図り、県民の皆様が抱かれている不安、懸念が払拭されるようにJR東海との対話に真摯に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 森副知事。
       (副知事 森 貴志君登壇)
○副知事(森 貴志君) リニア中央新幹線整備への県の対応についてのうち、土地所有者や地元住民への対応についてお答えいたします。
 令和五年二月議会定例会において議員の御質問に答弁申し上げたとおり、土地の所有者である十山株式会社や地元静岡市井川地区の皆様のお考えや思いは大切にしなければならないものと認識しております。
 土地の所有者である十山株式会社とは、今年四月以降私をはじめといたしまして本県職員が意見交換を行う機会を複数回持たせていただきました。十山株式会社からはリニア中央新幹線整備に対する土地所有者としてのお考えをお聞きし、県からはJR東海への意見書や対話の状況などを説明いたしました。
 また、この間の専門部会等において井川地区の皆様に直接御意見をお聞きしませんでしたが、既に環境保全連絡会議全体会などで井川地区の代表委員から早期の課題解決を求める御意見を頂いており、そうした思いも踏まえJR東海と科学的、工学的根拠に基づく対話をスピード感を持って進めてきたところであります。
 県といたしましては、引き続き土地の所有者や地元の方々との思いを受け止めた上で、地域が抱える課題の解決につながるようJR東海との対話を真摯に進めてまいります。以上でございます。
○副議長(鈴木澄美君) 高畑くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 高畑英治君登壇)
○くらし・環境部長(高畑英治君) リニア中央新幹線整備への県の対応についてのうち、青崩峠トンネル工事に対する対応との違いについてお答えいたします。
 リニア中央新幹線南アルプストンネルは、大井川の下を横切り県内区間は全てトンネルとなります。トンネル湧水は県外にあるトンネル坑口から大井川水系の外に流出し大井川の流量等に影響を及ぼすおそれがあります。
 三遠南信自動車道の青崩峠トンネルは、長野県との県境から約六百メートル静岡県寄りの地点をピークに両県のトンネル坑口に向かって下り坂となります。トンネル湧水は両方のトンネル坑口から排水され静岡県側では天竜川支流の翁川に、長野県側では天竜川支流の小嵐川に流れます。流出先はいずれも天竜川水系の河川であり水系外への流出はありません。
 青崩峠道路の環境影響評価手続の中では、県内四か所での縦方向のボーリング調査により地下水位や地質についての調査が行われ、地下水への影響について評価、考察がなされておりトンネル湧水量の調査や先進ボーリングの検討はされておりません。
 トンネル掘削土は両県の工区で合わせて約七十九万立方メートル発生し、うち約六万立方メートルについて本坑の掘削前に実施した調査坑の削孔時の結果からヒ素の基準超過が確認されました。この要対策土は平成二十七年に事業主体と長野県による協議の上、長野県内の国道百五十二号小嵐バイパスの一部区間内に運ばれ適切な措置の下道路構造物の盛土材として活用されています。
 また、これ以外の発生土につきましては約三万立方メートルは静岡県側で、約七十万立方メートルは長野県側で道路構造物の盛土材などに活用されております。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 大石健司君。
       (十二番 大石健司君登壇)
○十二番(大石健司君) 御答弁頂きました。
 あまり内容はないなと。昨日知事が国に対して小さな失望とおっしゃいましたけど、私はかなり失望しております。
 要望二件と再質問を一つお願いします。
 まず、地権者、地域住民の声がという話ですけど、本当に森副知事のおっしゃるその真摯なしゃべり方は分かるんですけれどもね、この件については前から言っているように静岡県がまるで自分の庭のようなことでしゃべってるということが、よその人には分かっていないということです。
 十山さんだけじゃなくて地域住民もそうですけども、中電や国もダムを大井川水系に三十二個ダム造っていろんな形で責任を負ってます。そこのダムにたまってる土とか河原が石だらけになってそれをしゅんせつするとかという話も本当は今できる話。水がなくならない――これ意見ですよ。――水がなくなって困るということであるならば今起こってる危機に対しても静岡県は積極的に動いていただきたいし、知事が国交省にいろいろ要望を出したりJRに要望を出すのはこれから水が減るかもしれない工事ですけど、実際今困ってて減っていていろいろあることについての対策を静岡県としてやらないんですかっていって僕質問しようとすると、いやそれは国の管轄ですから、それは中電がやらなきゃいけないんです、それは長島ダムですから国交省ですということで質問させてもらえない。おかしいです。
 なので、それを今国交省やJRにいろいろ説明してやってもらうということであるならば、静岡県はもっと主体的に今起こってる水が足りないということがどういうことなのかということをもう一度考え直して、実際減ってることに対して何もしてないのに減るかもしれない減るかもしれないということを、いつまでたってもやってみなきゃ分からないことに対してまで要求しているのですごく違和感を感じる、ダブルスタンダードだなと私は思います。答弁は求めませんが、そういった全体的な上流域の水不足に対するアプローチを静岡県が主体となって動いていただかなければ水不足というのは変わらないかなと思っています。
 青崩峠についてですけれども、私が某所から入手した設計図では先ほど御説明があったように、静岡県と長野県の真ん中で山の字になってるから静岡から掘った水は静岡に戻ります、長野から掘ってるから長野に戻りますというのは私が見た設計図では静岡から長野に向かって斜めに行ってるんで、それは説明はそうなってますけれども資料としてちゃんと出していただかないと分からないし、実際どれだけの水が出てどれだけの水が流れそして山梨や長野に出てった水はなかったのかあるのか、それを事前に把握していたのかしていないか。終わってみてこうでしたというのはいいんですけど、今リニアの問題はまだ始まってもいないことに対してずっと二年も三年もこうなるかもしれない出るかもしれない。実際大量の水が出て四年もかかってやっと五キロのトンネルを四年かかって掘ったような大工事では何もなかったように――ヒ素が出てきましたけど――ちゃんと長野県で積んで何か活用してますってそんな無責任な、途中でそういう説明が一切ないのにリニアだけ、どうしてリニアの工事だけどうしてどうしてこんなに厳しく可能性ゼロの可能性にしなきゃいけないってことまで言うのかが理解できません。これも要望しますのでしっかりとしたデータを出していただきたいと思います。
 再質問、私の質問は、田代ダム案と盛土の問題が解決するということが合理的なんだろうって知事がおっしゃったかと思ったんですけどそうでもないし、四十七項目全部やんなきゃいけないって言ってた知事がその三つがうまくいけば何とかなりそうだっていうことが四十七項目に含まれているという回答だったんでちょっとびっくりしました。
 それではどうして、同盟会の中でああいう田代ダムの水の問題と発生土の問題と要対策土の問題が解決すれば何の支障もありませんなんてたんかを切っちゃったんですかってことを聞きたいんです。報道で切り取られるって言いますけど、そこを切り取るには当たり前ですよ、見出しになるんだから。マスコミが切り取って後から知事が一生懸命説明して御理解頂いて、いろんなことが静岡のためになるようなことできましたって御説明は頂いたんでそれはよかったですねって言いますけれども、ああいう公の場でその場しか来ない知事さんたちがいるとこで、東京から大阪の知事さん十九人がいる中で、静岡県大賛成です、この三つが解決すれば何の問題もありませんって大見えを切っちゃったからそれが全国に流れます。知事の場合はいつもそういう形で大きいことを言って後から修正してあれはそういうつもりじゃなかったということで説明をるるされますけれども、最初に言っちゃった言葉が新聞になるし見出しになってしまうので、それではなぜあの場であんな勇ましいことを言ってしまったのかっていうことを再質問します。
○副議長(鈴木澄美君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 再質問にお答えいたします。
 トンネルを掘れば水が出ます。トンネルを掘れば発生土が出ます。ですからこれが一番大きな全てのものの原因になります。この二つの問題がほかの問題と全て関係しております。ですからこの二つの問題が解決できれば他の問題も自動的に解決できるというふうに私は考えております。
 その中で、四十七項目全部を挙げますと一人三分間の中でそれはできませんので水と発生土、両方とも今困ってると。これに関連してですね人々に分かってもらうことが大切で、それで私は成功しそして今回の事務レベルでもですね、部会において南アルプスの水問題をテーマに取り上げてくださってそして共有していただくことができたというふうに思っております。
 水問題が出てきますと水質、水脈、それから生態系、全部関連してまいりますのでおのずとその問題が出てまいります。そういう考えでおります。
○副議長(鈴木澄美君) 大石健司君。
       (十二番 大石健司君登壇)
○十二番(大石健司君) 知事のお考えは理解しました。
 先ほどから言っているように、リニアのトンネルだけがこれ、こういうことが起こるということでは決してありませんので、静岡県が昔の反省を生かしてそういう形で厳しく環境と水の問題を考えていくというのであれば全てのトンネル工事、青崩峠だけではなく全てのトンネル工事や全ての公共事業について今回と同じ目線で、同じ基準でやってくださることを強く要望いたしまして次の質問に移ります。
 次に、榛南地域における治水及び津波対策についてのうち、坂口谷川水災害対策をはじめとする榛南地域における治水の取組状況について伺います。
 昨年九月の台風十五号による豪雨では、県全体で床上・床下の浸水被害が約一万戸、公共土木施設の被災が五百六十二か所など県内の中西部を中心に甚大な被害が発生しました。私の地元の榛南地域においても静谷の雨量観測所で時間最大雨量八十四ミリ、二十四時間最大雨量二百五十四ミリの記録的な豪雨により萩間川や勝間田川、湯日川の水位が氾濫危険水位を超過し、支流からこれらの河川に雨水が排水しづらくなったことなどにより床上・床下を合わせて約百戸の浸水被害が発生しました。
 また、先日の台風二号による豪雨でも県内の中山間地を中心に線状降水帯の発生による記録的な雨量が観測され、大きな浸水被害や多数の公共土木施設災害が発生するなど県内に大きな爪痕を残しました。
 このような設備の整備水準を上回る豪雨には気候変動の影響により頻発化しており、これに対して国は流域のあらゆる関係者が協働で減災対策を取り組む流域治水という考えを打ち出しており、県もこの流域治水の取組を進めるため、流域全体を対象とした流域治水プロジェクトや浸水被害が頻発する地区を対象にした水災害対策プランによる取組を県内全域で進めていると承知しています。
 榛南地域には、湯日川、勝間田川、萩間川など六つの水系の県管理河川が流れており、これらの流域で発生する水災害から住民の生命財産を守るためには、県と市町や関係者が一体となって流域治水の取組を迅速かつ着実に進めていくことが重要であります。またこれら県管理河川のうち牧之原市と吉田町の境を流れる坂口谷川は流域に両自治体で運営する榛原総合病院や地域の安心安全を守る牧之原警察署もあることなどから、県と牧之原市、吉田町の三者が連携協力して水災害対策を進めることが重要であり流域住民も強い関心を持っています。
 そこで、榛南地域における流域治水の取組の進め方と坂口谷川における水災害対策の進捗状況についてお伺いいたします。
 次に、牧之原市相良地区海岸線の津波対策の進捗状況と今後の計画について伺います。
 県では、東日本大震災を機に第四次地震被害想定を公表し、想定される犠牲者を十年間で八割減少させることを減災目標とした地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に基づき様々な施策に取り組んできました。その施策の一つであるレベルワン津波対策については、令和四年度末時点で目標としていた海岸堤防の整備率を上回る成果を上げており県内各地において着実に整備が進められている状況と認識しています。
 しかしながら、私の地元である牧之原市に目を移しますと、十五キロの海岸線を国、県、市と異なる三つの管理者により各地区で堤防の整備が進められていますが、残念ながらまだ四割程度に満たない状況でございます。
 牧之原市は、海岸域の市街地に人口の約七割が居住しております。しかし市が令和二年三月に策定した牧之原減災計画基本計画書によれば、市民の約二割が市内の内陸部または市外への移転を考えており、その約また半数が地震や津波による被災の恐れを移転の理由に挙げています。
 このため、レベルワン津波対策による減災効果は、市民の生命と財産を守るだけでなく市の人口減少を食い止めるという点においても非常に期待の高いものと考えています。
 一方、海岸利用者からは堤防整備の延伸により砂浜の消失や景観の悪化、海との生活の分断等を危惧する声も上がっており、市内外のマリンスポーツ愛好家らの呼びかけで堤防工事の中止を求めて全国から一万を超える署名が集まり市に提出されました。堤防の整備は現在相良須々木海岸の地頭方地区を中心に進められていますが、今後は砂浜が広がりサーフィン等の海岸利用者も多い東側の須々木区から波津・相良方面に向けて整備が進められると認識しています。
 そこで県は、現在実施している相良須々木海岸の地頭方地区における堤防整備を今後どのくらいの期間をかけて完了させる見通しなのか、そして砂浜が広がり海岸利用者の多い相良海岸の整備をどのように進めていくのか伺います。
 次に、近海物の県内漁協への水揚げ量増加の取組について伺います。
 近年地元の漁師から、本県の近海、遠州灘の沖合いや伊豆半島の周辺で獲れる近海ものの生のカツオやマグロの大部分が、近場の漁場から七時間もかけてわざわざ千葉の勝浦漁協まで運ばれて水揚げされているとの話を聞き、目の前が真っ暗になりました。仲買人や小売業者の絶対数が比較にならないのが最大の理由だそうですが、結果的に需要と供給のバランスが取れておらず本県では漁業者が満足できる適正価格が見込めない、半額程度になってしまう、そういうことが大きな要因だと考えられます。つまり本県の魚市場では言葉は悪いですが安く買いたたかれる傾向にあり、勝浦港では常に高値で買ってもらえるため本県での水揚げを避けられているというわけです。
 これは、遠洋もののカツオでは水揚げ量日本一を誇る焼津港を擁し漁業振興に邁進しているはずの本県にとってゆゆしき事態であるだけでなく、コロナ禍や物価高騰の対策として実施した燃料費等の支援策の効果が全て他県に流れてしまっていることを意味します。
 本県では、遠洋で冷凍処理されたカツオやマグロは多く揚がりますが、鮮度や脂の乗りで消費者には羨望される近海ものの魚のおいしさや潜在価値は計り知れないものであると感じています。
 御前崎港の南駿河湾漁協では、同様に近海で獲れる脂肪量計測など独自の基準で厳選した新鮮な極上のサワラを「波乗り鰆」というブランドに認定して出荷し高付加価値化を図って成功しています。ほかの魚でもこのような取組をもっと全県に広めるべきと考えます。
 静岡県水産基本計画には、水産業の魅力と増大のための主な取組の一つとして水産物のニーズに対応した商品開発や安全で高品質な水産物を提供する水産事業者の取組を支援すると記載されていますが、これから具体的にどのような支援を行っていくおつもりなのかお伺いします。
 最後に、スポーツコミッションの推進について伺います。
 静岡県は日本の中央に位置し全国からのアクセスもよく、温暖な気候にも恵まれ一年を通して様々なスポーツを楽しむことが可能です。さらに変化に富んだ海岸線を活用したマリンスポーツや富士山麓での準高地トレーニングなど各地域に魅力的な資源や環境が豊富にあります。
 また、県内にはJリーグ四クラブを擁するサッカーはもとより焼津市の相撲、掛川市のアーチェリー、沼津市のフェンシングなど各地で盛んに取り組まれている独自の競技もございます。日本有数の観光県だけにホテルや民宿等の宿泊施設も多く、様々な競技の大会や合宿を誘致できる優位性や可能性も持っています。
 県は、ラグビーワールドカップ二〇一九や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催成果を生かし、スポーツ大会や合宿誘致などを通じてスポーツによる地域と経済の活性化を目指す専門組織スポーツコミッションShizuokaを本年四月に立ち上げました。既に県内には各地に十三の地域のスポーツコミッションがあり全国的に見ても多い状況ではありますが、県が主導し県全域を対象とし管轄するスポーツコミッションは今立ち上がったばかりです。これから本県が多種多様なスポーツ交流のできる県であることを全国、全世界に周知させるためには国内外に向けた積極果敢な取組が必要不可欠だと思います。
 そこで、このスポーツコミッションShizuokaが、今後どのようにして本県のスポーツや競技環境の魅力を国内外の各種スポーツチームや競技団体等に広くPRし、県内の地域資源を活用したスポーツ交流の推進や来県者そして観光客、宿泊者の増加につなげていくのかを伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(鈴木澄美君) 勝又交通基盤部長。
○交通基盤部長(勝又泰宏君) 榛南地域における治水及び津波対策についてのうち、坂口谷川水災害対策をはじめとする榛南地域における治水の取組状況についてお答えいたします。
 県では、令和三年二月に牧之原市や吉田町などと榛南地域流域治水対策推進協議会を設置し、県管理河川六水系の流域治水プロジェクトを策定してこれらに基づく対策を実施しております。引き続き協議会において対策の実施状況の共有や進捗管理などを行い、関係者が連携して流域治水の取組を着実に進めてまいります。
 これに加え、坂口谷川につきましては、浸水被害が頻発する地区の対策をまとめた水災害対策プランを令和四年五月に策定し、県による本川の堤防かさ上げや市町による支川の拡幅、排水ポンプの増強などのハード対策と、ハザードマップによる水災害リスク情報の周知などのソフト対策に県と市町が連携して取り組んでおります。
 また、坂口谷川は昨年の台風十五号の浸水被害を踏まえて重点対策流域に位置づけており、今後浸水被害の要因分析を踏まえた効果的な対策を水災害対策プランへ追加して早期に浸水被害軽減を図ってまいります。
 県といたしましては、榛南地域の浸水被害の軽減に向けて流域の特性を踏まえて策定した計画に基づく対策を関係市町と連携して進めることにより、水災害に強い地域づくりに努めてまいります。
 次に、牧之原市相良地区海岸線の津波対策の進捗状況と今後の計画についてであります。
 県が管理する牧之原市の海岸約十三キロメートルにおける津波対策は、静岡県地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に基づき整備を進め令和四年度末時点で約五キロメートルの堤防整備が完了しました。相良須々木海岸につきましては、背後に国道が近接し海側へ新たに堤防を築造することとなり、海岸に生息する貴重種の調査が必要となりました。このため早期に着手可能な落居地区から整備を始めて令和元年度に完了しました。現在は地頭方地区の整備を進めており、東沢川における河口部の対策も含め令和十二年度の完成を目指しております。
 相良海岸につきましては、御前崎遠州灘県立自然公園に指定されていることや国道が近接する地頭方地区とは異なり陸側への施設整備も可能であることから、砂浜が創り出す良好な環境や景観に配慮した堤防を計画してまいります。計画の策定に当たっては地元住民や海岸利用者の皆様にも御意見を伺い海岸の利用にも配慮した施設整備に努めてまいります。
 県といたしましては、津波による人的被害の軽減に向けて防護効果を最大限発揮する一連の堤防整備についてできる限り早期の完成を目指し取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 近海物の県内漁協への水揚げ量増加の取組についてお答えいたします。
 本県近海で操業している他県船の多くは、首都圏に近く魚価が高値傾向にある千葉県の勝浦漁港を利用しております。他県船は本県の燃油高騰対策の対象ではございませんが、本県水産業の競争力強化の観点から県内の港に水揚げされる環境を整えることが重要であり魚価の向上や市場の活性化に取り組む必要があります。
 このため、県では魚価の向上に向けて伊豆のキンメダイや御前崎の生カツオなどをしずおか食セレクションに認定しその魅力を県内外へ発信するとともに、専門家派遣事業等により県内漁協によるブランド化の取組を支援しております。加えて山梨、長野、新潟の山の洲くに広域経済圏で近海産の高鮮度な魚介類を販売するなど新たな販路開拓にも取り組んでおります。
 また市場の活性化に向けましては、安全で高品質な水産物を消費者へ提供できるよう魚市場の鮮度管理や食品安全管理に関する手法の開発普及に取り組んでおります。加えてハード面では漁業者、仲買人の利便性向上や水産物の品質管理のため製氷施設や荷さばき施設等の整備を支援しているほか、今年度からはデジタル技術を活用して漁獲情報を即時共有する新たな入札システムを構築し入札参加者の拡大に取り組んでまいります。
 県といたしましては、本県水産物のブランド化や販路拡大、市場の活性化等に全力で取り組み、県内の港への水揚げ量を拡大することで水産業の競争力を強化してまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 村松スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(村松毅彦君) スポーツコミッションの推進についてお答えいたします。
 本県では、大規模スポーツイベント開催の実績を継承し市町や十三の地域のスポーツコミッションにおいて大会、合宿誘致に積極的に取り組んでおりますが、単独では情報の発信力や訴求力に限界があるほか大規模な大会の受入れが困難であります。
 スポーツコミッションShizuokaは、こうした課題を解決するため県内全域を管轄し静岡県全体のスポーツ施設などの情報発信や広域の大会、合宿誘致に向けた地域のスポーツコミッションとの調整を図ることを目的としております。四月の設立以降、地域のスポーツコミッション等と連携しながら大会、合宿誘致の広域的な調整に取り組んでおり、直近では七月に開催される世界水泳選手権二〇二三福岡大会へ出場するアメリカなど複数の海外チームの県内での事前合宿やニュースポーツ全国大会の裾野市への誘致に成功するなど実績も出始めております。
 今後、さらに実績を積み上げていくためには本県の魅力を国内外にしっかりと発信することが鍵となりますことから、大会、合宿の主催者に向けてスポーツ施設はもとより、豊かな自然環境や交通アクセスなど本県の強みを広く周知するホームページをこの秋に立ち上げてまいります。
 さらに、首都圏等でのスポーツ関連の展示会へ出展し全国のスポーツチームや競技団体などに対するプロモーション活動を展開してまいります。昨日都内で開催された展示会には、今年度スポーツアンバサダーに起用した本県出身でオリンピック銀メダリストの飯塚翔太選手に本県の魅力をPRしていただきました。今後もホームページでのメッセージ配信など情報発信の強化に御協力頂く予定であります。
 県といたしましては、地域のスポーツコミッション等と連携して本県のスポーツや競技環境の魅力を情報発信し、大会や合宿誘致に積極的に取り組むことでスポーツを通じた地域と経済の活性化を推進してまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 大石健司君。
       (十二番 大石健司君登壇)
○十二番(大石健司君) 御答弁ありがとうございました。
 治水と津波対策は、本当にきっちり計画立ててやってるということが分かりましたので感謝します。大井川の上流の件でブーブー言ってすみませんでした。
 もう一つ要望です。近海物の県内漁業への水揚げ量増加の取組についてですけど、ブランド化とネット入札、これが一番効果的じゃないかなって私個人は思ってますので、首都圏に近いからといって全部持っていかれるよりもここを中心とした静岡県発のオリジナルなブランド名はいろんなおいしい魚をもっともっと有名にするように努力して頂きたいと思っています。ネット入札等も活用して県内の漁協での競りがもっともっと高値がつくように御協力いただきたいと思います。
 私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(鈴木澄美君) これで、大石健司君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。
 再開は十五時二十分とします。

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