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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成19年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

杉山 盛雄 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/01/2007

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:

1 指定管理者制度導入の効果について                 
2 富士山静岡空港の設置管理に関する条例について           
3 二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会について          
4 がん患者、 家族の心のケアについて                 
5 沼津駅北地区における拠点施設整備構想について           
6 森の力再生事業について                      
7 学校におけるクレーム対応について



    ○議長(佐野康輔君) ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、五十一番 杉山盛雄君。
    (五十一番 杉山盛雄君登壇 拍手)
    ○五十一番(杉山盛雄君) 質問の機会をいただきましたので、自由民主党所属議員といたしまして通告に従いまして当面する県政の諸課題について、知事並びに関係部局長、教育長に質問をさせていただきます。
     また、質問に入ります前に知事の公務復帰を心からお祝い申し上げると同時に、その責任感の強さに改めて感服をいたしました。今後とも健康に御留意されて県行政発展のために頑張っていただきたいというふうに思っております。
     最初に、指定管理者制度の導入の効果についてお伺いをいたします。
     静岡県では平成十六年度から指定管理者制度の導入を進め、本年四月には新たに男女共同参画センター、朝霧野外活動センターの二施設を加え四十施設に導入をしております。また六月十三日に発表されました集中改革プランの十八年度までの成果と取り組み状況において、指定管理者制度は今後とも積極的に活用し公の施設の適正かつ効率的な運営と県民サービスの質の向上を図るとしております。さらに今回の本会議においても空港の管理運営について、我が党の代表質問に対し石川知事は指定管理者制度の導入を前提として準備を進めていく考えであると答弁をされました。
     このように本県の公の施設の管理では、民間の創意工夫を取り入れることにより経費の節減や施設の魅力を引き出すなど成果を上げていると思われますが、施設の管理といいますと私は二つの事例を思い出します。
     一つは、以前視察に行きました旭川市の旭山動物園です。ここでは指定管理者制度の導入を検討をしましたが、動物園の職員の力でそれ以上の成果を出すということで、特に人を呼べる動物もいないのに少ない職員数で工夫することにより日本第二位の入園者数を獲得をするなど、すばらしい経営をしております。またもう一つは、大分県のAPU――立命館アジア太平洋大学についてです。APUの誘致には当初県、市から助成を受けていましたが、その後は助成を受けることもなく、アジアから多くの学生を集めるなど大学経営に成功をしております。二つの例は片や公的機関による創意工夫、片や民間の力を最初から計算に入れた取り組みと形は異なるものの、抜本的なやり方の工夫により公共施設をうまく運営することに成功をしております。
     こうした事例を見ますと、最初から公の施設として建設したものを民間事業者などに管理をゆだねる効果は、単なる管理運営費の削減に終わってしまうのではないかと懸念をしております。今年度は再指定のための手続を行う施設もあり、また新たに導入を図ろうとしている施設も出てきていることなどを踏まえ、もう一度導入の効果について考える必要があるのではないかと思われます。
     そこで、これまでの指定管理者制度導入につきまして、県はどのように評価しているのか伺います。また今後制度を的確に運営をし施設利用者である県民の満足度向上に資するためには、どのような取り組みをされるのか、あわせてお伺いをいたします。
     次に、富士山静岡空港に関する質問でございますが、今議会で我が党の伊藤育子議員や大石哲司議員から多岐にわたった質問がありましたので、私は設置管理に関する条例について伺いたいと思います。
     開港まで約一年半となり空港の整備事業が急ピッチで進められておりますが、これに合わせて必要となる管理運営に関する検討も加速をされているようであります。空港の管理運営においては安全第一を旨とすべきことはもちろんでありますが、効率的で質の高いサービスの提供ができるよう進める必要があると思いますし、より多くの路線・便数を確保し県民の利便性を高めるためには、航空会社にとっての使いやすさについても配慮する必要があると考えます。
     富士山静岡空港は第三種空港であり県が設置及び管理する施設でありますことから、地方自治法上、公の施設に該当をし、空港の設置及び管理、また使用料に関する事項については条例で定めなければなりません。一方航空法においては、飛行場の設置者は供用の条件、その他業務の運営に関する事項について、管理規程を定め国の認可を受けなければならないとされております。具体的な規定事項としては、運用時間や使用料金、飛行場内において制限する行為等とされているところであり、第三種空港においてはこの管理規程を地方自治法に基づく公の施設の設置管理に関する条例として定めていると伺っております。
     平成十八年二月に開港した神戸空港の条例が開港約一年前の平成十七年四月に公布されたことを思えば、富士山静岡空港の条例についても検討が相当に進んできているものと思われます。
     そこで、条例で定めることとなる空港の運用時間や使用料金等、管理運営の基本的な事項について、どのような方針のもとに検討を進められているのか伺います。また条例の制定スケジュールについてどのようなお考えなのか、あわせて伺います。
     次に、二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会について伺います。
     本大会は、第三十九回技能五輪国際大会と第七回国際アビリンピックの両大会が大会史上初めて沼津市及び静岡市で同時開催されるもので、本県にとりましてまさに画期的なイベントであります。
     特に、県東部地域にとって、技能五輪国際大会は国際的な一大イベントであること、大会史上初めて選手村が設置をされ各国選手の交流が行われることなど、技能尊重の社会づくりに資するだけでなく、地域の情報発信やにぎわいづくりの点からも地元として大いに期待をしているところであります。
     また、夏休み期間中の八月四日、五日には、より一層の大会機運の醸成を図るため、ユニバーサル技能五輪国際大会一〇〇日前カウントダウンイベントが開催地である沼津市のキラメッセぬまづで、多くの県民の皆様に御来場いただき盛大に行われました。私も関係者の一人としてこのイベントに出席をしたところでありますが、子供から大人まで県民の皆様の大会に寄せる関心は非常に高く、日ごとに機運が高まっていると感じているところであります。
     さらに、両大会合わせて世界各国から選手・関係者約三千五百人が参加をするとともに国内外から約二十万人の来場者を目標にしていると伺っており、地元沼津市でも来場される方々を歓迎するための各種取り組みを進めております。
     このような中で、本大会はユニバーサルデザインを大会の冠に掲げており来場者のだれもが気持ちよく見学をしていただくことが何よりも大切なことと考えておりますが、ユニバーサルデザインの先進県としてどのような対応が実現をできるのか、お伺いをいたします。
     また、沼津市門池地区の技能五輪国際大会の会場地では現在幾つもの大型テントの設営が行われており、大会が直近に迫っているなあということを実感するところであります。
     そこで、いよいよ大会開催まで残すところ一カ月半となりますが、大会成功に向けて多くのお客様をどのような取り組みで温かくお迎えをしようとしているのか、あわせてお伺いをいたします。
     次に、がん患者、家族の心のケアについてお伺いをいたします。
     生涯のうちにがんにかかる可能性は男性の二人に一人、女性の三人に一人と言われております。加齢により発症リスクが高まりますので、今後高齢化が進むことを考えると、他人事ではない身近なものとしてとらえる必要があると思います。一方で県立静岡がんセンターでは平成十四年の開院以来高い水準の医療の提供とともに、研究所においては新しい診断・治療法等の研究が行われるなど、今後がん医療の一層の発展に寄与するものと期待をしております。
     しかしながら、現状に目を向けますと我が国の死亡原因第一位をがんが占め三人に一人が亡くなるという状況に、治療の難しい病気であることは否めないわけであります。このため、がんであるとの診断を受けたときから患者は不安や憂うつなど精神、心理的な苦痛を抱え、またその家族も同様の苦痛を抱えます。国立がんセンターにおける患者調査では病名の告知後に約二割、再発は約四割の患者が抑うつ状態にあるとの報道もあります。
     こうした中、本年六月厚生労働省では、がん対策基本法に基づきがん対策推進基本計画を策定をいたしました。この計画は、平成十九年から平成二十三年度までの五年間を対象として総合的かつ計画的な推進を図るため基本的方向について定めるとともに、各都道府県が策定をしております都道府県がん対策推進計画の基本となるものであります。この基本計画では「すべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の維持向上」が目標に掲げられ、身体的な苦痛のみならず心のケアを含めた全人的な緩和ケアへの取り組みが求められており、このような取り組みが推進されることを期待をしているところであります。
     九月二十一日の新聞に掲載をされました県立静岡がんセンターの医師のインタビューの中で、大変に感銘を受けた言葉が幾つかあります。「最期まで尊厳を保ち、自律性を維持してあげること」、また「患者が亡くなったからといってそれで終わりではない。残された家族に対する心のケアも考えていかなくてはならない」というものであります。
     県立静岡がんセンターでは「患者と家族を徹底支援する」を理念の一つに掲げておりますが、がん患者、家族の心のケアにつきまして、どのように取り組まれているのかお伺いをいたします。
     次に、沼津駅北地区における拠点施設整備構想について伺います。
     地方分権や規制緩和という大きな潮流の中、地域間競争もこれまで以上に激しくなってきており、その結果として地域にも本格的な格差社会が形成をされつつあります。本県でも中部、西部地域では政令指定都市の誕生を契機により高度な都市圏の形成という明確な目標を設定され、自立的発展による新たな地域づくりが始まっております。
     そうした中、東部地域では富士山、箱根、伊豆など豊かな自然環境と首都圏に隣接をしていることなどから、第一次産業から第三次産業までの多彩な産業が集積をし、恵まれた環境や条件のもと発展を遂げてまいりました。しかし沼津市や三島市といった各都市の商業や文化等の都市機能の高度化が進まず、東部地域の核となる個性あふれるまちづくりがおくれているとの印象がぬぐい切れません。このままでは他の地域に対して、いわゆる東部地域の地盤沈下が進行してしまうのではないかと危惧をしております。
     私は、地元東部地域の将来のため、そして県土の均衡ある発展の観点からも、地域の核となる都市拠点をできる限り早期に形成をしていくことが喫緊な課題であると考えております。
     こうした中、静岡県と沼津市及び都市再生機構の三者により、東部地域の百万人都市圏にふさわしい都市拠点地区を形成すべく、沼津駅付近鉄道高架事業を初めとする沼津駅周辺総合整備事業が鋭意推進をされております。このうち駅南では大手町地区第一種市街地再開発事業による工事が来年三月の完成を目指して着々と進んでおり、スーパーマーケットと総合カルチャーセンターの入居が決まるとともに、その一部である高層マンションの販売状況が好調で早期に完売となりました。
     また、駅北地区においては複合商業施設であるBiVi沼津が昨年四月にオープンをし、計画であった年間五十万人をはるかに上回る約九十万人が来場しており、集客性を高めにぎわいと活力を生み出す魅力あるまちづくりが進められております。そして今後注目されるのがBiVi沼津の東に隣接する県と沼津市の所有地であります。既に多目的展示イベント施設としてキラメッセぬまづが平成十年に実験的施設として建設をされ高い稼働率を維持しておりますが、さらに本格的な施設の早期の整備が求められております。
     このため、県と沼津市により昨年七月に地元経済人や学識経験者による沼津駅北拠点施設整備構想研究会が発足をし、約一年をかけて導入すべき機能や施設整備の方向性を検討し、先ごろ県と沼津市に構想案が提言をされたと聞いております。
     そこで、これに呼応し、県としてどのように新たな拠点施設の整備に取り組んでいくのか、今後の県の方針についてお伺いをいたします。
     次に、森の力再生事業について伺います。
     平成十八年四月に導入したもりづくり県民税を財源とした森の力再生事業は、県民に新たな負担を求めて開始をした事業であることから、県民の関心も高く事業の着実な実施が期待をされております。
     私としても、県議会平成十七年九月定例会において荒廃森林の再生に向けた新税の早期導入について我が党を代表して質問したところでありますが、その後検討が進められもりづくり県民税が実現し森林の有する森の力の回復のための新たな制度が創設されるに至ったことを大変にうれしく思っており、それと同時にこの事業の実施については大きな関心と期待を持っているところでもあります。
     また、この事業は森林と県民の共生に関する条例の基本理念に基づき、森林との共生を県民相互の合意と連携に基づいて実現する取り組みの一つでもあります。平成十八年度はほぼ計画どおりに、八百七十七ヘクタールの荒廃した森林がこの事業によって整備をされました。その際、森林の所有者である権利者と整備する森林組合などが、今後十年間適正に管理することを約束する協定を県と締結したことや、またこの事業に参画をした一部のNPOが地域住民と一体となって整備後の森林をフィールドにした森づくり活動を展開をするなど、まさに県民相互の合意と連携による新しい森づくりの仕組みが浸透しつつあることがうかがわれ、事業は順調にスタートできたものと認識をしております。
     しかし、一方では十年間で県内の一万二千ヘクタールもの荒廃森林の整備を行い森の力を再生するという壮大な計画を有する本事業は、着実性のほか、いかにこれを効果的に実行していくかが重要なポイントとなると思われます。特に、予定をしております事業期間が十年間と長期にわたることから、事業期間中どのような森林から重点的に整備を進めていくのかは事業効果の早期発現のために欠かせない視点であり、さらにもりづくり県民税を負担している県民の理解を得るためにも必要な視点であります。荒廃した森林の整備は、山間地だけでなく都市部の治水対策となるはずであります。
     そこで、こうした視点を踏まえた上で、森の力再生事業を効果的に進めるための県の方針についてお伺いをいたします。
     最後に、学校におけるクレーム対応について伺います。
     近年、学校に対する保護者らの理不尽な要求や給食費を払わないことなどが問題となっております。例えば学校に親同士の問題を持ち込み子供のクラスがえを要求する、高校生の自転車通学時の自損事故を学校の指導が悪いからだと責任を求める、担任の自宅に深夜毎晩、教え方が悪いと苦情電話をかける、子供に対する指導の仕方が悪い土下座して謝れなどとまくし立てる、何かあるとすぐにマスコミに伝えると圧力をかける、部活動で自分の子供を選手にしろ、何をか言わんやであります。
     そのような事例が本県においても少なからず発生していると聞いております。また学校周辺の住民からも、運動会の音がうるさいから運動会をやめさせろなどの理不尽な要求もあると聞いております。このような理不尽な要求など学校では解決をし切れない複雑な問題が増加することにより、教員自身が教育に専念できない状況が生まれたり、中には訴訟に発展するケースもあると伺っております。
     こうした問題を解決するための方策として、東京港区では学校での法律上の問題に対応しようと、弁護士が直接校長らに指導、助言する学校法律相談制度を創設したと聞いております。また保護者からの苦情に対する対応マニュアルを作成した教育委員会もあるようであります。私は弁護士などの法律の専門家が、学校や教育委員会にアドバイスを与えるシステムづくりが必要な時期に来ているのではないかと考えております。
     そこで、クレーム対応について学校をバックアップするためにどのように取り組んでいくのか、教育長の御所見を伺いまして、私の質問を終了といたします。
     ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(佐野康輔君) 石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事(石川嘉延君) 杉山議員にお答えをいたします。
     初めに、指定管理者制度導入の効果についてであります。
     本県ではすべての公の施設について、その管理運営方式について施設の設置目的に立ち返って管理運営状況の点検と施設の必要性を再検証した後に、どのような方式が一番ふさわしいか、これを検討して、その結果最も望ましいと思われる管理形態を選択する、そういうやり方をしてるわけであります。したがって何が何でも指定管理者というわけではなくて、施設によっては直営で、ただしその中の例えば警備業務であるとか清掃とか、あるいは電気機械の設備などの特定の業務をどこかに委託をすると。そういう方式をとったり、あるいはそれらを全部包括した管理運営そのものをゆだねる指定管理者制度にするか、方式をいろいろその施設ごとのふさわしい形態は何かということを検討した上で選択をしております。
     そこで、指定管理者制度を導入した施設の成果いかんということでありますけども、例えば富士山こどもの国とかグランシップなどでは利用者の視点に立ったイベントやサービスの提供が、直営でやっておったときよりもあるいは他の形態でやっておったときよりもよりよいサービスが行われるようになった結果と思われますが、年間の利用者数が対前年比増加するのに加えて運営経費といいますか、管理経費ですね、これも指定管理者制度を導入した全施設で合計四億七千四百万円節約ができている、削減が実現したと、こういう成果も上がっております。
     今後は、さらに利用者満足度の高い施設運営を確保するためには、事業報告や実地調査など設置者としての権限を適切に行使しながら管理運営の状況を客観的に評価をし、その結果を反映する仕組みの導入が重要だと考えます。そのため現在県営都市公園等で導入している外部評価制度を初め、すべての施設においてそれぞれの特質に合った方法による評価の仕組みづくり、これを実現をいたしまして質の高い管理運営を確保したいと、こう考えております。
     次に、沼津駅北地区における拠点施設整備構想についてであります。
     去る八月一日に沼津駅北拠点施設整備構想研究会から提言をいただきましたが、この中では、魅力あふれる東部地域のまちづくりを進めるためには人・物・情報が行き交う交流機能の充実が求められており、その機能を受け持つ中核的な施設としてコンベンション施設と展示イベント施設を沼津駅北地区に整備することが必要であるとしております。一方、県の総合計画におきましては、東部地域の将来像として百万都市圏にふさわしい高次な都市機能や健康関連産業などの新産業が集積する魅力あふれる地域づくりを目標としております。特に高次都市機能の集積に関してはコンベンションによる都市のにぎわいや魅力創出を図ることが求められております。
     県といたしましては、沼津市などと連携してこの提言の内容を早期に事業化したいと考えております。このため庁内に関係部局による東部コンベンション施設整備推進委員会を設置をして、施設の適正な規模や民間活力導入方法、効率的な管理運営などの課題について、具体的な検討を進めております。年度内に県としての事業の基本的な方針を取りまとめた基本構想を公表する予定であります。
     この沼津の駅の北側は東部地域の中でも比較的再開発といいましょうか、拠点開発をするにふさわしい土地が確保されておるわけでありますので、加えて沼津駅の高架化も進行してまいりますから、そういう点でここの地区に研究会の提言にあるようなコンベンション施設とか展示イベント施設を集中的に整備し、東部地域全体へその波及効果を期待するということが適切ではないかというふうに思っているわけであります。既にそういうこともあるいは期待されておるのかもしれませんが、沼津のすぐ駅の南側の地区での住宅開発、特にマンションは杉山議員のお話のように大変好評を博しておるわけでありますし、今後沼津駅の高架化の実現に伴ってJR東海のダイヤの高密度化、こういうことも期待をできるわけであります。  
     一方で、そのためにまたそれを後押しするようなさまざまな機能の集積、これは官だけの力ではなくて民間の進出を促すような政策も展開する必要があると思いますけども、それら両々相まってまいりますと、ますます相乗効果が出てきて好循環が始まると思います。一方でファルマバレープロジェクトであるとか、あるいは折からの日本経済の回復基調の中で民間の設備投資も非常に盛んになりつつあって、東部地域などでは民間のさまざまな設備投資が次々に実現をしてきている。
     そういう動向の中で、特に東部地域におきましては東京に近接しているということもあって、かなり研究開発機能その他高度な機能がここに展開を見られておるわけであります。それらを考えますと、この東部地域には今のような状態でもし推移するならばせっかく兆してきたさまざまな高度な機能の一層の集積、これはむしろ途中でとんざするんじゃないかというふうに思うわけであります。それもありますので、静岡市を中心としたこの中部地域とか、浜松を中心とした西部地域に引けをとらないような都市機能の整備が急がれると思うんです。
     実は、先ごろと言っても今年の四月ですかね、がんセンターのすぐ裏側と言いましょうか、北側にオリンパスの新しい工場ができました。このことによって――オリンパスが立地することによって、実は静岡県立がんセンターが世界的に注目度を集めるようになったと。これはがんセンターの関係者が一致して言ってるわけです。がんセンターの方がもっと先行してもっと有名になっているんじゃないかと私は思いたかったんですけれども、実はオリンパスは医療機器の内視鏡の分野では世界的なメーカーで高度医療関係者にはだれ知らぬものもないくらいの存在だと。みんなに知られた存在であるぐらい有名らしい。そのオリンパスがわざわざがんセンターの隣に立地をしたということで、それはそのがんセンターというものはなかなかのものじゃないかと、そういう評価をもらったということらしいんですね。
     そこで、じゃそのオリンパスというのはどういうことになっているかというと、もちろんあそこで最先端の医療機器の整備をするわけでありますけども、あわせて世界じゅうのオリンパスのユーザーですね、購入者に医療機器の使い方とか、あるいは保守管理についての研修をそこに世界じゅうから関係者を集めて一カ月とか、まあ一定の期間ですね、そこで訓練を施す、こういうこともやっておるわけですね。
     そうすると、当然そういう人たちは何も休日あるいは勤務明けに何もないと思われるようでは困るわけであって、もちろん富士山その他自然の条件はもう十二分に整っておるわけでありますけども、その他の都市的あるいは文化的ないろいろ何か願望を満たそうと思ったって、東京まで行かないとそれが実現しないということになれば、これは今後にとって非常に問題があると多くの関係者が感じつつあるわけであります。それだけに何かしなきゃいかんと思っておるやさきに、たまたま沼津の駅の高架化、これを基点にして地域がそういういろんな機能を高度化させる上での空間があるということ。
     加えて、昨今コンパクトシティーという言葉が大変大きな話題になっております。実は静岡市などは――私はコンパクトシティーなんて今さらあちらこちら事例が挙がりますが、例えば青森の中心市街地がコンパクトシティー化して成功したと言われますけども――実はここは意図したかどうかについて現状結果を見ますと非常にコンパクトシティーになっているわけですね。それが呉服町や伝馬町の商店街の機能が衰退しないで非常ににぎわいをもたらしてる。浜松も従来は何となく非常にすかすかの感じの中心市街地だったんですけども、最近東街区の整備に伴ってコンパクトシティー化の様相を示すようになってきております。加えてそういうことも追い風になったんでしょう、従来の中心市街地にマンションその他の住宅機能も随分配置されるようになってきましたから、静岡市と比べるとちょっと規模が大きい形でコンパクトな中心市街地が形成される傾向にあります。
     そのことによって中心市街地がまたよみがえってくる可能性が出てきたわけですね。東部地域も、どこも一定規模の都市はそういうことを目指していかなきゃいけないと思いますし、その兆候も少しずつ見えるわけでありますが、特に沼津の場合は、私はさらにもっと広域的な中心機能を果たし得ると期待しているところでありますので、関係者といろいろ力を合わせながら取り組んでいきたい、こう考えております。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長(佐野康輔君) 岩ア空港部長。   
            (空港部長 岩ア俊一君登壇)
    ○空港部長(岩ア俊一君) 富士山静岡空港の設置管理に関する条例についてお答えいたします。
     空港の設置管理に関する条例につきましては、この条例に基づく業務実施要領等の作成や実働訓練、利用者に対する周知期間等を考慮して、現在制定準備を進めているところであります。
     条例で定める基本的事項のうち、まず運用時間につきましては地元との騒音協定によれば午前七時三十分から午後八時三十分までの範囲の中で設定することとしておりますが、航空会社の運航ダイヤについての意向や第三種空港の開港時における運用時間の基本が十一・五時間とされていることなどを踏まえつつ、今後国と協議しながら具体的な時間を設定してまいりたいと考えております。
     また、空港使用料の根幹をなす着陸料につきましては、空港基本施設等の管理運営費の主要な財源である一方で、その軽減及び減免がより多くの路線・便数を確保する上で有効な手段となり得ることを踏まえ、航空会社の要望等も勘案しながら検討を進めているところであります。
     このほか、航空機の安全運航に関する規定や立入制限区域の設定、空港内における禁止行為などについて、関係法令や他空港の条例を参考に整理するとともに、民間主導による一体的な管理運営を可能とする指定管理者制度に関する規定も盛り込んだ上で、平成二十年二月県議会にお諮りできるよう準備を進めてまいります。
    ○議長(佐野康輔君) 杉山産業部長。
            (産業部長 杉山栄一君登壇)
    ○産業部長(杉山栄一君) 二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会についてお答えいたします。
     本大会は障害のある方の職業的自立やユニバーサル社会の実現を促進する上で大変意義深いものであり、県といたしましては大会開催に向け、これまでのノウハウを生かしハード、ソフトの両面にわたりユニバーサルデザインの具体化に取り組んでいるところであります。
     具体的には、ユニバーサルデザイン化に取り組む宿泊施設への支援を初め、低床バスによる国際アビリンピック会場へのシャトルバスの運行、授産施設による喫茶サービスの提供、ユニバーサルデザイン対応のガイドブックの作成などきめ細かな取り組みにより、だれもが安心して大会に参加、見学していただけるよう環境を整備してまいります。あわせてこうした取り組みの成果を本大会のみならず今後の本県のユニバーサル社会づくりに生かしてまいりたいと考えております。
     また、国内外から本県を訪れる多くの方々を温かくお迎えし快適に過ごしていただけるよう、会場内外で本県の特産品や地域伝統芸能を披露するほか、歓迎花壇やシャトルバス発着駅での案内ブースの設置、技能五輪国際大会選手村での歓迎イベントの開催、沼津市や静岡市の小中学校等の児童生徒による各国応援などを行うこととしております。
     大会開催まで五十日を切りましたが、県民総参加の大会を目指し、引き続き日本組織委員会や沼津市、静岡市などと連携を図りながら大会準備に万全を期してまいります。
    ○議長(佐野康輔君) 小野寺がんセンター局長。
            (がんセンター局長 小野寺恭敬君登壇)
    ○がんセンター局長(小野寺恭敬君) がん患者、家族の心のケアについてお答えいたします。
     静岡がんセンターでは開院以来、全人的医療を追求する観点から心のケアについてもさまざまな取り組みを行っております。
     まず、よろず相談では、がん告知後のショックや病気に対する不安や心配を乗り越えることができるよう専門職員を配置し、精神上の問題を初めさまざまな相談を受けるほか、心のケアの重要性を理解していただくための勉強会などを開催をしております。また専門外来として精神腫瘍科を設置し、専門医と臨床心理士によりがん治療に取り組むために必要なカウンセリングや精神療法、グループでの集団精神療法なども行っております。さらにチャイルド・ライフ・スペシャリストという全国にも数少ない専門職員により、小児がん患者の不安や恐怖などを和らげたり末期がん患者の親を持つ子供の心の痛みを受けとめるなど、子供たちの心のケアにも取り組んでおります。
     今後は、研究所でも患者や家族の心の安定を図るための介入手法の開発等の研究の推進に取り組むこととしておりますが、心のケアは一部の専門職員のみではなくがんセンターの職員一人一人がそれぞれの役割を遂行しながら実践することが大切でありますので、心のケアの基本となる患者さんとのコミュニケーション能力向上のための職員研修を行うなど、がん患者、家族の心のケアの一層の充実に取り組んでまいります。
    ○議長(佐野康輔君) 衛門建設部長。
    (建設部長 衛門久明君登壇)
    ○建設部長(衛門久明君) 森の力再生事業についてお答えいたします。
     この事業は、権利者による整備が困難で土砂災害防止や水源涵養などの公益的機能の発揮が求められる森林を対象としておりますが、県民の協力によるもりづくり県民税を財源としていることから、県民生活に直接影響を及ぼすおそれの強い森林の整備を優先的に進めることとしております。
     具体的には、平成十六年の台風二十二号などによる伊豆半島地域を初めとする風倒木被害を受けた森林を早期に復旧整備して、流木などによる二次災害の未然防止に努めます。さらに学校や人家に近接し土砂流出のおそれがある急峻な森林や、都市部上流の水源として重要な緑のダムとしての森林を重点的に整備してまいります。また県民の皆様がその事業効果を実感できるよう、整備地における森づくり県民大作戦や地域のオピニオンリーダーへのモデル林見学会を開催したり、県民だよりや市や町の広報紙への掲載など、あらゆる機会を通じて事業の実施状況を情報発信してまいります。
     今後とも、森林の権利者や整備者と連携し、県民の期待にこたえられる健全な森づくりに努めてまいります。
    ○議長(佐野康輔君) 遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長(遠藤亮平君) 学校におけるクレーム対応についてお答えいたします。
     本県におきましても、最近学校に対する保護者からの理不尽な苦情や要求等がふえ、学校がその対応に苦慮しており、特に小中学校ではその件数が予想以上に多く問題が深刻化していると認識しております。このような問題への対応は危機管理の一環として、まずは管理職が対応すべきものであり、問題がこじれた場合に支援するのが教育委員会の役割でありますが、一部の市や町にあっては十分に対応し切れていない状況もあると聞いています。
     県教育委員会といたしましては、県立学校はもとより小中学校及び市や町の教育委員会を支援する施策として、この十月から県教育委員会に初めて顧問弁護士を置くとともに本庁及び各教育事務所に相談員を試行的に配置し対応することといたしました。安易にそれらに依存することは教師の教育力の低下につながりますので避けなければなりませんが、学校が本来の教育活動に専念し充実した教育ができるよう、必要な場合は迅速かつ適切な助言を行うことによって、学校及び市や町の教育委員会を支援してまいりたいと考えております。
    ○議長(佐野康輔君) 五十一番 杉山盛雄君。
            (五十一番 杉山盛雄君登壇)
    ○五十一番(杉山盛雄君) 県議会で質問して初めて再質問をさせていただきますが、再質問というより、これは提言であります。
     私の好きな方の中に勝海舟という方がおりまして、この方が言った言葉が「行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張」という言葉があります。たまさかこの自由民主党の総裁になりました福田総裁が好きな言葉であったわけでありますが、私も昔からこの言葉が大好きでありまして、この言葉の意味というのは、行動の責任は自分にあり、それを褒めたりまたけなしたりするのは他人の自由であるということでありますが、やはり教育長におかれましては各教育委員会並びにまた各学校の先生に対しまして、やはり自分の行動に対してもっとその主張、また他人の批判やらを恐れずにやっていただきたいということを最後に要望いたしまして質問を終わります。
    ○議長(佐野康輔君) これで杉山盛雄君の質問は終わりました。

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