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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

杉山 盛雄 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/07/2016

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 沼津駅周辺総合整備事業について                 
2 県道二二三号清水港土肥線の利活用について            
3 県道沼津土肥線の整備と観光活用について             
4 県立静岡がんセンターの医療について               
 (1) 患者・家族の支援体制                     
 (2) 遺伝子解析によるがん医療                   
5 沼津市西浦地域の樹園地整備について               
6 我が国の領土に関する教育について


○副議長(藪田宏行君) これで平賀高成君の質問は終わりました。
 次に、五十三番 杉山盛雄君。
       (五十三番 杉山盛雄君登壇 拍手)
○五十三番(杉山盛雄君) 質問に入る前に、我が会派の代表質問でも和田議員からお悔やみを申し上げましたが、改めまして去る十一月二十六日に永眠をされました大石哲司前県議会議員のみたまに対し心より哀悼の意を表し、御冥福をお祈りいたします。
 大石先生は私の同期でありますが、以前に榛原町長を四期歴任され、その際静岡空港に対する誘致建設活動に寝食を忘れ邁進をされ、今の空港があるのも大石先生のおかげと言っても過言ではありません。私どももその意志を継ぎ、しっかりと県政運営に頑張っていくことをお誓いを申し上げたいと思います。
 それでは質問に入ります。
 私は自民改革会議所属議員として県政の諸課題について通告に基づき、知事、副知事、関係部局長、がんセンター局長及び教育長に一括質問方式で質問をいたします。
 初めに、沼津駅周辺総合整備事業について伺います。
 本事業は、沼津市の未来に向けたまちづくりを支援をするだけでなく、県東部地域の拠点としてふさわしいまちづくりに大きく貢献をするものであります。知事の就任以前から事業の賛否が市長選や県議選で争点となり、そのたびに推進派の候補が当選をし、事業に対して住民からは熱い期待が寄せられてきました。また事業推進の鍵を握る新貨物ターミナルについては最初に土地を提供していただいてから既に十五年以上が経過をし用地取得も面積ベースで七七・六%まで進み、地元自治会では整備を前提として組織を立ち上げ環境対策や周辺道路の整備などを市に要望してまいりました。
 このような中、新貨物ターミナルの用地取得については、沼津市が平成二十九年度末までに完了させるとの目標を掲げ県も連携して全力で進めてきたと認識をしておりますが、一部地権者の強硬な反対などから思うようには進んでおりません。万が一事業がとまることになれば、事業推進を期待する多くの市民やこれまでに新車両基地を含む土地を御提供いただいた地権者の皆様などの期待を大きく裏切ることになります。この気持ちを考えるとこれ以上の遅延は許されず、着実に事業を進めるべきであると考えます。
 十月に行われました沼津市長選では、事業の推進に慎重な姿勢を示す大沼氏が当選をしたことから今後地権者も慎重になることが懸念され、目標の達成に影響が出かねません。新市長は市議会の所信表明の中で、本事業に関して各分野の専門家の方々による検証チームを立ち上げるとともに市民と議論を進め市民が納得する形で事業について結論を出していくと発言し、現時点では事業に賛成でも反対でもないニュートラルな立場をとっております。知事は本事業に関して本年六月の県議会定例会で不退転の決意を持って取り組むと表明いたしましたが、これまでの経緯を踏まえますと今こそ知事に強いリーダーシップを発揮していただき、慎重な姿勢を示している市を牽引をしていただきたいと考えます。
 そこで、市長の所信表明を受けて、知事の考えを改めて伺います。
 次に、県道二百二十三号清水港土肥線の利活用について伺います。
 県民や皆様は県道二百二十三号と聞いてどのぐらいの方が理解をできていますか。平成二十五年四月十二日に駿河湾フェリー清水―土肥航路が県道二百二十三号清水港土肥線として認定をされたわけであります。当時は海の道として認定されたことや富士山にちなんだ路線番号として語呂合わせで話題は先行したものの、果たして多くの皆さんにこの県道の存在が浸透したかは大いに疑問であります。というのは駿河湾フェリーの年度別年間輸送人員は富士山が世界遺産に登録された平成二十五年度には二十四万人でありましたが、平成二十六年度二十万七千人、平成二十七年度は十八万八千人と減少傾向に歯どめがかからない状況にあります。この語呂合わせによる県道認定は単なる打ち上げ花火でしかなかったと評価せざるを得ません。
 これまで知事は、新幹線空港新駅の実現やサミット誘致などさまざまな発言をし、県民の期待は大変に大きいものでありますが残念ながら実現できていない施策も多いのが現状であります。知事は先日中部横断自動車道の完成時期延期に際し、新聞で日本の内陸と沿岸の静岡県を結ぶ重要な道路で先延ばしにしてはいけない、工期を当てにしてみんなが動いている、釈然としないところがあると発言をしておりますが、これはそのまま県民に期待を持たせるだけの知事の県政に当てはまるものではないでしょうか。知事の発言は大変に重いのです。成果が見えなくては県民は納得をしません。県政をつかさどる一期目であるならばともかく二期八年目となった今、発言に対し確実に実行する計画なり算段を示すべきと考えます。
 県道二百二十三号の起点となる清水港が、これまでのコンテナ貨物など物流の拠点としての役割に加え海外のクルーズ船の寄港回数が増加し海からの新たな静岡への玄関口になってきており、終点である土肥は伊豆西海岸最大の温泉地であり観光地伊豆の玄関口の一つでもあります。
 そして、この二点を結ぶ駿河湾は先日世界で最も美しい湾クラブへの加盟が認められ注目を集めています。また二〇二〇年には路線の終点である伊豆市において東京オリンピック・パラリンピックの自転車競技が開催をされ多くの観客等が伊豆を訪れることが予想され、県道二百二十三号の活用を促す絶好の機会が到来するということになります。
 今後は、観光資源に満ちあふれたこの路線を磨き上げ、駿河湾を横断するショートクルーズとして魅力を高めていく必要があると考えておりますが、県の所見を伺います。
 次に、県道沼津土肥線の整備と観光活用について伺います。
 静岡県は県内にさまざまな観光資源を有する観光立県であります。地域おこしイベント、全国ふるさと甲子園が民間団体により本年八月に開催をされ、人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台となりました沼津市が行きたい町ランキングでグランプリに輝きました。放送が開始されたこの夏以降、主人公が住む内浦地区を中心とする劇中に登場した市内各地を聖地巡礼として全国から訪れるファンが急増いたしました。
 このように明るい話題が多くある一方で、県道沼津土肥線を初めとして伊豆半島の道路にはまだまだ線形が悪く幅員が狭い箇所が多くあります。これまで拡幅やトンネルの整備などの案が浮いては消え大型観光バスが円滑にすれ違えない現状であり、観光ルートとして重要であるこの道路がこのような状態では観光立県とは言えません。私の持論は、静岡県の経済の発展は伊豆の観光なくしてなしであります。この地域から望む富士山は他のどの地域よりも美しいと思っております。観光を推し進める上で道路整備は欠かせないものであり、最大の観光資源である富士山をより活用した整備を考えるべきであります。
 そこで提案ですが、地形に対する課題などを解決するため海側に何本かの橋梁を整備をし、それに合わせて中ほどには半円形状の駐車スペースを幾つか整備し、富士山だけでなく駿河湾に沈む夕日など国内屈指の眺望を楽しむことができるビューポイントをつくり、例えば恋人たちがここで愛を語ればとわに結ばれるというパワースポットに認定すればさらなる観光の魅力の向上につながると考えます。
 そこで、こうした形での当該路線の整備について、県の所見を伺います。
 次に、県立静岡がんセンターの医療についてのうち、患者・家族の支援体制について伺います。
 がんは日本人の死因の第一位となって久しく、日本人の二人に一人が一生の間にかかると言われており、我々にとって身近な病気となっております。がん医療は新たな抗がん剤の開発やダビンチといった手術支援ロボットの登場など日々進歩していますが不治の病といった概念は根強く残っており、告知をされた患者の中には死への不安を抱いてしまう方も多いと思います。また病気に対してだけでなく治療に対しても悩みや負担が発生をいたします。手術により切除できた場合にも身体機能が低下するなどの症状が残る場合がありますし、抗がん剤による吐き気などの副作用により治療が継続できなくなる場合もあります。
 がんを治すとは、手術や抗がん剤治療だけでは不十分ではないでしょうか。開院時より基本理念を患者の視点の重視と定め、よろず相談などの取り組みにより患者・家族の悩みや負担の軽減に努めていることは承知はしております。さらに新たな取り組みとして昨年四月に患者家族支援センターを、ことし八月には支持療法センターの運営を開始し先進的な取り組みを続け、全国の病院のモデルとなっていると聞いておりますが、これらの支援体制をどのように充実をさせようとしているのか伺います。
 次に、遺伝子解析によるがん医療について伺います。
 先月二十日にNHKスペシャル「がん治療革命が始まった〜プレシジョン・メディシンの衝撃〜」が放送をされました。番組では国立がん研究センター東病院が中心となって、スクラム・ジャパンというプレシジョン・メディシンのプロジェクトが始動していることが紹介をされました。これはがん細胞の遺伝子を解析し、速やかに適切な薬を投与することで効果が高い治療を行おうとするものです。まさしくがん医療に革命を与えるものと思います。
 静岡がんセンターでは、臨床研究プロジェクトHOPEを進めていると聞いておりますが、遺伝子解析によるがん医療に向けた考え方を伺います。
 次に、沼津市西浦地域の樹園地整備について伺います。
 全国一位の農業産出額を誇る本県の農産物の一つにミカンが挙げられます。ミカン王国静岡の代表であります三ケ日ミカン、清水のミカンとともに私の地元の沼津市西浦でも西浦ミカンが栽培をされております。
 去る十月二十一日にこの地域の特産の高級ミカン「寿太郎」を発見した山田寿太郎氏がお亡くなりになりました。改良を重ねた品種である「寿太郎」を地域全体に広げ農家の皆さんからひとえに寿太郎さんのおかげとたたえられております。改めて御功績に敬意を表しますとともに、御冥福をお祈りいたします。
 この「寿太郎」ミカンを核として地域に勢いが出てきたことで若者が戻ってくるようになり青壮年部にも活気が生まれ、近年では和歌山県原産の「ゆら早生」や宮崎県原産の「日南一号」などの極わせ品種の導入にも挑戦し消費者から原産地よりもおいしいと好評を得ております。
 こうしたミカン産地の発展の背景には、三ヶ日や清水地域の生産現場を見ますと樹園地の基盤整備が重要な役割を果たしてきました。西浦地域はようやく平成二十三年度から農道整備等に着手したところであり、厳しい産地間競争を勝ち抜くため今後も必要な基盤整備をスピード感を持って行っていかなければなりません。
 しかしながら、国の農業農村整備関係予算は前民主党政権時に七割程度削減をされ、自民党政権に戻った後回復をしつつはありますが依然として今年度予算は平成二十一年度に比べ一千億程度少ない状況にあります。我が県に必要な予算を確保していくため、我々自由民主党県議はさまざまな機会を通じて国に対して要望活動を行っております。先日もミカン産地の自民党県議会議員で組織する全国ミカン生産県議会議員対策協議会が、内閣総理大臣を初めとして関係各大臣に対して熱心な要望活動を実施をいたしました。この活動には全国の会長である我が会派の鈴木利幸議員を中心に四名の県議が本県を代表して参加をしたところであります。知事もみずから陳情は行わないなどと言わず、予算獲得に向け国に対して働きかけを行っていく必要があることを一言指摘をしておきたいと思います。
 そこで、西浦地域において農業を中心として地域全体がさらに活性化していくことが重要だと考えますが、県は今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、我が国の領土に関する教育について伺います。
 北方領土を初めとして、竹島、尖閣諸島等、我が国は近隣諸国との間に領土問題を抱えております。本年五月の日露首脳会談において北方領土問題の解決に向けて未来志向の考えに立って交渉を行うという一定の進展が見られ、さらに今月十五日には安倍首相の地元である山口でプーチン大統領と安倍首相の会談が予定されていることなどから領土問題に対する国民の関心が再び高まってきております。しかし小中学校の教科書や副読本を見ても領土問題の取り扱いは非常に少ないと感じます。
 例えば、県内で最も多く使用されている教科書会社の中学校の社会科地理において領土問題に言及している部分はわずか二ページです。これでは地図上での位置は何となくわかっていても、地形的特徴やどのような資源がとれるのか、その地で日本人がどのような歴史をつくってきたか等につきましては深くは学ぶことはできません。下田や戸田を舞台としたロシア船「ディアナ号」の歴史なども詳しくはあすの植田徹議員の質問でも取り上げられるようでありますが、国と国との交流を理解する上で学ぶ必要があります。
 北方領土や竹島が我が国固有の領土であるにもかかわらず、現在ロシア、韓国によって不法に占拠されていること、ロシアに対し返還を求め、韓国に対しても継続的に抗議を行っていること、尖閣諸島は我が国がこれを有効に支配して領有権の問題は存在しないこと、こうした我が国の置かれた状況、立場をどれほどの子供たちが正しく理解しているか、またこれらの地域にどれほどの関心を寄せているかは疑問であります。
 一方、領土問題の相手国の国民は、幼稚園のころから該当する地域の領有権を主張する歌を歌い、小中高では自国から見た認識に基づく歴史を徹底的に学んでおります。このため歴史的に見ても我が国の領土である地域がさも自国の領土であると信じて疑わない現状であります。こうした状況を鑑みますと、残念ながら我が国と相手国においては領土に関する教育において大きな開きがあると感じざるを得ません。
 私ども自民改革会議において北方領土を考える議員連盟を発足し、不肖私が会長となりました。そして北海道庁を初め羅臼町、根室、各種社団法人や語り部等を調査し歴史を学んでまいりました。しかしながら北海道内の方々にも温度差があり、まして本土の地方議会には全国議長会以外はほとんどの県や市において議連や特別委員会などがなく、小さな一歩でありますが我が会派にこの議連をつくったわけであります。これからの未来を担う子供たちが領土問題における我が国の立場を理解することは重要なことであり、義務教育段階から我が国の領土や主権について正しく教育する必要があると私は常々考えております。そしてそのことが日本を愛する心を養うことだと考え、今後議連の活動にも力を注いでまいりたいと思います。
 そこで、本県においては我が国の領土や主権に関する教育はどのように行われているか、またこうした現在の状況を踏まえ今後の教育のあり方をどう考えるのか教育長に伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(藪田宏行君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 杉山議員にお答えいたします。
 沼津駅周辺総合整備事業についてであります。
 この事業は、県東部地域の拠点である沼津にふさわしいまちづくりを推進する上で極めて重要な事業であると認識しております。私、また県の姿勢は明快であり、推進する方向に何ら変更はありません。
 私が就任した七年前は、事業が全く動かないいわゆるデッドロックの状態でした。この問題で沼津市民が反目をする、二分するということがあってはならないと思い、その状態を打開するために反対、賛成の両方の立場の方々に白隠禅師ゆかりの松蔭寺にお集まりいただき初めて両者が公開の場で平等に議論を交わす機会を設けました。
 その後、有識者会議により事業の妥当性を検証し、また新しい行政手法であるPI手法も導入いたしました。またPI以後は私みずからが現場に幾度も赴き、反対派の方々と意見を交わしました。この事業の鍵を握るのは新貨物ターミナルの移転です。この件につきまして反対派の方々と意見を交わしながら、待避線のみなら受け入れるとの御提案をいただいたわけです。
 そこで私はみずからJR貨物の会長また社長に個別にお会いし、そして新貨物ターミナルを実質待避線として整備するという御理解を得たわけです。したがってもう反対の理由はないはずです。そのことを御理解いただいた地権者の中には新貨物ターミナルについては昨年二月の用地交渉再開以後これまでに十件の権利者と買収契約を結ぶことができました。しかしながらまだ頑固に反対されている方があると、誤解があると思っておりまして、私は原町とともに沼津の駅周辺の市街地の両方の活性化に役に立つと、そのためには貨物駅を現行のところから原町に移すと。また原町におきましては仮称ですけれども桃源郷づくりというのも提案されておりまして、こうしたことをもう一度地権者の方々に御説明を申し上げ、誤解を解きたいというふうに思っております。
 さて、大沼新市長が誕生いたしましてこれまで二回お目にかかっておりますけれども、先月またその前にお会いした時にもできる限り早く現場にお入りいただきまして現場をよく知っていただきたい、もちろん地元の皆様の御意見も伺っていただいて事業のとまることのないよう方向性をしっかり決める覚悟を早く定めていただきたいとお願いしたところであります。
 また、市長が表明されている事業の検証を行う際には、既に県が実施してまいりました有識者会議、PIにおける議論、共通認識などがありますのでこれまでの経緯をなるべく早く勉強していただいてスピード感を持ってこの結論に達していただきたいと、方針を定めていただきたいと願っております。
 私は、一つには原町は白隠禅師ゆかりのところでございますのであそこは美しい農芸都市になるだろうと、その計画を持っております。一方市街地のところは貨物駅があきますと、このたびアスルクラロがJ3に昇格いたしましたので今の愛鷹のスタジアムでは不十分ですからそれにふさわしいスタジアムが必要です。そのスタジアムとして活用できるという案を持っております。なるべく早くこうした案につきましても前市長と同様現新市長さんにつきましても御説明申し上げて、これが沼津市全体のためになるんだというそういう共通理解のもとにこの事業を不退転の決意を持って一緒に推進してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(藪田宏行君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 県道沼津土肥線の整備と観光活用についてお答えをいたします。
 沼津土肥線は、地域の生活を支える幹線道路であるとともに、全線にわたり駿河湾や富士山の美しい眺めを楽しむことができる重要な観光道路でもあります。このため線形改良や道路拡幅など積極的な道路整備を実施してきた結果、全体延長四十五キロメートルの八割に当たる三十六キロメートルの区間が五・五メートル以上の幅員となり、観光バスなど大型車が通行できるようになりました。残る九キロメートルにつきましては地元の方々と策定した整備方針に基づき、線形が悪く幅員が狭い箇所などを優先して現在六カ所、〇・八キロメートルの区間で整備を行っているところであります。
 議員御提案の眺望スペースを備えた橋梁形式による道路整備につきましては、当地の線形を考慮した斬新な御提案ではありますが、多大な事業費を要することや国立公園内の制約があるなどの課題があります。このため投資効果の早期発現の観点から残っている優先的に整備すべき箇所の改良を進めるとともに、沼津土肥線が駿河湾越しに富士山を眺望できる、より魅力的な観光道路となるよう既存のビューポイントの有効活用に加え残地を利用した新たなビューポイントの整備をまずは検討してまいります。
 県といたしましては、今後東京オリンピック・パラリンピック等を契機といたしまして増加する国内外からの来訪者が安全・快適に世界レベルの雄大な景観を楽しんでいただくため、引き続き計画的に道路整備を進め美しい伊豆の魅力向上に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 県道二百二十三号清水港土肥線の利活用についてお答えいたします。
 県道二百二十三号は、清水港から土肥港を結ぶ海上の道として誕生し、四季折々の美しい富士山の姿を船上から楽しむことができるなど、議員御指摘のとおり観光資源に満ちあふれている路線と認識しております。本年十一月には駿河湾の世界で最も美しい湾クラブへの加盟が決定し、そのすぐれた自然景観などの魅力が世界に認められたことで駿河湾を横断する県道二百二十三号の価値は一層高まったと考えております。
 県や関係市町、交通事業者など多様な主体が参画する環駿河湾観光交流活性化協議会では、県道二百二十三号の利活用を促進するため、今年度は観光客を受け入れる西伊豆地域の観光施設や宿泊施設の職員を対象としたフェリー乗船体験会の実施やテレビCMの放映、桜の見どころ等観光マップの作成などに取り組んでおります。また県道二百二十三号を利用する観光客の利便性を図るため、県内の交通事業者の連携により駿河湾フェリーとJR、バス等を組み合わせたフリー切符を造成、販売しております。さらに県のしずおかツーリズムコーディネーターが首都圏等で開催される観光商談会等においてこの地域の持つ魅力をPRするとともに、駿河湾フェリーを組み込んだ周遊コースを旅行会社に提案し商品造成を働きかけているところであります。
 今後は、教育旅行向けにフェリーのブリッジ見学やロープワークなど船上での体験プログラムの提供等を検討するとともに、増加する訪日外国人観光客にも本県の魅力を満喫していただけるよう県道二百二十三号を活用した周遊コースを中国、台湾、韓国等海外の旅行会社に積極的に提案していくことなどにより、一層の交流人口拡大に努めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 石野がんセンター局長。
       (がんセンター局長 石野眞澄君登壇)
○がんセンター局長(石野眞澄君) 県立静岡がんセンターの医療についてのうち、患者・家族の支援体制についてお答えいたします。
 静岡がんセンターでは、開院以来先端的ながん治療の実践とともに、患者・家族支援を二大テーマの一つとして診療に当たってまいりました。こうした活動が認められ、平成二十四年には朝日がん大賞をいただきました。
 本年九月から新たな患者・家族支援体制が活動を始めております。これはがん患者の悩みや負担を診療の悩み、身体の苦痛、心の苦悩、暮らしの負担の四本柱に明確化し、今支援を求めている患者・家族へ対応はもちろんのこと将来支援が必要になるであろうひとり暮らし老人や老々介護、就労支援、再発転移症例などについて患者・家族を初診段階でスクリーニングして職員の間で情報共有し、必要となったときに支援を実施するというシステムであります。これによって多くのがん患者が抱える悩みや負担について予防し、早期発見して対応することができるものと考えております。これまで、初診患者の中に客観的に見て将来支援の必要となる患者が五割いることが明らかになっております。
 これとあわせて、悩みや負担の対応に当たる部署の整備も進めております。診療の悩みに対応する患者家族支援センター、身体の苦痛に対応する化学療法センター、支持療法センター、リハビリ部門、心の苦悩に対応する患者家族支援センター、緩和ケアセンター、暮らしの負担に対応するよろず相談などを整えたことにより、患者さんへのおもてなしの心を具現化させた他に例を見ない充実した患者・家族の支援体制となったと考えております。
 今後は、実態を把握した上で県内の拠点病院が実践できるようなシステムを確立し、がん診療連携拠点病院協議会などを通じてその普及に努め、県内がん患者の悩みや負担軽減を図ってまいりたいと考えております。
 次に、遺伝子解析によるがん医療についてであります。
 がんは、喫煙、飲酒などのさまざまな要因により細胞の遺伝子が変異することに引き起こされますが、一くくりに肺がんや大腸がんなどと言っても原因となる遺伝子変異の種類によって症状や抗がん剤の効きぐあいも変わってまいります。
 番組で紹介されたスクラム・ジャパンの取り組みは、患者のがん細胞の遺伝子変異を調べその変異ががんの原因として既に知られている二百から三百種の遺伝子変異と照合し、一致する変異があればその変異に効果のある抗がん剤等を投与するというものでございます。肺がんの場合有効な抗がん剤がある割合は八分の一と紹介されておりました。
 静岡がんセンターでは、平成二十六年から進めております臨床研究プロジェクトHOPE、この中ではがん患者さんから手術で切除したがん組織を提供していただき既に知られているがんの原因となる遺伝子変異のみならず二万にも及ぶ全ての遺伝子を解析しております。この結果から新しい事実を導き出し、新たな治療薬、検査薬の開発、遺伝性がんの予防や発症の予測、薬の副作用が出やすい体質であるかの判定などさまざまな分野に活用を広げることが可能であると考えております。
 静岡がんセンターでは、今後もプロジェクトHOPEを初め研究活動を推進し、がん医療の推進に寄与してまいります。またファルマバレーセンターと協働して、医療城下町として将来的な新薬の開発などその研究成果を発信していきたいと考えております。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 村松交通基盤部長。
       (交通基盤部長 村松 篤君登壇)
○交通基盤部長(村松 篤君) 沼津市西浦地域の樹園地整備についてお答えいたします。
 農業の国際化の進展や担い手を中心とする生産構造の変化の中で「寿太郎」に代表されるミカンの産地である沼津市西浦地域をさらに発展させるためには、農地の集積による規模拡大や生産コストの縮減等を可能とする基盤整備、景観や特産品等の本地域の資源を生かした農村の地域力を高める取り組みを推進することが重要であると考えております。
 このため、本地域の樹園地を結ぶ農道が狭小で収穫や運搬作業等に支障を来していることから、県では農道の拡幅を主体とした整備を行うこととし、内浦から西浦地域を幹線農道十六キロメートルで連続させるとともに支線農道や畑地かんがい施設の整備、工事残土を活用した園地の平たん化による生産性の向上に努めております。
 さらに、産地の強化や地域の活性化を図るため、駿河湾や富士山を望む四季折々の景観を活用したイベントや援農ボランティアの受け入れなどによる都市農村交流、ミカンの規格外品を有効利用した加工品開発などの取り組みを支援するほか、今後はミカンの木の更新とあわせた園地の改良や江梨地区への整備地域の拡大等の調査検討を進めてまいります。
 県といたしましては、これらの取り組みを進めるために地域の組織力を強化するとともに、国の農業競争力強化対策予算等を有効に活用し「寿太郎」ミカンのふるさとづくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 我が国の領土に関する教育についてお答えいたします。
 学習指導要領には、小学校五年生の社会科、中学校社会科の地理的分野等において北方領土が我が国の固有の領土であることなど我が国の領域をめぐる問題にも着目して指導することが示されており、各学校では教科書を中心にその学習を進めているところであります。
 県教育委員会では、こうした学習を支援するため、内閣府、外務省等関係省庁が作成している資料等を各学校に配布しその活用を働きかけております。また内閣官房主催の領土・主権に関する教員等セミナーに指導主事を派遣し、専門性を備えた指導者育成に努めております。
 さらに、北方領土に関する標語の募集等に協力するほか、北方領土返還要求静岡県民会議などが主催する県民大会、教育指導者現地研修会、教育者会議への参加を通じて関係団体と連携を図っているところであります。
 県教育委員会といたしましては、児童生徒が領土問題について正しく理解するとともに自国の領土等に対する関心がより高まるよう引き続き小中学校に対して学習資料等の提供を行うとともに、専門的な指導者の育成や関係団体との連携に努めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 杉山盛雄君。
       (五十三番 杉山盛雄君登壇)
○五十三番(杉山盛雄君) 再質問やらないつもりでいたんですけれども、要望だけ一つ。
 難波副知事が答えられた沼津土肥線、これ夢の話なんですよ。「海ほたる」が幾らでできてるんですか。九州、四国のあの橋が幾らでできてるんですか。そんなお金がかかるわけないんですよ。そのことについて伊豆半島を本当によくして、そして大型バスも通過できるようなしっかりとした路線をつくりながら、そしてあのようなビュースポットをつくっていくという、これは本当に夢の話でありますが、しかし静岡県の財政力でできないわけがない。これだけ申し上げておきます。以上です。
○副議長(藪田宏行君) これで杉山盛雄君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十二月八日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp