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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

落合 愼悟 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/30/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 防災体制について
 (1) 市町の防災体制の強化
 (2) 土砂災害防止法改正に伴う県の対応
2 消防救急の広域化について
3 都市計画道路志太中央幹線について
4 特色ある茶生産による茶業振興について
5 建築工事における中小企業者の受注機会の確保について
6 消費者被害・トラブルへの対策について
7 水素ステーションの整備と燃料電池自動車の普及促進について


○議長(吉川雄二君) これで中澤通訓君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、四十番 落合愼悟君。
       (四十番 落合愼悟君登壇 拍手)
○四十番(落合愼悟君) お疲れのところ済みません。最後でございます。私は自民改革会議所属議員として県政の諸課題について分割質問方式にて知事及び関係部局長に伺います。
 初めに、防災体制についてのうち、市町の防災体制の強化について伺います。
 昨年八月、広島市の土砂災害では多くの方が亡くなる大災害となりました。本県でも十月に台風十八号が襲来し、死者はなかったものの負傷者や家屋の浸水など多大な被害が発生いたしました。このような災害において市町村が住民に事前に避難を促す避難勧告などが重要で、その危険性に応じて避難準備情報、避難勧告、避難指示が出されます。これらの情報は、受け取った住民が事態がどのくらい切迫しているか理解しやすいように段階的に出されることが理想です。そして住民が安全に避難できるよう、災害の発生前に十分な時間的余裕を持って避難勧告等を出すことが重要となります。
 昨年の台風十八号では、隣接する藤枝市と焼津市の同じ河川流域でも、焼津市は前日の夜十一時には避難準備情報が発令されました。早朝には避難勧告が出されました。一方藤枝市においては台風の過ぎ去った九時十分に、河川の氾濫が高まったとして突然一万八千九百十三世帯、五万五百五十四人に避難勧告よりも拘束力が強い避難指示を出しています。このように避難勧告等の種類や時刻が違っていたこともあり、私は翌日の十月七日の本会議で市町の防災体制の強化について質問をいたしました。県からは、今後市町に出向いて災害の情報処理や対策の優先度などの実践的な指導を行い、市町の災害対策本部運営体制の強化やタイムライン導入等について支援するとの答弁がありました。
 これから風水害が発生しやすい時期となります。これらの取り組みが一層重要となることから、改めて県の市町に対する支援状況について伺います。
 また、災害時には確実に情報収集、伝達を行うシステムが重要となります。県では平成二十三年から静岡県デジタル防災通信システムの整備を進め、本年五月に完成したと聞いています。通信方式がデジタルに移行したことにより高速通信が可能となることから、災害対応において具体的にどのような効果があるのか伺います。
 次に、土砂災害防止法改正に伴う県の対応について伺います。
 国では、甚大な被害が想定される浸水想定区域に指定すべき対象を広げ、想定し得る最大規模の洪水、内水、高潮に対する警戒避難体制の充実強化を目的とした水防法などの改正法が五月に成立いたしました。一方、土砂災害では土石流等の被害を軽減するため砂防堰堤等の施設整備を進めるべきでありますが、多くの土砂災害危険箇所を短期間で整備することは予算的にも困難な状況にあります。このため土砂災害から人命を守るにはいかに住民に土砂災害のおそれがある場所から適切な時期に避難してもらうかが重要であり、土砂災害防止法による警戒避難体制整備などの取り組みは大変有効であると考えているところです。この土砂災害防止法は平成十一年に広島市や呉市で多発した土砂災害を契機として制定され、昨年の広島市での土砂災害を受けてことし一月に土砂災害防止法の一部改正施行を行っております。その中では土砂災害から国民の生命を保護するため、都道府県に対する基礎調査結果の公表義務づけと土砂災害警戒情報の市町村長及び住民への周知、市町村における警戒避難体制強化が改正の内容となっているところです。
 そこで、土砂災害防止法の改正を受けた本県の対応について伺います。
 次に、消防救急の広域化について伺います。
 消防庁では、平成十八年六月におおむね管轄人口三十万人以上を目標とする消防広域化に関する基本指針を示しました。これを受け本県では平成十九年度に県内を百万人規模の東・中・西の三圏域に分ける消防救急広域化推進計画を策定いたしました。私は志太地域の現状を鑑み消防救急の連携を考慮し、当時の本会議において百万人規模では大き過ぎる、国の目標値三十万人規模にすべきだと計画の見直しを申し上げました。
 その後、各地域の検討の結果、県では平成二十二年度に計画を変更し現在では八本部区域に分かれることになりました。焼津市と藤枝市では国の期限であった平成二十五年三月に志太消防本部を立ち上げ、県内でいち早く広域化ができました。先日焼津市にある志太消防本部を視察し、消防次長など職員から消防救急の現況の問題点や効果について伺ってきました。地理的に一体化した志太地域での広域化により、特に両市の境付近で発生した災害や事故の場合、現場への到着時間が最大で四分短縮されたこと、同時多発災害にも休日の職員を招集することなく迅速に対応できるようになったことなど利点が多く聞かれました。さらに人口三十万人以上の消防本部に必要な高度救助隊をこの四月に発足することができたと大変喜んでおりました。私は消防救急の広域化を積極的に進めていくべきものと改めて認識いたしました。
 現在県では消防救急の広域化に取り組んでいるところでありますが、現在の広域化の状況と今後の取り組みについて伺います。
 次に、都市計画道路志太中央幹線について伺います。
 大井川にかかるはばたき橋が平成二十五年に開通し、周辺で発生していた慢性的な渋滞が解消したことから藤枝市内から富士山静岡空港へのアクセスは格段に向上し、今月二十一日には藤枝駅と空港とを所要時間約三十分で結ぶエアポートバスが運行を開始いたしました。藤枝駅周辺では現在国際観光ホテルの建設や再開発事業が進められており、国内外から訪れる多くの人々を受け入れる環境も着々と整いつつあり、地元経済や観光交流の活性化に向けてまさに追い風が吹いている状況です。しかしながら依然として二車線である国道一号藤枝バイパスや旧国道一号、さらに南北幹線道路では通勤通学時間帯を中心に慢性的な渋滞が発生しており、志太地域の将来の発展に向けて道路ネットワーク整備が重要な課題となっています。
 志太中央幹線は国道一号藤枝バイパスと大井川はばたき橋を結ぶ都市計画道路で、この道路の整備により中心市街地の渋滞緩和だけでなく今年度末供用を予定する東名大井川焼津藤枝スマートインターチェンジへのアクセス向上にも期待されています。現在、藤枝市天王町から旧国道一号までの区間は県が整備を進めていますが、沿線の藤枝、焼津の両地域におきましては残る未着手区間の早期整備による広域的な道路ネットワークの構築が求められております。一方、ことし三月には国、県、関係市等から成る総合都市交通計画協議会において志太地域を含む静岡中部都市圏の都市交通マスタープランが策定されたと聞いています。
 そこで、志太中央幹線の未着手区間の同プランにおける位置づけと今後の整備について伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 外岡危機管理監。
       (危機管理監 外岡達朗君登壇)
○危機管理監(外岡達朗君) 落合議員にお答えいたします。
 防災体制についてのうち、市町の防災体制の強化についてであります。
 風水害等の発生時に市町長が適時的確に避難勧告等を発令するためには、市町の災害対策本部の運営体制の強化が肝要であります。このため県の危機管理指導監がこれまで十二市町で訓練の企画段階から災害対策本部の組織や運営方法の改善などについて実践的な指導を行っております。また事前防災行動計画いわゆるタイムラインの導入につきましては、市町幹部職員を対象とした研修会の開催や県が作成したモデルを提供したことにより現在までに十六市町で導入されました。さらに雨量や河川の水位をリアルタイムで情報提供する静岡県土木防災情報システム等により市町が避難勧告等の発令に際し的確な判断ができるよう、各危機管理局において毎年風水害対処訓練を実施しております。今後もこうした取り組みにより引き続き市町の防災対策の強化を支援してまいります。
 また、デジタル防災通信システムにつきましては、地上無線と衛星通信の二系統で構成し通信量を最大四倍としたことで多くの市町等との同時利用やヘリテレの複数受信が可能となり、他の通信手段が使用できない場合であっても確実に情報の収集と伝達を行えることから適切な災害応急活動が実施できるものと考えております。
 次に、消防救急の広域化についてであります。
 県では、二十五の消防本部を八本部に統合する静岡県消防救急広域化推進計画を策定し広域化を進めてまいりました。平成二十六年四月には国の基本方針に基づき、広域化が完了している志太地域と御殿場、小山地域を除く全ての地域を消防広域化重点地域に指定し、平成三十年四月までの広域化に向け鋭意取り組んでいるところであります。現在、静岡地域並びに駿東伊豆地区及び三島・裾野・長泉地区で平成二十八年四月一日の広域化を目指しており、法定協議会の設置や広域消防運営計画の策定など具体的な作業が進められております。また岳南地域においては二市の消防指令センターの共同化が進められており、本年九月から運用が開始される予定となっております。
 広域化を実現するためには、消防指令センターの共同化や消防車両の整備に係る財源確保、消防本部ごとに異なる組織や制度のすり合わせなどの課題があります。県といたしましては、各地域における消防救急の広域化の取り組みが計画どおり進められるよう協議会等に参画し問題の解決に協力しているところであり、今後も協議会等の運営費の助成や先進事例の紹介など積極的に支援を行ってまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 防災体制についてのうち、土砂災害防止法改正に伴う県の対応についてお答えいたします。
 県では、土砂災害から住民の生命や財産を守るため、施設整備によるハード対策と市町が行う警戒避難体制の整備の支援などのソフト対策をあわせて実施しております。今回の法改正は土砂災害警戒区域指定のための基礎調査結果の公表の義務化等ソフト対策の強化を図るものであり、市町と連携し迅速に対応することが重要であると考えております。
 まず、基礎調査結果の公表につきましては、一万五千百九十三の危険箇所のうちこれまで約一万二千五百カ所の調査が完了し、このうち一万一千六百二十六カ所については区域指定を行い既に公表しております。残りの約九百カ所について今回の法改正を踏まえ八月末を目途に公表してまいります。引き続き基礎調査を進め、危険箇所の見直しによる追加箇所を含め平成三十一年度までに順次県のホームページ等で調査結果を公表していく予定であります。
 土砂災害警戒情報につきましては以前から市町及び住民の皆様への情報提供を行っておりますが、今回の改正で住民の避難勧告を発令する基準として明確化されたことから、今後も的確な伝達に万全を期してまいります。また市町における警戒避難体制の強化につきましても、現在、避難場所、避難経路及び要配慮者施設への情報伝達方法などの地域防災計画への記載状況の把握に努めているところであり、対応がおくれている市町に対し避難ルート選定などの技術的な支援に努めてまいります。
 県といたしましては、施設整備を着実に進めるとともに、法改正の趣旨を踏まえたソフト対策の強化を図り総合的な土砂災害対策を進めることで安全・安心な地域づくりを目指してまいります。
 次に、都市計画道路志太中央幹線についてであります。
 志太中央幹線は、志太地域を南北に貫き国道一号藤枝バイパスとはばたき橋を結ぶ全長十一・六キロメートルの都市計画道路であり、県は沿線の藤枝、焼津両市と分担して緊急度の高い区間から優先的に整備してまいりました。これまでに国道一号藤枝バイパスに接続する二・一キロメートル区間とはばたき橋を含む三・二キロメートル区間を供用しており、現在、藤枝市天王町から旧国道一号までの〇・五キロメートル区間におきまして平成三十年代前半の供用を目指し県が用地買収を進めているところであります。残る未着手区間五・八キロメートルのうち渋滞緩和効果の高い北側の二キロメートル区間と大井川焼津藤枝スマートインターチェンジの利用促進に資する南側の一・七キロメートル区間につきましては、本年三月に静岡中部都市圏総合都市交通計画協議会で策定した都市交通マスタープランにおいておおむね十年以内に着手することが望ましい区間として志太地域の六路線十七・二キロメートルの中に位置づけたところであります。
 県といたしましては、藤枝、焼津両市とともに昨年度から実施している勉強会の中で、志太中央幹線の未着手区間につきましても次期整備区間や事業主体等について合意形成を図り、引き続き志太地域の道路整備を推進してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 落合愼悟君。
       (四十番 落合愼悟君登壇)
○四十番(落合愼悟君) 答弁ありがとうございます。
 防災体制について伺います。
 各市町の避難勧告、避難指示ですね。それに対して徹底ができるのかなというのがまだ不安に思います。明文化されたというのに対しては了解ですが、やはり同じ河川流域の中で同じような形でやはり発令していく、その辺の協調性というかな、それをぜひお願いしたいと思います。
 これについては要望にしておきますが、一番気にしているのが、消防救急のことと一緒にしますが、もし東海地震が起きたときに消防の指令が、この今の計画でいきますと静岡消防が島田市、牧之原、一緒ですね。で、藤枝、焼津が一つです。これが東海地震が起きたときに志太榛原は一つの防災拠点になります。対策本部ができます。静岡は静岡でできます。そういうときにうまく連携がとれるのかどうなのか。それに対して防災体制がうまく市町の関係、デジタル通信ができますけど、その関係がうまくつながるのかどうなのか。ちょっとその辺がわからないものですから、つながるのかどうなのか。せっかくできる防災無線、消防救急の指令のほうとその辺の関係を教えていただきたいなと思います。
 続いて、志太中央幹線についてでございます。
 先ほど十年以内にということで、国道一号南とそれから藤枝大井川線からの関係ですが、それについて十年以内にということがされましたが、今後具体的に十年以内にどのようにしていくのか、進め方を伺いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 外岡危機管理監。
○危機管理監(外岡達朗君) 防災体制についてのうち、市町の防災体制の強化についての再質問にお答えいたします。
 消防広域化が進む中で志太消防と静岡との連携、あるいはそれを前提としてのデジタル通信、このようなものが情報が確実に伝わるのかというような御質問でございます。
 デジタル化につきまして、各市町の間での体制が確保できるようになりましたので、これは災害時におきましては正確な情報把握あるいはそれに基づく伝達といったものが非常に重要で、その後の対策に大きく影響してきます。そういう意味では今回の防災通信システムのデジタル整備につきましてはそういったものが格段に向上したと考えてございます。そういう意味では御安心いただきたいと思います。
 それから、そういったときに藤枝、焼津であるとか両地域から島田であるとかそういうところの連携がうまくとれるのかということでございます。これにつきましてはそれぞれがそれらの役割を果たすわけですけれども、互いに協調し合って連携をとり合ってやるということになると思います。これは情報もそういう形で共有するようになると思います。ということで、そういった連携ということはしっかりと形にしてまいりたいと考えています。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 野知交通基盤部長。
○交通基盤部長(野知泰裕君) 都市計画道路志太中央幹線の再質問に対しましてお答えいたします。
 今回の静岡中部都市圏総合都市交通計画は平成二十四年度から三カ年をもって国、県また関係する市町に集まっていただいて議論する中で、このたび総合都市交通体系調査ということでマスタープランができ上がったわけでございます。そのマスタープランの中で将来的な交通ネットワークとして必要な路線の一つに志太中央幹線ももちろん入っておりますし、その中でも今後十年を見通したときにこの路線の整備についてこの地域において整備効果があるという評価の中で、おおむね十年以内に着手することが望ましい路線の一路線ということで位置づけられたことになりました。
 したがいまして、これからの作業といたしましてはこれを踏まえましてそれではどのように整備していくかという議論に移ると思います。そういうことでございますので勉強会がございますものですから、この勉強会の中で具体的なこの区間のうちどこを具体的に最初に優先的に整備していくのか。またどういう事業主体、どういう分担をして整備をしていくのか。そういうような具体的な事業に向けた議論を勉強会の中で進めていくと。そんな作業を県も参画する中で進めてまいりたいと思っております。そんな予定で今後進めていくつもりでございますので、どうぞよろしくまた御支援をお願いします。以上でございます。
○議長(吉川雄二君) 落合愼悟君。
       (四十番 落合愼悟君登壇)
○四十番(落合愼悟君) 御答弁ありがとうございます。
 志太中央幹線について、焼津市と藤枝市にまたがる道路でございますのでぜひ連携をとれるように県としてもできるだけの支援をお願いしたいと思います。
 次に移ります。
 次に、特色ある茶生産による茶業振興について伺います。
 午前中早川議員からも質問がありました。知事の答弁で今後抹茶や白葉茶に力を入れていくということで大いに期待をしていますので、よろしくお願いしたいと思います。
 現在開催されているミラノ国際博覧会において日本の食文化が紹介される中、八月二十三日から五日間、日本館のイベント広場で静岡茶をPRするイベントも行われると聞いております。国内の緑茶消費が減る一方で海外での緑茶の需要は増加しており、海外に向けて輸出を積極的に進め茶業を振興していくことが必要であると考えます。海外においては特に抹茶の人気が高まっています。
 先日私は京都府の宇治市にある京都府茶業研究所を訪れ抹茶、玉露の研究開発状況を視察してまいりました。ここの茶業研究所では現在四件の特許申請を出願しておりました。よしずと稲わらを使った本ずのこもがけでつくられた茶葉は最高級の玉露となり、青のりのような香りと何とも言えない甘みを味わうことができますが、寒冷紗被覆ではこもがけのような極上の甘みを出すことはできません。研究所では天然素材で本ずのような遮光資材を開発し特許申請をしています。紫外線をカットし赤外線が通過する遮光資材です。寒冷紗のように黒ではなく稲わらのように薄茶色で、こもがけのように見えます。そしてこの遮光資材の展開巻き取り装置も考案しています。設置や撤去が簡単になり労力が大幅に削減できました。さらに茶樹列に直がけして固定する方法も考案しています。また国庫事業を活用してエネルギー効率が五倍で四〇%も小型化した高品質なてん茶機を島田市の寺田製作所と共同で開発していました。このてん茶機は宇治茶のてん茶製造拡大のため販売も予定しています。
 京都府では煎茶生産から抹茶原料のてん茶生産へ転換し全国一のてん茶生産地となり、一番茶の平均単価も一キログラム当たり五千円を超える高値で取引され、最高級茶は一万八千円で取引もあると伺いました。宇治茶のブランド力には見習うべきことが多いと言えます。
 本県においても藤枝市の山間傾斜地で玉露からてん茶生産へ転換が進み、県内では約二百五十トンのてん茶が生産されています。平坦地に比べて大規模経営が難しく摘採時期も遅い山間傾斜地ですが、高品質な茶を栽培できる強みを生かして国内外で有望なてん茶生産を一層拡大していくべきではないでしょうか。今後てん茶生産を拡大していくためには管理作業の省力化を含めた生産技術の向上、高値で取引されるためのブランド化、国内外における販路開拓が重要であると考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、建築工事における中小企業者の受注確保について伺います。
 建築工事における建築関連業種は、主な業種だけでも鉄骨、電気、水道、空調、左官、塗装など二十業種以上ありますが、裾野は大変広がっています。経済波及効果は土木工事の比ではありません。静岡県内の経済が非常に落ち込んでいる今、建築工事の拡大によって経済を支えることが重要と今回提案させていただきました。箱物をただだめと言うだけではなく、改築によって省エネになりランニングコストを大きく減らすことも可能です。
 平成二十五年度に我が会派が提案した静岡県中小企業者の受注機会の増大による地域経済の活性化に関する条例が制定されました。条例の趣旨を踏まえて県当局は積極的に中小企業を支援し地域経済の活性化に取り組んでいることは承知しております。平成二十六年度県の建築関係工事における中小企業者の受注実績は約二百九十件中約二百八十件と高く、建築関係工事における中小企業者への受注機会確保の取り組みは一定の評価ができるものと考えておりますが、この春竣工した新草薙体育館のように県外の大手ゼネコンが受注しているケースも見受けられ、中小企業者の受注機会が失われている実態もあります。約七千八百棟ある県有建築物の状況を見ますと約半数が建築後三十年以上経過しております。今後、経年による劣化や老朽化が進み、いずれは県民サービスの低下を招くことが懸念されます。これまでも県有建築物の整備に当たっては地域の実情を熟知している地元業者の尽力によるところが大きく、今後の老朽対策を進める際にも重要な役割を果たすものと考えております。
 そこで今後、老朽化が進んでいる県有建築物の整備に当たり、県内の景気浮揚策とともに中小企業者の受注機会の確保の観点を踏まえどのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、消費者被害・トラブルへの対策について伺います。
 消費者庁は、平成二十六年に消費者が受けた被害やトラブル額の推計結果を五月に公表しました。消費者被害・トラブル額の合計は全国で六兆七千億円に上り、前年より七千億円も増加しています。これを人口から推計すると、本県における被害・トラブル額は実に千九百五十五億円になります。一方、新聞報道によると昨年度県民生活センターに寄せられた相談件数が約六千件あり、その内容はアダルト情報サイトに関するものが八百六十九件と五年連続トップで、光ファイバーやインターネット接続回線にかかわる相談が急増しております。年代別では六十歳以上の方からの相談件数が千八百件と全体の約三割を占めるなど、相変わらず高齢者からの相談が際立っています。最近では一般消費者だけではなく商店や企業の事業者が電話などで訪問販売業者の勧誘を受け、節電効果があるなどと言葉巧みにだまされてリース契約を締結されることなど中小の事業者が被害を受けることも多くあります。悪質業者のターゲットが拡大していると思われます。
 私は、県民の健全な消費生活を守り中小事業者の経営内容を高める上でも一刻も早く対策を講じる必要があると考えます。そのためには消費者被害・トラブルに関する情報を速やかに県が吸い上げ、それを活用して悪質事業者を厳格に指導していくことが必要と考えますが、県は消費者被害・トラブルへの対策としてどのような取り組みを行っているか伺います。
 次に、水素ステーションの整備と燃料電池自動車の普及促進について伺います。
 国連の気候変動枠組条約締約国会議に向け、先般政府は温室効果ガス排出量を二六%削減する新たな目標を定めました。地球温暖化等が大きな課題となり将来的なエネルギーとして水素の利活用が期待されています。昨年十二月に燃料電池自動車のトヨタのミライが世界で初めて市場投入され、今後の普及と活用の広がりが期待されているところであります。燃料電池自動車の普及のためには、燃料補給に支障を来すことのないよう燃料充填設備である水素ステーションの十分な整備が不可欠であります。国では四大都市圏を中心に本年度末までに百カ所程度の水素ステーションの整備を目標にしておりますが、一カ所当たり数億円とされる設置コストなどが要因となり現時点で稼働を開始しているのは二十数カ所、年度末でも八十カ所程度にとどまる見通しです。そうした中、県西部地域を営業エリアに含む中部ガスが県内において移動式水素ステーションを整備すると今月十五日に公表いたしました。これは県内初の水素ステーションとなります。来年二月をめどに浜松市内と豊橋市内に置かれ、当面浜松市内では週二日程度の運用を行うとのことです。
 今後、県内への水素ステーションの整備を図り燃料電池自動車の普及促進に努めることが必要であると考えますが、県の取り組みについて伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 特色ある茶生産による茶業振興についてお答えをいたします。
 議員御指摘のとおり、近年海外におきましては抹茶の需要が拡大しております。二〇一〇年代に入りまして年間五千万円程度で伸びていると。二年間で一億円程度の販売額の増大が見られております。国内でも抹茶ラテや抹茶を使ったスイーツが人気を集めておりまして、本県でも抹茶の生産拡大とブランドの確立を図っていくことが必要であります。これは宇治に対して静岡県のブランドを差別化して立てていくということでございます。
 抹茶の原料となるてん茶の生産におきましては茶園の被覆作業に大きな労力を要しますので、県の茶業研究センターでは国やメーカーと共同で被覆用の新しい機械の開発に取り組むとともに、省力化に結びつく新しい被覆資材の実証を進めているところです。加えて海外での需要に対応するために冷涼な気候で害虫の発生が少ない山間地域を中心に有機栽培の普及を図り、抹茶生産の拡大に努めております。
 てん茶の生産は、静岡県は平成五年段階三十七トンしかありません。しかし京都府は宇治を中心に二百二十一トンと七倍ぐらい生産していました。平成二十年になりますとしかし本県も二百十一トン、本年度――平成二十七年度は四百十三トン生産を今計画しているところでございます。しかし圧倒的に宇治が勝っているというのが現実であります。
 そうした中で、静岡の抹茶ブランドを構築していくため販売業者及び生産者とともに研究会を立ち上げまして、今年度はドイツ及びアメリカで開催される見本市に出展するなど国内外における効果的なプロモーションに取り組んで、静岡県産抹茶の販路拡大に努めてまいります。
 今年度静岡県で、いわゆる商品の世界標準を決めるISOというものがございますが、その国際標準化機構の茶専門委員会が静岡県で開催されました。今月の初めに開催されたんです。今後抹茶の定義を国際的に定めていく準備作業を行うことが決定されたわけですが、本県のデファクトの定義を国際標準にすれば非常に本県にとって有利であるということで、ここにはエースを送り込んでこの会議に臨んだということでございます。世界に向けて本県産抹茶の販売を拡大していくためにも関係機関と連携して積極的に抹茶の定義の策定にかかわっていきたいというふうに思っております。宇治茶だけが抹茶じゃないということですね。
 県内では抹茶の生産や販売に意欲的に取り組む事業者がふえておりまして、今年度、恐らくてん茶の生産は四百トンを超えるであろうと見込んでいます。私どもとしましては、これらの方々と連携して本県産抹茶のブランドを確立し、お茶の都しずおかにふさわしい世界に誇れる抹茶生産地を目指してまいります。
 続きまして、水素ステーションの整備と燃料電池自動車の普及促進についてでございます。
 水素エネルギーの利活用はエネルギーの供給源の多様化や環境負荷の低減に大きく貢献するものです。いわゆるFCVと言われる燃料電池自動車は、運輸部門の二酸化炭素排出量削減に加え次世代自動車として我が国の高い技術力を生かした新しい産業の振興をもたらす効果が期待されます。本県では自動車メーカーやエネルギー供給事業者、運輸事業者、市町で構成するふじのくにFCV普及促進協議会を昨年二月に設置いたしました。経済産業省の担当者との勉強会などを通じ官民における情報の共有を図り、FCVの普及や水素ステーションの整備の可能性の検討などを進めているところであります。
 こうした中、議員御指摘のとおり協議会の会員企業である中部ガス株式会社さんが県内初となる水素ステーションを来年二月を目標に浜松市内に設置することとされたのはFCVの普及に向けて先導役になるものと期待しております。また県中部地域の民間事業者が中心となって水素ステーションを核としたエネルギー供給事業の可能性調査が行われるなど、今後の整備に向けた動きも出てまいりました。
 私どもとしましては、水素エネルギーに関する県民の理解の向上を図りつつ協議会の活動を通じて民間事業者の取り組みを促進するとともに、県としての独自の支援策についても検討を進めておりまして水素ステーションの整備とFCVの普及を促進していこうと考えております。以上でございます。
○議長(吉川雄二君) 伊藤経営管理部長。
○経営管理部長(伊藤篤志君) 建築工事における中小企業者の受注機会の確保についてお答えいたします。
 県が発注する建築関係工事においては、これまでも分離分割発注の推進や県内業者への下請発注を努力義務として規定するなど中小企業者の受注機会確保を推進してまいりました。この結果、建築関係工事における中小企業者の受注実績は、件数ベースですが平成二十五年度は九六%、平成二十六年度は九四%と高い数字を保っており一定の成果を上げております。一方、県有施設の半数が建築後三十年以上を経過し老朽化が進行している現状から、今後厳しい財政環境のもとで県有施設全体のマネジメントを行いながら個々の施設の長寿命化を図り効率的な維持保全を進めていくことが課題となっていると認識しております。
 このため、施設の状況を的確に把握するため定期的に劣化診断を行い、その結果を反映した中期維持保全計画を施設ごとに策定し計画的に修繕工事を実施することにより施設の長寿命化を図ってまいります。またこうした計画的な維持修繕の発注は景気浮揚にも資するものと考えております。
 工事等の発注に当たりましては、小規模な維持修繕などを通じて各施設の状況を把握しているいわば施設のかかりつけ医とも言えます地域の中小企業の受注機会の確保にも配慮してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 池谷くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 消費者被害・トラブルへの対策についてお答えいたします。
 県では、消費者被害等の相談に対し三カ所の県民生活センターにおいてクーリングオフの方法などさまざまな助言を行ったり、相談員が消費者と事業者との間に入って公平な立場からトラブル解決に向けた調整などを行っております。その中で強引な勧誘や事実に反することを告げて契約の締結を迫るなど取引行為が悪質な事業者に対しては法に基づく業務停止命令など厳格な行政処分を行っており、平成十年以降の処分件数は七十一件で全国第三位の実績を上げております。
 消費者被害の拡大防止のためには早期に悪質事業者の情報を把握することが効果的であることから、全国相談情報データベースに加え昨年度から本県独自に市町との間で相談情報を迅速に共有するシステムを導入いたしました。今年三月にはこのシステムを活用し、屋根の点検などを口実により高額な修繕工事の契約を勧誘していたリフォーム業者に対して三カ月の業務停止命令を行ったところであります。
 こうした対策に加え、被害やトラブル防止のためには県民の皆様が悪質商法に対する知識や対応を身につけていただくことが大事でありますことから、子供から高齢者までさまざまな年代に応じた消費者教育の展開や啓発に努めてまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 落合愼悟君。
       (四十番 落合愼悟君登壇)
○四十番(落合愼悟君) 答弁ありがとうございました。要望を二点行います。それで質問を一点お願いします。
 建築工事に関する関係ですが、七千八百棟ある中で半数が三十年以上という中でございます。できるだけ建築の発注をお願いします。
 そして消費者被害ですが、事業者の関係ですが非常に被害があるんです。意外とこれは表に出てこないんですが、ぜひその実態も把握してできるだけの支援をしていただきたいと思います。
 質問でございますが、お茶の件です。先日宇治の平等院に、来客が非常に多いものですから、宇治は非常にいい場所にあると思います。その中で非常に宇治茶が売られています。その中でやはりお茶がおいしい。これは何が違うのかなと思ったんですが、やはり肥料とかそういうのが違うんですね。肥料のやり方も、ただまくではなくて本当に根元にしっかり肥料をやってあまり公害が起きないような形をとっていると。そういう面で非常に手を入れているのが感じられました。ぜひ静岡県としてもお願いしたいと思うんですが、てん茶をいかにブランド化して売っていくには、やはり品評会で日本一をとらなきゃいけないと思うんですよ。日本一をとれるようなてん茶を、抹茶を生産できるようにするには、ぜひその辺で、知事、何か手を入れていただきたいと思うんですが、その辺に対してお答えをいただきたいと思います。答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 篠原経済産業部長。
○経済産業部長(篠原清志君) 私どもとしても、静岡の抹茶を日本一に、宇治に負けないような抹茶にしたいというふうに思っております。具体的には先ほど知事からの答弁もありましたように短期間でといいますか、抹茶の生産をふやすための技術あるいは省力化の技術も行っております。
 さらに今後につきましては、被覆を生かしましてもどの木でも同じような効果が出るわけではないというふうに承知しております。抹茶、てん茶に向く樹種、品種の選抜とかにも取り組んでまいりたいというふうに思っております。さらには当然被覆をしますと木に影響が出ます。その辺の、どういう形で被覆をするか。その木の関係、そういうものも含めまして今後研究を進めていい抹茶の生産につなげていきたいというふうに思っております。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 落合愼悟君。
       (四十番 落合愼悟君登壇)
○四十番(落合愼悟君) ありがとうございます。ぜひお茶に関しては高級茶を、それからまた藤枝にぜひおいでいただいて玉露、抹茶をぜひ味わっていただきたいと思います。以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(吉川雄二君) これで落合愼悟君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

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