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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成16年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

池谷 晴一 議員

質問分類

代表質問

質問日:

07/15/2004

会派名:

KEN−MIN


質疑・質問事項:



    ○副議長(八木健次君) ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、九番 池谷晴一君。
           (九番 池谷晴一君登壇 拍手)
    ○九番(池谷晴一君) まず今月二日、県の現職幹部職員がプール金の横領容疑で静岡地検に逮捕され、本県に係る逮捕者は、現職、元職合わせて七人ということになりました。公金に対する職員意識の高揚、公務員倫理の徹底その他再発防止策につきましては鋭意実行されているものと認識しておりますが、全庁調査においては告発に至らなかったものの、逮捕者が相次いでいる現状は、県民の県政、県職員に対する信頼と期待をことごとく裏切るものであり、今後、捜査結果をもとに厳正に対処し県民の信頼を早期に取り戻すよう、最大限の努力をされることを強く要望します。
     それでは、会派KEN―MINを代表し当面する県政の諸課題につきまして、知事、関係部局長及び教育長に質問いたします。
     まず、知事の政治姿勢について伺います。
     初めに、国庫補助負担金改革についてであります。
     国、地方財政の三位一体改革に係る国庫補助負担金改革につきましては、骨太の方針第四弾の閣議決定を受け、政府は地方六団体に対し削減の具体案の提示を要請したと聞いております。二〇〇五年度から六年度にかけ総額三兆円の補助負担金を廃止する方向で、全国知事会が中心となってまとめるようですが中央省庁の権益を奪う改革となるため、抵抗が予想されるとともに義務教育費国庫負担金を対象とするかどうかなどの調整も難航することが予想されております。しかしながら、地方分権を実現するための改革でもあり、ぜひともよい方向に持っていかなければならないと考えるところであります。現時点における知事の所見と対応をお伺いします。
     次に、国と県の役割の見直しについて伺います。
     本年一月の国の地域再生の提案募集では、本県が政令県構想と奥大井・南アルプスマウンテンパーク構想を、そして静岡市、浜松市など県内の十市町もそれぞれ提案を行い、結果、県の政令県構想は採択に至らなかったと聞いています。本県が提案した政令県構想は、一定の規模と能力を備えた道府県に国の出先機関の権限を移譲しようというもので、県のあり方を見直し、あわせて事務の効率化を図るものであり、実現すれば市町村にとっても意義は大きいと考えます。
     国と県の関係については、このほかにも合併や道州制、広域連合など、県の枠組みを拡大する制度づくりや自立広域圏域を形成して、地域ブロックによる交流や連携の国土づくりなど、新たな地方分権の基盤づくりにもつながるさまざまなアイデアが検討されています。合併が進んで市町村の規模と能力が拡大することに伴い広域自治体としての県のあり方が今、改めて問われています。地域に関する国の権限を住民に身近な地方に移し、より一層の住民福祉向上を図る上でも、地方分権時代における広域自治体のあるべき姿を議論することが必要です。
     三位一体の改革とともに我が国の内政構造見直しの一環として国と県の役割の見直しについて、知事の御所見を伺います。
     次に、市町村合併について伺います。
     合併新法におきましては、知事が市町村合併の構想を作成し合併協議会の設置や協議の推進を勧告できることとなり、また同法や今回改正された地方自治法及び現行の合併特例法では市町村において、地域自治区や合併特例区の創設が可能となり小さな単位での自治も可能となりました。
     国の役割と権限を見直しつつ構造改革を行い地方主権を実現するためには、地方自治体の基盤を強化することが必要であると考えるところでありますが、小さな自治体に固執するところも多く勧告を受けても合併しない小さな市町村は、歳出の極度の削減と事務処理の県への委託なども想定されます。知事の適切なリーダーシップが望まれるところであり、合併新法等の施行を受け今後の市町村合併の方向性について知事の御所見をお伺いします。
     次に、防災対策について伺います。
     まず、被災住宅の周辺整備に係る居住安定支援制度――被災者生活再建支援法改正につきましては、住宅は個人資産であるということから、瓦れき撤去や建物の解体、撤去、整地など、住宅の周辺整備だけが対象となりましたが、一方、被災者の居住場所の確保を最優先に考えると住宅本体の再建、補修費についても支給対象とすべきであるという意見があります。知事の御所見と対応をお伺いします。
     次に、今年度の県総合防災訓練については、九月一日に御殿場市及び小山町において実施が予定されておりますが、国においても防災関係者を動員し、国、県、市、町や自衛隊、警察、消防、その他防災関係機関の連携のもと、東海地震に対する本格的な訓練が展開されることとなると聞いております。本年の防災訓練につきまして、例年の訓練との相違点と特に重点を置く訓練項目及び関係機関との協議、対応の状況についてお伺いします。
     次に、昨年六月に武力攻撃事態法等の有事関連三法が成立し、本年六月十四日に国民保護法など関連七法が成立しました。
     国民保護法では武力攻撃事態等に対応するため、国全体として万全の態勢を整備し国民保護のための措置を的確、迅速に実施することとなっており、県におきましては、国民保護計画の作成や警報の通知、住民の避難指示、運送事業者に対する避難住民の輸送、救援、武力攻撃災害への対処措置などをとることとなっております。
     本法におきましては、自主防災組織やボランティアが行う自主的な活動を行政が支援することが明記され、国民の自発的協力が求められておりますが、一方では救援のための土地や家屋、または物資の収用など、私権制限という面もあります。どのように県民の理解を得、啓発していくのかお伺いするとともに自衛隊や市町村、企業等との連携をどのように進め、県民の生命、身体、財産を保護していくのかお伺いします。
     また、避難や収容、輸送、救援に係る費用及び被災者への支援や道路などの復旧、被災した援助協力者に対する損害賠償などに係る国、県、市町村の財政負担についてもお伺いします。 
     次に、ユニバーサルデザインの推進についてでありますが、本年五月二十四日から二十六日にかけて第十回高齢者・障害者のモビリティーと交通に関する国際会議がアジアで初めて浜松市で開催され、世界各地から研究者や実務者、あるいは障害のある方が数多く参加し活発な議論が展開されたと聞いております。
     ユニバーサルデザインに対する先進的な取り組みが、本県での国際会議につながったものと受けとめておりますが、ユニバーサルデザイン先進県と言われる本県としましては、この会議を契機として、施設内におけるスロープやエレベーター、トイレなどの対応のみならず、例えば教育施設や庁舎等県有施設で狭隘道路に面しており、かつ建築物がかかっていないところについては、セットバックして車道の拡幅や歩道の設置に努めるなど、道路や歩行空間における安全性の向上などにも積極的に取り組んでいく必要があると考えます。
     さらに、民有地につきましては、東京都が都心幹線道路沿いの民有地の歩道や緑地用地への提供、整備に係るモデル地区事業を導入し本格的実施を検討していると聞いておりますが、所有権移転を望まない方につきましては、その意向を尊重しながら歩車道等用地として民有地が使用できるような仕組みの構築についても検討するなど、障害のある方や高齢者、子供たち、そして車にも優しいユニバーサルな交通社会実現について率先配慮することも必要と考えます。県のお考えと対応をお尋ねします。
     また、視覚障害者の安全と利便性向上のための総合カードシステムにつきまして、カード対応の信号機、公共施設案内アナウンスなどのシステムの構築とカード携帯者の増加方策など、総合カードシステムの構築につきまして対応を伺います。
     次に、少子化対策についてでありますが、厚生労働省の二〇〇三年人口動態統計において合計特殊出生率が一・二九となり、少子化が極めて速い速度で進行していることが明らかとなりました。
     国におきましては平成二年ごろから少子化対策についての議論がなされ、エンゼルプランや新エンゼルプランなどの計画策定もなされてきましたが、出生率の低下傾向に歯どめがかかっていません。これは言いかえると国の施策、対策が効果を発揮していないと見ることもできると思います。国民が一番感じている根本的な部分、すなわち子育て、教育などにお金がかかるという部分を改革しなければ、幾ら産み育てやすい周辺の環境を整備しても少子化傾向は改善されないとも考えるところであります。
     六月十四日に改正児童手当法が成立し児童手当の支給が小学校三年生まで拡大することとなりましたが、外国では十八歳まで支給するところなどもあり、まだまだの感があります。ばらまき行政ですべて解決するとは思いませんが、さまざまな分野で直接あるいは間接に子供を育てる親の金銭的負担を増大させるものが存在するということは否めない事実であると思います。
     一方、出生率を都道府県別に見てみますと一番高いのが沖縄県で一・七二、一番低いのが東京都で一・〇を切っていますが、都内でも区によりばらつきがあります。これは都市化の状況や家庭環境など、若者を取り巻く社会環境が出生率に大きな影響を与えているものの、地方自治体の施策によって率が変化することを示しています。ちなみに我が静岡県は一・三七で、近年は低下傾向にあるものの全国平均よりは高い状況にあります。
     本県においては十二月より乳幼児医療助成制度の拡充が予定されており、評価するところでありますが、さらに全国的に不妊に悩む夫婦に対する不妊治療費補助の増額、あるいは教育費や税の負担軽減など、子供を産み育てる保護者への直接支援に係る予算配分への大幅なシフトを行うなど、大胆かつ抜本的に予算配分構造の改革を検討せざるを得ないのではないかと考えるものであります。
     次世代育成支援対策推進法により、本年度中に地方自治体や三百一人以上の従業員を持つ企業で行動計画を策定することとなっており、現在、策定作業が進められておりますが、今話題の年金問題も絡み国家の存続を左右するような大変大きな問題であると思います。知事の御所見と対応をお伺いします。
     次に、静岡空港について伺います。
     静岡空港につきましては、平成十九年三月の開港に向け工事が進んでおりますが、予定どおり開港するためには、本年秋ごろまでに土地の買収が完了しなければならないと聞いております。しかしながら現在も買収予定地内の四世帯の方が話し合いに応じてくれない状況にあり、秋の買収を想定した場合、土地収用のための国への事業認定申請や県収用委員会への裁決申請を行わざるを得ない状況も予想されます。反対地権者との話し合いに係る状況と今後の対応について知事にお伺いします。
     次に、静岡空港の運営を民間会社へ委託するという方針で進んでおりますが、世界には空港がマーケットを経営したりホテルを併設し、あるいは観光ツアーを行うなど、さまざまな試みを行っているところがあります。また空港の近隣に物流団地を整備するなど、地域振興拠点として活用しているところもあります。空港を拠点とした地域振興策についてお伺いします。
     次に、会派KEN―MINではベトナムのパシフィック航空との交流の場を持ち、静岡空港への直行便就航の可能性について研究しています。羽田空港は静岡駅から一時間余りでアクセスできるため、強力なライバルであることは否めません。
     そこで、例えば静岡ベトナム友好協会を設立し、直行便を就航させる土壌づくりをするなど、路線選定をある程度絞りつつ国際交流に係る団体の組織化、活性化を図りながら、官民協力体制を構築していくことも一方策ではないかと思います。国際線就航に係る対応について知事の御所見を伺います。
     次に、防犯まちづくりについて伺います。
     本年四月から県防犯まちづくり条例が施行され、県及び市町村、事業者、民間団体が一体となって進める防犯まちづくりを支える法的基盤が整いました。この条例では、県は国及び市町村との連絡調整のほか、市町村が防犯まちづくりに関する施策を実施しようとする場合には必要な支援を行うこととされております。
     市町村におきましては、これまで一般的に防犯、犯罪対策が市町村の事務であるという認識が薄く、防犯に対応する組織体制が整っていませんでしたが、現在、生活安全に係る条例につきましては、十三の市町村で制定され防犯という文字を冠した係は五市町で設置され、さらに三市におきましては防犯窓口に警察官の派遣が行われる状況となりました。
     住民の安全と安心を確保するためには、地域における良好な組織構築のもとに効果的な取り組みの体制づくりが必要と考えるところであり、防犯まちづくり条例の施行に伴い子供たちからお年寄りまで、地域の安全確保のための自主的な防犯組織体制構築の状況と課題及び支援策について伺います。
     また、県内のコンビニにおきましては、今月から九月まで自主防犯活動――セーフティステーション・トライアルに取り組み、各店舗における防犯意識の高揚や青少年健全育成を図ると聞いておりますが、民間事業者の対応の状況及び連携推進策についてお伺いします。
     次に、国民健康保険制度について伺います。
     現在、少子・高齢化の進行や経済の低迷、国、地方を通じた財政の迫などから、医療保険を取り巻く状況は厳しさを増しています。国民健康保険につきましては高齢者や無職者等の加入者が多く、したがって保険給付額が大きくなる一方で、保険料・税の収入額が伸び悩むという構造的な問題を生じています。
     このような中、国は国保の保険者を市町村から都道府県単位を軸に再編、統合する検討を進めていると聞いています。この趣旨は保険基盤をより広域化して保険者の財政基盤の安定、保険料負担の平準化、事務の効率化を図ることなどであります。
     国保加入者数は年金生活者や会社のリストラによる失業者、フリーターなどの加入に伴い増加しています。歳入面につきましては、保険料・税収入は経済状況の悪化に伴い減少傾向にあり収納率についても年々低下しています。広域化によって被保険者数が多くなると、きめ細かな滞納整理が難しくなり、さらに収納率が低下するなど、収入面において不安要素が多くあり、また保険料・税を支払うことが困難な低所得者数も同様な理由により増加しているため、保険財政安定のため、多くの市町村において、国、県の負担金と保険料・税収入以外に一般財源を投入している現状にあります。さらに保険料・税の単純な平準化は、低所得者層の負担を重くすることとなり問題があると考えるところであります。
     一方、歳出面におきましては、医療費は相変わらず年々増大しており、したがいまして、今後も収入は減少傾向、支出は増加傾向となることが予想され、加えて広域化により医療情報分析をもとにしたきめ細かな保健増進対策などが難しくなること、あるいは高額医療費の償還払いなどに関するサービス面の低下も懸念され、国保制度の将来が危惧されるところであります。
     本来、国民皆保険制度を支える国民健康保険は、国が保険者として運営すべきものと考えるところですが、制度の構造的な問題が解決されないまま単純に市町村から都道府県単位に保険者を移行することについては疑問があります。また将来被用者保険と統合し医療保険制度の一元化という話もある中、県が保険者となった場合の国民健康保険、そして医療保険制度の一元化など、今後の国民健康保険制度に係る所見について伺います。
     次に、環境行政について伺います。
     現在、市町村においては年々増加する一般廃棄物に対応するため、さまざまなアイデアで、ごみ減量やリサイクルを住民に呼びかけていますが廃棄物の量はなかなか減少せず、また新たなごみ処理施設の建設や増改築も思うように進まず、ごみ処理対策に苦慮しています。
     このような状況の中、経済産業省と環境省が連携して事業活動などから出る廃棄物を新たな原料として活用し、あらゆる廃棄物をゼロにするというゼロ・エミッション構想を推進しています。本構想はリサイクルによる資源の有効利用にとどまらず、環境負荷の低減、地球環境の保全などにも資するもので広域エリアでとらえると廃棄物の大幅な減少が図られ、資源循環型の社会形成が可能となる画期的な構想であると考えられます。
     本構想推進のため、地域を単位とした環境まちづくり計画――エコタウン事業が平成九年度に創設され、本年四月現在、北海道や秋田県、千葉県、広島県など二十の地方自治体が指定を受け事業を推進しています。本事業は県単位、あるいは広域エリア単位で家電製品リサイクル施設や廃プラスチック製品処理施設、焼却灰リサイクル施設等建設のほか、さまざまなソフト事業も組み合わせて実施されており、またあわせて農業、畜産、木材等の産業廃棄物の処理も行って、新たな資源循環型の産業創出を目指しています。さらにRDF発電、灰溶融炉施設を中心に、フロン再生施設や廃プラスチック高炉原料化施設等の企業の集積を図っているところもあります。
     エリア内の一般廃棄物及び産業廃棄物をすべてエリア内で処理、リサイクルし地域外に廃棄物を排出しないという本事業のコンセプトは、不法投棄の減少とも絡み、検討、推進すべきものと考えますが本事業の導入など、資源循環型社会形成のための取り組みについて伺います。
     次に、平成十年三月に県ごみ処理広域化計画が策定されたことを受け、平成十三年度までに県下七圏域におけるごみ処理広域化計画が策定されましたが、市町村単独処理に比し建設コストや施設運営経費の削減を図ることができるなど市町村の期待も高いと思われます。本計画の実現に係る現状と課題及び県の対応について伺います。
     次に、障害福祉行政についてでありますが、厚生労働省は今年度の施設整備採択方針において、身体障害者や知的障害者入所施設の新設や定員増を伴う増改築などの整備を行わないこととしました。
     先ごろ、我が会派KEN―MINで福祉施策に係る視察研修を行いましたが、研修先の宮城県におきましては浅野知事が知的障害者施設解体宣言を行うなど、障害福祉行政については、施設から在宅、地域生活へ移行という時代を迎えました。
     しかしながら、我が国におきましては在宅よりも施設にシフトしてきた歴史があり、家庭の事情などで施設入所を望む声もまだまだ強くある中、これからも障害福祉行政の円滑、適切な推進を図るためには、地域における受け皿の整備と住民意識の変換など、地域社会での受け入れ体制の早急な整備が必要であると考えます。特に、障害のある方の地域生活を支える重要な柱の一つが就労支援であり、働きたいという意欲を持つ方に対し、その能力に応じた就労の場を提供し、障害のある方みずからが生活設計できるような就労施策や相談体制の充実策が重要であります。
     障害者授産施設や小規模作業所においては、それぞれ工夫しながら、さまざまな商品を販売しており、県におきましても、これら商品を積極的に購入していると聞いていますが、障害のある方の自立促進、雇用創出のためには、授産振興センターに係る商品の受注促進と販路拡大を一層図ることが必要であります。
     また、障害者支援費制度における財政の行き詰まりや介護保険制度の急激な財政負担増などにより、介護保険制度を高齢者介護から成人者すべてに拡大し被保険者を三十九歳以下に広げるとともに、精神障害者や難病の方なども対象に加えた上、障害者支援費制度と統合するというような制度の改革についても検討されている状況にあります。
     このような中、まず本県における障害のある方の就労支援、相談体制の充実、職業訓練体制の整備など、雇用拡大のための施策について伺います。
     特に、障害のある方の雇用拡大のためのポジティブ・アクション――優遇措置制度については、多くの自治体で検討あるいは導入されており、本県においても検討を始めたと聞いておりますが、その状況と今後の方針について伺います。
     次に、措置費から支援費への移行に伴い、障害のある方が地域で生活できる社会づくりが望まれていますが、実際のところ静岡県の障害福祉はどのように変わったのか、現時点における支援費制度についての評価と介護保険制度との統合についての所見をお伺いします。 
     次に、中心市街地の活性化についてでありますが、空洞化が進行している中心市街地の活性化を図るため、平成十年に制定、施行された中心市街地活性化法に基づき、本年六月現在県内で十八市二町において基本計画が策定され、TMOについては六市において設立されています。
     本法は市町村のイニシアティブにより、市街地の整備と商業の活性化を図ることを目指していますが、商店街がきれいになった、あるいは店がきれいになったというだけでは空洞化に歯どめをかけることはできません。要は地元民に愛され購買される商店街をいかにつくるかということであり、他にない魅力ある商店街、全国に情報発信できる地元らしさをいかに創設できるかがポイントであると考えます。
     県におきましてはTMO支援プロジェクトを立ち上げ、市町村や商工会への説明会、講演会等を実施しているほか、TMO担い手養成事業なども行い支援していますが、複雑な地元の利害関係やさまざまな住民の価値観もあり、順調な事業活動が展開されているとは言えない状況にあると考えます。しかしながら中心市街地の活性化を図るということは、地域の玄関口を明るく元気にするということであり、大変重要な地域振興事業でありますので、国、県の一層の支援を願うところであります。
     中心市街地の活性化促進のためのTMO事業の一層の支援促進策について伺います。
     次に、本年四月に都市再生特別措置法が改正され、従前のまちづくり総合支援事業補助金から、まちづくり交付金への変革がなされました。三位一体の改革に合わせた補助金制度改革の一環と理解していますが、この制度におきましては、まちの再生に係る空き店舗の活用や文化施設の整備、街路整備、あるいは市町村事業としての県道整備など、さまざまな事業を組み合わせて行うことが可能となり、また、市町村が目標設定と事後評価を行うなど、従前のような縛りをかけた補助金から一歩進んだ、市町村の独自性と主体性を尊重した交付金制度が構築されたという感を持っています。
     この新規地区については、本年六月に三島市や富士宮市など県内十二地区が交付の内示を受けたと聞いていますが、本交付金制度は市町村における中心市街地の再生を図る有効な制度であり、本制度が適切に活用されることを期待するものであります。県の考え方と対応を伺います。
     次に、観光立県を目指した取り組みについて伺います。
     二〇〇二年における訪日外国人旅行者数は約五百二十四万人で、日本から海外への旅行者数約一千六百五十二万人の三分の一以下となっています。国は観光立国を目指し、二〇一〇年に訪日外国人旅行者数を一千万人に倍増するという目標を立てていますが、日本においては自然景観や歴史遺産、伝統産業など、外国人が魅力を感じるものも多く存在する一方、宿泊費や交通費が高い、都市景観に魅力がない、宿泊施設が対応できない、外国語の案内がない、というようなことにより、訪日者数が伸びないと考えられ、公共及び民間の投資に加え国民の意識改革ができなければ、目標達成は不可能と思うところであります。
     世界全体では、自国外への旅行者数は二〇〇〇年に約七億人であったものが、二〇一〇年には約十億人に達すると言われており、街の景観づくりや地域の魅力づくり、宿泊施設の対応など、観光産業振興の基盤整備は急務であると考えます。まず海外からの観光客数増加を図ろうとする国の方針をとらえ、国が実施すべき施策と県、市町村が実施すべき施策の役割分担をどのようにお考えか知事にお尋ねします。
     次に、国においては、市町村の外国人観光客誘致活動に対する費用を地方財政措置することとし、市町村独自の活動に対する支援体制を構築して、積極的な取り組みを期待していますが、市町村の対応と県の指導の状況についてお尋ねします。
     次に、首都圏の人々の憩いといやしの場、そして国際的な観光地域として、静岡、神奈川、山梨三県にまたがる圏域の連携と活性化、そして振興を図るため、静岡県二十、神奈川県十、山梨県九の計三十九市町村により、SKY広域圏――富士、箱根、伊豆交流圏が設定されています。今後、一層の観光振興を図るためには、本圏域を核に広域的な連携策が必要と考えますが、SKY広域圏に係る神奈川、山梨両県との連携、協議の状況と対応を伺います。
     また、静岡空港が開設されると観光交流圏域は格段に広まり、本県はまさに観光新時代を迎えることとなりますが、近いうちに到来する観光新時代においては、従来の観光市場にとどまらず、全国を視野に入れた観光交流施策を展開していかなければならないと思いますが、知事のお考えをお尋ねします。
     次に、農業行政についてでありますが、まず花卉の消費拡大策について伺います。
     現在、浜名湖花博が開催されていますが、予想を超える入場者数で大きな盛り上がりを見せており、また関連産業に対する経済効果も多大なものとなることが想定され、大変すばらしいことであると思います。
     さて、本県の花卉生産を見ますとガーベラや切り枝の産出額が日本一、バラやマーガレット、キンギョソウが第二位を占めるなど、全国を代表する花卉生産県であります。一方、花卉の消費の面では、二〇〇三年総務省の家計調査速報によれば、静岡市における一世帯当たり切り花の年間購入額は、八千七百八十四円で全国の県庁所在市中第三十二位、鉢物などの園芸品の購入額は、七千九百二十六円で第十六位となっており全国平均額を下回っています。
     そこで、全国有数の生産県にふさわしい生産と消費のバランスのとれた花卉産業の発展のためには、浜名湖花博を契機として、より一層地域や家庭における花卉の消費拡大を図ることが重要であると考えますが、今後、県はどのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、小規模農地の基盤整備と新規就農者の確保について伺います。
     農業の経営環境が厳しい中、平たん地等の生産基盤の条件が整った優良農地は、意欲ある担い手の経営規模拡大に伴って利用集積が進んでいます。一方、中山間地域等で大型機械の導入が困難、あるいは土地条件や作業条件が悪い小規模農地は、耕作放棄の進行が懸念されていますが、こうした農地も本県の農業生産に欠くことのできない重要な生産基盤と考えます。県は小規模農地の基盤整備にどのように取り組んでいくのか伺います。
     また、新規就農者の確保も大切であります。農業従事者の高齢化や減少が急速に進んでいる中で、農業に関心を示し自分で農業をやりたいと考えている若者や離職者、Uターン志向者等の多様な人材を積極的に受け入れることにより、農業の活性化を図っていく必要があると思いますが、こうした人たちがスムーズに就農するために、今後、県はどのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、道路整備方針について伺います。 
     御殿場市、小山町のいわゆる北駿地域は、静岡県そして富士山への東の玄関口として機能するとともに、神奈川県、山梨県との県際交流や広域地域連携を図る上でも重要な位置にあります。当地域にはプレミアム・アウトレットや富士スピードウエーなど、特徴ある民間の集客施設があり、現在、当地域への年間入り込み客数の総計は一千万人を超えています。さらに、F1レース開催をにらんだ富士スピードウエーのリニューアルも進行中であり、企業の経営努力や設備投資などにより、当地域への来訪者数のさらなる増加が見込まれています。
     現在、当地域へ訪れ、そして、箱根、山中湖方面へ向かう際の交通手段は車によるものが多く、東名高速道路御殿場インター周辺や国道百三十八号、二百四十六号等は休日などには渋滞を来し、また来訪車両は生活道路へも進入し、住民生活に影響が出ている状況にあります。
     当地域が抱える交通問題につきましては、県東部地域や神奈川県、山梨県内の市町村においても共通課題としてとらえられ、第二東名自動車道等沿線地区連絡会や東名高速と中央高速の連絡道路建設促進期成同盟会などの組織を立ち上げ、関係市町村及び地元が一体となって道路整備に係る促進活動を実施していますが、遅々として進まない現状にあります。
     このような道路交通の飽和状態を緩和するとともに、さらなる地域の経済振興と住民の生活安定を図るためには、第二東名や関連する国道、県道、市町村道の整備促進はもとより、まちづくり面からも、道路網の見直しや道路形態の変更等を行い、道路ネットワークの再構築を図ることも必要であると思いますが、当面、当地域の道路整備について、適切かつ迅速に実施していくことが首都圏や甲信越圏域、そして本県との有機的な交通連携施策から勘案しても喫緊の課題であると考えます。県当局のお考えを伺います。
     次に、景観法成立に伴う対応についてですが、国は歴史や文化、風土など地域の個性を重視しながら、美しい国づくりを進めるため美しい国づくり政策大綱をまとめました。これに基づき景観法の制定や屋外広告物法、都市計画法等関係法の改正及び都市緑地保全法改正の、いわゆる景観緑三法が六月十一日に成立したところであります。 
     一般的にヨーロッパなどの町並みに比べ日本の都市景観は劣っていると言われておりますが、この背景には景観形成に対する諸制度の不備に加え、国民の間で都市景観、公共の色彩などに対する認識が低い現状があると考えられます。例えば看板類が無秩序に乱立しており、電線や電柱類も美しい景観を阻害している状況にあると思います。さらに、道路や公園など公共の場へごみのぽい捨てなど、社会道徳意識の希薄さも目立っています。
     美しいまちづくりには、公共建築物のみならず一般建築物から個人住宅まで、庭や塀、外壁、屋根など、外部から見えるものすべてが公共の景観であるという住民の認識が必要であると思います。国民、県民の意識を改革し良好な都市景観形成をもとに、さらに自然景観や伝統的建造物などを保全し、あるいは、特定地域を美しい町並みとして保全して県外の人たちや外国人からも静岡県に訪れてみたい、住んでみたいと思われる県土づくりを図ることが必要であると考えます。子々孫々によい景観を残し静岡県の新たな歴史をつくるため、景観法の成立を踏まえた県の対応についてお尋ねします。
     最後に、教育行政について教育長に伺います。
     まず、学校教育と社会教育の融合についてですが、子供たちを健やかに育てるためには、学校内外における学校と地域、企業などとの連携や相互の協力体制が重要であると思います。子供たちが社会の場におけるボランティア活動や文化、スポーツ、地域活動などさまざまな活動を通じ、年代を超えた多くの人たちと直接交流し社会学習することにより得るものは多大です。一方、学校の安全という課題はあるものの、学校の中へ地域の人たちが入り子供たちと一緒になって活動することも、大変意義あることであると思います。
     学校週五日制も完全施行されてから丸二年が経過した中、社会教育の分野においては、子供たちから高齢者までを対象にしたさまざまな事業を計画、実施していますが、特に中学や高校においては、子供たちの学校外活動への参加について学校はノータッチ、あるいは無関心、消極的という声を聞きます。そして学校の壁が低くならないという声も聞こえてきます。
     子供たちが社会の一員であるという自覚を持ち、人間性や協調性、自主性、創造性を養い、生きる力をはぐくむためには、学校教育と社会教育の融合施策を教育委員会及び学校サイドからも積極的に促進する必要があると考えますが、お考えと対応を伺います。 
     次に、英語教育についてですが、日本においては、単純に言えば英語の勉強を中高六年間行っているにもかかわらず英会話能力が備わりません。ますますグローバル化、国際化、あるいは知識社会化していく状況の中で、外国の人たちと自由に会話ができるということは大変重要なことであると思いますが、英語教育について日本が目指すところは筆記試験のための英語なのか、あるいは聞き話しコミュニケーションを図るための英語なのか、議論が分かれるところであると考えます。
     国においては、英語が使える日本人育成プログラムの策定や小学校における英語教育についての検討を始めるようですが、私は英語教育については今のような文法主体ではなく、まず聞くことができる、次に発音できる、そして話せるというところから出発することが必要であると考えます。
     県内の多くの小中学校で総合学習への英会話の取り込みや教育研究が行われていますが、ALTについては県費による配置数が減少し、したがって、市町村で増員を行っているところも多くあります。また市町村単独事業として英会話の教育研究を行っている学校もあると聞いておりますが、本県の英語教育の充実についてお考えと対応を伺います。
     次に、ただいまもお話がありましたが、長崎県内の小学校で少女が同級生をカッターナイフで切りつけ殺害した事件については、インターネットにおける掲示板のトラブルがあったとされています。子供たちのパソコン利用につきましては、学校等の努力により、利用に係る技術習得は進んできていると考えますが、反面、このままいくと周囲の人と直接会話をせずにメールのやりとりで話をしたいという、会話レス指向の子供が育つようになってしまうのではないかという懸念があります。
     メールのやりとりは一見コミュニケーションが図られているように見えますが、実は相互に自分の主張を一方通行で発信しているため、文面によっては相手を傷つけたり、自分の考えが曲折して伝わるなど誤解を生じやすいものであり、まして掲示板は多くの人が見るため感受性の強い子供にとっては、内容により、心に大きな傷を負うことになりかねないと思います。
     子供たちの成長過程においては、相手の目を見て話を聞く会話をするということから、他人を思いやる心、協調心が生まれると思うところであります。今回のような不幸な事件が二度と発生しないよう、子供たちの協調性を養い、他人を思いやる心を育てるためのコミュニケーション能力向上のための教育について御所見と対応を伺います。
     次に、青少年の健全育成について伺います。
     青少年の健全育成については、各市町村教育委員会において警察やPTA、学校などと連携し補導活動等を実施しておりますが、有害図書等自動販売機については、業者と土地所有者との契約がなされると青少年に悪影響を与えるものであっても設置され、結局撤去が難しくなると聞いています。青少年に悪影響を与える自動販売機の設置について、業者や土地所有者への対応を伺います。
     以上で質問を終わります。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)
    ○副議長(八木健次君) ここであらかじめ会議時間を延長します。
     石川知事。 
           (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事(石川嘉延君) 池谷議員にお答えいたします。
     初めに、私の政治姿勢についてのうち、国庫補助負担金改革についてであります。
     国から地方への税源移譲の前提として、地方六団体に対し国庫補助負担金改革の具体案の取りまとめを八月二十日までに示すよう要請されておるところであります。きょうも副知事が議会への欠席を認めていただきまして、東京で開かれております全国知事会議に出席していますが、その場でもこの問題が議論されているところでございます。このような場に対して、私はこれまでも場において積極的に発言してまいりましたが、その基本的な考えは特定地域や特定期間における臨時、巨額の財政需要に対するものを除いて、国庫補助負担金は原則として廃止すべきであるということを主張してまいりました。
     特に、そういう原則の中で全体の国庫補助負担金は十八兆円にも上っておりますが、三位一体改革で考えておる対象の金額は四兆円と言われております。既に十六年度で一兆弱の国庫補助負担金の廃止がされましたので、残る金額は三兆円ということになります。したがって、十八兆にも及ぶ国庫補助負担金の中に三兆円取り出すその優先順位ですね。何から対象にするか、これがいろいろ議論の焦点になっておるわけでございます。その際には、私は当然のことながら、地方の自由度の拡大につながるようにその補助金を拾い出してくるべきだという考えでありますから、そういたしますと、当然のことながら奨励的補助金とか公共事業関係の補助負担金などを優先して、まずは拾い上げてくるべきだということになると主張しているところでございます。
     しかし、その議論の過程で公共事業関係の補助負担金については、国においては建設国債を財源としておるので、税源移譲の対象にはならないという意見というか見解が、国の公共事業担当省あたりから非常に強く出されております。しかし、この建設国債を財源としておっても、その建設国債の償還は最終的には税で賄われるということになるわけでありますので、償還という時点というか、そういう経路を考えていきますと税源移譲の対象にしないのはおかしいというふうに考えるわけです。
     そういうようなやりとりなどを踏まえながら、目標としては税源移譲が三兆円というふうに政府の方から地方六団体に対して提示をされておりますから、三兆円の税源移譲に見合うように対象となる事業を選び出していかなきゃなりません。そういうふうにしてまいりますと先ほど申し上げました奨励的補助金では、全部を洗い出しても合計で一兆四千億ぐらいにしかならないというふうにも見積もられます。したがって、両方合わせても一兆四千億ですので、残り一兆六千億に見合う補助金をどのように選抜するか、そういうことになった場合には、この公共事業関係の補助負担金以外にも、例えば義務教育費国庫負担金なども、場合によって対象にせざるを得ないとなったときには、その中のどのような費目を対象にするかというようなこともあわせて議論をし、いろいろ選択肢をたくさん持った上で、国との対応に臨まなければいけないというふうに考えております。
     今後、全国知事会そしてさらに他の連携団体である市長会、町村会、あるいは三議長会ですね、それらとの間でもいろいろ意見調整をこれからされることになると思いますが、最終的な結論がまとまる過程において、積極的に私も発言をし、最初に申し上げました地方の自由度の拡大につながるような結論が得られるように、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
     国と県の役割の見直しについてであります。
     国は、外交、防衛等の国家の存立に係る事務や経済、金融などの全国的に統一して行われるべき諸活動に力を傾注し、本来担うべき役割を果たすことに専念すべきだと思います。
     一方、県は地域に関する事務のうち、市町村を包括する広域の団体として、広域事務、市町村の連絡調整及び補完事務、そして高度専門的な事務を担うべきものと考えております。緊迫する外交、防衛問題や持続的な国家経済、社会づくりなど重要課題への的確な対応が求められる今日、国は地域に関する権限を思い切って地方に移譲すべきであると考えます。このためには、これまで国が行ってきた地域に関する事務の受け皿の用意も必要ではないかと考えるわけでありまして、そういう点で考えますと現在の都道府県制度だけでは、その的確な受け皿になり得ないというふうにも感ずるわけでございます。
     そういう意味で、私は一定規模以上の現在の県を想定して、現在ある四十七県を半分ぐらいの数に集約するということになりますと当然合併というようなこともその中には入ってまいるわけでありますが、そういう合併等を通じて現在の半分ぐらいの程度の都道府県に集約をして、そういう県に対して、国の地方出先機関の持っております事務と財源とそして人材も、そのような再編成成った都道府県に事務、権限、人材を移していく、そういうことを提唱しておるわけであります。
     その再編成成った県のことを私は現に今の都道府県との区別をする意味で政令県と称しているわけでありますが、静岡県は四十七県中十番目の人口規模でもありますし、面積で考えても十五、六番目、少なくとも十三番目か十四、五番目にはランクしますので、静岡県の場合には、そのままでも政令県の資格があるのではないかというふうに考えておりますが、そういう前提の上に、その政令県構想というものを想定をして提案しているところでございます。
     第一次の国の地域再生特区制度の中では、静岡県の提案は採択されませんでしたけれども、少し中身の手直しをして第二次募集にも応募しているところでございます。この私の提案は、現状の国、県、市町村の制度を相当程度改変することになりますので、そう簡単に受け入れられるとは思いませんけれども、こういうことを提案して、これをどう扱うかによって、政府における地方分権への取り組みの熱意とか意欲を推しはかる、いい材料になるんじゃないかと。また、こういうことをたびたびいろんな機会に発信することによって、国民的な関心と支持が得られるならば、やがてはこういうことを中心とした都道府県のあり方の改変が、そう遠くない先に実現するんじゃないかと、そう期待をしながら取り組んでいるところでございます。
     次に、市町村合併についてでありますが、現在進行中の市町村合併、いわゆる平成の大合併とも言われるこの合併は、来年度中――平成十七年度中には、この合併が始まりますまでの本県の市町村の数、七十四ありましたが、これが半分ぐらいに集約されるものと見込まれております。しかし、今の過程の中で話し合いが始まったけれども、テーブルについたけれども、なかなかゴールに至らないという団体もございまして、これらは現行の合併特例法の失効後も引き続き合併に向けての話し合いが継続する可能性も見えております。そういたしますと新たにできました法律なども活用しながら、合併の作業は引き続き展開をされるわけでありますので、県としても引き続き全面的に合併がうまくでき上がるように、各種の支援を講じてまいる考えであります。
     加えて、平成十七年度以降につきましては、さきの通常国会で知事の合併の勧告権も新たに制度化されました。この発動については、総務大臣が定める基本方針に基づいて具体的な発動がされるということになりますので、その方針の決定、来年度早々になると思いますけれども、その方針の内容を見て具体的な発動方針については定めてまいりたいと考えております。
     次に、防災対策についてのうち、被災者の居住安定支援制度についてであります。
     本県がかねてより国に要望してまいりました、自然災害に伴う住宅喪失をした被災者に対する居住安定支援制度につきましては、とりあえず先ごろの国会で被災者生活再建支援法の一部改正が成立して、ことしの四月一日から運用されております。しかし、この内容を見ますと、かねてより国に要望してまいりました住宅本体の建築費は支援対象経費に含まれておりません。対象となりましたものは、住宅本体の建築をするに際しての住宅ローンの利子でありますとか諸登録手数料でありますとか、あるいは瓦れきの撤去費などの関連経費のみが対象になっております。
     それすらも対象になっていなかった、少なくとも住宅再建支援の制度がなかったときと比べれば前進でありますので、これはこれでひとまず評価をして一定の対応をするということで、四十七県中四十六県は今そういう前提で対応することになっておりますけれども、今後、今回の法律改正に当たっては、施行後四年をめどとして制度の見直しを行うなどの附帯決議がされておりますので、その附帯決議に期待をかけまして、今後、知事会を中心として住宅本体の建築費や補修経費を支援対象経費とするように、いろいろ案を練って国に働きかけてまいる考えでございます。
     次に、少子化対策についてであります。
    我が国では昭和四十六年からの第二次ベビーブーム以降、少子化が急速に進行しておりますが、この傾向は本県においても同様であります。池谷議員のお話にもありましたように、本県は全国平均値と比べると若干その低下傾向が緩いというわけでありますけれども、ほんのコンマ二けた以下の差でありまして、そんなに楽観できる数字ではないと思います。
     問題は、この低出生率がこのような勢いでずっと続いていきますと労働力の供給や経済成長、社会保障制度の維持など大変大きな社会的な悪影響が発生するものと認識をしておりまして、昨年七月に成立をいたしました少子化社会対策基本法及び次世代育成支援対策推進法を踏まえまして、全庁的に行動計画の策定に取り組んでいるところであります。
     これまでにも、少子化対策はエンゼルプランなどによって各種の施策を行ってまいりました。しかし、それにもかかわらず下げどまりの傾向が見られません。したがって、今後、今の二つの新しくできた法律に従った行動計画の策定に当たりましては、地域の皆様のお知恵をかりて、より実効性のある内容にしなきゃいけないということで、現在、子育て関連施設の訪問やタウンミーティングなどを行って広く御意見を伺っているところでございます。
     子供は社会の宝、国の宝であります。子育ては未来の日本を支える人材を育てることでありますので、企業や地域の皆様との協働によりまして、出産、育児等のライフステージに応じたきめ細かな施策が必要だと考えます。そしてまた、その充実が必要だと考えますので県民各方面の御理解、御支援をいただきながらいい案をつくり、展開をしてまいりたいと考えております。
     次に、静岡空港についてのうち、反対地権者との話し合いの状況と今後の対応であります。
     静岡空港の土地の所有者、静岡空港建設対象事業地に係る地権者との今まで話し合いの問題でありますが、残念ながら四世帯の方々とはなかなかうまい話し合いができず、理解もいただけないまま今日に至っております。去る五月にも手紙で話し合いを呼びかけたところでありますけれども、返事もいただけず大変厳しい状況でございます。
     今後も地域の皆様を初めとして、いろいろな方面の方々のお力添えをいただきながら、話し合いの場設定に向けて鋭意努力をしてまいりますが、そういう努力にもかかわらず、なかなかこの用地問題に話し合いによる解決がつかないという場合には、そういう状態が続いてまいりますと、平成十九年の春の開港という目標も実現がおぼつかなくなるわけであります。したがって、そういうことから工事期間その他いろいろ逆算してまいりますと、ことしの秋の終わるころまでには、土地収用法に基づく事業認定申請の判断をせざるを得ないものと考えておるところでございます。
     しかし、そのような判断をし、あるいは判断に基づいて手続を開始したといたしましても、話し合いによる解決の道は制度的にも閉ざされているわけではございません。したがって、一方でそのような手続の進行と並行して、さらに話し合いによる解決に向けて最大限の努力も継続する考えでございます。
     次に、観光立県を目指した取り組みについてであります。
     本県は、毎年延べ人数で一億三千万人前後の人々が訪れる全国有数の観光県でございます。今後、静岡空港が開港いたしますと国内外からの本県へのアクセスは飛躍的に向上いたしますので、これを絶好の機会ととらえ、誘客活動を積極的に展開してまいります。東アジア地域の経済発展や中国から日本への団体観光ビザ解禁地の拡大などを背景に、大幅な伸びが期待される外国人観光客の来訪については、本県へのその流れを呼び込むためのさまざまな広域的なツアールートづくりや海外へのセールス活動、これが必要だということで隣接県などと連携しながら、いろいろ取り組んでおるところでございます。
     また、外国人訪問客にとって、もてなしの心にあふれた魅力ある観光地であることが重要でありますので、これについての地方財政措置もされておりますので、市町村に対しましても、外国人観光客受け入れに向けた取り組みを支援しているところでございます。
     一方、国内の観光市場につきましても、静岡空港の開港を視野に入れて、本年度から北海道などの国内遠隔地を対象とした誘客活動を展開することとし、観光客のニーズの把握、魅力ある旅行商品の研究、効果的な情報発信などに取り組むとともに、富士箱根伊豆交流圏の連携を一層密にして、観光情報の発信や観光ルートづくりなどを進めてまいります。
     これまでにも、富士、箱根、伊豆を取り巻く市町村と三県とのサミットなどにおきましても、この外国人はもとより国内遠隔地の方のこの地域への誘引、これについては大変共通して強い関心のテーマとなっておりまして、いろいろ作業もしてまいりました。今後とも連携を一層強めて、実効が上がるような方策を練り上げてまいりたいと考えております。
     その他の御質問については関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長(八木健次君) 橋本総務部長。
    (総務部長 橋本嘉一君登壇)
    ○総務部長(橋本嘉一君) 防災対策についてのうち、初めに、総合防災訓練についてお答えいたします。
     九月一日の今年度の総合防災訓練は、国の本部運営訓練に連携し、本年一月五日から施行された東海地震に関する新たな情報体系に基づき、東海地震観測情報の発表段階から、発災初期の応急対策までを想定した訓練を実施することとしております。午前中には本部、支部の運営訓練などを行い、午後には、御殿場市及び小山町をメーン会場に国、県、地元市町、防災関係機関、自主防災組織、事業所等が参加して、避難誘導、救出救助、復旧活動などの実働訓練を実施いたします。
     特に今回の訓練では、昨年十二月に策定された国の東海地震応急対策発動要領に基づき、航空機等を使った重症患者の広域搬送や自衛隊、緊急消防援助隊、広域緊急援助隊等の広域応援の受け入れなど、国と連携した訓練も実施する予定であります。今回の総合防災訓練を通じて、防災関係機関の連携強化、地域の防災体制の確立、県民の防災意識の高揚などが図られるよう、現在、御殿場市、小山町、国、関係機関等と協議しながら、訓練内容の細部について調整しているところであります。
     次に、国民保護法への対応についてであります。
     国民保護法においては、「政府は、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護するために実施する措置の重要性について国民の理解を深めるため、国民に対する啓発に努めなければならない」と規定されております。県といたしましても、法律の目的や国、県、市町村等の責務、国民の協力、避難、救援に関する措置などについて、県民の皆様に理解していただくことが重要であると認識しており、今後、市町村等に対する説明などを行ってまいりたいと考えております。
     次に、自衛隊等との連携についてでありますが、今後、国において国民の保護に関する基本指針が取りまとめられ、これを受け県といたしましても、住民の避難、救援などに関する国民保護計画を策定することになります。その策定に当たっては、諮問機関として国民保護協議会を設置する予定であり、その委員として、自衛隊、警察、市町村等の関係機関にも参加していただくこととしております。
     財政負担に関してですが、住民の避難、救援に関する費用、要請に基づき協力した国民が死亡、負傷した場合の損害補償については、原則として国が負担することとなっており、また復旧に係る費用については、国が必要な財政上の措置を講ずるものとされております。
    ○副議長(八木健次君) 後藤生活・文化部長。
           (生活・文化部長 後藤和英君登壇)
    ○生活・文化部長(後藤和英君) ユニバーザルデザインの推進についてのうち、初めに、ユニバーサルな交通社会実現についてお答えいたします。
     県ではユニバーサルデザイン行動計画に安全で快適な歩行空間の整備などを掲げ、人に優しい歩道の整備など、ユニバーサルデザインの具体化を図っております。狭隘な歩車道等の整備に当たりましては、市町村や地域住民の要望に応じて必要性や緊急度など諸事情を検討し、電柱等の移設による有効幅員の確保などさまざまな手法により、個別に対応しているところでありますが、民有地の借り上げにつきましては、長期的かつ安定的に供用するため、権利関係などの条件整備等が必要であると考えております。
     いずれにいたしましても、地域住民がさまざまな意見を出し合って協力し、合意形成を図っていく過程がユニバーサルデザインの理念にかなうものでありますことから、県といたしましては、こうした過程を大切にして、ユニバーサルな交通社会づくりの実現を目指してまいります。
     次に、視覚障害者に対する総合カードシステムについてであります。
     障害のある方が携帯するカード型の送信機が、国の日常生活用具給付対象品となっており、県におきましても市町村等を通じて、その利用を呼びかけているところであります。また、いわゆるハートビル法などの基準により、公共施設等への音声誘導装置の設置などに取り組んでいるところであり、公安委員会においては、交差点などで安全な横断情報を提供するため、この送信機に対応する信号機の増設を行う、あんしん横断支援システムの整備を進めております。
     これらの移動支援システムは、視覚に障害がある人の安全性や利便性を向上させ、自立と社会参加を進める上でも有効であることから、市町村や施設設置者、視覚障害者団体等とも連携しながら、普及を図ってまいりたいと考えております。
     次に、防犯まちづくりについてであります。 
     県では昨年度実施した県内五つのモデル地区での安全・安心ネットワークづくりの成果をもとに、マニュアルやパンフレットを作成して、地域自治会等への普及を図るとともに、地域防犯活動事業費助成制度を創設し地域ぐるみの自主的防犯活動を促進、支援しております。既に十三市町の二十五地域から助成制度への要望が上がっているなど、地域住民による自主的防犯組織の構築は着実に進んでいると考えておりますが、地域住民の活動を支える市町村の体制整備につきましても県が蓄えたさまざまなノウハウを生かして積極的に支援してまいります。
     また、民間事業者の対応につきましては、コンビニエンスストアーの取り組みのほか、既に昨年十月の県民会議の設立総会において、タクシー協会、トラック協会、警備業協会など、営業車両を多数保有する六つの事業者団体との間で覚書を取り交わし、犯罪や不審者を目撃した際の一一〇番通報への御協力をいただいておりますが、その後、新たに加わっていただく企業も出るなど、取り組みも拡大しております。
     今後、企業みずからの防犯対策の推進と地域の自主的防犯活動への協力に一層の理解を求めるとともに、条例に規定された事業所ごとの防犯責任者の設置が早期に進むよう、職場防犯管理協会とも連携して職場防犯リーダーの養成を図ってまいりたいと考えております。
    ○副議長(八木健次君) 花森企画部長。
           (企画部長 花森憲一君登壇)
    ○企画部長(花森憲一君) 静岡空港についてのうち、初めに、空港を拠点とした地域振興策についてお答えいたします。
     空港周辺は会議場や見本市会場、ショッピング施設などさまざまな施設が想定されます。例えば、イギリスのバーミンガム空港の近くにはコンベンションセンターが、羽田空港ターミナル「ビッグバード」内にはショッピングモールがあります。これらの施設は飛行機を利用する人だけでなく、会議などのビジネス客、あるいは食事や買い物などで時間を過ごすことが目的の人々も集まっております。
     静岡空港におきましても人や物が集うためのさまざまな機能集積を誘導することによりまして、空港そのものの魅力が高められ、周辺地域の活性化も考えられますので、今後このような先進事例を参考にしながら、空港を拠点とした地域振興策について研究してまいりたいと考えております。
     次に、国際線就航への対応についてであります。
     静岡空港の国際線については、経済、文化などの面で今後急速な交流の拡大が予想されますアジア地域を中心に、九路線での就航が可能と見込んでいるところであります。これらの国や地域に対しましては、これまで県民参加による国際チャーター便を運航し、静岡空港からの航空需要をアピールするとともに、路線開設の働きかけを精力的に行ってきております。今後、国内外の航空会社に対しまして、引き続きさまざまな機会をとらえ、きめ細かな情報提供や働きかけを行うとともに、民間団体などとも連携を図りながら、開港当初からの国際線の開設に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えております。
    ○副議長(八木健次君) 川口健康福祉部長。
           (健康福祉部長 川口正俊君登壇)
    ○健康福祉部長(川口正俊君) 国民健康保険制度についてお答えいたします。
     国民健康保険は議員御指摘のように高齢者と低所得者の集中が進み、医療費が増大していく中で、保険料収入は年々低下しているといういわゆる構造的な問題を抱え、財政運営は極めて厳しい状況にあります。このため国においては平成十五年三月に医療保険制度体系及び診療報酬体系に関する基本方針を閣議決定し、現在、改革に向けて検討を行っているところであります。
     この基本方針の中で、国民健康保険については、保険者を都道府県単位に再編統合するという考え方が示されていますが、単に保険者の規模を拡大しても構造的な問題は解決できず、また保険者を都道府県にしても財政責任を都道府県に移すだけであり、適当な方法であるとは考えられません。したがいまして、全国知事会においても安定的で持続可能な医療保険制度を再構築するため、全国レベルでの一元化に向け、その具体的な道筋を明らかにするよう、国に対して要望しているところであります。 
     次に、障害者福祉行政についてのうち、障害者支援費制度の評価と介護保険制度との統合についてであります。
     支援費制度は障害のある方の自己決定を尊重し、利用者本位のサービスの提供を基本としたものであります。制度施行後、居宅生活支援事業者が一・三倍に増加するとともに、ホームヘルプサービスの利用時間数が約一・七倍になるなど、県内の在宅サービスの利用は大きく伸びており、障害のある方の自立した生活を促進するという観点から大きな前進であると考えております。
     また、支援費制度と介護保険制度との統合については、国において、身体、知的障害に精神障害のある方も含めた三障害共通の枠組みの必要性や安定的な財源の確保、国民の共同連帯などの観点から、給付と負担のルールが明確な介護保険制度の仕組みの活用を検討している状況にあります。県といたしましては、障害のある方が安心して必要なサービスを利用できるような制度とすることが重要と考えており、障害者団体や地方自治体等の関係者の意見を十分に踏まえて議論が進むことを望んでおります。
    ○副議長(八木健次君) 花岡環境森林部長。
           (環境森林部長 花岡志郎君登壇)
    ○環境森林部長(花岡志郎君) 環境行政についてのうち、初めに資源循環型の社会形成についてお答えいたします。
     大量消費を前提に物を使い捨てる大量廃棄社会から、限りある資源を大切に活用する資源循環型社会への転換が求められており、県では平成十二年九月に関係部局から成る循環型社会形成推進連絡会を設置し、資源の有効利用について総合的に推進しているところであります。
     これまでもリデュース、リユース、リサイクルの三つのRの推進を基本に普及啓発に取り組んでまいりましたが、ことし十月に本県で開催される、ごみゼロ推進全国大会を契機に、一層の徹底を図ってまいりたいと考えております。また資源を多量に消費する工業団地のゼロ・エミッション化の支援などを行ってまいりましたが、昨年度は新たに複数の事業所で埋め立て処分量ゼロ、焼却量ゼロ、あるいはリサイクル率一〇〇%といった実績が報告されるなど、資源循環の取り組みが着実に広がりを見せております。
     今後も環境と調和したまちづくりを積極的に進める中、県内で発生する廃棄物の県内処理を目指して、静岡県ゼロ・エミッション事業を推進し、快適環境空間「しずおか」の創造に向けて努力してまいります。
     次に、ごみ処理広域化計画についてであります。
     この計画は平成二十九年度を目標に、県内七圏域において、近隣市町村が連携して焼却施設などを集約化し、広域的なごみ処理体制の整備を図るものであります。現在、各圏域において、それぞれの計画に基づき、処理施設の立地場所の選定や先進的なごみ処理システムの構築など、計画の具体化に向けて検討が進められておりますが、南伊豆圏域ほか三圏域では広域化によるごみ処理が実現するまでの段階的な対応として、圏域内の一部の市町村による共同処理施設の建設計画が進んでおります。
     また、広域化計画の推進に係る課題といたしましては、まだ計画が十分に固まっていない一部の圏域があることのほか、圏域の枠を超えた市町村合併の動きや施設の建設候補地の地元調整などがあります。県といたしましては、広域化計画に基づくごみ処理体制の整備が円滑に進められるよう、圏域ごとの協議会の場で調整、指導を行うとともに、市町村合併の動向など社会状況の変化に対応した広域化計画の柔軟な見直しについても検討を行い、計画の実現を支援してまいります。
    ○副議長(八木健次君) 梅田商工労働部長。
           (商工労働部長 梅田正雄君登壇)
    ○商工労働部長(梅田正雄君) 障害福祉行政についてのうち、障害者雇用促進策の現状と方針についてお答えをいたします。
     県では障害のある方の社会的自立を図るため、さまざまな就労支援事業を実施しているところでありますが、本年度は職場への定着を支援するため、ジョブコーチによるサポートを拡充するほか、就労相談体制を充実するため就労支援と日常生活上の相談等を一体的に行う障害者就業・生活支援センターを増設したところであります。
     また、本年度から新たに雇用機会の拡大を図るため、求人開拓員を配置し就職先を拡大するとともに、清水テクノカレッジにおいては、知的障害者を対象とした訓練を開始することとしております。さらに国際アビリンピックやそれに向けてのイベントの開催により、企業の障害者雇用を高めるための意識啓発にも努めてまいります。
     なお、ポジティブ・アクションにつきましては、県の物品の購入や建設工事等の入札などにおいて障害者雇用企業を優遇することとし、来月八月から順次入札制度ごとに優遇策を実施することとしております。今後とも労働局など関係機関と連携をして、これら就労支援策を総合的に展開し障害のある方の雇用の促進を図ってまいります。
     次に、中心市街地の活性化についてのうち、TMOの支援についてであります。
     TMO事業は市町村や商工団体、商業者、市民、NPO等の関係者が一体となって地域の主体性と自主性を発揮しつつ、計画づくりから事業の実施へと具体的に取り組んでいくことが重要であります。県では各地域で開催されるワークショップ等に職員を派遣し、関係者に全国の先進事例やノウハウを提供するとともに、事業を円滑に実施するためのアドバイスを行うなど、側面から支援しております。
     しかしながら、各地でさまざまなTMO事業が展開されている中で、今日的な課題といたしまして市民への広報、地元関係者との連携や事業活動をリードする人材などの不足、さらには、地域の歴史文化を活用したまちづくり意識の欠如などが挙げられております。このため県といたしましては、本年度全国でTMO事業を成功に導いている指導者から具体的な助言を受ける機会を設けるほか、人材の育成やTMOとNPO関係者等との連携強化を図るための体制を整備し、より一層の支援に取り組んでいるところであります。 
    ○副議長(八木健次君) 田邉都市住宅部長。
           (都市住宅部長 田邉義博君登壇)
    ○都市住宅部長(田邉義博君) 中心市街地の活性化についてのうち、まちづくり交付金制度の活用についてお答えいたします。
     まちづくり交付金は本年度から国が全国の都市再生を支援するための重点施策として、市町村の自主性、裁量を高めた新たな助成制度を創設したもので、地域独自の方法でその地域が抱える課題を解決し、地域経済、社会の活性化を図ることを支援するものであります。
     この交付金は景観やユニバーサルデザインに配慮した歩行者空間やポケットパークの整備、電線類の地中化などに加え、交流、観光拠点としての空き店舗活用や地域の創意工夫を生かしたまちづくり活動など、中心市街地の活性化等を図るための幅広い事業を交付対象としております。今年度新規採択された地区にも、住民と協働して行う歩いて楽しいまちづくりに向けての事業などが含まれております。
     県といたしましては、これらの事業を効果的に組み合わせて実施することにより、中心市街地の活性化にも大きく寄与するものと考え今後とも引き続き市町村への制度説明や情報提供を積極的に行うとともに、地域の課題解決に向けて、市町村が本制度を有効に活用できるよう支援してまいります。
     次に、景観法成立に伴う対応についてであります。
     本県には我が国を代表する富士山を初め、旧東海道の町並み、河川や湧水などの水辺、中心市街地のにぎわいのある町並み、緑豊かな住宅地など多様ですぐれた景観が存在する一方で、違法広告物や電線類など景観を阻害する要因も数多い現状にあります。すぐれた景観は本県の重要な財産であり、すぐれた景観を保全、創出することは極めて重要な施策であると考えております。
     このため県では、昭和六十二年度から景観形成ガイドプラン、景観形成推進の手引きや助成制度により、市町村の景観行政を支援し、これまで県内八市町が景観条例を制定するなど、地域の特性を生かした景観行政に取り組むとともに、屋外広告物条例による規制、都市計画の地区計画による良好な町並みの誘導、幹線街路における電線類の地中化、都市景観賞による県民への普及啓発などの景観政策を進めてきたところであります。
     今般、景観が国民共通の資産であるという理念を規定し、景観計画を定めることにより、各種の規制、誘導手法が可能となる景観法が成立したことから、本県の景観施策を一層充実できる機会ととらえ、それぞれで景観形成を進めている庁内関係部局や市町村と連携し、県民の意識の向上に努め景観施策のさらなる推進方策について検討してまいります。
    ○副議長(八木健次君) 北村農業水産部長。
           (農業水産部長 北村正平君登壇)
    ○農業水産部長(北村正平君) 農業行政についてのうち、初めに、花卉の消費拡大策についてお答えいたします。
     本県では、平成十一年から取り組んでまいりました花咲くしずおか県民運動により、花と緑による駅の装飾や花いっぱいコンクールの開催、花壇づくりアドバイザーの養成などを進め、花と緑に触れ合う場の提供や快適な環境づくりへの意識の高揚を図ってまいりました。また現在開催中の花博では、工夫を凝らした花の装飾やガーデニング技術、彩り豊かな新品種の紹介等により、花と緑を取り入れた新たなライフスタイルの提案が行われております。
     これらの取り組み成果を継承し発展させ、家庭や地域、職場に花と緑のある文化を根づかせることが重要であります。このため、県内の各事業所や学校などに広がりを持たせた花咲くしずおか県民運動の新たな展開や花による装飾を生活文化として普及させていくフラワーメッセの開催、県内の花卉関係団体で組織している花卉消費拡大推進協議会を中心とした宣伝活動の強化などにより、一層の消費拡大に努めてまいります。
     次に、小規模農地の基盤整備と新規就農者の確保についてであります。
     中山間地域等の小規模な農地の基盤整備においては、地域の創意工夫によるグリーンツーリズムや特産品開発などの活動と連携していくことが大切であります。このため県では中山間地域総合整備事業などを活用し、これらの地域の活動を支援する交流施設や生活環境及び生産基盤の一体的な整備を積極的に推進しております。さらに住民みずからが直接施工する方式などにより、地域の特性を生かした生産基盤整備に努めてまいります。
     新規就農者の確保につきましては、平成五年度から全国に先駆け新たに農業を志す人材に、先進農家での技術研修や農地のあっせんを行うニューファーマー養成事業に取り組んできた結果、意欲的な農業者が多数誕生するとともに、県内各地で農業への新たな参入者を歓迎する機運が醸成されてまいりました。また農業の法人化が進んでいることから、今年度創設したがんばる新農業人支援事業によるニューファーマーの養成に加えまして、農業法人への就業を促進し、農業に魅力を感ずる多様な人材の確保に努めてまいります。
    ○副議長(八木健次君) 櫻井土木部長。
           (土木部長 櫻井克信君登壇)
    ○土木部長(櫻井克信君) 道路整備方針についてお答えいたします。
     御殿場・小山地域におきましては、県内外との広域交流の促進や災害時の交通確保の観点から、国と連携して幹線道路の整備などを進めているところでありますが、富士スピードウエーの規模拡大により、新たに発生が予測される交通渋滞の対策も課題となっているところであります。
     現在、国では国道二百四十六号の御殿場市古沢から約二・八キロメートルの区間の四車線化工事を今年度完成予定で進めるとともに、国道百三十八号の御殿場市水土野から約四キロメートルの区間のバイパス整備に向けた調査を実施しております。また県では県道山中湖小山線の小山町藤曲と湯船地区の合わせて約二・二キロメートルの区間や県道御殿場大井線の県境部付近で約一・二キロメートルの区間の整備を進めております。
     県といたしましては、首都圏との交通円滑化や交通渋滞対策を図るため、県道山中湖小山線を延伸し、国道二百四十六号中島インターチェンジに直接接続させることを検討するとともに、現在調査中の国道百三十八号御殿場バイパスの早期工事着手などを国に働きかけてまいります。
    ○副議長(八木健次君) 鈴木教育長。
           (教育長 鈴木善彦君登壇)
    ○教育長(鈴木善彦君) 教育行政についてのうち、初めに、学校教育と社会教育の融合についてお答えをいたします。
     急激に変化している社会に生きている子供の健全な育成を図るためには、社会全体で子供たちを育てていくことが必要であり、学校教育と社会教育の連携、融合を促進することが重要であると考えております。
     そのため、県教育委員会では、学校と地域をつなぐコーディネーターとして、すべての学校に生涯学習担当を設置し、学校外の学習情報の収集と提供、地域社会の教育資源の活用、学校の施設、人材の提供などに積極的に取り組んでおり、中高生が公民館祭りやボランティア養成講座などの地域活動に積極的に参加している例もあります。今後とも子供たちを健やかに育てるために、より一層学校教育と社会教育が連携、融合した施策を展開してまいりたいと考えております。
     次に、英語教育の充実についてであります。
     英語教育においては文法の理解や読解力はもとより、実践的コミュニケーション能力の育成が極めて重要であると考えます。本県でもペアによる対話活動やディベートなど、聞くこと話すことを重視した授業改善を進めており、その成果の一端は、中学校英語弁論の全国大会において二年連続で本県代表者が第一位を受賞したことにもあらわれております。
     県教育委員会といたしましては、平成十五年度から五年計画で実施している中学校・高等学校の全英語教員を対象とした英語教員の資質向上のための研修の充実に努めるとともに、総合的な学習の時間において、七割近くが実施している小学校の英語活動を充実させるためのモデルプランの作成にも取り組んでいるところであります。
     今後とも小学校・中学校・高等学校のそれぞれの発達段階に応じて、コミュニケーション能力が育成されるような、英語教育の一層の工夫、改善を行い国際社会に生きる資質の育成に努めてまいりたいと考えております。
     次に、コミュニケーション能力の向上についてであります。
     今回の佐世保における事件につきましては、大変不幸な出来事であり心を痛めております。子供たちの成長過程において互いに自分の考えや意見を出し合い、高め合っていくコミュニケーション能力を育成することは、極めて重要であると考えております。
     県教育委員会といたしましては今回の佐世保の事件を受け各小中学校に対し、行事やさまざまな集団活動を通し、人間関係を深めていく工夫をすることなどの指導をお願いしたところであります。学校におきましても、例えば、きれいな学校コンクールを通じた協力体制づくりや全国的に見ても加入率の高い部活動による人間関係づくりなどに取り組んでおります。今後とも集団によるさまざまな自然体験、社会体験などの実体験を通じて協調性や相手を思いやる心など、豊かな人間性を育てる中で、コミュニケーション能力の向上に一層努めてまいる所存であります。
     次に、青少年の健全育成についてであります。
     図書類等の自動販売機等を設置しようとする業者には、静岡県青少年のための良好な環境整備に関する条例により、知事への届け出義務が課せられております。この業者からの届け出を受理する際には、有害図書類の収納の禁止等について直接指導しておりますが、県内には五百二十機の自動販売機等が設置され、その中には有害図書が多く存在しているのが現状であります。
     県といたしましては県内五百九十一人の立入調査員や市町村等からの通報に基づき、自動販売機から図書類等を買い取り見分し、有害図書に該当する場合には直ちに業者に対し当該図書類の撤去を命じております。今後も買い取り調査を強化し指導に従わない悪質な業者につきましては、警察と連携を図り、条例に則した厳しい指導を行ってまいります。また、これら有害環境を排除するには地域における機運の高まりが有効であることから、土地所有者を含めた住民、市町村等が相互に連携し情報交換を行うよう働きかけてまいりたいと考えております。
    ○副議長(八木健次君) これで池谷晴一君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
     次会の議事日程を申し上げます。
     七月十六日午後一時会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれで散会します。

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