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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

野澤 義雄 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/30/2016

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 台湾との友好提携について
2 移住・定住の促進について
3 若年性認知症施策の推進について
4 農業振興について
 (1) 養豚振興
 (2) 農林水産物共同物流システムの構築
5 浜松三ヶ日・豊橋道路の実現について
6 地域スポーツクラブについて


○議長(鈴木洋佑君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十七番 野澤義雄君。
       (六十七番 野澤義雄君登壇 拍手)
○六十七番(野澤義雄君) ふじのくに県民クラブの所属議員として県政の諸課題について通告に従い、知事、副知事並びに関係部局長、教育長に一括方式で質問いたします。
 初めに、台湾との友好提携について伺います。
 去る八月二十六日から三十日までの間、知事は、県及び天竜浜名湖鉄道と台湾鉄路管理局との姉妹鉄道協定の締結や浜名湖と日月潭との友好交流協定の締結の立ち会いなど台湾との交流拡大を目的として当地を訪問されました。
 日月潭は、台湾中部にある最大の湖で風光明媚、浜名湖と共通性も多くあり、宿泊施設やロープウエー、遊覧船、当地でも大変人気のあるサイクリングのコースなどのインフラも整備され一大観光地としてにぎわっていました。友好協定を結ぶには極めてよい相手であり、浜松市からは市長を初め観光関連のさまざまな団体の幹部も多く参加しておりました。
 私も、県議会天竜浜名湖鉄道活性化促進議員連盟の一員として彰化県と日月潭をつなぐローカル鉄道の集集線との姉妹鉄道協定の締結に立ち会うとともに、台湾鉄路管理局の幹部の方々とも交流を深めてきたところであります。
 これまで、台湾と本県の交流は、平成二十四年三月に富士山静岡空港と台湾桃園国際空港間に定期航空路線が就航したことでその交流が拡大し、その後さらに交流の拡大を後押しするため県でも平成二十五年四月に海外駐在員事務所を台北市に設置しています。
 今回の台湾訪問について九月議会の開会日に知事からも丁寧な報告がありましたが、これまで台湾から多くの訪日観光客がある一方で日本から台湾を訪問する観光客が少ないということを私も現地で数多く耳にしたところであります。今回台湾を訪れて、改めて親日的な土地柄で治安も良好なことや時差が少ないこと、近いため経費も比較的少なく済むことなど親御さんたちが安心して送り出せる青少年の教育旅行等に大変適しているのではないかと実感いたしましたし、日本からの訪台観光客の伸び代は大きいと感じました。
 これまで、静岡県を訪れる訪日観光客の取り込みのため、県では台湾便の増便にかかわる働きかけや交流人口拡大のためのさまざまな分野での協定締結や覚書調印など数多くの取り組みを行ってきたところであり、私もその効果を期待している一人であります。しかしインバウンドとアウトバウンドのアンバランスな状況が続くようであると本県と台湾の間で現在のような良好な交流関係が継続しにくくなるのではないかと懸念しております。
 そこで、このような課題がある中で、今回の知事の台湾訪問の成果を踏まえ本県のこれからの台湾との交流をどのように進めていかれるのか伺います。
 次に、移住・定住の促進について伺います。
 本県における人口の転出超過数は、平成二十五年、二十六年の二年連続の全国ワースト二位から平成二十七年は全国ワースト五位と順位は若干改善いたしました。しかしながら転出超過数は六千二百六人と依然高い水準にあり、人口減少への対応が喫緊の課題であることに変わりはありません。
 県もこれを座視しているわけではなく、昨年四月には東京の有楽町駅前に静岡県移住相談センターを開設したと承知していますが、ここを訪れた相談者は二十歳代から四十歳代までの人が全体の約五割を占めているとのことでした。これは定年退職後のセカンドライフ希望者が中心と思われてきたこれまでの移住者像とは異なっていると感じております。地方でのセカンドライフを希望する方々は温暖な地で家庭菜園や趣味を楽しみながら悠々自適の暮らしを送りたいと考えている方も多いと思われますが、二十歳代から四十歳代の、特に子育て中の世帯でありますと移住先で新たな生活を実現するためにはまずは経済基盤をしっかり整え家族を養っていく必要があります。
 本県へ移住されたある御家族のお話であります。奥さんは地元である静岡県に帰って御両親に助けてもらいながら子育てをしていきたいと考えており移住に向けて積極的に進めていましたが、一方旦那さんは新たな生活に漠然と不安を抱いていたそうです。しかし旦那さんの移住先での仕事にめどがついたことを機に旦那さんも移住を前向きに捉えられるようになったとのことでありました。
 私は、移住を考えている方はいろいろと希望を持っていらっしゃると思いますが、その反面新たな生活に不安を抱えているというのも事実であると思います。その不安が経済的なものであった場合、特に子育て世代では移住そのものを断念しなくてはならなくなってしまうことがあります。
 本県には多様な産業が根づいており、農林水産業を初め世界的製品を製造している工場さらには百貨店やスーパー等のサービス業などさまざまな仕事があります。しかし県内で手に入る仕事に関する情報が首都圏等にいる本県への移住希望者の手には十分に届いていないのではないかと懸念しています。
 移住希望者が必要とするこのような情報が手に届けば今まで以上に本県への移住者がふえるものと思いますが、県として今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、若年性認知症施策の推進について伺います。
 認知症といえば一般に高齢者の病気と思われがちですが、高齢者ばかりでなく若い世代の方も認知症になる場合があります。六十五歳未満の方が発症する認知症を若年性認知症といい平成二十一年に公表された国の調査結果によると全国で四万人近くいると言われ、本県においても若年性認知症の方が千人程度いると推定されています。この若年性認知症はいわゆる働き盛りの時期に発症するため、仕事を継続することが困難になったり家事や子育てに支障が生じるなど高齢者が認知症を発症した場合とは異なる経済上、日常生活上の大きな課題が発生することとなります。
 また、原因疾患によっては、ときに抑鬱や興奮などの行動・心理症状――BPSDがあらわれることもあると聞きます。年齢的に身体機能がまだ低下しておらず体力は十分に保たれている状態にあるため、介護する御家族の身体的・精神的負担は非常に重いものとなります。
 こうしたことから、平成二十七年一月に厚生労働省が策定した認知症施策推進総合戦略――新オレンジプランにおいても、施策の大きな柱の一つとして若年性認知症施策の強化が掲げられているところであります。
 高齢者の認知症については、以前と比較すれば県民の理解も深まってきており、また各市町の地域包括センターなどの相談支援窓口においても支援のノウハウが蓄積されてきたと感じております。
 「広報はままつ」の九月号によると、昨日の御飯はとの問いによく考えたりヒントをもらえば、ああ、そうだったと思い出すのは加齢による物忘れ。答えを教えられてもぴんとこない、食べたことを忘れるなど全体的な記憶の欠落を認知症とし「なかなか言葉が出てこない」、「言われたことや予定を忘れることが多く、いつも捜し物をしている」、「曜日や日付がすぐに出てこない」など八項目のうち二つ以上当てはまる場合はかかりつけ医や最寄りの相談センターに相談しましょうといった取り組みが紹介されております。
 しかしながら、若年性認知症についてはその症例が少ないこともあり、県民の理解がまだ十分とは言えないように思われますし、市町等の相談支援窓口においても若年性認知症についての知識が十分でないことから対応に戸惑うようなケースがあると聞いております。
 このため県は、一層の若年性認知症の理解促進、相談支援体制の充実強化に取り組んでいかなければならないと考えます。また早期発見、早期治療など適切な医療提供体制の確保充実にも取り組んでいく必要もあるのではないでしょうか。
 そこで、これまで行ってきた各種施策の成果を踏まえ今後若年性認知症の方に対する支援をどのように推進していくのか、県の所見を伺います。
 次に、農業振興のうち、養豚振興について伺います。
 二〇一三年の総務省家計調査の豚肉の消費量においては、全国の県庁所在地、政令指定都市の中で静岡市が四位、浜松市が九位であり、県民一人当たりの消費量は二万一千七百十五グラムで北海道、新潟、青森、秋田に次いで五番目の豚肉消費県であります。
 本県は、このように消費地に近いといった立地条件や温暖な気候に恵まれ畜産業が発展してきました。特に県西部では古くから養豚が盛んで、湖西市は飼育頭数一位、浜松市が二位と県内でも有数の産地を形成しています。かつては農家の庭先で数頭の親豚を飼育していた兼業的な養豚はすっかり姿を消し、現在は大規模化が進み飼育頭数四千頭といった大規模な経営体も見られます。
 私の地元のある養豚家は、中小家畜研究センターが開発した「フジロック」や「フジキンカ」を活用して「浜名湖そだち」と「プレミアムきんかバニラ豚」の二つのブランド豚肉を生産しております。また早くから豚肉及び加工品の販売や飲食店の経営にも取り組む六次産業化の先進事例でもあります。
 このように、県内には特色あるすぐれた養豚経営体がありますが、残念ながらそれらを取り巻く環境は大変厳しくなっております。後継者不足、生産者の高齢化及び飼料価格の高どまり等により最近十年間で県内の養豚農家戸数は四割、飼育頭数は三割減少しております。また今後経済のグローバル化の進展に伴って安価な海外産豚肉の輸入増加が懸念されております。
 豚肉を好む県民の方々に安全・安心な県産豚肉を安定的に供給するためには、老朽化しつつある食肉センターの再編整備が必要と考えますが、そのためにも一定の出荷量を確保する生産振興が大切であると考えます。
 そこで、本県の養豚振興のために今後どのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 農林水産物共同物流システムの構築について伺います。
 四百三十九品目の食材を産出する本県は食材の宝庫と言われていますが、とりわけ農産物において豊かな自然環境や一年を通じて温暖な気候に恵まれる中で多彩で高品質な農林水産物が各地で生産されています。お茶や温室メロン、ワサビといった本県を代表するような品目を初め私の地元でもミカン、サラダオニオン、セルリーやネギなどの葉物野菜、三方原バレイショなど全国的に有名な農産物が生産されています。このような本県の名産品と言える高品質な農産物は、これまでも首都圏の中央卸売市場や地方都市の市場に大量に出荷され国民、県民の食生活の安定に寄与してきておりますことから、そのブランド力を一層磨きながら引き続き全国に展開をしていくことが振興の道筋の一つと考えます。
 一方、近年においてはスーパーマーケットやファーマーズマーケットを初め食の仕事人のようにストーリー性のある食材にこだわる料理人がいる飲食店、総菜店等直接生産者の顔が見える取引を望む声も多く聞かれるように思います。また一般家庭においても地元産の食材を求めたくても意外と簡単に手に入らないことも多いといった声も聞きます。
 こうした中、先日の新聞に県の西部と中部を巡回する物流ルートを設けその間の道の駅や農産物の直販所で農林水産物の集配を行うシステムの開発に関する記事が掲載されておりました。生産者が発注を受けた野菜や果物を最寄りの停留所に搬送して、巡回する車両が回収する野菜集配バスのような実証実験を開始するとのことです。
 地産地消の推進や小規模生産者への応援になるなど時代を先取りした大変興味深い取り組みであると注目しておりますが、この実証実験の現在の取り組み状況と今後どのように展開していくのか、県の考えをお尋ねします。
 次に、浜松三ヶ日・豊橋道路の実現について伺います。
 私の地元である遠州北部地域は、県境を挟んで隣り合う愛知県三河地域とは古くから人や物の行き来が盛んであるとともに、地域固有の文化を共有し一体的な経済圏、文化圏として発展してきました。こうした地域間の結びつきに加え現在では輸送機器や電子機器に代表される製造品出荷額が浜名湖西岸地域だけでも年間で一兆円を超える有数の工業地帯となっており、西三河・名古屋方面、静岡・東京方面、三河港方面と多方向への物流需要があり、輸出用の完成自動車の一部は三河港に定常的に搬入されたり、主要な部品がジャスト・イン・タイムの物流として各地へ配送されています。
 通勤通学などの県境を越えた相互移動も大きく、特に豊橋―湖西間は一日当たり往復で四万七千人の出入りがあり、しかも自動車が主要な交通手段となっております。本年二月には新東名高速道路の浜松いなさジャンクションから豊田東ジャンクションまでの県境をまたぐ区間が開通し東西のダブルネットワークが完成したことから、両地域の交流促進や渋滞の解消に大きな効果があらわれております。
 この先、三遠南信自動車道の完成も視野に入ってきましたが、東名高速道路三ヶ日ジャンクションを起点とし湖西市を経て愛知県の三河湾から名古屋に至る国道二十三号名豊道路を結ぶ浜松三ヶ日・豊橋道路構想も調査が進んでいるところであります。この道路が完成すれば三遠南信自動車道などとあわせて日本海側から信州地域を経て太平洋側に達することにより南北軸が機能することになり、東名、新東名高速道路と相まって東西南北のネットワークが完成するのではないかと考えます。
 このことにより、全国有数のものづくり地域である当地域において人や物の流れが一段と円滑化し地域経済の活性化につながるとともに、予想される南海トラフ巨大地震など大規模災害に対しては沿線地域の防災力を向上させる力強い備えになると考えられます。
 これまでに、国土交通省の補助を受け愛知県、静岡県、浜松市が三遠地域の県境を越えた連携交流の実態や将来動向を見据え平成二十年から五カ年かけて調査した中で政策目標を実現する道路として最適であるとし、地元の期成同盟会が国に対して提案しているところであります。
 そこで、浜松三ヶ日・豊橋道路の実現に向けて、県は今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、地域スポーツクラブについて伺います。
 先日行われましたリオ・オリンピックでは、卓球の水谷選手、伊藤選手、陸上競技では飯塚選手がメダルを獲得しました。またパラリンピックにおいても陸上競技の山本選手、佐藤友祈選手、佐藤圭太選手、岡村選手が、そしてボッチャ競技の杉村選手、車椅子ラグビー競技の若山選手がそれぞれメダルを獲得するなど本県出身の選手がすばらしい活躍をし、県民に感動を与えてくれました。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けても、さらに多くの本県ゆかりの選手が活躍できるように静岡県のスポーツ界を大いに盛り上げていかなければなりません。スポーツを通じて幅広く青少年の健全育成を図ることや国民、県民に感動や勇気を与えるアスリートを育成することなどには、やはり若年層に対して基本からしっかりと教え込むことが大切であり、そのためには中学生、高校生の部活動の充実が重要と考えます。
 しかし、将来を期待する中学生、高校生の部活動を見ますと県内の中学校ではこの十五年ほどで約七百の運動部が廃部になっており、今後も減少の傾向は続く見通しとされています。少子化による部員数の減少に伴い種目数が減少し学校に行っても自分のやりたい競技がない、顧問の先生が担当競技の経験がないため期待する指導が受けられないなどといった状況があると聞きます。
 このため県では、昨年度の総合教育会議で議論された地域スポーツクラブについて平成二十八年度から磐田市をモデルに取り組んでおります。現在は中学生を対象に陸上競技とラグビーの活動をしており、その様子を見られた方に伺いましたところ生徒たちは本当に生き生きと練習に励んでおり今年の中体連では陸上競技で東海大会まで進出した選手もいるなど早速その成果が出始めているとのことでありました。
 このような取り組みは、学校だけでは支えきれなくなっている部活動の新しい形になっていくと考えられ、磐田市には多くの自治体から問い合わせがあるなど全国的にも注目されていると思われます。クラブの運営には、資金の確保はもちろん指導者や会場の確保、学校や地域との連携など多くの課題があると思われますが、今後それらを一つ一つ解決しながら大きく発展していくことを期待しております。
 そこで、この磐田のスポーツクラブは今後どのように展開していくのか、また県内の他の地域に対してはどのような方針でいるのか伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 野澤議員におかれましては、この九月議会の一般質問の最後を我々と同じサムライ・シャツで御登壇賜りましてありがとうございます。
 野澤議員にお答えいたします。
 台湾との友好提携についてであります。
 これまで静岡県は、台湾との交流を拡大するため富士山静岡空港の利用促進のための支援のほか富士山と玉山、大井川鉄道と阿里山森林鉄道の相互交流、台湾マラソンなどスポーツ大会間の交流、中高生の野球、バスケットボールでの相互派遣による青少年交流などさまざまな取り組みをしてまいりました。
 今回の台湾訪問におきましては野澤議員と中谷議員が県議会を代表して御訪問いただきまして、御同席する場面が多く成果を共有できましたのは御同慶の至りでございます。
 一方、いずれの訪問先でも日本と台湾関係の訪問者数の不均衡が話題となりました。台湾への訪問者数のさらなる拡大に努めてほしいという要望もはっきりといただいております。事実、平成二十七年の台湾からの訪日旅行者数は約三百七十万人でございます。一方日本からの訪台旅行者数は約百六十万人、二分の一以下ということでございまして大きな隔たりがございます。私も台湾との交流を進める上でこの不均衡の解消は極めて重要であるという認識に立ち至っております。
 このため、台湾へのアウトバウンド促進の取り組みとして、教育旅行の分野では県内高校のうち今年度は十校、来年度は十六校が台湾への教育旅行を行う予定であります。今後台湾への教育旅行をさらに拡大するため県内高校長などを台湾に派遣し現地での学校間交流等の調整を進めるほか、薛光豊台湾国際教育旅行連盟総会長さんなど台湾の教育旅行関係者を本県にお迎えして教育関係者同士の情報交換を一層促進し、次代を担う青少年の交流をより一層活発化させてまいります。
 これまでの日本の教育旅行というのは、訪問先を訪れると歴史・文化に触れるといったようなことが主な目的でしたけれども、台湾はこの台湾国際教育旅行連盟の大方針として訪問先の高校生と高校生同士が触れ合って国際感覚を培うということを原則とされております。これは学ぶべきことではないかというふうに思っております。
 ぜひ、静岡県の高校の校長先生あるいはこうした団体においても台湾にその窓口が一つきっちりありますように、県内でもそうした向こうからの問い合わせの窓口が一つとして簡単に交渉が進められるようにしてまいるように教育委員会のほうにお願いしている次第でございます。また今回のこの青少年交流の一層活発化のための補正予算案を今議会にお諮りしているところであります。
 観光分野では、今回協定を締結した天竜浜名湖鉄道と集集線におきまして、早速相互に提携先の使用済み切符を持参された方にそれぞれの一日乗車券の無償提供を行うなどの相互交流の機運が高まっております。
 今後とも、台湾からの観光客が天竜浜名湖鉄道を利用して浜名湖を訪れ、本県からも集集線を利用して日月潭を訪れるなど双方向での交流が促進されるように努めてまいります。また県民参加のモニターツアーやメディアや旅行会社を対象に台湾中部地域の集集線や日月潭などにかかわるファムトリップなどを実施して台湾への各種ツアーの造成を働きかけることで、さらなる交流人口の拡大につなげてまいります。
 さらに、経済分野におきましても、台湾の有力企業が加盟する経済団体三三企業交流会と県経済界との交流支援や県産品の販路拡大等の通商の促進に力を入れるなど台湾駐在員事務所を最大限活用いたしまして相互にメリットのある施策を展開し、本県と台湾との交流を一層推進してまいります。
 次に、移住・定住の促進についてであります。
 静岡県からの社会流出が流入を上回り、いわゆる転出超過というのが深刻な問題になっているわけでございますが、これを転出じゃなくて転入超過にしなければならないという目的を持っております。具体的には先ほど議員御指摘のとおり昨年四月に東京有楽町に“ふじのくにに住みかえる”静岡県移住相談センターをオープンいたしました。年間で六百件を超える移住相談がございました。本県における就職先やみずからのキャリアを生かしたいという相談が最も多く、仕事への関心の高さを改めて感じたところでございます。
 このため、受け入れ市町では地元企業の紹介、相談体制を強化するとともに、専用ホームページを開設し、求人情報の紹介を開始いたしました。私どもにおきましても、県におきましても多くの方が閲覧する県ポータルサイト「ゆとりすと静岡」で一元的に広く移住情報を提供し、発信力の向上に努めているところです。
 やはり昨年のことですが、暮れに移住相談センターに県内企業への就職を支援するキャリアカウンセラーを新たに配置いたしました。その結果浜名湖など遠州地域の自然や景観に魅せられた浜松市への移住を希望していた女性に御本人の経験を生かせる職場が見つかるなど医療やIT関連の事業所への転職に結びついております。また海や山に憧れ田舎暮らしを求め、都会では経験できない農林水産業に新たに挑戦する希望者も多うございます。県の担当課が移住相談センターで一人一人から時間をかけまして丁寧にお話を聞き、トマトやイチゴなど本県が全国に誇る農家での実践研修や農業生産法人等を紹介しております。
 こうした具体的な取り組みは、できることから進めなくてはならないんですが、一方で本県のイメージアップもとても大切だと思っております。常々これをどうするか考えておりましたが、富士山が世界文化遺産になりましてこうした世界クラスのものがふえていくと東京の外れとか名古屋の外れとかというコンプレックスから免れるのではないかと思っておりました。
 そして、これが二、三にとどまらず二桁になれば、これは静岡県の地位が変わってくると、つまり世界の中の静岡県という意識ができると。またそれが三十、四十になりますればこれを自信を持って世界の中の静岡県をPRできるというふうに思っていたわけでございます。ところが三年前六月に富士山並びに茶草場農法が世界遺産になりまして、その翌年には九件、合計十二件認定された。さらに昨年にはそれが十一件も加わりまして合計二十三件になりました。今年に入りましてもう全体合わせますと四十近くになっております。したがってこうしたものを東京や名古屋、なかんずく東京と比べますとこんなところはほかにどこにもありません。
 ですから私は、量がある程度いきますと質に変わります。この質の中身をどう考えるかということで必ずしもなじみのある言葉ではありませんがジャパニーズドリームというのを使っております。移住者でつくられる国アメリカは移住者がそこで努力をすれば夢がかなえられるということでアメリカンドリームという言葉があり、これは戦後世界の中で世界的に定着した言葉です。そして習近平さんが中国の国家主席になられてからそれと対抗する形でチャイナドリームということを言われるようになりました。この実態が必ずしも個人というよりは国家全体の力を示すことになっております。
 私は、そうした中で日米の近さなども考え、また個人を大切にするライフスタイルの多様性を大事にしている本県におきましてはやはりアメリカンドリームに匹敵するようなジャパニーズドリームを静岡県が言える時代が来つつあるという、そのように思っております。
 そうしたことから、本県は世界遺産の富士山を初め南アルプス、駿河湾、浜名湖など地域ごとに核となる世界クラスの資源がございます。そこで育まれた歴史・文化や多彩な産業などを有する静岡県こそが日本の代表として、今日数千万人の観光客が来る日本になっており、かつ留学生もここ数年毎年五千人ずつの規模でふえております。二十万人を超えているということで世界の若者の憧れの対象になっているわけでございますから、これを本県に引きつけると。そしてそれをジャパニーズドリームという形で国全体へ発信するということも静岡県への移住また定住促進につながるものではないかと思っております。
 私どもといたしましては、今後も本県の暮らしの魅力に加え、市町や企業、団体等と連携し相談者の多様な希望に寄り添い農林水産業から商工業に至るまで多彩な仕事の情報を提供することにより本県への移住を一層促進し、一人でも多くの方のふじのくにへの住みかえ、住みかえてよしを実現してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(鈴木洋佑君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 若年性認知症施策の推進についてお答えいたします。
 若年性認知症施策として、平成二十六年度に実施した若年性認知症実態調査の結果を踏まえ、若年性認知症に対する県民への理解の促進や相談支援体制を十分に整えるとともに、医療提供体制の充実にも取り組み若年性認知症の方を地域で支え合う社会づくりを進めております。
 県民への理解の促進といたしましては、若年性認知症フォーラムを開催し若年性認知症の方や支援者みずからが若年性認知症の現状や課題について発表していただくなど、県民への周知と啓発に努めております。
 今年度は企業経営者や人事労務担当者の方々を対象としたセミナーを開催し、若年性認知症の理解不足からくる離職などの事例に対応するためには正しい知識や継続就労に向けた取り組みが必要なことを提言していくなど一層の理解の促進を図ってまいります。
 相談支援体制の充実につきましては、相談支援を行う市町を対象にさまざまな支援制度を紹介した手引書の作成や本人と家族による意見交換会を今年度開催するなど当事者に寄り添ったきめ細かな対応を行ってまいります。また新たに専門的な相談を行う支援窓口を県に設置し若年性認知症に詳しい担当者を相談に充てるほか、関係機関との連絡調整や各種手続の援助を行うなど状況に応じた適切で効果的な支援を本人や家族へ提供できるようにいたしました。
 医療提供体制の充実といたしましては、今年度中に地域における認知症医療の拠点となる認知症疾患医療センターを全ての医療圏域に設置し、かかりつけ医を対象とした認知症を早期発見するための研修を初め医療についての相談や治療が受けられるようにするなど身近な地域で早期診断の体制を整え早期治療が受けられる医療環境を整備してまいります。
 今後とも、県といたしましては、若年性認知症についての県民の理解の徹底を図っていくとともに、相談支援や医療提供体制を充実強化し、若年性認知症の方とその家族が住みなれた地域で安心して暮らしていくことができるように努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 若原農林水産戦略監。
       (農林水産戦略監 若原幸雄君登壇)
○農林水産戦略監(若原幸雄君) 農業振興についてのうち、養豚振興についてお答えいたします。
 本県の養豚は、豚舎周辺の混住化や後継者不足により小規模な農家を中心に戸数の減少が進んだ結果、生産頭数のほうが御紹介いただきましたとおり約三割ほど減少しておるところでございます。
 この中身を見てまいりますと、飼養頭数ベースでいきますと十年前は十五万頭であったのが十一・一万頭、これが約三割の減でございますけれども、この中でいわゆるビジネス経営体の方々、こちらのほうは実は七万八千頭から八万頭へとふえております。逆に言いますとビジネス経営体でない方々、中小規模の農家の方々に関して言いますと、引き算でございますが七・二万頭から三・一万頭と、十年前の約四割強にまで減っているというような状況でございます。
 もちろん、中小規模の方々でもブランドとして高付加価値をとりに行く、あるいは六次産業化といった質の勝負は十分可能かと思いますけれども、お尋ねのような出荷量の確保、量ということに関して言いますとこれはもうやはりビジネス経営体の方々を中心に規模拡大を進めていく、こういったような形で対応するのが重要であろうというふうに考えておるところでございます。
 現在国では、地域の畜産農家と関連企業や市町が連携いたしまして法人農家等の生産基盤を強化する畜産クラスター事業、こちらを実施しておりまして、県といたしましては積極的にこの事業の活用を推進しておるところでございます。
 この結果、今年度につきましては富士宮市のビジネス経営体の方々が繁殖豚百頭を飼育できる豚舎を増築されました。また浜松市や湖西市でもビジネス経営体による豚舎の増築が計画されておりますことから、今後もこの事業の活用によりまして規模拡大を支援してまいりたいと考えておるところでございます。
 加えまして、中小の生産者の方々が仮に後継者の不在などで廃業になってしまった場合は、まさに全体としては出荷量がその分減ってしまいますので、そういうような場合にも廃業される方の施設の活用を希望するビジネス経営体、この方とのマッチングを図りまして経営資源を引き続き有効に活用させていただく、そういうことによりまして県全体としての生産規模の確保に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
 県といたしましては、今後とも経営規模の拡大や担い手の確保、六次産業化の推進などによりまして、本県養豚の生産振興を諮ってまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 篠原経済産業部長。
       (経済産業部長 篠原清志君登壇)
○経済産業部長(篠原清志君) 農業振興についてのうち、農林水産物共同物流システムの構築についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、近年業務用から個人に至るまでこだわりのある食材の需要が増加しております。一方こうした食材は生産量が限られているためレストランやスーパーマーケットから直接求められる場合が多く、大量に商品を取引する市場を経由する物流に比べてコスト高になるといった課題がございます。このため実需者個々の需要に的確に対応するとともに、少量の県産食材を集約し必要とされる時間に配送が可能となるようICT技術を活用した無駄のない新たな物流システムを構築していくことが重要であります。
 そこで、生産者や物流業者等民間事業者を中心とする生産・流通プロセス一体型システム開発協議会に委託し、現在この新たなシステムの開発を進めております。十一月には実証実験を始め、コストの低減や配送時間の管理について検証してまいります。
 この取り組みについては流通関係者からも非常に注目されていることから、県といたしましては今回の実証実験に多くの生産者の参画を得てこの結果を検証し、マーケットが求める商品を少量であっても低コストで実需者に配送が可能となるような流通の改革につなげ県産品の販路拡大を進めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 村松交通基盤部長。
       (交通基盤部長 村松 篤君登壇)
○交通基盤部長(村松 篤君) 浜松三ヶ日・豊橋道路の実現についてお答えいたします。
 本道路構想は、東名三ヶ日ジャンクションから国道二十三号までを県境をまたいで南北に結び新東名や東名、三遠南信自動車道とともに広域幹線道路ネットワークを形成するものであります。
 県では、愛知県、浜松市とともに平成二十四年度までに三遠地域の産業や防災面などから本道路の必要性等を整理し、平成二十五年度には二県一市で静岡・愛知県境道路に関する連絡会を設立して国にもオブザーバーとして参加を求め構想の具体化を働きかけてまいりました。
 こうした取り組みを受け、国は平成二十六年度から本道路の整備に伴う将来交通需要等の調査を進めております。二県一市の連絡会では国の動きと連携して、新設道路の実現に向けた手順を示す構想段階における道路計画策定プロセスガイドラインを踏まえ平成二十七年度から複数のルート帯を検討しているところであり、今年度中に取りまとめ国に提案してまいります。
 県といたしましては、愛知県、浜松市と連携を図りながら引き続き国に対し本道路の実現を働きかけ、三遠地域の一体的な発展を支える広域幹線道路ネットワークの強化に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 地域スポーツクラブについてお答えいたします。
 本モデル事業は、多様なスポーツのニーズに対応するため、地域の人材や設備などのスポーツ資源を活用したスポーツクラブの組織化を進める上で多くの課題を検証するために本年度から開始しております。
 現在は、磐田市において少子化等により部活動を取り巻く環境が厳しい中学生を主な対象として、陸上競技は十九名の生徒が静岡産業大学や地元企業の指導者により、またラグビーは十名の生徒がヤマハ発動機の指導者により週四日活動しております。さらに夏休みには日本代表コーチの指導により小中学生を対象にトランポリン教室を実施するなど活発な活動が展開されております。
 今後は、卓球や女子サッカーの活動開始に向けて準備を進めるなど種目の充実や参加対象の拡大を検討していくとともに、モデル事業終了後もこのクラブが自立して運営できるよう安定的な財源の確保や費用負担のあり方、指導者、会場の確保などの課題を検証してまいります。
 また、このような取り組みは子供のスポーツへの参加機会を確保するための新しい形態になりますことから、県教育委員会といたしましては、この取り組みに関心を示している市町に対して積極的に情報提供するとともに、施設や連携できる企業など地域の実情に応じた取り組みが実施できるよう支援してまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 野澤義雄君。
       (六十七番 野澤義雄君登壇)
○六十七番(野澤義雄君) 答弁ありがとうございました。再質問をいたします。
 まず、農林水産物共同物流システムについてでありますけども、ICT技術という答弁がありました。内容はよく私も理解をしかねておりますけども、ただ需要があってその需要を確認をして供給がしっかりとしていくというような体制を確立していくというようなことではないかなというふうに思いました。
 品物の流通というのは、卸売市場ですと生産者が誰でも持っていって、ただしそれは競りに、競売にかけられて必ず処理されていくというようなシステムになっています。品物が多ければ安い、足らなければ値がいいと、こういうような構造にもなっております。また近年ではファーマーズマーケットなどによる生産者の直売もふえてきましたけども、これは生産者が品物を持っていって自分で値をつける。そして原則売れなかったらまた持ち帰って自分で処理をするというようなシステムになっているというふうに思います。
 このICT技術を使って需給が本当に、完全にマッチングがうまくいけば本当に最高だなと思いますけども、それは要望として期待をしているということをお伝えしたいというふうに思います。
 ただし、一点質問があります。価格というのがどのような形でここで決定してくるのでしょうか。二点例を挙げましたけども競売それから生産者が値をつけるというようないろんなやり方がありますが、この場合どのような形で価格は決定されるんでしょうか、伺いたいというふうに思います。
○議長(鈴木洋佑君) 篠原経済産業部長。
○経済産業部長(篠原清志君) 農林水産物共同物流システムに係る再質問についてお答えいたします。
 価格の決定の方法について、ここが一番問題で生産者の方も購入者の方も一番関心の高いところというふうに考えております。
 一応、現在のシステムで運用する場合には、相対でということで今前提はそういうことをしておるんですが、実際の決済をどういうシステムで行うか、中に入る新しい流通システムの方が買い取りをして決済をするか、あるいはEコマースのような形で決済をするか、その辺の実証試験で行いながら実際に進めていきたいというふうに思っています。以上です。
○議長(鈴木洋佑君) これで野澤義雄君の質問は終わりました。(拍手)

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