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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成23年9月静岡県議会定例会

相坂 摂治 議員(自民改革会議)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:10/03/2011番目)
答 弁 者知事


    ○副議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 相坂議員にお答えいたします。たくさん御質問いただきましたけれども、そのうち私は二つお答えを申し上げたいと存じます。
     まず、観光振興についてのうち、徳川家康公を活用した観光戦略についてでございます。
     議員御指摘のとおり、山岡荘八さんの小説「徳川家康」が中国語に訳されてベストセラーになっていると。韓国語にも訳されているようです。やはり人生訓であるとか、経営する上でのいろいろと学ぶところがあるということが人気の秘訣のようでございます。そうした中、昨年十二月二十四日、クリスマスプレゼントのような形で家康公の霊廟であります久能山東照宮が、その本殿と拝殿と石の間が本県の持っている建造物として初めて国宝に指定されました。そしてお亡くなりになったのが、御案内のとおり一六一六年の四月ということです。満でいうと七十三歳ですね。一五四二年の十二月にお生まれで、一六一六年の四月に亡くなられているので、まだ七十三歳だったわけですが、議員の言われたとおり、数えでいうと七十五歳になります。そうした数え方で一六一六年からちょうど四百年目と。数えでいうと二〇一五年が徳川公没後四百周年ということになりまして、それを一つの目標年といたしまして、家康公の御遺徳を県内外に発信する徳川家康公顕彰四百年記念事業に県として参画することにいたしました。私が顧問となりまして、会長は第十八代徳川宗家、そして副会長には静岡・浜松両市長、さらに相談役には静岡・浜松両商工会議所の会頭がつけてございます。全県挙げてこの記念事業を推進していこうということでございます。
     もう一つは、本県だけではなくて愛知県、お生まれになった岡崎城、あるいは関ヶ原の古戦場、三重県伊賀上野の忍者の里でも家康公ゆかりの誘客活動を展開されていますので、これからは相互に連携いたしまして、家康公の生涯であるとか人物像を再発見する商品の企画、あるいはメディアを活用した情報発信を行うなど、徳川家康公誘客プロジェクトを積極的に提案し、広域的な取り組みとして推進してまいろうと思っております。
     どのようにキーコンセプトをつくるかというのは、とても大事なことですね。議員も言われたように、戦乱の世が終わってパクス・トクガワーナと言われる平和の時代を切り開いた人だということがとても大事だというふうに思います。そういうことから一個人としてではなくて、日本の時代を戦乱から平和へ、あるいは軍事中心主義から学問中心主義にお変えになったということがあると存じます。それからまた江戸時代ないし徳川時代というのは隣の韓国もそれから中国も、それぞれほとんど内乱がありません。もっとも中国は明から清にかわったときですけれども、清の時代は国外への発展はありましたけれども安定していました。それから李氏朝鮮も安定していたわけです。だから東アジアの三国というのは平和であったわけです。それをヨーロッパと照らし合わせると、ヨーロッパはもう毎年毎年戦争していますから、東アジアの平和、パクス・アシアーナということも言えるわけです。そしてその学問が共通していたということもございます。朱子学ないし儒学です。しかし家康公の基本的な学問は恐らく仏教であったと存じます。源信の「厭離穢土欣求浄土」というのを旗に掲げられた。しかし新しい学問として朱子学をみずから採用されて、林羅山を顧問とされたと。そこに学問への関心、新しい時代を開く、そういう学問に対する奨励というものがあったということも、あわせて大事だと思いますね。
     ですから、広く世界史の中で徳川時代、特にその始まりに本質があると言われるとすれば、徳川家康公の事績というのをしっかり学ぶということが大事で、ただに小説を読むだけでなくて、もちろん小説としても司馬遼太郎さんもお書きになっているし、たくさんの学者も書かれています。本県には小和田先生もこの御専門の人として国では知られている方ですね。ですからやはり、これがしっかりと、単なる観光というよりも結果として観光に結びつくような、そうしたプロジェクトに育てなくちゃならないということを今考えているところでございます。
     ちなみに私は、徳川時代の世界史における位置というのはヨーロッパにおける近代に匹敵するというふうに考えておりまして、これは通説になっているわけではありませんから何とも言えませんが、相当に研究に値するということで、本県全体として家康公の遺徳をしのぶための運動が出てきたということを、大変ありがたく、また議員先生もそうした動きに協力してくださるということがわかり大変ありがたく存じます。
     続きまして、本県の農林水産物の海外販路開拓についてであります。
     アジア諸国では、近年の経済発展によりまして、安全で高品質な日本の農林水産物に対する需要が高まっております。本県の緑茶、ワサビ、クラウンメロンなど二十四品目の輸出が実現しておりまして、本県農林水産業の今後の発展のために、県といたしましても販路開拓に積極的に取り組んでまいりました。しかし福島原発事故の影響で諸外国の輸入規制措置が強化されました。本県農林水産物の信頼回復が急務です。そのため県では企業からの御要請にもおこたえしますとともに、韓国やシンガポールを初め七つの国・地域に対し輸出証明書の発行も今行っているところでございます。また私自身も、七月にはお茶の主要な輸出先でございますアメリカの中心地ニューヨークでトップセールスを行いました。県産の緑茶の安全性について、科学的データに基づいた情報を提供するセミナーを開催いたしました。風評被害の払拭に努めた次第です。さらにシンガポールでは、日系量販店におきましてふじのくにフェアを開催し、県内生産者が直接現地消費者に対してPRを行うなど、信頼回復につながる事業をしたところでございます。シンガポールが一番最初に本県の野菜が放射性物質の汚染があるということで輸入禁止をいたしました。しかしこれに対してしっかりとデータをお見せして、その誤解が解けてこういう商談会ができるようになったわけです。アメリカの場合は全米お茶協会の会長さんが、今メールマガジンで全米に我々が提示をしたデータを広めてくださっています。このように風評被害を払拭するには正確なデータをお示しするという以外にありません。安全だということを大きな声で言ってもだめで、なぜ安全であるかということを普遍的な言語である科学で、データで説明する以外に方法はないというふうに思っております。
     県におきましては、来年三月までに県内産の農畜水産物、合計三十六品目百十六検体の放射性物質の検査を実施いたします。特にお茶につきましては来年の一番茶に向けまして追跡調査や技術指導を行うことにより、放射性物質の低下にさらに努めることとしております。こうした取り組みを県の海外向けホームページやさまざまな広報媒体を通じて情報発信し、海外に本県の農林水産物が安全・安心であることを伝えてまいります。
     また、新しい販路の開拓といたしまして、沖縄県物産公社をこの間訪問いたしました。沖縄には全日空が、全アジアへの新鮮な野菜や果物の販売ルートを持っています。私どもはANAが毎日沖縄に飛んでおり、しかも搭乗率はANAにおけるトップクラスです。そうしたことを生かしまして沖縄物産公社を通して、今度は物も輸出していただこうということで、今着々とその準備が進められております。また浙江省友好提携三十周年記念事業や、第五回世界お茶まつり――これはあと二年後に開かれますけれども――これらを活用して、世界に向けて本県の農芸品の情報発信や需要開拓にも積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁申し上げます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp