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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成23年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

中沢 公彦 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/22/2011

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 書道教育の推進について                     
 (1) 小学校段階における書道教育の充実               
 (2) 静岡文化芸術大学における人材の育成              
2 子ども手当の地方負担について                  
3 障がい福祉施策について                     
 (1) 重度障がい者(児)医療費助成の充実              
 (2) 障がい児の放課後の対応                    
4 過疎対策について                        
5 行政系シンクタンクのあり方について              
6 百五十億円の財源捻出について 



    ○議長(天野進吾君) ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、知事提出議案第一号から八十七号までを一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、十五番 中沢公彦君。
           (十五番 中沢公彦君登壇 拍手)
    ○十五番(中沢公彦君) 皆さんおはようございます。自民改革会議の中沢公彦でございます。何か花粉症みたいで、ちょっと声が聞きづらいかもわかりませんがよろしくお願いいたします。
     それでは質問に入ります。
     まず最初に、書道教育の推進についてのうち、小学校段階における書道教育の充実についてであります。
     日本では昔から「道」とつくもの、例えば剣道、柔道、茶道、華道、書道などその道の技術の伝授はもちろんのこと、礼儀礼節を重んじ心の教育や精神修養の目的を伴って行われてきました。この日本の古きよき伝統文化である「道」という中でも、書道については漢字と仮名の文字に美の感性を取り入れ芸術にまで高めた、世界に誇れる文化であります。この書道に親しむことによって、次代を担う子供たちが日本の伝統文化に対する理解を深めるとともに、日本語への造詣も深まり、国際社会における日本人としてのアイデンティティーの確立につながり、さらに姿勢を正し礼節をとうとぶ心豊かな人間形成をするために、極めて重要であると考えます。
     しかし、現在小学校で毛筆を使用する書写の授業を行うのは三年生以上となっており、時間数もわずか年間三十時間のみであります。さらに中学校になりますと一、二年生で年間二十時間、三年生では年間十時間と学年が進むにつれて授業時間が少なくなっています。学習指導要領では小学校一、二年生は硬筆のみの扱いとなっているわけですが、私は早い段階から毛筆に親しむことによって、子供の興味や関心も高まり書道の文化も広がっていくのだと考えております。
     もちろん、学習指導要領に示されていない内容を授業に取り入れるということになれば、教師や子供への負担もふえていきますし、小学校一、二年生の発達段階を考えたときに、筆や墨の扱い、道具の準備や片づけなど課題もあることは承知しております。しかし子供の教育に労を惜しむようなことがあってはなりません。子供の未来にとって書道教育は大変意義深いものであると確信しております。
     本県では、伊東市において教育課程特例校として、小学校一、二年生から毛筆による書写を授業に取り入れる先進的な取り組みをしていますし、昨年は浜松市・浜名湖地域が舞台となった映画「書道ガールズ 青い青い空」が公開され大変好評でありました。このように書道熱が高く書道人口も多い静岡県でありますので、県独自の取り組みとして県内すべての小学校において、地元の書道家の皆さんの協力を得て一年生から毛筆を使用する書写の授業を取り入れ、書道教育の充実を図ってはと考えますが教育長の所見を伺います。
     次に、静岡文化芸術大学における人材の育成についてであります。
     静岡県には書写書道振興会というのがあります。顧問には川勝知事と塩谷立元文部科学大臣が就任されております。そして我が会派の天野一先生と不肖私が相談役になっている会でございます。(発言する者あり)ありがとうございます。その書写書道振興会が昨年書写フォーラムを開催しました。その中で教師から、高校における書道の教員数や授業数が少ないなどの現状を聞かされ、もっと書道における教育環境を高めることが必要であると提案されました。
     書道は、子供たちだけでなく我々大人も含めたすべての日本人にとって心を豊かにする文化であり、これを後世まで伝え守り振興していくことが必要であります。現在静岡文化芸術大学では、中学の教員養成課程の中に書道科目が開設されていることから、ごく一部の学生が選択履修するにとどまっていると聞いておりますが、日本の伝統芸術の一つである書道を学習することは、大学が目指す創造性豊かな人材の育成にもつながると考えます。
     そこで、静岡文化芸術大学において書道振興に資する人材を育成する必要があると考えますが、大学での書道に対する教育の充実について所見を伺います。
     次に、子ども手当の地方負担についてであります。
     最近、国の政権が打ち出す社会保障政策には大いに矛盾を感じているところでありますが、その最たるものが子ども手当であります。親の所得にかかわらず制限なしで子供の人数だけ各世帯にばらまくという子ども手当が支払われておりますが、一方で特別児童扶養手当や障害児福祉手当などの障害のある児童に対する各種手当については、すべて所得制限が設けられております。本来社会保障というのはだれかれ構わず手当てするものではなく、本当に社会保障を必要とする人に十分な手当てや行政サービスを提供するべきものであります。
     民主党政権は、二〇〇九年衆議院議員選挙のマニフェストでばらまき政策である子ども手当の実施を公約しましたが、その財源五・三兆円は全額国庫負担と言い切ったはずであります。しかし現実はどうでしょうか。財源の裏づけなき空手形を切った結果、財源不足をよりにもよって子ども手当の対象となる十五歳以下の子供の扶養控除の廃止によりやりくりした上で、一部の財源負担を地方自治体に回したのであります。つまり個人への増税押しつけと地方への負担のお仕着せで賄おうというのですから、国民をだますような政策であり私にとっては詐欺に遭ったような政策であります。(拍手)景気対策にもならない、少子化対策にもならない、全く意味不明な子ども手当のばらまきは即刻改めるべしと思っております。
     現在、神奈川県や群馬県、さいたま市など、二月十五日現在において日本全国の六十五自治体が予算計上を拒否するという事態に陥っております。地方の財源負担を拒否し全額国庫で計上しろと、そしてそれが成らない場合は赤字決算やはたまた国を提訴することも検討するという自治体も出ております。
     そこで、本県としては、子ども手当の地方負担についてどのように考えているのか、また地方負担の拒否を検討したのかについて伺います。
     次に、障害福祉施策についてのうち、重度障害者・重度障害児医療費助成の充実について伺います。
     県単独の医療費助成事業については、こども医療費助成など三つの医療費助成制度がありますが、すべての子供を対象としているこども医療費助成については、医療機関の窓口で健康保険等の自己負担である三割相当額ではなく、この制度の自己負担金、例えば一回五百円を支払えばよいという、いわゆる公費で医療行為そのものを提供するという現物給付方式をとっております。
     一方、障害のある児童を対象としている重度障害者・障害児医療費助成については、自己負担である三割相当額を一たん医療の窓口で負担をし、そして後日精算されるという自動償還払い方式をとっております。この立てかえが家計への大きな負担になっているところもあります。なぜ立てかえ不要の現物給付方式にしないのか。
     実は、現物給付方式を採用しますと、社会保険診療報酬支払基金等から国民健康保険事業を運営する市町村特別会計に支払われるべき給付金が削減されるという制度があり、例えば静岡県の場合ですと約六億円相当のペナルティー減額がされるということであります。これは医療費増大の原因となるがゆえの措置だという言いわけが行政でも国でも行われておりますが、医療費の増大については障害者や障害児に限ったわけではありません。これはだれにでも該当することでありまして、この障害児・障害者の医療費だけ立てかえをしなきゃいけないというのは全く不当な差別政策と言えるわけであります。
     平成二十二年四月現在、全国二十九都道府県では既にペナルティー減額を受けてでも現物給付方式を実施しております。我が静岡県ではおくれていると言わざるを得ません。市町の負担を取り除く努力をした上で、重度障害者・障害児の医療費助成についても、分け隔てることなく現物給付方式に移行すべきと考えますが県の所見を伺います。
     また、現在対象となっていない精神障害者への対象拡大についても、多くの方々の要望が寄せられておりますが、これについてもまだ静岡県は実施しておりません。今後どういう対応をしていくのかあわせて伺います。
     次に、障害児の放課後の対応についてであります。
     少子高齢化により人口減少社会の中で、東京一極集中など過度の都市過密化が招いた弊害として、中山間地域の過疎化、ひいては限界集落化といった社会問題があります。こうした中、県内の中山間の過疎地域では、障害のある児童に放課後支援策を行おうとしても、利用定員などの施設規模や受け皿となる社会福祉法人等社会資源の少なさなどの問題から、実施を断念せざるを得ない状況があります。
     中山間の過疎地域に居住し障害のある児童を抱えた母親からは、子供を預けることもそのことを相談することもできず困惑しているとの声を耳にしますし、こうした地域の町役場には社会福祉関係の職員も少なく、障害のある児童の対応など専門的な分野での相談には十分対応できていないのが実情であります。こうした状況を打開するためには、例えば障害者自立支援法関連の設置基準を緩和し、民間が経営する学習塾のスペースを活用した運営を認めるなど、地域の実情に応じた対応が必要ではないかと考えます。
     そこで、中山間の過疎地域など条件不利地域に居住する方々にもひとしく障害福祉サービスが行われるよう、県としてどのように対応していくつもりなのか、所見を伺います。
     次に、過疎対策についてであります。
     私の先祖代々の墓は浜松市の旧春野町にありますが、当時は私は一時間半くらいかけて墓参りをした記憶があります。今は四十分ぐらいで行けるようになりました。これは本当に当時の県、また県会議員の皆さんのお力でインフラ整備ができたものと感謝しておりますが、こうした中山間の過疎地域などの集落では、障害福祉政策を通して見ても大変深刻な問題を抱えていると申し上げましたが、昨年静岡総合研究機構の研究グループのまとめたところによりますと、生活必需品の購入や年金受給など必要最低限の生活関連サービスを担う拠点集落を維持することにより、過疎化に一定の歯どめをかけることが可能であるとする研究結果が発表されております。
     この論文によりますと、生鮮食料品の供給不足による買い物難民を発生させない生活必需品の供給機能、金融機能や行政サービスのサテライト機能など、いわゆる拠点集落のサービス水準が人口流出を食いとめるダム機能を果たすというものでありますが、都市近郊の就業の場の確保や都市との交流機能が加われば、よりダム機能は大きくなるとされています。
     中山間地域などの衰退の原因は、雇用機会の減少にあって多くの若者が都市部へ流出してきたことは事実でありますが、現在では都市部との交通インフラ整備も進み、生活を維持できる機能が確保されれば限界集落化を防ぎ、また少し不便でも自然豊かで人情の厚い農山村に、都市住民が回帰するインセンティブを与えることができるというものであります。もちろん地域、集落ごとに対策は異なりきめ細やかな戦略が求められているわけですが、日常的な生活機能の維持から農林業ビジネスの活性化や交流人口の拡大など、今後中山間地域の集落を面的に活性化する可能性を示唆したという意味では、大変興味深いものであると考えております。
     少子高齢化の進展で人口減少社会を突き進む我が国の中山間などの過疎地域は、限界集落と呼ばれるほど今後ますます疲弊が予想されており、豊かな田舎をいかに残していくのかは、未来の子供たちのために託された我々が今解決すべき大きな課題であると考えます。
     そこで、県では今年度過疎地域自立促進計画を策定し過疎市町の取り組みを積極的に支援していくと伺っておりますが、計画の概要と今後の取組方針について所見を伺います。
     次に、行政系シンクタンクのあり方についてであります。
     ただいまの質問で、中山間地域の過疎対策の興味深い研究を行った静岡総合研究機構でありますが、この組織は本県の政策策定の一翼を担うために昭和五十九年に設立され、県に対してはみずから調査研究し政策提案する自主調査研究を行い、県内の各自治体に対しては総合計画の策定などを支援する受託調査研究を行うことで、これまで本県全体の行政の政策ブレーンとして貢献してきております。またこの静岡総合研究機構は県職員や市町の交流職員を受け入れ、その調査研究活動に従事することで職員の政策立案能力の向上にも寄与してきたと伺っております。
     しかし、近年の自治体の行財政環境は大変に厳しいものがあり、県の財政的、人的支援を前提とした財団法人としての活動も限界に来ているなど、こうした行政系シンクタンクを取り巻く環境変化は大きなものがあると聞いております。このような中静岡総合研究機構を平成二十三年度末で解散するとのことでありますが、行政ニーズは多様化しておりシンクタンクの研究に裏打ちされた知恵や政策立案能力を備える人材の育成は、今後も大いに必要とされるものと感じております。
     昨今、地方への権限移譲を目指して広域連携などの内政制度改革が議論され本県の今後のあり方が問われ、また本県の新総合計画に盛り込まれた施策や構想を実現するための具体的な方策を求められております。
     そこで、県は今後このシンクタンク機能をどのように確保していくつもりなのか、所見を伺います。
     最後に、百五十億円の財源捻出についてであります。
     知事は、去る選挙のマニフェストの中で四年間で六百億円の財源を捻出すると言いました。昨年度は百八十七億円の財源捻出を行ったとの発表がありましたが、この中には前知事時代に決まったこと、またたまたま時間的なずれによりその年度に成果に結びついたもの、予算のつけかえによるものを考慮すれば、実質では百億円に満たないのではないかという議論をさせていただきました。
     今年度についてどうかといいますと、今年度は百六十九億円ということでありますが、この中身を改めて見ますと、これもやはり前知事時代に方針の決まっていた静岡工業高校の跡地売却収入が含まれていたり、職員の削減が来年度は十人だけにもかかわらず前回計上してある本年度削減の九十五人分を今回も含めているなど、水増しの財源捻出であります。私の試算では、これらの前知事時代の成果や二重に計上されているものを除けば、財源捻出額は多く見積もっても八十億円というところでしょうか。これではとても目標の六百億円の実現は困難と考えますが、知事の所見を伺います。
     また、財源捻出は、単年度百五十億円なのか、四年間で六百億円達成であれば単年度はそれを下回ってもいいのか、考え方を伺います。
     さらに、この財源捻出額が、県民幸福度の最大化のため平成二十三年度予算編成のどこにどのように生かされたのか、あわせて所見を伺いまして、ひとまず質問を終わります。(拍手)
    ○議長(天野進吾君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 中沢公彦議員にお答えいたします。
     初めに、子ども手当の地方負担についてであります。
     子ども手当は、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援するという観点から昨年四月に創設されたところでございます。その費用負担に当たりましては、二十二年度限りの暫定措置として、子ども手当の一部として従前の制度である児童手当が残されましたので、児童手当相当部分の地方負担のみを受け入れたところでございます。
     本県といたしましては、全国一律の現金給付である子ども手当は国がその全額を、民主党政権が国民にお約束なさいましたように、負担するべきであるというのが、私のまた県の基本的姿勢でございます。その旨を国に対して要望してまいりました。したがいましてこうした中で二十三年度についても、本年度と同様の地方負担が継続されていることはまことに遺憾であります。
     しかし、厳しい経済状況の中で、県民の皆様に対しまして安心を提供し子育てをしていただくということのためには、子ども手当が確実に支給されるということのほうが何より大事であると。どちらが負担をするかということにも増して、子ども手当によってこの厳しい経済状況の中で苦しんでる方々に対するアンケートあるいはレポートなどが公表されておりまして、その中でこれで助かっているという声が寄せられております。そうした方々に安心をしていただくということが何よりも重要であると。そうした観点から今回の制度設計に当たりましては、地方独自の子育て支援策といった現物給付サービスを拡充するための交付金が創設されるなどの工夫が施されております。今後の子ども手当の制度のあり方につきましても、国、地方の協議の場を設けて検討することといたしました。
     こうした諸点を考慮いたしまして、二十三年度につきましても二十二年度と同様の地方負担を受け入れることとした次第でございます。そして当初予算に県負担部分を計上いたしました。二十四年度以降の子ども手当の制度設計に当たりましては、国が地方との信頼関係を損なうことがないよう、地方の意見を真摯に受けとめるとされておりますので、一方的に地方負担を求めることはないと信じております。現金給付と現物サービスに関する国と地方の役割分担及び費用負担について、地方と十分な協議検討を行われるように引き続き国に働きかけてまいります。
     この背景にある思想でございますけれども、日本の人口が今下降のカーブの中に入り込みました。本県におきましても、昨年度三百七十七万六千というふうに発表されておりますけれども、恐らく三百七十六万台に落ちてきているのではないかと思います。そうした中でいかにして地域全体、社会全体で子育てをしていくかということが問われているという中で、一つの方策としてこの子ども手当というものが出されたと。出して約束した以上は守るということが大事で、そうした観点は国、地方を問わずやっていかねばならないと。私は中央政府と地方政府が負担をめぐって争うことは、必ずしも生活をなさっておられる子育ての家族に対する安心にはならないという観点から、今回は今申しましたような理由で負担に応じまして、当初予算に県負担分を計上したということでございます。
     次に、障害福祉施策についてのうち、重度障害者ないし重度障害児医療費助成の充実についてでございます。
     重度障害者・重度障害児の医療費助成は、発足以来これまで医療費負担の大きい内蔵障害の方への対象拡大や医療費助成の申請を必要としない自動償還払い方式の導入など、対象者の要望を踏まえまして市町と協力しながら制度の改善を図ってまいりました。
     現在、三つの障害、すなわち身体、知的、精神の三障害の中で、精神障害だけが医療費助成の対象外となっているのは御案内のとおりでございます。これに対し精神家族会や市長会などから要望が寄せられております。県といたしましては、事業主体である市町や医療機関との御意見を伺いながら、制度の拡充について前向きに検討してまいります。
     また、現物給付方式への変更につきましては、議員御指摘のとおり市町の国民健康保険事業に対する国庫負担金の減額措置が行われるため、市町の新たな財政負担につながることや県内すべての医療機関の理解を得る必要があることなどさまざまな課題がございます。国に対しましては減額措置の廃止を引き続き強く要望してまいります。そして県としても手法を今後研究してまいりたいと存じます。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長(天野進吾君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 書道教育の推進についてのうち、小学校段階における書道教育の充実についてお答えいたします。
     学校における毛筆を使用する書写の授業は、一筆一筆丁寧に文字を書く活動を行うことから、子供の心を落ちつかせ集中力を高めるとともに、日本の伝統文化に対する理解を深めることにもつながるものであると考えております。しかしながら小学校一、二年生の書写の授業におきましては、鉛筆の正しい持ち方を覚えさせ、平仮名、片仮名、漢字等を正しく整えて書くことができるようにすることに重点を置いており、定められた授業時数に加えて毛筆を使用する書写を学習することは、子供と教員双方の負担になるといった課題があるため、県内すべての小学校で一年生から一律に毛筆を使用させることは難しいと考えております。
     県教育委員会といたしましては、特例措置として小学校一、二年生から毛筆を使って書写の授業を行っております事例を各学校に紹介し、その成果やアイデア等を広めるとともに、県の人材バンクとして書道指導者も登録されております学びの「宝箱」の活用促進を図るなど、子供たちが書道に触れる機会をふやせるよう努めてまいります。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 出野文化・観光部長。
           (文化・観光部長 出野 勉君登壇)
    ○文化・観光部長(出野 勉君) 書道教育の推進についてのうち、静岡文化芸術大学における人材の育成についてお答えいたします。
     日本の伝統文化として先人たちが築き上げてきた書道を承継し発展させることは、本県が進めるふじのくに芸術回廊の実現を目指す上でも重要であると考えております。
     静岡文化芸術大学における書道教育につきましては、国際文化学科のカリキュラムとして教員免許の取得に必要な書道科目を開講しておりますが、議員御指摘のとおり履修している学生はごく一部にとどまっております。教員を目指す学生以外であっても、日本の誇るべき伝統文化としての書道に興味を持ち理解し親しむことができるような取り組みを行うことは、大学が教育理念として掲げております創造性豊かな人材育成に資するものであると考えております。
     このため、県といたしましては、これまでの書道科目以外に書道の歴史や文化、精神などを学ぶ機会の創設や、中国を初め海外大学との作品展を通じた国際交流などの実施について検討するよう、静岡文化芸術大学に働きかけてまいります。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 石川健康福祉部長。
           (健康福祉部長 石川俊一君登壇)
    ○健康福祉部長(石川俊一君) 障害福祉施策についてのうち、障害児の放課後の対応についてお答えいたします。
     障害者自立支援法関連では、障害のある児童の放課後の受け皿として、児童デイサービス事業のほか、国庫補助事業である地域生活支援事業の日中一時支援を活用することにより、福祉施設、学校の空き教室、公共施設の空きスペースなどにおいて、障害のある児童を預かるサービスを実施することができます。この日中一時支援は、児童デイサービス事業のように利用定員や施設基準などに条件を設けておらず、実施主体である市町の裁量にゆだねられておりますことから、中山間地域などのニーズに合わせた利用が可能となっております。
     県といたしましては、障害のある児童とその家族の支援がひとしく行われますよう、事業の活用方法や県内で取り組んでいる好事例を紹介するなど、特に中山間地域の市町に対してさまざまな機会を通じて周知を図ってまいります。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 丸山経営管理部長。
           (経営管理部長 丸山康至君登壇)
    ○経営管理部長(丸山康至君) 過疎対策についてお答えをいたします。
     過疎地域自立促進特別措置法の改正、延長に伴い、本県の過疎対策を総合的かつ計画的に推進するため、平成二十二年度から二十七年度までの六カ年を期間とする静岡県過疎地域自立促進計画を策定したところであります。
     この計画は、昨年九月に策定いたしました静岡県過疎地域自立促進方針と過疎市町からの要望を踏まえ、県が過疎市町に協力して講じようとする施策について、産業の振興や交通通信体系の整備など九項目に分類の上、各種事業を取りまとめたものであります。今回の計画においては、県が市町にかわって市道や町道の整備を行う県代行事業などに加え、新たに六次産業化や担い手の育成、交流・定住の促進、集落機能の維持強化などのソフト事業を盛り込み、過疎地域の活性化に積極的に取り組むこととしております。
     今後とも、地域住民が住んでよかったと実感し、都市住民が訪れてみたいと思える地域の実現に向け、過疎市町と密接な連携をとりながら計画に掲げる各種施策を着実に推進してまいります。
     次に、百五十億円の財源捻出についてであります。
     四年間で六百億円の財源を捻出するという考え方につきましては、取り組みの年度ということではなく効果が発現する年度に金額を計上しており、この考え方は昨年度から変わっておりません。
     まず、未利用財産の売却収入につきましては、毎年度作成する県有財産の売却計画に登載した財産を計上しており、この考え方に基づき静岡工業高校跡地の売却収入を計上しているほか、昨年度見直した職員数や手当の削減額につきましては、その効果が来年度も継続することから財源捻出額に含めております。これまで二回の予算編成で三百五十五億円余りの財源を捻出したものと考えておりますが、四年間で六百億円の目標の達成、これは決して容易ではないというふうに認識をしており、来年度以降においても、これまで活用したさまざまな手法に加え、行財政改革大綱に盛り込む補助金のサンセット方式による見直しなど新しい取り組みも実施し、一歩一歩着実に進めてまいります。
     また、単年度における財源捻出額につきましては、六百億円を四年間で均等割りした百五十億円を目安と考えており、年度によって百五十億円を上回ることもあれば下回ることもあるというふうに考えております。
     なお、捻出した財源につきましては、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの実現のために活用したところであります。具体的には、新規事業として、新卒者就職支援やふじのくに緊急リフォーム支援事業費助成などの経済・雇用対策の強化や、県立病院の医師派遣などの医療・福祉の充実、緊急搬送路の整備やゲリラ豪雨等に対応する緊急総合治水対策などの危機管理対策等に活用しております。また警察官の増員、特別支援学校スクールバスの介助員の増員などの拡充事業や医療、介護などの社会保障関係経費の増加分の財源としても有効活用しております。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 大須賀企画広報部長。
           (企画広報部長 大須賀淑郎君登壇)
    ○企画広報部長(大須賀淑郎君) 行政系シンクタンクのあり方についてお答えいたします。
     財団法人静岡総合研究機構は、昭和五十九年の設立以来県内自治体の総合計画の策定支援や具体的な政策提案、さらには人材育成等を行い、長年にわたり県や市町村のよきパートナーとして個性を生かした地域づくりの推進に実績を上げてまいりました。この間静岡総研に蓄積された地域づくり、人づくりに関するノウハウや学術フォーラムの開催によって得られたアジア各国を初めとする国内外の研究者や識者との人的ネットワークなどは、本県にとりましても大変貴重な財産となっております。
     地域主権改革が進められる中で、中長期的な視点から広域連携や新産業の創出、さらには地域外交といった行政課題に戦略的に対応していくことが求められている今日、静岡総研が持つこのような財産をどこにどのように継承していくかは大きな課題であると認識いたしております。このため来月には庁内の関係部署で構成する検討会を立ち上げまして、市町や大学等の関係者の御意見も伺いながらこの秋を目途に検討し、方針を決定してまいりたいと考えております。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 十五番 中沢公彦君。
           (十五番 中沢公彦君登壇)
    ○十五番(中沢公彦君) 要望を一点、質問三点をさせていただきます。
     まずは、書道教育の推進についてでありますがこれは要望でございます。
     教育長から、書道教育の重要性については認識されてるというような話があったと思いますが、これは引き続きですね、時間をかけてでもいいですから回を重ねながらいろんな意見を聞いて、またどうあるべきかというのを考えていただきたいんですが、できない理由を探すんじゃなくてこうすればできるという方法を探すという発想でやっていただきたいと思います。何でもかんでも大変だとか何とかって言いますけどもやっぱりできる方法を探さないと、できない理由なんていうのは幾らでもありますからそういう姿勢を改革していただきたいなと思います。これは要望でございます。
     質問三点でございますが、まず子ども手当の地方負担についてですが、知事のおっしゃることの意味はわかります。ただ私はこの制度そのものに納得をしてませんので改めて伺いますが、負担がどこでどうあるべきか争うべきではない、子ども手当というのは子育て世代にとっては重要なものだから、これはよくわかります。
     しかし、その負担について争うべきではないという話のときに、私が思ったのはついこの間の医療三事業、静岡県と政令市がもめくらかしました。特に何か嫌なことがあったのかどうかわかりませんが、静岡市長に対しては大変厳しい意見を知事はされていたと思います。これはまさに負担がどこでどうあるべきかという負担のあるべき論は、あのときは論争したんではないかと思います。
     ただ、あのときは協定というものがあって、その協定にのっとればどこが負担すべきだというような話になる。逆を返せば国が全額国庫負担をすると言った以上は、国に負担をさせるべきであります。これはだから事情もわかるからやむを得ないということで県が負担するっていう児童手当の、昔の児童手当の部分だけですよと言いますが、国は全額負担するって言ったんですからやっぱりそこは毅然とした態度を持ってもらいたいと思います。
     そこで、改めて伺いたいのは、膨大なばらまきになっている予算の一つの大きな理由としては、所得制限なしで金持ちにもばらまいてることなんですね。ですからその所得制限なしということに対して知事はどうお考えか、これを伺わせてください。
     次に、障害福祉施策の重度障害者・障害児医療費助成の充実でありますがこれもですね、精神障害の方は前向きに検討するという意見をいただいたんで、ぜひとも可及的速やかにこれを実施に向けてお願いしたいと思いますが、立てかえ負担の解消についてはですね、私先ほど言いましたが全国で二十九もの都道府県は実施してるんですね、既に。静岡県の財政規模に関して言えばトップテンに入る財政規模の県であります。財政規模はトップテン、そして全国の二十九の都道府県では立てかえ負担をしていない。トップテンの都道府県見てもらうと静岡県だけが立てかえをしてない、要するに現物給付をしてないんですね。ですから国に強く働きかけると言ったって、そもそも今の国は全く当てにならない政権がやってますから、この当てにならない政権に強く要望したってですね、来年どうなるかわかんないわけですよ。つまりこれは県が責任と気概を持って本当に必要な方々のための施策だということで、きっちりと導入するべきものと思いますが改めてその見解を伺います。
     三点目。百五十億円の財源捻出でありますが、これは今の部長の答弁を聞く限りでは全く見解の相違でありまして、見解の相違を言い合っても仕方がないなと思いますが、あえて言わせていただきますと人件費に関して累積になってくわけですね。ということは来年度はさらに二十二年度分、二十三年度分が上積みされた分が、累積でどんどん人件費だけはこの財源として捻出されてくってことですよね。
     そんなのは数字のマジックって先ほどどなたかがおっしゃってましたけど、完全な数字のマジックで、おやめになっていなくなった方の人件費をいつまで計上するのかと。これは全く見解の相違でですね、こんな二重、三重になるような計上はあり得ないと思います。ただこれを言い続けても全く平行線になると思いますから、私が伺いたいのは財源の捻出されてると言われている数字に対して、客観的な評価基準もしくは外部的なものに対する意見聴取の中で、客観的に判断された場合、捻出はこれぐらいですよというようなもので、財源捻出という施策そのものを事業仕分けするような形はどうかと思いますがそのことについて伺います。
     再々質問しなくて済むように明快な答弁をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。(拍手) 
    ○議長(天野進吾君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 中沢議員、再質問ありがとうございました。
     最初の子ども手当にかかわる質問についてでございますけれども、大切なことは財源の主体ではなくて子供である、あるいは県民である、国民であると、こういう姿勢でございます。そして議員御指摘のとおり、なるほど子育てについて費用というのは、資金というのは最も重要なものであります。しかしそれだけではないというように私は考えております。子ども手当という形での子育て支援というのは一つの方策ではあります。しかしこれが私は最善の策かどうかということについては疑念を持っております。
     一方、国の国民に対する借金がGDPの二倍、一千兆円にもなんなんとする状況の中で、しかしいかにして子育てを社会全体でやっていくかというその姿勢については共感するところは非常に多くございまして、そしてこの点については国とどちらが負担をするかということについて闘うのは、国民、県民、子供のためにならないということでございます。これと県並びに三十五市町における福祉医療費の負担にかかわる議論とは異なります。特に静岡市と本県とのかかわりは、この話とは全く別の次元のものであるというふうに思っております。
     私はこのたび、県民手帳にそれぞれの市町の合計特殊出生率を掲げました。これは市町それぞれ豊かな市、豊かな町、そうでない市町がございます。しかしそれはそのまま子供の特殊出生率に反映しているのではありません。ですからいかにしてこの出生率を上げるか、産みやすい、育てやすいというような、そういう地域社会をつくっていくかということを考えねばならないという中で、事財源に関しましては、これは少なくとも約束したことがございます。政令市との約束がございまして、そして財源を見ましても十分に捻出できるということでございますので、約束どおり経過措置は本来三年、それが二回も延ばしたということでございます。
     ですから、この点につきましては明確に本来ならことしで打ち切るべきだったわけでございますけれども、来年もう一年いわば不安を与えないと、子育ての方に不安を与えないために医療費については半額にして、率を半額にして出すというふうに決めたわけでございます。
     そうしますと来年度ですね、静岡市に対しましては六億円出しておりましたから三億円の余裕ができます。さらに再来年度になりますと六億円まるまるの余裕ができることになります。そして三年度以降は浜松市の助成もなくなりますから合計十三億円。浜松市には年間七億円の助成を差し上げてるわけであります。そうしますとですね、この十三億円を福祉医療費のほうに回せるわけですね。精神障害者、重度障害者、母子家庭、父子家庭のところに回せるわけです。
     ですから、いかにして効率的に限られた予算を本当に困ってる人たちのところに回せるかという観点でやっているわけでございまして、私はけんかをするためにけんかをするのではなくて、きちっとした約束事があれば、我々にとっての約束事はどちらが負担するかってことではなくて、政令指定都市としてやるべきことと県としてやることがございますと。それ約束したとおりやりましょうと。できなければこちらはそれは相談に乗りますけれども、十分にできる相談の中でこの議論をいたしましたので、この点が県民の方々、特に子育てや重度障害やあるいは精神障害その他、いろんな厳しい生活環境にあられる方に対しまして誤解を与えたのは残念でございましたけれども、市町のリーダーシップというものがどうあるべきかということを明確にすると。私は子育てや福祉や医療というものは最も大切だと、これを抜きにして経済発展もあり得ないというぐらいに思っています。
     さて、三つ目のですね、いわゆる六百億円、財源を捻出するという話でございますけれども、これは一つもごまかしなどはしておりません。ですから客観的に評価に耐えるもので予算は全部公表しておりますから、したがって昨年度事業仕分けで三十数億の仕分けをいたし、それが機縁になってそのときたまたま降ってきた削減効果というものがありますが、合計して百八十億円余の削減ができたんです。
     ことしにつきましても事業仕分けで、これは事業枠全体が昨年度の半分でございましたので半分ほど、つまり七%もの十五億円ほどの削減ができました。これは百七十億円ほどの削減ができた。合計すると三百五十五億円。これは間違いなく削減できた額です。
     本当はこれで済んでると思われますか。実はですね、申しませんでしたけれども人件費を減らしております。給与改定、昨年だけで百五十二億円です。ことしは百八十六億円。これはもちろん人事院勧告にのっとった形で県職員の給与を、いわゆる給与改定における下げ率は昨年は日本一です。ことしは日本第二位です。それぐらい下げました。しかしそれを合計しますと三百三十八億円になりますから、したがって三百五十五億円したのと今回の三百三十八億円人件費を減らした、合わせますと六百九十億円になります。
     したがって、私はもう既にこの二年度におきまして、約束いたしました六百億円はもう実現したとすら思ってる。しかしですね、じゃこれは借金の返済に充てるべきかどうか。困ってる人がいる。就職できない人がいる。その人たちにお金を使わなくて一体どこに使うんですか。しかしそれだけだと経済が発展しないから新しい産業に使えるように、そういう成長の芽を出すものに使っているわけです。ですからその捻出した財源は皆有効に使ってます。このデフレスパイラルに入る中でですね、もしお金を使わなければこれは本当に縮小的不均衡になるということになりかねないということでございますから、ここは政策的経費、それから困ってる人に対する手当てということで実はこの六百九十億円を使ってるんです。
     ですから、石川先生のときからなさってこられたということが、たまたまウインドホールで入ってきたと、構わないじゃありませんか。私がここで事業仕分けをしてその成果は翌年ないし翌々年に効果があらわれる場合もあります。そうしたものです。ですから今年度にあらわれた、単年度にあらわれた削減分というものがいわゆるその捻出額ということとして計上して、合計四年間、私が在任中四年間において六百億円を捻出するという約束は既に果たしました。
     しかし、それはそれ、いわゆる人事院勧告でなさったものを受けてるだけだなんて言われればそれまでです。しかしながら今こういう個人消費が減っている中で、本当に給与を下げていいのかどうかってことについては私はすごく悩みました。むしろここはふやさなければならないぐらいだと。我慢してここは減らしてはならない、日本一下げ幅の多いようなそういうことを自慢することではなかろうとすら思ったのですけれども、県民がこれぐらい厳しい状況になっている中で、我々だけはそういう給与の維持ということはできないでしょうと。だから一緒に痛みは分けるということで下げたんです。これが三百八十億円ですよ。これ言わなかった。だからもう既に六百九十億円下げてる。よくごらんくださいませ。以上でございます。(拍手)(発言する者あり)
    ○議長(天野進吾君) 石川健康福祉部長。
           (健康福祉部長 石川俊一君登壇)
    ○健康福祉部長(石川俊一君) 中沢議員の再質問のうち、最初に子育て中の所得制限の関係でございますけれども、一点補足を申し上げますと、子ども手当というのは、児童養育をしております家庭における生活の安定に寄与することを目的とした児童手当とは違いまして、子供一人一人の育ちというものを社会全体で応援するという観点で創設されたものでございます。そうしたことから家計がいかに変動していようとも確実に支給されるようにされたものでございまして、所得制限はなじまないものと考えております。
     二点目に、障害者医療の関係で現物支給の移行についての御質問でございます。確かに現物給付の移行を妨げている大きな壁というのは、先ほど議員が御指摘のとおり、国のほうで設けております国民健康保険の給付負担金の減額、いわゆる国保のペナルティーというのがございます。これは国の見解でございますけれども、国は現物給付を行う場合については、保健医療機関へ受診しやすくなることで受診率が高くなって、その結果医療費の総額が増加する。また法定どおり三割または二割を負担している市町村や償還払いを実施している市町村との公平を欠くことになるという見解で、国のほうはペナルティーを設けているわけです。その金額についてはこども医療費についてはおおむね一億四千万前後、恐らく重度や母子をこの現物給付に移行することになれば、議員おっしゃるとおり恐らく五億から六億程度の市町のペナルティーが発生することになります。
     こうしたことから大変その、県の財政規模のトップテンというのは承知をしておりますけれども、直接的にペナルティーがかかるのは市町でございます。そうしたことから県といたしましては、今後引き続き国に対してこのペナルティーの廃止というものを言っていきたい。これまでも毎年行っていました。
     今後、現物方式と並行してですね、現物給付方式の導入につきましては他県の取り組み状況というものも詳細に分析をいたしまして、その減額措置した場合の財源も含めまして県と市町との負担のあり方について幅広く研究していきたいと存じます。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 十五番 中沢公彦君。
           (十五番 中沢公彦君登壇)
    ○十五番(中沢公彦君) 残念ながら納得できなかったので、再々質問をさせていただきますが、まず財源捻出について知事は今熱く語られました。そのことは受けとめますが、財源捻出があってそれで本当に必要とされる方にその財源を使ってやろうじゃないかっていえば、まさに先ほどの立てかえ解消になぜ使えないんですか。
     例えば、六億円恐らくあるっていったときにそれは市町に対して交付してでもいいじゃないですか。二十九都道府県はやってるわけですよ。二十九都道府県。全国に何都道府県あるか知ってますか。四十七都道府県ですよ。半分以上やってるんですよ。財源捻出された、大見え切って六百億だか何とかやってんだって言うんであれば、それに回せないですか。精神障害疾患の対象の拡大だってそれ回せないですか。本当に困ってる人たちなんですよ。だから、いろいろ言う前に、そういうことをきちっとやらないと。部長、ね、改めて伺いますが、財源捻出されたものがそういうものに回せない理由は何ですか。聞きます。
     二つ目、見解の相違と言いました財源の捻出についてのことで一点聞きます。人件費が累積されて昨年度分も上積みになってきますよ、来年になれば二年度分が累積になってきますよ。人件費が累積されて事業費の捻出になるってこと、何かのルールに基づいてるんですか。そういった何かの定めによって累積して人件費が計上していいよってことになってるのかと、定めがあるのかどうか聞きます。
     三点目、部長が言った子ども手当のことで言わせていただくならば、本来二万六千円をもらうべきではないですか。子供は一律にみんながしっかりと子供が育てられるようにするっていったときの最初の話は二万六千円でした。部長の話から言うんであれば二万六千円を求めるべきじゃないですか。その点について、二万六千円じゃなくて一万三千円で納得してる理由を教えてください。以上です。(拍手)
    ○議長(天野進吾君) 石川健康福祉部長。
           (健康福祉部長 石川俊一君登壇)
    ○健康福祉部長(石川俊一君) 最初の、財源は回せないかということでございますけれども、財源につきましては他県の取り組み状況を詳細に分析をいたしまして、国庫負担金の減額措置の軽減についての財源も含めまして、県と市町の負担のあり方について幅広く研究をしてまいります。
     二点目でございますが、子ども……(発言する者あり)はい。二万六千円分払うべきであると。留保している理由ということでございますが、これは民主党のほうでトータルの財源を計算した中でその金額になったものと理解をしております。以上でございます。
    ○議長(天野進吾君) 丸山経営管理部長。
           (経営管理部長 丸山康至君登壇)
    ○経営管理部長(丸山康至君) 再々質問にお答えします。
     人件費のことでございますけども、ルールがあるかというお話でしたけども、そもそもこの財源捻出云々について含める含めないというのは、特にルールがあるというようなものではないと思っています。
     人件費についてはですね、例えば補助金なんかの経費を削減したというような場合は、補助金、後ろのいつまでやるってことが決まっているものはそうかもしれないんですけども、通常は翌年度やるかどうかってのはわからないわけですね。そうするとやはりそれをやめるといったときには単年度でその年度しかということになります。
     ところが人件費の場合ですね、職員を一人減らすということについては、採用した後その退職するまでずっと継続して負担とする経費がございます。そういうことからすると一たんその職員、あるいは手当もずっとそれについてまいりますので、それを削減すればその削減効果というのは、当然後年度に累積継続するという性格のものでありますので、我々のほうとしては財源捻出額に含めていく、そういう考え方でございます。以上です。

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