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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成18年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

佐野 愛子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/11/2006

会派名:

平成21


質疑・質問事項:



    ○議長(芦川清司君) ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、四番 佐野愛子さん。
           (四番 佐野愛子君登壇 拍手)
    ○四番(佐野愛子君) 私は会派平成21所属議員として当面する県政の諸課題について、知事、関係部長及び教育長に質問いたします。
     平成十四年内閣府より出された障害者基本計画では、二十一世紀に我が国が目指すべき社会は、障害の有無にかかわらず、国民だれもが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会とする必要があるとうたっています。また県が進めているユニバーサルデザインでも自立と共生の社会づくりを提案しています。それを受け心豊かな共生社会の実現についてのテーマで質問いたします。
     初めに、障害者の自立支援に対する取り組みについて伺います。
     十月より障害者自立支援法が全面施行されました。しかし実際は障害者自立阻害法ではないかとささやかれ、県内はもとより日本じゅうから障害者の悲鳴が聞こえてくる状況です。周知のとおり、障害者の自立と身体、知的、精神の障害区分ごとに提供されてきた福祉サービスの一元化を掲げ、費用をみんなで負担し合う仕組みとして一割の定率負担や食費、光熱費の自己負担が課せられました。
     障害者の自立を基本的理念としていることはわかるのですが、障害者の実態と余りにかけ離れた内容となっています。例えば障害が重い人が生活していくには日常の動作すべてに介護サービスを必要とします。その分だけ自己負担も多くかかる応益負担では大変な金額になり、障害が重い人ほど負担が重くなるわけです。
     自立支援法では障害者の就労促進も掲げていますが、重度の障害者が働いて収入を得ることはまだまだ不可能な現状です。障害者一級で月八万円、二級で六万円程度の障害者年金から月々上限の二万四千六百円または一万五千円を支払ったら残りはわずかです。ことし念願のひとり暮らしを始めた一級障害者の知人はアパート代と光熱費を払うと残りは食べていくのがやっと、貯金を取り崩していると嘆いていました。またこれまでの本人の所得基準から世帯の所得基準に変わったため、同居の家族に収入があると負担の限度額もふえて三万七千二百円になるなどますます障害者を取り巻く現状は厳しくなっているのです。
     施設入所の方々も食費、光熱費の自己負担を払うことができず退所していったり、通所の方も負担が一気に十五倍にもなるなど利用を控えたりしているということも聞きますが、県は一体どの程度実態を把握していると言えるのでしょうか。
     国では負担軽減措置を今年度の補正予算に盛り込む方針を出しました。全国的にも四割の政令都市や都道府県が独自の軽減策をとっています。特に三重県、佐賀県、群馬県、松山市、高松市、岡山市では今十一月、十二月定例議会で障害者への独自の支援制度の予算計上をしています。県民所得全国第五位を誇る静岡県として県民が切に望む措置を講ずる必要があると考えますが、県の考えを伺います。
     また、本県はホームヘルプサービスやショートステイ、グループホームなど居住系のサービスの利用者が全国的にも低い状況にあります。今後、障害のある人が希望するサービスをどこでも受けられるようにするためにはこれまで以上に使いやすい施設整備をしていく必要がありますが、県が今年度策定する障害福祉計画ではどのような点に主眼を置いて策定するのか、今後の取り組みを伺います。
     次に、県庁の障害者雇用推進について伺います。
     障害者自立支援法はその字のごとく障害のある方々が自立することを目指しています。自立のためには障害者も働いて経済的基盤を得ないことには始まりません。そのため障害者の就労に大きく重点が置かれています。しかし県の組織を見ても障害者雇用専門の部署は健康福祉部にも商工労働部にも見当たらないという現状であり、まだまだ対応は進んでいるとは言えません。企業の障害者法定雇用率一・八%に達してない県内企業は五三・四%と過半数を占め、雇用率は全国二十六位と低迷しています。それでも景気の回復とともに障害者雇用に関心を持つ企業もあらわれ、清水町の食品会社では商品出荷業務を行う知的障害者十二人入社、JRでも障害者雇用の推進を目的に子会社を設立、島田市では資源ごみ施設の運営を障害者福祉法人が任されるという取り組みもあります。
     障害者ができる仕事をできる場所で社会の一員となって働くことが一番望ましいのですが、現在ではまだまだ受け入れられにくいという現状です。私は企業にこの任を課すだけでなく、役所などの公的施設こそ真っ先に障害者を受け入れるべきだと思うのです。
     今年度、教育委員会において二人、非常勤でありながら養護学校の卒業生を受け入れたということですが、もっともっと障害者の働く場として門戸を広げるべきです。県庁東館には障害者の運営する喫茶店があり、私もときどき心和む場として利用させていただきますが、ほかにも事務的な単純作業など障害のある方ができる仕事があるはずです。各部ごとジョブコーチとともにできる仕事を提供していただくことは不可能でしょうか。
     また、臨時職員の派遣会社、清掃会社など、県が契約する会社に障害者の雇用率を数%にするという条件を出す方法もあります。県庁はもちろん出先機関でも、どこの部屋に行っても障害のある方が働いているということになれば自然に県民の意識改革につながっていきます。県民に訴えている共生の意識をエリートである県職員みずからはぐくんでいただきたいのです。県庁の取り組みが各市役所、町役場に広がっていくものと思われます。
     二〇〇七年にはアビリンピックが静岡で開催されますが現在の静岡駅周辺のユニバーサルデザイン度では障害者を受け入れられる状況ではありません。静岡駅で電車をおりて県庁まで車いすで通勤する職員が多数いてもいいはずです。心身に障害を持った方々がスムーズに社会に参加できる体制を県みずから打ち立てていくべきだと考えます。
     県庁の障害のある方々の雇用推進について県の御所見を伺います。
     次に、命と心を救う対策について伺います。
     初めに、自殺対策について伺います。
     「人の命は地球より重い」という言葉がありますが、自分の命を自分で絶ってしまう自殺ほど家族にとっても医療従事者にとっても無念なものはありません。平成十年、全国で自殺者が三万人を超えました。国においては平成十三年度から自殺防止対策費を予算化し、うつ対策を初めとする自殺防止のための啓発活動を始めました。そして平成十八年には、自殺を個人の問題だけでなく人を自殺に追い込んでいく社会をも対象とした総合対策を盛り込んだ自殺対策基本法が成立しました。
     静岡県の状況を見ますと、県警資料で平成十七年の自殺者は九百四十三人であり死因の七位を占めています。同年の交通事故による死者二百五十一人と比較しても三・七倍となっています。その原因としては男性の自殺者の約四四%は経済生活問題、勤務問題となっています。また年代別では五十代の男性が最も多く、働き盛りの自殺は残された家族にとって精神的ショックだけでなく、その後の経済的にも大きな影響が出ます。また社会的にも損失であると言えます。
     これだけ問題になっている自殺者数増加に対して県はどんな施策をとっているのでしょうか。単純な比較ではありますが、県警では交通安全対策費として平成十八年度約四十九億二千万円を充てています。それに比べ県の自殺対策のための今年度の予算は六百万円であります。これではとても満足な施策ができているとは言えません。
     過労自殺者の九割はうつ病の診断に該当すると言われています。まじめに我慢強く働いている勤労者の皆さんは過重な労働に加え人間関係や経済問題など多くのストレスを抱えています。だるい、眠れない、食欲がない、肩が凝るなどという身体不調を感じたときに受診する人の九割は一般外来を受診し、内科、脳神経外科、婦人科、整形外科などをたらい回しにされたあげく医師からは異常なしと診断を受けるケースがほとんどです。精神科、心療内科を紹介するという割合はたった二・四%と低く、医療従事者の精神的問題に対する認識がまだまだ浅い現状にあると言わざるを得ません。あのとき専門医にかかっていたらという後悔をなくすためにも、医療機関の紹介システムの整備やうつ病の早期発見、早期治療の意識啓発に努めていくべきであると考えます。
     県は今年度富士地区をモデル地区として自殺予防対策事業を行っていますが、この事業結果を受けて今後どのように取り組んでいくのでしょうか。また県はこころの電話という相談事業をしていますが平日の昼間に限られており、夜中の十二時までと休日は社会福祉法人いのちの電話に委託しています。自殺を考えるまでに追い詰められた相談は夜明け前後が多いと聞きます。またせっかくかけてもつながらないことも多いようです。電話相談事業においてフリーダイヤルでの二十四時間対応や回線の増設、相談員の育成など、早期に手を打つべきだと考えます。
     県は千人にもならんとする本県の自殺の現状に対してどのような対策を立てていくのか、また今後どのような取り組みをしていくのか伺います。
     次に、子供の心を救う対策について教育長に伺います。
     行ってきますと言って元気に登校する子供たち。親は勉強頑張ってね、友達と仲よくしてね、給食も食べてねなど、我が子に期待をかけて送り出しています。しかし、昨今のようにいじめ自殺などという報道を毎日のように目にすると、子供の心が学校生活で満たされているのか不安になります。確かに学校では「先生、あのね」と話しかけても先生は三十数人を相手でいつも忙しく、「ごめんね、ちょっと待ってね、後でね」という言葉が返ってくることが多くなります。中学生になるとますます心の中は複雑で、親には勉強の内容も交友関係もはかり知れなくなります。
     そんな子供たちの学校生活を充実させるため、県教委では六年前から小学校一年生学級支援事業を立ち上げました。学校生活のスタートである一年生が集団生活になれ、基礎基本を身につけるために支援員の存在は大変ありがたく、子供からも、保護者からも、教員からも、さらなる充実が求められている事業であります。また中学校に対しても中学校一年生支援プログラムを開始して二年、大変な効果を上げています。中一ギャップを少しでも解消するために小規模なクラス編制は不可欠です。二年生に進級すると本プログラムが終了するため、一気にクラスの人数が五、六人ふえて戸惑ってしまうという声をよく耳にします。さらに最近、発達障害と呼ばれる特別な配慮を必要とする子供が増加してきました。学級担任がその子の対応をしているうちにほかの子供が騒ぎ出したり置いてきぼりになったりという問題も大きくなり、昨年度から特別支援員が県下で百六十七人配置できたのもありがたい制度です。
     しかし、私が一番疑問に思うのは、これらの事業が予算を計上しない定数活用でなされていることです。定数活用とは、本来正規の職員として配置されるべき人を配置させないで、その人件費を一人分につき数人の非常勤の支援員として使っているのです。子供たちの心を救い学校生活の大きな助けとなっている効果が著しい事業です。正当な予算配置がなされて当然です。平成十九年度もさまざまな県事業の予算編成がなされますが本当に県民が必要として効果を上げている事業にこそ予算をかけるべきだと思います。
     学力低下、いじめ、校内暴力など学校現場をめぐるさまざまな問題は尽きませんが、子供の心を救うには学校の中に余裕を持って受けとめてくれる人、例えば級外の先生や保健室の先生、スクールカウンセラーなどの存在がどうしても必要です。子供の心を救う対策として学校現場に本当に必要な対策は何といっても必要とされる人員をふやすことと考えますが、教育長の御所見を伺います。
     次に、養護教育の充実と特別支援教育について伺います。 
     ユニバーサルデザインの視点を教育に当てはめると、障害のある児童生徒も障害のない児童生徒も居住する地域社会の中でともに生活し支え合い育つとともに、個々の教育的ニーズに応じた適切な教育を行うこととなります。昭和五十四年以来、養護学校教育の義務教育化がなされていますが、近年は二つ以上の障害をあわせ持つ児童生徒が五〇%を超えるなど障害の重度、重複化、多様化が進んでおり、それぞれの障害に対し専門的に対応できる教育が必要となっています。
     ことし六月に学校教育法が改正され、来年四月より盲・聾・養護学校は障害種別を超えてすべての障害に対応した特別支援学校になります。それでは、例えば藤枝養護学校は盲、聾、肢体、知的すべての障害のある子たちを受け入れることになるのか、名称も藤枝養護学校から藤枝特別支援学校というように変更していくのか、現場では見えてこないことばかりです。障害のある子供たちが遠く離れた学校ではなく近くの学校に通えるようになるのはよいことだと思いますが、その場合、障害に合わせた施設・設備が必要になると思われます。
     また、現在盲・聾・養護学校に通う児童生徒の総数は三千四百名ほどでありますが、来年度以降急増していく見通しです。養護学校のますますの狭隘化、通学の遠距離化が進むことは目に見えています。静岡県の盲・聾・養護学校児童生徒一人当たりの予算額は全国四十七位と最下位であり、その予算は全国平均の六割でトップの京都府の半額以下です。清水小学校内の分校、南の丘分校、御前崎分校など、子供たちが地元の学校に通学できるととても好評であると聞いています。大規模化を解消するためにもさらに各地域に分校を増設していく必要があると考えます。
     また、来年度より実施となる特別支援教育においては養護学校は各圏域をコーディネートする支援連携協議会の中心的役割を担います。市町立小学校内の養護学級も養護教育をしていますが、県立である養護学校との連携がこれまでにおいて余りに少な過ぎたのが事実です。発達障害の子も対象となる特別支援教育では一人一人の教育的ニーズに合わせた専門的指導が必要になります。県内小中高等学校すべての教員が障害について正しい知識と理解を持って指導できるために、養護学校の果たす役割は大きいと思います。今後の養護教育の充実と特別支援教育の連携のあり方について伺います。
     次に、茶業振興について伺います。
     初めに、茶文化の振興について伺います。
     十一月十、十一日、全国お茶まつりが川根本町で開催され私も行きましたが、全国の茶生産者や関係者二万一千人でにぎわいました。六十回の大会の中、中山間地で開催されたのは初めてであり、地元の団体が農林水産大臣賞に輝いたことは喜ばしい限りです。
     さて、本県の茶の生産は全国の約四五%、流通量の約六五%を占め産業面では全国一位であります。またお茶の学術研究においても静岡県立大学、静岡大学、静岡産業大学や三井農林などお茶の効能を中心とした研究開発が盛んです。本県はお茶の産業、学術面では日本のトップに位置しております。
     しかし、このような本県でもお茶の文化面では京都の宇治と比較すると立ちおくれを感じます。静岡駅をおりるとお茶の町静岡からコーヒーの香りが漂い、静岡茶業会館、静岡茶市場周辺の茶商工業者の町からは文化的なクオリティーは感じません。日本一のお茶の町静岡として文化的なアピールをするものが少なく、時間をかけてでも茶の文化的な施策が必要だと考えます。藤枝ではお茶事の村というNPO法人が茶文化の掘り起こしを行っていますが、お茶摘み街道、茶摘み歌、お茶壺道中など静岡ならではの民俗や文化もあります。
     そこで、県は茶文化の振興にどのように取り組むのか、また支援していくのか伺います。
     最後に、中山間地域茶業の振興について伺います。
     県内の中山間地の茶業は厳しい現状にあります。静岡県の荒茶生産量はここ十年間約四万トンとほぼ横ばいとなっているのに対して、鹿児島県では五五%増の二万三千トンとなっています。加えて本県の荒茶価格は十年前の八三%となっており、このままでは茶農家は続けられないというところまで来ています。機械化が困難な中山間地域においては平たん地と同じようなお茶の生産方法ではコスト競争に巻き込まれ、より厳しいものとなります。中山間地域の茶業には機械化などの効率的な生産という視点だけでなく平たん地と差別化ができる高付加価値な茶業の実践が必要と考えます。
     世界におけるお茶の生産国のトップは中国です。その中国ではここ数年間、お茶の生産量、輸出量が伸びており、日本でも中国茶ファンが増加しています。中国のお茶の種類は約千種類あり、銘茶は約百種類あるとされています。それは茶葉の形、味、香りどれもが違い、その奥は深いものがあります。産地の多くは傾斜地や山岳地で生産され、産地や製造の仕方、入れ方、茶器、さらに喫茶の文化、銘茶にかかわる物語や歴史に至るまでさすが中国四千年の歴史がある飲み物だと思わせるものがあります。
     一方、静岡県は都心に近いなどの地理的な利点や気象条件の優位性だけでなく、生産者の栽培や技術屋さん、お茶屋さんの努力によって今日の茶業大国静岡を築いています。しかし静岡の代表のやぶきた深蒸しは欠点は少なく無難ではありますが選択性は低く、嗜好品としてはバラエティーに欠けています。また中山間地域におきましてもお茶の生産は平たん地と同じ品種、生産方法で取り組んでいることが多く、各産地での違いがわかりにくい状況にあります。また一番茶、新茶の一時的な価格がすべてで後は暴落し続けているということも問題です。
     私の地元の岡部町朝比奈地区ではこも掛けした玉露などをこもれび茶と名づけて売り出したり、つゆ茶といって玉露、茶器をセットで楽しむ商品を開発したりしています。また瀬戸谷でも抹茶や食材の原料になるてん茶の生産にも力を入れているなど一部での工夫も見られますが、県としては中山間地の茶業の振興にどのように取り組むのか支援していくのか伺います。(拍手)
    ○議長(芦川清司君) 石川知事。
           (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事(石川嘉延君) 佐野愛子議員にお答えいたします。
     初めに、心豊かな共生社会の実現についてのうち、障害者の自立支援に対する取り組みについてであります。
     障害福祉計画についてでありますが、障害福祉計画は障害のある人の自立と社会参加を促進するため、障害福祉サービスやその提供基盤を計画的に整備することを目的として、今年度、県及び市や町において策定するものです。この計画では障害のある人もない人も同じように生活しともに参加する社会を目指すいわゆるノーマライゼーション、この理念のもとで、そのための大きな課題である地域移行や就労支援について具体的な数値目標を定めてこれらの目指す方向を明示してまいることとしております。
     県といたしましては、市や町と協力してこの計画に基づいて障害のある人の雇用の場を確保するために、民間の方の協力もいただきながら一人でも多くの障害のある人に就労機会を提供し一般就労を進めるとともに、身近な地域で安心して暮らせるよういつでもどこでも利用できるようなホームヘルプサービスなどを充実させることによって施設から地域への移行を進めていくこととしております。またこれらの目標達成に向けて、ユニバーサルデザインの考え方に基づき福祉、教育、労働などの関係機関が協働して本計画を強力に推進し、障害のある人にとっても地域の暮らし満足度日本一が実現できるように努めてまいりたいと考えております。
     一昨日の土曜日、先週の土曜日ですね。ユニバーサルデザインの県大会、第五回目になりましたけども、これが沼津市原で行われました。私も行ってまいりましたが、その会場で来年県の高校の教員に採用予定になっている大胡田さんという方にもお目にかかりました。今この方の教師としての活動をサポートするためにITを活用しようということで、民間企業とボランティアの方が一緒になって取り組むことにしているという内容の紹介をそこで伺いました。
     これは教壇に立つと普通は板書をしなければいけませんが全盲という障害がありますために板書ができないと。それをカバーする上でキーボードで板書のかわりにディスプレーに、板書のかわりに先生の述べようとするものをそこに映し出す、こういう装置を開発しようということで、それも机に座ってキーボードをたたくんじゃなくて、ずっと教室の中を歩きながら要するにまあ一種のモバイルキーボードというんでしょうか、これでどこにおっても投写できるようなものにしようと。
     もしこれを開発できれば、これが実用化されれば、これは目に障害のある視覚障害であるかどうかはかかわりなく、晴眼者も教室などを歩きながら板書のかわりのディスプレーができるということになるわけでありまして、これこそまさにユニバーサルデザインの考えに従ったものであって視覚障害のある人にも非常に有効にこれが働くと、すばらしい発想が生まれてこれの実用化が待たれるところでありますけども、こういうようなことを各分野の方と県行政も協働しながらいろいろ進めていきたいと。
     ただいまこの本館と東館を結ぶ四階の廊下のところに県内の授産所の商品の展示、見本展示がありますが、こういう授産所における商品開発についてもマーケティングのセンスを十分に生かしながらどんどん新しい商品の開発とか、あるいは授産所などではものがありますから、各種企業などの記念品などに活用していただけるようなものもありますので、そういう意味の営業ですね営業活動、これらもやりながら就労の機会の拡大、これにも努める必要があると思っております。何でもとにかく効果がありそうだと思うものはいろんな分野の力を相互に連携しながら、取り組んでいくということもやりながら、この問題に当たっていきたいと考えております。
     次に、茶業振興についてのうち、茶文化の振興であります。
     お茶は日本人の生活の中で広く親しまれている飲み物でありますが、生活が多様化する中で新たな飲み方や楽しみ方を提案していくことが必要であります。
     本県では緑茶やその文化の世界的な普及を目的に世界緑茶協会を設立するとともに世界お茶まつりや新茶初摘み大茶会を開催し、さらに情報発信の拠点となるしずおかO―CHAプラザを開設したところであります。最近では緑茶を楽しむ茶器やお菓子、料理が提案されるとともに新しいタイプの緑茶喫茶が各地で誕生するなど、さまざまな動きが見られるようになりました。来年十一月の世界お茶まつり二〇〇七では、一流デザイナーと協働したお茶のもてなし方を提案する新・緑茶空間や来場者に生活の中でお茶の楽しみ方を広げていただく自分流・世界大茶会などを開催することとしております。
     県といたしましても、今後もこうした取り組みを積極的に進めることにより、茶文化の振興を図り世界の緑茶の中心地静岡を目指してまいります。
     また、学校教育の中でも地域の茶人の協力をいただきながら茶道を課外活動に取り入れるところも出てきておりますし、今後、子供から大人まであらゆる機会にいろいろお茶を楽しむというそういう機会に触れられるように努力も必要かと思います。静岡県はとかく生産ということになると非常にすぐれた力を発揮しますが、自分で生産したものを楽しみ味わうという点でいくといささか他県におくれをとるような嫌いがないわけでもないと思いますので、今後このお茶の面についても努力をしていきたいと思います。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長(芦川清司君) 藁科健康福祉部長。
           (健康福祉部長 藁科一仁君登壇)
    ○健康福祉部長(藁科一仁君) 心豊かな共生社会の実現についてのうち、障害者の自立支援に対する取り組みについてお答えいたします。
     負担軽減策についてでありますけれども、障害福祉サービスの利用者負担につきましては、制度設計を行った国において所得に応じた月額負担上限額の設定を行ったほか、低所得の方については資産等に着目した月額上限負担額の軽減や食費等の実費負担の軽減などの制度が設けられております。
     しかしながら障害者自立支援法が施行されさまざまな課題があることから、県といたしましてはこれまで国に対して低所得の障害のある方に対する減免措置や所得保障などについて要望してまいりました。また本県におきましても国の制度を補うものとして重度障害者・児医療費助成の対象を施設入所者にも拡大して医療費の負担軽減を図るとともに、最も大切な地域での生活の場を提供し社会的自立を支援するために県単独の事業としてグループホームの整備事業を実施してきております。
     こうした中、国においては利用者負担の軽減等の措置について検討に着手したと聞いており、制度的手当てがなされるものと思われますのでこれらの動向を注視するとともにその情報収集に努めてまいりたいと考えております。
     次に、命と心を救う対策についてのうち、自殺対策についてであります。
     県では、今年度四十代、五十代の働き盛りの男性に自殺者が多いことに着目し、産業都市である富士市をモデル地区として地元医師会等の協力のもと、一般医と精神科医の連携システムを構築いたしました。来月から始まるこのシステムの試行により、連携システムが機能し自殺に関連の深いうつ病の早期発見、早期治療から自殺者の減少に効果的につなげることができるように期待しているところであります。今後このモデル地区の成果を順次全県内に広げるとともに、県民からの電話相談に二十四時間対応するためには相談員育成や電話回線容量等の課題があることから、県といたしましては積極的に適切な対応案について検討してまいります。
     また、有識者や県の関係部局も加えた自殺対策連絡協議会を設置し、「自殺対策は、自殺が個人的な問題としてのみとらえられるべきものではなく、社会的な取り組みとして実施されなければならない」という自殺対策基本法の基本理念のもと、県民の関心と理解を得られる総合的な自殺対策に取り組んでまいります。
    ○議長(芦川清司君) 白岩総務部長。
           (総務部長 白岩 俊君登壇)
    ○総務部長(白岩 俊君) 心豊かな共生社会の実現についてのうち、県庁の障害者雇用の推進についてお答えいたします。
     障害者の自立と社会参加を支援する上で雇用の促進は大変重要であり、行政が率先して障害者の就労の場の提供を進めることが必要であると認識しております。そこで県では平成九年度から障害者を対象とした事務職の採用試験を始めて毎年度計画的に採用を行い、これまで計四十一名の身体障害者を採用したところであります。
     また、知的障害者については平成十五年度から実施している県庁や出先機関における養護学校等の生徒の職場実習等により、本人の就労体験と職場の理解を広げる取り組みを行っているところでございます。また実際の雇用に関しては図書館や社会福祉施設など複数の職場で非常勤職員としての採用を行っており、現在、公務のうちどのような職域で就労の場を確保できるか検討しているところでございます。
     今後も障害者の就労支援についてその模範となるよう県の職場における障害者の雇用を推進してまいりたいと考えております。
    ○議長(芦川清司君) 遠藤教育長。
           (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長(遠藤亮平君) 心豊かな共生社会の実現についてのうち、命と心を救う対策についてお答えいたします。
     子供の心を救う対策についてでありますが、そのために必要な人員を確保することは極めて重要であると考えており、本県では第七次教職員定数改善に伴う養護教諭の複数配置を適正に進めるとともに、議員御指摘の小学校一年生学級支援事業、特別支援教育充実事業等を実施してまいりました。定数活用はこれらの事業を県内の多くの学校で実施するための一つの手法であると考えており、三分の一の義務教育費国庫負担金を受け残り三分の二に県費を投じて実施しているものです。またスクールカウンセラーに関しましてはほぼすべての公立中学校に配置するとともにあわせて約百九十の公立小学校にも派遣し、児童生徒へのカウンセリングを行い子供の心の問題に対応しております。
     今後とも、一人一人の子供の心の変化や学習の状況に合ったきめ細かな指導を行うために学校現場における適切な人的配置に取り組んでまいります。
     次に、養護教育の充実と特別支援教育についてであります。
     県教育委員会では、今後の盲・聾・養護学校のあり方について特別支援教育を推進するための盲学校、聾学校及び養護学校基本計画を本年十月に策定いたしました。今後はこの基本計画に基づいて養護学校の大規模化に伴う施設の狭隘化や近隣に養護学校がないために通学困難を生じている地域などの課題を解消し、養護教育の一層の充実を図ってまいります。
     一方、各盲・聾・養護学校では地域の特別支援教育のセンター的役割を果たすことが求められているため、支援連携協議会や巡回相談などに参画し地域の障害のある子供たちの支援に当たっております。また養護学校と小中学校との学校間交流を通じて障害のある子供たちへの教育のノウハウを伝えたり、教員相互の人事交流を通して障害に関する知識習得と理解啓発を促しております。
     今後もより一層、盲・聾・養護学校や地域、小中学校との連携を進め特別支援教育を充実してまいりたいと考えております。
    ○議長(芦川清司君) 村松農業水産部長。
           (農業水産部長 村松靖則君登壇)
    ○農業水産部長(村松靖則君) 茶業振興についてのうち、中山間地域茶業の振興についてお答えいたします。
     中山間地域では、気候や土壌、地形などの自然条件を生かした銘茶づくりに取り組んでいくことが重要であることから、県では関係団体とともに平成十六年度から県内の中山間地域において十カ所にモデル地区を設け、品種、栽培、製造法を工夫した新しいお茶づくりを支援してきたところであります。
     こうした中で川根本町では「山の息吹」や「おくひかり」、静岡市清水区では「まちこ」など品種の特性を生かし、香りや味に特徴のある緑茶や豊かな自然の中での有機茶づくりなど戦略的な取り組みが行われるようになりました。また新たなかまいり製法による花のような香りを醸し出すお茶づくりや江戸時代の貯蔵技術を取り入れた熟成茶づくりなどの取り組みも始まっております。
     今後も中山間地域の茶業の活性化に向けて、このような取り組みが各産地で行われるよう新品種の育成やブランド化への支援を積極的に進めてまいります。
    ○議長(芦川清司君) 四番 佐野愛子さん。
           (四番 佐野愛子君登壇)
    ○四番(佐野愛子君) 教育長に再質問します。
     きめ細やかな指導をするために今いる教師に子供の心をチェックしろとか、親との連絡をとれ、報告をしろとかハッパをかけて対策をしようというふうに今までの答弁でも聞こえたんですけども、今の教員の体制ではもう限度だ、それはできないというところまで追い詰められているわけですね。やはりこれだけ問題があるときですのでスクールカウンセラーの充実、全校に配置―中学は全校配置ですけれども―週二回、一日四時間程度では足りないというのが現状なんです。今先生たちもスクールカウンセラーに相談したい、親も相談したい、やはり専門的な対応がどうしても必要になります。今いる中で頑張ろうというのではなくて、やはりそれなりの予算、配置というか、必要な人件費、午前中も教育にお金をかけるべきだというありがたいエールをいただきましたので、この辺についての対応をお伺いします。
    ○議長(芦川清司君) 遠藤教育長。
           (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長(遠藤亮平君) 専門的な対応が求められる、そういう中で教員にハッパをかけるだけでなくて人的配置をと、こういうお話であったかと思いますけれども、今まで教育委員会といたしましても、限られた予算の中で何を優先すべきか、十分に検討し優先順位をつけて対応してきたところでありますけれども、今後、ことし初めて行ったわけですけれども教員の勤務状況調査等も行いましたし、これからは生徒の実情がどうなっているか、また保護者の実態はどうであるか等、学校を取り巻く状況をきちんと調べる中で今学校に求められていることが何なのかと、そして私たちにとってどういうふうにして学校を支援すべきかと、また教員配置をどこに厚くすべきかなどを学校教育の充実に向けて教育委員会として取り組むべきことを研究していきたいなと、こんなふうに考えております。
    ○議長(芦川清司君) 四番 佐野愛子さん。
           (四番 佐野愛子君登壇)
    ○四番(佐野愛子君) ありがとうございます。
     子供の悲鳴も現場教員の悲鳴も本当に究極まで来ています。研究とおっしゃってくださいましたけども、早急に対応していただくことを切に要望して私の質問を終わります。よろしくお願いします。

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