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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

田口 章 議員

質問分類

一般質問

質問日:

07/01/2015

会派名:

ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 静岡県の全体最適について
 (1) 総合戦略策定における広域連携の強化
 (2) 今後のファシリティマネジメントの進め方
 (3) 市町の公営企業改革
 (4) 公営住宅政策
 (5) 住民協働社会と財源確保の推進
2 チャレンジする県職員の育成と人事処遇制度の見直しについて


○副議長(杉山盛雄君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二十九番 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇 拍手)
○二十九番(田口 章君) 皆さんこんにちは。私はふじのくに県議団所属議員として通告に従い、知事並びに関係部局長に一問一答方式で質問をいたします。
 初めに、静岡県の全体最適をテーマに伺います。
 本格的な人口減少社会を迎え、本県においても地方創生総合戦略の議論が進んでおりますが、これからの行政経営は従来の延長ではなく発想を変え、県と市町が二重行政をなくし効率的で最適な県民サービスを提供する必要があると考えます。
 以下、私が考える五つの課題について質問をさせていただきます。
 初めに、総合戦略策定における広域連携の強化についてお伺いいたします。
 静岡県版地方創生総合戦略では、地域戦略の策定を進めております。私は、この地域戦略の着実な推進のためには地域に応じた行政経営のあり方、ガバナンスの仕組みを考える必要があると考えています。川勝知事は定例会開会日の提案趣旨説明の中でこの点に触れられており、県と市町の行政経営のあり方について地域会議に提案し御議論いただきたいと述べておられました。この中身について少し掘り下げて議論をしたいと思います。
 既に何人かの議員の方が質問で取り上げられておりますけれども、私もこの議論に当たって平成十五年度に検討された内政構造改革に注目すべきと考えます。当時、政令県構想の部分が注目をされましたが、私は今この中の市町村の改革こそ議論を深めるべきと考えております。提案された仕組みは市町村合併後の広域行政のあり方を提起したものであり、県内を五つの圏域に区分し、静岡市、浜松市は当時の言葉で言えば新型指定都市、そのほかの伊豆、東部そして志太榛原・中東遠は、設置当初は県も加わる広域連合を設置するという大変大胆な構想だったと思います。
 広域連合は制度創設時に期待されていた機能を必ずしも発揮できていないとの指摘もありましたが、昨年の地方自治法改正により連携中枢都市を中心とした広域連携や連携協約など新たな仕組みも構築をされたところであります。本県において今後の地域戦略を考える上で伊豆地域、東部地域、志太榛原・中東遠地域の三圏域についてはこうした新たな仕組みの活用を議論すべきと考えます。
 県の統計データによりますと、東部六市四町は人口約九十五万人。沼津市、富士市のように人口二十万人を超え連携中枢都市となる実力を持つまちがあります。志太榛原・中東遠九市三町の人口は約九十二万人。最大の磐田市が十六万人ほどで十万人前後の都市が幾つかありますので、まちの特性を生かした水平連携に期待ができるかなと思っています。伊豆五市五町は二十五万人。現在検討中の人口ビジョン地域戦略では沼津市、三島市、函南町を含め七市六町で五十九万人と記載がありましたが、この地域では県による補完も不可欠かなと思っております。
 他県では既に具体的に動き出した地域もあります。お隣の愛知県では実質約六年の準備期間を経てことしの四月から八市町村による東三河広域連合が設置をされました。また私も昨年視察に行きまして成果や課題を伺ってまいりましたけれども、長野県においては既に十五年ほど前から県内を十の圏域に区分をし、広域連合を設置をしております。さらに最近では西日本、特に中国地方では連携中枢都市を中心とした連携協約や県境を越えた連携、県による補完の取り組みが活発に進められております。
 本県では平成十五年に提起されて以来足踏みが続いておりましたけれども、やっと県内二カ所での広域連携促進事業も動き出しましたし、先日公表された総合戦略の素案でも見込みを含めて広域連合を一件以上設置、連携協約も五件締結を目標にすると記載がございました。昨年公表されたいわゆる増田レポートで県内の市町は、人口減少に大きな危機感を持っていると思います。危機感を共有した市町を主役にして、私は行政経営の仕組みを見直すべきと考えます。
 県は、総合戦略の策定に向け圏域別の行政経営のあるべき仕組みをどのように考え織り込んでいくのか所見をお伺いいたします。以上、答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 田口議員にお答えいたします。
 いつもながら歯切れのいい御質問でございますが、同じように歯切れよく答えられるかどうか覚束ないのでありますが、まず静岡県の全体最適についてのうち、総合戦略策定における広域連携の強化についてであります。
 人口減少社会の中で成長力を備えた魅力のある地域を持続し地方創生を実現するためには、既存の自治体の枠組みを超えて広域的な視点に立った新たな行政運営の仕組みに取り組むことが重要であるという認識を持っております。
 そのためには議員御指摘のとおり、このたびの地方自治法の一部改正によりまして圏域を構成する市町の規模や関係性に応じて、いわゆる連携協約と言われる手法から、連携中枢都市圏と。さらにまた国や県から直接権限移譲を受けることができる広域連合といった手法が考えられるわけでございます。私どもといたしましては、地域圏の実情に応じた最適な連携手法と地方分権を一層促進する観点での県の関与のあり方などについて素案をまとめてまいります。その上でこの素案を伊豆半島、東部、志太榛原・中東遠の各圏域の地域会議でお示しをして、それをたたき台にして各圏域を構成する市町を初め地域の皆様に御議論いただくことが重要であると考えているわけでございます。
 平成十五年に出されたいわゆる政令県構想というのは、静岡市を静岡型の新型の指定都市、今で言うところの特別自治市ですね。そして浜松もそのようにすると。他の地域、今三つ言われましたけれども、それらを政令指定都市並みの広域連合にすると、こういうふうに言われているわけです。私どももこの考え方を受け入れながら、これはもう十年以上たって、丸十年たって、ずっと温められてきた考え方なので、これを現状に合わせてどういうふうにしていくかということが問われているというふうに思います。
 ただですね、例えば伊豆といいましても賀茂地域と田方周辺のエリアとでは天城を境にして以南と以北では大分風土も歴史も違います。もちろん伊豆半島をジオパークとして一つとする動きが出てきていることを歓迎しておりますけれども、なおかつ違うというところもあると。そしてまた例えば東伊豆のように、伊東市に親近感を感じるのか下田市に親近感を感じるのかといったような、そういうところもございます。したがって賀茂地域と天城より以北というのは差し当たってそれぞれの独自性でまとまっていくのがいいという考えです。
 さらにまた志太榛原・中東遠と言われました。例えば掛川はどちらに属するでしょうか。天浜線があるし何となく遠州というふうにも言えます。菊川はどうでしょうか。静鉄が菊川まで行っていますから、浜松に親近性を感じるか静岡に親近性を感じるかというとなかなか割れるところがあります。そのように、しかしながら磐田とか森町というのはやはり藤枝とかといったところとは大分違いますので、この志太榛原・中東遠も遠州とそれから志太榛原地域というように大きく分けられるであろうというふうに考えるわけです。
 したがって、いきなり従来の政令県構想で提案されたような指定都市並みの広域連合をつくっていくというには、それぞれの地域性を考慮せねばならないというふうに思っております。
 一方、大阪都の場合は五つの特別区に分けると。これはみんな中核市並みで中核市以上の力を持つものとして特別区というものが提案され、半分近くの人がそれに賛成したということがございました。中核市というのは当初は三十万人以上でしたけれども、今は二十万人以上に引き下げられております。二十万人から一応七十万人を上限にするということじゃないかと思います。ですから我々といたしましてはそうした広域圏を考慮しながら、いずれ府県がなくなったときにはそれぞれの基礎自治体として十分に自治能力が発揮できるようにしていかなくちゃならないというふうに考えておりまして、そうした方向で地域会議を運営していこうと思っているわけでございます。
 その際には、我々は権限、財源だけでなくて人材をおろしていくということで、いわば文字どおり県の持っている最大の能力を基礎自治体のために使うという、そういう方向性が静岡県の場合にはふさわしいと。
 例えば、かつて北東北三県というのがありました。ここは青森と岩手と秋田がそれぞれ連携して一つの陸奥の国をつくっていこうということでございましたけれども、こちらはやはり箱根があったり富士山があったり南アルプスがあったりで、やはり自然の要害というものがございまして、この域内でまずはまとまっていくと。お隣の神奈川県とやりたいといっても実際は向こうは首都圏の一部だとお考えでしょうし、愛知県は大き過ぎます。そうしたことがございまして我々は域内でまとまっていこうと。これが政令県構想の基礎にあった自己認識だったと思います。これを今の地方創生に生かしていくというのが今の我々の姿勢でございます。 
 そうしたことで、人口減少社会における地域経営に関する問題意識や危機感を市町を初めとした地域の皆様と共有し、できるところから広域連携の取り組みを始めまして、県民に近いところで自主的かつ総合的な施策が展開できる県レベルでの分権を一層推進することで、力強く魅力のあるふじのくにの地域圏の形成を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(杉山盛雄君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 再質問をさせていただきたいと思います。
 知事がおっしゃることはよくわかりました。静岡は非常に地域性もあるものですから圏域に応じて、そして地域に応じて、その力量に応じて県の権限をどんどん移譲していきたいと。こういうことだったかと思います。
 私は、今回ちょっと質問のタイトルで入れたのが、総合戦略策定におけるというふうにつけさせていただいております。これは総合戦略をこれから実施をしていくのにこの広域連携をどう使っていくのかなという趣旨を少し織り込んだつもりだったんですけれども、先ほどの知事の答弁では、地域会議から市町――済みません、言い方が違ったら申しわけない――市町そして地域の皆様にというふうなお話をされましたが、私は実はこの中で最も大事なのが市町の地域戦略との合致、総合戦略との整合、またそれをつかさどる市町のトップの皆さんとの意思疎通、これが重要だというふうに考えています。その点のところをちょっとお話がなかったものですから、そこの進め方についてちょっと再質問させてもらいたいと思っています。
 といいますのは、私は長野に行ったという話をしたんですが、長野県でこの広域連合をやろうとしたときにやっぱり一番大変だったのが市町のトップの意思連携だと、意見調整だと。こういう話があったものですから、その点についてのお考えがあればお伺いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 広域連携につきましての再質問ありがとうございました。
 長野県の場合は、もともと信州十国と言いまして十に分かれているというか、それぞれの強いアイデンティティーがございますね。そうしたことが反映しているんだと思います。
 一方、例えば愛知県の場合ですと、東三河は鈴木康友さんの言によれば愛知県への帰属意識がないということのようですね。ですからむしろ浜松であるとか南信州であるとか、いわば豊川流域としての一体感のほうがかつてから強いと、こういうことで今、三遠南信と言っているわけです。
 ですから、市町との関係が重要であることは言うまでもありませんけれども、それぞれ例えば賀茂ですと一市五町ですが、東伊豆さんも入れて一市五町ですけれども、そこは賀茂地域としての一体感がありますね。一方、田方といいますか熱海、伊東から伊豆や沼津あたりまでですね。このところの一体感は賀茂ほどは強くはないというふうに思います。一方、富士山の周辺いわゆる東部ですね。ここは環富士としての一体感というのがあると思うんですが、ですからそうした観点を市町のトップと――市長さん、町長さんのトップと共有するということを通してこの広域連携を進めていこうと。
 ただし、全くそごがないかというと、これは政令指定都市のトップとはG3というのもありますし、市長会、町村会などを通じまして定期的に、また不定期にそういう先生方とお目にかかっておりますので意思疎通は基本的にできていると。またこの政令県構想というのは十年を優に、それの準備を入れると十年を超えた実績のあるものですから、市町を中心に、しかし市長さん、町長さんといえども市民、町民の代表ですから、やはりトップのみならず市長さんに言うことと市民に言うこととが違ってはいかんということで、同じように機会あるごとに御説明申し上げて地域の一体感の醸成を図っていくと。こういう姿勢でおります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 要望をさせてもらいます。
 今、知事がおっしゃられたのはよくわかりました。基本的に市町のトップの皆さんとは意思疎通が図れているということでありました。
 総合戦略の策定にはあまり時間がないんですけれども、ぜひしっかりと市町のトップの皆さんとお話をして、さらに先ほど住民の皆さんともというお話がありましたので、理解を得ながら県の総合戦略の推進を進めていただきたいということを要望しておきます。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 以下の質問は、今後、全体最適化を進める上で検討しなければいけないと思っている私が、具体的な課題について幾つか提起をさせてもらいたいと思います。
 今後のファシリティマネジメントの進め方についてお伺いをいたします。
 県がファシリティマネジメントの取り組みを始めて約三年が経過をしております。今後公共資産最適管理基本方針に従いまして施設のアセスメントを実施をし、さらに長寿命化指針を策定するなどの方向性が示されておりますが、残念ながら私が当初からお話をしております総量削減の議論にはいまだに至っていないと感じております。ファシリティマネジメントの本質は、私は総量適正化を進めることだと思っています。長寿命化は残すと決めた施設について考えればよいことでありまして、総量適正化の次に考えるべきことだと思います。今後施設アセスメントを実施するということでありますけれども、その前に適正規模の議論をしておかないと適正化につながらない懸念があるかなと思っています。
 とりわけ施設アセスメントを行った後の施設の方針決定を所管する事業部門に委ねる場合には、その部門はなかなかみずからの事業運営を中心に考えますから廃止という判断ができにくいと思うんですね。そういった意味で総量適正化に当たっては施設が有する機能に着目をした全庁的な判断が必要となると思います。
 また、昨年設置した行政経営研究会ではファシリティマネジメント部会を設置をしていただきましたけれども、私はこの部会の最終的な目標はやはり県と市町の施設を合わせたトータルでの最適化になると考えますがいかがでございましょうか。以上、二点について答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 伊藤経営管理部長。
○経営管理部長(伊藤篤志君) 静岡県の全体最適についてのうち、今後のファシリティマネジメントの進め方についてお答えいたします。
 県有施設の総量適正化につきましては、効果的、効率的な行政サービスを提供するため、これまでも出先機関の見直しなど組織の改編を通じて施設の廃止、縮小、統合を着実に進めてまいりました。加えて将来的な人口減少や年齢構成の変化等による県民ニーズの変化や施設の老朽化等の現状を踏まえ、ファシリティマネジメントの考え方により県有施設の最適化を進めることが急務となっております。
 今後、将来的な施設需要の分析を行い適正な施設総量に対する管理目標を設定し、ことし二月に策定した公共施設等総合管理計画に盛り込んでまいります。
 施設アセスメントにつきましては評価手法を標準化するため、現在評価手法等を最終調整しております。今後施設管理部門でアセスメントを実施した上で、県有財産有効活用推進委員会において総量適正化の基本方針のもとに施設の廃止、縮小、統合など具体策についても方向性を決定してまいります。
 市町施設と合わせたトータルでの最適化につきましては、行政経営研究会のファシリティマネジメント部会においてまずは全市町が連携して公共施設等総合管理計画の策定に取り組み始めたことによりファシリティマネジメントの重要性、緊急性についての意識の共有化がされたところであります。今後県内の公共施設の配置状況をGIS等の地図情報で見える化することなどにより県、市町の具体的な課題解決への取り組みを進展させてまいります。
 県といたしましては、県有施設の総量適正化はもとより県、市町の連携を一層進め、積極的に市町の取り組みを支援し県全体の公共施設の最適化に努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 要望させていただきます。
 非常に再質問しにくい御答弁でありまして、今後管理目標の設定を検討するというふうにおっしゃっていただきましたので、ちょっとそれを楽しみにしておきたいと思いますが、やはり先ほどもありました、施設アセスメントを行った後に設定をしたのでは私はなかなかやれないと思うんですね。そういう心配をしているんです。
 といいますのが、今の方針を見ておりますと今後の維持管理にかかる経費が年間百八十八億円かかるというのは数字が出ているわけですね。ここ数年間で投資ができている額が百三十八億で、五十億円もう明確に足りないということがわかっているわけじゃないですか。これはパーセントでいうと七二%しか充当できていないということなんですよ。そういうところが根底にあるんだというのを忘れて新たな設定をされると、ちょっとまた高い目標といいますか甘い目標を設定されるような気がするものですから、この後またそれはしっかりチェックをしてまいりますけれども、ぜひしっかりとした今後の財政計画が組めるような削減目標を設定していただくことを要望しておきたいと思います。注目をしておきます。
 次の質問に移ります。
 市町の公営企業改革について伺いますけれども、きょうは特に上下水道を中心に質問をしたいと思っています。
 高度成長期に建設をした上下水道の老朽化でありますが、大変深刻な状況でありまして管路が破裂をし道路の陥没や給排水に支障が生じるという事例も出てきております。県内の上下水道の管路の総延長は約三万二千キロメートル。震災におけるライフラインの確保の観点からも上下水道の維持管理は大変大きな問題と思います。また市町が財政の健全化を進める上でも上下水道は大変大きな負担となっています。ちなみに三十五市町の総債務残高――借金ですがこれは約二兆三千六百七十二億円ありましたけれども、そのうち上下水道だけで約八千十九億円となっておりました。市町の借金の三分の一は上下水道が占めているということであります。こうしたことで施設の老朽化に伴う、今後は更新費用の増大や人口減少に伴う料金収入の削減、こうしたことで公営企業の財政は非常に厳しくなっているわけですね。
 こうした中で今、公営企業改革の議論が大変急速に進んでおりまして、ことしの一月には総務大臣から通知が出されまして、地方公営企業法の財務規定を適用していない下水道事業などを原則五年以内に企業会計に移行するよう要請があったところです。またそれで県内の下水道を有する二十九の市町のうち二十四の市町がこれまでこの公営企業会計を適用しておりませんでした。まずは今後経営戦略を立てなければいけないわけでありまして、移行を速やかに行うべきだと思っています。
 さらに、ことしの三月には公営企業の広域化や民間活用の推進に関する事例集が一般財団法人自治総合センターから報告されております。中には県による垂直補完の例もあったりするわけですね。
 こうした動きを踏まえまして、県は今後どのように市町の公営企業改革に取り組んでいくのか所見をお伺いしたいと思います。以上について答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 伊藤経営管理部長。
○経営管理部長(伊藤篤志君) 静岡県の全体最適についてのうち、市町の公営企業改革についてお答えいたします。
 市町の公営企業のうち特に上下水道事業については、人口が減少し施設の老朽化への対応が必要となっていく中で住民生活に欠かすことのできないサービスを将来にわたり安定的に提供していくことが大きな課題となっております。そのためには現在地方公営企業法の財務規定を適用していない上下水道事業については、全て公営企業会計を適用し経営基盤の強化とマネジメントの向上に取り組んでいくことが重要であります。貸借対照表や損益計算書等の財務諸表の作成等を通じて、みずからの経営状況や資産や負債の現状等を正確に把握することによって中長期な経営計画等の策定を促してまいります。またこうした取り組みを進め経営情報を開示していくことが、民間活力の活用や民間の公的部門への参入にもつながるものと考えております。
 県といたしましては、まずは市町が経営する全ての簡易水道事業及び下水道事業が集中取り組み期間である平成三十一年度までに公営企業会計へ円滑に移行できるよう、担当職員の専門性向上のための研修会を実施するなど必要な支援を行ってまいります。
 また、経営の健全化を図るためには事業の効率化、最適化を徹底するとともに、民間の資金、ノウハウを活用することも有効でありますことから、県と市町が連携して立ち上げている行政経営研究会を活用し事業の統合や広域化、民間的経営手法の導入等の研究を進めるなど市町の公営企業改革に向けてスピード感を持って取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 要望をさせていただきます。ありがとうございます。ぜひ積極的に進めてもらいたいですけれども、そのためには県の職員の中にもやっぱり事業会計がわかる人を、人材を育成をする必要があるのかなと思っています。
 事前に伺いましたところ、知事部局で日商簿記検定三級以上を持っていらっしゃる方が四百五十六人いらっしゃるというふうに伺いましたけれども、実際職員の皆さん向けに今、地方監査会計技能士なんて資格がございます。私も持っているんですけれども。ぜひそういった分析能力を高めていただいて、今後も市町も含めた行政経営の質を高めていただきたいなと思っています。要望しておきます。
 次の質問に移らせていただきます。
 公営住宅政策についてお伺いいたします。
 県営住宅と市営、町営住宅でありますが、これはある意味二重行政的に運営されていますので県の全体最適の大きなテーマの一つにあると思っています。ちなみにことしの四月の一日時点で県内には県営住宅が一万五千百六十七戸、市営、町営住宅が二万六千八百六十戸、合計で四万二千二十七戸となっておりました。個人的には私は市町で運営ができればいいのではないかなと考えているんですけれども、実際に実質的に現実的な財政負担を考えるとやはりこれは県が補完的に運営することもやむを得ないのかなというふうに考えております。
 しかし、現在の運営には幾つか課題があると思っています。五つ申し上げます。
 まず、総量管理の必要性であります。
 県内の民間共同賃貸住宅の空室が約十一万四千戸あるというふうに伺っています。そういった意味では今後人口減少の中、民間住宅の空き家状況なども勘案をして住宅政策をつくっていく必要があると思っています。
 二つ目ですけれども、今県が持っている住宅マスタープランですけれども、県と市町の役割分担の記述が私には不十分に感じられます。県と市町が同じような政策で住宅政策をやっていたのでは、これは二重行政のそしりを免れないと思います。マスタープランにおける峻別が必要ではないかと思います。
 三番目に、適切な経営管理についてであります。
 県営住宅の資産額は土地建物合わせて一千四百五十六億円となっておりまして、これは民間ベースに置き直しますと県下でも指折りの大企業クラスになると思っています。ぜひ先ほどの下水道の話じゃないですけれども、企業会計の手法を導入して個別の財務諸表を作成して住宅経営に取り組むべきだと私は思っています。
 四番目に、施設の老朽更新に当たっての民間活用の推進です。
 県では、今六月定例会にも提案されている今沢団地もそうでしたけれども、一部でPFIの手法を導入しているということを聞いておりますけれども、県内全体においてはまだまだ少ないように感じられます。公民連携の手法をさらに検討すべきではないでしょうか。
 最後に、行財政改革推進委員会からも指摘をされていましたけれども、外郭団体として持っている県住宅供給公社による市営、町営住宅の管理の広域連携だと思っています。
 以上、五点申し上げましたけれども、本県では来年度、ちょうど住宅マスタープランと県営住宅再生計画を見直すことになっております。計画の見直しに当たって今お話をしたような経営的な観点を重視すべきと思いますけれども、今後の公営住宅政策についての御所見をお伺いしたいと思います。以上について答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 池谷くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 静岡県の全体最適についてのうち、公営住宅政策についてお答えいたします。
 公営住宅は、いわゆる住宅困窮者のセーフティーネットとして依然その役割は大変重要であります。現在県内の公営住宅に入居している世帯と国の最低基準を下回る住宅の居住者など住宅困窮世帯の合計は約三万七千世帯と推計され、県と市町が協力することでこうした方々のニーズに対応している状況であります。
 このため、当面この体制は維持すべきものと考えますが、人口減少局面に入っていることから来年度の住生活基本計画などの見直しに当たりましては、住宅困窮世帯の動向を慎重に見きわめながらも総量として供給を抑制していくことが妥当と考えております。その際には高齢者に住みづらい郊外の団地などの削減に重きを置くなど、地域や団地の特性を勘案しためり張りのある計画としてまいります。民間活用につきましては、静岡市の東部団地でまず導入し建設コストの削減などに一定の効果が上がっていることから一層の推進を図ってまいります。また県営住宅事業における企業会計手法の導入につきましては他県の事例なども参考にし、財務諸表の作成など試行的に対応してまいります。
 県住宅供給公社の市町営住宅の管理受託につきましては、県としましても公営住宅の管理の一元化という観点からもメリットがありますことから積極的に市町に対し働きかけをしてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 要望を一つと再質問を一点させていただきます。
 まず要望なんですけれども、効率化と民間活用のところであります。
 先ほども県では一部導入しているという話を伺いましたけれども、やはり県営住宅って県の公共建築物の二三%と非常に大きなウエートを占めている建物でありまして、先ほど質問したファシリティマネジメントの観点からも非常に重要だと思うんですね。
 例えば、県営住宅を県営住宅のままで建て直しをするとなかなか手法に広がりがないんですけれども、ほかの機能を持った施設との一体化ですとか、そういう複合的な機能を持った施設をつくることによって民間参入が期待できるようなケースも出てくると思っておりますので、それこそ市町と合わせて検討をしていただきたいなと。これはちょっと要望しておきたいと思います。
 再質問なんですけれども、経営管理の部分についてちょっと再質問させていただきたいと思います。
 私も、今回質問に当たって県営住宅再生計画の中間見直しというのを拝見したんですけれども、これは結構深刻な財源的な問題を抱えているというふうに認識をしております。ぜひ来年度の計画見直しに当たっての部長の決意を聞かせていただきたいと思うんですが、平成二十四年三月につくられました県営住宅再生計画の中間見直しなんですけれども、これは戸数管理が中心なんですね。戸数管理です。
 財政計画はずっと拝見をしていたんですけれども、はっきり言って課題の先送り、それから借金を重ねているだけというふうに私には見受けられました。人口が今後減っていくにもかかわらず、先ほど困窮世帯の数の話もありましたけれども建てかえの戸数は毎年ほぼ一定で、実は一定どころかこれから徐々にふえていくような、平成四十年ぐらいが建てかえのピークになるような、そういう計画になっているんですね。それが本当に今の人口減少の中で適切なのかという疑問を持ちました。
 さらに、収支見込みを拝見したんですが、公債残高が平成二十三年度には百九十九億円だったんですけれども、今の計画ですと平成五十二年度には四百八十二億円ということで、非常に倍以上にふえてしまうというようなことなんですね。人口が減る中、借金を重ねて県営住宅の建設をするという計画なんですが、やはり抜本的な、ここで見直しをすべきではないかと思います。実は平成二十四年度の包括外部監査でも多くの指摘、意見をもらっているんですけれども、ぜひ参考にして今後の中間見直しに当たっていただきたいと思うんですけれども、御所見があればお伺いをしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 池谷くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 県営住宅の再質問についてお答えいたします。
 財政的な問題でございますけれども、やはりその一番の大きな問題は昭和四十年代から五十年代の初頭に県営住宅を大量に建設したと。その更新時期がやはり同じ時期に来てしまうということで、先ほどお話がございましたように平成四十年代、この後非常に大きなまた財政負担が生じるということだと思います。
 そうした中で、現在の計画については今お話がございましたように基本的にはイーブンな形で計画を考えておりますけれども、先ほど御答弁申し上げましたようにやはり総量管理をきちんとやっていく中で、一つにはやはり全体抑制をしていくということが当然必要であろうと思っております。
 それともう一点は、これはまだちょっと、手法としてどういう方法がいいかちょっとわかりませんけれども、先ほどの大量に建設した住宅を同じように更新するのではなくて、その更新時期を少しずつならしていくことによって将来的な負担が大きくならないような形にしていくというような方法もあるのかなということで今ちょっと議論をしておりますけれども、これについては来年度の計画の中で問題点については十分我々も承知しておりますので、そうした形で対応させていただきたいと思います。以上でございます。
○副議長(杉山盛雄君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) もう要望にとどめますけれども、先ほど平準化をしているようなお話がありましたが、それが実は課題の先送りになってきたんじゃないかなと私はそのように認識をしております。ぜひグラフをごらんいただけるとそのように思うんじゃないかと思うんですが、いずれにしても企業会計手法を導入してもらって抜本的な改革をぜひ部長の手で来年度やっていただければということを要望しておきたいと思います。
 次の質問に移りますが、住民協働社会と財源確保の推進についてお伺いをいたします。
 少子高齢化、人口減少が進む中で社会的な課題というのが多様化、複雑化していると、こう言われて久しくなったわけであります。そしてこうした新たな社会的ニーズに対しまして行政の従来の仕組みだけではなかなか応えていくことが難しくなっているということも言われています。
 さらに最近では、今財政の話をしていたわけですが、財源についても補助金が削減されたりしてなかなか全ての社会的なニーズに公だけで応えていくことが難しくなってまいりました。
 市場原理が働く事業については民間参入が期待できるんですけれども、そうでない場合にはやはりさまざまなパートナーとの連携協働が不可欠となっています。そういった意味でNPOや地域社会を支える各種団体は今後も公民連携の重要なパートナーであり、今まで以上に住民との協働が必要だと思っています。
 こうした活動を支えるために本県では平成二十三年、ふじのくにNPO活動基金を創設をしました。創設以来の寄附金総額は約三千五百万円。県の拠出金五千万円と合わせまして八十七件の助成事業を行ってまいりましたけれども、この基金は今年度末をもって終了、今後は公益財団法人ふじのくに未来財団が基金の機能を引き継ぐというふうに伺いました。こうした事業を支えているのは寄附なんですけれども、最近やはり大規模災害の義援金ですとか地震防災整備事業への寄附金ですとか、あるいはふるさと納税ですとか徐々に日本にも寄附文化というものが根づき始めたんじゃないかなというふうに感じています。さらに最近ではクラウドファンディングのようにインターネットやさまざまなメディアを使って個別の事業を応援する手法も開発をされておりますので、その認知度や利活用が随分高まってきているかなというふうに思います。
 そこで、今後地域社会の課題解決に取り組むNPOや地域団体などがみずから財源確保するための新たな手段、これが重要になってくると思いますけれども、県としてどのように取り組んでいくのか所見をお伺いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 住民協働社会と財源確保の推進についてお答えいたします。
 この件についてはよく田口議員御存じのようなのでその発言をなぞる形になりますが、基本的な認識といたしましては、今おっしゃったとおり多様化、複雑化する社会的課題に適切に対応するためには行政だけではできません。ですから企業、NPO、地域コミュニティー、ボランティアの皆様などさまざまな主体が協働して取り組むことが不可欠です。中でもNPO法人は地域に密着しきめ細かな対応が期待できるかなめの存在であると。これが基本的認識です。
 そうして、私ども平成二十二年度NPO法人の実態調査をしましたところ、財源の確保が課題であると回答した法人が三法人に一つ、三四・四%になっていたわけです。そこでその翌年私どもは、ふじのくにNPO活動基金を私どものほうから五千万円拠出し、平成二十三年から平成二十七年のこれは五月までですけれども、合計三千五百万円余りの寄附も賜りまして、これをベースにして活動の援助に努めてきたわけでございます。それを受けて昨年九月にはこの機能を引き継ぐ市民ファンドふじのくに未来財団を設立したということでございます。
 県の基金に多額の寄附をいただきました自動車販売会社、金融機関は引き続き未来財団への支援を決定していただきました。財団の円滑な運営のためにはさらなる御寄附の確保が必要です。私どもとしましてもこの財団の活動が軌道に乗るよう積極的な支援に努めてまいるつもりでございます。
 NPOの資金調達はこれまで企業の社会的CSRですね――企業の社会的責任CSR活動による財団や個別の寄附などに依存しておりましたけれども、最近ではクラウドファンディング、あるいは市民が出資しNPOに融資を行うコミュニティーバンク等々新しい資金調達の手法も生まれており、県内でもこのような手法を取り入れた財源を確保した例もございます。
 そこで、昨年改めて実施しましたNPO法人実態調査を見ましたところ、平成二十六年度でございますけれども財源の確保が課題と回答した法人が、その四年前の三四・四%に対して五二・三%と、かえってふえているんですね。そういう現実を踏まえまして今後はNPO関係者やファンドなどの専門家を交えた新しい資金調達の研究をしていこうと。さらに経営者等にNPOの活動を理解していただくセミナーの開催をしようと。さらに企業等にとってNPOが協働のパートナーとしてふさわしいか判断できる仕組みをつくっていこう等々、新たな財源確保のための環境を整備して協働に支えられる地域づくりを進めてまいろうとしているところでございます。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 前向きな御答弁をいただいたと思います。要望を一つだけさせていただきますが、現場の話、先ほど知事からありましたけれども、やはり事業をすればするほど持ち出しがふえると。こういったお話も聞くわけですね。ぜひ財源確保を進めていただきましてですね、間接経費が実はなかなか充当されていないんですね。間接経費まで含めたフルコスト支援ができるようになればいいなと。これは要望と申しましょうか、期待も込めてそういった取り組みをしていただきたいと思います。
 また、クラウドファンディングは先ほどもお話がありましたとおりNPOの支援に限らず地域振興、産業振興、観光、イベントなどさまざまな可能性がありますので、ぜひ全庁で検討していただきたいなと思っておりますのでよろしくお願いします。
 最後の質問でありますが、チャレンジする県職員の育成と人事処遇制度の見直しというタイトルで質問をさせていただきます。
 私は全体最適という観点で提案をさせていただいたんですけれども、これからの県職員の皆さんは、やはりこれまで当たり前にやってきたことからぜひ発想を変えてもらいまして仕事を進めていただきたいなというふうに思っています。県職員の皆さんは非常に優秀な方が多いと思うんですけれども、どちらかというと与えられた仕事は粛々とこなしますけれどもなかなかチャレンジングな仕事は苦手なように見受けられました。
 そういう中で実は来春に向けて職員採用試験が今回スタートしたわけでありますけれども、新たな総合能力試験が導入されました。これは法律や経済など公務員試験特有の専門試験をやらないものですから、従来にないタイプを含めて幅広い人材の応募が期待されておりました。結果は採用予定十人に対して応募は三百人、実際に試験を受けに来たのは二百十九人と伺いましたけれども、二一・九倍という高い倍率になったと聞いています。従来の一般行政職は六・六倍ですので関心の高さがうかがえます。やはりこういう新たな採用方式の導入によって積極的に仕事にチャレンジする職員がふえることに期待できるんじゃないかなというふうに私は思っています。
 その上で、職員を生かす仕組みで重要なのが人事処遇制度だと思います。せっかくチャレンジングな職員を採用しても、人事処遇制度が従来のままではなかなかその能力を十分に発揮することができないのかなと思っています。
 みずから高い目標を掲げチャレンジをする働き方には、私は目標管理制度の適切な導入が、運用が不可欠だと思っています。このことは四年前、県議会議員になったときにも指摘をさせていただきました。県の行政マネジメントシステムをそのときに調べたんですけれども、業務棚卸表ですとかキャリア・デベロップメント・プログラム。こうしたさまざまな工夫が県の中にあることはわかったですけれども、欠けているものの一つが職員個人の目標管理だったと思うんですね。
 そうした中で、昨年地方公務員法が改正されまして、来年度からはいよいよ能力や実績に基づく人事管理が、もう求められるようになったわけであります。先ほど申しましたとおり、今後人口減少社会に挑戦をしていくという観点でみずから高い目標を設定をしてチャレンジをし、上げた成果を職務に反映していく人事戦略が私は必要になってきたというふうに思っています。
 加えまして、人事処遇制度の改善に当たっては適正に運用できる仕組みや職員のモチベーションを向上させる仕組み。こういうのも不可欠だと思いますけれども、今後の制度改善における課題それから対応の考え方、今後の進め方などについてお伺いをしたいと思います。以上について答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 伊藤経営管理部長。
○経営管理部長(伊藤篤志君) チャレンジする県職員の育成と人事処遇制度の見直しについてお答えいたします。
 少子高齢化や人口減少といった時代の変化に対応し、より質の高い行政を推進していくためには、県行政を担う人材の育成とその活用が極めて重要であると認識しております。
 このため、県では職員の能力開発と業務意欲の喚起を狙いとして全職員を対象に職務上の行動に着目した勤務成績評価制度を導入し、勤勉手当への反映や改善に向けての助言指導を通じた人材育成を行ってまいりました。
 一方、総合計画や施策展開表に掲げられた施策目的や指標の実現に向けて、職員個人が業務目標を設定した上で自律的に業務を遂行することの視点が不足しておりましたことから、来年四月をめどに新たに目標管理による業績評価の仕組みを導入することを目指して、現在、制度の理解及び目標設定に関して全庁で研修を実施しております。
 県といたしましては、業績を的確に把握するための評価手法について評価者研修を充実するなど評価制度の適切な運用に努めるとともに、昇任や給与などの処遇への反映を通じて職員の能力や意欲を向上させることにより、みずからが掲げた高い目標の達成に向けてチャレンジしていく職員の育成に努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 要望を一つと再質問を一つさせていただきます。
 要望は、今もう前向きに目標管理を導入するというふうにおっしゃっていただきましたので、ぜひ職員組合の皆さんともしっかり話をしていただいて、いい制度にしてもらいたいなと思います。
 その上で再質問なんですけれども、制度構築に当たって、やはり第三者、例えば民間企業などの人事処遇制度に詳しい人などからも意見を伺うというのはいかがかなと思います。前回の人事処遇制度の改定に当たっては大学の先生からアドバイスをもらったというふうに私はたしか記憶をしているんですけれども、やはり今回総務省がこういう方向に持っていったのも民間の企業の事例研究なども踏まえた上だったと記憶をしています。ぜひ今回の制度改定に当たって民間の人事処遇制度に詳しい人の意見を参考にするというお考えはないか伺いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 伊藤経営管理部長。
○経営管理部長(伊藤篤志君) 人事処遇制度の見直しに関します再質問にお答えします。
 現在、業績評価にかかわります研修を実施している最中でございまして、その成果が十月下旬ぐらいに出てくるかと思います。そのときに各職員それから所属長等の意見を聴取するとともに、今議員からお話がありましたそれらの結果をもとに専門家の方、学識経験者の方にも御意見を伺った上で、よりよい評価制度ができますように検討してまいりたいと思っています。以上でございます。
○副議長(杉山盛雄君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 最後、要望だけで終わりますけれども、ぜひやっぱり民間、これまでノウハウの蓄積がありますので参考にするとよいのではないかと思っています。
 最後に、職員の皆さんが将来にふじのくに静岡を受け渡していくためにチャレンジングに仕事に取り組んでいただくようお願いを申し上げて、一切の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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