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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

伊丹 雅治 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/08/2021

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 県事業への民間活力の活用について
2 障がい者の利便性向上について
3 静岡県総合健康センターの利活用の方向性について
4 多様性のある農業について
 (1)環境への負荷軽減につながる農業の推進
 (2)家族経営体への農福連携の推進
5 都市計画道路谷田幸原線の整備について
6 子どもが抱える社会問題への対応について


○議長(宮沢正美君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百二十五号、第百二十六号及び第百三十号から第百四十九号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十一番 伊丹雅治君。
(十一番 伊丹雅治君登壇 拍手)
○十一番(伊丹雅治君) おはようございます。自民改革会議の伊丹雅治です。
 十二月四日から十二月十日までは人権のことを考える人権週間であります。くしくもこの静岡県議会十二月定例会において、このテーマについて深く考えることとなりました。得意なことや苦手なことは人それぞれであります。困っている人がいたらそれぞれの得意なところを生かして助け合える世の中になることを願いつつ、通告に従い当面する県政の諸課題につきまして知事、副知事、関係部局長並びに教育長、教育部長に一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、県事業への民間活力の活用について伺います。
 行財政改革といえば自治体にとっては避けては通れない課題です。一般的に行財政改革を進めていく上でウエートを占めるのが公の仕事を民間に委ねていくことです。指定管理者制度、アウトソーシング、民間への業務移譲などが挙げられます。
 一方で、民間には委ねることができず公が担わざるを得ないものもあります。この数年における本県の動きを見てみますと県の仕事を民間に委ねる事例として社会福祉施設である浜松学園、富士見学園を民間の法人へ移譲することが進められてきました。
 一方で、民間が行ってきた事業を県有化する事例等が幾つか出てきています。
 まず一つは駿河湾フェリーです。民間会社による運営が困難になったことを受け県と環駿河湾地域の三市三町で設立した一般社団法人が運営することとなりました。
 二つ目は小笠食肉センターです。施設の老朽化による建て替えに合わせ県有施設として指定管理方式にするとされています。
 そして今回の補正予算で提案されている富士山富士宮口五合目施設であります。五合目にはこれまで民間事業者が経営するレストハウスがありましたが、火災により焼失したことを受け安全対策等の拠点として県が新たに来訪者施設を整備するものです。
 いずれの施設も個々の必要性がある中でその存続等を検討した結果、方法として県有化を選択したのだと思います。手放すよりも手に入れるほうが大きく将来の財政運営への影響も少なからずあるのではないかと思いますが、それぞれの事業が成功するように進めてもらいたいと思います。
 一方で、このような事例が今後の県政運営の中で新たに出てくることを考えたときに、民間活力に委ねる事業なのか民間の事業を県有化する事業なのか個々の判断をする際の大本となる視点や考え方が県にはあるのかなと疑問も湧いてきました。
 そこで調べてみますと、少し古いですが静岡県行財政改革大綱には民間等の能力や創意工夫を活用したサービスの提供という項目があり、民間への施設の譲渡に関するコメントが記載されていました。しかし現在の静岡県行政経営革新プログラムには民間、市町、地域との連携協働という項目はありますが民間活力に委ねる事業や民間事業の県有化の考えは見当たりませんでした。これでいいのでしょうか。
 人口減少が進む中、県民サービスの提供のためには県が民間事業を県有化したりしていく必要が生じることも考えられます。今後のことを考えると大きな方針を定めて様々な事業へ対応していくことが必要であり、次期計画に盛り込む必要があるのではないかと考えます。
 そこで、県としてどのような基本方針を持って県事業への民間活力の活用と民間事業の県有化について進めていくのか伺います。
 次に、障害者の利便性向上について伺います。
 障害のある方は、障害者手帳を持ち歩くことで電車、バス、タクシー、飛行機など様々なところで割引を受けることができます。しかし利用するたびに本人確認のため手帳を取り出さなければならない煩わしさがあり、また当事者には障害者手帳を持ち歩くことの心理的な負担があるということです。
 このような課題を解決するために、株式会社ミライロという企業ではスマートフォンに障害者手帳の情報を取り込んで画面上に表示するミライロIDというアプリケーションを開発し無料で提供しています。障害者手帳は紙製で劣化しやすくまた紛失しやすい。加えて提示に心理的負担を感じるという問題があります。これらの課題を解消するためにミライロIDでの本人確認手段を認めるということは非常に有効な手段であると考えます。
 令和二年六月九日には内閣官房から全省庁を通じて、障害者の移動及び施設の利用上の利便性を向上する観点からスマートフォン等での本人確認を推奨する旨の通知が出されました。加えて令和二年十月十九日には国土交通省鉄道局が、ミライロIDについて障害者手帳に代わるものとして運用することは差し支えない旨を認めるとした上で障害者手帳と同様に取り扱うよう理解と協力を求める通知を発出しました。
 このような政府の動きに合わせて、令和三年十月現在では国内で三千社以上がミライロIDに参画し交通機関やレジャー施設など様々な業界へ広がっております。自治体では大阪府や神奈川県を皮切りに導入が進んでいます。
 誰もが外出しやすい社会をつくっていくために障害者手帳のデジタル化、このミライロIDの取組を社会全体で進めていかなければならないと考えますが、静岡県内での今後の取組について御所見を伺います。
 次に、静岡県総合健康センターの利活用の方向性ついて伺います。
 私の地元三島市に設置されている静岡県総合健康センターは平成八年に開設され、健康増進を目的として研修、研究、実践の三つを行う拠点、そして一般県民が気軽に利用できる健康増進施設として親しまれてきました。特に指定管理者制度が始まり現在のシンコースポーツが運営に携わってからは、低調であった利用状況が改善し増加に転じてきたところであります。
 そのような中、今年の六月定例会において、健康増進の目的など今年度設立された静岡社会健康医学大学院大学に引き継ぐことなどを理由として施設の役割は終了し今年度末に廃止すると説明がありました。その後施設の館内に閉館の張り紙がされ利用者の皆さんに困惑が広がっているところであります。九月定例会の委員会において跡地利用について検討中と当局が説明をしたにもかかわらず、閉会した翌日に知事から感染症の専門施設を設置するとの発言があり困惑に拍車をかけています。
 利用者の有志による存続に向けた署名活動も行われ、三千人を超える署名が集まり県議会議長及び副知事に対して要望が提出されたところです。その要望では、感染症の専門施設となった場合においてもこれまでの健康増進の機能の継続を訴えたものとなっています。
 今定例会冒頭の知事提案説明において、知事は仮称ふじのくに感染症管理センターの設置を明言されましたが、一方でその設置場所は今後の議論に委ねていくと説明され、またも総合健康センターの利用は不透明な状況になってしまったのかと危惧しております。
 年度末まで残り三か月と少しとなりました。現在の総合健康センターの利活用の検討状況、その方向はどのようなものになっているのか伺います。
 次に、多様性のある農業についてのうち、環境への負荷軽減につながる農業の推進について伺います。
 令和三年五月農林水産省により、日本の農業の三十年先を見据えた長期的なビジョン、みどりの食料システム戦略が策定されました。そこには二〇五〇年までに目指す姿が具体的に示されており、戦略の中には耕地面積に占める有機農業の取組面積の目標割合を二五%とするとあります。しかし我が国の有機農業の現状は、平成二十九年時点で耕地面積当たりの有機農業の取組面積は〇・二%程度にとどまります。国際基準を満たす有機農業を二〇五〇年までに農地全体の二五%、百万ヘクタールにまで増やすには実に四十倍以上に拡大をする計算となります。目標に向け有機農業、自然農法など環境への負荷を抑えた持続可能な農業を推進していくためには大きく分けて二つのポイントがあると考えます。
 まず一つ目は生産技術です。担い手への適格な指導や助言を行う普及指導員等を育成するため各種支援施策に関する知識や技術を習得する研修を実施するなど、普及指導員等の指導力の維持向上が必要であります。
 二つ目は持続可能な経営です。温暖で湿潤な気候の日本では病気や害虫の被害や雑草が発生しやすく、化学肥料や農薬を使わない場合通常よりも手間やコストがかかり生産量が減ってしまうのが現状です。農業者の所得が十分に確保できる持続可能な経営が重要でありますことから、農業現場の声をよく聞き地域の実態を踏まえた取組を推進すべきです。あわせて生産者だけではなく消費者の意識を変えることも重要であります。環境配慮への取組が付加価値として消費者に受け入れられることが不可欠となります。
 このようなポイントを踏まえた上で、本県ではどのように有機農業をはじめとする環境への負荷軽減につながる農業を進めていくのか伺います。
 次に、家族経営体への農福連携の推進について伺います。
 労働力不足の問題を抱える農業分野と働きたくても働く場所がなかなか見つからない福祉分野の両者におけるこのミスマッチを解消し、それぞれの課題を解決するのが農福連携であります。本県でもその取組は着実に進んでおります。ワンストップ窓口の設置や新たに農福連携に取り組む農業者を支援する「お試しノウフク」を展開するなどマッチング事業も充実し、農福連携技術支援者育成またJAや行政職員への研修など人材育成にもしっかりと取り組まれております。
 このような先進的な取組の成果として障害のある人を受け入れる農業経営体は年々増加をしており、平成二十八年に三十六経営体であった受入れ数が令和二年には九十一経営体と約三倍にも増加しております。しかしながらこの九十一経営体のうち四十八が法人で四十三が家族経営体だとお聞きしました。高齢化による労働力不足に悩む多くの家族経営体への普及は道半ばであります。
 家族経営体とは一世帯で事業を行う者、言い換えれば小さい家族農家を指しますが、日本の農業における経営体の約九六%以上を占めるのが家族経営体です。この家族経営体に農福連携をいかに普及させるかが次なる目標であると考えます。
 農福連携には福祉施設が自ら農業に取り組むパターンや、農業法人や企業が障害者を雇用するパターンなど様々なパターンがありますが、日本の農業の大部分を占める家族経営体に農福連携が普及すれば障害者理解も一層広がるものと考えます。
 県は家族経営体に対し今後どのように農福連携の普及を図っていくのか伺います。
 次に、都市計画道路谷田幸原線の整備について伺います。
 私が住む三島市は東海道新幹線三島駅の開業以降首都圏への通勤圏内となり、人口が増加するとともに市街化が進展してきました。また広域的な道路ネットワークも、三島市周辺地域では高規格幹線道路である新東名高速道路や伊豆縦貫自動車道の一部となる東駿河湾環状道路が開通するなど着実に整備は進展してきました。
 一方で市内中心部の三島駅北口地域では、都市計画道路三島駅北口線の一部区間が開通し南北の幹線道路の強化は進んでいるものの、東西道路が脆弱なため都市のさらなる発展には主軸となる谷田幸原線の整備が求められています。
 三島市の西側に隣接する長泉町では谷田幸原線につながる都市計画道路池田柊線の全線開通が見えてきており、谷田幸原線は国道一号から三島市壱町田までの間が開通しているものの、市内中心部では未開通の状況です。谷田幸原線が全線開通すれば市内中心部から国道一号や新東名高速道路長泉沼津インターチェンジへのアクセス向上が図られるとともに、町なかの交通渋滞の緩和や市街地のさらなる発展、加えて災害時の緊急輸送路や避難路の確保など様々な効果が期待され、これからの三島市にとって必要不可欠な道路となります。
 未開通区間は一部事業に着手していない区間があるものの、県や市によって整備が進められ、特に県の整備中の区間では道路の姿が確認できるほど工事が進んでいることから一日も早い開通を地元も期待しています。その一方で地元の住民からは開通に伴い新設される既存の南北市道との交差点において交通事故が発生することを懸念する声も寄せられており、私も大変心配をしているところであります。
 そこで、本路線の全線開通に向けた整備の見通しと県事業区間の開通に向けた取組について伺います。
 最後に、子供が抱える社会問題への対応について伺います。
 近年、子供たちを取り巻く環境が多様化するとともに一人一人が抱える問題も複雑化しています。令和二年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますと、県内公立小中学校における不登校の児童生徒は六千三百七十七人で八年連続で過去最多となりました。またいじめの認知件数は一万一千七百九件と依然として多い状況が続いています。
 一方、令和二年度中に静岡市、浜松市の政令市を含む県内七か所の児童相談所が対応した児童虐待相談件数は三千九百三十件でこちらも過去最多を更新しました。加えて子供の貧困問題、ヤングケアラーなど全国の学校でもこのような問題に直面し学校、学級運営上の重要な課題となっています。問題の解決には子供たちの心と悩みに加え家庭や友人関係を含めた環境へのアプローチが求められます。その解決に当たり期待されるのがスクールソーシャルワーカーであります。
 スクールソーシャルワーカーは、教育分野に関する知識に加え社会福祉等の専門的な知識や技能を有し、問題を抱える児童生徒を取り巻く環境へ働きかけたり関係機関等との連携調整を行ったりする人を指します。スクールソーシャルワーカーの配置は平成二十年度の文科省の活用事業以降国の予算措置が継続的に行われ少しずつ増員が図られ、本県でも全市町に配置するなど普及が進んでいます。しかし全ての学校に配置されているわけではありません。複雑化した社会問題を抱える子供たちのSOSをしっかりとキャッチし救い出すためには現状の配置状況では不十分であると考えます。
 表面化しにくいヤングケアラーの問題にも対応するため、今後スクールソーシャルワーカーの早期の拡充が必要であると考えますが、県教育委員会の今後の対応を伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(宮沢正美君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 伊丹議員にお答えいたします。
 質問に入られる前に言われました人権に関する御発言、深く共鳴してお聞きしたということを申し添えます。
 多様性のある農業についてのうち、環境への負荷軽減につながる農業の推進についてお答えいたします。
 県の調査では、昨年末時点で県内におきまして百五十八戸の生産者がお茶、お米、野菜などの有機農業に取り組んでおります。県ではこれまでこうした生産者を支援し、ふじのくに環境にやさしい農芸品・農業者としてウェブサイトで紹介するなどの情報発信に努めてまいりました。
 SDGsに対する関心が国内外で高まっております。農業生産の環境負荷軽減が求められているこうした時代の中で本年五月、国はみどりの食料システム戦略を策定され有機農業を二〇五〇年に耕地面積の二五%に拡大するという目標を掲げられました。本県におきましてもこの動向を踏まえまして有機農業のさらなる拡大を図る必要があります。
 拡大には幾つかの課題があります。有機農業の飛躍的な拡大が、なかなかその課題克服が難しく実現していないのが現状ですが、例えば化学肥料や化学農薬を使用しない有機農業は環境への負荷を軽減する反面、収穫量や品質が不安定となります。議員御指摘のように地域の実態を踏まえた生産技術のイノベーションや、消費者の意識として有機農業の価値の評価が重要であります。これまでにない取組が必要とされているという現状であります。
 県は、生産から消費に至るまで有機農業の推進に全面的に取り組んでまいります。
 生産面におきましては、まず第一に栽培技術を共有すること、新技術を開発しまた普及させること、これらに向けて県内の有機農業の生産者、企業、大学、研究機関等から成るプラットフォームの設立を検討いたします。
 第二に、沼津のAOI―PARCにおきましては土壌微生物を活用して環境負荷を軽減する技術の開発などに取り組みます。御案内のようにAOI―PARCは慶應義塾大学並びに理化学研究所が関与しております。理化学研究所が持つ土壌中の微生物の集まりを解析する技術を活用して農作物の生育促進や病原虫の予防に寄与する微生物を利用した土壌環境を改善する農業用資材を開発するということで、事業予定期間は三年、一応令和六年度中に実用化予定をしているというものでございます。
 そして第三に、県では有機農業を指導できる人材を養成し開発した技術の普及や生産者に対する支援の強化を図ってまいります。
 一方、消費の面におきましては生産者と流通、加工業者とのマッチング商談会や生産者と消費者の交流会を開催するなど有機農作物の販路拡大に取り組まねばなりません。加えまして有機農業の付加価値を県民の皆様に分かりやすくお伝えするためにSDGsに貢献する生産者を認証する新たな制度を創設するということを検討しておりまして、料理店等に対しましても有機農産物を積極的に御使用頂くなどSDGsへの取組を促す仕組みづくりを検討してまいりたいと考えております。
 県といたしましては、生産者や料理人、消費者、流通、加工業者等多様な方々の御協働によって生産と消費の好循環をつくり出し有機農業をはじめとする環境への負荷軽減につながる農業を推進してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○議長(宮沢正美君) 出野副知事。
○副知事(出野勉君) 県事業への民間活力の活用についてお答えいたします。
 高度化、多様化する行政需要に対応し質の高い県民サービスを提供していくためには民間の能力、ノウハウをより一層活用していくことが重要であります。これまでに本県では四十五の県有施設への指定管理者制度の導入、富士山静岡空港のコンセッション制度による運営等様々な形で民間活力の活用に取り組んでまいりました。
 民間活力の導入に当たりましては、民間にできることは民間に委ねる、これを基本としてサービス水準や県民の皆様の利便性の向上、効率的な運営による経費削減効果といった観点を考慮し事業ごとに最も適切な形態を選択し進めるべきものと考えております。一方で近年、社会情勢の変化や人口減少の影響等により駿河湾フェリー等地域の活性化に重要でありかつ大きな効果をもたらす事業や県民の皆様の安全・安心につながる重要な社会的資本である事業において継続が困難となる事態が生じております。
 こうした高い公益性が認められる事業や、地域経済の発展や県民生活の向上にとって不可欠な事業等につきまして、民間事業者等によるサービスの提供が困難となった場合には県が積極的に関与することが適切であると考えております。またこれらの事業の継続に当たりましても指定管理者制度の導入など民間のノウハウを最大限生かすとともに、地域や市町とも連携し常に最適な提供体制を構築していくことが必要と認識しております。
 現在策定中の次期静岡県行政経営革新プログラムに官民の役割分担や適性を踏まえたサービス提供主体の最適化について盛り込み、現場に立脚した生産性の高い行政経営を推進してまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 石田健康福祉部長。
○健康福祉部長(石田貴君) 障害者の利便性向上についてお答えいたします。
 障害者手帳につきましては、障害のある方々から、紙製で劣化しやすい、取り出すのに手間がかかるなどの声をお聞きし県としても紙製に代わるより利便性の高い方法について検討してまいりました。
 こうした中、国では障害のある方の本人確認を簡素化する方針を昨年四月に示し、各省庁を通じて関係業界団体にスマートフォンアプリの活用などを要請いたしました。現在ミライロIDを導入する事業者も広がっており、御紹介のありました大阪府や神奈川県のほか愛知県、埼玉県などの自治体でも導入が始まっております。
 誰もがデジタル化の恩恵を享受できる社会は社会的障壁の除去あるいは軽減につながるものであり、障害のある方の生活の質が向上し障害によって分け隔てられない共生社会の実現に寄与するアプリの利用は望ましいことであります。
 県といたしましては、今後市町や障害福祉団体など関係の方々に御意見を伺いながら県有施設はもとより、より多くの事業者におけるミライロIDの活用など障害のある方の利便性がさらに向上するよう検討を進めてまいります。
 次に、静岡県総合健康センターの利活用の方向性についてであります。
 静岡県総合健康センターにつきましては、健康づくりのための調査、研究、実践の役割が静岡社会健康医学大学院大学などに引き継がれましたことから今年度末で業務を終了することとしております。
 一方で、本年二月に県病院協会と県医師会から感染症専門病院の設置に関する要望を頂いたことから将来起こり得る感染症への備えを含めて検討を進めてまいりました。その結果、本県の感染症への対応力を強化するため仮称ふじのくに感染症管理センターを設置することといたしました。その機能として、平時においては研修、検査、情報発信の拠点として、感染症に加え災害などの有事においては臨時の医療施設、物資の搬送拠点、ワクチンの接種会場などの活用等が想定されますが、現在専門家の御意見を伺うとともに他県の取組事例の調査を行い整理を進めているところであります。
 また、これまでの新型コロナウイルス感染症への対応から緊急事態に即応するためには調整の容易な県有施設が望ましいと考えられますので、設置場所の候補地として総合健康センターを軸に検討を進めております。その際平時における施設の利用が限定的となるため、有効活用の観点から施設の管理方法も含め現在の利用形態が継続できないか併せて検討してまいります。
 県といたしましては、引き続き感染症管理センターの機能の整理とともに、様々な御意見を頂きながら総合健康センターの利活用について検討してまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 細谷農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(細谷勝彦君) 多様性のある農業についてのうち、家族経営体への農福連携の推進についてお答えいたします。
 農福連携には作業の切り分けやその人に合った作業の選定などが必要となりますが、家族を中心とした経営体では法人経営体に比べて労務管理の経験が少ないことから、障害のある人の受入れにはよりきめ細かな支援が必要となります。
 このため県では、昨年六月にワンストップ窓口を設置し初歩的な相談からコーディネーターによるマッチングまで総合的な支援を行っております。また初期相談を充実させるため今年度からコーディネーターの業務を補完する農福連携サポーターを育成しており、現在二十八名が経営体からの相談に当たっております。本年度にワンストップ窓口を活用して新たに農福連携に取り組んだ三十四経営体のうち二十五戸が家族経営体であり、小規模な生産者にも徐々に取組が広がっております。
 例えば、富士宮市で御夫婦で落花生を栽培する家族経営体では障害のある方が収穫時にさやを外す作業を専門に担当することで就労が可能となりました。この経営体では収穫量が増えたことから来年度も受入れを継続し作付面積を二割程度増やすと伺っております。
県といたしましては、今後もワンストップ窓口を拠点にコーディネーターやサポーターと連携し家族経営体が農福連携に取り組めるようきめ細かな支援を行ってまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 和田交通基盤部長。
○交通基盤部長(和田直隆君) 都市計画道路谷田幸原線の整備についてお答えいたします。
 谷田幸原線は国道一号を起点とし都市計画道路池田柊線につながる全長三・七キロメートルの幹線道路で、池田柊線と一体となった市街地環状機能により三島駅北口地域の骨格をなす道路であり、県と三島市が連携して整備を進めております。これまでに国道一号から市道徳倉文教線までの二・五キロメートルを供用し、残る一・二キロメートルのうち起点側の〇・四キロメートルにつきましては三島市が令和五年度の開通に向け、終点側の〇・三キロメートルにつきましては県が令和四年度の開通に向け整備を進めております。また未着手の〇・五キロメートルにつきましては市が令和四年度の事業着手に向け都市計画変更の手続を進めております。
 現在県が整備を進めている区間につきましては、接続道路である県道三島裾野線への取付工事を実施しており、あわせて既存の南北市道との交差点では道路利用者の安全を確保するため県警察と連携して信号機設置に向けた検討を進めているところであります。
 県といたしましては、本路線の開通が地域内の交通課題の解決はもとより市街地の発展に大きく寄与することから、早期の全線開通に向け三島市と連携して事業の着実な推進に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 長澤教育部長。
○教育部長(長澤由哉君) 子供が抱える社会問題への対応についてお答えいたします。
 様々な問題を背景としていじめや不登校、児童虐待が増加傾向にあり、また貧困などに加えヤングケアラーへの対応も喫緊の課題となっております。こうした中、専門的な知識や経験を基に児童生徒を取り巻く環境への対応を含めて支援に当たるスクールソーシャルワーカーは学校現場に不可欠な存在であります。
 県教育委員会では、平成二十年度からスクールソーシャルワーカーの配置を進め平成二十八年度以降全ての小中学校に対して支援できる体制を整えております。また大学教授による専門的な講義のほか事例検討など実践的な研修を年四回実施し、スクールソーシャルワーカーのさらなるスキルアップを図っております。
 学校では、支援の必要な児童生徒が抱える課題や家庭の状況等を踏まえ学校としての対応や関係機関との連携などについてスクールソーシャルワーカーを中心に検討し、組織的な支援に努めております。悩みを抱え困っている全ての児童生徒への支援が可能になるよう各市町が実態に応じ配置方法を工夫しているところですが、拡充を求める声も高まっております。
 県教育委員会では、引き続き市町への適切な配置時間数の確保に努めてまいります。また文部科学省においてもスクールソーシャルワーカーの拡充を図ることとしており、国に対して確実に予算を確保するよう働きかけを行ってまいります。さらに研修の充実による専門性の向上に取り組むとともに、校内において教員やスクールカウンセラーとのより効果的な協働体制の構築を促してまいります。
 県教育委員会といたしましては、今後もスクールソーシャルワーカーの配置の拡充と知識、技能の向上を図り、一人一人に寄り添った支援を通して全ての児童生徒が幸せな生活を送ることができるよう取り組んでまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 伊丹雅治君。
(十一番 伊丹雅治君 登壇)
○十一番(伊丹雅治君) それでは、要望を一点、再質問を一点させていただきます。
 まず要望です。県事業への民間活力の活用についてでありますが、人口減少や産業構造の変化が激しい中でですね、御答弁にもありましたけれども、県が積極的に関与するというその必要性は理解をいたします。しかし赤字事業に県民の税金を際限なく投入してよいのかという議論はまた別の議論が必要なのではないかというふうに思っています。
 例えば県有化する際には今一歩踏み込んで特別会計を設置して予算額や決算額を明確にするなどコストとベネフィットをしっかりと評価できる仕組み、そういった仕組みをぜひとも取り入れていただくことを要望いたします。
 続いて再質問に移ります。
 静岡県総合健康センターの利活用の方向性についてでありますが、三島市民をはじめとした現在の利用者の望みというのはやはり四月以降も施設を利用できることであります。仮に感染症管理センターの設置が年度内に決定したならば四月以降の利用方法をどうするかという検討をされているのでしょうか。その点についてお伺いをしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(宮沢正美君) 石田健康福祉部長。
○健康福祉部長(石田貴君) 総合健康センターの利活用について再質問にお答えいたします。
 総合健康センターを感染症管理センターとして活用することが前提となるわけでございますけれども、同施設は多くの県民の皆様に御利用頂いております。施設の有効の観点から感染症管理センターの検討中の期間におきましても、例えば指定管理の延長などにより県民の皆様の利用が継続できないか検討をしてまいります。以上です。
○議長(宮沢正美君) 伊丹雅治君。
(十一番 伊丹雅治君 登壇)
○十一番(伊丹雅治君) この県総合健康センターは非常に数少ない、静岡県東部地域における貴重な施設であります。そして静岡県東部地域の健康増進のシンボルであります。
 また、様々な教室とかサークル活動が行われたり文化芸術活動が行われております。そこにはコミュニティーが生まれ、肉体だけではなく心身ともに健康になれるすばらしい施設であります。またドクターヘリの発着場として、さらには指定緊急避難所として地域の住民の命を守る大切な施設でもあります。どうか利用者の皆様の望みをお酌み取り頂きますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(宮沢正美君) これで伊丹雅治君の質問は終わりました。

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