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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

伊藤 和子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/08/2020

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 文化財の継承に係る取組について
2 高齢者雇用の促進について
3 民生委員・児童委員の活動支援について
4 アルコール依存症対策について
5 学校におけるいじめ対策について
6 中学生への防災教育について


○副議長 (良知淳行君)  ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、 二十四番 伊藤和子君。
        (二十四番 伊藤和子君登壇 拍手)
○二十四番 (伊藤和子君)  皆様こんにちは。  質問に先立ち、 このたびの新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に対しまして御冥福をお祈りするとともに、 感染された皆様方には心からお見舞いを申し上げます。 また医療の最前線で新型コロナウイルスと闘っている関係者の皆様方には心から敬意を表するとともに、 深く感謝を申し上げます。 今後は一日も早く感染が終息いたしますよう祈っております。
 それでは、 ふじのくに県民クラブ所属議員として県政の諸課題について通告に基づき知事、 副知事、 関係部局長、 教育長及び教育部長に一括質問方式でお伺いいたします。
 初めに、 文化財の継承に係る取組についてお伺いいたします。
 私たちが暮らす静岡県には、 世界遺産の富士山をはじめ国宝に指定されている久能山東照宮さらには各地域に伝わる伝統芸能など有形、 無形の多彩な文化財が残されております。 私の地元遠州の小京都には国の重要文化財に指定されている森町の亀久保に友田家住宅がございます。 国の無形民俗文化財としては小國神社の舞楽、 天宮神社の十二段舞楽、 山名神社天王祭舞楽この三つが遠江森町の舞楽として指定されております。 また県の天然記念物に指定され毎年皇室に献上している名産の治郎柿の原木など魅力的な町の自慢の文化財が数多く存在しております。
 ふるさとの歴史や文化を象徴する文化財は住民の地域への愛着心を育む上でも重要であると思いますが、 一方では過疎化や少子化の進行により文化財の将来への継承が全国的な課題となっております。 森町の友田家住宅におきましても高齢の所有者がお一人で友田家住宅の隣に住んでおり、 建物を管理しております。 管理している方とは二十五年以上親しくさせていただき今でも時々友田家住宅を訪問しております。 現在のところお元気ではありますけれども、 後継者や建造物の価値を保つ上で必要な修繕にかかる費用の確保等の課題を抱えております。
 県は昨年度末に静岡県文化財保存活用大綱を策定し、 これまで所有者に委ねられていた文化財を今後は地域ぐるみや県民総がかりで保存、 活用する方向性を示しております。 私は、 所有者や行政に加えて文化財が所在する地域の方々のお力をお借りして文化財の継承に取り組んでいくことが必要ではないかと考えますが、 県はどのように取り組まれるのかお伺いいたします。
 次に、 高齢者雇用の促進についてお伺いいたします。
 日本は、 二〇〇七年に六十五歳以上の人口割合が全体の二一%以上を占める超高齢社会へ突入いたしました。 二〇二五年には高齢者の人口割合が三〇%を超えると予測されていますので現在より労働力不足が深刻になることは明らかです。 これまで新卒や中途の日本人のみを正社員として採用してきた中小企業も本格的な方針転換が必要になってくるのではないかと考えます。
 内閣府の平成二十八年度版高齢社会白書によりますと、 六十歳を超えても働きたいと考えている人は全体の七一・九%にも及ぶそうです。 内訳としての年齢は六十五歳から八十歳ぐらいまでと多様ですけれども、 最も多かったのは 「働けるうちはいつまでも」 と答えた方が高齢就労希望者全体の二八・九%でした。 働くことを生きがいとして捉え労働を通じて社会とつながりたいと希望するシニア世代の方が増えている現状に目を向けていくことが非常に大事なことではないかと思います。
 そのような中で、 本県では仕事や趣味などに意欲的で健康意識が高い傾向にある活発な高齢者  アクティブシニアが増えております。 アクティブシニアに明確な定義はありませんが、 一般社団法人日本アクティブシニア協会では前期高齢者である六十五歳から七十五歳と定義しております。 シニア層の労働力不足にはこのようなアクティブシニアの皆さんの労働力を社会資源として活用していくことが私は有効的ではないかと思います。
 各地にありますシルバー人材センターは、 高齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づき定年退職後に臨時的、 短期的に高齢者の生きがいの充実や社会参加の促進を図るもので高齢者の活躍の場として重要な存在となっております。 しかし最近では新規の会員が増えず現場からはシルバー人材センターの今後を不安に思う声が出ております。 現在地域の諸課題解決のため袋井市、 森町地域シルバー人材センターでは、 空き家等見守り管理の業務について袋井市及び障害者就労支援事業所と協定を締結し地域の生活環境保全のための取組を始めているそうです。 また島田市シルバー人材センターでは、 小規模零細企業のごく短期間の請負によるデスクワーク業務を開拓するなど新たな就業の試みが始まっているとのことです。
 このように新しい取組が行われてはおりますけれども、 近年シルバー人材センターの会員数は二万人超で大きな変動はなく減少こそしていないものの新たな会員数が増えず新陳代謝が進まないため会員の高齢化が進んでおり、 将来的に会員数の減少が危惧されることから新たな会員を確保することが課題となっております。
 国では、 来年の四月一日から人生百年時代を見据えた七十歳までの就業機会確保のため企業に対し努力義務として継続雇用の実施を求める高年齢者雇用安定法が施行されます。 社会全体で働く意欲がある高齢者がその能力を十分に発揮できる環境を整備していかなければならないと考えます。
 このような背景を踏まえ、 今後の高齢者雇用の促進について県としてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 次に、 民生委員・児童委員の活動支援についてお伺いいたします。
 地域社会においては核家族や単身世帯の増加による家族形態の多様化、 人とのつながりの希薄化が叫ばれております。 独り暮らしの高齢者や障害のある方など社会的な弱者の地域での孤立化が問題となっております。 また子育てにおける悩みや大人のひきこもりなど家庭内で抱える問題を相談することができず深刻化することも懸念されており、 地域の関わり、 見守りも必要性が増しております。 こうした問題は潜在化しがちであることから、 住民の最も身近なところで活動する地域福祉の中心的な担い手である民生委員・児童委員の存在はますます重要度を増しております。
 地元森町、 袋井市でも私の友人そして知人が民生委員・児童委員として活動し大変な御苦労をされているというお話をお伺いし、 改めて御苦労されていらっしゃる皆様方には心から感謝を申し上げます。
 民生委員・児童委員は三年ごとに改選となりますが、 その負担の大きさから新たな担い手の確保に頭を悩ます地域も少なくありません。 そのような課題の解決に向け、 一昨年我が会派の代表質問で協力員制度の導入を提案し昨年の十二月にこの制度がスタートいたしました。
 しかし、 予期せぬ新型コロナウイルス感染症の拡大により今年は民生委員・児童委員の活動にも影響が生じているのではないかと思いますが、 協力員制度導入の効果そして現場の声について県はどのように考えていらっしゃるのかお伺いいたします。
 あわせて、 今後さらなる活躍が期待されます民生委員・児童委員の資質向上について県の取組をお伺いいたします。
 次に、 アルコール依存症対策についてお伺いいたします。
 皆さんは断酒会という自助グループの活動を御存じでしょうか。 私は森町の町議会議員として活動していたときに団体の方から顧問に就任してほしいと声をかけられ、 初めてそこで断酒会という自助グループの活動を知りました。 どのような活動をされているのか毎週一回開催されている例会に参加させていただき、 断酒会がアルコール依存症という同じ病を持った仲間の集まりであり、 お互いに励まし合い酒害からの回復とそして人としての成長を目指しているすばらしい活動をしている自助グループであることが分かりました。 さらに同じ酒害者としての立場から酒害問題に悩んでいらっしゃる人たちへの援助活動を行っている団体であり、 仲間の団結そして絆が深く新しい人生を切り開いていく皆さんの姿を見て逆に私が励まされました。 断酒会の活動が酒害から回復の過程にとても大きな役割を果たしその存在意義が明確化した瞬間でした。 そして断酒会の存在をもっと多くの方に知っていただき、 酒害から立ち直りたい方を救ってあげたいと考えるようになりました。 その日から現在まで本当に微力ではございますけれども、 断酒会の活動に関わらせていただいております。
 お酒は生活に豊かさと潤いを与え人々の生活に深く浸透している一方で依存性を持つ嗜好品であり、 不適切な飲酒はアルコール依存症の原因となり健康への影響や様々な事件事故等を引き起こす要因となっております。 アルコール依存症の問題は本人の健康問題だけでなくその家族への深刻な影響や飲酒運転そして自殺等の重大な社会問題を生じさせる危険性があります。
 厚生労働省の資料によりますと、 全国におけるアルコール依存症の潜在数は推計で約五十七万人、 これを人口比で本県に当てはめると県内でも約一万七千人がアルコール依存の状態にあると推測されます。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、 外出自粛などの自由な行動の制限やリモート生活など環境変化、 雇用不安や経済状況の悪化などによってストレスが増え、 不安や孤独を紛らわすために飲酒量が増加しアルコール依存症を引き起こす危険性が増すおそれがあるとも言われております。
 アルコール依存症への取組がこれからは大変重要になっていると私は考えますけれども、 県のアルコール依存症対策への取組についてお伺いいたします。
 次に、 学校におけるいじめ対策についてお伺いいたします。
 新型コロナウイルス感染症の感染者への誹謗中傷が深刻な社会問題となっております。 我が会派でもSTOP!誹謗中傷キャンペーンを実施しており、 新型コロナウイルス感染症に関する差別や偏見をなくし思いやりの心を持ち人に優しい静岡県を推進するために愛媛県から始まりましたこのようなシトラスリボンを身につけ、 ただいま、 おかえりの気持ちを表す活動を広めております。
 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大は、 特殊な社会の環境下における誹謗中傷にどのように対応していくかといった大きな問題を提起したのではないでしょうか。 児童生徒本人が感染した場合、 また家族が感染した場合など学校におけるいじめにつながるケースも懸念されます。
 以前、 ある御家族からお子さんが小学校でつらい思いをして不登校になってしまったというお話をお伺いいたしました。 担任教諭に相談してもなかなか解決に至らず御両親も大変な御苦労をされていました。 最終的には御両親が関係する親御さんたちと直接話し合い解決に至ったようです。
 学校におけるいじめの対策についてはこれまでも学校現場で苦労されてきていると認識しておりますけれども、 ネットワーク社会の進展やそれに伴うコミュニケーションの希薄化などによりいじめの問題は非常に複雑化していると感じます。 いじめは駄目と訴えそれが児童生徒に浸透したとしても、 いじめのつもりはない言動がある児童生徒にとっては一生残ってしまう心の傷となってしまうこともあるのではないでしょうか。
 残念ながらいじめが発生してしまった場合心のケアが重要となりますが、 ケースによっては生活環境などにも配慮した対応が必要になると考えます。
 そこで、 複雑化するいじめの問題に対しどのように発生を防止していくのか、 またいじめが起きてしまった場合どのように対応していくのか、 県の考えをお伺いいたします。
 最後に、 中学生への防災教育についてお伺いいたします。
 私の地元では、 地域の防災を支える人たちの高齢化が進み地域防災の担い手不足を危惧する声を多く聞きます。 毎年十二月に行われる地域防災訓練では地元の中学生が積極的に参加し、 地域の方々からは参加した中学生に対して災害時の地域防災の担い手として大きな期待が寄せられております。 そのためには日頃から地域防災を支える人材として中学生への防災教育を強化していくことが必要であると考えます。
 地震や台風などの災害による被害の拡大を防止するためには災害時に自助、 共助によって住民自らが効果的でかつ実践的な初期活動ができる体制づくりが必要であり、 中でも中学生による若い防災力を育成することは自主防災組織における地域防災力を向上させるためにも有効であると考えます。 中学生が自主防災組織の一員として積極的に訓練に参加し自分たちが地域を守るという共助の意識を育むことによって災害に強い地域をつくり、 また郷土愛の形成にもつながるのではないかと考えます。
 県では、 今年度から地域防災の担い手となるふじのくに防災士の養成を県内全中学校の主に二年生を中心に取組を強化していくということでございます。 この取組は、 県内の全ての子供たちが中学校卒業までに防災に関する知識と自らの命を守り地域を支えていくという意識を身につけることにより地域防災力の向上を図ることが目的とされています。
  ふじのくにジュニア防災士として認定された生徒たちが、 地域の防災活動に活気ある姿で参加されることを大いに期待しております。 現在の取組状況と今後の展望についてお伺いいたします。 以上、 答弁を求めます。
○副議長 (良知淳行君)  川勝知事。
○知事 (川勝平太君)  伊藤議員におかれましては、 深いまた熱い思い入れのある質問しっかり受け止めながら拝聴いたしました。
 今日は胸にシトラスリボンをおつけですけれども、 これは愛媛で始まりましてオレンジ色が原色だったんですけれども緑色、 お茶の色でよくお似合いです。 おしゃれ感覚で人々がこれをつけることによって誹謗中傷とかいじめとかというのを社会からなくしていくというのは大変重要な、 自分の姿勢で示すものだというふうに思います。
 幾つかの御質問の中で、 私は文化財の継承に関わる取組についてお答えをいたします。
 議員の御出身、 地元の森町は小京都としてそれ自体が文化的景観を持つ文化財ではないかとすら私はかねてより思っておりました。 そうした中、 友田家住宅あるいは小國神社ほかの舞楽をはじめ有形無形の多彩な文化財に満ちあふれている地域です。
 一方、 過疎化、 少子高齢化によって所有者のみでは文化財の保存、 活用が困難となっている例も増えてまいりました。 このため昨年度静岡県文化財保存活用大綱を策定いたしまして、 社会総がかりで保存、 継承を進めるための施策に取り組むことにしているところです。
 この大綱で本県が目指す地域の宝が未来に確実に継承されている姿を実現するため、 市町の単位で個々の文化財を適切に保存しまちづくりや観光の核として活用する方針を示す文化財保存活用地域計画の作成を支援しております。 現在十の市が作成に着手しているところです。 これが全市町に行き渡るように支援をさらに続けていきたいと思っております。
 文化財の保存、 継承には地域の皆様が協力して取り組むことが不可欠です。 このため県は、 本年度新たに地域における文化財の保存、 継承に熱心に取り組んでいる団体をふじのくに文化財保存・活用推進団体として認定する制度を創設いたしました。 現在市町を通じて認定団体を募集しております。 今後この認定された団体に対しましては県が活動紹介を行うこととしておりまして、 特に優秀な活動を行っている団体の表彰制度を今後設けていきたいと思っております。 地域での保存、 活用の取組の拡大をこれまで以上に図っていきたいと思っております。
 また、 多くの方々に地域の文化財を知っていただき興味を持っていただくことが重要です。 県では国、 県指定文化財のデータベース化を進めまして、 来年三月を目途に各文化財の基本情報をしずおか文化財ナビとして公開することといたします。 データベースを学校教育や社会教育にも御活用頂きまして幅広い世代に理解を深めることで、 文化財の保存や活用に積極的に取り組む方々の増加につなげてまいりたいと考えております。
 さらに、 国、 県指定文化財の老朽化に伴う修理などに要する経費への支援、 また商工、 観光、 まちづくりなど地域の多様な関係の皆様を対象に保存、 活用に必要な知識の習得を図る人材養成研修会の開催など地域の文化財の継承に必要な環境整備に取り組んでまいります。
 今後とも住民協働による文化財の保存や活用への取組を促進いたしまして、美しいふじのくにの文化財を県民総がかりで守り、 誰もが親しみながら未来につなぐ仕組みづくりを推進してまいります。
 その他の御質問につきましては、 副知事、 関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長 (良知淳行君)  出野副知事。
○副知事 (出野 勉君)  民生委員・児童委員の活動支援についてお答えいたします。
 民生委員・児童委員の皆様には新型コロナウイルス感染症が拡大する中、 地域住民の身近な相談役や関係機関とのつなぎ役として日々御尽力を頂いており深く敬意を表しているところでございます。
 近年、 地域社会を取り巻く環境が大きく変化し住民の福祉ニーズも複雑多様化しておりますことから、 民生委員・児童委員の皆様の役割はますます重要となり活動に係る負担も増大しております。
 このため県では昨年十二月、 民生委員・児童委員協力員制度を新たに創設し現在では十二市六町で百二十名以上の協力員の皆様が活動しております。 民生委員・児童委員の皆様からは前任者が協力員となることにより新任委員の精神的負担の軽減が図られた、 あるいは地域のことをよく知る協力員により見守り活動の充実が図られた等の御意見を伺っております。 また協力員を配置することで委員の担い手確保にもつながり前回の改選時に比べ委員の充足率が上昇しているという効果もあります。 このことから今後とも協力員の活動事例を積極的に情報発信し協力員制度のさらなる活用、 拡大を図ってまいります。
 民生委員・児童委員の資質向上につきましては、 委員の経験年数に応じた階層別の研修を実施しているほか活動の基礎となる各種施策・制度をまとめた手引や活動の中で判断に迷う事項などを質疑応答形式で示した冊子により活動を支援しております。 加えて新型コロナウイルスへの感染防止のため DXDによる研修教材を作成するとともに、 静岡県民生委員児童委員協議会と協力して今月中にはインターネット上に専用のサイトを立ち上げ委員が個々に学べる研修の機会を確保してまいります。
 県といたしましては、 今後も地域福祉の要となる民生委員・児童委員の皆様が活動しやすい環境づくりに取り組み、 全ての人が住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らせる社会の実現に努めてまいります。 以上であります。
○副議長 (良知淳行君)  天野経済産業部長。
○経済産業部長 (天野朗彦君)  高齢者雇用の促進についてお答えをいたします。
 少子高齢化が急速に進む中、 年齢に関わりなく働く意欲の高い高齢者が能力に応じて働き続けることのできる環境の整備は極めて重要な課題となっております。 国では本年度、高年齢者雇用安定法を改正し七十歳までの雇用を事業主の努力義務とするとともに、 事業者向けの助成制度やハローワーク等の専門窓口での就業に向けたマッチング支援の強化に取り組んでおります。
 本県でも、 昨年度から静岡、 浜松、 沼津の各ジョブステーションに高齢者雇用推進コーディネーターを配置し高齢者向けの求人開拓や未経験の業種へのキャリアチェンジをスムーズに行うための就職相談を実施しております。 本年度は十月末までに百人の高齢者の就職につなげております。
 一方、 短期の仕事や軽易な業務を希望する高齢者もおられます。 その受皿となるシルバー人材センターでは高齢者のニーズとセンターが提供する就業機会とのミスマッチが課題となっており、 それが新規入会の停滞につながっております。
 このため、 県ではシルバー人材センターによる幅広い就労業務の開拓や業種別の研修会の開催などへの支援に取り組み、 ミスマッチの解消と入会者増加に向けた取組を後押ししております。 具体的には県シルバー人材センター連合会が就業開拓推進員を配置し空き家等の見守り管理業務や高齢者の家事援助サービスなどの新たな需要の開拓に取り組んでおります。 また会員のマッチング機会の増加や安全な就労を確保するために介護スタッフ補助講習や草刈り機の安全衛生講習などを定期的に開催しております。 県では、 こうした取組に対する助成支援を強化しているほか県民だよりなどの広報媒体を積極的に活用してシルバー人材センターの新規会員獲得支援にも注力しているところであります。
 県といたしましては、 引き続きハローワークや県シルバー人材センター連合会と連携いたしまして働く意欲の高い高齢者がその能力を十分に発揮し大いに活躍できる環境の整備に努め、人生百年時代を見据えた高齢者雇用施策の一層の充実に努めてまいります。 以上であります。
○副議長 (良知淳行君)  藤原健康福祉部長。
○健康福祉部長 (藤原 学君)  アルコール依存症対策についてお答えいたします。
 アルコール依存症は本人の健康や日常生活への支障にとどまらず御家族に深刻な影響を及ぼすことから、 本人だけでなくその御家族に対する支援が必要であります。 このため県では、 本人やその御家族を対象とした専門相談員などによる依存相談や当事者が集まり一緒に依存状態からの回復を目指すリカバリーミーティングを開催するほか、 治療が必要な場合には専門の医療機関を紹介するなど相談から医療その後のケアまで切れ目のない支援をしております。
 また、 アルコール依存症は本人やその御家族が病気であるという認識を持ちにくいことが治療や支援の遅れにつながるため、 断酒会など民間の自助グループと協力して県民向けの公開セミナーの開催などによりアルコール依存症の正しい知識の普及啓発を行い早期に必要な治療や支援につながるように取り組んでおります。
 しかしながら、 新型コロナウイルスの感染が拡大している中、 議員御指摘のとおり外出自粛などによりアルコール依存症の方の増加が危惧されるほか、 感染のおそれなどから医療機関への受診や断酒会などへの参加を控える依存症の方が多いと聞いており状態の悪化も懸念されます。
 こうした状況に対応するため県精神保健福祉センターにおきましては、 依存症の方への電話による状況確認や三つの密いわゆる三密の状態を回避した相談体制の確保など新型コロナウイルスの感染防止に配慮した支援の実施に努めております。
 県といたしましては、 新型コロナウイルス感染の終息が見通せない中、 本人や御家族が一日も早く日常生活や社会生活を円滑に過ごすことができるように県内の医療機関や断酒会をはじめとした自助グループなどと連携してアルコール依存症対策を推進してまいります。 以上であります。
○副議長 (良知淳行君)  木苗教育長。
○教育長 (木苗直秀君)  学校におけるいじめ対策についてお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し誹謗中傷によるいじめや不登校の増加が懸念されたことから、 八月に私から全ての人が被害者にも加害者にもならない社会にしたいという願いを込めたメッセージを発信し、 児童生徒一人一人に呼びかけを行うよう各学校に周知したところであります。
 いじめは子供の生命や心身の健全な成長、 人格の形成に重大な影響を及ぼしかねない行為であり、 未然防止、 早期発見に努めるとともに、 初期段階のものを含めて積極的に認知しその解消に向けた早期解決に取り組んでいくことが必要であります。
 いじめの未然防止にはまずは子供たちが学校で楽しく過ごせるよう配慮する必要があります。 菊川市の小中学校をモデルに分かりやすい授業の実践や集団の絆を深められるように工夫した行事などそれらを実施したところ、学校が楽しい、 みんなで何かするのは楽しいと感じる児童生徒が増加し互いの立場を理解し認め合う意識が向上いたしました。 こうした取組の効果を県内の市町教育委員会に紹介し対策の一層の推進をお願いしたところであります。
 また、 児童生徒が発するサインを見逃さないよう定期的なアンケート調査や面談等により初期段階における発見と早期の解決に努めております。 いじめを認知した場合には教職員が一人で問題を抱え込むことなく校内で情報を共有し、 必要に応じてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等を活用するなど組織全体で早期の解決に取り組んでまいります。 さらに研修を通じて市町教育委員会の生徒指導担当者に対しましてはいじめの未然防止、 早期発見、 早期解決の重要性について重ねて周知するとともに、 今後は生徒指導担当教諭を対象に重篤化防止のための初期対応等につきましてスクールロイヤーによる事例を用いた講義を実施してまいります。
 県教育委員会といたしましては、 いじめを防止することの重要性を常に認識した上で児童生徒がお互いに尊重し、多様性を認め合うことができる心を育むことにより静岡県子どもいじめ防止条例の基本理念に掲げたいじめのない学校づくりを積極的に進めてまいります。 以上であります。
○副議長 (良知淳行君)  金嶋危機管理監。
○危機管理監 (金嶋千明君)  中学生への防災教育についてお答えいたします。
 地域防災力を維持向上していくためには次代を担う子供たちの防災意識を高めることが重要であります。 このため全ての中学生を対象に地震・津波などの災害の基礎知識を学び日頃の備えにつながる防災講座を実施し、 中学卒業までに全員がふじのくにジュニア防災士の資格を取得できるよう養成に取り組んでおります。
 養成講座では、 東日本大震災で被災した中学生が津波から命を守りみんなで助け合った当時の体験を紹介する動画を活用いたしまして、 日頃の備えや共助の重要性を学んだ上で生徒が家庭内の防災対策などを家族間で話し合い、 地域防災を担う一員としての決意をレポートにまとめ提出していただくことで防災意識の向上を図っております。 これらの取組により受講した生徒が各家庭内で自助の取組を進めるとともに、 地域の防災訓練にも積極的に参加していただき地域防災の中核を担う人材として活躍されることを期待しております。
 県といたしましては、ふじのくにジュニア防災士の育成を通じ自助、 共助の意識の向上を図り災害に対して安全・安心な地域づくりに努めてまいります。 以上であります。
○副議長 (良知淳行君)  二十四番 伊藤和子君。
        (二十四番 伊藤和子君登壇)
○二十四番 (伊藤和子君)  御答弁を頂きありがとうございます。 前向きな御答弁が多く大変うれしく思います。
 それでは、 要望を三点させていただきます。
 まず、 文化財の継承に関しましては積極的に取組を考えてくださるということで本当にありがとうございます。 ぜひ今後もそれが継続的につながっていくようにお願いしたいと思います。
 また、 高齢者雇用の促進に対しましては先ほども私の質問そして御答弁にもございましたように人生百年時代を見据えて高年齢者の長年培ってきたそのノウハウを生かせるような高齢者雇用の促進につなげていただきたいと御要望いたします。
 それから、 三点目にアルコール依存症対策なんですけれどもこれにつきましては、 断酒会の活動に対しましては御理解をしていただきましてありがとうございます。 私はこの断酒会の存在、 また断酒会の活動を御存じでない方が大変多いと思います。 ですのでぜひ今後はこの断酒会の存在、 活動の認知度を高めていただきたいとそのように思っております。
 本日は後ろの傍聴席に静岡県の県の断酒会の事務局長さんそして理事長さんそして私が顧問をさせていただいております遠江断酒会の会長さんが傍聴にお見えになってくださっております。 このお三人は自らが生死をさまよう大変な御苦労をされ、 今は人を助けるために活動を続けていらっしゃる皆さんには本当に心から感謝の気持ちでいっぱいでございます。 ぜひこれから県の御支援を頂き、 そして認知度を高めていただく取組をしていただきたいと思っております。 積極的に推進をしていただければと思います。
 以上をもちまして、 私からの質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 (拍手)
○副議長 (良知淳行君)  これで、 伊藤和子君の質問は終わりました。

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