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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

田口 章 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/09/2016

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:


1 行財政改革について                       
 (1) 今後の行財政改革の推進と目標設定のあり方           
 (2) 行政経営システムの見直し                   
 (3) 定員管理                           
 (4) 統一的な基準による地方公会計の活用              
 (5) 市町との連携による公共施設の資産経営             
 (6) 財政認識の共有化と県民参加                  
4 次世代産業の育成支援について                  
 (1) 航空宇宙産業支援                       
 (2) 研究開発の強化                        
 (3) 新分野の用地開発


○副議長(藪田宏行君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二十九番 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇 拍手)
○二十九番(田口 章君) 私はふじのくに県民クラブ所属議員として通告に従い、知事及び副知事、関係部局長、企業局長に分割質問方式で質問をさせていただきます。
 最初に、行財政改革についてのうち、今後の行財政改革の推進と目標設定のあり方についてお伺いいたします。
 県がことし実施した県政世論調査によりますと、県が行っている行財政改革の取り組みについて知っているかという設問に対し、「よく知っている」と「言葉は知っており、取組も少しは知っている」と答えた県民は合わせて一五・一%。一方、「あまり知らない」、「まったく知らない」は八〇・五%となっておりました。多くの県民には行財政改革の取り組みが見えておらず、行財政改革が進んでいないと感じているわけでありまして、私たちはこの結果を厳しく受けとめる必要があります。
 現在、平成二十九年度当初予算編成作業が進められておりますが、十月の段階で政策経費の一部について二〇%のシーリングを実施する方針が示されるなど財政状況はこれまで以上に厳しくなっております。こうした中、ことしから予算編成手法を一部変更し部局の裁量の拡大に取り組んでおりますが、まだ財政を意識した部局経営は不十分と思われ、職員のコスト意識、行財政改革への意識を高めていく必要があると感じています。今後行財政改革を推進していくためには、まず目標設定を見直すべきと考えます。
 例えば、通常債二兆円のように既に達成してしまっている目標、あるいは根本対策が難しい経常収支比率九〇%のような指標を掲げ続けるのでなく、例えば二〇%シーリングのようなわかりやすい数値や総県債残高とか単年度の財政収支など将来負担を考慮して今やらなくてはいけない目標、これを適正に設定する必要があると思っております。
 私は、これまでの延長でなくバックキャスティングによる目標設定を考えてはどうかと思います。バックキャスティングというのはあるべき将来像を見据えてストーリーを立てて、それに向かって今何をやるべきかを考える思考方法です。ここ数年の最大の課題は人口減少であります。長期人口ビジョンでは二〇六〇年の県の人口が三百五万人程度とされている中で、十年、二十年先のあるべき姿を目指して行財政改革の目標を設定する必要があると思いますが、今後の行財政改革推進に対する県の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
 次に、行政経営システムの見直しについて伺います。
 私は、県議になった五年前、本県の行政経営システムを公益財団法人日本生産性本部というシンクタンクの協力を得て点検をさせていただきました。結果は、全体最適の考え方や目標管理の導入など一部改善すべき点を指摘されましたが、本県の行政経営システムはおおむね有効に機能しているという評価をいただいたところでした。
 しかし、五年が経過をして、私はシステムを見直す必要があるのではないかなと感じております。当時は業務棚卸表を中心とした評価サイクルでしたが、この業務棚卸表は現在これ施策展開表となっています。現在ではこの評価に加えまして総合計画や分野別計画の評価も行っており、さらに今議会でも私どものほうに、手元に参っておりますが総合戦略の評価が加わりました。しかも総合計画では事業や施策の評価は高いのに政策目標の達成にはつながっていないという状況が見受けられております。
 こういうマネジメントシステムの変化や矛盾を考えますと、こうした中に無駄や重複、再点検が必要なものが生じていると思います。政策や事業の評価は、これはもちろん重要です。しかしやり方は変えてもいいのではないでしょうか。マネジメントシステムをシンプルにすることは間接業務の見直しにもつながると思いますが所見を伺いたいと思います。
 次に、定員管理について伺います。
 ここ数年時間外労働がふえており、人事委員会勧告でも厳しい指摘があったことから、現在全庁を挙げて時間外労働の削減に取り組んでいると、これは承知をしております。一方、行財政改革大綱の指標の見直しの中で職員定数の指標を総労働時間管理に置きかえる議論がなされているようですが、私は定員管理の指標をなくすべきではないと思っています。県はこれまで職員定数を減らしてきましたが仕事は減っていませんでした。これでは時間外労働がふえるのは当たり前です。このような本末転倒の行革ではなく、現在進めている業務の廃止という本来の行革を進めればいずれは職員が少なくても仕事は回るようになるはずです。
 将来を見据えれば今の職員数を維持するのは難しいと思います。私は仕事を徹底的に見直し、さらに官民連携を進め民でできることは民でやり、官は官でしかできない高レベルの仕事、これにもっともっと集中すべきと考えます。
 今後の定員管理をどう進めていくか所見をお伺いしたいと思います。
 次に、統一的な基準による地方公会計の活用について伺います。
 平成二十九年度から統一的な基準による地方公会計が本格的に導入をされます。公会計改革はこれまでも活用方法が課題とされてきました。またモデルが統一されていなかったことから他団体との比較も十分にできませんでしたがこれが可能となり、県内市町の財務状況が俯瞰できるようになります。
 県も新制度に基づき今後財務情報を公表していくわけでありますが、私はこれ、市町においても経営感覚を持った人材が育ち財務諸表が適切に活用されることに大いに期待をしております。既に取り組みを始めた自治体もありますし、この機を捉えて県内市町とともに新制度の活用を推進していくべきと考えますが所見をお伺いしたいと思います。
 次に、市町との連携による公共施設の資産経営について伺います。
 統一的な基準による地方公会計の導入により最も効果が期待できるのが資産経営であります。県はこれまでもファシリティマネジメントを推進してきました。今後個別管理計画を策定していくとしておりますけれども、県の公共施設の配置上県単独で施設の統廃合を進めるにはやはりこれは限界があると思います。
 一方、新制度では市町においても固定資産台帳が整備をされます。また今年度中に県内全市町で公共施設等総合管理計画が策定されますので公共施設データの可視化、共有化が可能になるこの機を捉え、県と市町、また市町同士が連携をしてファシリティマネジメントの取り組みに着手すべきと考えますけれども御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、財政認識の共有化と県民参加についてお伺いいたします。
 人口減少社会を迎え財政はますます厳しくなります。県民にあれかこれかの選択が必要な現実、これを知ってもらうためには適切な情報公開が必要となります。県はホームページで財務情報を詳しく公開しておりますけれども、これは県民にはわかりづらいと思います。私はむしろ借金時計でもアップして刻々とふえる借金を示したほうがわかりやすいのではないかなと思っております。
 現在の行財政改革大綱では県民参加をうたっております。事業レビューの参加者や若者の県政参加がふえることは決して悪いことではありませんが、業務の徹底的な見直しをやるためには出前講座を初めさまざまな手法を使って財政危機意識を県民と共有化し理解を深めるべきだと思います。自治体の中には総合計画の策定にSIM二〇三〇という財政シミュレーションゲームを活用して、住民に厳しい財政状況をわかりやすく理解してもらった上で策定を進めている事例もございます。
 行財政改革大綱の戦略一には透明性と県民参加による行政運営がありますが、この進め方を見直すべきと考えますが所見をお伺いしたいと思います。以上について答弁を求めます。
○副議長(藪田宏行君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 田口議員にお答えいたします。
 行財政改革についてのうち、今後の行財政改革の推進と目標設定のあり方についてであります。
 現在の行財政改革大綱は、後期アクションプランに対応し平成二十六年度から平成二十九年度までの四年間を期間として策定したものです。この大綱は人口減少や地方財政の状況悪化など厳しい社会経済状況の中、地域全体として行財政運営の効率化や最適化を図り、限られた資源で行政サービスを維持向上させることを目指しているものであります。また後期アクションプランの取り組みを具体的に推進するための分野別計画として、地域の自立に向けた三つの戦略を立てております。第一に透明性と県民参加、第二に市町や民間との連携、第三に未来を見据えた戦略的な行政運営の三つであります。この三つの戦略をそれぞれの戦略ごとに計画期間中に達成を目指す数値目標を設定しておりまして、三つの目標が前倒しで達成されるなどおおむね順調に進捗しているところであります。
 平成二十九年度は後期アクションプラン及び大綱の最終年度であります。日本の理想郷ふじのくにづくりの総仕上げを推進いたしまして有終の美を飾るということが目標でございます。その取り組みをさらに進化させまして、日本の理想郷ふじのくに、これをアメリカンドリーム、チャイナドリームと相並ぶ新しい言葉でありますけれどもジャパニーズドリームに向けて施策を展開していくこととしております。アメリカンドリームは陰りを見せております。チャイナドリームは富国強兵策でありますから日本にとってはこれは時代おくれのものであります。ジャパニーズドリームというのはカラオケとか和食とか健康とか清潔さというようなことでクールジャパンとして個別に言われているものでありますけれども、これをいわば総合化したコンセプトとして提出いたしまして、アメリカンドリーム、チャイナドリームと伍するものとしてこれを静岡県から発信してまいりたいと考えております。
 これらを実現するために、行財政運営におきましても限られた財源と人員を最大限活用するとともに、県民や民間と協働、連携いたしまして地域を支える基盤づくりを推進することが重要であります。来年度は新たな総合計画の策定とともに新しい行財政改革大綱の策定を視野に入れております。総括の仕方が新しい出発の仕方を決めるという認識のもとで現大綱の成果や取り組み状況をしっかりと評価し、次期大綱期間中に実施すべき行財政改革の戦略や進捗状況を把握する指標などについてバックキャスティングの発想を踏まえて検討を行い、行財政改革を着実に推進してまいります。以上でございます。
○副議長(藪田宏行君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) 行財政改革についてのうち、行政経営システムの見直しについてお答えいたします。
 本県の行政経営システムは、総合計画で政策分野全体の目的や目標を明確化し、その達成のための作戦を県組織の各課ごとに落とし込んだ施策展開表を毎年度作成しまして実行する仕組みとなっております。成果につきましては総合計画、施策展開表それぞれの視点でPDCAサイクルを回して評価、改善につなげ、政策や施策の効果的・効率的な実現を図っております。
 総合計画の下位計画に当たる分野別計画につきましては、総合計画のいずれかの柱の実行計画として位置づけられ政策推進に役割を果たしております。一方で総合計画との関係の整理が必ずしも十分ではなく内容の重複や分野による偏りが見られるなど、より整合性のとれた体系の構築や事務の効率化に向けて見直す余地があると考えております。
 このため、分野別計画につきましては、例えば総合計画に集約した上でアクションプラン化を図るなど効果的・効率的な仕組みの構築に向け行財政改革推進委員会などの御意見も伺いながら見直しを検討してまいります。あわせて総合計画の評価及び施策展開表につきましてもさらなる効率化に努めてまいります。こうしたシステムの改善を含めまして内部管理業務など全ての業務を徹底して見直し、全庁的な生産性の向上につながるよう取り組んでまいります。
 次に、定員管理であります。
 県では、効率的な行政運営の実現を目指して行財政改革に取り組み、業務の委託化や組織のあり方を見直すことで平成九年度から二十八年度までの二十年間に一千四百七十二名の職員を削減し組織のスリム化を図ってまいりました。しかしながらここ数年職員の時間外勤務が右肩上がりで増加し、職員数の削減が必ずしも行政コストの縮減につながっていない状況にあります。このため今年度は、「生産性の向上に向けた取組〜やめて・へらして・かえて・つくる〜」により全庁を挙げまして全ての業務について廃止を含めた見直しを行っており、上半期の時間外勤務につきましては前年度に比べ減少したところであります。
 一方、人口減少社会への対応や二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックといった世界クラスのイベントなど喫緊の重要課題に適切に対応していくためには、限られた財源と人員を一層効果的に活用していくことが重要であります。このため平成二十九年度当初予算の編成に当たりましては事業の廃止、削減に加え、より効果的な事業手法への見直しに取り組むこととしております。
 静岡県行財政改革大綱の目標指標につきましても、行財政改革推進委員会からの御意見も踏まえて生産性の向上の観点からトータルの労働時間に着目し、これまでの職員削減を改め総労働時間の抑制を新たな指標とすることを予定しております。
 今後も、これまでの行財政改革の取り組みと成果を生かした業務の見直しを進め、職員のワーク・ライフ・バランス等にも配慮した柔軟な人員配置や職場環境づくりに取り組み、効率的かつ能率的な行財政運営を実現する定員管理に努めてまいります。
 次に、市町との連携による公共施設の資産経営についてであります。
 本県では、平成二十六年四月に行政経営研究会の部会の一つとしてファシリティマネジメント研究会を立ち上げ、全市町参加のもと公共施設の資産経営――ファシリティマネジメントについて連携を図っているところであります。また国から各自治体に対する公共施設等総合管理計画策定の要請につきましても本研究会での取り組みを通じて市町へ支援をしております。
 公共施設の資産経営につきましては、まずはそれぞれの自治体がみずからの施設について取り組みを始めることが基本であります。その上で、将来的には県全体の施設の効率的な活用の観点から類似施設の最適化を図るなど広域的な連携が重要になってくると考えております。ファシリティマネジメント研究会では将来の連携を視野に入れ、施設情報について共通のフォーマットを定めて整理し、誰もがアクセスできるオープンデータ化により情報共有を進め、地図上で確認できるGIS活用による情報の可視化にも着手いたしました。また長泉町におきます施設の長寿命化の取り組みや牧之原市における住民参加型の計画づくり等市町の先進的な取り組み事例を事例集としてまとめ、情報の共有化に取り組んだところです。施設情報や資産経営に関する取り組みの共有化は将来的に自治体の枠組みを超えた公共施設の最適な配置の検討など総量適正化の議論を進める素地になるものと考えております。
 県といたしましては、引き続きファシリティマネジメント研究会での取り組みを通じて、県及び県内市町の公共施設の資産経営を推進してまいります。
 次に、財政認識の共有化と県民参加についてであります。
 本県では、透明性と県民参加による行政運営を行財政改革大綱の戦略の一つとして、県民の皆様が県政に参画しやすい環境づくりを進めております。具体的には県が持つさまざまな行政情報を広く公開するとともに、県民だよりや出前講座等によりわかりやすくお知らせすることに加え、事業等の改善に向けた御意見をいただく事業レビューを毎年度二百人以上の県民の皆様の参加をいただいて実施しております。財政状況に関しましては予算や決算について県民だよりやメディアの報道を通じてお伝えしているほか、県財政のあらましなどわかりやすくまとめ、ホームページ等で公開しております。
 国や県の財政が一段と厳しさを増す中、財政状況について県民の皆様に一層の御理解をいただくことは極めて重要であると認識しております。このため、これまでにも増して積極的かつ戦略的な情報提供を行います。また議員から御紹介がありました自治体の財政運営を体験する対話型財政シミュレーションゲームSIM二〇三〇の事例も参考として、出前講座の活用など具体的な方策を検討し実行してまいります。
 今後も、県民の皆様におかれましても自分のこととして県政を考え、持続的な財政運営を図るための県財政のあり方について県とともに共通認識を持ってふじのくにづくりを進められますよう、県民参加の推進に努めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 森政策企画部長。
       (政策企画部長 森 貴志君登壇)
○政策企画部長(森 貴志君) 行財政改革についてのうち、統一的な基準による地方公会計の活用についてお答えいたします。
 県及び県内の全市町は、総務省からの要請を踏まえ平成二十九年度から統一的な基準による地方公会計を導入すべく準備を進めております。この導入により財務状況の団体間の比較が可能となることに加え、資産等の情報が見える化され公共施設のマネジメントが推進されるなどさまざまな活用効果が期待されるところであります。とりわけ地方公共団体においては新たに導入する地方公会計を予算編成等に有効活用し、行政サービスの効率化や公共施設の最適化など限られた財源を賢く使う取り組みを促進することが極めて重要であります。そうしたことから、この機を捉えて県内市町とともに積極的な活用を推進していく必要があると考えております。
 このため県では、まず財務諸表についての知識や新制度の理解を深めるため、市町職員の研修会を開催いたします。さらに市町における財政マネジメントを強化するため、来年度全市町に参画を呼びかけ新たに行政経営研究会の課題検討会を設置し、市町と連携して効果的な分析手法やコスト削減に寄与する取り組み等について調査研究を進めるなど、新制度の積極的な活用を推進してまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 意見、要望を二つ、再質問を二つさせていただきます。
 まず、一つ目の意見、要望ですが、知事から今後の行革の推進に関しては力強いお話をいただきました。行財政改革というのは、私もけちをするだけではないというふうに思っております。知事が先ほどおっしゃられたジャパニーズドリームを具現化をする、そのためのふじのくにづくりのためには新しい政策経費が要るんですよね。その政策経費を捻出するのが私は行財政改革だと思っています。
 したがって、今私はぜひ皆さんに、スクラップ・アンド・ビルドという言葉を使われていますが、逆でビルド・アンド・スクラップだと思うんですね。やらなきゃいけない仕事があるので、だから削らなきゃいけない仕事が出てくるんです。そういう感覚で仕事の見直しをしていただきたいと、これまず一つ要望しておきたいと思います。
 もう一つの要望は、資産経営についてであります。
 きょうは公共施設に関して質問させてもらいましたが、実は事前の調整ではインフラも含めて調整をしていたんですが、これ非常に答弁が難しいというお話がありましたので今回やらなかったんですけれども、やはりこれからはですね、交通基盤部が所管をしておりますインフラ資産、これは極めて重要な、私は資産経営になると思っておりまして、今後公共施設等運営総合管理計画でも今後三十年で一兆五千億円ほど必要になるというふうに言われておりますので、これは長寿命化をやっていますけれどもやってもそんなに大きな効果は出ないというふうにもちょっと思ってるんですね。したがってこの見積もりを誤るともうファシリティマネジメントを一生懸命やってもその効果は吹っ飛んでしまいますので、ぜひ巨額のインフラを持つ交通基盤部の皆さんも、例えば港湾とか流域水道とか企業会計にもなじむような会計も持っておりますので、そういったところも含めてぜひ企業会計の導入とかそういったこともしっかりと考えていただきたいなというのを要望しておきたいと思います。
 再質問ですけれども、まず一点目は行政経営システムのところです。
 答弁いただきましたが、総合計画と分野別計画については一部見直しをするというふうに受けとめましたが、例えば総合計画と施策展開表などのところについては今後さらなる見直しをするように受けとめましたが、私これはやっぱり考えてやらなきゃいけないと思うんですね。というのが経営管理部を中心に執行部の皆さんが各事業部門に対して二〇%のシーリングをお願いしているわけじゃないですか。私はやはり経営管理部や政策企画部など管理をされているところの皆さんも二〇%業務を削減するんだという意識を持って、今言ったような内部管理業務をこの際今年度中に見直すべきだと私は思うんですね。とりわけステークホルダーが、今言った評価というのは庁内でありますから事業部門よりもむしろ合意は得やすい可能性があると思っていますので、今期中に私は取り組むべきだと思いますけれども、もう一度今期中にどういう取り組みをするか伺いたいと思います。
 それから定員管理です。
 バックキャストという話をしましたけれども、やっぱり将来を思えば、私は定員というのは今のままでよいとは思っていません。もちろんこれまで努力をされて削減してきたのは承知をしています。でも定員管理の旗をおろすのは、私はこれは行革の後退につながりかねないというふうに危惧をしております。やはりやり方が難しくて減らなかったのは事実です。でも新しいやり方でこれから先を見据えてやるという感覚が必要だと思うんですけれども、いま一度御所見を伺いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(藪田宏行君) 伊藤経営管理部長。
○経営管理部長(伊藤篤志君) 行財政改革についての再質問にお答えします。
 まず、行政経営システムでございますけれども、まず施策展開表につきましては平たく言いますと各年度の作戦書という位置づけをしています。各課の課長が今年度どういう人工を割いてどの仕事をどれだけの目標でやろうかということを定めていくと。それを毎年度PDCAを回しながら、繰り返しながら更新していくという形をとっております。ただ、今の施策展開表の内容を見ますと作戦部分はありますけれども、当然やっておりますけれども、評価の部分は毎年度行っております、今回も十二月県議会の各常任委員会で御審査いただく総合計画の評価書とかなり重複するところがございます。そういった部分は見直しがちょっとあると考えています。これから決算審査の中で施策展開表、今議会におきましては総合計画の評価という形で県議会でもいろんな形で御議論いただいておりますけれども、これを今後どうするかということは県議会にもお諮りしながらしっかりと見直しを進めてまいりたいと思います。
 それから、見直しを今期中にどこをどう進めるのかということでございますけれども、特に私の立場で言うと次の質問にも再質問等も伺っておりますけれども職員の時間外が非常にふえていると。平成二十四年度と比較しまして二十五年、二十六年、二十七年の三年間の上半期の通常分合わせて約七万時間、職員の時間外がふえております。この七万時間という時間外は職員の数に換算しますと約四十人工ということになります。一方でこの間進めてきた定員管理の中で行った職員の削減は四十一名ということになります。四十一名削減したから四十名分の時間外勤務がふえたという関連性は、そのままではございませんですけれども全く関係がないとは言い切れないような状況であるかなと思います。
 そういう中で、私としましては職員の健康管理であるとか良好な勤務条件を守る立場でもございますので、業務の見直しに関しましては各部長、各局長等へも通じましてしっかりとした形で達成していただきたいということで精力的に続けています。それからあわせてこうした取り組みにつきましては特に管理者の評価の中の評価項目にも加えまして、これまで成績評価等を行っております中で実績評価としてそういったものも評価項目の一つに加えていきたいと思っています。
 そして、定員管理につきまして、職員の削減の旗をおろすべきではないんじゃないかというお話でございましたけれども、先ほども申し上げましたとおり定員管理を進める中で実質的には職員数は減りましたけれども、時間外という形でコストがそれと同等以上にふえているという状況でございます。したがって業務を見直し、そして事業を見直す中でまずは職員の過重労働を解消する中でそういったもののめどがつきましたら改めまして定員管理につきましても削減目標等につきましてどういう形でつくるべきかと、あり方を検討してまいりたいと思っています。以上でございます。
○副議長(藪田宏行君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 意見、要望にとどめておきますけれども、やはり定員管理につきましては旗をおろすというのは行革の後退を私は許したくないものですから、それはやっぱりしっかりやっていただきたいとは思います。
 先ほど来話をしていますとおり、これまでは行革のやり方がちょっと間違っていたんだと私は思うんですよ。仕事を減らしてなくて人だけ減らしてきたということになっていますから。これからはそういうやり方を変えるとおっしゃってくださってますので、これは一回おろした旗をまた立てるというのは大変なことなんですけれども、将来のことを考えれば下げるべきではないということを私はちょっと強く申しておきたいと思っております。
 それから、マネジメントシステムのほうなんですけれども、これも施策展開表もあれはほぼ――今回目標管理にも使っているというふうに聞きましたけれども――内部管理的になっていると思うんですね、かなり。しかも工数のところも実態を把握しているか、反映しているかどうかというのがいささか不明確なところがあるという話も聞いておりますので、もう一度精査をされるほうがいいのかなという気がしております。この辺はまた今後に向けて、要は内部管理業務が短く短縮できるように努力をしていただきたいなということをお願いしておきたいと思います。
 それでは、次の質問に移りますけれども、富士山静岡空港のコンセッション導入についてお伺いしたいと思います。
 空港の経営健全化というのは県民の大きな願いでありまして、先導的空港経営検討会議からスタートした本県の空港経営改革の大きな転機が、平成三十一年度導入を目指している民間への運営権譲渡、コンセッション方式の導入だと思います。
 本県において事業スキームの検討が進んでおりまして、マーケットサウンディングも実施をしております。今後来年度の公表に向けて実施方針を検討していると思いますけれども、この策定に向けた県の考え方を伺いたいと思います。
 一般論ですけれども、参入を検討する事業者側に立ってみますと行政が一体事業者に何を期待しているのかが大きな判断材料になるとされています。これまでの他空港の事例を見ますとことし四月に一括導入をした関空と伊丹では、これは運営権対価を重視していたんですね。七月に導入した仙台では空港の活性化というものにウエートが置かれていました。今後導入を予定しております高松空港では岡山空港との競争を背景として四国のゲートウエーとして地域活性化を目指すとしておりましたし、福岡空港は市街地アクセスのよさを売り物にして立地を生かしたアジアからのインバウンド拠点を目指すと、こんなふうにしておりました。いずれもコンセッションの導入目的が明確になっていると感じます。
 一方で、現在の富士山静岡空港におけるスキーム案の段階では、まず本県の経済発展、次に県民の利便性と満足度向上、そして三つ目に県民負担の軽減というふうに書いてあるんですけれども、まだ抽象的かなと思っています。参入側からすると何に重点を置いて提案をすればいいのかわからないと思いますし、今のままではうまみが感じられないのかなと思います。まずこれを具体的にわかりやすく示す必要があると考えます。
 二点目に、運営権対価の設定です。運営権対価の設定は一般的には事業ごとのフリーキャッシュフローをもとに試算をするとされております。そこで問題になるのが、恐らく他空港との大きな違いである旅客数だと思います。仙台は約三百万人、高松は約百八十万人、福岡は二千万人を超えておりますので比較になりませんけれども、富士山静岡空港は平成二十七年度約七十万人で、今年度は残念ながらさらに減少と見込まれています。
 昨年度決算における空港収支を合算した、民間で言うところのいわゆる連結フリーキャッシュフロー、これはEBITDAなどから試算をすると五千六百万程度というふうになりますけれども、平成二十六年度は赤字です。今後運営権対価設定をどうイメージしているのか非常に気になるところでありますので、今後の実施方針の策定に向けてどう考えているのか所見を伺いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(藪田宏行君) 林静岡県理事。
○静岡県理事(林 正尚君) 富士山静岡空港のコンセッション導入についてお答えいたします。
 県では、開港以来の利用者が四百万人を超えた富士山静岡空港のさらなる発展を目指し、民間による一体的かつ機動的な空港経営を実現するべく公共施設等運営権制度の導入に向けた検討を進めております。
 運営権制度導入により民間の経営力や創意工夫を十分に生かすことで訪日外国人等の交流人口の増加を着実に取り込み、本県経済のさらなる発展につなげたいと考えております。さらに航空機の安全運航、利用者の安全確保を前提として民間による自立的な空港経営を促すことで、収入の増加と一層のコスト縮減による県民負担の軽減が図られるものと考えております。
 導入に当たりましては、公募において運営権者を選定する際に評価するポイントを具体的かつ明確に提示し、民間事業者の事業提案の参考としていただくことで公募への参加を促してまいりたいと考えております。また民間事業者に利用者数や免税店の売り上げ等の増加による増収策と業務効率化によるコスト縮減策について御提案いただき、運営権対価について事業者間で競い合うことにより県民負担の軽減につなげてまいります。
 県といたしましては、運営権制度導入により空港の価値を最大限に高め、首都圏空港の一翼を担う日本の空の玄関口として、また県内経済の発展に大きく貢献できる社会資本として活力と魅力にあふれる空港の実現に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 意見、要望にします。
 もう多分、恐らくこのタイミングでは、まだ実施方針答えられないということなんですね、きっとね。ということがうかがえましたので意見、要望にしますけれども、やはり先ほど知事がジャパニーズドリームを体現をするという話をされました。これまさに運営権、今の期間が最低二十年、最長四十五年ということになっておりますので、相当先を見据えた魅力を引き出してもらうということが条件になりますので、先ほど私もう余計なことを申し上げませんでしたけれども、やっぱり静岡県の魅力をいかに事業主の方に理解をしてもらうというか非常に重要になりますので、林理事、もう営業のつもりで物を高く売れるようにちょっと県の魅力をいろんなところから引っ張り出していただきたいなと、これちょっと要望をさせていただきます。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、国民健康保険の制度改革について伺います。
 平成三十年度から財政運営に県が関与することになります。ことし四月からは国保運営方針連携会議を設置をし県と市町の協議を始め、十月からは市町ごとの納付金や標準保険料率の試算を行っていると伺いました。今十二月定例会には国保運営協議会の設置条例が提案をされておりまして、今後運営方針などの検討が本格化してまいります。
 私は、市議会議員当時から国保は広域でやったほうがよいと思っておりましたので県の関与には大いに賛同しますが、三つ注意すべき点があると思っています。
 まず一点目は、保険料の統一についてです。
 本来であれば県下で統一できればよいと思いますけれども、現状を見るとスタートと同時に統一をするというのはちょっと難しいのかなと思っています。将来的に保険料を統一するという方向性をぜひ示していただきたいと思うんですけれどもその点について聞きたいと思います。
 二点目は、事務の効率化についてです。
 広域化によるメリットの一つがさまざまな手法による事務の集中化、共同化です。例えば審査や給付事務においては従来から連携している国保連を活用するなど、スケールメリットを生かして市町の事務負担を軽減すべきと思います。
 三つ目は、市町のインセンティブが働く仕組みの導入です。
 市町が給付抑制策の導入や健康づくりの取り組み、重症化予防の取り組みを進めるなど医療費負担の軽減に取り組んだ場合に努力分が反映される仕組みをつくって、そのインセンティブを活用してさらなる健康増進につなげる必要があると思いますけれども、県としてどう取り組んでいくのか御所見をお伺いしたいと思います。以上、答弁を願います。
○副議長(藪田宏行君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 国民健康保険の制度改革についてお答えいたします。
 今回の制度改革では、保険料については県が市町ごとの標準的な保険料率を示し市町がそれぞれの保険料を決定することになっておりますが、国のガイドラインでは将来的には保険料を統一することを求めております。現状では各市町における一人当たりにかかる医療費や財政状況などが異なることから保険料には大きな差があります。保険料の決定につきましては国の助言や他県の状況なども参考にしてあるべき制度を見据え、市町とも十分に協議し保険料の統一も含めて検討してまいります。
 事務の効率化につきましては、県と市町が共同で国民健康保険制度を運営することは経費の削減や事務処理の迅速化などの利点につながっていきます。県では加入者の資格確認や高額療養費の支給など市町が行う事務の統一化や共同処理を国保連合会の活用も含めて進めるなど、効率的な運営体制を確保することとしております。
 医療費の適正化などの取り組みを行う市町にインセンティブが働く仕組みを導入することにつきましては、国におきまして後発医薬品の使用促進や健康づくり事業の実施などの県や市町の取り組みに対する助成制度を創設し推奨することとしております。県では市町と連携し特定健診の受診勧奨や生活習慣病の重症化予防など健康づくり事業をより一層進め、増加する医療費を抑制していくことに積極的に取り組むこととしております。
 県といたしましては、保険料の算定方法や事務の共同化などについて市町と十分協議を行い、本議会に設置をお諮りしております県国保運営協議会の議論も踏まえ安定した財政運営や効率的な事業が実施できる運営体制を構築し、国民健康保険制度が将来にわたって持続可能で県民の皆様方にとって安心して医療を受けられる、よりよい制度となるように取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 再質問させてください。
 最後のところに部長がおっしゃられたところが、もともとは一番重要なところだというのは承知をしております。やはり持続可能な制度にするということだと思います。ただ統一のところで、ガイドラインでは統一のことが書いてあるんだけれどもこれから統一も含めて検討するというふうに、部長が今答弁をされました。ガイドラインでは例えば二次医療圏ですとか県全体ですとか、いろんなオプションがあるんですよね。私はできればもうこれで県が関与をするからには県が全体で統一すべきではないかという質問をしたんですけれども、いま一度、ちょっとそこのところを確認をさせていただければと思います。以上、答弁を願います。
○副議長(藪田宏行君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 先ほどの国民健康保険制度の改革についての再質問についてお答えいたします。
 国のガイドラインでは、議員御指摘のとおり将来的には保険料等を統一するということで言っております。そちらのほうのあるべき制度も踏まえて、どのような統一をするかということの御質問だと思います。
 県といたしましては、国からの公費と市町からの納付金から成る安定した財源運営を行いまして、県民の皆様方が安心して医療を受けることのできる持続可能な制度をあるべき制度としまして、県がどのように関与するかも市町とも十分協議をした上で取り組んでいきたいと考えております。以上でございます。
○副議長(藪田宏行君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 再々質問させてください。
 答えていないと思うんですが。統一をするのかどうかというのは、じゃあ運営協議会の中で運営方針をつくる際にそれを明らかにするのかどうかという点についてお答え願いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(藪田宏行君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 再々質問についてお答えいたします。
 この統一するかどうかにつきましては、現在市町との協議等も行っていますので、そちらの議論を十分踏まえた上で取り組んでいきたいと考えております。以上です。
○副議長(藪田宏行君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) お約束ですので、次の質問に移ります。
 最後に、次世代産業の育成支援について三点伺います。
 まず、航空宇宙産業支援についてであります。
 県西部では、輸送用機械器具製造業をいかに維持発展させるかが大変大きな課題でありまして、期待をされる次世代自動車や光電子産業、医療機器産業と並び航空宇宙産業への支援に取り組んでいただいております。
 六年前八社でスタートした共同受注組織SOLAEは現在十四社となり、一貫生産体制に近づきつつありますが、まだ愛知県や岐阜県のような産業集積地域に比べると力は弱いかなと感じております。県は今年度人材育成の助成や設備投資の補助金を導入していただきまして支援体制を充実しておりますけれども、他県との競争力を比較するとまだ厳しいかなと思っています。
 特に私は、十月に国際航空宇宙展というのを視察したんですけれども他県のブースを見てちょっと驚きました。ある県では本県の企業がなかなか取得をできていないような国際認証を既に数社の中小企業が取得をしていたり、県内で一貫生産ができないので他県との連携ももう取り組んでいるよなんていう話がございました。また行政や民間が共同工場という箱を設置をして、そこに事業者が入居をして一貫生産をするというケースももう既に出てきています。
 本県は、これまでの議会の答弁でも富士山静岡空港を生かした取り組みですとか、あるいはエンブラエル社との関係強化、MROビジネスの振興に取り組むなどいろいろ本県らしい特徴をお話をいただいておりますけれども、やはり本県の特徴をしっかり出して世界と戦える航空宇宙産業を支援していくためには、まだまだこれから人材育成を初め川上から川下まで含めた周辺の整備、広域連携やさらなる投資支援などやるべきことがあろうかと思っています。今後の県の取り組みについて御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、研究開発の強化について伺います。
 これからの次世代産業は、いかに付加価値を高めていくかが鍵かと思います。そうした中で本県では、ファルマバレー、フーズ・サイエンスヒルズ、フォトンバレーと、東・中・西三つのクラスター事業を進めておりますけれども、さらなる付加価値創出を目指して国の枠を超えて連携をしていくことが必要だと私は思っています。
 昨年、県議会欧州調査団に参加をさせていただきましたが、その際ドイツで進んでいるインダストリー四・〇の話を聞きにフラウンホーファー研究機構を訪問をいたしました。そのときに付加価値の創出にはやはり改めて研究開発が重要だということを感じました。
 その後、本年四月に東京で開催されたフラウンホーファー主催のシンポジウムにも参加し、フラウンホーファーが持っている技術を生かして医療機器で世界に打って出ている中小企業の事例も伺いました。こうしたチャンスを県内でも提供すべきではないかと私は思います。意欲ある県内の企業を支援するためにこうした海外の研究機関との連携を進めてはどうかと考えますが御所見をお伺いしたいと思います。
 最後に、新分野の用地開発について伺います。
 近年、人工知能を活用して生産をコントロールする植物工場ですとか製造、販売、観光を一体化した産業観光施設とか従来の産業分類ではくくれなかった新たな事業形態が出てきております。こうした事業展開を進めるための基盤整備をニーズに合わせて積極的に支援していくべきと思いますけれども、現在企業局が行っている用地開発事業の対象は工業用地や流通業務用地などに限定をされておりまして、多様化されているニーズに対応できていません。
 私はこれまで、企業局の地域振興整備事業についてはどちらかというと辛口の意見を申し上げてまいりました。でも県が、企業局が事業を続けるのであればこれまでやってきたやり方を踏襲するのではなくて、やはり先見性を持って民間がやれないことをやっていくということが必要だと思っています。
 次世代産業の振興のためにはマーケットインの発想で新しい市場ニーズに対応していくべきであり、そのための仕組みの早期の構築が必要と考えますが、企業局の所見をお伺いします。以上について答弁を求めます。
○副議長(藪田宏行君) 難波副知事。
○副知事(難波喬司君) 次世代産業の育成支援についてのうち、航空宇宙産業支援についてお答えをいたします。
 世界の航空宇宙産業は、現在生産額ベースで約四十三兆円の市場規模となっていまして、これからさらに大きな成長が期待される重要な産業分野であります。これまでもアジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区の対象区域として県内企業十社が指定を受けています。旅客機製造の一翼を担っているところです。また県は大手重工メーカーからの共同受注を目指すSOLAEに対して協同組合の結成やコーディネーターによる受注活動などを支援をしてまいりました。
 その結果、本日ですけれども協同組合設立に向けた総会が開催されて、法人化により共同受注ができる体制が整うことになるというふうに聞いております。加えて航空機分野の受注を獲得するためには御指摘のとおり国際認証ということが大事であります。県内部品メーカーが国際認証を取ることができるよう、県内メーカーが大手メーカーに技術者を派遣をして国際認証を取得できるようにすると、そういう取り組みを支援をしてまいります。また現在も支援しているところであります。
 一方で、国産旅客機としてYS11がありましたが、その生産終了から四十三年ということでありまして、我が国には航空機の製造、整備を担う高度技術を有する人材が不足しております。
 これらの状況を踏まえまして、県は航空機メーカーが求める人材の育成を進めることとしております。八月にはエンブラエル社に多くの技術者を輩出しているブラジル航空技術大学――ITAと静岡理工科大学、東海大学により人的交流に関する覚書が締結されました。今週ですがITAの副学長と教授の二名が本県に訪れておりまして、航空機産業の人材育成につなげるために大学間の連携を深めているところであります。さらにメンテナンス、リペア、オーバーホールのいわゆるMROビジネスにつきましても、旅客機に関するビジネスに加えまして静岡空港を利用するビジネスジェットなどの整備事業にも視野を広げて取り組んでまいりたいと考えております。また次世代の無人航空機の開発につきましてもこのような新しい取り組みを進めていくということで、これはJAXAの協力を得て進めておりますけれども、そういった新しい取り組みを進めるということも大事だと思っております。
 県といたしましては、引き続き大手メーカーと県内企業のビジネス機会の拡大に取り組んでいくとともに、人材育成につながる大学間の交流連携や静岡空港を利用したMROビジネスの振興などにより、本県航空宇宙産業のさらなる発展を図ってまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 篠原経済産業部長。
○経済産業部長(篠原清志君) 次世代産業の育成支援についてのうち、研究開発の強化についてお答えいたします。
 県は、これまで国の研究機関や大学、企業と連携してオープンイノベーションの考え方に基づき、産業クラスターの形成や次世代産業の育成、さらに先端農業推進プロジェクトなど地域企業の研究開発を支援する取り組みを進めてまいりました。
 オープンイノベーションの取り組みでは海外との連携も重要であります。具体的には現在台湾工業技術研究院と県内企業との医療機器や機能性食品の研究開発を支援しております。今後同研究院の研究シーズを県内に取り込むため、県の試験研究機関との交流も進めてまいります。
 また、今月五日からフラウンホーファー研究機構に職員を派遣し、ドイツにおける研究機関と企業の連携のあり方や同研究機構と県内企業との共同研究の可能性を探るべく現地調査を行っております。地域外交の取り組みが拡大する中で、海外からも県の試験研究機関や企業との連携の申し出が寄せられております。
 県といたしましては、引き続き国内外の研究機関や大学との強固なパートナーシップによるオープンイノベーションをさらに進め、成長分野に挑戦する地域企業への支援を強化してまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 望月企業局長。
○企業局長(望月 誠君) 次世代産業の育成支援についてのうち、新分野の用地開発についてお答えいたします。
 企業局では、現在十三年ぶりにレディーメード方式で整備をしております富士山麓フロンティアパーク小山の企業誘致に全力で取り組んでおりますが、製造業以外の立地についての御相談も複数寄せられております。また全県を挙げて取り組んでおります内陸のフロンティアを拓く取り組みにおきましても、工業用地のほか観光交流施設や六次産業化施設など多種多様な開発が計画、実施されております。
 このようなことから、企業局といたしましても社会経済環境が変化し地域間競争も激しさを増している中、市町や産業界の要請に幅広く応えるため、公営企業管理者が適時適切な判断をした上で迅速に用地開発ができますよう、規則を改正し対応してまいりたいと考えております。
 今後とも、将来の社会経済環境のあり方を想像し、今何をすべきかという思いをめぐらし、発展が期待されます新分野の事業が県内各地で展開できますよう、産業基盤の整備に努めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) ありがとうございます。
 時間もありませんので、もう要望だけにとどめておきますけれども、まず海外との連携、研究開発です。
 私、日本の産総研とか大学と違ってフラウンホーファーがいいのは、市場のニーズをすごく的確に把握をしているというところだと思ったんですね。そういう感覚でマーケットインでぜひ進めていただきたいと思います。
 それから企業局長、私いつもきついこと言いますけれどもやっぱり新しいニーズをしっかりと酌み取るというのは、まさに企業局だからこそできることだと思いますので、そこら辺のところをぜひしっかり進めてください。以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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