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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

飯田 末夫 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/02/2020

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 市町への権限移譲の推進について                 
2 個人県民税の徴収対策について                  
3 ICT教育環境の整備について
4 農福連携の推進について                     
5 水産資源の管理と地域活性化策について
6 豪雨災害に対する芳川の河川整備について


○副議長(中沢公彦君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、十三番 飯田末夫君。
       (十三番 飯田末夫君登壇 拍手)
○十三番(飯田末夫君) 皆さん、こんにちは。自民改革会議の飯田末夫でございます。
 長年にわたり、県政の輝かしい歴史を築いてきた本会議場と先輩議員の皆さん初めここに会する皆様に敬意を表し、自民改革会議の所属議員として当面する県政の諸課題につきまして通告に従い知事、副知事及び関係部局長並びに教育長、教育部長に分割質問方式で質問させていただきます。
 初めに、市町への権限移譲の推進について伺います。
 本県では、より身近な行政は、より身近な市町が担うことが望ましいとの考えに立ち平成十年度からの七次にわたる権限移譲推進計画に基づき、市町へ積極的に権限移譲を推進してきました。平成三十一年四月現在、本県の権限移譲事務における対象法律数は全国四十七都道府県の平均六十二本に対し本県は百二十五本と平均を大きく上回り全国一となっています。参考までに二位の新潟県は百十四本、三位の大阪府は百七本であり本県の百二十五本というのはかなり多くの権限が市町へ移譲されていることがわかります。
 本県市町は、より自立した行政運営を行っているとも言えますが人口減少社会を迎え行財政運営が厳しさを増し社会情勢はますます激変し混沌としていく中で、現場となる市町では権限移譲によりますます多種多様な業務に追われることにつながり人員不足がより顕著となってきました。このような状況への対応として、県議会では平成二十七年度に地方分権推進特別委員会を設置し県から市町への権限移譲について市町の意見を聞きながら権限移譲事務交付金等の財源措置、市町への人的支援についての検証、さらには市町からの希望による権限の返還についても提言を行ったところであります。
 また、本県は昨年八月県庁で市町への権限移譲に関する推進協議会を開き今後の権限移譲について市町の意向調査結果をまとめました。これによると、県内三十五市町のうち三十三市町が権限移譲を条件が整えば受け入れると答えましたが、受け入れると回答した市町からは職員が少なく対応が困難で、返上を含めて検討してほしいとの意見も出ています。
 一方で、二自治体は移譲の趣旨は理解できるが、これ以上の受け入れは困難、国のビジョンとも照らし合わせた検討が必要と答えています。また条件が整えば受け入れるとした自治体でも小さい市町では厳しい、専門知識を備えた人材の確保に難があるなど課題を挙げ、担当者からは行政改革で人員が減り移譲を受けたくても受けられないとの否定的な意見も上がったと聞いています。
 現在、本県では新たな権限移譲推進計画を策定中でありますが、これまでの権限移譲についての評価とともに現行計画を通じた課題を踏まえて今後どのように取り組んでいくのか県の対応を伺います。
 次に、個人県民税の徴収対策について伺います。
 先行き不透明かつ不安定な世界経済、我が国においては本格的な人口減少、超高齢社会を迎え昨今の厳しい財政状況の中、健全な財政を堅持し県政運営の自主性を保持する上で自主財源である県税を確実に確保していくことは重要な命題であると考えます。
 昨年行った平成三十年度決算審査の中で私の目にとまり気になったことの一つに県税の収入未済額がありました。約五十七億円と大変巨額でそのうち八五%を占めるのは個人県民税の約四十八億円が収入未済額とされていました。税金の未収納ということになります。これはどういうことでしょうか。
 私たち日本人はとても真面目で律儀な国民であり、例えば東日本大震災で被災された方たちが寒空の中整然と並び支援物資をじっと待つ姿やワールドカップサッカーの応援席で来たときよりも美しくを合い言葉に清掃して帰る姿などなどさまざまな善行から世界中から称賛されました。きちんと納税義務を果たしている大多数の県民は県税の厳正な徴収を望んでいるところでありここが大事な点でありますが税の公平性の観点やモラルハザードの問題につながることからも重要な問題と考えております。
 そこで、収入率に目を向けるとこれまで本県では個人県民税の滞納額がピークとなった平成二十二年度には収入率が八八・九%と四十七都道府県中最下位でありました。その後二十七年度は四十位、二十九年度は三十九位と改善されましたが三十年度では政令市への税源移譲の影響から三十九位と再び順位を落としています。収入率は九五・六%と向上していますが収入率、順位ともにまだまだ工夫して伸ばす余地を残していると考えるところです。
 そこで、県税収入と税の公平性確保のため一層の徴収強化が必要であると考えますが今後どのように市町と連携しながら取り組みを強化していくのか伺います。
 次に、ICT教育環境の整備について伺います。
 先般、小学六年と中学三年が行っている全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストにおいて三年後の令和五年度をめどに回答をこれまでの紙への筆記方式からパソコン入力に移行することが文部科学省より示されました。これは昨年十二月に閣議決定されたGIGAスクール構想に連動した動きであり、GIGAスクール構想では令和五年二〇二三年までに全ての小中高校、特別支援学校等における高速大容量通信ネットワーク環境や義務教育段階の児童生徒にパソコン一人一台の端末を整備することとされています。
 パソコン購入に当たり一人当たり四万五千円、学校内の通信環境の整備には二分の一がそれぞれ国から補助され整備後の保守管理は市町村が負担するという仕組みになっています。この一人一台端末整備には市町の負担は購入から保守管理までで一人十万円以上になるとの試算もあり、早速政令市市長会からは文科省へ保守費用も補助対象とするよう要望活動が行われたほか県内市長会でも問題ありとされたとの報道もあり課題も多い構想であると考えます。
 今後、国の方針や支援制度を踏まえて市町や県はICT機器整備を進めることとなりますが具体的な整備方針や整備対象、整備時期などについて関係者間でよく情報を共有し計画的に進めていく必要があります。またICT機器は授業のツールとして使用するだけでなく子供たちの情報活用能力を高めるため機器本来の使い方を教えることも重要となります。学校では主に教員が指導に当たると考えられますが機器の使い方も指導するとなると教員の負担も大きくなり対策も必要と考えるところです。
 そこで、今後のICT教育の充実を図るため県教育委員会としてどのように環境整備や人材育成に取り組んでいくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 吉林副知事。
       (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事(吉林章仁君) 飯田議員にお答えいたします。
 市町への権限移譲の推進についてであります。
 地域がそれぞれの特性に即した課題を解決し発展していくためには、基礎自治体である市町が自己決定権を拡充し住民に身近な行政を自立的かつ総合的に担っていくことが求められております。このため本県では県から市町への権限移譲を積極的に推進してまいりました。
 こうした取り組みの結果、旅券の交付や一定規模の農地転用、各種の申請窓口の設置など幅広い分野の行政サービスが市町の事務として定着し住民の利便性向上とともに市町ごとの課題に対する的確な対応が図られてまいりました。しかしながら議員御指摘のとおり最近では急速に進む人口減少への対応など市町の現場の負担がふえ続けております。こうした中、今回行った市町アンケートにも受け入れ環境充実の支援などを求める切実な声が寄せられております。
 このため、次期計画案におきましては市町の意向も踏まえ市町の政策実現のために必要な権限の移譲を進めることを基本理念として権限移譲事務交付金の充実や専門的知識を有する職員の派遣などによりまして財源、人材、権限の三位一体の権限移譲を推進してまいります。また市町の事務負担を軽減するため事務処理マニュアルの質を向上させますとともに移譲後の状況変化を見きわめまして、市町から事務の返還の希望があった場合には柔軟に対応していくなど県、市町を通じた行政サービス体制の最適化を進めてまいります。
 人口減少社会を迎えても現在の豊かな地域社会を維持し発展させていくためには、住民が生活する上で基本となる医療、介護、福祉、教育、産業振興などの行政サービスを多様化するニーズを踏まえながら速やかに提供していくことがますます重要となってまいります。権限移譲は市町が地域の行政サービスを自己決定できる仕組みを実現し住民の参画意識を高めるものでもあります。
 今後も、市町と十分な議論を行いながら県民幸福度の最大化を目指し県から市町への権限移譲を着実に推進してまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木経営管理部長。
       (経営管理部長 鈴木宙志君登壇)
○経営管理部長(鈴木宙志君) 個人県民税の徴収対策についてお答えいたします。
 個人県民税は、制度上市町が賦課徴収を行っておりますが県税収入未済額の八割以上を占めており県といたしましても徴収対策の強化は重要な課題となっております。
 このため、県と全市町で構成する個人住民税徴収対策本部会議におきまして市町ごとに収入率等の数値目標を設定するとともに財務事務所単位に設置した地区部会における地域課題に応じた対策の実施や県職員の市町への短期派遣による差し押さえの支援などを通じ市町と一体となって徴収対策を進めてまいりました。その結果平成三十年度実績では過去最低であった平成二十二年度と比較して収入率は六・七ポイント向上し収入未済額は百十億円縮減いたしましたが、収入率の全国順位は依然として低位にありさらなる取り組みが必要であると考えております。
 県といたしましては、現年分の滞納に対する早期着手や滞納繰越分の計画的な処理に加え今後は外国人納税者の帰国時における一括徴収の促進や市町をまたぐ重複滞納者に係る調査情報の共有化を進めるなど市町と緊密な連携を図りながら一層の徴収強化に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) ICT教育環境の整備についてお答えいたします。
 国が進めるGIGAスクール構想は、ICT教育環境の充実により児童生徒一人一人に個別最適化した学びを提供することを目的としており新学習指導要領でうたわれている主体的、対話的で深い学びの実践につながるものと考えております。
 県教育委員会では、国の整備構想にのっとり令和五年度までに県立学校の高速通信ネットワークやタブレットの整備に取り組んでいくこととしております。また県内全ての市町が小中学校における整備を計画的に進めており一年目の整備につきましては本年度の補正予算あるいは来年度の当初予算におきまして対応していくこととしております。
 しかしながら、議員御指摘のとおり国の助成を活用した事業であってもICT機器の保守管理費は各自治体の負担となっております。県教育委員会では去る二月二十八日ウエブ配信にて市町教育委員会の担当者を対象としたワークショップを開催しGIGAスクール構想や先進事例を紹介して整備を促進したところであります。今後国に対しては制度の充実を働きかけるとともに県内全体でICT環境の整備を進めるよう市町と連携して取り組んでまいります。
 また、ICT機器を効果的に活用するためには教員の資質、能力の向上が重要であります。県教育委員会では機器操作の内容を含んだきめ細かな研修会の開催や教員がいつでも学べるようe−ラーニング形式の研修を実施するほかデジタル教材の活用実践例を紹介し授業で利用できるよう支援してまいります。
 県教育委員会といたしましては、ソサエティー五・〇の時代を生きる子供たち一人一人がその能力を十分に発揮できるようICT教育環境の整備に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 飯田末夫君。
       (十三番 飯田末夫君登壇)
○十三番(飯田末夫君) それぞれに御答弁ありがとうございます。
 再質問を二点いたします。再質問の一点目は、徴収対策です。
 収入率を上げるためには、まず滞納させないことが肝要であるということはもちろんだと御認識いただいていると思いますけれども、収入率を上げるには数値目標の設定も大事であるのではないかということで思っているところです。
 御答弁にもありましたとおり、本県では既に総合計画の中にも数値を目標値として盛り込まれて取り組んでおられますけれども、そこでさらにですね、これまでの取り組みの状況についてですね伺わせていただきたいと思います。
 二点目は、ICT教育についてですけれども本県の調査によると授業にICTを活用して指導ができる教員の割合は六四・九%という数字が出ております。この件についてどうお考えになられて、そしてこれから本格的に始まる学校でのICT教育にどのように取り組んでいくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木経営管理部長。
○経営管理部長(鈴木宙志君) 個人県民税の徴収対策についての再質問にお答えいたします。
 新ビジョンに掲げております目標値は、令和三年度で個人県民税収入率九七・五%というものでございます。これに対して平成三十年度の収入率は九五・六%、目標達成まであと一・九ポイントとなっております。対策を進めてまいりましたこの八年間では年平均で〇・八%ほど収入率が向上してきておりますのでそういった意味では目標達成の射程圏内に入ってきたのかなというふうに感じているところであります。
 しかし、先ほども御指摘いただきましたけれども政令市への税源移譲によるマイナス影響といったものがございますので今後一層の努力も必要だというふうに思っております。
 目標達成におきましてはやはり滞納させないようにすること、これが非常に重要だというふうに思っております。市町と密接に連携しながら特別徴収事務所の拡大に向けた働きかけ、こういったものにも全力で取り組んでいきたいというふうに思っております。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木教育部長。
○教育部長(鈴木一吉君) ICT教育環境の整備についての再質問にお答えをいたします。
 議員から御紹介がありました授業にICTを活用して指導ができる教員の割合につきましては、全体としては少しずつながら高くなっているというふうに思いますがさらなる教員の指導力の向上が必要だというふうに考えております。
 今後、GIGAスクール構想によりまして児童生徒に一人一台端末というのが整備をされます。それによりまして教員がICT機器を活用することが必須となってくる状況になりますので教員みずから取り組むことになると思いますが教育委員会といたしましてもより質の高い授業を展開できる力を発揮して自信を持って授業、指導に当たれるように効果的な授業内容の情報を研修を通じて周知したりですね、データベース等で共有をして促進するなどの取り組みに努めてまいりたいと考えております。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 飯田末夫君。
       (十三番 飯田末夫君登壇)
○十三番(飯田末夫君) 再質問に対する御答弁ありがとうございます。
 それでは、要望を二点申し上げたいと思います。
 最近、私が誘われる会合にシニアクラブのサロンがありますけれども年齢はお察しのとおり御年配の方が非常に多くなっている。ところがこの会合の御案内は何とLINEで連絡がくるようになっています。世の中、午前の議員のお話にもありましたけれども世の中スマホを持つ人、使いこなす人が非常にふえたものだと実感しております。年配の方も実際に積極的に活用されているということで思っております。
 ということで、私は実は教員が六四・九%というのは余り心配はしておりません。これはスマホ同様ですね習うよりなれろということが非常に大きいということで思っております。ということで時間が解決していく問題だということで思っております。
 また、機器の操作の指導については教員ということで特に限定されずに民間や地域にいらっしゃるいわゆるICTに詳しい人への協力を仰ぐのも一考かなということで思っております。これは一つ提案させていただきます。
 次に、個人県民税についてです。
 県民税については、市町の協力が必要なのはもちろんということで承知しております。先ほど浜松へちょっと問い合わせてみました。すると浜松市では現年課税分の収入率というのが九九・三%ということでした。極めて滞納が少なくなっている状況です。これは早い時期に滞納整理を行い現年課税分の収入率を上げる努力をしてきたということで結果的にそれが税収増につながったということで、これ非常に大事なことだと思いますけれども結果的に税収増につながるということでこちらを御認識いただけたらなと。
 今、本県では個人県民税ということで言っていますけれども個人県民税が約一千二百億円強が納められています。ですからたかが一%ということで言っておりますけれども一%が十二億円に相当するということになりますので四ポイントほども上昇すればこれが約五十億円ほどの税収増になるということで極めて大きい問題ではないかなということで思っております。
 今回の令和二年度の当初予算案では消費税増税の影響から五十億円の税収増が見込まれるというお話もありましたけれどもその一方で法人二税の減収も見込まれ、また加えて今回のコロナウイルス感染症による経済打撃の影響から税収が減るということで予想されます。
 そこで、特に自主財源となる県税をきちんと確保することは県政運営上極めて重要であるということで思っておりますのでそれを申し添えさせていただきたいと思います。
 なお、この税について誤解のないように申しておけば払えない人からも取れということでは決して言っておりません。正直者がばかを見ないというと言い過ぎですけれども真面目に努力する人が報われる社会、努力する機会と能力に恵まれない人には皆で温かく支える社会を目指したいものです。これは自民党の新綱領からの引用をさせていただきました。
 次の質問に移ります。
 次に、農福連携の推進について伺います。
 昨年第五十八回農林水産祭りにおいて浜松市の農業法人京丸園が多角化経営部門の最高賞である天皇杯を受賞しました。大変喜ばしく名誉なことであります。姫シリーズと称した姫ネギ、姫ミツバ、ミニチンゲンなどのブランド化による全国販売実績やGAP導入による安全・安心の具現化ばかりでなく、この法人には今では約百人いる社員のうち障害のある方が四分の一を占めるまでになっており多様な人たちが活躍できるユニバーサル農業の導入及び普及啓発の努力が高く評価されたものだと思います。
 本県では、ユニバーサル農業の普及に当たり浜名湖花博を控えた平成十五年にNPO法人しずおかユニバーサル園芸ネットワークが農業と福祉の連携を図る組織として全国に先駆け立ち上げられました。以降本県では農業者による障害のある方の直接雇用、障害福祉サービス事業所による施設外就労、特例子会社による農作業委託などさまざまな形で農業と福祉のよい関係の模索、農福連携が進んできました。
 このように、県内各地域でモデルとなる事例も多く生まれていますが、一方では一般的にはまだまだ農業と福祉の連携という概念が浸透していないのも事実であり、多くの農業者や障害福祉サービス事業所ではいまだ十分に取り組みが進んでいないと言わざるを得ません。
 そこで、このような現状を踏まえ全ての人が輝くユニバーサル社会の実現に向けまずは農福連携の裾野を広げていくための施策が必要と考えますが今後どのように取り組みを推進していくか伺います。
 次に、水産資源の管理と地域活性化策について伺います。
 私たちの住む静岡県には急峻な海底地形を持つ駿河湾や相模湾、砂浜が広がる遠州灘及び独特な汽水湖である浜名湖があり、これらの特色を生かした水産業が発展し水揚げされる水産物や水産業の持つ多面性が観光産業をも発展させてきました。
 浜名湖では、平成二十八年に全国第二位のアサリや平成三十年に全国第一位のシラスウナギを初め味のよいノリやカキ、ドウマンガニ、ガザミなど特色ある水産物が水揚げされてきました。
 先日、ごらんになった方もいらっしゃると思いますけれども放送されたNHKの「ブラタモリ」でもウナギといえば浜名湖と紹介されたようにブランド化による地域の特産品として、また庶民にとって安くておいしいものと浜名湖周辺ばかりでなくたくさんの日本人に好まれてきました。また観光面としてアサリは潮干狩り、そして浜名湖独特のたきや漁も人気があり近年はカキ小屋もたくさんの人でにぎわい地域の活性化に寄与しています。
 ところが、昨今の水産業の置かれている現状は本県ばかりでなく日本全体に大変厳しい状況と言わざるを得ません。地球温暖化による厳しい自然環境の変化やとり過ぎなどによる水産資源の枯渇など多くの問題が指摘されています。
 資源枯渇については、近年特に浜名湖を代表するアサリやシラスウナギの漁獲量が軒並み減少する状況が続いており漁獲量過去最低などとの報道もあり風評被害など地域の活性化への悪影響も懸念されるところです。
 そこで、これらの水揚げ量の減少対策及び観光業など地域活性化策についての考えを伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 農福連携の推進についてお答えいたします。
 本県は、平成十六年度から農家と福祉事業者の連携を促すことによって障害のある方に加え女性、高齢者など誰もが参画できるユニバーサル農業の普及に取り組んでまいりました。こうした中、議員から御紹介のありましたように本県のユニバーサル農業を牽引してきた浜松市の京丸園株式会社が農福連携ですばらしい実績を上げて第五十八回農林水産祭におきましてはえある天皇杯を受賞したことはまことに御同慶の至り喜ばしい限りであります。
 一方、農業と福祉のお互いの分野に対する知識、情報は不足しております。また現場で指導できる人材も不足しております。こうしたことにより県内で障害のある方を受け入れる農業経営体は平成三十年度で六十一経営体とまだ少ない、これが現状であります。
 このため、多くの農業者や福祉関係者が農福連携に関心を持っていただけるように関連する情報を集約したホームページを開設いたします。また雇用の手順やモデル事例などを簡潔にまとめたガイドブックを作成、配布いたします。これらは農福連携の啓発を強化するためであります。またJAや県農林事務所で農業者からの相談にきめ細かく応じるとともに静岡市にございます障害者働く幸せ創出センターに農福連携のワンストップ窓口を設けまして三名のコーディネーターを配置し農業者からの求人と障害のある方からの求職のマッチングを図るなど就業機会の創出を加速いたします。
 さらに、障害のある方が安心して農作業に従事するためには農業分野と福祉分野の両方の知識を持った指導者いわゆる農業版ジョブコーチの支援が不可欠です。しかし県内にはこうした専門家がまだ多くありません。端的に言って少ないので県の農業職OBや福祉関係者等を対象に研修を開催いたしまして早期に農業版ジョブコーチを育成し障害者を雇用する農場へ派遣してまいります。
 私どもといたしましては、農福連携を積極的に推進し障害のある方の農業分野での活躍を通じて全ての人が輝くユニバーサル社会の実現に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(志村信明君) 水産資源の管理と地域活性化策についてお答えいたします。
 浜名湖の水産物につきましては、近年多くの魚種で漁獲の減少が続いております。特にアサリにつきましては昨年は八百七十二トンと昭和五十七年の統計開始以来最低の漁獲量となりました。これには、クロダイ等による食害や浜名湖の塩分濃度の変化などさまざまな要因が複雑に影響していると推察され即効性のある打開策を見出すことは困難でありますことから、県ではこうした状況に危機感を持ち対応可能なあらゆる対策を継続的に実施していくことが重要と考えております。
 このため、アサリの漁獲回復に向けましては食害動物から保護する活動や竹ぐいの設置により潮流を抑制する活動等へのこれまでの支援に加えまして、昨年十二月からは保護活動のさらなる拡大に向けまして漁業者の皆様との意見交換会を浜名湖周辺の各地域で実施しております。さらに漁場環境の変化を懸念する漁業者からの声も強いことから浜名湖内の生物の生育に必要な窒素やリンの状況についての詳細な調査も開始したところであり来年度も継続して調査の拡充と分析を行う予算を本議会でお諮りしているところでございます。
 また、同様に低迷が続いておりますシラスウナギにつきましては親ウナギの禁漁期間の設定や関係取締機関と連携した密漁取り締まりの徹底、さらに天然親ウナギの買い取り放流事業への支援等を実施しております。
 今漁期におきましては、漁獲量に大きな回復が見られておりますがシラスウナギ資源が世界的な海流等の要因にも大きく左右され得るということも踏まえまして今後も引き続きこれらの取り組みを推進してまいります。
 さらに、水産資源の減少は潮干狩り等地元の観光業にも大きな影を落としておりますことからこれらの資源対策に加えまして海を生かした浜名湖地域の振興を進めることも重要と考えております。具体的にはここ数年来開催実現に向けまして取り組んでまいりました浜名湖キューバヘミングウェイカップが本年七月に初開催される運びとなりました。このイベントは世界的に有名なキューバのカジキ釣り大会の名称の使用がキューバ国外で初めて認められたものでございまして、浜名湖の魅力を世界にアピールすることが期待できますことから県では開催支援の予算を本議会にお諮りしているところでございます。
 県といたしましては、これらの施策を通じて浜名湖地域の水産資源の適切な管理と地域活性化に着実に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 飯田末夫君。
       (十三番 飯田末夫君登壇)
○十三番(飯田末夫君) 御答弁ありがとうございました。
 前向きな取り組みにしていただけるということを伺いまして、引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、次の質問に参りますけれども豪雨災害に対する芳川の河川整備について伺います。
 近年、全国各地にこれまでにない大きな災害が頻発し余りの被害の大きさに日本中で驚きとともに次は自分のところかもしれないと不安に思い恐怖におびえています。
 皆さんの記憶も新しい昨年発生した台風十九号はカテゴリー五に分類されるスーパータイフーンへと勢力を強め巨大なまま本土に上陸することになりました。台風は記録的な大雨と強風をもたらし本県の伊豆半島を初め日本各地に甚大な被害をもたらしました。被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。
 このように、その多くが地球温暖化に伴う気候変動による豪雨災害でありますます頻発化、激甚化しています。さらにこれまで局地的であった豪雨も一層勢力を強め広域化しますます脅威を増しています。
 浜松市でも、時間雨量五十ミリ以上の非常に激しい雨は三十年前に比べ約二・六倍にふえたくさんの河川が存在している市街地においても近年の豪雨によりたびたび避難勧告が発せられ市内の安間川、馬込川、そして芳川など周辺住民の不安ははかり知れないものとなってきました。
 このような状況から、これまで大規模改修を行ってこなかった芳川について地域住民からはさらなる河川改修、特にたびたび浸水被害が発生している東芳川との合流点、通称、大橋付近での大規模な改修を望む声が日増しに大きくなっています。またここは河川内民地も存在し河川改修の遅れも懸念されているところです。
 一方、洪水時の堤防強化対策として整備された国道一号下流の堤防についてはアスファルト舗装化により堤防の除草やごみ拾いも行いやすく散歩やジョギングなど地域の憩いの場として利活用され地域の安全・安心に寄与し地域の皆さんから大変喜んでいただいております。まだ舗装されていない未整備区間についても今後の河川改修にあわせて継続的な整備が望まれています。
 そこで、今後において一層頻発化、激甚化すると予想される豪雨災害に対し安全はもちろん将来への安心を確保するため芳川の河川整備計画への位置づけと今後の河川整備の見通しについて伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 宮尾交通基盤部長。
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 豪雨災害に対する芳川の河川整備についてお答えをいたします。
 浜松市東部の市街地を流れる芳川では、たび重なる浸水被害に対応するため馬込川合流部から東芳川合流部までの区間におきまして緊急的に必要な箇所における河道掘削などを進め流下能力の向上を図ってまいりました。この事業効果もあり昨年の台風十九号では大規模な浸水被害はなかったものの水位の上昇などにより避難勧告が発令されるなどさらに整備を進め安全性の向上を図ることが必要であると考えております。
 このため、本年度策定を進めております河川整備計画では浸水被害が数多く発生しました平成二十七年と同規模の降雨に対しまして床上浸水の解消を図ることのできる整備手法などを具体的に位置づけ昨年十二月に流域委員会で承認をいただき、現在国に対し同意を申請しているところでございます。河川整備計画決定後は馬込川合流部から上流に向けて計画的な河道掘削を加速化することにより東芳川周辺で発生している浸水被害が軽減できるよう浜松市が実施する東芳川の改修などと連携して取り組んでまいります。
 また、堤防の強化策として効果が認められております堤防天端の舗装につきましては国道一号から下流の区間で国土強靱化のための三カ年緊急対策などにより来年度の整備完了を目指しております。
 県といたしましては、頻発化、激甚化が想定される豪雨災害に対しまして芳川の整備を着実に進め住民の皆様が安全で安心して暮らせる地域づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 飯田末夫君。
       (十三番 飯田末夫君登壇)
○十三番(飯田末夫君) 御答弁ありがとうございます。
 再質問させていただきたいと思います。
 豪雨は、先ほども申しましたけれどもますます頻発化、そして激甚化しているということでそしてさらに近年ではその被害が広域化しているということも問題になっています。このさらに広域化する対策には御答弁にも市との連携ということが出てまいりましたけれども、この市との連携が必要かつ急務ということで私も思っておるところです。
 そこで、この市との連携についてどのように取り組んでいくのか答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 宮尾交通基盤部長。
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 再質問に対するお答えをいたします。
 県が実施をしております芳川の整備、それから浜松市のほうで取り組んでおります東芳川の整備、これ両方とも目的は一緒でございます。浸水被害の軽減ということでございましてこれまでにも役割分担を決めて、それぞれが実施してまいりました。今後の整備に当たりましてはこれから投資する事業が事業効果がですね早期にしかも最大限発揮、発現できるようにぜひ行っていきたいと。そのためにはお互いの事業計画ですとか工事の実施時期なんかを情報共有していくことが必要であろうと。このため今県と市の担当者による連絡会というのをつくると、設置するということで浜松市と調整をとっております。この連絡会、設置できましたらこれを定期的に開催することによってしっかりとした情報共有を行いながら連携を強化していきたいなと考える次第でございます。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 飯田末夫君。
       (十三番 飯田末夫君登壇)
○十三番(飯田末夫君) 御答弁ありがとうございます。
 いろいろ、取り組んでいただけるということで地域の皆さんは非常に喜んでいただけるかなということで思っておりますのできちんと伝えたいと思います。
 特に、今回取り上げましたこの芳川の地域の皆さんにはふだんは芳川をきれいにする会を組織しまたリバーフレンドシップ制度、こちらのほうにもいち早く協定を結びまして周年にわたって草刈り初め芳川の美化に常々御尽力をいただいているところであります。
 その一方で、近年毎年必ず避難勧告が発せられその数は年々ふえてきていて平時とその危機のときの差が非常に大きいものを感じております。
 先日、この避難勧告がこの地域が危険地域だというレッテルとなるような風評被害が出てまいりました。昨年の台風十九号の際避難勧告が出たことによりまとまりつつあった不動産取引が不調になったということで相談に来られた方もいらっしゃいました。
 また、住民にはこんな認識もあります。それは河川は管理者がわかりにくいということで言われています。特に住民にとってここは市の管理、そしてここからは県、そしてさらにあそこは国ととてもわかりにくくなっているのも実態であります。地域の住民にとってはどこが管理しているのかではなくただ浸水被害等をした状況から目の前の状況を何とかしてほしい、大雨が降っても安心な川にしてほしいということを切に願っております。
 この地域住民の切なる願い、この思いを酌み取っていただき市との連携をより密にしていただき安全で安心な地域にしていただくことを要望いたしまして私の一切の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(中沢公彦君) これで飯田末夫君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

                               
○副議長(中沢公彦君) 報告します。書記に朗読させます。
       (書 記 朗 読)
                               
                                監査第16号−11
                               令和2年2月28日
 静岡県議会議長 鈴 木 利 幸 様
                       静岡県監査委員  青 木 清 高  
                       静岡県監査委員  城 塚   浩  
              例月出納検査について(報告)
 地方自治法第235条の2第1項の規定に基づき現金の出納を検査したので、同条第3項の規定に基
づき、その結果を次のとおり報告します。
1 検査対象及び検査実施年月日

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