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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成17年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

植田 徹 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/09/2005

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:



    ○副議長 (中澤通訓君)  ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、 知事提出議案第百七十二号から第二百四号まで及び議員提出議案第七号を一括して議題といたします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、 五十六番 植田 徹君。
            (五十六番 植田 徹君登壇 拍手)
    ○五十六番 (植田 徹君)  おはようございます。
     私は自由民主党所属議員として当面する県政の諸課題について、 知事及び関係部局長に質問いたします。
     質問に入ります前に今回、 広島県、 栃木県で下校途中の小学校一年の女子児童が相次いで被害に遭うまた殺人事件が発生いたしました。 犠牲となられたお子様に対し深く哀悼の意をあらわすとともに、 御家族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。
     また、 静岡県としましても知事部局、 教育委員会、 警察本部の強い連携のもと、 防止対策を講じるとともに、 市や町、 地域社会などとともに協力してこのような痛ましい事件が絶対に起こらない静岡県づくりを推し進めていただくよう切にお願いを申し上げます。
     それでは質問に入ります。
     初めに、 静岡空港と富士山観光の振興についてであります。
     富士山は青空高くそびえ立ち、 雄大で美しく秀麗な姿を持つ日本を象徴するまさしく日本一の山であります。 その名は遠く海外まで響き渡っております。 その富士山も一部の心ない登山者による環境の悪化が問題となっておりましたが、 富士山を愛する諸団体の皆さんの御尽力で最近は周辺の美化が大分進んでまいりました。 富士山の自然と豊かな水を守ることをライフワークにしている私としてもこうした方々の活動はうれしく、 また大変心強いものであります。
     ところで、 富士山はその美しく気高い姿やスケールの大きさとともに、 時折見せる噴火活動へのおそれなどから遠いいにしえの昔より私たち祖先が霊山として畏敬の念を持ち、 あがめ、 神々が宿る山として山岳信仰の対象とされてきました。 日本で最初の仏教説話集である日本霊異記は修験道の開祖である役行者が富士山を開いたと伝え、 平安時代から鎌倉時代初頭にかけて多くの修験道者が富士山を修行の場として盛んに活動したと言われております。 また富士山本宮浅間大社の由来を記した富士本宮浅間社記によれば、 第七代孝霊天皇の代に富士山が大噴火し近傍が荒廃したため、 第十一代垂仁天皇がこれを憂いて火山の神である浅間の大神を祭って山の霊を静めたとされ、 これが後に全国各地に広がる浅間大社の起源になったと言われております。
     さらに、 時代が下り江戸時代になると庶民の間にも富士山信仰が広まり、 富士山の山頂に参拝して、 富士山本宮、 白糸の滝、 箱根の道了さん、 そして大山不動を信仰と観光を兼ねてめぐる四国巡礼と同様の富士講が各地で盛んに行われるようになったそうであります。
     このように、 富士山は古くから私たち日本人の精神的なよりどころとなっておりました。 このため富士山周辺の地域には富士山にまつわる故事や伝説、 また祭事、 伝承といったものが数多く伝えられており、 私は雄大な自然とともに富士山のこうした文化的な側面についても何とか多くの皆さんに知っていただくことができないか。 できれば当地に赴きこれらに直接触れていただきたいものだとかねがね考えておりました。
     そうした中、 最近、 富士山の自然環境や文化景観を保全し人類共通の財産として後世に継承しようと、 世界文化遺産登録を目指す取り組みが新たに始まっております。 本年四月には中曽根康弘元首相を会長とするNPO法人 「富士山を世界遺産にする国民会議」 が発足し、 七月には本県と山梨両県によって文化庁に対し要望活動が行われました。 また九月には両県それぞれに遺産登録に向けたプロジェクトチームが設置されたところであります。
     特に本県では十月に知事を本部長とする県庁内の横断的組織が設置されたのに続き、 十一月には県と地元関係市町による協議会が組織され、 今月中には本県と山梨県による協議会も設置されるとのことであります。 私の地元の富士市を含め富士山周辺の地域にとって富士山は現在でも大変大きな観光資産でありますが、 世界文化遺産ということになればさらにその価値が増し、 全国そして海外から多くの観光客が訪れることが期待されます。 私はこの世界文化遺産登録に向けた動きが本県と山梨の両県ばかりでなく全国に広がって大きな国民運動となり、 少しでも早く遺産登録が実現することを切望しております。
     ところで、 世界文化遺産登録とともに富士山の観光資産としての価値を高める大きな可能性を持つものとして、 私は平成二十一年春に開港が予定されている静岡空港に大変注目しまた期待しているところであります。 静岡空港の開港は北海道や九州など本県から遠方にあるため、 これまで富士山に強いあこがれを持ちながらなかなか本県を訪れる機会に恵まれなかった皆さんに大きな道を開くものであります。 また遠く海外からも富士山や伊豆の温泉を目的に多くの方が観光に見えられることになります。 しかし、 その一方で足元を見ると、 富士山周辺や伊豆を含めた東部地域一帯の観光振興という視点から、 静岡空港の開港によるインパクトを十分生かす仕掛けや取り組みがまだまだ多くの点で研究できるように思われます。
     そこで私は、 こうした観点から静岡空港と本県の最大の観光資産である富士山を有機的に結び、 相乗効果を生むための喫緊の検討テーマとして以下の三点を取り上げ、 県のお考えを伺いたいと思います。
     まず第一点目は、 新幹線新駅の設置についてです。
     知事も県のホームページの知事談話室の中で述べておられましたが、 現在の観光においては自然や都市の景観あるいは文化を見る、 聞く、 かぐ、 味わう、 触れるというそれこそ五感を使って全身で感じ、 楽しむことができるかどうかが重要なポイントになってきております。
     私は富士山観光についても単に遠目から姿や周囲の自然を見て満足するのではなく、 富士山の雄大な懐に体ごと飛び込んで体全体で富士山を感じてもらいたいと思います。 そして、 元気な方にはぜひ山頂にも登っていただきたいと思います。 山頂までは無理な方はせめて山頂をうかがうことができる新五合目くらいまで足を踏み入れて、 富士山の大きさを実感していただきたいものであります。
     そのためには子供や高齢の方々、 また国内の遠方や海外から来られた方でも気軽にそして容易に富士山にアクセスできるルートを準備していく必要があります。 私は静岡空港におり立ってから空港ターミナル直下にある空港新駅から新幹線を使って新富士駅に至り、 さらにDMVを乗り継いで東海道線富士駅に出て、 身延線を経由して富士山に向かうというルートを考えております。 いかがでしょうか。 これなら飛行機をおりてから約一時間で富士山のふもとに着くことが可能であります。 そうした意味で、 私は静岡空港のターミナル直下に構想されている新幹線新駅を何としても実現したいと考えております。
     また、 空港新駅は富士山周辺の観光ルート開発という面だけでなく、 静岡空港から三島や熱海を経由する伊豆箱根観光ルートへのアクセスとしても生かすことができます。 さらに山梨県の身延方面から静岡空港の利用を促進するために新幹線の効果的な活用は不可欠であり、 空港に直接乗り入れる空港新駅の設置は大変重要な意味を持っております。
     以前知事は、 本会議における新幹線空港新駅に関する私の質問に対し、 空港新駅がなければ静岡空港が成り立たないわけではないが、 新駅ができれば静岡空港にとって鬼に金棒という例えで答弁をされました。 私は静岡空港を活用した魅力ある富士山の観光ルートを開発する上で新幹線新駅の設置は欠かせないものと考えており、 その意味で静岡空港という強い鬼にぜひとも新幹線新駅という頑強な金棒を持たせるべきだと考えますが知事の御所見を伺います。
     第二点として、 富士山周辺の観光を支えるインフラの整備として重要な役割を担う国道四百六十九号の整備の見込みについてお伺いします。
     富士山周辺や伊豆の観光の振興につきましては、 国内のリピーターや長期宿泊客の確保、 増大に加え静岡空港を拠点とした東南アジアからの誘客の拡大などを図るために、 新たな観光客の獲得を目指していくことが必要であります。 集客が期待できる観光地を形成するには、 宿泊施設やレジャー娯楽施設の充実に加えて例えば滞在型宿泊施設の誘致や整備、 温泉を利用した健康施設の併設または魅力あるイベントの開催等も重要でありますが、 訪れた方が不快な思いをすることなく移動できるよう道路等のインフラの整備に努めることが大切であります。
     静岡空港が平成二十一年春に開港し、 胸躍らせて空港におり立った国内や海外ツアー観光客の皆様に、 私がツアーコンダクターとなって風光明媚な富士山と伊豆の両方を満喫できる陸路のルートを一つ提案する場合、 まず、 個人客やグループの方には先ほど申し上げましたとおり空港新駅から新幹線で東に向かっていただくとして、 団体のお客様については観光バスで東名を利用し富士インターチェンジをおり、 国道百三十九号を北上し朝霧高原より雄大な稜線を眺め、 表富士周遊道路を利用して新五合目に至り、 駿河湾に浮かぶ伊豆半島を雲の下に見て国道四百六十九号を使って御殿場の大型商業施設で買い物をしていただき、 箱根を経て一大観光地伊豆に宿泊するお勧めのルートが完成します。
     これらルートは主要幹線道路であることから整備は進み、 ほとんどの区間でスムーズな交通の流れが確保されておりますが、 大型観光バスでの移動を想定した場合は特に国道四百六十九号の富士市勢子辻地区や富士宮市山宮地区では道幅が狭い区間があり心もとないのが現状であります。 国道四百六十九号は富士南ろく地域を横断し、 御殿場市まで続く地域観光の活性化にとって不可欠な路線であるとともに、 富士山の四季折々の表情を楽しめる観光振興においても富士山の観光を体感する重要な路線であります。 そこで国道四百六十九号の今後の整備の見込みについてお伺いいたします。
     第三点目は、 富士山ろくにおけるコンベンション誘致についてです。
     今お伺いをいたしました新幹線新駅が設置され、 また富士山周辺の道路が整備されますと空港から富士地域へのアクセスは格段に向上するため、 単に登山や観光という面だけでなく新たな集客、 交流の可能性が広がってくるものと考えます。
     富士地域への観光交流客数は、 平成十二年度の千五百万人台から平成十六年度には約二千三百万人へと急激に増加しておりますが、 その大きな要因は従来の観光施設ではなく、 若者を中心に人気の高い大型商業施設が富士山のすそ野という抜群のロケーションに立地したことによるものであります。 また富士山周辺の県民や行政関係者からは、 富士山ろくで浜名湖花博のようなすばらしいイベントが開催されれば、 広報に莫大な費用を必要とすることなく富士山という名前を使うことにより目標集客数を十分に確保できる自信があるという話を聞いたこともあります。
     これらは何を意味しているのでしょうか。 富士山ろくにおいてある程度内容のある催しを開催すれば富士山の抜群の知名度と魅力により、 集客も容易にできるし参加者にも満足していただくことができる上、 さらに今後の観光振興に貢献することが可能になります。 その点において、 私は富士山の美しい自然景観を活用したコンベンションの誘致開催が今後の有望な活動として着目しているところであります。
     残念ながら世界ジャンボリーの誘致には成功しませんでしたが、 二〇一〇年に朝霧高原での開催が決定しました日本ジャンボリーは、 約二万人の参加者一人一人がそれぞれ違った富士山のすばらしさを発見できるいい機会になるだろうと大いに期待をしております。
     富士山は世界文化遺産登録に向けて運動を進めているほどでもありますし、 エコツーリズムにもってこいの豊かな自然やグリーンツーリズムに取り組む施設や団体、 それから今後確実に増加する中国人観光客に好まれる先端産業施設、 韓国人が目のないゴルフ場など多様なニーズにこたえられる資源の枚挙には事欠くことがありません。 このような魅力の宝庫である富士山の雄大な空間と四季折々のすばらしいロケーションを背景にコンベンションを誘致すれば、 参加者はきっと生涯の静岡県ファンになってくれるのではないかと思います。
     私は今後静岡空港の開港に焦点を定め、 世界に通じる富士山の雄大なすそ野を利用して国内外からのコンベンションの誘致を積極的に進めていくことが重要であると考えますが知事の御所見を伺います。
     次に、 岳南地域の市町合併について伺います。
     昭和四十一年に吉原市、 富士市、 鷹岡町が合併して現在の富士市が誕生しました。 当時は合併に疑問を持つ人もおりましたが、 その後富士市は発展を続け、 平成十三年には特例市に移行し現在に至っております。 平成の大合併は旧合併特例法による第一ステージが終了し、 本県では七十四市町村が平成十八年三月には四十二市町となることとなりました。 しかし、 東部地区においては中部や西部地区のように合併は進まず、 特に私の住んでいる岳南地域では合併は全くありませんでした。
     現在、 富士市の人口は浜松市、 静岡市に次いで約二十四万人、 富士宮市の人口は県内七番目で約十二万人となっており、 これに芝川町と富士川町を加えれば四十万人近い人口を有する地域であります。
     これまで富士市は製紙業を中心とする県内有数の工業都市として発展し、 富士宮市は古くは富士山本宮浅間大社の門前町として栄え、 最近では食品や高付加価値製品関連の企業なども進出してきております。 合併の中心となる二市も富士市では元気ある産業振興策や安心で安全なまちづくりに力を注いでおりますし、 富士宮市でも工業団地を造成し工業振興や観光産業の発展に向かっております。 この岳南地域での産業界は地元企業の移転や増設も活発に行われております。 このような地域での潜在力を生かし地域が一体となって発展していくためには、 市町単位の思惑を超えて地域がさらに連携して将来像を描き実現していくことが重要であり、 そのためには合併という選択肢が最もふさわしいと考えます。
     県は合併新法に基づく合併推進構想を策定するため、 人口三万人未満の未合併市町を対象とした小規模市町村等行財政運営診断調査、 合併特例法の合併が完了した後の四十二市町を対象とした市町村地域的一体性状況調査、 伊豆市及び御前崎市を対象とした合併市町村行財政状況評価調査を実施するとともに、 市町村合併推進審議会を設置して合併推進構想の内容について審議を行っていると聞いております。
     一般的に合併についての住民の関心は自立が困難と予想される小規模市町に目が行きがちでありますが、 私は地域が一体となった発展やさらなる行政機能の充実、 さらには生活圏の一体化した地域の行政の効率化を目指す中規模の市町の合併も重要であると考えます。 県としては小規模市町の合併だけでなく富士市や富士宮市といった中規模の市の合併についても合併推進構想に盛り込み、 積極的に推進していくべきと考えますが知事の御所見をお伺いいたします。
     次に、 原油高に伴う中小企業への金融支援策について伺います。
     岳南地域を中心とした本県の製紙業は、 豊富な工業用水と首都圏や近畿、 中京圏という大消費地に近いことから、 大手から中小まで多数の製紙工場が立地、 集積し、 その出荷額は常に全国第一位を保ってまいりました。 このような中で近年の製紙業界は、 ITバブル崩壊やデフレ不況による広告費の減少などによる出荷額の低迷や中国メーカーの台頭などを踏まえ、 大手を中心に企業体力を強化するための業界再編が進んでおります。
     また、 ここに来て我が国の景気回復の流れを受け、 製紙業界も明るい兆しになっていくかと思われたやさき、 ことしの春先からの原油高に伴う影響が徐々に出始めてきております。 製紙業は重油をボイラーの熱源に使用するなど製造過程における燃料費の割合が高い産業であります。 これに薬品などの値上げも加わり仕入れコストが上昇しております。 一方で業界内での競争や取引先からの価格引き下げ要請などが厳しいため、 販売価格に転嫁することも簡単にはできない状況にあります。
     今回の原油の値上がりは中国経済の発展やアメリカのハリケーンによる製油施設の被害などによる石油精製能力の低下などが要因と言われております。 アメリカ国内でもガソリン価格の大幅な上昇により、 市民生活への影響が長引く中で石油会社の莫大な利益が生まれていることへの非難が起こってきておりますが、 依然として原油価格は高い水準で推移しております。 今後とも原油価格が下がる見通しが立たない状況の中、 県内の製紙業を初め特に運送業などは直接大きな影響を受けております。 石油製品の値上がりはハイブリッドカーなど生産が好調に推移している業種がある反面、 景気拡大による売り上げを伸ばしているにもかかわらず、 それ以上に原材料の仕入れコストがかかっていくため、 収益が以前より圧迫されている中小企業が多くなってきております。  
     県の制度融資では経済環境の変化によって影響を受けた中小企業への支援策として、 売り上げ減少に伴う経営安定のための経済変動対策貸し付けなどは設けておりますが、 今回のような原油高による収益悪化については対象となっておりません。 県の制度融資は、 基本的に市中の金融機関から融資を受けにくい中小企業に公的な信用保証をつけ、 事業の円滑な推進や健全な発展を支援していくものと認識しております。
     そこで緊急の対策として、 仕入れに占める石油製品の割合が高い中小企業や原油高に伴い収益が悪化した中小企業に対して、 特別な融資が必要であると私は考えます。 県としてどのような対策をとられるのかお伺いをいたしまして私の質問を終わります。 ありがとうございました。 (拍手)
    ○副議長 (中澤通訓君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  植田議員にお答えをいたします。
     初めに、 静岡空港と富士山観光の振興についてのうち、 新幹線新駅の設置についてであります。
     静岡空港に新幹線新駅が設置をされ、 交通手段である航空機と新幹線の乗り継ぎが可能になる。 加えて植田議員の御提案でもありますDMVを介した在来線の利用もこれに加わってくるとなれば、 国内遠隔地や海外から富士山を訪れる方にとってアクセスが飛躍的に向上して、 さらに首都圏や中京圏の空港と連携した富士山を周遊するルートの実現によって、 本県観光の振興に大きくつながってくるものと考えます。 この新幹線新駅の設置についてはJR東海と具体的な交渉ができる環境にいまだ至っておりませんが、 植田議員御指摘の富士山周遊ルートを実現するためにも、 今後県内各界各層の連携を深めながら引き続き粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。
     きのうも静岡商工会議所がこの静岡県の中部地区の静岡の新幹線駅を利用するであろうと思われる範囲内の商工会議所を中心とした関係者に呼びかけて、 新幹線の利便性向上についての講演会を開催しております。 講師は工学院大学の曽根悟教授でありまして、 タイトルが 「新幹線の利便性向上のために」 と、 こういうタイトルで開かれております。 ここでこの曽根教授の力説されておりますのは、 現在のJR東海は 「のぞみ」 が非常に乗車率が高いということから収益の柱になっていると。 そこで、 そのことに全力を注ぐような傾向があるけれども、 そのことによって得られた収益は、 実は旧国鉄を民営化するときにJR東海も債務を負担しているわけでありまして、 その債務の返済に充てているというそういう事情もある。 したがって、 そういう背景を考えると、 ただ地元で騒ぎを起こして圧力をかければ何とかなるだろうというのは逆効果にかえってなりかねないと、 そういうようなお説も述べておりますし、 一方現在の新幹線のダイヤを見ると 「のぞみ」 の停車の獲得もさることながら、 もう少し 「こだま」 に着目して 「こだま」 のダイヤの組み方を工夫することによって地域の利便性向上にずっと貢献するんじゃないかと、 そういうお話をわかりやすく具体的にされておったようであります。
     さらに、 それをより効果的に実現するためにも、 今、 熱海の駅のところが通過車線がない、 二車線しかないわけです。 上下一車線ずつですか、 ここがほかの駅にありますように通過車線がありますと、 さらにもっと利便性を向上するような格好でダイヤを組み得るということであります。 私が提案しております熱海地区にない通過車線をつくるべきであるという、 バイパス線の建設の提案を国へも要望しながらやっておりますけれども、 これについて賛成であるという御提言もあったようであります。
     いずれにしても先生の結論は鉄道の利便性の向上は高頻度化、 高速化、 直通化が非常に利便性向上につながるんで、 その三つをキーワードにこれからは取り組むべきであると、 そういうことを力説をされております。 お話を伺いますとなるほどと思われます。 先ほどのDMVを活用して富士山ろくまで行くというお話もこの直通化につながるわけでありますので、 今後この高頻度化、 高速化、 直通化、 これをキーワード、 重要な要素として、 この新幹線の利便性向上のために空港新駅の設置ばかりでなくて、 県内の各駅における新幹線利用の利便性の向上、 この問題に取り組んでいきたいと考えております。
     そういう中で新幹線新駅の設置は、 今後十五年とか二十年近いプロジェクトになるんじゃないかと、 課題、 テーマになるんじゃないかと思います。 そう簡単に設置がされるというものでもない。 この新幹線新駅設置については我々の試算でも四百億円近いお金がかかるわけでありますので、 これを全額県なり地元の自治体も含めて地元負担でしょい切れるかといえば必ずしもそう簡単にはいかない。 この新幹線新駅について最近の話題とすれば、 滋賀県の栗東にJR東海も新駅をつくるということを承知をしたわけでありますが、 これは前提として地元がつくると、 地元がつくるという前提で合意が成り立ったわけでありますけれども、 滋賀県においてはこの財源調達でデッドロックに乗り上げていまだ進展を見ておりません。
     本県も四十七都道府県の中で財政力指数は五位とはいうものの、 かつてのような税収がどんどんどんどん一直線に伸びていくという見通しもなかなか立ちにくい状態の中で空港新駅の設置をするとなれば、 国に対しても空港のアクセス施設の整備、 このための新たな助成制度なども働きかけて実現もしていかないといけないということもありますので、 今後国にも理解を求め、 その援助も引き出しながらこの実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
     ただ、 そういうような状況の中で、 曽根教授が圧力をかけてもだめだという話がありますけれども、 地元の熱意がなければこれは実現しませんので、 これは大いに関係方面の応援、 参加もいただきながら、 盛り上げていくということも大事だと思います。 今後とも植田議員を初め県議会の皆様方にも御支援を賜りたいと思います。
     次に、 原油高に伴う中小企業への金融支援策についてであります。
     ことし春先からの原油価格の高騰については、 県中小企業支援センターなどにおける相談指導を通じて県の制度融資の利用を勧めてまいりましたが、 八月ごろから原油価格が大幅に上昇しその後も高水準で推移しましたことから、 先般、 影響を受けていると思われる中小企業を対象にその状況を調査いたしました。
     この調査結果によりますと、 原油の依存割合が高い製造業や運輸業を中心に仕入れコストの上昇分を価格転嫁できない企業が約九割になっております。 さらに、 約八割の企業が今後も影響が大きくなると回答するなど個別企業はもとより県内産業全般に与える影響が心配されます。 このため、 今般の原油価格の高騰によって収益が減少した企業を、 制度融資のうち融資利率や担保等の借り入れ条件がより有利な経済変動対策貸し付けの融資対象に早急に追加をする方針であります。 中小企業者や金融機関等に周知をすることによって今月中にも多くの企業に利用していただけるように対応してまいります。
     今後とも原油価格の動向を注視し中小企業者への影響の把握に努めながら、 その状況に応じてどのような対応をしていいか、 いろいろこれからも工夫しながら適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長 (中澤通訓君)  古川土木部長。
            (土木部長 古川博一君登壇)
    ○土木部長 (古川博一君)  静岡空港と富士山観光の振興についてのうち、 国道四百六十九号の整備の見込みについてお答えいたします。
     国道四百六十九号につきましては、 富士市と裾野市の市境から富士宮市の国道百三十九号までの約十八キロメーターを優先整備区間としておりますが、 このうち特に幅員が狭く未改良区間である県道富士裾野線交差部から県道富士宮富士公園線交差部までの十二・三キロメーターの整備を鋭意進めており、 これまでに八・四キロメーターを供用したところであります。 残る未改良区間のうち富士市勢子辻地内の〇・九キロメーターは本年度末に供用する予定であり、 また富士市大淵地内及び富士宮市山宮地内の合わせて三キロメーターにつきましても本年度より一部工事に着手したところであります。
     県といたしましては地域間交流や観光等にも大きく寄与する富士山周辺の道路ネットワークを確立するため、 今後優先整備区間の早期完成を目指すとともに、 その他の道幅が狭い区間や渋滞の激しい区間につきましても事業化に向け検討してまいりたいと考えております。
    ○副議長 (中澤通訓君)  大村生活・文化部長。
            (生活・文化部長 大村義政君登壇)
    ○生活・文化部長 (大村義政君)  静岡空港と富士山観光の振興についてのうち、 富士山ろくにおけるコンベンション誘致についてお答えいたします。
     県では平成二十一年三月の静岡空港開港を見据え本年七月、 県庁内に静岡県コンベンション推進センターを設置し、 庁内各部局や県内のコンベンションビューローと連携しながら国内外からのコンベンション誘致や受け入れ態勢の整備に取り組んでおります。 コンベンションの誘致には交通の利便性や参加者の満足度を高める開催地ならではの食事や土産品などとともに、 アフターコンベンションとしての観光の魅力も重要な要素であります。
     富士山ろく地域には国際的な観光資源の富士山を中心に、 周辺には朝霧高原などの自然景観、 富士スピードウェイなどの観光施設に加え先端技術産業や大型商業施設、 ゴルフ場、 温泉などが立地しております。 また最近では食をテーマにしたまちづくりも展開されており、 コンベンション開催地としての魅力を十分備えているため、 これらの豊富な資源と結びつけて富士山ろく地域へのコンベンション誘致を積極的に進めてまいりたいと考えております。
    ○副議長 (中澤通訓君)  白岩総務部長。
            (総務部長 白岩 俊君登壇)
    ○総務部長 (白岩 俊君)  岳南地域の市町合併についてお答えします。
     岳南地域がその潜在的能力を地域の発展につなげていくための核となる拠点都市の形成は重要であると考えております。
     合併推進構想の対象でございますが、 御指摘の自立性の確保の観点からおおむね人口一万未満の小規模の市や町が入ってくるのは当然なんですが、 それ以外にも生活圏域の一体性を踏まえた行政区域の形成を図ることが望ましい市や町あるいは政令指定都市、 中核市等を目指す市や町が考えられるところでありまして、 この点につきましては合併新法に係る総務省の基本方針もそのような考え方に立っておると承知しております。
     本県の合併推進構想につきましては、 市町村合併推進審議会において、 このような考え方に立って本県における市や町の望ましい姿など合併推進構想を通ずる基本的な考え方に当たる部分について、 現在審議をいただいております。 今後、 個々具体の組み合わせや推進方策について審議が進められるわけで、 御指摘の岳南地域につきましては合併新法の期限である平成二十一年度までの実現可能性などを踏まえ、 生活圏の一体性等の観点から合併することが考えられる市や町の組み合わせについて審議していただく予定であります。
     県といたしましてはこの審議の結果を答申としておまとめいただき、 その答申を受け本年度末までに合併推進構想を策定してまいりたいと考えております。
    ○副議長 (中澤通訓君)  これで植田徹君の質問は終わりました。

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