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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

河原崎 聖 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/11/2017

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 大井川流域の基盤整備について                  
 (1) 国道四百七十三号の整備                  
 (2) サイクリストのための走行環境の改善           
 (3) 大井川中流域の河川整備                  
2 スポーツを活用した交流人口の拡大について          
3 保育士の確保対策について                  
4 中山間地域における高校の支援について  


○議長(杉山盛雄君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百二十六号から第百五十三号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、九番 河原崎 聖君。
       (九番 河原崎 聖君登壇 拍手)
○九番(河原崎 聖君) おはようございます。よろしくお願いいたします。
 私は自民改革会議所属議員として、通告に基づき知事、副知事、関係部局長並びに教育長に対し一括質問方式にて順次質問させていただきます。
 一点目は、大井川流域の基盤整備についてであります。
 今さら言うまでもありませんが、我が静岡県は東海道という東西交通の要衝として発展してまいりました。しかし最近ではリニア中央新幹線に象徴されるように人や物の流れが我が県を素通りしていく時代となり、かえって東京に近いことで若者が出ていったまま帰ってこないといった事態にもなっております。ただ便利な場所にあるから発展できるという時代ではなく、むしろ不便なところに位置する地域がさまざまな困難を克服しすばらしい成果を上げる事例が多数見られます。とはいえ我が県が今でも地理的に有利な条件にあることに変わりはなく、その強みを現在の状況に合わせた形でより積極的に生かす方法を探る必要があると思います。
 さらに、志太榛原地域には富士山静岡空港があることから国内外の人や物の流れを我が県に呼び込む窓口としての役割も求められているのではないかと思います。大井川流域のポテンシャルを引き出すためには多くの取り組みが必要になると思いますが、今回は以下の三点について質問をさせていただきます。
 まず、国道四百七十三号の整備について伺います。
 前段で触れたとおり、大井川流域は大きな可能性を秘めた地域と考えます。豊かな自然と産業基盤を有し、さらに発展する余地を残していると思います。その可能性を形にしていくには日本の大動脈である東名、新東名、国道一号に加え国道百五十号といった東西軸と富士山静岡空港や御前崎港をつなぎ、地域の南北軸を形成する国道四百七十三号の果たす役割が重要となります。
 まず、菊川市の倉沢インターから島田市の菊川インターに至る区間、つまり金谷相良道路Uにつきましては九月議会における東堂議員の質問の中でも原子力災害発生時の避難路として取り上げられております。そうした点での重要性と合わせ、国道四百七十三号が一号バイパスにつながり旧榛原郡南部や空港へのアクセスが容易となり陸・海・空のネットワークが構築されることと、用地を提供された地区住民の皆様にとっては念願の菊川インターのフルインター化が実現することで日常の利便性が高まることへの期待も高いと聞いております。
 しかしながら、今後も多額の予算が必要とされるとの話もある中で事業に積極的に協力してきた地元の方々からは早期完成を望む声が上がっております。事業推進に向けて県のさらなる御努力を求めるものであります。
 加えて、国道四百七十三号沿いの新東名高速道路島田金谷インター周辺地域では内陸フロンティアを拓く取り組みの一環として島田市が産業活性化機能や広域交流拠点機能等の整備、誘致により交流人口の拡大や雇用、産業の創出を目指す取り組みを進めております。この拠点を核として大井川流域の交流を活性化していく上で国道四百七十三号の役割は一層高まるものと考えておりますが、当該路線には安全で快適な交通を確保するために改善すべき区間がまだまだ残っております。
 このような中、県では国道四百七十三号大代拡幅及び地蔵峠Uバイパスの事業を進めており地元地域もこれらの道路事業に大きな期待を抱いております。特に地蔵峠につきましては、新東名のインターができたことにより奥大井への入り口という意味合いが加わり早期整備への期待が高まっております。
 このように、大井川流域の振興を図る上で国道四百七十三号の整備は非常に重要な事業と考えますが、現在の事業の進捗状況と今後の見通しについて伺います。
 次に、大井川流域の基盤整備についてのうち、サイクリストのための走行環境の改善について伺います。
 本県は、世界遺産の富士山や日本平、城ヶ崎海岸、浜名湖といった景勝地や温泉を初めとした全国屈指の観光資源を有していることから、近年これらの観光地をサイクリングでめぐる方々を見かけるようになりました。
 私の地元では、一昔前は競輪選手が大井川沿いを練習コースとして走行していましたが、最近では自転車をスポーツやレクリエーションとして利用する愛好家などが寸又峡や川根温泉、SLといった地域の観光を楽しみながらサイクリングをする姿を見る機会がふえてきたと感じております。河川と急峻な山々に挟まれた大井川沿いには、自転車と自動車が接触しそうな狭隘な箇所があるなどサイクリストにとって危険な箇所が存在します。このような狭い箇所は自動車を運転するドライバーにとっても危険であり、私自身自動車を運転中に自転車と接触しそうになりヒヤリとした経験があります。また道路の幅だけでなくロードバイクのような細いタイヤの自転車ではちょっとした道路のふぐあいでパンクなどのトラブルに遭い、せっかくの楽しいサイクリングに水を差すこともあると聞いております。
 このような事例は大井川流域に限ったものではなく、サイクリストの憧れを呼ぶ聖地を目指す本県として安全にサイクリングを楽しんでいただくためにまずはこのような箇所を把握し、できるところから必要な対策を講じていくべきと考えます。そうした対策を講じることにより本県のイメージアップやサイクリングを通じた観光交流人口の拡大につながっていくのではないでしょうか。
 そこで、今後県管理道路においてサイクリストの安全を確保するためにどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、大井川流域の基盤整備についてのうち、大井川中流域の河川整備について伺います。
 大井川は、上流域に数多くの発電ダムが設置され、また中下流域では農業用水や工業用水の水源として利用され地域の発展に大きな貢献を果たしてきました。
 その一方、中上流域は年間降水量が約三千ミリと全国平均を上回る本県の中でもさらに雨の多い地域であり、また急峻な地形と脆弱な地質により土砂の流出量も多いため古くから洪水被害をもたらす暴れ川として知られており、昭和五十七年の洪水では家屋の浸水にとどまらず人的被害が生じるなど流域内で甚大な被害が発生しております。
 大井川の河川整備は、国土交通省が昭和五十二年に事業着手した長島ダムが平成十四年に完成し、その後洪水では水位を低下させる一定の洪水調整効果を上げており、また国土交通省が管理する島田市神座から下流の直轄区間では牛尾山の狭窄部の開削が順調に進められております。
 一方、神座より上流の県が管理する中流域ではこれまでも堤防等の整備が進められてきたところですが、鵜山の七曲りと呼ばれ大きく蛇行して土砂が堆積しやすいことから河床が高く直轄区間に比べ治水安全性が低い状況にあり、長島ダム完成後の平成二十三年にもたび重なる台風による出水で水位が大きく上昇し千頭地区に避難勧告が発令されるといった事態に至っております。
 県は、昨年度から中流域において河川整備計画の策定を進めていると聞いておりますが、九州北部豪雨など最近の集中豪雨の発生を見ますと直轄区間における河川整備の進捗に合わせ県が管理する中流域においても治水安全度を着実に向上させる必要があると考えます。
 そこで、中流域の河川整備に今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、二点目としてスポーツを活用した交流人口の拡大について伺います。
 平成二十六年七月に策定された静岡県スポーツ推進計画では、地域スポーツ環境の整備として国際的、全国的なスポーツ大会やコンベンション誘致の検討が示されております。本県で開催が控えているラグビーワールドカップ二〇一九や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技は、交流人口の拡大に大きな効果があるものと期待しております。またこうした大会の際に海外の代表チームが県内で合宿することで新たな国際交流が生まれることも予想されます。そうしたものを一過性に終わらせることのないよう、大規模スポーツイベントが終了した後でも持続的にスポーツを通じた交流人口の拡大を図っていく必要があると考えます。
 そのためには、世界的なスポーツイベントのレガシーを創出し大会後も継続的に国内外の人々を引きつける地域づくりを進めるとともに、さまざまな大会や合宿を継続して誘致していくことが必要です。
 一方で、継続的なスポーツイベントの開催やスポーツ合宿の誘致は自治体や競技団体が単独で行うだけではなく地域のスポーツ関係団体、観光産業等の民間事業者が一体となって進めていくことが重要です。こうした関係者が連携した組織である地域スポーツコミッションについてはスポーツ庁が設立を進めており、国の第二期スポーツ基本計画においても平成三十三年度までに全国で百七十団体とすることを目標に掲げています。
 スポーツコミッションとは、スポーツ大会やイベント、合宿の誘致、スポーツを通じた交流促進等による地域活性化と市外からの誘客を目指す官民一体型の専門組織で、地域におけるスポーツ振興、スポーツツーリズム推進のために地方公共団体、民間企業、各種団体等が連携協力して取り組むものでスポーツを通じた地域振興を目指す組織です。映画、ドラマの撮影等においてはフィルムコミッションという組織がありますが、そのスポーツ版と言ってよろしいかと思います。
 全国では、新潟県十日町市、三重県志摩市、さいたま市などの地域スポーツコミッションが特色あるスポーツイベントを開催したりスポーツ合宿の誘致に当たってのワンストップサービスを実施するなどして地域経済の活性化やコミュニティーの形成、強化につなげる取り組みが進められていますが、県内でも一部の地域で実績を上げているものがあると聞いております。
 今後、本県において合宿の誘致やスポーツイベントの開催などを通じた交流人口の拡大を図りスポーツ活動を通じた活力あるまちづくりに取り組む上で、この地域スポーツコミッションも一つの有力な推進力になり得るものと期待しております。
 そこで、本県においてもそれぞれの地域が有するスポーツ資源や特色ある文化、環境を活用して地域の活性化に取り組む地域スポーツコミッションの活動を支援するとともに、こうした団体や地域と連携してスポーツを核とした活力ある地域づくりを積極的に進めていくことが必要ではないかと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、三点目として保育士の確保対策について伺います。
 少子化が叫ばれる世にあっても保育に対する需要は強く、待機児童の解消にはいまだ至っておりません。県が発表した平成二十九年四月一日現在の待機児童数は四百五十六人であり、私の住む島田市においても二十人となっております。ただしこの数字は統計上のものであり潜在的にはさらに多くの待機児童がいるとも言われております。
 我が会派では、これまでにも何度となく本会議、委員会の場で県当局の取り組みをただし一層の対策強化を訴えてきました。実際に国の基金等を活用し市町や民間の保育施設整備を強力に支援していることは承知しております。
 ただ、その一方で幾ら保育施設をふやしてもそこで働く人が確保できなければ意味がありません。県内には保育士を養成する大学や専門学校が数多くあり毎年大勢の方が資格を取得しているものと思いますが、そのうち実際に保育現場で働く人は一部にとどまり、さらに一旦保育士になっても結婚、出産、育児、あるいは仕事のきつさや給料の安さなどが原因で保育現場を離れる人も多いと聞いております。そうした方々の中には条件が整えば再度働きたいという方もいるのではないかと思われます。
 県は、そうした潜在保育士についてどの程度把握をしているのでしょうか。
 また、潜在保育士の職場復帰に向けては正確に実態を把握しピンポイントで呼びかけを行うことが効果的と考えますが、現在どのような支援、取り組みを行っているのか、市町との関係とあわせて伺います。
 一方、現在保育現場で働いている人にとっても潜在保育士にとっても、処遇改善を進めることは必須と考えます。国の方でも保育士の処遇改善に向けた取り組みを行っているようですが、本県としましても積極的に取り組むべき問題であると思います。この点についても県の所見を伺います。
 最後に、四点目として中山間地域における高校の支援について伺います。
 川根本町では、地元の児童生徒が減少する状況を踏まえ町内唯一の高校である県立川根高等学校と連携して平成二十六年度から川根留学制度を創設し、他地域からの生徒を積極的に受け入れる取り組みを進めております。具体的には下宿先の確保や寄宿舎の整備、また生徒の生活支援などを手厚く行っており、川根高校維持に向けた川根本町の本気度を強く感じるところであります。
 しかし、残念なことに川根高校では依然として定員割れが続いており、平成二十八年度は八十人の定員に対して六十四人が入学し前年の四十八人から持ち直す傾向が見られましたが翌平成二十九年度には四十四人とさらに減少が進みました。
 このような状況下で、二年ほど前から自由民主党静岡県連の政務調査会に対する地域からの要望として川根高校で県外からの生徒を受け入れてほしいという項目が出されるようになったわけですが、ことし七月に来年度――平成三十年度から入学者の全国公募を行うという方針が県の教育委員会から示されました。こうした取り組みは県内では初めてということですが、この実現に向けて努力されてきた関係者の皆様の熱意が県を動かしたのではないかと思います。
 当然、地元の期待は高まっているわけですが、一方で環境整備が十分整っていないという点も見受けられます。県としましても、地元の努力を待つだけではなく同じような環境にある県内の高等学校を維持するためのモデルケースとなるように積極的に支援すべきではないかと考えます。
 ハード面では、下宿や寄宿舎が足りなくなった場合の対応に不安があるというふうに聞いておりますのでそうした点への配慮を強く求めたいと思います。
 それに加えて、私が重要ではないかと考えるのはソフト面の充実です。どんなに立派な設備があっても来てくれる生徒がいなければ何にもならないからであります。子供の数が減っていく中でどんな高校でも存続そのものが難しい時代になっているわけですが、条件が厳しい川根高校のようなところはよほど強力なセールスポイントがないと生徒を呼び込むのが大変になってくると思います。何かとほかの高校とのバランスが重視される公立高校ですが、ほかと同じことをやっていたら川根高校が今後生徒を確保するのは難しいと思います。川根高校は他の公立高校とは違う特色、言いかえれば何かとんがったものが必要ではないかと考えます。
 例えば、川根高校では川根本町の情報基盤を活用したICTの授業や教育活動が行われていますが、これに磨きをかけるのも一つの方法でしょう。また進学に特化したクラスの実績を高めるという方法も考えられます。市街地とは異なる自然豊かな環境、また川根留学生は寮生活を送っている人も多いと聞いておりますのでそうした状況の中で勉学に集中し大きな成果を上げることが期待できるのではないでしょうか。
 このほかにも、他県で行われている事例を見ますと全国レベルのスポーツ選手の育成や地域との交流についてユニークな取り組みが行われている高校などが見受けられます。
 こうした中山間地域のモデルとなるようなカリキュラム編成に取り組むお考えはないでしょうか。なおICTを活用した授業や教育活動の推進には現場の負担を減らすための支援員が必要との意見がありますので、この点についてもあわせて伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 河原崎議員におかれましては、改めまして結婚おめでとうございます。新婚生活の幸せが御家族の御多幸として末永く続きますよう、お祈り申し上げます。
 さて、スポーツを活用した交流人口の拡大についてお答えいたします。
 昨年六月に発表されたスポーツ未来開拓会議の中間報告やことし三月に策定された、先ほど議員御紹介の国の第二期スポーツ基本計画におきましてスポーツをする、スポーツを見る、スポーツを支えるという、これらの活動による多様な効用が地域産業の振興や活力ある地域づくりに貢献することが示されております。
 本県では、二〇一九年にラグビーワールドカップが、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックの自転車競技が行われますことから、本県を我が国を代表するスポーツツーリズムの目的地にする、また人に感動や夢を与える競技スポーツの中心地にすることなどによりましてスポーツを核とした地域活性化を推進する絶好のチャンスが到来しています。
 現在、県内にはスポーツを核として地域の活性化に取り組む地域スポーツコミッション推進組織が七団体ございます。それぞれが地域の特性を生かした多様な事業に取り組んでおります。これらは三島市スポーツ・文化コミッションなど市町単位のものから東部、中部、西部の地域スポーツ産業振興協議会のように広域的な組織までさまざまです。
 県では、九月補正予算によりサイクルスポーツの聖地づくりを加速化するため東部地域スポーツ産業振興協議会と連携し、会員である東部・伊豆地域二十市町の官民の団体みずからの企画に基づく富士山周遊自転車ツアーの商品造成やICTを活用した広域レンタサイクル事業などスポーツを活用した交流人口の拡大により地域の活力を高める取り組みを推進しているところであります。この取り組みを通じてスポーツコミッションの機能強化と地域連携の仕組みづくりを目指しており、来年度は県下全域に拡大してまいります。
 今年度、静岡県スポーツ推進審議会に諮問して見直しを行っております静岡県スポーツ推進計画の中に新たにスポーツを通じた地域の活性化という柱を立てました。この柱を立てまして、今後の具体的な施策について議論を進めていただいているところであります。この議論ではスポーツを活用した交流の推進や成長分野として潜在力を持つスポーツ関連産業の振興に関する施策の重要性が考慮されております。
 県としましては、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックが行われるこの機会に地域スポーツコミッションを初め民間企業や大学等の教育機関、地元プロチームやそのサポーター組織などとも連携をいたしまして、本県のスポーツ関係の資源をフル活用して国内外から憧れを呼ぶふじのくにづくりを積極的に推進してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁申し上げます。
○議長(杉山盛雄君) 吉林副知事。
       (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事(吉林章仁君) 保育士の確保対策についてお答えいたします。
 県では、待機児童の解消に向け保育所や認定こども園の整備による保育サービスの量的拡大と必要となる保育士の確保に重点的に取り組んでおります。保育現場では経験豊かな保育士の配置が求められております。潜在保育士の活用は大変効果的でございます。
 保育士資格を持っている方のうち、保育士として働いていない方は県内には約二万五千人と推計しております。県では今年度から保育士バンクの運用を開始し、離職する人や現在求職している人に有用な情報提供を行うための登録を進めまして復職に結びつく潜在保育士の把握に努めております。
 また、平成二十六年度から保育士・保育所支援センターを設置いたしまして潜在保育士の方々に就業相談や就職説明会の開催など保育現場への復帰支援を実施し、これまでに二百人を超える方を再就業に結びつけております。平成二十八年度からは潜在保育士向けに就職準備金や未就学児童の保育料への貸し付けなどによる経済的な支援を行うことで職場復帰を促し、経験豊かな保育士の早期確保に取り組んでおります。
 本年度からは、保育士・保育所支援センターの体制を充実強化いたしまして潜在保育士の皆様に対し戸別訪問による求職登録の勧奨や求職希望者の施設見学に同行するなど復帰を目指す方の意向に沿った再就業支援を行っております。また市町とも連携いたしまして保育士の就職相談会を開催いたします。潜在保育士の情報共有や就業促進を図るなど保育人材の確保に努めております。
 保育士の仕事を魅力あるものにしていくためには、処遇改善も大変重要でございます。このため保育士の経験と能力が評価され賃金改善に結びつく静岡県型のキャリアアップ制度を構築し、県内全ての保育施設へ導入することとしております。導入に当たりましてはセミナーの開催や社会保険労務士等の専門家の派遣などによりきめ細かな支援を行い、保育士の処遇をより一層改善して保育士や保育士を志す方々にとって働きがいのある魅力ある保育施設となるように取り組んでまいります。
 今後とも、潜在保育士の活用や保育士の処遇改善に積極的に取り組み、必要とする全ての人が子供を保育所に預けられるようにすることにより安心して子供を産み育てられるふじのくにづくりを全力で推進してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 鈴木交通基盤部長。
       (交通基盤部長 鈴木克英君登壇)
○交通基盤部長(鈴木克英君) 大井川流域の基盤整備についてのうち、国道四百七十三号の整備についてお答えいたします。
 国道四百七十三号は、本県中西部の中山間地域を経由して牧之原市に至る幹線道路であり、大井川の中下流域において南北を結ぶ数少ない路線の一つとして地域の交流や産業を支える重要な道路であることから、県では金谷相良道路Uを初め大代拡幅や地蔵峠Uバイパスの道路整備を進めております。
 このうち、金谷相良道路Uは倉沢インターチェンジと国道一号菊川インターチェンジとの間を結ぶ延長三・三キロメートルの道路新設事業で昨年度までに用地取得を完了し鋭意工事を進めているところであり、引き続き早期の完成に向け事業を推進してまいります。
 また、大代拡幅は新東名と国道一号との間を結ぶ延長一・四キロメートルを四車線に拡幅する事業で、島田金谷インターチェンジに接続する交差点部〇・四キロメートル区間を新東名の供用に合わせて整備しこれに続く〇・六キロメートルの区間で昨年度より用地取得を進めております。残る国道一号までの〇・四キロメートル区間については国が行う国道一号大代インターチェンジの改良事業と一体で進める必要があることから、今後の事業実施に向け国、県、市で構成する調整会議を今年度内に設置し測量作業の着手に向けた調整を進めてまいります。
 地蔵峠Uバイパスは、特にすれ違いが困難で線形が悪い島田市神尾地内において〇・四キロメートル区間の道路改良を行う事業で、早期に効果が発現するよう現道拡幅区間〇・三キロメートルの工事を先行しまずは南側の五十メートルの区間を来年度供用することとしており、引き続き事業の進捗を図ってまいります。
 県といたしましては、大井川流域のさらなる発展に資するため引き続き国道四百七十三号の整備に必要な予算の確保に努めるとともに、国や地元市町と連携し安全で快適な交通の確保に向けた道路整備を着実に進めてまいります。
 次に、サイクリストのための走行環境の改善についてであります。
 サイクリングを通じた交流の拡大を図る上で、安全な走行環境の確保は極めて重要であります。このため県では国や県、自転車関係団体等から構成される静岡県サイクルスポーツ協議会が昨年度行った実走調査結果を踏まえ、今年度から二カ年で実施する緊急対策事業により大井川流域の五カ所を含む県内三十七カ所で舗装の補修による段差の解消やふたのない側溝への改修等による走行空間の確保を進めているところであります。
 また、自転車の走行位置を明示しドライバーに注意喚起を促す矢羽根型路面表示は自動車との接触防止の効果が期待されることから、関係市と連携しまずは伊豆半島や浜名湖沿岸で平成三十一年度を目途に設置しているところであり、今後大井川流域を含む他地域への導入を進めてまいります。
 加えて、中山間地等で観光資源が豊富な路線につきましては今後もサイクリストの増加が見込まれますことから、道路パトロールにおいて路面の破損や落石などの障害物を重点的に把握し速やかに処置をするなどこれまで以上にきめ細かな対応により安全性の向上を図ってまいります。
 県といたしましては、サイクリストの憧れを呼ぶ聖地ふじのくにの実現に向け引き続き関係機関と連携しサイクリストのニーズを踏まえた課題の把握に努め、ハードとソフトを組み合わせた効果的な安全対策の実施により走行環境の改善に取り組んでまいります。
 次に、大井川中流域の河川整備についてであります。
 県が管理する大井川中流域につきましては、昭和五十年代に河川流量の減少や土砂の堆積による問題が顕在化し地元から流水の復活や堆積土砂の排除による治水対策が強く望まれるようになりました。
 このため県では、昭和六十三年に関係市町及び中部電力と大井川堆積土砂排除対策協議会を設置し民間の砂利採取を活用した土砂排除や県による局部的な河川改修等を行うことにより洪水被害の防止を図ってきたところであります。
 しかしながら、近年民間の砂利採取が減少している中で中長期的な観点に立った河川整備が必要となり、昨年七月に学識経験者や地元代表者で構成する大井川水系中流七曲りブロック流域委員会を設立し今後おおむね三十年間で行う河川整備の計画について検討を進めているところであります。
 これまでに、長島ダム完成後に発生した最大規模の洪水をおおむね安全に流下させることを治水の目標として決定したところであり、今後具体的な整備内容や維持管理手法を河川環境の保全に配慮しながら検討を進め平成三十年度を目途に取りまとめることとしております。
 県といたしましては、計画的な河川整備に加え国と連携して上流域から海岸域までの総合的な土砂管理に取り組むとともに、近年の激化する豪雨災害にも対応した減災対策も進め流域の皆様が安全で安心して暮らせる活力ある地域づくりに努めてまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 中山間地域における高校の支援についてお答えいたします。
 少子高齢化や都市部への人口流出が進む中、中山間地域においては担い手となる若者の育成確保が不可欠であり、子育て支援や産業振興による雇用の創出とともに教育の充実を図ることが重要であると考えております。
 県教育委員会では、中山間地域の高校につきまして地域の子供は地域で育てるという理念のもと中学校と連携した一貫教育を推進しております。さらに県立川根高校では平成二十六年度からいわゆる川根留学の取り組みを実施しており、平成三十年度からは入学者の全国募集を行うこととしております。
 また、議員御指摘のとおり川根高校が魅力にあふれ中学生が進学したくなるような特色ある教育活動を実践していくことが何より重要であります。このため県内でいち早くICT機器を整備し、総合教育センターからの支援や民間の技術支援員の協力を得て県内大学と遠隔授業を行うことなど先駆的な取り組みを実施しております。さらには重要な地域資源であるお茶やエコパークを活用した体験型学習を進めているほか、海外展開をしている企業と連携した留学の実現に向けて取り組みを始めたところであります。
 県教育委員会といたしましては、今後とも川根本町が取り組む寄宿舎や下宿先の確保、生活費に対する支援など生徒の受け入れ環境の整備と連携し、地域ぐるみの特色ある教育の実践により川根高校が国内における中山間地域のモデル校となるよう魅力ある学校づくりを推進してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 河原崎 聖君。
       (九番 河原崎 聖君登壇)
○九番(河原崎 聖君) それぞれ御答弁いただきありがとうございました。
 要望を何点かさせていただきたいというふうに思います。
 まず、国道四百七十三号に関してでございます。
 最初の金谷相良道路Uの部分なんですが、これにつきましては県のほうでもいろいろと御努力はいただいているということは承知をしております。
 しかしながら、やはり国道四百七十三号にかかわる事業全てそうだと思いますけど、大体が国の予算がないと進まないというようなことの中で地元のほうとしても熱心な活動をしていただいております。
 そしてまた、大きな予算がかかるという中で予算をもらうための技術的な問題等もですね、例えば年限が云々とかいろいろあるというふうに聞いております。そういった中でやはりあそこは西からの空港への玄関口と静岡県の戦略的な位置づけとしても大きな道路になってきます。地元の協力も非常に大きなものというふうに聞いておりますので、その点をまた十分お酌み取りをいただいて御尽力をいただきたいというふうにお願いいたします。
 それから、地蔵峠のところですけれども、あちらにつきましても最近はテレビ等で奥大井のほうが取り上げられる機会が非常にふえまして週末あちらのほうに行きますと県外のナンバーの車が非常に多いなというふうに感じています。そういった中でカーナビで新東名を使って行きますと、大体が国道四百七十三号のほうに誘導するというような傾向がある中で重要性は昔に比べて格段に高まっております。そういったことで地蔵峠、できましたらもっとスピード感を持ってやっていただきたいと。事故等が起きる前にやっていただければなというふうに思っております。
 それから、川根高校なんですが、いろいろモデル校となるような御尽力をいただけるということでその点は非常に心強く思ってます。ただやはり全国公募を始めるきっかけがやはり地元からの強い要望で始められたということで、まだ県のほうとしてもこれを積極的に生かそうというようなところがちょっとまだ今の段階では少ないんじゃないかなというふうに感じています。
 そういった中で、先般の櫻町議員の質問にもありましたけどアウトプットとアウトカムの問題がありまして、ほかとのバランスというのはやっぱりアウトプットの世界でありまして、アウトカムというか成果を求める上ではやはり飛び抜けたような部分がないとあそこのところに生徒を集めるのは難しいかなというふうに思います。
 当然、子供の数をふやすというだけではなくてそれをもとに親も移住して来てくれるとかそういったことも考えられますし、将来の定住人口をふやす意味でも大きな意味を持ってまいります。そういったことで、今までにないような取り組みを川根高校でしていただくことを強くお願いをして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

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