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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

大石 裕之 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/27/2017

会派名:

無所属の会・責任世代


質疑・質問事項:

1 空港周辺地域における市町をまたぐ公共交通ネットワーク
 について
2 静岡茶の輸出拡大のための取り組みについて
3 ユニバーサルツーリズムの促進について
4 企業内保育所の整備促進について
5 ヘルプマークの導入と普及について
6 相良港及び相良シーサイドパーク周辺の利活用について
7 がん教育に対する取り組みについて


○副議長(藪田宏行君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三番 大石裕之君。
       (三番 大石裕之君登壇 拍手)
○三番(大石裕之君) 私は無所属の会・責任世代所属議員として、当面する県政の諸課題について一括質問方式で知事、副知事、関係部局長及び教育長に質問いたします。
 初めに、空港周辺地域における市町をまたぐ公共交通ネットワークについて伺います。
 今定例会に上程されている二〇一七年度当初予算案に、富士山静岡空港への新幹線新駅設置が隣接地に及ぼす影響を調査し対策等を検討する調査費一千万円が計上されています。しかしながらJR東海はいまだに新駅設置に関し否定的な姿勢を示している状況に変化はありません。先月牧之原市内で開催された富士山静岡空港と地域開発をすすめる会の新年の挨拶の中で川勝知事は新駅設置に関して必ずできると話されました。出席者の空港周辺地域の方々も大変に期待をされておりますのでぜひとも前に進めていただきたいと思います。
 さて、昨年度の一般質問でも質問をさせていただきましたが、空港周辺の地域振興策として県でもティーガーデンシティ構想など地域活性化やにぎわいづくり等々の目的でさまざまな施策を実施しています。また地方創生の取り組みとしてDMOに県も地域も力を入れている中で、国内外の観光客の空港から地域へのアクセスや観光地から観光地の地域間を結ぶアクセスは不可欠であり、また重要な役割を果たしていくことになると考えられます。
 空港とその周辺のアクセスは、空港を利用する方々にとって便利で利用しやすい空港になるだけではなく周辺地域にとっても生活の足となり生活レベルの向上につながり、空港と空港利用者と周辺地域の三者それぞれによい影響をもたらしてくれることは間違いありません。しかし空港へのアクセスバスのほか地域間の拠点を結ぶ幹線や市町が運営する自主運行バスが運行しておりますが、市町をまたぐ利用者にとって決して使い勝手のよい運行が行われているとは言えません。静岡空港は二市一町に囲まれていますし、空港周辺を大きく捉えれば行政の数はもっと多くなります。空港周辺を面で捉え市町の行政の境界線を取り払った公共交通ネットワークが必要だと考えます。
 そこで、空港アクセスの強化を図り、観光客の利便性と地域住民の生活の質の向上につながる空港周辺地域の市町をまたぐ公共交通ネットワークの構築が必要だと考えますが、そのお考えと取り組み状況をお尋ねいたします。
 次に、静岡茶の輸出拡大のための取り組みについて伺います。
 かつて静岡の先人たちは明治時代後期から横浜港や清水港を通じて茶の輸出に取り組み、大正時代前期には日本で生産されたお茶の六割以上をアメリカなどに輸出し、お茶は生糸と並んで輸出の花形だった時代がありました。その後国際情勢の悪化と深蒸し茶の開発等による国内の煎茶需要の拡大により輸出は減り続け、平成二年には三百トン以下まで落ち込みました。
 一方、平成十二年ごろをピークに国内のリーフ茶需要は年々減少し、以前のように大きく伸びることは考えられない状況にあります。需要の減少により供給量も減ってきていますが、需給バランスの関係で静岡茶の取引価格は厳しい状況が続いています。近年は幾らよい品質の製品を出荷してもなかなか取引価格に反映されがたい状況が続いています。
 そのような環境下で、近年国内の茶業者の中には再び海外への輸出を積極的に進めている方々がいらっしゃいます。現在静岡茶も含めて日本の緑茶はアメリカを主な輸出国としており、平成二十八年の全国の緑茶輸出量の三五%を占めています。次いで台湾、ドイツとなりますが輸出量も輸出額もアメリカが突出している状況です。輸出を拡大するためにはアメリカに加えてヨーロッパなどほかの地域への販路拡大が有効だと思います。流通販売業者が直接販売ルートを開拓し輸出しているという話を聞くことがありますが、県も良質な静岡茶が海外でさらに取引されるよう適切な支援を講じる必要があると考えます。
 例えば、ヨーロッパへの輸出にはオーガニックのお茶であることが重要であると現在輸出に携わっている茶農家の方に聞いていますが、引き続き輸出拡大を図っていくためには海外の需要に対応したお茶の生産と販路の開拓をしていく必要があると思います。
 そこで、お茶の輸出拡大に向けた県の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、ユニバーサルツーリズムの促進について伺います。
 ユニバーサルツーリズムとは、全ての人が楽しめるようにつくられた旅行であり、年齢、国籍、性別や障害等の有無にかかわらず誰もが気兼ねなく参加できる旅行を意味し、これからの時代の観光の仕組みとして注目されています。地域においては今後より一層の高齢化が見込まれる中、旅行者が心配なく訪れることができ、旅行業者が心配なく旅行者を送ることができるユニバーサルツーリズムに対応した観光地域づくりが求められています。
 静岡県では、民間企業等から構成される静岡県ユニバーサルツーリズム推進連絡会が平成二十五年六月に設立され、旅行会社、福祉事業者、タクシー会社等を中心にユニバーサルツーリズムに対応した着地型旅行商品の造成や接遇研修の実施等受け入れ体制強化に取り組んできたところです。連絡会には観光地で観光困難者の旅行をサポートする専門の介助者を束ねるトラベルヘルパーセンター東伊豆が参画していますが、現状では伊豆地域に限定された仕組みとなっています。
 日本一のバリアフリー観光県推進宣言を表明している三重県では、三重県伊勢志摩再生プロジェクトの一環として伊勢志摩バリアフリーツアーセンターがスタートし、三重県、伊勢市、鳥羽市の行政においてはパーソナルバリアフリー基準が観光のバリアフリー化の指針として採用され、全県下に対応した仕組みとなりつつあります。
 ユニバーサルツーリズムは障害者や高齢者向けのものという意識が大きいものですが、子育て世代のファミリー層や初めて静岡県を訪れる人々、日本語が不得意な海外からの観光客なども対象であり、ユニバーサルツーリズムへの全県的な取り組みが静岡県にとって必要不可欠な要素ではないかと考えます。
 海外においてはそもそもわざわざユニバーサルツーリズム云々と言わなくても世界標準です。二〇二〇年には県内で初めてのオリンピック・パラリンピックの自転車競技が開催されることを考えると、観光立県を標榜する静岡県としてはインバウンド促進のための世界標準のユニバーサルツーリズムの体制づくりと地域単位のサポート体制整備なども含め着地型観光とも連携したユニバーサルツーリズムの促進が今後の県内観光の交流人口の拡大に直結すると考えます。
 そこで、本県におけるユニバーサルツーリズムの促進の取り組みについて伺います。
 次に、企業内保育所の整備促進について伺います。
 県内の待機児童総数は、前年度七百八十人から三百三十一人の減少で四百四十九人と減少傾向にあります。しかしながら待機児童解消のためにはまだまだ十分ではありません。県でも認定こども園の設置や小規模保育事業所の整備促進などに取り組んでいるところです。しかし新規の保育所の建設には、最近マスコミの報道で話題にもなりましたがさまざまな課題や障害が生じることがあり、単純に予算の問題だけではない状況です。
 昨年四月に法整備された企業主導型保育事業は、新設時に七五%の国の補助金と運営費補助があり、地域の待機児童解消対策と企業の求人や人材の確保対策の一石二鳥を担うものとして大変期待が高まっています。また労働者側にとっても企業内保育所という新しい仕組みにより滅私奉公的な勤務体制を変えて新たな勤務体制が構築できるのではないかと注目されています。
 県内でも、平成二十九年二月八日現在十五施設が採択を受け企業内保育所が運営されています。藤枝にあるスーパーの保育所は業界では全国初ということもあり全国的な注目を集めています。現在のように待機児童が多い状況から見ると保育所があれば、子供を預けることができれば働きに行きたいという潜在的な需要は高いのではないかと考えられます。
 どこに仕事に出かけることにしても自身が働いている事業所内であればわざわざ預けに行く手間も必要なく、帰宅時にもいち早くお迎えをすることができて時間的な制約を受けることがなくなります。また就業中に子供に何かあった場合でもすぐに駆けつけられることができるなど企業内保育所のメリットは大変に多いと考えられます。今後企業内保育所がふえていけば既存の保育所施設に空きができると考えられますし、また企業内保育所に地域枠を設ければ待機児童対策に直結するものとなります。県内でもこれから企業内保育所の設置を予定している企業が何社もあると聞いています。
 県として、このように広い効果が期待できる企業内保育所の整備促進のための今後の取り組みについて伺います。
 次に、ヘルプマークの導入と普及について伺います。
 外見からは障害があるとはわかりにくい人が、何かあったら助けてほしいと周囲に援助を求めやすいように東京都が考案、作成し平成二十四年から普及に向け実用化されたヘルプマーク。例えば義足や人工関節を使用している方や内部障害や難病の方、視覚や聴覚障害の方、妊娠初期の方、何か突発的な出来事に対応が困難な方など外見からは健康的に見えても援助や配慮を必要とされる方がこのヘルプマークを身につけ周囲の方に知らせることで援助や配慮が得やすくなります。私たち健常者が気づき行動することもできます。
 議会運営委員会で許可をいただいておりますので皆様にお示しさせていただきます。これが実物です。
 このヘルプマークは、カードほどの大きさで目立つようにベースの色は深く濃い赤色で中央上部に白十字とその下には白いハートがデザインされ、いろいろなところにぶら下げられるようになっています。また当たってもけがなどしないように角も丸く加工され、素材もやわらかでゴムのような手ざわりの樹脂で全てできています。
 このヘルプマークの全国的な認知度は残念ながらまだまだと言わざるを得ません。現在導入されているのは京都府、和歌山県、徳島県、青森県、奈良県の五府県にとどまっています。今後導入を計画されている県も幾つかあると聞いています。
 そのような中、このヘルプマークが七月にも日本工業規格JISに加わる見通しになったと今月の初めに報道されました。JISに加われば日本の一つの標準ということになりますので、今後二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて国内の統一マークとして幅広く国内はもとより世界へも認知、普及されていくことになると思われます。
 静岡県には、静岡県発で現在全国五百六市区町村で使用されている、介護中であることを表示する介護マークがあります。この介護マークを普及させ認知度を上げることの苦労と、またその成果や効果を実体験として知っている静岡県であるからこそこのヘルプマークの導入をしていただきたいと考えていますが、ヘルプマークの導入と普及の取り組みについていかがお考えかお尋ねいたします。
 次に、相良港及び相良シーサイドパーク周辺の利活用について伺います。
 私の地元の牧之原市は十五キロメートルに及ぶ海岸線を有し、漁港に水揚げされる新鮮な海の幸を初め遠州の空っ風がつくり出す大きな波を求めてサーファーが、夏には遠浅の海岸に県内外から海水浴客がとさまざまな海の資源に恵まれ、その恩恵にあずかってきました。
 特に、富士山静岡空港の開港後は牧之原市のみならず観光業者や商工業者の方々が、地域の観光資源を見詰め直し、磨き上げ生かしながら地域や観光産業の活性化につなげようと積極的に取り組んでいます。また国や県が主導して進めている地域DMOにも各方面の方々がそれぞれの可能性を探りながら今後活動を展開するための準備や研究をしているところです。
 そのような中、牧之原市では地域の欠かすことのできない重要な資源であり、また産業の大きな柱の一つでもある海を今以上に生かし、将来にわたる地域経済の活性化を図るために沿岸部活性化計画の策定に取り組んでいます。
 現在、牧之原市内の特に海の関係者の方々にお集まりいただきワークショップを四回開催したところです。その議論の中で県が管理している相良港とその周辺が取り上げられています。県が設置し管理運営を牧之原市に委託している相良シーサイドパークなどの施設があり、港とシーサイドパークの一体的なさらなる利活用などが話し合われ、いろいろと前向きな夢のある将来の礎となるような意見が多く出され、とても活発に議論が行われているようです。
 そこで、牧之原市の相良港と相良シーサイドパーク周辺の利活用について、県としてどのようにお考えかお尋ねいたします。
 最後に、がん教育に対する取り組みについて伺います。
 県教育委員会では、平成二十六年から文部科学省の委託事業でがんの教育総合支援事業としてモデル校においてがん教育事業を実施してまいりました。この事業は学校教育の中でがんに対する正しい理解とがん患者に対する正しい認識及び命の大切さに理解を深めることを目的として行われています。
 その取り組みは評価できますが、一般的には年齢が上がるにつれて罹患率が高まるがんを高等学校で取り上げてもがんの知識を与えるだけで一過性のものになってしまうため、複雑な思いを持った患者や遺族への偏見をなくすことや生きていることの意味、命や家族の大切さを理解させていくことが大きな課題だと思われます。
 また、児童生徒の中にはがんなどの病気で親を亡くしてしまった子供が学校に行けなくなってしまうことも多いと関係者から聞いています。今後は現在の高等学校での実施のみではなく小中学校での実施を期待したいところであります。
 そこで、今後のがん教育のあり方と、モデル校四校の取り組みを生かしがん教育を県内全域に広げるための取り組みについて伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 大石裕之議員にお答えいたします。
 ユニバーサルツーリズムの促進についてであります。
 ユニバーサルツーリズムとは、議員の御紹介なさいましたとおり全ての人が楽しめるようにつくられた旅行であり、高齢、障害、国籍などによる制約の有無にかかわらず誰もが気兼ねなく参加できる旅行のこととされており、略してUDツーリズム、UDツアーとも言われております。
 本県に即して言うならば、UDツーリズムを促進するということは万人に開かれた観光地になることを目指すというふうに言えるでしょう。私はそのときが来たというふうに思っております。といいますのも平成二十五年夏に富士山が世界文化遺産に登録されたのを皮切りにあたかも堰を切ったように今月まで四十六カ月の間に四十六件もの世界クラスの地域資源あるいは本県ゆかりの世界クラスの人々というものが認定されておりまして、文字どおり静岡県は世界クラスの地域というそういう環境が見えてまいりました。
 それを受けまして、これまで本県では「訪れてよし 住んでよし」といったときの対象は日本の方々を念頭に置いていたわけでありますけれども今や県ではジャパニーズドリームの実現、すなわち世界の人々から憧れを呼ぶ理想郷を築くべく、本県がその先頭を切って人種、宗教、文化、民族を問わず誰もが心の豊かさを感じ幸せを享受できる地域、訪れてよしの地域となるよう取り組むときが来たというふうに存じます。
 そのため、本県を訪れる旅行者がバリアを、障害を感じることなく安心して楽しんでいただけるよう受け入れ環境の整備を進めます。例えば平成三十年十月の完成を目指す富士山静岡空港旅客ターミナルビルへの礼拝室、これはムスリム――イスラム教徒の方々を念頭に置いてのことでございますが、そうした礼拝室の整備や県内飲食店における食文化の異なる外国の方々への対応を示したガイドブックの作成などを進めます。実際進めているところであります。
 また、先月二十五日に県域DMO静岡ツーリズムビューローを設置いたしました。この県域DMOでは世界観光機関UNWTOが提唱する「ツーリズム・フォー・オール」を実現するため、誰が旅しても本県の人々の温かさと優しさで期待以上の満足を得ていただく人に優しいツーリズム、先ほどの言葉で言えば万人に開かれた観光地であること、これを理念の一つとして明確に打ち出しました。今後このビューローでは、県内各地域のDMO等と連携いたしまして県内におけるユニバーサルツーリズムの理解促進を図ります。そして外国人はもとより高齢者、障害者等も安全で安心して楽しめる受け入れ環境の整備や体験プログラム企画への支援を行ってまいります。さらに世界におけるユニバーサルツーリズムの先進事例を収集し関係者等に提供してまいります。
 さらに、県ではトラベルヘルパーセンター東伊豆などすぐれた取り組みを県内に広めるとともに、三重県などで実施されている旅行者一人一人の状況に合わせた情報提供や旅行アドバイスを一元的に担うバリアフリーツアーセンターの設置に向けて関係者と検討をしてまいります。
 国では、東京オリンピック・パラリンピックを契機とした共生社会を実現するための行動計画が策定されました。本県においてはこの東京五輪のほか、その一年前にラグビーワールドカップ二〇一九、さらに同じ二〇一九年に世界自転車競技大会の開催の可能性もございます。いよいよ国籍、年齢、性別、障害の有無等にかかわりなく国内外から本県を訪れる全ての方々が静岡県の人々の優しさ、また地域の豊かさを実感し最高の人生の思い出を持ち帰っていただくことで、まさにジャパニーズドリームと感じていただけますようユニバーサルツーリズムの促進に努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(鈴木洋佑君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 静岡茶の輸出拡大のための取り組みについてお答えをいたします。
 県は、主要農林水産物の九品目についてマーケットインの考え方に基づき市場と生産が結びついた県独自のマーケティング戦略、ふじのくにマーケティング戦略を今月十六日に策定いたしました。この中でお茶についてはワサビや温室メロンとともに一層促進することとしております。
 お茶の輸出については、その課題として海外ニーズの高い抹茶や有機認証茶の生産拡大と海外バイヤーとのマッチングなどが挙げられています。これらに対する今後の方向性として販売に直結した有機認証茶、残留農薬基準対応茶等の生産拡大を打ち出したところです。
 これまでも、生産現場では需要が高まっている抹茶、有機認証茶の生産性や品質の向上を目的に県内各産地で被覆技術や有機認証の実証モデル園を設置し、生産技術の普及に取り組んでおります。今後はこの戦略に基づき販売と直結した形での取り組みを進めてまいります。
 具体的には、本議会でお諮りをしている茶産地構造改革事業費助成を活用し、流通販売事業者と連携をして行う有機JASの認証取得や高品質な抹茶を栽培するための施設整備を支援し生産量をふやしてまいります。加えて残留農薬基準への対応につきましては平成二十七年度に作成をしたアメリカ、EU、台湾の残留農薬基準に対応した茶の防除体系の普及を図っており、関係機関と連携してさらにその取り組みを拡大してまいります。
 流通販売面では、アメリカやEUで開催される食品見本市に本県ブースを引き続き設置し輸出事業者の出展を支援するとともに、アメリカとイギリスに設置したサポートデスクを活用し海外への販売拡大を支援をしてまいります。また県内の輸出事業者と生産者とのマッチング機会を創出し、輸出される緑茶の中での静岡茶のシェア拡大に努めてまいります。
 健康志向の高まりや和食ブームを背景に、平成二十八年の全国の緑茶輸出額は約百十六億円と十年間で四倍にふえております。茶関係業者で組織する静岡茶輸出拡大協議会の二百八十五者の皆様とともにその流れを促進し後押しし、一層の輸出促進に努めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 村松交通基盤部長。
       (交通基盤部長 村松 篤君登壇)
○交通基盤部長(村松 篤君) 空港周辺地域における市町をまたぐ公共交通ネットワークについてお答えいたします。
 現状の空港周辺地域の公共交通ネットワークは、主要な鉄道駅と空港間のアクセスに加え市町をまたぐ広域幹線バスとこれを補う関係市町の自主運行バスによって構成されておりますが、交通空白地域の点在や便数の少ない路線があり路線バスの利用者も減少傾向にあります。
 このため、県では昨年六月に空港周辺地域四市一町と富士山静岡空港周辺公共交通検討会を立ち上げ広域幹線バスや自主運行バスの利用状況等の現状把握を行うとともに、利用者が少ない路線の改善など既設のバス路線の課題や新たな路線の必要性などについて、これまで検討会を四回開催して検討を行ってまいりました。
 空港周辺地域の公共交通ネットワークの改善に当たっては、既に空港がアクセスバスなどにより結ばれていることを踏まえ空港を鉄道駅などと同様にバス路線の重要な交通結節点と位置づけ、自主運行バスの空港での乗り継ぎを可能とするなど路線バスの利便性の向上、運行の効率化を図っていく必要があります。来年度には関係市町と協議を進め住民の皆様の意向調査を実施した上で、この結果を踏まえて自主運行バスのデマンド化による空港への乗り入れやバス路線の効率化を図る重複区間解消など具体的な課題解決の方策を市町の地域公共交通網形成計画に反映してまいります。
 県といたしましては、こうした取り組みを通じて空港周辺地域の住民の皆様にも観光客にも利用しやすい公共交通ネットワークの改善に努めてまいります。
 次に、相良港及び相良シーサイドパーク周辺の利活用についてであります。
 県では、相良シーサイドパークの整備を平成四年度までに完了しており、その周辺と相良港では海水浴はもちろんのこと草競馬や海上花火大会、コンサートなど多様なイベントが開催され多くの皆様に御利用いただいているところであります。
 牧之原市では、現在の利用が主に夏を中心としたものであり、年間を通じたにぎわいの創出による地域活性化につながる取り組みを期待し地域資源である海を活用して若者の誘客や沿岸地域のにぎわいづくりを目的とした沿岸部活性化計画を策定中であり、県もオブザーバーで参画しております。県においては昨年加盟が認められた世界で最も美しい湾クラブの持つブランド力と情報発信力を利用して牧之原市を含む沿岸市町と連携し、駿河湾を地域活性化に活用していくこととしております。
 県といたしましては、牧之原市の沿岸部活性化計画に位置づけられた地域活性化につながる具体的な取り組みが実現されるよう、相良シーサイドパークなど相良港の利活用に協力してまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 企業内保育所の整備促進についてお答えいたします。
 県では、企業主導型保育事業を社会全体で子育てを応援する取り組みの一つとして経済四団体とも連携して事業の周知に努めるとともに、設備、人員配置の相談等に丁寧に対応するなど企業がこの事業に円滑に取り組めるよう支援をしているところでございます。
 これまでに、本県では十五企業十六施設で五百四十三人分の定員が確保され、保育の受け入れ枠が拡大されたところでございます。また一部企業では地域枠を設けており、従業員の子供に加え地域の子供も受け入れることができるので地域の待機児童の解消にも寄与しております。
 来年度からは、保育士等の処遇改善や保育補助者の雇用及び防犯・安全対策強化に関する補助が追加されるなど制度の充実が図られることとなりました。従業員の子育てを応援する企業がふえるように引き続き設置に係る具体的な相談や支援を行うなど事業の実施を推進し、働き方に応じた多様な保育の提供ができる環境整備につなげてまいります。
 今後とも、企業内保育所の整備を行う企業に対し保育人材確保のための相談窓口や貸付制度を紹介するほか、保育の質の向上のための研修への参加を促すなど保育所を運営するための支援をきめ細かに行っていくことで取り組みの拡大を図り、全ての子供が健やかに育つ「生んでよし 育ててよし」のふじのくにづくりを着実に進めてまいります。
 次に、ヘルプマークの導入と普及についてであります。
 ヘルプマークは、内部障害のある方や難病の方など外見からはわからなくても援助や配慮が必要となる方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせる手段として大変意義のあるものでございます。
 県では、ヘルプマークについて市町や関係団体に情報を提供し、マークの導入に関して関係者の意見の聴取や検討を行っております。障害のある方や関係団体からは同様の目的を持った類似のマークとの統一の必要性や不正利用の防止などについて課題が提出されております。県内の福祉事務所長会議においても各市の考え方について意見交換が行われ、八割を超える市が導入の必要性を検討するなどヘルプマークに対する市町や関係団体の関心も高まってきております。
 本県への導入に当たりましては、類似のマークの統一化だけでなくマークの配付や活用方法などの課題について解決する必要があることから、障害のある方や御家族の御意見を十分に伺い市町や福祉関係者等で構成する圏域自立支援協議会において具体的な検討を行ってまいります。またヘルプマークが二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて国内統一マークとして決定された場合には、介護マーク導入時の経験も生かし市町や関係団体などとも連携してマークに対する正しい理解を促進し県内への普及を図ることとしております。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) がん教育に対する取り組みについてお答えいたします。
 がん教育につきましては、児童生徒ががんを身近な問題と捉え正しい知識を身につけることやがんと向き合って生きる人について学ぶことで自分や家族の健康と命の大切さを考え、お互いに支え合って暮らす態度や能力を育成することが重要であると考えております。モデル校となった県立高等学校の授業では一般的な全国のデータだけでなく本県のデータも示し、生徒ががんを身近な病気であると認識できるようにいたしました。また医師等の専門家による授業やがん経験者による講演会の開催など外部講師を積極的に活用しております。
 このように、がん教育の実施においてはがんに対する理解の促進と健康や命の大切さを主体的に考える態度の育成に取り組んでまいりました。小中学校においてはこれまでがんを生活習慣病の一つと捉えて学習を進めてきましたが、先日公表された次期中学校学習指導要領案においてはがんを取り扱うことが明記されました。
 県教育委員会といたしましては、これまでのモデル四校での取り組みを高等学校だけでなく小中学校にも生かしていけるようにしていきたいと考えております。そのためには保健分野を取り扱う教諭や養護教諭の研修会で周知し、健康福祉部や市町教育委員会との連携を図りながら、がん教育の一層の推進に努めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 大石裕之君。
       (三番 大石裕之君登壇)
○三番(大石裕之君) 御答弁ありがとうございました。
 再質問をさせていただきます。要望三点、質問四点でさせていただきます。
 まず一つ目、空港周辺地域における市町をまたぐ公共交通ネットワークについてでございますが、これは要望ですけれども、観光とかDMOで地域の皆さんがいろいろ取り組んで一生懸命やってくださっています。そういったときにもやはり公共交通のネットワークというのは非常に大事になるということもございますし、そういったときにやっぱり市なら市、町なら町というところだけで動いている自主運行バスというものは非常に使い勝手が悪い。これをできるのはやはり県しかいないだろうというように思います。
 空港に直接行くということだけじゃなくて、地域の足として、本当に大分若い人たちがふだんから昼間いないような地域も空港周辺にはございます。そういったところの高齢者の皆さんなんかは本当に足としても期待をされている部分が強くございまして、使い勝手のよいものであればそれなりに利用者は確保できるだろうというように考えておりますので、ぜひ今の検討会の中でも早く議論を進めていただいて、地域の足としてそしてまた静岡空港に対する利用者の増大ということにも含めてぜひお願いしたいと思います。
 次に、静岡茶の輸出拡大のための取り組みについてでございますが、先ほどのお話ではマーケットインということで海外の需要に対応したお茶の生産の研究をされている抹茶であったり有機茶であったりと、あとは残留農薬の問題があるというようなお話でございました。
 そして、もう一つ新たな輸出先がアメリカとEUでの取引の支援をするというような御答弁でございましたけれども、これにつきましては新たな輸出先ということを発掘する研究というものは具体的に現状なされているのかどうなのか、そこをちょっとお尋ねいたします。
 次に、ユニバーサルツーリズムの促進についてはですね、これは本当に今度二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックそしてその前のラグビーワールドカップ等もございます。こういったときに選手お一人お一人に、また何人ものスタッフとか関係者の方がたくさん随行でいらっしゃると思いますし応援団等もたくさんいらっしゃいます。そういった方々がこの伊豆を中心とした、また静岡県内全域に観光をして帰っていただく、そういったときに静岡県というのはユニバーサルツーリズムが非常に徹底されているなというように気持ちよく帰っていただくことが非常に大事だと。またそれが次につながると思いますので、知事のお話でもそのときが来たというふうにおっしゃっておりましたので、ぜひこれはあと民間との協力も含めてしっかり早く進めていただきたいというように要望させていただきます。
 次に、企業内保育所の整備促進についてはですね、これは答弁であったように待機児童の減少にも直接的に影響があるということは事実だと思います。そういった中で待機児童数も県内の地域によって偏りが部分的にありますので、これ国の事業なんで直接的には県としては支援するしかありませんということだと思うんです。けども、例えば地域によってはここに企業内保育所がありゃ、待機児童も減るなというようなところには、県のほうから市とか町とも協力をしながら企業に働きかけをするというようなところまでもう一歩踏み出して取り組んでもらうことはできないのかなというように考えておりまして、その点についてお伺いをいたします。
 次に、ヘルプマークについてでございますが、このヘルプマークこれは本当に大変有用性の高いものだと思っております。ただこれも例えば特別支援学校に通う子供たちなんかにも非常に必要とする子がいると思いますし、あと災害なんかでも避難するときにどなたをどう手助けが必要かというのも車椅子とか乗っていらっしゃればもちろんわかるんですけどそうじゃなければなかなか周りが判断できない、そういったときなんかにも非常に有用だと思うんです。その有用性というものについて部を超えてその検討会の中で議論をしていただきたいと思っているんですけれども、福祉からもう少し広い視野でお願いをしたいということで、その点についてもお伺いをいたします。
 そして次に、相良港及び相良シーサイドパークの周辺の利活用については、これは本当に県に協力をしてもらいたいということだけでございまして、地域の皆さん一生懸命今利活用を考えてはおりますんでぜひスムーズに進むように協力をしていただきたいと思います。
 そして、あと最後になります。がん教育に対する取り組みについて。これに対してはですね、親を亡くした子供が学校に行けなくなるという事実があるんですが、このことをどのように小中学校なんかは捉えていらっしゃるのか、そのことについて質問をいたします。以上、答弁を求めます。
○副議長(藪田宏行君) 若原農林水産戦略監。
○農林水産戦略監(若原幸雄君) 静岡茶の輸出に関する再質問につきましてお答え申し上げます。
 新しい輸出先の開拓等の研究を行っているかというお尋ねでございますけれども、県庁として何かそういうことをやっているというわけではございません。先ほどの副知事の答弁でもございましたけれども、現在私どもが予定しております構造改革事業では実際に販路を持っているような流通販売事業者そういった方々と生産側が直結した形でのさまざまな事業展開を支援させていただくということでございまして、例えば海外への貿易ということで、天皇杯まで受賞されたようなそんな茶業者さんも県内にはいらっしゃいますので、例えばそういう方々に比べて県庁が何か海外市場について知見を持っているわけではございませんので、むしろそういったすぐれた知見をお助けさせていただくというそういう形で支援をさせていただきたいと考えているところでございます。以上でございます。
○副議長(藪田宏行君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 企業内保育所の整備促進の再質問についてお答えいたします。
 企業内保育所は、一部企業では地域枠を設けて地域の方々にも開放しているということで非常にこの地域の待機児童の解消に役立っているところでございます。そうした点を見まして地域によりましては待機児童が多いところもございますので、市町ともしっかりと連携しましてそれぞれの企業に働きかけをしっかり取り組んでいきたいと考えております。
 また次に、ヘルプマークの導入と普及についての再質問についてお答えいたします。
 ヘルプマークは、障害のあることをしっかり示すという大きな役割がございます。その点につきまして教育の場においても障害があるかないかによって非常に有意義な役割も持っていると思いますし、また企業等で職場におきましてもこのマークがあることによってしっかりと障害者への対応というものも非常に可能になるということもありますので、教育委員会、経済産業部などとも連絡をとってしっかりこの導入についての効果等について検討していきたいと考えております。以上でございます。
○副議長(藪田宏行君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) がん教育についての御質問をいただきましてありがとうございます。
 ただいまお話ありましたように、がんについてはですね、昨年あたりも三十七、八万人の方ががんで亡くなっているという状況で考えていきますと人ごとではないと。それでお母さん、お父さんががんで亡くなるという場合もありますので、子供はやはり学校それから家庭そして地域そして職場というようなことでみんなで育てようということでやっておりますので、実際に学校のほうには現実の問題としては先生だけじゃなくてスクールソーシャルワーカー等も福祉の関係を含めておりますので、そういう方々と一体化してサポートしていきたいとこのように考えております。以上です。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

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