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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成15年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

池谷 晴一 議員

質問分類

代表質問

質問日:

10/01/2003

会派名:

KEN−MIN


質疑・質問事項:



    ○副議長 (小野健吾君)  ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 九番 池谷晴一君。
            (九番 池谷晴一君登壇 拍手)
    ○九番 (池谷晴一君)  このたび、 過日の選挙におきまして初当選いたしました議員五名により、 会派KEN―MINを結成いたしました。 当初の会派届締め切り後の届け出となりましたが、 皆様に御理解いただき結成することができましたことにつきまして、 まずお礼申し上げます。
     本会派KEN―MINは、 むだな公共事業をなくし、 効率的で信頼に足る行政運営など高度成長時代の行政手法の大胆な変革を求めますとともに、 少子・高齢化時代に対応した、 若者が将来に夢を持てる社会、 そしてだれもが安心して安全に生活できる地域社会の実現に向け努力してまいります。 また、 県民の意見が県政に十分反映されるように、 県民の目線で議員活動に取り組み、 県、 県議会の発展、 そして県民の皆様の福祉増進のため、 一同力を合わせ精いっぱい努力してまいりますので、 皆様の御指導よろしくお願い申し上げます。
     それでは、 会派KEN―MINを代表し、 知事、 関係部長及び教育長に質問いたします。
     一点目、 知事の政治姿勢についてお伺いします。
     初めに、 今後の県政運営に当たり、 その基本姿勢についてお伺いいたします。
     平成五年八月の知事就任時の県議会臨時会で知事は、 「広く県民の声を聞き、 常に時代の変化に対応した手づくりの開かれた県政運営に努める。 また多様な県民ニーズにこたえた感性豊かな地域づくり、 未来づくりを進めていくため、 基礎的自治体である市町村の振興、 発展を図り、 地域の自主性や歴史、 自然などの特性を生かしたふるさとづくり事業を積極的に支援するなど、 県と市町村とが相互に連携、 協力しながら、 総合的でしなやかな行政運営に努める。 また、 静岡県は一つの心に立って公平、 公正な行政運営に努め、 快適で安全な地域づくり、 心豊かな社会づくり、 活力ある世界に開かれた県土づくりなどに積極的に取り組んでいく」 と発言されました。
     この知事の言葉にありますように、 広く県民の声を聞き、 常に時代の変化に応じた公平で公正な行政運営と快適で安全な地域、 心豊かな社会の実現は県民だれもの願いであります。 この十年、 知事は県民のため、 手がたく着実な行政手腕を発揮されてきたとの評価を聞いております。 しかし現在、 国、 都道府県、 そして市町村等を合わせ七百兆円に及ぶ債務、 また本県における二兆円に近い起債の存在など大変厳しい財政状況にあり、 今後の県政のかじ取りも大変難しい状況になると思います。
     地方は今、 長期の景気低迷が続き、 中小企業は青息吐息であり、 高い失業率も解消される兆しが見えません。 また都市の中心商店街は空洞化しています。 地方都市の財政が破綻してしまうと、 福祉や環境、 治安など生活環境を保護する地域社会の諸施策が実施できなくなり、 地方都市は持続可能な成長どころか、 将来的には崩壊の不安すら出てくるのではないかと感じられます。 まさに地方自治にとっても、 産業経済にとっても、 私たちの生活環境においても、 これまでにない大きな変革の求められているこのとき、 知事の大胆かつ柔軟な行政手腕による行財政改革と地域再生のシナリオを県民は大いに期待していると思います。
     知事は就任からの十年を振り返ると同時に、 諸課題が山積し大変厳しい財政状況の中、 今後の県政の運営に当たり、 改めてどのような基本姿勢で臨まれるのかお尋ねします。 また現在急速に進行中の市町村合併について、 合併を行わない小規模市町村の将来及び政令市等大都市と小規模市町村が混在することとなる県の将来、 そして道州制等、 地方自治の将来像についてお考えをお伺いします。
     次に、 三位一体改革についてお尋ねします。
     政府において、 地方分権の骨格をなす三位一体改革の議論がなされています。 この三位一体改革は、 国の財政状況と相まって、 中央集権から地方分権への改革実現のための第一歩として位置づけられる極めて重要な問題であることに加え、 住民税や消費税などの増税の布石ともなり、 住民に直接かかわる大変重要な問題でもあります。 地方自治体の立場から見た場合、 求められることは多元方程式の三位一体改革を同時に実行することでありますが、 国の財政再建をなりふり構わず先行し、 地方への税源移譲を先送り、 あるいは不十分ということになると地方は非常に困った状況となります。
     現在、 これら課題に対するアピールが地方自治体首長から相次いでおり、 知事も八月二十七日、 新しい日本をつくる国民会議のメンバーの一人として、 補助金に関する改革案を発表しました。 知事は補助金九兆九百億円を廃止し、 八兆二千億円の税源移譲を提言しておられます。 どういう補助金を返上し、 どういう税源の移譲を受け、 どういう分野に重点的に配分していくということを考えておられるのか、 そして国における補助金の見直し作業の進捗状況などについてお尋ねします。
     一方、 地方交付税の見直しは財政的に体力の弱い地方自治体には特に厳しい状況となります。 国から仕事は来るけどお金は来ないという構図が進むと、 自立はさらに期待できなくなり住民福祉は後退します。 小規模で財政力が弱い市町村に対し、 国及び県が現在考えておられる対応施策をお伺いします。
     次に、 事務所運営費――プール金問題についてお伺いします。
     今回の問題については、 職員同士のなれ合い、 慣習が職員の正義の意識を閉じ込めてしまった感があります。 この問題を生んだ背景としては、 職員個々の倫理意識の欠如のほか、 三年から五年程度で職場異動してしまうことに起因する、 事なかれ主義的体質を助長しやすい構造的なものもあると思います。
     また、 例えば目まぐるしく変わる社会情勢に迅速に対応するため予算がすぐに必要な場合でも、 一般的には次年度予算に計上して次年度予算の中で対処する、 あるいは補正予算計上して対応するという仕組みになっており、 民間のような迅速な対応ができないという、 まさにお役所仕事と言われる事態になるということもあると思います。 市町村の中には、 すぐやる課を設置して住民要望に即こたえるというところもありますが、 同様に、 どうしても必要と判断される場合には、 職員要望に即座に対応し得る予算執行の仕組みづくりも一方では必要であり、 さらに公金に関しては現金扱いを極力避けるなど、 不正が発生しないような事務処理体制の構築やホームページによる公開等も必要であると考えます。
     いずれにいたしましても、 地域のルールをつくり、 また執行する公務員がみずからルールを破ることは絶対に許されないことであり、 不正は許さない、 起こさないという確固たる職員倫理を確立していくことが何よりも重要であります。 本件につきましては、 さきに知事及び教育長に会派として意見書を提出してありますが、 一連のプール金問題を総括した知事の御所見を伺うとともに今後の対応及び再発防止策についてお伺いします。
     二点目、 防災対策についてお伺いします。
     まず、 東海地震注意情報及び警戒宣言時の対応についてお伺いします。
     中央防災会議は本年七月に地震防災基本計画を修正しました。 これにより警戒宣言前の段階で異常データが観測された場合の新たな防災体制が示されるとともに、 東海地震注意情報が出されることとなりました。 この改正に伴い、 県及び市町村の地域防災計画について見直しが必要になると思われますが、 どのような方針で、 どのような点を重点に見直し、 対応、 そして指導していかれるのかお伺いします。
     住民の防災品備蓄状況は、 平成十三年度の県民意識調査データによりますと、 例えば非常持ち出し用食料が五四%、 三日以上の飲料水備蓄が二四%であり、 まだまだ不十分と言わざるを得ません。 注意情報は東海地震につながる前兆現象の可能性が高まった場合に出されるわけで、 防災品の備蓄のない住民がこの情報を聞き、 一挙に防災品の購入に殺到し、 大混乱、 パニックを招くこととなるということも考えられます。 大規模地震対策特別措置法施行から既に二十五年を経過し、 地震に対する住民の意識がマンネリ化しつつある現在であり、 一たん冷えてしまった防災、 自助意識を原点に戻す、 もう一度初心に戻すことは容易なことではないと考えられますが、 この点についての有効な施策についてお尋ねします。
     また、 病院や小売店舗については建物の耐震性があり、 備品等転倒防止措置が十分であるなど安全性が確保されている場合には、 警戒宣言後も開業、 営業が継続可能となります。 これら施設については、 該当施設である旨の公表や表示等の対応も住民の安心という点からは必要であると考えます。 一方、 さまざまな事由により施設的には開業、 営業可能でありながら行えない場合や買い占め、 売り惜しみ等に対応するためには、 支援施策あるいは私権制限などが必要となるケースも想定されます。 病院や小売店舗の開業、 営業の継続にかかわる課題や対応施策についてお尋ねします。
     次に、 過日の宮城県連続地震においては、 幸い死者は出なかったものの家屋の倒壊が多くあり、 特に学校施設の被害は百七校にも及びました。 公共施設は防災拠点ともなるものであるため、 早急な耐震補強が必要です。 県及び市町村においては積極的に取り組んでいるところでありますが、 この点について現状と一層の促進施策についてお尋ねします。
     次に、 住宅及び民間建築物の耐震化促進についてお伺いします。
     昭和五十六年の建築基準法改正前の一般住宅や民間建築物は多く存在し、 補強工事も余り進んでおらず、 県民への耐震化の働きかけがより一層必要と感じています。 先月二十六日に発生した十勝沖地震は、 マグニチュード八という巨大地震でありましたが、 震源地が遠く、 また深かったため揺れや津波による被害も比較的少なかったようです。
     しかしながら東海地震につきましては、 震源地は近く、 また浅く、 今回の地震とは比較できないほどの揺れ、 そして津波が想定されています。 人命を最優先に考えた場合、 まず津波に対する避難対応を迅速、 的確に行うほか、 家屋の倒壊や家具類の転倒により人がつぶされることを何とかしなければなりません。県及び市町村が一体となって進めているプロジェクト 「TOUKAI―0」 の推進とあわせ、 デパート、 ホテルや事務所ビル等民間建築物の耐震化の一層の促進方策についてお伺いします。
     次に、 突発型地震への対応についてお尋ねします。
     中央防災会議の専門調査会は、 東南海及び南海地震対策に係る防災対策推進地域の指定案を決定しましたが、 この中に静岡県内三十六市町村が入っています。 特に、 これら地震と東海地震が同時に起きる可能性も指摘されており、 仮に同時に発生した場合は被害が広範かつ甚大となり、 また医師や自衛隊等の支援についても、 分散、 遅延するなど大変な事態が想定されます。 神奈川県西部地震や東南海、 南海地震など予知が不可能とされている突発型地震を考慮した場合、 防災体制の再構築等検討も必要と考えますが対応をお伺いします。
     次に、 富士山火山防災対策についてお尋ねします。
     先月、 富士山の小富士北東斜面で地面の陥没と噴気を確認したという気象庁の発表があり、 ちょっとびっくりしたところですけれども、 富士山ハザードマップ検討委員会が発表した富士山火山防災マップ案では、 溶岩や火山灰により富士山周辺の市町村が大きな被害を受けるとともに、 東名高速や国道一号、 二四六号、 新幹線等にも被害が及ぶことを想定しています。 国、 県及び周辺市町村においては、 火山防災計画の策定など適切な検討が必要と考えます。 国や周辺の県、 市町村、 関連防災機関等との協議状況及び今後の対応についてお尋ねします。
     三点目、 ファルマバレー構想推進のための施策についてお伺いします。
     富士山ろく先端健康産業集積構想、 いわゆるファルマバレー構想は、 長泉町の県立静岡がんセンターの開設により構想実現に大きく一歩を踏み出し、 さらに国の構造改革特区認可を受け順調な滑り出しを見せていますが、 一方の柱である関連する大学院大学や福祉看護系専門学校、 リハビリやスポーツ、 レクリエーション、 健康増進産業など関連産業の招致、 そして雇用促進等については進んでいません。 この実現のためには、 まず都市基盤整備が必要であり、 その第一は交通基盤の整備であると思います。
     県東部地域は首都圏からのアクセスにすぐれていると言われますが、 東京、 神奈川の太平洋沿岸地域と本構想エリア南端地域は、 新幹線や東海道線など優位な鉄道で結ばれているものの、 新宿、 小田急線沿線地域と本構想エリア東端地域は、 鉄道路線であるJR御殿場線の電車運行本数が少なく、 有効に結ばれていません。 産業及び人口の集積地域である神奈川及び東京の小田急線沿線地域と本構想エリアを、 鉄道により有機的に結ぶことが関連産業招致の大きな条件であると考えられますが、 距離的には通勤、 通学圏内となっているものの、 JR御殿場駅と松田駅間の電車運行本数が少ないため、 その優位性を生かすことができていない状況にあります。
     現在、 神奈川県内を含む沿線十三市町で御殿場線輸送力増強促進連盟を組織し、 電車運行本数の増加等についてJRなどへの陳情活動等を行っていますが、 静岡県としても隣県神奈川県及び沿線市町等と協働して、 施策を講じる必要があると思います。 御見解をお伺いします。
     次に、 構想推進に係る規制緩和及び企業誘致促進施策についてお伺いします。
     健康関連産業の振興と集積を図るという構想推進のためには、 国に対して構造改革特区申請を行うばかりでなく、 静岡県の範疇でできるさまざまな規制緩和施策や企業誘致促進施策も必要であると思います。 例えば県が所管する許認可の中で、 適用除外エリアの創設、 ワンストップ窓口の設置、 集中審議、 標準処理期間の短縮、 そして関連法令等の弾力的運用なども可能であると考えます。
     また、 あわせて企業誘致に係る総合的促進、 調整組織体制の構築や関連道路、 河川等公共施設整備、 各種の税の優遇制度の創設なども有効ではないかと思います。 県が定めたプランに基づくものについては積極的に規制緩和と企業誘致促進のための制度創設等を行い、 ハード、 ソフト両面において有利な立地基盤を整え、 優良な産業を迅速に招致し、 育て、 雇用促進を図る施策が必要であると考えますが御意見を伺います。
     四点目、 静岡空港についてお伺いします。
     本件につきましては既に他の会派の代表質問でも議論されておりますので、 若干観点を変えて質問いたします。
     静岡空港の意義は直接的には県民の利便性向上となりますが、 一方では波及効果として県内産業経済の活性化、 そしてそれに伴う雇用創出等があると思います。 例えば観光産業振興について考えてみますと、 世界各国においては観光産業振興に多くの予算をつぎ込み、 自国へ外国からの旅行者の増加を図る策を講じており、 世界の平均ではGDPに占める観光産業の割合が一一%に達すると言われていますが、 日本においては国、 地方公共団体とも観光産業振興に対する意識がまだまだ低く、 旅行者の数についての国際観光収支は約一千百万人の大幅な赤字となっています。
     外国に比較して日本の観光資源は決して劣ってはいないと思っており、 国の観光立国に向けた的確、 早急な取り組みが待たれるところですが、 例えば伊豆、 箱根、 富士山への玄関口は静岡空港というイメージの確立ができれば、 空港を核とした観光立県静岡の実現が図れ、 また県内総生産も飛躍的に高めることが可能ではないかと考えられます。
     まず、 空港建設に係る経済効果、 そして開港に伴う新規企業立地や観光等産業振興、 雇用促進などの波及効果及び便益予測をどうとらえておられるのか、 また、 これを高めるための効果的施策についてお尋ねするとともに、 空港建設コストの縮減方策及び反対地権者との協議の状況と今後の対応について知事にお伺いします。
     五点目、 少子化対策についてお伺いします。
     児童健全育成推進財団の資料によると、 出生率低下の原因として子育て費用の負担の増大が一番に挙がっており、 どのような子育てのサポートがあれば子供を持つかという問いについては、 子育てに理解のある職場環境の整備や就業時間の短縮、 保育の充実、 教育費用の軽減などが回答されました。 そこで、 これら課題を解消し少子傾向を是正するための施策として、 まず子育てに優しい就業環境の整備についてお尋ねします。
     男女共同参画社会の構築が提言、 実行され、 育児休業の制度は整いつつあるものの、 現状は父親が育児休業を取得する例はまれで、 子育てに係る負担の多くは女性にかかっており、 子供ができたら仕事をやめなければならないケースもあります。 特に、 一般的には大企業に比べ中小企業の子育て支援の対応がおくれていると考えられますが、 こうしたことを踏まえ、 女性が育児のための休暇を取りやすくなるような職場環境を醸成するため、 企業を対象とした一層の女性就業促進施策が必要と考えます。 県の女性就業促進施策の現状と課題についてお伺いするとともに、 女性が育児のための休暇を取りやすくするなど、 職場環境の整備を積極的に行っている中小企業を直接応援することは他の企業への波及効果もあり有効と考えますが、 この点も含め女性の就業促進に係る施策についてお考えを伺います。
     次に、 仕事を持つ母親は保育所に子供を預けなければならないケースが多くあります。 女性の就労及び子育てと直接リンクする待機児童の問題は、 早急に解決しなければなりません。 文部科学省と厚生労働省の所管の違い及び根拠法令の違い等、 縦割り行政制度に起因する幼稚園と保育園の二元体制の中で、 両施設の共有化や幼稚園における預かり保育等さまざまな取り組みが多くの自治体で行われていますが、 本県における現状及び待機児童問題の解消に向けての今後の対応についてお伺いします。
     次に、 乳幼児医療費助成制度の拡充についてお尋ねします。
     現在の乳幼児医療費助成制度は、 国の医療保険制度の自己負担分を県と市町村が助成する仕組みとなっていますが、 助成対象とする乳幼児の年齢や入院日数制限、 個人負担額などについて、 事業主体である市町村によりばらつきがあるのが現状です。 市町村長の政治姿勢を見せるよい機会ではありますが、 これは住民にわかりにくく、 また行政の公平、 公共性から見ても問題が多いと思います。 住民は転入の際、 制度のゆがみに直接遭遇することとなり、 行政や医療機関に対し不信や不満を訴えるケースもあると聞きます。 当然ながら県民からは、 就学前の適用を望む声が強くあります。
     本来は国策として少子化対策の見地からも制度を拡充、 統一化すべきであると思いますが、 まず県として助成対象年齢を一律就学前までに統一する施策を提言したいと思います。 全県一律就学前までの助成制度は、 県内外に少子化施策をアピールしやすく、 子育てに優しい静岡県というイメージアップにもつながると思います。 市町村により財政事情の違いがありますが、 この実現のために県がリーダーシップを発揮したらどうかと考えます。 御見解をお伺いします。
     六点目、 文化芸術振興施策についてお伺いします。
     平成十三年に文化芸術振興基本法が制定されました。 その第四条及び第三十五条において、 地方公共団体の責務や施策推進等が規定されており、 これを受け、 現在、 国内では東京、 熊本、 北海道、 富山の四都道県で文化芸術振興基本条例が制定され、 宮城、 鳥取などで条例制定に向けての準備が進んでいます。
     静岡県における文化芸術振興については、 平成八年三月に文化振興指針を決定し、 感性豊かな文化立県の実現を目指すための方針を定め、 各種文化振興施策を推進してきました。 この中で 「文化振興のためには、 県及び市町村そして民間等が、 それぞれの役割に応じ連携を図りつつ長期的な展望に立ち、 継続的に推進すべきである」 と提言されているところであります。
     スポーツについては、 全県下至るところでさまざまな大会が常時開催され、 また県及び市町村ではスポーツ振興計画を整備中であり振興基盤が整いつつありますが、 一方、 文化芸術振興については、 この点おくれていると感じています。 生きがいを持ち、 積極的な学習の姿勢が健康をつくり、 健康寿命を延ばし、 結果、 住民福祉向上が図れるわけで、 文化芸術はスポーツと連携、 競合し、 車の両輪のごとく機能して生涯学習社会の構築に直接寄与するものであると考えます。
     私は市議会議員のときに、 この基本条例の提案直前まで進めましたが、 市当局から 「県ができていないので待ってくれ」 と言われて断念したことがあります。 県がやれば市町村が追随し、 結果として県全体の振興が図れると思います。 平成八年制定の文化振興指針に基づき振興を図ってきた当県の文化芸術振興に関する検証、 並びに県内市町村、 民間企業等との連携、 協議などの状況についてお伺いするとともに、 文化芸術振興に対する基本姿勢及び基本条例制定に係る課題と方針について知事に改めてお伺いします。
     次に、 本法律に係る参議院文教科学委員会の附帯決議の中で、 特に児童期の芸術文化教育の充実についての配慮が決議されましたが、 この点についての取り組みと成果についてお伺いします。
     七点目、 NPO育成施策についてお伺いします。
     現在、 県内のNPO法人数は三百十一で順調に増加しています。 法人の予算規模は大変小規模なものから数億円に及ぶものまであり、 活動分野も福祉、 環境、 文化、 スポーツ等多岐にわたっております。 しかしながらNPO法制定から五年が経過した現在、 さまざまな課題も浮かび上がってきています。
     まず、 法施行後三年以内に税制面の検討を行うこととなっており、 これによりできた認定法人制度については、 全国約一万二千七百の法人の中でたった十五しか認定を受けられない現状となっています。 これは認定法人制度そのものが、 法人の実態から大幅にかけ離れていることを如実にあらわしています。 このため、 ほとんどのNPOは税制面の優遇が受けられず、 少額寄附が集めづらい状況となっています。 一生懸命自立の努力をし、 少ない会費を原資として地道な活動をするNPOよりも、 単に多くの寄附金を集めることができるNPOの方が税制面で優遇されるという、 弱者に厳しい実態となっています。
     私はこれからの本格的な少子・高齢化社会においてNPOの果たす役割は多大であり、 まず自立できるNPOの数をふやし、 雇用促進を図ることが第一であると思っていますが、 例えばその一方策として、 公益性の高いNPOについてはNPO本体に対する課税を優遇して、 設立及び活動を促進し、 女性や高齢者を含め、 働く社員の増加を図る方策が有効であると考えます。 これにより、 行政としては県・市町村民税の増収や医療費削減などを図れることとなります。 NPOの設立及び活動に係る税制面の現況及び支援施策について御見解をお伺いします。
     次に、 NPO育成のためには活動資金の調達、 あるいはさまざまな固定資産や流動資産の取得に係る金融機関のより柔軟な対応や、 信用保証制度などの整備も必要です。 さらに、 県はこれまでもNPOの周知や人材育成などに積極的に取り組んでこられましたが、 依然、 活動の核となるリーダーや会計、 マネジャー等の人材、 また相談に応じるカウンセラーが足りないという声も聞こえてきます。 NPO活動促進に係る資金調達の課題への対応及び人材育成施策についてお伺いします。
     八点目、 廃棄物処理対策についてお伺いします。
     現在、 一般廃棄物については各市町村が生ごみの堆肥化やごみ袋対策、 分別収集等さまざまな施策を講じ、 ごみ減量に努力しています。 一方、 産業廃棄物については県の責任において処理対策が講じられていますが、 一般廃棄物と産業廃棄物の区別等については、 廃棄物の処理及び清掃に関する法律、 並びに同法施行令により規定されているものの、 実際はどちらの廃棄物に該当するかという判断は難しい状況となっています。
     本来、 事業活動に伴って生じる廃棄物はすべて産業廃棄物であり、 これについてはすべて事業者の責任において処理されるべきであり、 一般住民に負担を転嫁することはおかしいと考えますが、 現状は、 一般廃棄物か産業廃棄物かという判断により、 市町村が処理するのか県が処理するのか迷うこととなり、 特に不法投棄の場合にはどちらとも判断できないケースが多く、 的確、 迅速な対応をおくらせる要因ともなっています。 県と市町村との連携強化を図り、 協働で対応することが迅速、 的確な廃棄物処理を可能にすると考えられます。 県において廃棄物処理センターを東部、 中部、 西部にそれぞれ設置し、 廃棄物の適正処理体制を充実して、 周辺市町村との連携を強化しつつ協働で廃棄物対策を講じることも検討に値すると考えます。 御見解をお伺いします。
     次に、 平成五年から十四年度までの県内の不法投棄件数について、 その約六〇%が富士山ろくへの不法投棄であります。 県においては富士山ろく不法投棄防止対策強化事業を展開していますが、 「遠くから見ると美しいが、 近くで見るとごみが散らかっていて汚い」 などと言われている富士山を、 「世界一きれいな山」 と言われるようにすること、 また世界中から多くの観光客を呼ぶことができるような山にする責任が、 地元市町及び県、 そして国にあると考えます。 特に、 パトロールを充実し、 県外からの廃棄物搬入について厳しくチェックするなど、 捨てられる前の段階での対策が大変重要と考えます。 富士山周辺における廃棄物の不法投棄を未然に防ぐための一層の対応策についてお伺いします。
     九点目、 健康福祉行政についてお伺いします。
     まず、 難病患者支援施策について伺います。
     昭和四十七年に制定された国の難病対策要綱に基づき、 県においても特定疾患治療研究事業実施要綱を策定し、 医療費の患者負担軽減のほか、 難病患者やその家族の生活向上、 ホームヘルプサービス等居宅生活支援事業を行っており、 評価するところですが、 これら制度の一部について、 利用する方が少ないということを聞いています。 せっかく立派な支援体制をつくっても利用者が少なければ意味がないわけで、 この点についての課題と有効に利用していただくための方策について、 まずお尋ねします。
     次に、 現在、 国が定めている調査研究対象の特定疾患は百十八あり、 このうち医療費の公費助成を受けられる疾患は四十九となっていますが、 例えば、 国が定める調査研究対象の難病であるものの医療費の公費助成が受けられない脊髄空洞症の方は、 外見上は何の異常もなく日常生活も何とかできますが、 時折激しい痛みに襲われるため、 仕事を休んだり遅刻するということが起こり、 通常の会社勤務ができません。 また県の医療費公費助成対象疾患でも、 医療受給者証の交付申請について不承認となった場合、 通常の会社勤務ができず、 生活面で大変困っていても医療費の助成が受けられないし、 障害者認定も受けられない状況となります。 患者の生活面にも考慮し、 困っている方に優しい福祉行政を望むものであります。 特定疾患患者の自立、 そして社会参加を促進する施策及び家族の生活基盤安定施策についてお伺いします。
     また、 特定疾患治療研究事業により公費負担制度の契約医療機関は多くあるものの、 難病についてその治療法に熟知している医療機関は少ないと聞いています。 患者は合併症を持っている方も多く、 専門病院でなければ対応が難しい点があり、 さらに長時間の診察待ち時間に耐えられない患者も多くいます。 難病患者の実情に沿った医療及び受け入れ体制の構築、 並びに難病に的確、 迅速に対応できる地域難病センターの設置など、 特定疾患治療研究事業の一層の充実方策についてお伺いします。
     次に、 ハンセン病に係る施策についてお伺いします。
     現在、 全国七カ所の施設に、 八十五人の本県出身の元ハンセン病患者がいます。 県内では御殿場市内に二カ所のハンセン病元患者の療養施設があり、 本県出身者三十三名を含み、 百六十一名の皆様が入所しています。 ハンセン病問題については、 平成十三年五月の熊本地裁判決の確定を受け、 小泉総理が謝罪をし、 また知事も療養所を訪問されるなど対応されてきましたが、 まだまだ国民、 県民の意識は低いと思います。 地元施設においては、 地域の子供たちとのボランティア交流や盆踊り、 花火大会等を行っており、 私も参加させていただいているところですけれども、 入所者と地域住民との交流事業を積極的に行い、 地域に溶け込みながら地域住民の一員としての人格形成を図っています。
     ハンセン病元患者については、 医療費や障害者支援等一切を国庫負担として対応しており、 このため若干ケアが薄くなる点もあり、 的確な対応を期待するところでありますが、 県においても、 里帰り事業や見舞い品の送付等実施されているものの、 ハンセン病に係る歴史的な背景、 そして元患者の皆様が高齢となっている点等を考えますと、 国が行う施策に加え、 元患者の皆様や家族が幸せに余生を送ることができるための一層の支援を願うものであります。
     こういう不幸な歴史を繰り返さないため、 そして後世に残すため、 県全域への啓発や交流事業の一層の拡大施策についてお伺いするとともに、 神山復生病院内に存在する資料館の整備に係る支援などについてお伺いします。 さらに、 国立駿河療養所については、 入所施設の将来の活用、 運営等についてのプラン構築などについても施設及び地元市、 県、 そして入所者を交えた共同組織体制の樹立及び支援が必要と考えます。 対応をお伺いします。
     十点目、 中小企業支援施策についてお伺いします。
     県制度融資は本年七月の借りかえ制度や九月からの元金均等償還選択制度の創設など、 利便性の向上に取り組まれていることについて評価するところでありますが、 融資を受ける中小企業にとって最も重要なことは、 必要なときに必要な資金が得られることであります。 特に取引先の倒産などの緊急事態が生じた場合、 運転資金を確保することは企業が経営を続けるためになくてはならないものであり、 この資金が遅延すると連鎖倒産につながりかねません。 また通常の場合でも、 健全な経営を行うためには円滑な資金の供給は必要なことであり、 県の融資制度は緊急の事態に陥った企業や、 健全な経営を目指す企業にとって最も頼みとできる資金であると考えています。
     しかしながら現状を見ると、 保証協会や金融機関に申し込みをしてから融資実行されるまで、 かなりの日数を要すと聞いています。 融資が実行されるまでの期間をでき得る限り短縮することが制度融資の利便性を向上させる最大の手法であると考えます。 融資実行されるまでの期間の現状及び期間短縮についてお伺いします。
     次に、 現在金融機関においては、 金融再生プログラムをもとに不良債権処理が進められ、 これにより一部の中小企業には融資がされにくい貸し渋りの状況が発生しやすくなり、 企業の資金繰りに悪影響を及ぼしていると聞いています。 幾らメニューをふやし、 あるいは金利を低くして充実しても、 貸し渋りが発生しては制度融資は全く機能しません。 本制度が中小企業の資金運用の円滑化を支援する制度であるならば、 貸し渋りは絶対あってはならないものであると考えます。 本県における貸し渋りの状況と対策についてお伺いします。
     最後に、 教育行政についてお伺いします。
     まず、 地域スポーツクラブの育成についてお尋ねします。
     文部科学省では地域のスポーツクラブを育成し、 地域が子供たちの受け皿となって健全な育成を図るとともに、 成人、 高齢者等との交流や健康増進を図るという指針を出しています。 学校は勉強のみ、 人格形成は地域のクラブというスタイルで、 伝統ある地域のクラブが育成されている国も多くありますが、 日本では学校教育において部活を充実した方が子供たちの人格形成、 健全育成等が図れるという意見もあります。 また一方では、 子供たちは学校の部活や塾等で忙しく、 とても地域行事に参加できないという状況もあり、 地域のスポーツクラブの育成には課題が多いと考えます。 地域のスポーツクラブと学校の部活動についての考え、 また地域のスポーツクラブの育成方策について教育長の御所見をお伺いします。
     次に、 学校施設のあり方についてお伺いします。
     子供たちの部活動等におけるけがのほか、 学校校庭や体育館を利用しての地域行事、 スポーツ大会などの際に、 社会人や女性、 高齢者の骨折や捻挫、 アキレス腱切断という事故が多発しています。 また現在、 青少年を中心に競技人口が飛躍的に増大しているフットサルを構造的な理由により、 体育館で行うことを禁止している学校が多いと聞いています。 さらに子供たちの活動や地域の行事などを一緒に見るための観客席の設置について進んでいないなど、 学校の施設構造に関する課題が多いと思います。
     子供たちを含む利用者のけがの軽減という観点からは、 例えば校庭の天然芝や人口芝化を図り、 また社会人等のニーズに対応した構造とし、 さらに地域の皆様の見学ということにも配慮した施設整備を図るなどの施策を講じ、 学校施設を子供たちから高齢者まで、 地域の住民だれもが安心して利用でき、 また見学できる施設にしていくことが必要であると考えます。 これにより、 一方では地域行事などの開催が容易となり、 また住民も参加しやすくなるなど地域コミュニティー醸成も図れると思います。 これからの学校施設の構造、 役割などそのあり方と対応についてお考えを伺います。
     以上、 御答弁よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。 (拍手)
    ○副議長 (小野健吾君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  池谷議員にお答えをいたします。
     初めに、 私の政治姿勢についてのうち、 県政運営の基本姿勢と地方自治の将来像についてであります。
     私は知事に就任して以来、 地震防災対策を初め、 ユニバーサルデザインの普及、 未来を開く人づくりの推進、 産業及び交通基盤の整備など、 県民の安全を守り、 真に豊かさの実感できる県民生活を実現するために、 多方面にわたり県づくりの基礎となる施策に積極的に取り組んでまいりました。 また昨年四月には富国有徳を基本理念に掲げた総合計画を策定するとともに、 行政の生産性の向上を図るため、 日本版NPMとも言うべき目的指向型行政運営システムの確立に向けた取り組みを推進しているところであります。
     今後も引き続き県民の皆様との協働により、 県民本位の開かれた県政運営に努め、 住む人にも訪れる人にとっても魅力ある地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
     次に地方自治の将来像についてでありますが、 現在、 第二十七次地方制度調査会において、 合併特例法期限後においてもさらに市町村合併を推進するために、 県による市町村合併構想の策定や勧告、 あっせんの制度化について検討が行われているところであります。 県といたしましては、 こうした市町村合併の進展に伴い、 今後は県のあり方の議論が必要になるものと考えております。 ことし一月には、 県内を政令指定都市と小規模市町村を含むそれ以外の市町村とが連携して構成する政令指定都市同様の権限を持つ広域連合に再編することを提案したところでございます。
     こうした自治能力の高い地方公共団体が誕生した後、 国においては、 外交、 防衛、 司法、 金融等の本来的な役割を専ら担うこととし、 それ以外の権限が都道府県に移譲されてくることを想定していく中では、 都道府県合併も避けて通れないものと考えております。 このような市町村、 県、 国全般にわたる内政制度の改革については、 国が一律に制度設計するのではなく、 今後は地方自治体みずからが改革努力を示した上で、 地方から国へ積極的に提案、 提言し、 地方自治を確立していくことが重要であると考えております。
     次に、 三位一体改革についてであります。
     今回の三位一体改革の議論につきましては、 従来の国庫補助負担金の整理、 合理化の視点とは違い、 地方のことは地方みずからが決定するという地方自治本来の趣旨を目指したものと私は理解をしております。 また多くの地方団体関係者もそのように期待をしているところであります。 したがいまして、 国庫補助負担金の整理に当たっては、 特定地域や、 ある一定の期間における特定の時期における臨時、 巨額の財政需要で税源移譲になじまないものを除いて原則として廃止した上で、 安定的で偏在の少ない所得税、 消費税を中心として地方に税源移譲すべきであると考えております。
     現在、 国においては来年の予算編成に向けて、 国庫補助負担金などの具体的な見直しが始まったところでありますので、 国の予算編成の状況を見ながら、 今後とも真の地方自治確立に資する三位一体改革の実現に向けて、 国などに強く働きかけていく考えであります。
     また、 小規模な市町村に対する対応でありますが、 自治体間に財政格差が依然として存在し、 また移譲される財源によっては団体間で偏在することも想定されます。 したがいまして、 引き続き交付税が財政調整機能や財源保障機能を果たす必要があると思いますが、 ただ、 今日の国、 地方を通ずる危機的な財政状況、 あるいは今後の低成長、 仮に経済が安定するにしても、 低成長経済体質であるということを想定するときには、 これまで我々が交付税制度を中核にしながら、 地方財政計画などを通じて地方行政に保障されてきたレベル、 これが今後とも維持されると考えるのは、 いささか甘きに過ぎるというふうに考えます。
     したがって、 今日、 合併を選択しない市町村がございますが、 これはいろいろな事情、 背景があるわけでありますけども、 その選択に当たっては、 十分にこのような中長期的な観点を踏まえて、 みずからの選択が本当にその地域にとっていいことなのかどうかということを真剣に考えた上で決定すべきではないかというふうに私は考え、 またそういうことを関係の市町村初め関係者にも申し上げているところでございます。 重ねてこの場でそのことを付言しておきたいと存じます。
     次に、 プール金問題であります。
     今回の調査の結果、 多数の所属に平成八年度以前から引き継がれた事務所運営費が存在し、 不明朗な公金支出と多額の使途不明金が確認されたことにつきましてはまことに遺憾なことであり、 県民の皆様及び県議会の議員の皆様に深くおわびを申し上げます。
     今回の問題は、 まことに残念ながら、 法令遵守に対する職員の意識の希薄さに原因があったと考えておりますことから、 職員意識と組織風土の改革に向け全職員を対象とした特別研修を本年度から来年度にかけて実施をし、 法令遵守の徹底を図ってまいります。 また不正行為等の再発防止のため、 きょう、 財務執行等の監察を行う監察スタッフを総務部に新設いたしました。 加えて組織内部の不正行為等を職員が何らの不利益を受けることなく通報できる静岡県倫理ヘルプラインを創設いたしました。 さらに、 監査の透明性、 公平性をより一層確保する観点から、 今後二年間で財務会計監査業務のおおむね半分を目途に公認会計士等へアウトソーシングをすることとし、 その具体的方策、 手順を考えてまいります。
     次に、 ファルマバレー構想の推進のための施策についてのうち、 規制緩和及び企業誘致促進施策についてであります。
     ファルマバレー構想を着実に推進するためには、 県立静岡がんセンター研究所等の研究拠点の整備や県内外の大学、 企業との産学官連携の受け皿づくり、 民間企業とのネットワーク形成などにより、 企業や研究者にとって活動しやすい魅力的な環境づくりが大切であると考えております。
     こうした環境の醸成に向けて、 国や県東部の市町村等との連携が必要でありますことから、 県では今年度設置したファルマバレーセンターを中心に、 関係機関と密接に情報交換を進めるとともに、 県内民間企業や東京工業大学、 県立大学との交流会等を通じて研究開発に関する情報の把握にも努めているところであります。 また県では活力ある産業の集積を図るため、 今年度から立地企業への助成など企業誘致施策の拡充を図ったところであります。
     今後とも、 それらの施策の活用に加え、 ファルマバレー構想の国内外へのPR、 市町村の取り組みを支援するセミナーの開催、 土地利用面での市町村との連携などによって、 健康関連産業の高度化や企業誘致の効果的な推進を図ってまいりたいと考えております。
     次に、 静岡空港についてであります。
     経済効果、 建設コストの縮減及び反対地権者への対応についてでありますが、 まず経済効果であります。
     平成十三年度に行った調査結果によりますと、 建設期間を通じて約千九百二十六億円の県内総生産への波及効果があり、 毎年これによって二千六百人の雇用を創出するものと推計しております。 また空港開港による地域経済効果をさきの調査をもとに新たな需要予測に試算したところでは、 本県来訪者の増加に伴う観光産業や空港関連産業などを中心に開港年で約五百六十億円の経済波及効果、 約八千人の雇用創出効果が見込まれると推計されます。 こうした空港の経済効果を最大限に発揮するため、 今後、 富士山を核とする新観光ルートの開発等による観光戦略の展開を初め、 空港経営の民活化や国際物流の拠点基地化への取り組み、 ファルマバレー構想などの産業政策との連携など全庁挙げて取り組んでまいる考えであります。
     池谷議員の方から、 観光産業との関連が非常に重要だという御指摘もございまして、 私も同様に考えておるわけでありますし、 その点について、 例えば富士、 箱根、 伊豆の関連の市町村から成りますサミット、 これが過去三回開催されておりますけれども、 三回目の会合が河口湖畔で開かれたときに、 神奈川県の山北町長さんから、 静岡空港建設についての大変熱い御声援をいただきました。 山北町とすると、 観光客、 交流人口の拡大に、 この静岡空港の果たす役割は非常に大きいと。 なぜならば、 そのサミット――ことしの初めのサミットでありましたが、 その直前に静岡空港の現地を見学してきたと。 山北町から一時間ちょっとで行けると。 成田とか羽田よりはるかに近い。 こんなすばらしい空港はないと。 しかも富士山を眺望できるような空港であると。 ぜひ早くつくるべきだと、 そういうエールをいただいて、 私も大変意を強くしたわけでありますし、 加えて山梨県の出席した河口湖町や富士吉田の市長さんだったかどちらかから同様な御意見をいただいて、 大変意を強くしたことを今、 思い出しました。
     そういうことでありますので、 わかる人はわかってるなと、 わからない人はいつまでもわからないけれども、 わかる人がどんどんふえているということを実感した次第でございます。
     次に、 建設コストの縮減についてでありますが、 静岡空港はこれまでも工事機械の大型化により作業効率の向上を図るほか、 伐採木のチップ堆肥を場内で再利用するなどのコスト縮減に取り組んでおります。 今後、 さらに滑走路、 エプロン等の舗装工事に現地発生材を利用するなどの方策を図り、 建設コスト全体を縮減できるよう努めていく考えであります。
     次に反対地権者への対応についてでありますが、 これまでの接触努力に加えて特に本年三月以降、 私は残る四世帯の反対地権者の方々に対し、 話し合いの場の設定に向けて積極的に提案を行ってきております。 いまだ合意を得るには至っておりませんけれども、 引き続き合意を得るべく全力を挙げて取り組む考えでございます。
     次に、 少子化対策についてのうち、 まず女性の就業促進施策についてであります。
     現在取り組んでいる施策といたしましては、 企業を対象とする両立支援制度普及促進講座等を開催し、 従業員が仕事と家庭を両立しやすい職場づくりを進めている事例を紹介したり、 育児・介護休業関連の法制度をわかりやすく説明をしてきております。 また、 育児等のため退職した方も含めた離職者を対象として、 各就職相談センターにおけるキャリアカウンセリングや再就職セミナーを実施するとともに、 IT事務など女性からの希望が多いさまざまな分野の職業訓練の機会を提供しております。
     こうした施策を展開する中で、 従業員百人未満の事業所では育児休業の取得率が相対的に低いことや、 厳しい雇用情勢の中で一度離職した方の再就職が困難になっていることなどが課題となっております。 こうした課題に対処する上で、 女性従業員の継続雇用に前向きに取り組む中小企業を応援することは非常に大切なことだと考えておりまして、 県職員が中小企業を直接訪問して、 両立支援を容易にする助成制度について理解を得るような努力を重ねながら、 好事例を積極的に掘り起こし、 女性の就業環境の整備に向けた機運の醸成に努めてまいります。
     次に、 待機児童問題についてであります。
     保育所と幼稚園の施設共有化については、 国の指針が平成十年に示されました。 これを受けて県内では戸田村、 西伊豆町において、 保育所と幼稚園の合築施設が建設され、 遊戯室、 運動場などの共同化や職員の合同研修など効率的な運営がされております。 また、 ことし四月、 掛川市が開設した乳幼児センター 「すこやか」 においては、 幼稚園と保育園の教室がフロア内で交互に配置されるなど施設面での一体化を一歩進める形となっておりまして、 全国的にも珍しい試みとして、 県としてもその成果を注目しております。 なお幼稚園における預かり保育については、 ことし六月一日現在で全体の五六%に当たる三百三園で実施をされております。
     また、 保育所の待機児童については、 主に中核市を中心とした都市において生じておりまして、 その早期解消は喫緊の課題であります。 そのことから、 定員増を図る保育所の施設整備を最優先にいたしまして、 この九月補正予算においても七件の施設整備をお諮りしているところでございます。
     今後とも重点的に保育所の整備を促進するとともに、 幼稚園における預かり保育の拡大や保育所における多様な保育サービスの一層の拡充に向けて、 県としては保育行政の実施主体となる市町村を積極的に支援してまいる考えであります。
     次に、 文化芸術振興施策についてのうち、 文化芸術振興についての基本姿勢と基本条例についてであります。
     本県では、 平成八年に策定した文化振興指針に基づいて、 特色ある文化創造の拠点づくりや地域文化活動の支援など文化の振興に積極的に取り組んでまいりました。 これらの取り組みは、 舞台芸術におけるロシアとの国家レベルの交流や、 グランシップの来館者四百万人の達成、 国際オペラコンクールの国際音楽コンクール世界連盟への加盟実現、 しずおか世界翻訳者ネットワークの発足など着実に成果を上げているものと考えております。 一方、 県内市町村等との文化行政推進連絡会議の創設や地域文化団体等の活動に対する支援など、 市町村や民間団体等との幅広い文化政策ネットワークの形成にも努めてきております。
     今後も現行の指針を基本に、 これまでの取り組みを一層充実、 発展させていきたいと考えておりますが、 文化芸術振興基本法が制定されたことや社会、 経済環境の変化が著しいことなどから、 時代の要請にかなう本県文化政策の方向づけや実効性ある施策の推進方法について、 条例の問題なんかも含めて検討を行っております。 今後、 各界各層の御意見を広く伺う中で、 条例の制定その他の問題についても積極的に改善を図ってまいりたいと考えます。
     次に、 健康福祉行政についてのうち、 ハンセン病に係る施策についてであります。
     県では、 これまで元患者の方々との話し合いの中で、 要望のあった事柄について実現に取り組んできたところであります。 健康福祉センターにおけるハンセン病元患者の方々への相談窓口の設置、 職員を対象とした研修会の開催、 県内医療機関に対する診療協力の依頼を実現してまいりましたし、 県営住宅へ入居しやすくするための配慮も行ってきております。
     また、 毎年六月のハンセン病を正しく理解する週間を中心に、 健康福祉センターや市町村窓口を通じたパンフレットやポスターの配布などによりまして啓発を進めております。 この啓発や交流活動の拡大については、 元患者の方々の意向を十分に伺った上で進める必要があると考えております。
     御質問の国立駿河療養所の将来の活用等のプラン構築等につきましては、 開設者である国の動向等を注視し、 県としての立場から必要な対応をしてまいります。 また神山復生病院の資料の保存等については、 施設や元患者の方々の意向を伺いながら、 その意向に沿って積極的に検討してまいりたいと考えております。
     その他の御質問につきましては、 関係部長、 教育長から御答弁申し上げます。
    ○副議長 (小野健吾君)  橋本総務部長。
            (総務部長 橋本嘉一君登壇)
    ○総務部長 (橋本嘉一君)  防災対策についてのうち、 初めに東海地震注意情報及び警戒宣言時の対応についてお答えいたします。
     東海地震注意情報への対応につきましては、 県及び市町村職員の緊急参集等の防災体制の確保、 県民への迅速、 正確な情報伝達、 広報の実施及び県民の冷静、 的確な準備行動の三つの点を重点に、 現在、 県の地域防災計画の見直し作業を進めており、 早急に検討結果を取りまとめ、 県民、 市町村、 防災関係機関等に対して周知、 指導してまいります。
     また、 今回の情報体系の見直しを契機に、 東海地震に関する知識や防災対応の周知とともに、 各人が家庭内対策を推進するよう自主防災新聞の発行、 地震防災センターの活用、 シンポジウムの開催、 ホームページの充実などさまざまな手段により、 県民の防災意識のより一層の高揚に努めてまいります。
     さらに、 病院や小売店舗が警戒宣言発令後に診療や営業を継続するためには、 病院の耐震性や営業の継続に必要な物資の確保が必要であることから、 建物の耐震化を促すとともに円滑な物資の輸送対策を検討してまいります。
     次に、 建築物の耐震化促進についてのうち、 公共施設についてであります。
     本県の公共施設の耐震化の現状は、 例えば学校の校舎や体育館の耐震化率は本年四月一日現在、 市町村立の小中学校で七八・六%、 県立の高等学校及び盲・聾・養護学校で六九・三%と、 全国的に見ても耐震化対策はトップクラスとなっております。
     しかしながら、 こうした学校施設も含め地域住民の防災拠点となる公共施設の耐震化は、 いまだ十分な状況とは言えないことから、 引き続き市町村に対して国庫補助事業や県の大規模地震対策のための総合補助金を活用して公共施設の一層の耐震化を促すとともに、 県立高等学校等の計画的な耐震化を進めてまいります。
     次に、 突発型地震への対応についてであります。
     本県では従来から、 東海地震が予知されずに突然発生するケースや神奈川県西部の地震を想定して地震対策を進めてきております。 また本年四月に公表された東南海、 南海地震による想定被害は、 東海地震が突然に発生した場合の本県の第三次地震被害想定結果を下回るものであることから、 これまで進めてきた東海地震対策を今後も確実に推進することにより、 東南海、 南海地震に対しても十分に対応できるものと考えております。
     次に、 富士山火山防災対策についてであります。
     国においては、 平成十三年度から国の関係機関や静岡県、 山梨県など関係都県、 市町村で構成する富士山火山防災協議会で、 富士山火山防災マップの作成や火山防災計画の考え方について検討を行っております。 また協議会の下部組織である富士山ハザードマップ検討委員会が、 溶岩流や噴石の範囲等を示した富士山火山防災マップの試作版を作成し、 九月十六日にはその説明会を御殿場市において開催したところであります。
     こうした国での検討にあわせて、 本県としても富士山周辺の市町等で構成する富士山火山防災対策連絡調整会において、 避難対策などの防災対策について検討を行っており、 今後、 国が取りまとめる火山防災計画の考え方との整合を図りながら、 県としての富士山火山防災計画を策定してまいりたいと考えております。
    ○副議長 (小野健吾君)  田邉都市住宅部長。
            (都市住宅部長 田邉義博君登壇)
    ○都市住宅部長 (田邉義博君)  防災対策についてのうち、 建築物の耐震化促進についてお答えいたします。
     住宅及び民間建築物についてでありますが、 木造住宅の耐震化の一層の促進を図るため、 市町村と連携し、 シンポジウムの開催やテレビCM等により、 耐震化の必要性を県民に強く訴えかけるとともに、 この八月に設立された静岡県木造住宅耐震化推進協議会と協働し、 官民一体となって積極的に取り組んでまいります。
     事務所ビルなど一定規模以上の民間建築物の耐震化については、 その前提となる耐震診断の実施率を、 現在の一一%から平成十九年度末までに五〇%に向上させることを当面の目標として取り組んでおります。 このため、 商工会議所などの諸団体の会合において、 耐震化の重要性を呼びかけるとともに旧耐震基準による建物の所有者にアンケート調査を実施しております。 今後は建築物の指導権限を有する静岡市、 浜松市、 沼津市、 富士市と連携し、 アンケート調査に基づいた個別指導を行うなど、 耐震化への理解を得るために積極的な働きかけをしてまいります。
    ○副議長 (小野健吾君)  花森企画部長。
            (企画部長 花森憲一君登壇)
    ○企画部長 (花森憲一君)  ファルマバレー構想推進のための施策についてのうち、 交通利便性の向上についてお答えいたします。
     ファルマバレー構想を推進するに当たりましては、 関連産業の集積や人と物の活発な交流を図るため、 第二東名自動車道などの主要道路網の整備や鉄道などの公共交通機能の強化など交通基盤の整備が必要であります。
     このうち、 ファルマバレー構想エリアと大都市圏とを結ぶJR御殿場線につきましては、 県は静岡、 神奈川両県の沿線市町で構成しています御殿場線輸送力増強促進連盟の活動を通じ、 運行本数の増加、 駅施設の整備などに取り組んでいるところであります。 昨年九月の長泉なめり駅の開業や、 本日のJRダイヤ改正による新幹線三島駅への停車本数の増加に伴い、 JR御殿場線のより一層の利便性の向上が求められているところであります。
     県といたしましては、 県際交流を進めています山梨・静岡・神奈川三県広域問題協議会や富士箱根伊豆市町村ネットワーク会議の活動と連携し、 地元市町を初め隣県の市町村などとともに、 JR御殿場線の輸送力や利便性が向上するよう関係機関に働きかけてまいりたいと考えております。
    ○副議長 (小野健吾君)  川口健康福祉部長。
            (健康福祉部長 川口正俊君登壇)
    ○健康福祉部長 (川口正俊君)  少子化対策についてのうち、 乳幼児医療費助成制度の拡充についてお答えいたします。
     乳幼児医療費助成は、 子供の疾病の早期治療を促すとともに子育て家庭の経済的負担を軽減するものであり、 少子化対策として、 県と市町村が協力してその拡充を図ってきたところであります。 県では従来から、 入院に要する医療費につきましては就学前まで助成しておりますが、 通院につきましては平成十三年十月に、 助成対象年齢を一歳未満から四歳未満まで引き上げるなど全国的にも上位レベルの助成内容となる改正を行ったところ、 全市町村が一斉に対応したところでございます。
     通院への助成を就学前まで引き上げることにつきましては、 多額の財源が必要となることに加え、 他の医療費助成制度とのバランスや保護者負担のあり方などの課題もありますので、 本年七月に制定された次世代育成支援対策推進法に基づき、 県の行動計画を策定する中で検討してまいりたいと考えております。
     次に、 健康福祉行政についてのうち、 難病患者支援施策についてであります。
     県では、 これまで患者の自立、 家族の生活の質の向上や生活基盤の安定を図る観点から、 居宅生活支援や訪問相談、 医療費の助成などの支援を行ってきたところですが、 ホームヘルパーの派遣などにつきましては、 今後とも実施主体である市町村と連携し、 事業の普及と利用促進を図ってまいります。
     また、 特定疾患治療研究事業による医療費の助成につきましては、 国指定の四十六疾患に加え、 県単独で三疾患を指定し、 患者負担の軽減を図っているところでございます。 助成対象の拡大については積極的に国に働きかけてまいります。
     医療体制につきましては、 県立総合病院を拠点病院に指定いたしまして難病医療相談室を設置するとともに、 身近なところで医療を受けることができるよう県内の三十五病院により難病医療ネットワークを構築し、 医師の研修を実施するなどその充実に努めているところでございます。 本年度、 難病患者の方々およそ一万七千名を対象にアンケート調査を実施しておりますので、 その結果などを踏まえながら、 難病患者や家族の相談に幅広く応じられる機能の充実などに努めてまいります。
    ○副議長 (小野健吾君)  鈴木教育長。
            (教育長 鈴木善彦君登壇)
    ○教育長 (鈴木善彦君)  文化芸術振興施策についてのうち、 児童期の芸術文化教育の充実についてお答えいたします。
     県教育委員会では、 国の新世紀アーツプランに基づく本物の舞台芸術体験授業や学校への芸術家等派遣事業を行うとともに、 従来から県独自の取り組みとして、 静岡県巡回劇場や静岡県ふれあい劇場を実施しております。 これらの事業においては、 昨年度、 県内養護学校の小学部を含む六十一の小学校の児童、 約一万三千人が伝統芸能、 演劇、 音楽の鑑賞会やワークショップに参加しており、 参加児童はもとより保護者からも、 大変有意義であり今後もこのような取り組みを続けてほしいと感想を得ております。
     また、 静岡県中学校文化連盟が昨年開催した第一回静岡県中学校総合文化祭においても、 延べ七十二校、 約三千人が出演、 出品、 鑑賞をいたしましたことは、 これら児童期の芸術文化教育に係る諸事業を継続的に実施してきた成果と考えております。 今後ともこうした事業を積極的に行い、 児童期の芸術文化教育の振興に努めてまいります。
     次に、 教育行政についてのうち、 まず地域スポーツクラブの育成についてであります。
     学校における運動部活動は、 互いに切磋琢磨して心身を鍛え、 ルールを尊重しつつフェアプレーの精神を養い、 さらにはチームメートとの友情を深めるなど、 人間形成の上で非常に有効な教育活動であります。
     しかし、 少子化や教師の高齢化など運動部活動を取り巻く状況は大きく変化しており、 子供たちの希望するスポーツ活動の機会を確保するためには、 学校や地域の実情に応じた対応が必要となってきております。
     そこで県といたしましては、 地域主導による地域スポーツクラブの育成を進めるとともに、 引き続き学校における運動部活動の充実にも努めてまいります。 具体的には、 運動部活動をサポートする形態を含む静岡型地域スポーツクラブの育成や普及啓発活動を行うとともに、 クラブ運営に必要な人材やスポーツ種目の指導者を養成することなどにより、 運動部活動と地域スポーツクラブとの一層の連携が図られるよう支援してまいりたいと考えております。
     次に、 学校施設のあり方についてであります。
     学校施設は、 もとより学校教育の目的を実現するためのものでありますが、 近年、 学校の役割として生涯学習の拠点施設としての機能が求められており、 地域住民の身近な学習機会の場として地域社会に開放することが重要であると考えております。 このため施設整備に当たっては、 子供から高齢者まで多様な利用者を想定する必要があることは御指摘のとおりであり、 県といたしましてもユニバーサルデザインに配慮して、 例えば県立学校では平成八年度以降、 改築校舎のあるすべての学校に玄関スロープ、 エレベーター及び階段手すりなどを整備することとしているところであります。
     県教育委員会といたしましては、 小中学校の設置者であります市町村とも連携して、 地域住民も安心して利用でき、 コミュニティー醸成にも資する学校づくりを一層推進してまいります。
    ○副議長 (小野健吾君)  後藤生活・文化部長。
            (生活・文化部長 後藤和英君登壇)
    ○生活・文化部長 (後藤和英君)  NPO育成施策についてお答えいたします。
     税制、 資金調達及び人材育成に対する支援施策についてでありますが、 まず税制面につきましては、 県は平成十年度静岡県税賦課徴収条例を改正し、 税法上の収益事業を行わないNPO法人に限り、 県民税の均等割の減免を行いました。 現在、 県内すべての市町村におきましても、 同様に市町村民税の均等割の減免が実施されております。 今後ともNPOからの要望や実態を把握しながら、 対応について検討してまいります。 また認定NPO法人制度における寄附金に対する税制上の特例措置につきましては、 国の動向を見守ってまいりたいと考えております。
     資金調達でありますが、 NPOの事業拡大や自立のための課題の一つと考えますので、 その方策について今後、 有識者、 金融機関、 NPOなどとともに検討してまいります。
     人材育成につきましては支援の重要施策と考え、 全国に先駆け、 NPO市民大学院講座によるリーダー養成など幅広く養成講座を開催してまいりましたが、 今後はNPOがNPOに対して支援できる専門性の高いアドバイザーの育成なども進めてまいりたいと考えております。
    ○副議長 (小野健吾君)  花岡環境森林部長。
            (環境森林部長 花岡志郎君登壇)
    ○環境森林部長 (花岡志郎君)  廃棄物処理対策についてのうち、 初めに廃棄物処理センターの設置及び市町村との連携、 協働体制樹立についてお答えいたします。
     県では、 平成十四年三月に静岡県廃棄物処理計画を作成し、 廃棄物の発生抑制とリサイクルの拡大、 廃棄物の適正処理、 廃棄物の処理施設の整備などを総合的に推進し循環型社会を目指しているところであります。
     廃棄物処理に関しましては、 御提案の廃棄物処理センター制度の活用など多様な方策がありますが、 現在、 県では民間活力を利用して、 埋め立て処分に頼らず廃棄物を資源として有効に利用する新しい廃棄物処理システムの構築に向けて取り組んでいるところであります。
     なお、 市町村との連携、 協働体制樹立につきましては、 県下全市町村を対象に、 東・中・西の三ブロックで毎年廃棄物リサイクル推進連絡会を開催しておりますが、 近年増加している在宅医療廃棄物の処理や引火性のある小型ガスボンベによる爆発など、 新たな課題が生じておりますので、 この連絡会を通して市町村との連携強化を図ってまいりたいと考えております。
     次に、 富士山周辺への不法投棄未然防止対策についてであります。
     県ではこれまで不法投棄の早期発見や拡大防止対策として、 保健所職員や民間警備会社によるパトロール、 ヘリコプターを利用した空からの監視などを実施してまいりました。 今年度からは未然防止の徹底を図るため、 警察官二名を中心とした静岡県不法投棄撲滅対策本部を四月に設置し、 県民から不法投棄情報を収集するための通報制度として不法投棄一一〇番を開設するとともに、 県境における月二回の夜間検問などに取り組んでいるところであります。 この半年間における不法投棄状況は、 件数、 量とも昨年と比較して減少傾向にあり、 引き続き未然防止対策に努めてまいります。
    ○副議長 (小野健吾君)  谷商工労働部長。
            (商工労働部長 谷 和実君登壇)
    ○商工労働部長 (谷 和実君)  中小企業支援施策についてのうち、 初めに制度融資実行までの期間短縮についてお答えいたします。
     県制度融資の利用に当たっては、 信用保証を受けることが要件となっておりますので、 申込者はまず金融機関と相談の上、 信用保証協会の審査を受けることになります。 信用保証協会は審査に当たり、 これまでもできる限り短期間に処理するよう努めているところであり、 審査を三日以内で終わっているものが八五%を占めておりますことから、 大半の申込者は融資希望日には融資実行を受けているものと受けとめております。 しかし、 中には信用保証協会での審査途中で、 営業成績や資産内容などについて窓口となった金融機関や申し込み事業者との調整を必要とする事例があり、 こうした場合は一定の審査期間が必要なことは御理解いただきたいと思います。
     次に、 貸し渋り対策についてであります。
     県内金融機関の十四年度末の中小企業向け貸出残高は六兆九千三百十九億円、 十三年度末に比べて九三・七%になっておりますが、 県が本年八月に県内中小企業を対象に行った融資状況の調査では、 金融機関の融資条件がこれまでより緩くなった、 もしくは変わらないとする回答が昨年より一四ポイント増加しておおむね八〇%となっております。 県制度融資の今年度の新規貸出額は、 臨時的な措置として行った中部銀行から他行への借りかえ特別枠の融資を除きますと、 この八月末現在で昨年比九七%と、 おおむね昨年並みを維持しております。
     また、 現在のところ県制度融資に対する貸し渋りの苦情は特になく、 むしろ経営改善のための運転資金は一割以上、 売り上げ減少に対応する経営安定資金も二割以上と、 昨年の貸付実績を上回っていることから、 県制度融資は着実にその機能を果たしてくれているものと受けとめております。
    ○副議長 (小野健吾君)  これで池谷晴一君の質問は終わりました。
     議事の都合により休憩します。

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