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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成22年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

中田 次城 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/09/2010

会派名:

民主党・ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 医科大学の東部地域への誘致について               
2 東海道新幹線「ひかり」の停車本数増について           
3 水産業の発展を図るための取り組みについて            
4 観光地における電気自動車等の普及について            
5 伊豆東海岸地区の海岸整備について                
6 伊豆スカイラインの料金割引社会実験について           
7 NPOに対する県の支援について



    ○副議長(岩瀬 護君) これで藪田宏行君の質問は終わりました。
     次に、十七番 中田次城君。
           (十七番 中田次城君登壇 拍手)
    ○十七番(中田次城君) 私はこれより民主党・ふじのくに県議団所属議員といたしまして県政の諸課題について、知事及び関係部局長にお伺いをいたします。
     まず初めに、医科大学の東部地域への誘致についてお伺いをいたします。
     全国的に医師不足が課題となっている中、国は医療機関が必要と考えている医師数を把握するため、全国の病院等を対象とした必要医師数実態調査を実施し、去る九月二十九日その結果を公表しました。全国で二万四千人を超える医師が不足をし、本県でも八百六十一人が不足しているという状況が明らかになったところです。地域別の内訳を見ますと中部二百五十人、西部二百三十五人に対し、東部は三百七十六人と、特に県東部地域における医師不足の状況は顕著であります。
     医師不足の要因はさまざまですが、例えば本県における人口十万人に対する医学部の定員の数は三・二人で全国平均の六・九人に比べ著しく低い状況にあり、人口に対する医師養成数が少ないことも要因の一つと考えます。知事は県東部地域に医科大学を誘致することを表明されておりますが、私も全く同じ考えであり、抜本的な医師不足対策としてこの地域に医科大学を新設することが必要不可欠であると考えております。
     さらに、県東部地域は自然環境にも恵まれ、温泉、食べ物、富士山など豊かな観光資源を有しております。また静岡がんセンターを中心にファルマバレープロジェクトが展開をされ、県民の健康増進や健康産業の振興に大きく寄与しております。この地域に医科大学を設置することにより、将来的には「医療・健康」をキーワードに豊富な地域資源を有機的に結びつけ、県東部地域が日本における予防医学のメッカとして、多くの人が訪れることとなることを期待しているものであります。
     国においては、全国的な医師不足の状況を踏まえ、従来の医学部定員の削減という方針を転換し平成二十年度から医学部定員を増加させているものの、現在のところ医学部の新設については認めておりません。
     私は去る十月二十九日、民主党県連を代表し笠文部科学大臣政務官らと面会をし、医科大学の新設認可を認めるよう要望してきたところであります。笠政務官からは、新設を認める場合であっても全国一律ではなく地域の実情を踏まえ対応するとの認識であるという話をお伺いしました。このように医科大学の新設が可能となるための環境は整いつつあることから、誘致する大学との交渉などを早急に進め、国が医学部の新設を認めた時点ですぐにでも認可申請ができるように準備を進めておくべきであると考えております。
     そこで、川勝知事の医科大学新設に対する意気込みや、現在どのような取り組みを行っているのかその進捗状況につきましてお伺いいたします。
     次に、東海道新幹線「ひかり」の停車本数増についてお伺いをいたします。
     首都圏と中京圏の中間に位置する本県にとって、東海道新幹線は県民の県外への移動や通勤のための重要な交通手段であることに加え、全国屈指のものづくり県であると同時に観光県でもある本県産業を支える幹線交通として、地域の振興と発展の観点からも大変重要な役割を果たしております。
     しかし、実際の運行状況は本県の駅には停車しない「のぞみ」中心にダイヤが編成されており、「ひかり」の停車についても県民や本県を訪れる方々の利便性を考えると十分ではありません。現状では政令市である静岡、浜松に停車する「ひかり」はおおむね一時間に一本のみであり、伊豆方面への玄関口として多くの観光客が利用する熱海には一日上り、下り合わせて六本、三島には十二本、新富士、掛川については「ひかり」は一本も停車しません。また現行のダイヤでは、県内の各駅において「のぞみ」、「ひかり」の通過待ちのための「こだま」の停車時間が長くなり、利便性が極端に低下をしております。
     このようなことから、本県と県外地域との交流を一層活発化させ地域の活気やにぎわいをもたらすためには、本県の駅に停車する「ひかり」の停車本数をふやすことが必要と考えます。これまで地元では県にも御協力をいただき、JR東海に対し「ひかり」の停車増等の利便性向上を強く要望してまいりましたが、JR東海としては東海道新幹線は東京、名古屋、大阪などの大都市間を高速で結ぶという使命を優先するという方針から、大幅な改善は実現しておりません。
     このような状況にあって、本年度に入りリニア中央新幹線の建設計画についての審議が本格的に始まりましたが、JR東海は、交通政策審議会小委員会において、中央新幹線が実現すれば東京、名古屋、大阪間の直行輸送の相当程度が中央新幹線に移り、東海道新幹線のダイヤに余裕ができることから、「ひかり」、「こだま」の運転本数や停車回数をふやすなど活用可能性が拡大するとの見解を示されました。
     知事は去る七月この小委員会に出席され、二〇二七年に想定をされているリニア中央新幹線の開業後の東海道新幹線の活用方法として「ひかり」の停車本数の増加を主張されております。県民の利便性向上と地域経済活性化のために、県として時宜を得た適切な対応が必要と考えます。
     そこで、県内の駅への「ひかり」の停車本数増加対策について、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
     次に、水産業の発展を図るための取り組みについてお伺いをいたします。
     本県は五百キロを超える沿岸線を有し、伊豆半島では岩礁に生息するアワビ、イセエビや沖合漁場で漁獲されるキンメダイ、駿河湾や遠州灘では船びき網で漁獲されるサクラエビ、シラス、浜名湖でアサリやクルマエビなど、地域の特徴に応じた水産業が営まれており、食の都にふさわしい多種多様な水産物が日々水揚げをされております。
     また、県内の各地の漁港の背後地には水産加工業が発展しており、伊豆ではアジ等の干物、焼津ではかつおぶしやはんぺん、かまぼこの練り製品等、さらに駿河湾から遠州灘にかけてはシラス干しと、地域により一流品とも言える水産加工品を製造する水産加工業が発達をし食の都を支えております。
     県政世論調査によりますと、地元でとれた新鮮な産物の供給や安全で安心な産物の供給への期待は高く、地元でとれた安全で安心できる新鮮な水産物への消費者のニーズが高まってきております。
     このような状況の中で、平成二十一年度の水産白書におきますと、本県のいとう漁協と小売業者が昨年秋から連携して取り組んでいる水産物を水揚げから数時間以内にスーパーの店頭に並べる取り組みが紹介をされており、その取り組みによって漁業者の収入が大幅に向上するとともに、消費者の評判もよい好事例として取り上げられております。またいとう漁協では漁協直営食堂を本年九月に立ち上げました。この食堂では、一〇〇%地元で水揚げされたとれたての魚やおいしいけれどもこれまで流通に乗らなかった魚を観光客や地元市民に提供しています。
     これらの取り組みでは、これまでの水産物の流通や消費者への提供方法を改善することによって、本県の水産物の魅力や豊かさを新鮮さを求める消費者のニーズに届けるものとして、人気を博しているとのことであります。これらの取り組みは、これまで生かされなかった水産物の価値を引き出し、限りある水産資源を無駄なく利用するとともに、漁業者の収益性の向上と消費者のニーズにこたえることで、漁業者、消費者の双方にメリットを与えるものであります。
     このように、漁業を活性化させるためには、漁業者がこれまでのようにただ単に魚をとるだけではなく、加工・流通小売業者とも連携をして魚の売り方を工夫し、国内外の販路を開拓していく取り組みが重要であると考えております。
     県では、水産業の発展に向けたこれらの新たな取り組みに対して、今後どのような支援をしていくのかをお伺いしたいと思います。
     次に、観光地における電気自動車等の普及についてお伺いをいたします。
     ことしの夏は異常なほどの猛暑と豪雨に襲われましたが、その要因の一つとして地球温暖化が上げられております。世界トップクラスの科学者がもはや疑う余地がないと分析をしている地球温暖化は、待ったなしの対策が必要であることを大いに実感しました。
     そのような中、大きな期待が寄せられているのが、電気自動車やプラグインハイブリッド車などの環境に負荷を与えない次世代自動車の普及であります。蓄電池などの技術開発の進歩も目覚ましいものがあり、運輸部門の地球温暖化対策の切り札として今後急速に普及が進むものと思われます。
     また、この電気自動車等の普及はさまざまな分野に影響を及ぼすことが予想されておりますので、電気自動車化を見据え対応を図るべく取り組みが全国各地で展開をされております。その取り組みの成果は、環境保全や産業振興のみならず新たな観光振興にも結びつくものとして、大きな期待が寄せられているところであります。
     例えば京都市では、電気自動車等のタクシーやレンタカーで寺院や神社を訪れる「新感覚の古都巡り」、青森県奥入瀬渓流では、マイカー規制時における電気自動車への乗りかえを促す「パークアンド電気自動車ライド」などの実証調査が既に実施をされ、新たな誘客手法として検討が進められております。また長崎五島地域におきましても、レンタカーとして電気自動車が導入をされ充電設備の配備も進み、未来型ドライブ観光事業が展開されているところでもあります。
     県内に目を向けてみましても、伊東市にあります道の駅マリンタウンで、十月末に学生や企業が取り組んでいる地球温暖化対策プロジェクトの一環としてマリンソーラー祭が開催をされ、地元の方々や観光客が電気自動車やソーラーカーを身近に感じることができ、これらの普及拡大に向け少なからず貢献したのではないかと思っております。
     また、同じく十月に開催をされました神奈川県、山梨県両県との三県サミットにおきましても、富士・箱根・伊豆電気自動車タウンプロジェクトに向け、情報の共有や普及啓発などについて意見交換を行っていくことが合意されたと伺っております。環境に負荷をかけない乗り物電気自動車等は、観光地のイメージアップを図る上において欠かせないものであり、私は充電スタンドの計画的整備などを積極的に進めていくべきだと考えます。
     そこで、県として観光地における電気自動車等の普及を今後どのように進めていくお考えがあるのかをお伺いしたいと思います。
     次に、伊豆東海岸地区の海岸整備についてお伺いをいたします。
     伊豆の東海岸は、リアス式海岸と砂浜が交互に点在する名勝、景勝が続き、全域が富士箱根伊豆国立公園に指定されるなど全国に誇る景観を有する地域であります。また豊かな海産物にも恵まれすばらしい景観と相まって新鮮な海の幸を提供できることから、首都圏の奥座敷として古くから観光業が発達し、地域の基幹産業となっていることは周知のことであります。
     この地域に住む人々は、昔から漁業や観光業などにおいて海からさまざまな恩恵を受けるとともに、高波などの自然の脅威にさらされながら生活の場として海岸で暮らしてまいりました。そうした中海岸の整備は、自然の脅威に対する備えとして災害をいかに防ぐかという観点を中心に、長い年月をかけて行われてきたものであります。
     しかし、海岸は人々の暮らしの場として安心・安全を確保することはもちろんのこと、地域の観光資源としても非常に重要なものであり、その景観、そのイメージはまさに集客に強いインパクトを与えるものであると私は考えています。とりわけ伊豆東海岸に点在する砂浜は海水浴場などの利用がされており、盛夏の時期には夏のにぎわいの中心として観光の大きな部分を担っている場所でもありますことから、その景観やイメージは特に重要であると思います。
     伊豆の海水浴客数は、近年ほぼ横ばいが続いている状況でありますが、ことしは猛暑の影響からか一部の海岸では大幅に増加したとも聞いております。美しい海岸の整備は単にその海岸のイメージをアップするのみならず、その地域全体のイメージをアップさせることができる重要な観光政策だと考えます。
     そこで、伊豆東海岸地区における海岸の利活用を踏まえた海岸整備の取り組み状況と、いまだ観光的な観点から整備がされていない海岸のこれからの整備計画について、お伺いをしたいと思います。
     次に、伊豆スカイラインの料金割引社会実験についてお伺いをいたします。
     県は、低迷が続く伊豆地域の観光振興策として、観光交流客の増大と慢性的な渋滞が見られる国道百三十五号の渋滞の解消や緩和に向けて、平成二十一年十一月一日から平成二十三年三月三十一日までの期間限定で、伊豆スカイラインの通行料金を上限二百円とする料金割引の社会実験を行っております。この社会実験につきましては、観光交流客の増加はもちろんですが地域住民の利便性の向上も期待され、社会実験の効果について注目しているところであります。
     こうした中ことし四月には、国が観光立国の実現に向けて国際競争力の高い観光地の形成を目指すために認定している観光圏として、伊豆観光圏、箱根・湯河原・熱海・あしがら観光圏が追加認定されました。今後は国の支援を受けつつ滞在型の観光へ施策が推進されることとなります。
     これらに加え、昨年から行われている高速道路の割引実験に引き続き、ことし六月二十八日から始まった国の高速道路無料化社会実験により、伊豆東海岸の入り口である神奈川県の西湘バイパスと箱根新道が無料で通行可能となっていることは、伊豆地域の観光への追い風となっていることから、国の社会実験が平成二十三年度以降も継続されることを期待しているところであります。
     その中で、伊豆スカイラインの社会実験開始後の伊豆地域は、昨年十二月の伊豆半島東方沖の地震や今年二月の近年にない大雪に見舞われたものの、春以降は夏の猛暑こそありましたが比較的天候にも恵まれ伊豆スカイラインの利用者が増加していると聞いており、徐々に社会実験の効果があらわれているものと感じております。
     この社会実験では、学識経験者や地域有識者及び国、県で組織する社会実験協議会において、これまでの実験の効果を検証しているところでありますが、観光交流客数の伸びは県内他地域と同様の傾向であり料金割引の効果が余り見られないなどの意見もあると聞き及んでおりますが、しかし私はこの経済不況の中、利用者が増加していることに着目をし制度を継続するべきであると強く望むものであります。また継続することにより、割引制度の観光客への認知度も向上していくでしょうし、利用者の割安感も徐々に醸成されていくものと思うのであります。
     そこで、一年を経過しました伊豆スカイラインの料金割引社会実験につきまして、伊豆地域の自動車交通や観光振興への効果と社会実験の今後の方針についてお伺いをしたいと思います。
     最後に、NPOに対する県の支援についてお伺いいたします。
     特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法が平成十年十二月一日に施行され既に十二年が経過しました。県内には、既に県及び静岡市、浜松市の両政令市が認証した法人が九百六十三団体に達しており、県外にも事務所を持ち広域的に活動する内閣府の認証団体を含めると、県が総合計画の目標としてきたNPO法人の数は千団体以上という目標がほぼ達成できたものと考えます。
     県内のNPO法人は、地域の課題解決に向け会員の特技などを生かしながら、まちづくりや文化振興、福祉活動など市民生活に直結したさまざまな分野での公益活動に熱心に取り組んでおります。しかしながら、その法人の状況はさまざまであり、長い活動の歴史を持ち助成金を獲得するなど確固たる活動基盤を持った法人がある一方、活動を始めたばかりで組織運営も手探りで活動体制が脆弱な法人もまだまだ多いと伺っております。
     NPO法人の関係者からは、活動は得意であるが法人運営にかかわる制度的なことがよくわからない、事務処理がふなれでなかなか進まないとか、資金不足で活動がままならないという声が聞こえてくるほか、同じ地域、同じ目的で活動するNPO同士の情報交換や連携をしたい、先進的な活動をしている団体のことをもっと知りたいといった要望があると聞いております。
     私は、子育て、教育、文化、福祉、多文化共生、まちおこしなど住民生活の各分野においてNPO活動を行う皆さんが、地域の皆さんとともに充実した活動を行い、豊かな地域社会を創造していくことが必要だと考えております。
     NPO法施行当時は、NPOの認知度も低く県民の理解を促進するためにも法人数をふやすことが最大の目標であったと思われますが、そろそろNPO団体がそれぞれの特性を生かしながらいかに活動を充実させていくか、関係する他の組織や団体と協働しながら自立した組織運営をどのように確立することができるかという観点で支援を行っていく必要があると考えます。
     各市町においても、地域の特性や事情に応じてさまざまなNPO活動に対する支援がなされておりますが、その内容は千差万別であり支援の内容にも濃淡があるのが現状であります。このような状況の中で、県が県内市町に対してリーダーシップを発揮し、積極的にNPO活動の充実を図るための支援をしていく必要があると考えます。
     そこで、このほど示された新しい総合計画の中で、NPO法人の事業費をNPO活動に対する県の行政施策の評価指標とし、地域を支えるNPO等への支援を行うとした上で、NPO活動基金の創設などが計画されておりますが、今後のNPO支援の方向性と具体的な取り組みにつきまして県の御所見をお伺いし、私の質問をひとまず終わりにしたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
    ○副議長(岩瀬 護君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 中田議員にお答えいたします。
     初めに、医科大学の誘致についてであります。
     議員御指摘のように、現在本県は深刻な医師不足であります。挙げられました数字――人口十万人に対する医学部の定員三・二人というのは全国四十七都道府県の中で四十五位と、要するに下から三番目という極めて厳しい状況でございまして、そのために例えば県内公的病院の四十五病院を対象に調査をしたところ常勤医が六百十七名も不足しているということで、医師が不足しているというのが現状です。ですからこれは解消しなくちゃならないというのが私を含めたチーム川勝の大方針でございます。
     そうした中で、今は差し当たって県民の方々が不安にならないように、地域医療支援センターの設置であるとか医学修学研修資金、いわゆる奨学金というようなものを出しておりますけれども、このようなやり方ではなく本格的に医療にかかわる大学、大学院の誘致を考えねばなりません。
     さてそこで設置場所については、西・中・東におきまして東部というのが医師不足が厳しいというのが県議の数字で挙げられましたとおりでございます。さてそこでそれをどこに持っていくかということで、幾つかの関係機関と交渉をしておるわけですけれども、やはり若い学生が来るということになりますと、それなりのまちのにぎわいのあるところでないと困るということもございます。そうした中で比較的場所は限定されますけれども、今その絞り込みをしつつ興味のあられる機関に調べていただくと、実際に見ていただくというようなことをしているのが現状です。ただそれをどこかというふうに言うには、相手のお立場もありますのでまだ残念ながらそれを特定して御紹介できる事態ではないということでございます。
     今、政府の方針では医科大学の新設は極めて厳しいんですけれども、医科大学院の新設については不可とはしておりません。そうしたことも視野に入れまして、またこれは国内の他の地域との競争ということもございますので、本県独自の医学機関ということで国際的な医療貢献も視野に入れる中で考えております。これはがんもそうでございますけれども国際的に注目されております。ただ県内だけではなくて県外、国外も含めたそうした貢献ができるような、そういう学術研究教育機関というものを視野に入れてるということを申し添えておきたいと存じます。
     続きまして、観光地における電気自動車等の普及についてであります。
     これは、県議御指摘のとおり、地球環境問題が二十一世紀の最大の問題になっておりまして、これはCO2を排出しない産業をつくらねばならない。これは低炭素社会と言われておりますけれども、基本的に化石燃料からいかに自立するかということだと存じます。
     そうした中で、太陽光あるいは温泉熱、地熱というような自然エネルギーを使うこと、さらにまた電気自動車というのが有力な候補になっておりまして、山静神サミット――山梨県、神奈川県、本県のサミットにおきまして、富士箱根伊豆半島を観光圏にしていこうという申し合わせを昨年いたしまして、この地域をEVタウンプロジェクトとしてつくり上げていこうということも今申し合わせたところでございます。
     また、ありがたいことにこのたび国のモデル事業EV・PHVタウンの選定を受けることができました。これは二〇一三年に向けまして電動二輪を含んで車両は三千七百七十六台、充電器は三百基という普及目標を掲げて、東部では県が中心に、中部では静岡市が中心に、西部では浜松市が中心になりまして推進体制を確立するつもりです。来年の一月早々にふじのくにEV・PHV普及協議会を立ち上げます。同じ三月にEV・PHVタウンアクションプランを策定いたします。そして再来年の三月、平成二十四年三月にはEV・PHVタウンマスタープランを策定するという予定でございます。
     これは観光地のみならず、本県は東西の真ん中に位置しておりますので中距離、長距離も移動する際にも、モデルとしてEVを使っていくということが課せられている使命ではないかというふうに認識しております。
     そうした中で、伊豆半島、観光地、あるいはエアポートガーデンシティーというところも、お茶の道、風の道、海の道などかなり広い地域にわたりまして、人々が移動できる気持ちのいい空間をつくるために、そこにもPHV、EVというものも導入できるかどうかこうしたところは有識者会議でも問題提起がなされておりまして、幾つか観光地としてつくり上げていくあるいは既成の観光地を活用していくという方向で、低炭素社会を一つにはこの電気自動車で実現してまいるということでございます。
     さて、残りの質問は関係部局長から御答弁申し上げますが、一つ、伊豆スカイラインの料金割引社会実験について補足的に申し上げておきたいと存じます。
     これは、百三十五号線の渋滞緩和というのはもちろん慢性的に課題としてありましたが、議員御承知のように、八・一一の地震がございまして風評被害が立ちまして、そしてお盆休みの観光客が激減するという現実を目の当たりにして、それをとめるということがございました。
     そのために、国交省事務次官に直談判に及びまして、これは風評被害であり日本を代表する観光地においてその風評被害のダメージがあらわれつつあると、したがってこれを変えねばならないという緊急事態の中で行ったものです。そして十一月一日にこの実験が開始されたというのは異例の速さです。そしてそれが来年の三月三十一日まで実験の期間を、ある意味でかなりの時間くださったということでございますが、果たしてその効果は地元においてその本来あらわれるであろうほどの効果があらわれてると認識されているのでしょうか。
     私は、二〇%にも満たない増加だということを知りまして、もともとは観光協会等は三百円ということであれば御の字であるというふうに言われていた。しかし東駿河湾環状道路における有料区間が二百円であるということから、わかりやすいほうがいいということで二百円を提示しそれを認めていただいたわけです。果たして観光協会は何をなさったんですか。二百円になって観光客が来てくれるであろうというような態度であれば従来のものと変わりません。そしてさらにこの実験を延長してほしいというような態度であれば、伊豆半島がジオパークになることも難しいとすら思うぐらいです。
     観光協会はばらばらにそれぞれ、人々が来る観光を重要であるからということでそれを主張するだけでなくて攻めの観光に転じていただきたい。百三十五号線の渋滞を解消するために、積極的に伊豆スカイラインを利用するためのいろいろなプロジェクトを協力して立ち上げてもらいたい。残りまだ数カ月ございます。
     そうした中で若干ふえたから、これをさらに延長してくださいというのは国が、県があの非常事態において非常の形で導入したものを、あたかも当たり前であるかのごとくにみなす、そういう甘えの構造を助長しかねないとすら思っておりまして、この伊豆スカイラインにつきましては、地元のリーダーの方々の、残された期間における、これは一月の熱海・梅、そしてまた二月の河津桜等、また三月のおひな祭りございますので、その間に心を一つにしてこのスカイラインを活用することの至便性というものを、最後ぐらいはしっかりと力を出して観光協会としての主体的な意思を示していただきたいと、強く伊豆半島全体の観光協会の方々に申し上げておきたいと存じます。
    ○副議長(岩瀬 護君) 出野文化・観光部長。
           (文化・観光部長 出野 勉君登壇)
    ○文化・観光部長(出野 勉君) 東海道新幹線「ひかり」の停車本数増についてお答えいたします。
     県内の駅への「ひかり」の停車本数がふえれば、県内各都市から首都圏、中京圏などへの通勤やビジネスでのアクセスが向上するとともに、本県を訪れる観光客の利便性向上が図られ沿線地域や周辺地域の活性化が期待されます。そのためこれまで地元市町や経済界とともにJR東海への要望活動を行った結果、三島、静岡、浜松駅では徐々にではございますが停車増が実現したところであります。全県的にはまだまだ十分な成果が得られたとは言えない状況になっております。
     こうしたことから、県といたしましては、現状東海道新幹線が「のぞみ」中心で「ひかり」の県内停車が少ないダイヤ編成を見直し停車本数のさらなる増加が図られるよう、地元の皆様と連携して引き続きJR東海に対して粘り強く要望してまいりたいと考えております。
     また、県内の駅への「ひかり」の停車本数の増加がJR東海にとってもメリットとなることを理解していただくことが非常に重要であるというふうに考えております。そのため市町と協力して、新幹線へのアクセス性をより高めるための地域交通の利便性向上や、伊豆地域を初めとする観光地の魅力向上を図るとともに、新幹線を活用した旅行商品の開発の促進などに積極的に取り組み、県民を初め東海道新幹線を利用する方々の利便性が一層向上するよう努めてまいります。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) 堀川経済産業部長。
           (経済産業部長 堀川知廣君登壇)
    ○経済産業部長(堀川知廣君) 水産業の発展を図るための取り組みについてお答えいたします。
     本県の水産業を発展させていくためには、地元でとれたおいしい水産物を新鮮なうちに食べたいという消費者ニーズにこたえていくことが重要であると考えておりますので、県といたしましては現在取り組んでいる漁業者とスーパーなどの流通業者が連携して、鮮度のよい魚を消費者に届ける取り組みを県内外に広げていくこととしております。
     また、小アジや小サバなどおいしいけれど流通に乗らない――いとう漁協には二割近くに及ぶというふうに報道されていますけども――こういう未利用魚を加工し学校給食に提供する取り組みや、地元の魚を一〇〇%使った漁協等の直営レストランの立ち上げなどを応援するなど、六次産業化を促進してまいります。
     さらに、海外への販路を開拓するため、県が水産業界に呼びかけ九月にロシアで水産物の需要調査を実施し、十一月にはロシアのバイヤーとの商談会を静岡で開催して、輸出に向けて挑戦する漁業者、加工流通業者による対ロシア水産物輸出実行会議を立ち上げたところであります。今後はこの枠組みに基づき輸出を促進してまいります。
     本県は、変化に富んだ海で新鮮で多種多様な水産物が水揚げされるとともに、日本一の生産量を誇るアジの干物づくりなど高い水産加工技術を持っております。また将来の本県水産業の担い手として期待される県立焼津水産高校の生徒たちが、水産物の加工技術などの継承や開発に取り組んでおりまして、その活動が評価されことしの七月に国土交通省大臣室において第三回海洋立国推進功労者表彰で内閣総理大臣賞を受けました。後継者となる若者たちも育ってきておりまして、大変心強く感じているところであります。
     水産物が豊富で高い加工技術がある本県の特徴を生かし、漁業者や加工流通業者だけでなく若い担い手も加わって新たな取り組みが一層推進されますよう、県も一体となって本県水産業の発展に取り組んでまいります。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) 森山交通基盤部長。
           (交通基盤部長 森山誠二君登壇)
    ○交通基盤部長(森山誠二君) 伊豆東海岸地区の海岸整備についてお答えいたします。
     伊豆地域は、世界レベルの魅力あふれる自然を生かした観光交流圏として位置づけられており、海岸は観光資源の一つとして重要な役割を担うものと認識しております。
     海岸整備につきましては、平成十五年度に策定した伊豆半島沿岸海岸保全基本計画に基づき、まず県民の安全・安心を確保する観点から高潮・津波を防ぐ防潮堤の整備を進め、現在までに約九割が完成しているところであります。また今後の地域振興の核となり得る海岸利用の観点からの海岸環境整備も重要であり、現在までに伊東港、下田港等において人工海浜や緑地の整備を進めてきており、例えば今年度一部完成しました熱海港の多賀地区の人工海浜では、例年に比べ約二倍、五万人もの海水浴客が利用するなど地域の活性化に大きく寄与しております。
     県といたしましては、伊豆東海岸の今後の整備のあり方について観光振興の視点を取り入れるとともに、地域からの要望を十分お聞きしながら必要に応じて海岸保全基本計画に位置づけ、地域振興にも資する海岸整備に取り組んでまいります。
     次に、伊豆スカイラインの料金割引社会実験についてであります。(発言する者あり)事務的にもう一度。
     料金割引の自動車交通への効果につきましては、並行する国道百三十五号からの交通転換により、伊豆スカイラインの交通量は実験前の平成二十年度同時期に比べ約二割増加し、お盆の時期等に東京方面の渋滞発生回数が減少するなど、国道百三十五号の渋滞緩和には一定の効果が見られております。
     一方、観光振興への効果につきましては、国道百三十五号と伊豆スカイラインの交通量を合計しました伊豆東海岸の交通量がふえていないことから、車による来訪客は実験前と同程度と考えられ、また観光交流客数も県内他地域と同様の傾向を示しております。したがいまして知事の答弁にございましたように、観光面での大きな効果を期待していましたが残念ながら現在のところ料金割引の効果は明確にはなっておりません。
     社会実験につきましては今年度で終了することになりますが、今後の進め方につきましては、料金割引には多大な費用が必要となること、また観光面での効果を得るためには地元関係者との一体となった取り組みが前提となることから、有識者等から成る社会実験協議会での議論や伊豆地域の観光関係者からの意見も参考にしながら、関係部局との連携を図りつつ今後の伊豆地域の観光振興に向けた方策や地元の取り組み状況を踏まえ検討してまいります。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) 松浦くらし・環境部長。
           (くらし・環境部長 松浦敏明君登壇)
    ○くらし・環境部長(松浦敏明君) NPOに対する県の支援についてお答えいたします。
     県ではこれまでNPO法人の設立を支援するとともに、行政とNPOとの協働をさまざまな形で進めてまいりましたが、今後はNPOが自立し、企業、地域住民など多様な主体と連携してさまざまな地域課題の解決に取り組むことが重要になるものと考えております。
     このため県では、県民や企業がNPO等の活動を資金面から支援する仕組みとして、国の制度を活用しつつNPO活動基金を創設してまいりたいと考えております。この基金には県民や企業の皆様からの寄附などを充て、支援する事業の採択に当たっては県民の皆様からの意見を反映できるようにしてまいります。
     また、会計、労務、広報など団体運営の基礎的な講座の充実に努めますとともに、情報交換会の開催などを通じNPOの組織運営力を高めてまいります。さらにNPO支援センターが未整備の市町においては、協働事例を紹介し人材を育成する講座などを開催するとともに、NPOに対する支援体制の充実を働きかけてまいります。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) 十七番。
           (十七番 中田次城君登壇)
    ○十七番(中田次城君) まず、第一点目の東部地域への医科大学の誘致について、これは私の希望も含めて要望させていただきたいと思いますが、私は、昨年七月の知事選挙においてこの県の医療政策の中で知事が掲げられた医科大学の誘致というのは、これはもう知事のマニフェストの中の私個人的には一番これはもうやってほしいという思いの強い政策であります。特に伊豆半島を中心とする東部地域の医療の脆弱さを考えたときに、県下全体にやっぱり医師をふやさなきゃいけない。これはやっぱり知事の一期四年の任期の中で、ある道筋をつけてほしいというのが私の強い思いであります。第一答弁の中でいろいろ苦労されていて、相手のあることだからというのも十分わかりますけれども、私は何とかこの一期四年の中で――今どこでどの大学がというそういうことを詰めてお話をいただきたいとは思いませんけれども――この御自分の選挙で主張されたことを何とか四年のうちに道筋をつけたいという知事の思いを、やっぱり改めて聞かせていただければありがたいなと思います。それが一点です。
     それと、幾つか言いたいことあるんですけども、特に伊豆スカイラインのことについては発言させていただきたいと思いますが、知事の伊豆半島を思う本当に温かい言葉の裏返し、その厳しい言葉を伊豆の関係者の皆さん、観光の関係者の皆さんを含めて、それはやっぱりかみしめなければいけないと思います。
     ただ、私が一方で言いたかったのは、昨年の十一月に始めてことしの十一月まで、特に今年度に入って四月から十一月までは約二〇%伸びています。だんだんだんだん制度が周知徹底されてきて少しずつやっぱり伸びてきて二割。もしかするとこれがもう少し長くやれば三割になるかもしれないというふうに私は思うわけです。ただ知事はそれは甘えの構造だと、伊豆半島全体が知事に今、一喝されたようなところがありますけれども、私としては関係者にもそういうことは伝えます。ただ効果が徐々に出てきて伸びてることも事実だということは、県の当局の皆さんにはぜひわかっていただいて、やったことが無駄だとかやったことが全然効果がなかったなんていうことではないということだけは私は申し上げておきたいんで、何か御認識があれば御答弁いただければ幸いなことだと思います。ありがとうございました。
    ○副議長(岩瀬 護君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 再質問のうちの第一の医科大学にかかわることですけれども、これは私の公約でございます。どの大学でもよいというわけにもいきますまい。県民の方々の健康、命、これを預かるということでございますから、この大学ならば安心して歓迎できるというところでないといけないということがございます。実際は複数のところがございますが、何としてもザ・ベストと、考え得るベストのところに来ていただくということで、さらに言えば大きなお金がかかりますので、したがって出てくるところにおきましても出ることが誇りであり、それを応援したいというようなそういう学風を持っているところと。それからさらに大きな志を掲げて医療というものにかかわる倫理、あるいは高邁な人道的な思想という、そうしたものに裏打ちされているところが来るのが望ましいということで、そんなにたくさんの大学があるわけじゃありませんのでそこと交渉しております。具体的な場所を挙げて交渉しております。
     いずれにいたしましても、一年半たちまして交渉相手を絞り込みながら、しかしちゃんと保険をかけながらやらなくてはなりませんので、やはりこればかりは固有名詞をすぐに挙げるわけにはいかないということでございますが、議員が改めて私に思い出させてくださいました公約は日々言い聞かせておりますことをもってお答えいたします。
     第二の件についてですけれども数字は一六・八%です。県としては最善のことをいたしました。相当無理をいたしました。これが受け取る側の最善の努力というものをやはり期待してのことです。「よし僕たちも私たちも、ひとつこの伊豆スカイライン二百円、これで一緒になって誘客を図ろう」というふうなことで、そうした試みが見えてきておりませんね。
     ですから、先ほど中田先生が、これを明確にはっきりと知事のこの熱い思いを地元の人に伝えるとおっしゃいました。これは伝え方は私よりもはるかに説得力がありそして大きな声でありそして人望もあります中田議員に大きくこれを託しまして、この年末から正月、そしていち早く春の訪れを満喫できる伊豆半島におきまして、三月三十一日という明確な期限がございますからこの間に動かれるかどうか、しっかりと注目してまいりたいというふうに思います。
    ○副議長(岩瀬 護君) これで中田次城君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
     次会の議事日程を申し上げます。
     十二月十日午前十時三十分、会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれで散会します。

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