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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

深澤 陽一 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/25/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 東静岡駅周辺の整備について                   
2 草薙総合運動場の今後の活用について               
3 台風十八号の被害を受けての課題について             
 (1) 巴川流域における浸水被害の原因分析              
 (2) 内陸高台部のイノベーションへの取り組み            
4 知的障害特別支援学校の狭隘化への対応について          
5 ミラノ国際博覧会について                    
 (1) 具体的な取り組み                       
 (2) 本県の地域外交 


○副議長(伊藤育子君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第一号から第八十六号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十三番 深澤陽一君。
       (十三番 深澤陽一君登壇 拍手)
○十三番(深澤陽一君) おはようございます。私は自民改革会議所属議員として通告に従い、一括質問方式により知事及び関係部局長並びに教育長にお伺いをいたします。
 まず初めに、東静岡駅周辺の整備についてお伺いいたします。
 この質問は毎年させていただいておりますが、いまだにどう具体的になっていくのか見えてこない感じがしております。何度も繰り返しの話になりますが、東静岡駅南口の県有地の活用については川勝知事初当選の際のマニフェストのとおり大学コンソーシアムの設置であるということはわかっておりますが、それ以外のことは何も決まっておりません。ただ私が一年目に質問させていただいた東静岡駅の県有地、市有地の統一感のある整備という点に関しては、有識者会議での御説明でもされていますように大きなテーマの一つとして組み込んでいただいており個人的には評価をさせていただいております。
 さて、私が今回もこのテーマを質問させていただいたことに関し、少し過去の質問に触れてみたいと思います。
 東静岡駅周辺整備に関する私の一年目の質問に対し、知事は、東静岡の県有地、市有地に加え、グランシップ、県立大学、美術館、図書館があり、それらを加えグランドデザインを作成し、東静岡駅は学住一体のまちづくりを行うと御答弁をされておりました。そして現在はこのようになっております。静岡県は伊豆半島のジオパーク、富士山の世界文化遺産、南アルプスのエコパーク、またお茶は世界農業遺産ということで、世界標準のすばらしい海と山の風景の画廊のようなものに恵まれているわけです。そうした地域に入ったということを示すような玄関口、陸の玄関口が実は東静岡駅なのですというように、これは有識者会議で知事が御説明された東静岡駅周辺のコンセプトですが、表現が先ほどのものと変わっているように私は感じております。
 また、東静岡駅についてこのようにも説明されております。細かく言うと長くなりますので、私なりに理解した中で省略させて表現させていただきますと、東静岡の先にはグランシップがあり、その先には新体育館このはなアリーナ、その先に美術館、図書館、各大学とつながり日本平に通じる。その先に久能山、果樹研究センター、イチゴ狩りがあって三保松原に通じ、そこが空の玄関口となり富士山に通じる。文化が信仰につながっていて、東静岡はそういう全体の陸の玄関口というようなことも有識者会議で話をされております。先ほども述べましたように、東静岡駅の県有地の整備については既に学住一体のまちづくりというコンセプトのグランドデザインの素案は発表されておりますが、今回は文化力の拠点ということで有識者に再度機能に関する御議論をしていただいております。東静岡に関する知事のさまざまな発言は非常に豊かな表現でお考えを述べられているので、それらがどうつながっているのか私の頭ではそれらを結びつけることができておりません。
 そこで質問ですが、過去の東静岡の県有地及び東静岡駅周辺整備に関する議論の成果は、現在行われている有識者会議においてはどのように生かされているのでしょうか。御説明をお願いいたします。
 二点目の質問ですが、知事は二月九日の定例記者会見の場で東静岡の市有地の用途について、首長さんが明確な方針を持って臨まないと、いつまでたっても市が何をやりたいのかわからないということでは困ると発言されているようでありますが、私にとっては知事こそ何をやりたいのかわかりません。
 そこで質問ですが、東静岡駅の県有地には具体的には大学コンソーシアムの機能としか述べられておりませんし、そこから既に五年以上が経過しておりそのほかには明確なものが示されていないと私は思っております。知事は具体的に何をやりたいのでしょうか。具体的にありましたら御説明をお願いいたします。
 もう一点。今回の有識者会議は年度内に構想をまとめることとなっておりますが、これが来年度以降、事業化の方向に本当につながっていくのでしょうか。またいずれにしてもその構想を踏まえ来年度どのように取り組んでいくお考えでしょうか、御答弁をお願いいたします。
 続きまして、草薙総合運動場の今後の活用について御質問をいたします。
 一昨年は野球場、屋内運動場が完成、そしてことしは三月に新体育館このはなアリーナが完成し、今後草薙総合運動場における今まで以上のスポーツのにぎわいが創出されることが期待されます。
 さて、野球場のほうは高校野球を筆頭に県のアマチュア野球の中心地であり、私も一野球ファンとしてあそこに足を踏み入れると緊張と興奮を感じますが、リニューアルによってさらに強く感じるようになりました。また年に数回開催されるプロ野球の公式戦では満員の観客で野球ファンを熱くしてくれております。そういうこともあり、県は年間五試合のプロ野球公式戦誘致といった目標も示されていたわけですが、興行権の金額の問題もあり実現が難しい状況であると思います。
 そこで質問ですが、人気のプロ野球公式戦誘致についてこれからも五試合誘致、あるいは日本一でもいいですが目標達成に取り組まれるお考えでしょうか、御答弁をお願いいたします。
 次に、新体育館について質問をさせていただきます。
 まずは、最近の知事の御発言について一言申し上げます。知事はこの新体育館が完成したことで、静岡市が検討の一つとしている東静岡へのアリーナ建設について、なくなったと何回か御発言をされております。が、今回静岡県のつくられたのはあくまで新体育館です。たまたま以前より大きな規模でアリーナの機能を備えているので、ということでその点をアピールしたいのかもしれませんが、新体育館はスポーツの聖地として、特に静岡県のアマチュアスポーツの拠点として建設された施設であります。静岡市が検討していたアリーナ構想はそもそもプロスポーツや国際的な大会に加えメッセやイベント、コンサート等の会場としての活用を想定したものであり、大きな違いがあります。あるいは知事の御発言をそのまま捉えれば、これから県はそういったものを中心に誘致していくということになりますが、スポーツをたしなむ者として会場の確保はプレーできるかどうかの死活問題となりますので、今までのスポーツでの活用が妨げられることがないよう望むばかりであります。これはあくまで体育館の建てかえであるという整備方針を平成二十二年六月の報道発表で伺っておりますので、できる限り無理のない活用に期待をしております。
 そこで質問ですが、新体育館このはなアリーナの活用について、現時点ではどのように考えておられるのでしょうか、県の所見をお伺いいたします。
 次に、台風十八号の被害を受けての課題についてのうち、巴川流域における浸水被害の原因分析についてお伺いをいたします。
 県あるいは関係市町では、昨年十月の台風十八号がもたらした甚大な被害について分析を行い、今後の同様な災害に対する備えの検討を行っているものと思います。まずはできる限りの対策を早急に実行していただきますようお願いをいたします。
 さて、その中で、本日は多くの浸水被害をもたらした巴川流域の原因分析について、県のお考えをお伺いするものであります。
 巴川流域に関しては、昨年公明党の盛月議員が代表質問でも御質問され当局から御答弁をいただきましたように、二十四時間雨量が百年に一度の規模であったこと、降雨の終盤に時間当たり八十ミリの激しい雨に見舞われたこと、流域内の排水路等に土砂が流入し溢水を招いたこととの分析情報を御説明いただきました。雨量が大きかったことが一番の原因であることはよくわかりましたが、土砂が流入し溢水を招いたという点に関しては、なぜ土砂が流入したのかという部分が分析の中に含まれているのか。また今回の溢水では土砂だけでなく切り捨て間伐によるものと思われる流木、あるいは表層崩壊や土砂崩れが原因だと思われる倒木が排水路等にかかる橋に詰まり流れをせきとめ、その周辺への浸水被害を起こしてしまった現象もあるのではないか。あるいは山が荒れている分被害が大きくなったのではないかといった点も議論に含まれていたのか気になるところであります。あるいは大谷川放水路については開放されるタイミングが遅かったのではないかといったことも周辺地域では不審点となっております。
 そこで質問ですが、今述べたような疑問点についてどのように分析し、さらには被害に遭った地域の住民の疑問、不安に対しては今後どのように対応されるのか、当局のお考えをお伺いいたします。
 次に、内陸高台部のイノベーションへの取り組みについてお伺いいたします。
 内陸のフロンティアを拓く取り組みについては、沿岸都市部のリノベーションと内陸高台部のイノベーションを目指して国の総合特区にも指定され取り組みを進められておりますが、そもそもは新東名周辺の内陸高台部において地域資源を最大限に生かし、企業を初め新しいまちを築こうと東日本大震災の復興のモデルケースにしていこうと取り組みを始めたものと理解をしております。
 さて、静岡県中部、特に富士川から大井川の間の新東名周辺は静岡県の土砂災害情報マップで見ると土砂災害危険箇所が多く存在していることがわかります。現在、地震・津波対策は静岡県全域で行われておりますが、台風等によって急傾斜地が崩壊し、その地域に所在する工場等が被害を受けても自然災害ということで被害に遭った事業者の自己責任で復旧をしなければならない状況であります。地震・津波については発生した場合の被害が甚大であることから百年に一度、あるいは千年に一度を想定してさまざまな対策が講じられているところであります。しかしながら数年に一度起こっている台風、豪雨等自然災害から内陸を守る対策については、膨大な時間や多額の予算が必要となることからまだまだ十分とは言えないと思います。
 そこで質問ですが、内陸高台部の地域特性を踏まえ、県として内陸のフロンティアを拓く取り組みの基本戦略に掲げる内陸高台部のイノベーションにどのように取り組んでいかれるのかお考えをお伺いいたします。
 次に、知的障害特別支援学校の狭隘化への対応についてお伺いいたします。
 以前、ある知的障害特別支援学校に伺い意見交換をした際に、入学者がふえてきた話をお伺いいたしました。昨今、少子化が問題となり学校運営が問題となっている中で、それとは反対に特別支援学校は生徒がふえているという状況のようですが、その理由として以前と比べ支援学校に通わせることにより子供たちの成長へのよい影響が見られること、そのことにより親の理解が深まりを見せたことが大きいのではないかといった趣旨の話をお伺いいたしました。この話が全体をあらわすならば、各学校の先生方の努力により特別支援学校が充実して運営されていることは高く評価させていただく一方で、ふえる生徒への対応については早急に対応すべき問題ではないかと感じております。例えば私の地元の清水特別支援学校では、施設規模百六十人程度に対し平成二十六年度が二百二十七人。人数の差が大きい所では、藤枝特別支援学校の施設規模二百八十人程度に対し四百三十九人、浜北特別支援学校の施設規模百六十人程度に対し三百八人と、県内どこの学校も大きく施設規模を上回っており施設の狭隘化が心配されます。ことしの四月には掛川特別支援学校、吉田特別支援学校の新校が開校されます。これにより藤枝特別支援学校、袋井特別支援学校は環境改善が図られるようですが、県内全域に目を向けても知的障害のお子さんが通う学校は同じように狭隘化が深刻な課題だと伺っております。
 そこで質問ですが、こうした状況を鑑みて、県として今後の知的障害特別支援学校の教育環境の改善についてどのように考えておられるのでしょうか、お考えをお伺いいたします。
 次に、ミラノ国際博覧会についてのうち、具体的な取り組みについてまずお伺いいたします。
 人口減少、高齢化が進む日本では国内消費の縮小が予想され、農林水産業の成長を図るには海外需要の開拓が欠かせないものとなっていると考えております。そんな中、先日、二〇一四年の農林水産物、食品の輸出額が二年連続過去最高を更新し初めて六千億円台に達したと報道されましたが、その理由としては和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことなど海外での和食ブームが背景の一つであると考えられているようであります。今後も一層の輸出拡大を図るため、日本食の文化や魅力はもちろん安心・安全といった日本の強みを世界に発信し、日本食の価値や地位をさらに高めていくことが重要と考えます。
 こうした中、ことし五月にイタリアにおいて食をテーマとする史上初めての国際博覧会であるミラノ国際博覧会が開幕いたします。日本政府も日本館を出展し日本の農林水産業や日本食文化を発信していくとのことであり、ミラノ国際博覧会を契機にますます和食への世界からの注目が高まり、和食の基本となる食材の輸出拡大につながることが期待されます。
 そして、既に川勝知事は日本館イベント広場に山梨県とともに参加することを表明されており、本議会にも関連予算案を提案されておりますが、そこで質問をさせていただきます。
 ミラノ国際博覧会への参加を通じて本県の魅力をどのように世界に発信していくのか、具体的な取り組みについてお伺いをいたします。
 続いて、ミラノ国際博覧会についてのうち、本県の地域外交についてお伺いをいたします。
 本県は、海外との戦略的な交流を展開するため地域外交基本方針を定め重点国、重点地域を決めておりますが、その中にはヨーロッパは入っておりません。そういった点からも本県とヨーロッパとのかかわりは重点国、重点地域と比べ相対的に弱い結びつきの位置づけとなっているとの認識をしております。このような状況で今回のミラノ国際博覧会への参加という情報が入ったとき、期待とともに少し疑問も湧いてまいりました。現在ヨーロッパにはほとんど本県の職員が派遣されていません。ミラノ国際博覧会に参加するに当たり本県職員による現地での情報収集は行えず、出展のPRなど準備が十分にできるのか心配をいたしておりました。幸い職員の皆さんの努力で出展へのめどは立ったようですが、今回のミラノ博出展を機に食に関してはもちろん静岡の文化、産業等もヨーロッパに継続して発信していただきたいと考えますが、そこで御質問をさせていただきます。
 今回の静岡県のミラノ国際博覧会出展を機に、静岡県の地域外交の展開に当たりヨーロッパの位置づけはどのようになるのでしょうか、お考えをお伺いいたします。以上、私の一般質問といたします。(拍手)
○副議長(伊藤育子君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 深澤議員にお答えいたします。前回の議会の際にお姿が見えなかったので心配しておりましたけれども、元気に回復されまして立派な質問をされまして何よりのことと存じます。
 さて、東静岡駅周辺の整備についてであります。
 東静岡駅の山側は市有地、海側が県有地ということでございますので、県と市が共同して一体的に整備していくというのが望ましいわけでございます。この東静岡駅周辺から名勝日本平、さらに三保松原に広がる地域は静岡県を代表する学術、文化、芸術、スポーツ施設の集積しているエリアであります。また中部横断自動車道の開通によりまして東西軸、南北軸の交流の結節点ともなって、この地域の場の力を最大限に打ち出すこと、そして人々を引きつける魅力的な地域にしていく必要があります。この玄関口、東静岡地区の県有地は県都静岡の発展に資する活用が期待される貴重な土地であり、世界遺産富士山の眺望を生かした美しいたたずまいを備え、新たな交流を促し、多彩な人々が集う拠点として最高の活用を図らなければなりません。私はこの東静岡駅の県有地に大学や美術館、図書館等がございますので、学住一体の大学コンソーシアムをつくるのが望ましいということを提言いたしました。そしてこれは私が大学の学長をしておりましたときに、他の大学の学長先生とも共通した意識を持ったものであります。それを実現するべく平成二十二年度から二十三年度にかけまして庁内ワーキンググループによる学住一体のまちづくりグランドデザイン素案を作成いたしました。そして平成二十三年度、私の母体でありました静岡文化芸術大学によりまして拠点施設整備の模型をつくっていただきまして、その模型を静岡市当局にお届け申し上げてそれっきりになっておりますが、そのようにして二十三年度は過ごしたわけであります。
 そして、平成二十四年度、二十五年度に導入すべき拠点機能並びに整備手法の検討を行いまして、平成二十五年十二月議会におきまして、来年度、すなわち平成二十六年度には、具体的なまちづくりや拠点機能等について御意見をいただく有識者の構想委員会を開催してまいると答弁をいたしまして、有識者会議が今立ち上がって何度も御議論を賜っていると。こういう経緯になるわけでございます。
 それで、学住一体の拠点であるということは変わりません。その点で閉じられているのではなく、市長さんもその東静岡駅の可能性を念頭に置きながら、その駅名を日本平久能山東照宮駅としたいとも言われましたね。したがってこの東静岡駅がそこで閉じられているのではなく、駅でございますからそこに降りて人の移動の動線を考えねばなりません。そうしますと、このはなアリーナ、あるいは動物園、あるいは美術館、図書館、大学、そしてSPAC、日本平ホテル、久能山。そして向こうに行きますれば果樹園、さらに駿河湾、イチゴ狩りの場所、そして三保松原とこういうわけですね。したがって点は線の一部です。同時にこの日本平というのは豊かな丘でございます。眺望がきくということで面の一部です。ですから点は線の一部、線は面の一部ですから、その点としての学住一体のコンセプトは守りつつ、それを線の中で考え、また面の中で考えるという想像力を働かせる必要があるということでございます。ぜひ議員も、そういう、点を点としてだけ見るのではなくて線の中で捉える、面の中で捉えると。そして今は面の中で捉えるという形での有識者会議の議論が煮詰まりつつあると。こういうことでございます。
 これまで検討を進めてまいりました、学生を初めとする若者が集いにぎわう学住一体のまちづくりのコンセプトや議論の成果を生かしながら、さらに高いレベルでより積極的な面、線を考慮に入れた活用を図っていくという観点で、この地域の持つ場の力を生かして、日本を代表し数々の世界水準の魅力を生み出してきた本県の文化力の高さをアピールする拠点、まさに文化力の拠点として整備してまいりたいと考えているわけでございます。
 具体的には、大学コンソーシアムなど本県ならではの学びの提供に資する機能に加え富士山や和の食文化。実際そこには食堂がほとんどありません。ですから食文化というものがなければ、あるいは食の拠点がなければ、人が来ても結局夜になると閑散とするということになりかねません。また茶の文化、花の文化。花の文化におきましても、このたび昨年の花博を百三十万で大成功におさめましたけれども、その魅力の一つであった桃源郷をグランシップの手前の広場にお見せして、その魅力を高めるということをしているわけです。
 このように、本県の誇るさまざまな文化の魅力を創造し発信する機能、さらに宿泊施設、レストランなど交流の核となる機能などについて、現在、大原美術館館長、文化勲章の高階秀爾先生を会長とする有識者会議において、市長さんのメンバーシップもそこに入っておりますけれども、その会議で御議論をいただいているところであります。
 来る来月の十八日には第三回有識者会議を開催いたしまして、文化力の拠点のコンセプトや機能などを盛り込んだ基本構想を取りまとめてまいります。来年度にはその構想の具体化に向けまして建築家や都市計画などの専門家の皆様による会議を開催し、富士山の眺望、また古代東海道の遺跡がございますので、それらを生かした施設の配置、建築、デザイン、景観に配慮した美しく品格のある外部空間のデザインなどについて基本計画を取りまとめ、東静岡地区県有地への文化力の拠点の整備に向けスピード感を持って取り組みを推進してまいります。おわかりいただけたでしょうか。
 ちなみに、その反対側、山側でございますけれども、平成二十五年度の初夏だったと思いますけれどもアンケートをとられています、市のほうで。それで三百二十七件のアンケート結果のうちサッカースタジアム百七十九件、アリーナは五十四件です。したがって三分の一以下、四分の一強というのがアリーナですね。それをどのように活用するかというのは当局がお決めにならないといかんと。それぞれに言い分があることはわかっておりますけれども決断をするということが大事ですね。決断ができないなら住民投票でもするほうがいい。ですから二重行政の、これは一部弊害も出ていると思いますけれども、ともかく県市一体となって協力をしながら整備を進めていくという基本姿勢には変わりはありません。
 次に、台風十八号の被害を受けての課題についてのうち、内陸高台部のイノベーションへの取り組みについてであります。
 防災・減災と地域成長の両立を目指す内陸のフロンティアを拓く取り組みは、沿岸都市部と内陸高台部のそれぞれの地域資源を生かし県土全体の均衡ある発展を図るものであります。本県の内陸高台部は豊かな自然環境に恵まれ、新東名高速道路や中部横断自動車道などの高規格幹線道路の開通によりまして交通の利便性も画期的に高まっております。また飛躍的に発展する可能性を持っている一方、議員御指摘のとおり土砂災害等にも十分に備えなければなりません。そのために人命を守る土砂災害防止施設の整備や避難体制の構築、自然災害のおそれがある箇所の周知徹底、進出企業の安全対策への支援等を確実に行いながら、しかし内陸高台部の持つ景観の美しさを生かして豊かな自然、美しい景観などのその独自の場の力を最大限に活用して、全体としてガーデンシティーというふうに呼び得る魅力ある地域づくりを進めてまいりたいと考えております。既に内陸高台部におきましては工業団地への企業進出が順調に進展しております。そして景観に配慮した、言いかえますならば自然の生えているもの以上のものは建てないというのが景観に配慮することになります。高いものでも二十五メートルぐらいの高い木がございますけれども、二十五メートルですと仮に三階だったとしても八階までは建てられますね。しかしそれ以上のものは建てないということが景観に配慮することになります。そうした景観に配慮した形でのまちづくりをしていこうということでございます。
 今後とも、自然災害への備えを最優先とし、新産業の創出と集積や県民の皆様の豊かな暮らしを支える新しいライフスタイル、家・庭一体のライフスタイルの創出を図り、美しく、強く、しなやかなふじのくにの実現に努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁申し上げますが、例えばミラノにつきまして、なるほどヨーロッパは遠く、またうちの飛行機も飛んでおりませんので、重点地域としては飛行機の就航先、あるいはこれまでの経緯の中で近隣地域のものとやっておりますけれども、和食が世界文化遺産になった。さらにまた本県は食の都、食材の王国であるということをいたしますと、それをすぐ捉えるだけの機敏な行動力が必要です。ですからそれを疑問に思うというよりも、これを捉えるということの重要性をあわせて考えていただいて、むしろ地域外交の中にそれをどう取り込んでいくかということを考えていくと。重点領域でないということと、そういう絶好の機会を逃さないということとは両立するものであるというふうに思っております。以上でございます。
○副議長(伊藤育子君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 草薙総合運動場の今後の活用についてお答えいたします。
 草薙総合運動場は、本県におけるスポーツの輝かしい歴史を象徴するスポーツの聖地でありますことから、その競技環境の一層の充実を図るため平成二十二年度からリニューアル事業を進めており、平成二十五年度の野球場の改修や屋内運動場の整備に続き今年度末には新体育館このはなアリーナが完成する運びとなっております。このうち野球場につきましては、スコアボードのLED化やロッカールームなどの施設の改修によりプロ野球球団から高い評価をいただいております。
 今後は、公式戦開催の定着に加え秋期キャンプの誘致も視野に入れ各球団に対しPR活動を継続するとともに、公式戦を主催する事業者等と連携し地方球場での公式戦試合数日本一の目標達成に向け誘致活動に取り組んでまいります。
 新体育館このはなアリーナにつきましては、公式バスケットボールコート四面がとれる広さのメーンフロアや二千七百席の固定観客席、サブフロアを備え、県民スポーツの拠点としての利用を予定しており、既にこの先一年間はアマチュアスポーツ利用で多くの予約をいただいております。また本年四月にはこけら落としとして大相撲富士山静岡場所が開催され、バスケットボールのWリーグ、バレーボールのVリーグの試合も年内に開催される予定であります。こうしたスポーツイベントに加え木に包まれた大規模空間を活用した展示会などの各種イベントの開催につきましても、開設後の稼働状況や興行ニーズを考慮しながら検討してまいります。
 県といたしましては、各種競技団体等の御意見を伺いながら県民スポーツの聖地である草薙総合運動場の一層の活用に努めてまいります。
 次に、台風十八号の被害を受けての課題についてのうち、巴川流域における浸水被害の原因分析についてであります。
 巴川流域では、七夕豪雨を契機に静岡市と連携して総合的な治水対策に取り組み、大谷川放水路や麻機遊水地等の整備を進めてまいりました。今回の豪雨時には、大谷川放水路は被害発生前日の午前中から放流を開始し、遊水地では大量の洪水を貯留したことで巴川下流部の水位を低下させるなど治水施設の機能は十分に発揮されたと考えております。こうしたことから、浸水被害の主な原因は二十四時間雨量が百年に一度の規模で降雨の終盤に激しい雨が降るなど現在の施設能力を超えた雨の降り方にあったと評価しております。また巴川に流入する水路等五十一カ所に大量の土砂が堆積したことや、和田川では橋梁部で樹木が川を塞いだことが確認されており、これについても激しい風雨により市街地背後の山林から土砂や倒木が流出したことが原因であると考えております。現在、県と静岡市で構成する巴川流域総合治水対策協議会において、浸水シミュレーションによる詳細な原因分析や現改修計画の有効性の検証を進めております。今後は本年五月を目途に山林の管理等にも目を向けた総合的な治水対策を取りまとめてまいります。
 県といたしましては、引き続き静岡市と連携しながら流域全体で浸水被害の軽減に努めるとともに、対策の検討過程や進捗状況をホームページや地元説明会等でわかりやすく情報発信することにより地域の皆様の不安の解消を図り、安全・安心な地域づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 知的障害特別支援学校の狭隘化への対応についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、知的障害対象の特別支援学校では児童生徒数の増加が続き、施設規模を上回る状況が続いております。狭隘化は教室数の不足や一教室当たりの人数の増大にとどまらず運動会、学習発表会等の校内行事を学校全体で行うことができず、小学部や中学部などの学部ごとの実施となるなど多方面にわたり影響を及ぼしております。
 このような状況の中で、高等学校内に知的障害対象の特別支援学校高等部の分校を平成二十三年度以降五校設置し、この四月には議員からも御紹介がございましたように掛川市及び吉田町に本校二校を開校する予定であります。
 現在、県教育委員会では、平成二十二年度に策定をいたしました静岡県立特別支援学校施設整備計画を児童生徒の就学率、高等部への入学率をもとに今後の児童生徒数の推移を予測するとともに、課題を把握、分析する中で策定から五年後に当たります来年度に見直すこととしております。この新しい計画では高等学校の施設のほか、市町と連携協力して小中学校の跡地を活用するなどの方法も視野に入れており、計画を着実に具現化していくことにより狭隘化の解消や通学負担の軽減などさらなる教育環境の改善充実を図ってまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 土屋経済産業部長。
       (経済産業部長 土屋優行君登壇)
○経済産業部長(土屋優行君) ミラノ国際博覧会についてのうち、具体的な取り組みについてお答えいたします。
 ミラノ国際博覧会の日本館イベント広場への参加は、本県の持つ多彩な食の魅力を世界に向けて発信するとともに、県産品のEU圏内への販路開拓の足がかりとする格好の機会と捉え、本年八月二十三日から二十七日の五日間の日程で山梨県と合同で参加してまいります。
 一日の来場者数が三千人程度と想定されるイベント広場では、世界文化遺産の富士山と豊かな食材と食文化を映像で紹介するとともに、食の都仕事人による料理パフォーマンス、お茶の試飲や効能セミナーなどを企画しており、公募の呼びかけに応じました静岡市を初めといたします四市一団体にも参加いただく方向で調整しております。なお販路開拓等を模索する方からも高い関心が寄せられております中、広場内では個別商品のPRなどの商行為が禁止されております。このためバカンスシーズン直前の七月上旬に博覧会会場の外で県内事業者の方々にも御参加をいただき、日本館認定イベントであります日本の食文化紹介パーティーにおいてミラノ在住のメディアや商社関係者などに本県産品をPRいたします。さらに現地レストランとの提携によりまして本県産の食材、商品を使用したフェアの開催にも取り組んでまいります。
 今後、準備をさらに進め、この夏、富士山を抱くふじのくにの食の都、茶の都としての魅力をミラノから世界に向けて積極的に発信してまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 白井企画広報部長。
       (企画広報部長 白井 滿君登壇)
○企画広報部長(白井 滿君) ミラノ国際博覧会についてのうち、本県の地域外交についてお答えをいたします。
 地域外交の展開に当たりましては、友好協定締結等の状況や富士山静岡空港の就航先などのほか、経済や観光等の分野において本県と強い関係性が認められる中国、韓国、モンゴル、台湾、東南アジア、米国を重点国・地域として取り組んでおります。このほかの国・地域につきましては双方の意向やメリットを踏まえた交流を進めております。ヨーロッパとは、ドイツからのインターンシップの受け入れやイギリスの大学への県職員の派遣を行っておりますが、ヨーロッパは経済、文化などさまざまな分野で先進的な地域でありますので、今後交流を拡大する価値があると認識をしております。
 今回のミラノ国際博覧会への参加は、本県の持つ食の魅力の発信はもとより世界文化遺産富士山の紹介等により本県の知名度の向上と交流の拡大につなげる大変よい機会であると考えております。今後、ヨーロッパに向けて本県の持つ多彩な世界水準の魅力やフランス公演が高く評価されましたSPACの舞台芸術、世界に誇る光技術産業や先端医療産業などの情報発信を行うとともに、二〇一九年のラグビーワールドカップや二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの合宿誘致など文化や産業、観光等の面で積極的に交流の拡大を目指してまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 十三番 深澤陽一君。
       (十三番 深澤陽一君登壇)
○十三番(深澤陽一君) 御答弁ありがとうございました。
 それでは、東静岡駅周辺の整備について意見と再質問をさせていただきます。
 先ほど知事の御答弁でもありましたように、平成二十五年度初夏、静岡市ではアンケートをとっているというふうな、そこでいろいろと意見があったわけなんですけれども、それを決断しなければならないということでまさに決断は必要なことだと思っております。ただこれは意見でありますけれども、先ほども質問の中でも触れましたけれども、知事がこのはなアリーナについて、そもそもは体育館だったと。それをアリーナになったと。だから静岡のアリーナ構想はなくなったというような発言を受けて、静岡市では、例えば一つの可能性としてアリーナを検討していたんですけれども、県がアリーナと言ったから、市としては県が何をするのかということを様子を見て、そしてそれを見て今度アリーナの検討を進めるというような、少し議論、検討にストップをかけてしまったようなところがあると思います。ですからもしそういった発言をされるのであれば、事前に市に相談をかけるとか、すぐにマスコミの前で発言をされるようなことはなく、市と連携して共同していろいろなことをやっていただきたいというふうに思います。
 それと、これは質問でありますけれども、先ほど東静岡駅のことに関して点を線として、そして線を面として考えてもらいたいと、まさにそれは必要なことだというふうに思います。ただ私が先ほども一回目の質問で、「来年度以降、事業化の方向に本当につながっていくのでしょうか」と質問をさせていただいておりますけれども、要はそもそも大学コンソーシアムを東静岡に、そして今度は図書館や美術館や県立大学を含めてそういったエリアでグランドデザインの素案をつくりました。しばらくしたら今度は三保松原まで含めて検討会を設けました。このままいって、これで終わるのかなと。例えば清水港が何か整備をされてきた、親水空間になってきた。じゃ、今度は清水港も含めましょう、あるいは東名の大谷のところにスマートインターができて再開発が進む。そうしたら大谷の地域も含めましょう、もう一回検討会ですというようなことになり得るんじゃないかなというふうに心配をしております。
 そういった意味で、今回三保松原まで含めた有識者会議ではありますけれども、ここで一つのエリアの収束として、結論の方向にこの有識者の議論が進むんでしょうか。その点を一点質問させていただきます。
 もう一つ、三保松原まで広がっている割には草薙駅周辺というのが議論の中に出てこないなというふうにいつも思っております。そんな中で知事は、県立大学のCOCの事業が国のほうで採択されたことを非常に高く評価されておりますけれども、例えば草薙駅中心に地域の活性化で県立大学が取り組みを進められている。あるいは草薙周辺の方々が、東静岡は日本平久能山東照宮駅ですか、というふうに市長が言ったと言いますけれども、今地域の人はそれに対して、草薙日本平駅というような名称にしていこうというようなことも今話はしております。そういった意味でも草薙駅からの動線というものも当然考えられると思いますし、むしろ大学コンソーシアムを草薙駅中心にやっても別に問題ないと思っております。そういった意味でも草薙駅周辺の今回の有識者会議での議論というものはされているのでしょうか。その点についても再質問をさせていただきます。以上、答弁を求めます。
○副議長(伊藤育子君) 白井企画広報部長。
○企画広報部長(白井 滿君) 東静岡駅周辺の整備についての再質問にお答えをいたします。
 現在進められております有識者会議では、東静岡駅から日本平、三保松原につながる全体の区域の場の力を最大限に引き出す議論、さらには東静岡駅の南北にある県有地と市有地を統一的に整備をしていくこと、そして南口の県有地に整備をします文化力の拠点、この中に入れ込む機能、コンセプトについての御議論をいただいております。
 その有識者会議の中には静岡市長さんも参加されておりまして、当初県のほうでお示しをしたプランの中にはありませんでしたが、大谷地区に新たなスマートインターチェンジもできる、道路整備もあるということで、静岡市の第三次総合計画基本計画の中に盛り込まれる施策についてもこの地域のものはしっかり入れ込んでほしいという御意見がありまして、ベースとなりましたたたき台を修正をして、現在三月十八日の最終回に向けて基本構想を取りまとめているというところでございます。現在の時点で考えられ得るこのエリアについての場の力の最大化に向けての基本構想が今年度内にはまとまりますので、それを踏まえまして、まずは東静岡駅南口の県有地において文化力の拠点となる施設を、建築やデザインの専門家の皆様に御意見をいただきながら新年度から基本計画の策定に取り組んでまいります。
 次に、草薙駅周辺の活用につきましては、過去二回有識者会議を開催をした中におきましても、草薙という地名の持つ歴史、文化、これを文化力として生かすべきという御意見もいただいております。東静岡から草薙も含めましてそういう文化の絵巻のような、そういうふうなものを織り込むべきというような御意見もいただいておりますので、最終的な基本構想の中に盛り込めるように努めてまいります。以上であります。

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