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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

阿部 卓也 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/03/2013

会派名:

民主党・ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 浜松市沿岸域の防潮堤建設について
  (1) 建設用土
  (2) 植栽
  (3) 地元建設業界の活用のメリット
2 浜名湖花博二〇一四を契機とした観光戦略について
  (1) ガーデンパーク花の美術館の夜間ライトアップ
  (2) 浜名湖サービスエリアのゲートウエーとしての利活用
  (3) 浜名湖・浜松エリア観光戦略の立案
3 浜名高校野球部・サッカー部グラウンドについて
4 ふじのくにイノベーションのあり方について
5 オープンデータの利活用の推進について
6 法人事業税の超過課税の使途について


○議長(中谷多加二君) これで相坂摂治君の質問は終わりました。
 次に、三十二番 阿部卓也君。
       (三十二番 阿部卓也君登壇 拍手)
○三十二番(阿部卓也君) 民主党・ふじのくに県議団の阿部卓也です。私は通告に基づき分割質問方式にて質問をいたします。
 最初に、浜松沿岸域の防潮堤建設についてお伺いします。
 建設用土についてお伺いをします。
 防潮堤建設用土は、主に天竜区の阿蔵山のものを使うことに決まり土の搬入は浜松市の責任で行われることが決まっていますが、運搬業務の遅延による試験堤工事のおくれが気になります。県としては浜松市に強く作業の進展を求めるべきでありますが、現在の進捗状況をお聞きします。あわせてもし阿蔵山以外の土を使用するとなれば、その土はどこから調達することを考えているのかお伺いします。
 また、防潮堤の建設工法であるCSG工法では、現場での工事残土や建設廃材を使う方法もあるとのことですが、浜松での防潮堤建設においては現状どう考えているのか、現在の二カ所の試験堤においてこれらの資材を使った工法の治験も実施していくのかお伺いをします。
 次に、植栽についてお伺いします。
 防潮堤の海側部分に植栽が計画されているクロマツ、トベラ、マサキ、シャリンバイの苗木についてであります。苗木は地元の気候風土に育ったものが望ましいと聞きますが、浜松市は浜北区を中心に植木の生産の盛んな地域でもあり、地元防潮堤の植栽に当たっては地元に産地がありながら県外産を使うような愚を犯してはなりません。そこで苗木についても県内産の優先を明確に打ち出し基本的に地元産の苗木が植栽されることが、さまざまな観点から望ましいと考えます。また苗木の生産は、植物ゆえに一定の時間が必要となるので早急に植栽計画をまとめ、生育状況や品質のばらつきを避けるために計画的な発注形態をとるなど具体的な対策を検討すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 地元建設業界活用のメリットについてお伺いします。
 この防潮堤建設は、もともとは地元企業による寄附が原資となっていることから、防災という目的と同時に地元経済への寄与という期待があります。川勝知事もかねがね内陸フロンティア構想と並立する形でこの浜松防潮堤建設を地元経済の活性化や雇用促進への起爆剤として、いわば静岡版ニューディール政策と位置づけてこられたと認識しています。現在発注済みの試験施工工事において、地元建設業四社が共同企業体の一員としてCSG工法の施工にも携わり経験値を積んでおり、今後はこの地元四社を中心として防潮堤の本工事を実施する体制が整いつつあります。また建設完了後長年にわたるであろう維持管理体制を考えたときにも工事が完了してもいなくなるわけではない地元業者であれば、顔の見える施工業者兼維持管理者として地元住民の皆様とともに、この防潮堤をめでて守り抜いてくれるものと確信しています。
 以上を鑑みて浜松防潮堤工事は、地元建設業界にチャンスを広げることにこそ大きなメリットがあると考えますが、御所見をお伺いいたします。以上について答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 阿部議員にお答えいたします。
 浜松市沿岸域の防潮堤建設についてのうち、まず建設用土についてであります。
 浜松市沿岸域の防潮堤整備につきましては、八月から試験施工に着手しており、採取地や運搬経路沿線の住民の皆様の御理解が得られたことから土砂搬出を開始したところであります。
 現在の想定では、防潮堤に用いるCSG材は二百万立方メートル程度と見込まれ阿蔵山からの土砂で賄える見込みでありますが、実際に必要となる土量については詳細設計や現地で発生する砂のCSGへの配合試験等により精査を進めている段階であります。その結果土砂が不足する場合には他の建設工事の発生土や建設廃材の活用が考えられますが、建設廃材の活用につきましては安定した品質と供給量が課題であると考えております。
 防潮堤の整備には大量の土砂が必要であることから、県といたしましては土砂確保の役割を担う浜松市と連携し安定的な土砂供給の体制確保に努めてまいります。
 次に、植栽についてであります。
 防潮堤の植栽につきましては、長期にわたり防風や飛砂防備などの防災機能を発揮するとともに、日常的には市民の憩いの場となるよう海岸地域に適する樹種を植栽に適した時期に適切な方法により植栽することが必要であります。
 このため有識者、地元自治会及び行政による検討会において、松くい虫に強い抵抗性クロマツと現地に適した広葉樹の植栽について検討をしており、今後樹種ごとの配置や植栽密度、浜松市の海岸地域でも育ちやすい苗木の品質、規格などについても検討してまいります。
 浜松の防潮堤は延長十七キロを超える長大な構造物であり、短期間に大量の苗木が必要となることから、県では抵抗性クロマツについて既に静岡県山林種苗組合連合会に対し、育成期間を短縮できる苗木生産の技術指導などを行っているところであります。
 県といたしましては、植栽工事の発注計画にあわせ広葉樹も含め地元の風土に合った県内産の苗木の調達がしやすくなるよう植栽樹種の検討結果など必要な情報を早期に公表し、地域の住民の皆様や苗木生産者の団体と連携を図りながら、円滑な植栽を進めてまいります。
 次に、地元建設業界の活用のメリットについてであります。
 地域の建設業は、社会基盤を整備し災害から地域を守る重要な役割を担うとともに、多くの就業機会を提供する主要な産業であることから、県では県内業者が施工可能な工事については県内業者に発注しているところであります。浜松市沿岸域の防潮堤工事を地元業者が受注した場合には、全体事業費が約三百億円に上り、元請業者だけでなく雇用や資材の調達等地域への経済的な波及効果が大きいことに加え地域の状況を熟知したよりきめ細やかな施工が期待できることにあると考えております。
 一方、防潮堤工事で採用するCSG工法は、現地で発生した土砂等を有効に使いコストの縮減や工期の短縮が図れる利点がある反面、CSGの強度を管理するため製造段階でさまざまな品質管理が必要になるなどその特殊性から施工者の技術力と経験が重要であります。
 県といたしましては、この防潮堤工事は地元業者の協力なしにはなし得ないものと考えておりますので、品質確保における技術的課題を十分考慮した上で県内業者への発注に努めてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 阿部卓也君。
       (三十二番 阿部卓也君登壇)
○三十二番(阿部卓也君) 御答弁ありがとうございました。再質問をさせていただきます。
 建設用土についてですが、この建設用土の運搬が始まったとおっしゃいましたが実際は九月三十日にやっと始まったと聞いております。そうするとやはりおくれが非常に心配です。今議会には防潮堤追加工事費として補正予算案が提出されています。この補正予算案を通したとすれば、今年度中に発注と基本的にはなると思いますが、そうなった場合試験堤の本来目的であるさまざまな知見が十分に得られないままで、もし本工事発注となってしまったらこれはよくないことだと思います。それについてどのようにお考えなのか。
 また、県として協力できることがまだまだあるはずです。例えば土砂置き場や建材置き場。こういうものを臨機応変に県も協力して用意をするなどそのような協力もできると思いますが、再度県としてのお考えをお聞きします。
 それから、植栽についてお伺いします。
 御答弁でわかりましたが、植物が相手ですので早急に専門家や地元の生産業界にも助言を求めて植栽時期、それからまたなかなか難しいかもしれませんが、発注方法についての検討も進めるべきと思いますが、再度お聞きをします。
 最後に、この防潮堤事業は先ほども述べたように単なる防潮堤の建設だけではなくて、さまざまな意味合いがあると認識していますが、改めてこの事業にかける県のお考えをお聞きしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
○交通基盤部長(長島郁夫君) 防潮堤建設につきまして御答弁申し上げます。
 まず、建設用土につきましてでございます。
 浜松市の防潮堤は、全長が十七・五キロにわたる大規模な工事であります。いざというときにしっかりと強度を保ち、機能を発揮する構造物の築堤が必要となってきます。この試験施工によりまして、しっかりこの強度を確認した上で進めていくことが必要であるということで、そういう形で進めていきたいと思います。大量の土砂運搬が必要になる大工事となりますので、今後もいろいろな課題が生じてくるとは思いますけれども、それについては浜松市としっかり連携をして対策を進めていきたいというふうに考えてございます。
 それから、植栽についてでございます。植栽については、現在検討会の中で専門家の意見ももらっているところでございますが、その中で樹種ごとの配置またその植栽の間隔とかそれから浜松地域に育ちやすい苗木の品質規格などそれについても検討しているところでございます。防災機能の確保と日常的には市民にも憩いの場となるような防潮堤になったらということで植栽のほうも進めていきたいというふうに考えてございます。
 県の意気込みをということでございますが、先ほども申しましたがこの事業、浜松地域の本当に大きな事業でございますので、しっかり確実に施工が進められるように県として浜松市と一緒になって最大限の努力をしていきたいというふうに考えてございます。以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 阿部卓也君。
       (三十二番 阿部卓也君登壇)
○三十二番(阿部卓也君) 御答弁ありがとうございました。
 それでは次の質問に移ります。
 次に浜名湖花博二〇一四を契機とした観光戦略についてお伺いします。
 来年開催される浜名湖花博二〇一四は、単発的なイベントで終わらせるのではなく、終了後の浜松エリアの観光拠点としての浜名湖ブランドの確立をさせる契機にせねばならないと痛感しています。川勝知事は、よく世界遺産となった富士山を訪れる国内外の観光客を県内にもう一泊していただける魅力ある観光地となるのは浜名湖だとおっしゃっておられますが、このエリアの魅力を育てるチャンスとなる浜名湖花博二〇一四を前にした今だからこそ、三つの具体的な提案をいたしたいと思います。
 まず、ガーデンパーク花の美術館の夜間ライトアップについて提案をいたします。
 まずは花博会場となる浜名湖ガーデンパークの魅力を倍増させるために夜間開園予定がない花博ですが、ガーデンパークの一番奥にある花の美術館――旧称モネの庭の夜間ライトアップを提案します。夜間公開することによって、ナイトツアーであるがための宿泊客の増加や滞在時間の延長も見込まれ、また前回の花博を知り日ごろ無料開放されているガーデンパークに親しんだ近隣住民にとっても夜間ライトアップは新鮮な魅力として映るであろうことも予想されますので、これを契機に再びそのすばらしい庭園が内外に認知されるようになれば、花博終了後もさまざまな波及効果が期待できると考えます。
 以上の理由から、花の美術館の夜間ライトアップ提案について御所見を伺います。
 次に、浜名湖サービスエリアのゲートウエーとしての利活用について提案をいたします。
 前回の花博同様浜名湖花博二〇一四期間中、船を活用して花博会場や浜名湖各所へ観光客を輸送することは、新たな浜名湖の魅力を知っていただくすばらしい機会になると考えます。そしてこの湖と船の魅力は、花博期間中だけではなくこれからの浜名湖観光の目玉として育てていかねばなりません。
 今般、官民の関係機関で組織する協議会が東名高速道路の浜名湖サービスエリアに桟橋を設置し、小型船により浜名湖を観光する社会実験に応募し採択を受けましたが、これを第一歩として浜名湖サービスエリアを海から入る浜名湖観光の魅力的なゲートウエーとして恒久的に確立させていく必要があります。
 そこで今回の社会実験終了後も小型船だけではなく、既に就航している浜名湖遊覧船等の大型船による離発着もできるようにして、より多くの皆様に利活用いただき海のゲートウエーとしての機能の充実を図っていくべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、浜名湖・浜松エリアの観光戦略の立案について提案をいたします。
 浜名湖は東の富士山、伊豆に対して西の観光拠点と位置づけられていますが、今回の浜名湖花博二〇一四は、その西の観光拠点のさまざまな魅力をPRする絶好の機会でもあります。地元浜松市も今、優勝すれば熊本県のくまモンのように大いに注目を集めるゆるキャラグランプリで、出世大名家康くんの優勝を目指して相当力を入れています。これは徳川家康公顕彰四百年を二〇一五年に迎えるだけに、関連史跡も多く点在している浜松・浜名湖エリアをPRするプラス要因になりますし、今般観光庁の戦略拠点指定も受けて海外へのPRも視野に入れ鋭意努力中です。
 静岡県としては、国内外の観光客を富士山だけではなく県内を周遊していただき、より長く滞在していただく大作戦を各地の観光地と練っていかねばなりませんが、この浜松エリアは今が旬です。今こそ静岡県と浜松市が共同して研究会や協議会を設置して、浜名湖・浜松エリア観光戦略を立案すべきだと考えます。静岡県が旬を逃さず大局観とセンスを持って観光戦略を描けるのか、御所見をぜひお聞かせ願いたいと思います。以上について答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 浜名湖花博二〇一四を契機とした観光戦略についてのうち、東名のSAでございます浜名湖サービスエリアのゲートウエーとしての利活用についてお答えを申し上げます。
 浜名湖は、言うまでもなく美しい自然、温泉、豊富な食の恵みなど多彩な観光資源に恵まれておりまして、富士山や伊豆半島と並び本県が全国に誇る観光ブランドと認識しております。このため浜名湖を活用した地域振興を目的に国や県を初め浜松市、湖西市の行政機関と舘山寺温泉観光協会などの民間事業者が一体となった協議会を設立したわけでございます。
 そして、去る九月三十日には国土交通省の御採択をいただきまして、浜名湖サービスエリアから高速道路利用者が小型船で舘山寺等の湖岸地域にアクセスできるようにする社会実験を実施することとなりました。御案内のように高速道路の敷地内にある浜名湖サービスエリアから浜名湖周辺への出入り口は、高速自動車国道法により制限されています。今回社会実験という制度を用いて、一時的にこの制限を緩和することができるというわけですね。今回の社会実験では、浜名湖サービスエリアに浜名湖を遊覧する小型船の発着所を設置して、高速道路利用者が舘山寺等の湖岸地域に船でアクセスできるようにするものでございます。目下のところ、この社会実験は十月中旬から一カ月ほど実施することにしております。私はこの実験に立ち会いたいというふうに強く念願しております。そして将来的には大型船の利活用も見据えております。目下のところは民間事業者による継続的な小型船の運営を目指しまして、事業の採算性などについて検証してまいると。これをぜひ成功させたいというふうに思っております。もちろん狙いは、来年三月から浜名湖花博二〇一四が開催されるということでございまして、浜名湖サービスエリアが魅力的なゲートウエーとしての機能を持ち浜名湖が国内はもとより世界に誇れる観光地となれるように国や浜松市を初めとした関係機関が一体となって、この期間中、花博の期間中、民間による事業としての本格実施を視野に入れて必要な支援をしてまいりたいと。
 そして、ただに観光だけではなくてこれが将来的に大型船も含めた利用ができるようにするには、やはり防災という観点も重要です。今新東名のSA、PAは大変にぎわっております。一方東名のほうは、にぎわっているSAというのは富士川楽座でございます。そうした中で海辺、海から入るサービスエリアあるいは海に臨めるサービスエリアとして、この浜名湖サービスエリアというものの土地の持っている力というのは大変大きいと。観光と防災の両面にあるとも思っておりまして、これはぜひ継続的にこの実験を成功させて平常のものにしていきたいというふうに考えている次第でございます。以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 渥美経済産業部長。
       (経済産業部長 渥美敏之君登壇)
○経済産業部長(渥美敏之君) 浜名湖花博二〇一四を契機とした観光戦略についてのうち、ガーデンパークの花の美術館の夜間ライトアップについてお答えいたします。
 花の美術館は、十年前の浜名湖花博においてモネの庭として大変好評を博しました。現在も春には六百品種もの花が観賞できる人気スポットで観賞に加えて結婚式、演奏会などのイベントでも活用され親しまれております。
 今回御提案のありました浜名湖花博二〇一四開催期間中の花の美術館の夜間ライトアップについては、花の美術館の一層の魅力アップが図られ集客効果が期待できるものと考えられます。
 今後実施に当たっては、夜間の入園者の安全対策、交通アクセス及び閉園後に行っている植物管理の時間の確保などの課題があることから、浜名湖ガーデンパークを管理する指定管理者等と調整しながら可能性について検討してまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 下山文化・観光部長。
       (文化・観光部長 下山晃司君登壇)
○文化・観光部長(下山晃司君) 浜名湖花博二〇一四を契機とした観光戦略についてのうち、浜名湖・浜松エリア観光戦略の立案についてお答えいたします。
 浜名湖を中心とする浜松地域は、美しい自然景観を有し温泉や歴史・文化、マリンスポーツ、産業観光を満喫でき、ウナギ、フグ、ミカンなどの多彩な食を堪能できる地域として、世界遺産富士山や伊豆半島ジオパークと同様に世界に誇れる本県を代表する観光地であります。
 県では、その豊富で多彩な魅力を国内外に発信するとともに、浜名湖をめぐるサイクリングなどの商品造成への助成や旅行商品を企画販売できる人材の育成を通じ、滞在型観光を目指す地域の主体的な取り組みを支援することで本地域の観光振興に取り組んでまいりました。
 来年四月からスタートするふじのくに観光躍進基本計画では、地域別の計画を新たに策定することとしております。特に西部地域の計画では、産出額日本一のガーベラを初めとした花、温泉、徳川家康公ゆかりの歴史・文化など家族で楽しめる観光プランを提供するなど浜名湖花博二〇一四の開催のこのときを逃さず、観光客の満足度向上とリピーター客の獲得に戦略的に取り組むこととしております。
 浜名湖が世界のブランドとして大きく飛躍するよう西部地域の豊かで多彩な資源について地元の皆様とともにその価値を再確認し、さらに磨きをかけることで国内外からの観光誘客に一層取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 阿部卓也君。
       (三十二番 阿部卓也君登壇)
○三十二番(阿部卓也君) 御答弁ありがとうございました。再質問をいたします。
 今、下山部長から観光戦略についてお伺いしたんですが、知事が平素浜名湖を観光拠点にするということをおっしゃっておられるんですが、現実問題観光には地域主導という形がどうしても出てきてしまいます。ところが地域主導にすると観光地というのは、県内各地を見ても自分のところがまずよければいいというところから来てしまうものですから自分本位になりがち。この固定観念をエリアで考えればもっとよくなるんだと。みんなよくなるという概念転換をしていただかなければならないと思います。そういう意味での観光戦略の立案が今こそ必要だということを申し上げているので、もう一度そのあたりを鑑みての御答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 下山文化・観光部長。
○文化・観光部長(下山晃司君) 地域における観光戦略の立案についてお答えをいたします。
 現在、浜名湖を中心としました西部地域におきましては、浜名湖観光圏整備推進協議会というものを組織しておりまして、県のみならず浜松市、湖西市、あるいは観光関係団体ということで大きなエリアの中で事業を進めてきております。この事業も平成二十一年から進めておりまして本年度までとなっておりますが、今回の県の観光基本計画の地域編の作成につきましてもこういった協議会での御議論もいただき、また地域への地域づくりトークということで西部地域の皆様の御意見を伺ったりとそういう格好でつくっております。単独の市あるいは単独の観光資源だけということでなくて、大きなエリアとして捉えて地域計画もつくってまいりたいとそのように考えております。
○議長(中谷多加二君) 阿部卓也君。
       (三十二番 阿部卓也君登壇)
○三十二番(阿部卓也君) 再々質問いたします。
 いつ誰が何をどうやってやっていくのかということをお聞きしたいのです。できれば知事の御所見をお伺いします。
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) まずは花博。来年の花博が突破口になるだろうというふうに思っています。エリアということですがもちろんふじのくに静岡県全県下を視野に入れておりますけれども、しかし静岡県というのは西は愛知県、さらに北は長野やあるいは北陸にまで広がっております中部圏の経済圏を観光として捉えようという動きもございまして、これを昇龍道と。龍が昇る道というふうにして、今国交省の御助言をいただきながら北は石川、富山から、南は三重、愛知、静岡が入っております。そうした中で私どもは北陸に来た方がこちらから帰るというふうなことも含めてやっているということで、今回の花博というのはもちろん東に来られた方々を西に呼び込むということだけでなくて、北、西、そうしたところの方々も含めて、花博イコール同時に宿泊、さらに枕とともに顎を使う、すなわち食の祭典にもしたいというふうに考えておりまして、とりあえずはいつは花博の時点、どこでは浜名湖周辺、そして誰がはいわば県民一体になってというふうに申し上げたいと存じますが、そこを拠点にしてこの三月から六月までのこの期間を浜名湖の発信に活用したいと。
 できれば浜名湖のそういう協議会が杭州の西湖ですね、そこにまさるというような自覚を持っていただくと一気に国際性が出てくるだろうと。ですから私はその協議会の方たち、できる方が御一緒になって一緒に釜の飯を食うために旅行するということが大事であると。浜名湖の周辺の方たちはそういうやらまいか精神が旺盛ですが、静岡県全体として観光客は寝て待つものだというような、どこかに気風がございますけれども、これからの観光は攻めねばなりません。みずからが観光客となって相手の観光地のノウハウを吸収して帰ってくると。そのことが浜名湖の全体としての位置づけを確かなものにしていって、特に小さな枠にとらわれない大きな視野を持った観光地と育っていく機縁になるだろうというふうに思っております。以上です。
○議長(中谷多加二君) 阿部卓也君。
       (三十二番 阿部卓也君登壇)
○三十二番(阿部卓也君) 御答弁ありがとうございました。
 次の質問に移ります。
 浜名高校野球部・サッカー部グラウンドについてお伺いをいたします。
 現在の浜名高校の野球部及びサッカー部グラウンドは、浜松市の市営小林グラウンド兼準用河川小松川雨水貯留池を浜松市から使用許可を受けてグラウンドとして利用していますが、浜松市は来年度からこの市営小林グラウンド機能を廃止する方針を打ち出しており、雨水貯留池としての機能のみが残りグラウンドとしての継続使用が危ぶまれています。浜名高校が現有するグラウンドは県立高校の中でも手狭であり、この小林グラウンドの使用ができないとなると強豪校として知られる同校の野球部、サッカー部の活動や生徒の体育教育もままならないことになります。
 そこで、このグラウンドを伊豆中央高校が狩野川の河川敷を河川占用許可をとって使用していることと同様に早急に占用許可をとって継続利用ができるように、浜松市と早急に協議すべきと思います。
 また、あわせて市営小林グラウンドの附属機能として浜松市教育委員会が管理しているグラウンド面やバックネット、スコアボードなどについてできるだけ県が管理を引き継ぐよう配慮すべきと考えますが、教育長の答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 浜名高校野球部・サッカー部グラウンドについてお答えいたします。
 浜松市営小林グラウンドは、昭和二十九年に当時の浜名郡北浜村が民有地を購入し、村営グラウンドとして整備を行いました。その際浜名高校の後援会やPTA等が購入経費の一部を寄附したことから浜名高校の優先使用が認められました。その後昭和六十年度に準用河川小松川流域の水害防止を目的に当時の浜北市がグラウンド内に雨水貯留池機能の整備を行いましたが、引き続き浜名高校が優先的に使用し、野球部及びサッカー部などが利用してきました。
 一方、浜松市からは浜名高校以外の利用実態がほとんどないことなどを考慮し、当該グラウンドのあり方について検討する意向が示されたことから、県教育委員会では今後の利用や管理等について浜松市との協議を始めたところであります。
 県教育委員会といたしましては、これまでの経緯や利用状況を踏まえ浜名高校が当該グラウンドを継続使用できますよう議員から御提案もありました河川占用許可や必要な設備の管理のあり方も含め、具体的な方策について引き続き浜松市や学校関係者と協議をしてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 阿部卓也君。
       (三十二番 阿部卓也君登壇)
○三十二番(阿部卓也君) 御答弁ありがとうございました。
 次の質問に移ります。
 ふじのくにイノベーションのあり方についてお伺いをします。
 静岡県の産業界の持つ潜在力は、世界に誇る技術力や経験を持った中小零細企業群の存在だと言っても過言ではなく、静岡県の産業政策はこの中小零細企業群にきちんとスポットを当てたものでなくてはなりません。現在その中小零細企業群が直面している課題は、輸送機器産業に代表されるようにサプライチェーンの国際化、生産素材や部品の転換、ロボット導入による省力化などであぶれてしまう技術や設備、そして失われる雇用があるという問題です。このままこの状態を放置しておけば経営体力のない中小零細企業群は先細り、せっかくの静岡県の宝とも言うべき潜在力が失われることになってしまいます。
 今や世界的にイノベーションは停滞していますが、私はイノベーションは必ずしも先端技術の革新である必要はなく、むしろ技術のシンプルな応用、適用により新しい市場を創造すればよいと考えます。例えばプロフェッショナルや専門家が使うものを一般大衆が使えるものにつくりかえるとそこには新しい文化と市場が生まれます。例えればホンダのカブ。カブは、世界にオートバイは手軽な乗り物だという価値観と新たな市場をつくり出しました。またスズキも軽自動車という新市場を開拓し、新たな価値観をつくり出しました。そのスズキは、トヨタもそうですが、自動車産業に進出する前は織物屋さんです。自動織機の技術を他の技術とつなぐことで全く新しい使い方を生み出し、新しい産業をつくり上げたのです。まさに新結合です。
 イノベーションを樹木に例えると次々枝分かれさせていくことで次世代を担う太い幹を育て、葉を茂らせ花を咲かせ実を結ばせ、それが種となって新たな芽吹きを呼んできました。ところが今はどうかというと間伐も下草刈りもされない暗い森で土壌は痩せていく、新しい枝分かれも芽吹きをするチャンスも乏しい、そんな状態だと感じています。つまりはイノベーションがしづらいということです。
 川勝知事は、就任当初からシュンペーターのイノベーション理論を引用され、産業政策においては新結合で新産業をつくるとおっしゃってきました。そこでイノベーションを生むための具体的な施策を提案します。一、中小零細企業は、調査費や研究費が潤沢ではありません。そこで技術やアイデアを目ききしたりアドバイスをできる人材や情報を県が主導的に集めてネットワークとして構築すること。二、その上で中小零細企業が新たなチャレンジのための資金供給がしやすい思い切った制度設計を最初から銀行や信用保証協会と連携してつくること。三、さらには、国内外の頭脳を取り込むためにシンガポールが国策として実施しているような調査研究環境を整えたり、新潟の国際大学が実施しているような人材育成施策も考え頭脳を巻き込むシステムをつくること。四、そして川勝知事の提唱する新結合への取り組みを具現化し、県内外に明確な戦略を示し本気度をわかりやすくするためにまずは経済産業部にイノベーション課ないしは新結合課を設置すること。これは現在の新産業集積課の業務がベースになるのでしょうが、もっと強烈に業務を明確化してマインド的にも内外にインパクトを与えないとムーブメントにはなりません。以上、ふじのくにのイノベーションのあり方について、知事の御所見をお伺いして答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) ふじのくにイノベーションのあり方についてお答えをいたします。
 本県では、イノベーションを推進し次世代産業を育成するために本県の持っております既存の人、わざ、物を新しい視点で結びつきを変えるという、これを新結合として推奨しているわけです。世の中には無から有は出てきません。あるものをどういうふうに変えて結びつけるかということしかできないのですね。ですからその結びつけ方、新しい視点、また時代の流れを見る目が必要になってきます。そうした中で大きくは健康医療産業、またエネルギー、環境、航空宇宙など、さらに食品というか食材についても、これは新しいフロンティアであるというそういう潮流があるという共通認識をまず持っていただきたいと存じます。
 こうした取り組みの中で私は、議員が御指摘のように本県の誇るのは自動車関連の部品製造、企業の持っているたくみのわざでございます。こういう方たちの中からそれまでのたくみのわざ、技術を生かして成長分野である医療・福祉機器や航空機部品などの開発に取り組む事例が出てきているのを喜んでおります。
 さて議員、さまざまな有益な御提言を賜りました。まず第一に人材や情報のネットワークの構築につきましては、現在民間企業等での豊富な知識や経験を持つコーディネーター八十人を県内大学や産業支援機関等に配置いたしまして、技術の目ききや販路開拓などの御支援を願っております。
 第二に資金供給のしやすい制度設計につきましては、これは信用保証協会や金融機関等と連携をしなければなりません。一番大切なことは、新しい事業にチャレンジしようとする方を見つける目を持っている方が金融機関にいることが大切です。担保があれば貸すというのではなくて、この方にかけるというそうした思い切ったまさに購買力を差し上げて、その方が能力を発揮できるような、それを支援するような金融機関でなければならない。国債を買っているだけではだめだということでございます。そしてそういう方への創業また経営革新等に要する資金に加えまして、今年度からは成長産業分野へ進出しようとしている中小企業向けの制度融資を創設いたしました。
 三つ目の御提言でございます国内外の頭脳の取り込みにつきましては、極めて大事なことでございます。我々のクラスターのうちファルマバレーのプロジェクトが「ネイチャー」で紹介されるようなこともありまして、国際的な情報発信が行われております。
 一方、フランスの医療クラスターまたアメリカのネブラスカ州の大学や企業などとの交流も行っております。またドイツなどの大学生や県内大学で学んでいる留学生の県内企業へのインターンシップを行っております。さらにまた現在、東南アジアを中心にアジア地域へ本県の企業が出ていっております。そこで新しい需要、それぞれの土地にある需要を見て、我々の技術をそこで活用するという消費動向また需要構造。こうした相手の文化様式に応じたものをこちらの技術を通してつくっていくことということもまた実は結果的には、国外にある知見を取り込むということになると存じます。
 四点目の御提言であるイノベーションに関する明確な戦略の提示についてでございますけれども、目下のところ私どもは総合計画におきまして産業政策の基本方向は次世代産業をつくることだということで、先ほど申しましたような医療健康、エネルギー、環境、航空宇宙、さらにまた食品関係、さらに言えば花卉産業ですね。こうしたクオリティー・オブ・ライフを上げるようなところに、内需の拡大を含めた形での成長産業が育つ領域がございます。こうしたところに特に中小企業の参入を促すべく、研究開発から販路開拓まで一貫して支援してまいりたいというのが戦略でございます。
 本県といたしましては、このような取り組みに加えまして議員の示唆に富んだ御提言、新結合課を設けるかどうか。これを設けてもその課長が大したことがなければ何もなりませんので、そこで別に物をつくるわけじゃありませんから。目ききがどこにいるかということをやはりそれぞれの分野で我々が見つけるということが大事なので、そうした目を育てるという意味におきまして新結合課的なそうした目を我々はどの分野においても持つように、そういう県庁のあり方を模索してまいりたいと思います。
 今後とも、新しいイノベーションを引き起こすことにつながるようにネットワークの構築や人材育成などの施策の充実を図って、次世代産業の育成に努めてまいります。以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 阿部卓也君。
       (三十二番 阿部卓也君登壇)
○三十二番(阿部卓也君) 御答弁ありがとうございました。再質問をさせていただきます。
 先ほど御答弁の中で八十人のアドバイザー等々を各地に配置しているということなんですが、残念ながらそれが見えないんですね。また金融機関に目ききができる人がいることが大切と。融資に当たってということをおっしゃいましたが、そのとおりだと思います。
 先般、信用保証協会の部長さんとこの新しい産業に投資するためにはということをいろいろ議論をさせていただく機会がありました。その際にまた地元の信用金庫や銀行の皆さんとお話しする中でも、いやどうしてもその目きき人材を育成するのが、なかなか地方の企業では手が回らないんですということを訴えておられます。
 じゃ、その目ききがどこにいるかなんですが、今燕三条市というのが新潟にありますが、そこは大企業の専務さんをやっていた方をヘッドハンティングしてきて、その人脈やいろんな経験値を知見を生かして、燕三条の中小零細の企業群のマッチングをしておられる、そういう事例もございます。なおかつさらに今大企業を退職された方々、いろんな人脈や経験を持った人たちがどこへ行ってしまっているかというのをちょっと調べてみたら、大変残念なことなのですが中国にある意味買われてしまっている。ヘッドハンティングで。ですから企業がいくら機密保持していても退職された方の面倒を見なかったりするものだから、その方々が流出している。全ての大切な情報が流れてしまっているという事例もあります。ですのでそういうところにもう一度きちんと着眼点、着目をしていただいて、このイノベーションの政策を立てるべきと思いますが、再度知事の答弁をお伺いします。
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 八十人のコーディネーターにつきましては、もう少し皆様方におわかりになるように努力をいたします。
 それから、目ききというのはなかなか難しゅうございますけれども、どのような方が出てくるかということを促す方法もあると存じます。信用保証協会また金融機関が本県にございます二十万の事業所がございますけれども、大半が中小でございます。商工会あるいは商工会議所連合会のほうで今やっている本業のうち一割を新しいことに向けるというふうな運動を起こしていただきますとそれができるところとできないところが見えてきますので、やろうとしているところに対しては目ききでなくてもある程度ここには意欲があるということの判断基準にはなるだろうということで、そういう燕三条の例は、本県にもそういう潜在的にすぐれた方がいらっしゃるとは存じますけれども、その方を探す目ききをまた探さないといかんということもございまして、差し当たっては既存の中小企業の中で本当にやる気のある人たちがどういうやる気をする場合、方法があるかと。一割を本業とは別に新しいことに向ける余裕があるところはやってごらんなさいという、そういう運動を起こせば、やる気のあるところが見えてくると。そこを中心に励ます方向で八十人のコーディネーターや信用保証協会の方々と御一緒に県も一緒になりまして励ましていくというような方向性を考えてみたいと存じます。以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 阿部卓也君。
       (三十二番 阿部卓也君登壇)
○三十二番(阿部卓也君) 御答弁ありがとうございました。
 一つだけ要望を申し上げます。自民党の皆さんにやじを飛ばされそうですが、私は正直素直に安倍総理のアベノミクスの打ち出し方というのは、非常に上手でいらっしゃるなと敬服しています。知事もPR力が非常にあられるので、イノベーションをやるんだという象徴的なアベノミクスの一の矢二の矢三の矢のような、そういう産業政策をぜひとっていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 オープンデータの推進についてお伺いします。
 オープンデータとは、公共データを二次利用可能な形で民間に開放することにより自治体みずからがサービスを提供しなくても、民間主導でネットワークを通じた多様な公共サービスが創造されるという、さまざまな可能性を秘めています。
 そうした中、本県はオープンデータのポータルサイトふじのくにオープンデータカタログを八月二十七日に都道府県では初めて開設しましたが、オープンデータの数や内容の整備について今後どのような方針で取り組んでいくのかお伺いします。
 また、オープンデータ活用のためには、高機能携帯端末のアプリ開発を対象としたコンテストを実施し学生や若者の県政への関心を高め、県内のICT産業の育成に努めるなど積極的な展開が必要と感じますが、あわせて所見をお伺いし答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 池谷静岡県理事。
       (静岡県理事 池谷 廣君登壇)
○静岡県理事(池谷 廣君) オープンデータの利活用の推進についてお答えいたします。
 オープンデータの利活用により県政の透明化、県政への県民参画、地域の活性化などが期待されることから、県ではふじのくにオープンデータカタログを開設いたしました。現在災害拠点病院の位置情報や富士山ビューポイントなど四十二種類のデータを公開しておりますが、今後も提供データの拡充を図るとともに、より充実した活用に向けて国、市町が保有する公共データとの連携も進めてまいります。
 また、データは公開するだけではなく、例えばバスのリアルタイム運行状況や観光マップのアプリが実現している福井県鯖江市のように実際に利用してもらうことが肝要であります。このため来年の二月に世界の百以上の都市で一斉に開催されるオープンデータの活用促進イベント第五回インターナショナル・オープンデータ・デーに本県も参加を予定しております。当日は参加者が本県のデータを活用したアイデアを出し合ったり、出されたアイデアをもとにソフト開発を行うなどのイベントを実施します。
 さらに今後は、利用の鍵を握る企業、NPO法人、大学関係者などとの連携を強化したりオープンデータを活用したソフトのコンテストの検討など利用拡大に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 阿部卓也君。
       (三十二番 阿部卓也君登壇)
○三十二番(阿部卓也君) 御答弁ありがとうございました。
 最後に、法人事業税の超過課税の使途についてお伺いします。
 法人事業税の超過課税を五年間延長したいと先般知事が答弁をされましたが、その使途の一つ災害対策において、日ごろから川勝知事も早急な整備の必要性を唱えておられるくしの歯道路や緊急輸送路の整備は、災害時の救助、復旧等の大動脈となるだけに重要であり、超過課税の使途に含めるべきと考えますが、御所見を伺います。
 また、超過実態を見ると平成二十四年度の法人事業税の超過課税分を法人市町村民税の割合のみで推計したところ、県全体で六十億百万円のうち静岡市分が十三億六千百万円、割合にすると二二・七%、浜松市分が十二億一千五百万円、割合で二〇・二%を占め、政令市分の負担率が四二・九%を占めることになります。その一方で平成二十一年度から二十五年度に、政令市に対して交付される高規格幹線道路等整備促進費交付金の額は、両市合わせても超過課税の約三割の配分となっています。これをどう考えるかです。
 先ほども申し上げましたが、災害対策の観点から緊急輸送路の整備は重要であり、政令市内の緊急輸送路も同じであります。例えば浜松市の東名浜松インターと新東名浜松浜北インターとを連絡する緊急輸送路――天竜浜松線のバイパスとして都市計画道路浜北馬郡線の整備が進められていますが、現状では到底十年では建設が困難なペースであります。
 そこで今回の延長に際しては、政令市管理道路についても地震・津波対策アクションプログラム二〇一三で目標を設定している県管理道路と同様に最悪でも十年以内の目標達成という期限をつけて政令市交付金が増額できるような事業設計も検討すべきと思いますが、御所見を伺い答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 土屋経営管理部長。
       (経営管理部長 土屋優行君登壇)
○経営管理部長(土屋優行君) 法人事業税の超過課税の使途についてお答えいたします。
 想定される南海トラフの巨大地震から県民の生命財産を守り、発災後の経済活動を含めた速やかな復興を図るため、来年度以降の地震・津波対策の財源の一部として、法人事業税の超過課税を活用したいというふうに考えております。具体的には地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の重点施策であります新たな津波被害想定への対策、超広域災害への対応、複合災害・連続災害対策のほか災害に強い高規格幹線道路網の整備に要する経費への充当を想定しております。
 議員から御提案のございました緊急輸送路につきましては、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三にも位置づけられておりまして、大規模地震等が発生した場合の救急救援活動に重要な役割を果たすことから、超過課税の対象に含めて整備を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 政令市に対する交付金でございますけれども、政令市内の国・県道の管理、これにつきましては県から政令市に移譲されているため、本来道路整備につきましては、道路管理者である市が主体的に整備すべきものであります。しかしながらこれまで県内を広域的に結ぶ高規格幹線道路網につきましては、継続していた整備を着実に進めるということから、これまで両市との協議によりまして超過課税の収入の一部を交付してまいりました。来年度以降の政令市への交付金制度につきましては、県と政令市との役割分担、超過課税の対象として検討しております緊急輸送路の指定の状況、両市の意見等を踏まえまして、今後検討してまいりたいと思ってございます。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 阿部卓也君。
       (三十二番 阿部卓也君登壇)
○三十二番(阿部卓也君) 御答弁ありがとうございました。
 最後に意見を申し上げます。
 緊急輸送路というのは、県内見渡してみるとイコール産業幹線道路にもなり得るところでありまして、これは内陸フロンティア構想を進める上でも非常に重要だと思います。
 以上、意見を申し上げて私の質問を終わります。(拍手)
○議長(中谷多加二君) これで阿部卓也君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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