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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成11年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小楠 和男 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/28/1999

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:



    ○副議長 (鈴木 尚君)  ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 二十番 小楠和男君。
            (二十番 小楠和男君登壇 拍手)
    ○二十番 (小楠和男君)  私は、 自由民主党所属議員として、 当面する県政の諸課題について、 知事及び関係部長、 教育長に伺います。
     まず初めに、 浜名湖の沈廃船の処理について伺います。
     現在、 浜名湖には、 漁船、 プレジャーボート、 合わせて一万一千五百隻が存在しています。 特にプレジャーボートは、 レジャーの多様化の中、 急速に普及し、 現在九千七百隻が保有されております。 しかしながら、 無秩序な不法係留が後を絶たず、 県及び周辺市町村などでは、 平成元年に浜名湖総合環境財団を設立するとともに、 浜名湖総合振興計画を策定して、 この対策に当たってきました。 本年六月議会で、 プレジャーボートの係留保管の適正化等に関する条例を上程可決し、 さらに、 六月に供用開始された宇布見マリーナを皮切りに、 公共マリーナの整備を進めるとともに、 公共マリーナで収容し切れないプレジャーボートのために暫定係留施設を整備する方針を明確化するなど、 積極的な対応をされておられることに、 まず敬意を表する次第です。
     係船問題については、 このように一定の方向性が見出されたわけですが、 大変残念なことに、 浜名湖には、 平成八年十月現在、 二百二十六隻の沈廃船が確認されており、 湖面の美観を損ねるだけでなく、 航路の障害となったり、 漁網の損傷その他、 災害時には危険な漂流物となるなど、 多くの問題を抱えています。 平成元年及び二年に、 県と沿岸二市五町が百三十六隻を処分して、 浜名湖の沈廃船を一掃してからわずか六年しかたっていないのに、 既に二百隻を超える沈廃船が存在するのは大変な問題と言わざるを得ません。
     第一の理由と考えられるのは、 所有者のモラルです。 自分自身の所有物でありながら、 ごみとしてプレジャーボートを捨てるのは、 公序良俗に反していることは明らかです。 近年、 海岸や河川、 山林などに自家用車を乗り捨て放置しているのと同じで、 ゆゆしき事態です。
     一歩譲って、 船の所有形態について考えてみましょう。 浜名湖内のプレジャーボートは、 一隻数千万円もする高価な船もありますが、 大半は釣り用の和船タイプで、 新艇でも数十万円の船がほとんどです。 また、 古くなった船は、 低価格で所有者の間を転売され、 最終所有者は無料、 つまり、 ただでもらったということも多いようです。 船をただでもらうときに、 処分のことを考えている人はいません。 しかし、 船が不用になったとき、 現在の処分方法である産業廃棄物処分業者に約十五万円程度で処分を依頼するのは、 船がただだったことを考えると、 大きな負担と言えます。 しかしながら、 後で述べますけれども、 この産業廃棄物処理業者による処分は、 現在違法であることをつけ加えておきます。
     さらに、 制度上の問題としては、 船艇登録プレートにより、 浜名湖の全船艇は、 浜名湖総合環境財団で管理されているにもかかわらず、 そのプレートを外せば所有者がわからなくなってしまうこと、 また、 港湾区域については、 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の第四十三条 「船舶等の廃棄の規制」 に違反した者に対し、 六カ月以下の懲役または五十万円以下の罰金という厳しい罰則が適用されるのに対し、 浜名湖の大半を占める河川区域では、 河川法の政令により、 河川に廃物を捨てた者には除去命令などの行政指導を行い、 違反した者には三カ月以下の懲役または二十万円以下の罰金というように、 比較的軽い罰則となっていることに加え、 港湾区域は、 海上保安庁が独立した機関としてその取り締まりに当たるのに対し、 河川区域の管理者である県には、 その取り締まりの体制は整っていません。 このように、 取り締まる側の体制と対応が十分確立されていないことなども、 その理由として挙げられます。
     こうした理由で沈廃船がふえていくわけですが、 その処理についても幾つかの問題があります。 一つは、 ごみになった個人所有のプレジャーボートは、 一般廃棄物であるということです。 当然のことですが、 一般廃棄物の処理は市町村の手にゆだねられていますが、 プレジャーボートは、 市町村の技術レベルでは処理の難しい適正処理困難物に指定され、 市町村での受け入れはほとんど不可能なのが現状です。 さきに申し上げた産業廃棄物処分業者による処分は、 違法とはわかっていながら、 適当な処分方法の見当たらない現状の中で、 やむにやまれず行われているのです。
     また、 船の素材の問題があります。 現在のプレジャーボートは、 FRP製がほとんどを占めています。 軽くて強度があり、 安価であることから、 船体の素材として急速に普及しました。 しかしながら、 リサイクル技術は幾つかの機関や企業で研究されたものの、 現在実用には至っていません。 また、 製造販売業者には、 処理に関して現在法律的な責任はなく、 業界としても、 FRP船の処理の問題は大きな課題として常に気にとめながらも、 その業界規模は家電や自動車産業に比べて格段に小さいため、 リサイクル技術の開発や処理費の負担は、 現状では困難であると言わざるを得ません。 全国的に見ましても、 広島県の唯一の例外を除いて、 この沈廃船の処理のシステムを確立した地域はありません。
     そこで伺います。 一般廃棄物であるプレジャーボートを処分する場合、 市町村が受け入れるか、 あるいはプレジャーボートを産業廃棄物と認定して産業廃棄物処分業者に処分を依頼するかの二つの方法しかないわけですが、 廃棄物としてのプレジャーボートの扱いについてお伺いします。
     また、 県では、 浜名湖に流入する浜松市の新川において、 沈廃船処理の研究を行っていると伺っております。 過日、 NHKの 「クローズアップ現代」 でも取り上げられたように、 全国的にも関心を集めている沈廃船処理の問題の解決に向けて、 浜名湖方式とでも呼べるシステムの確立が望まれている中、 研究の結果による今後の取り組みについて伺います。
     次に、 心の病気、 特に思春期の子供たちをめぐる心の病気について伺わせていただきます。
     まず最初に申し上げておきますが、 心の病気は体の病気と同じく、 決して特別な人がなる病気ではなく、 日常ありふれた病気で、 老若男女だれにでも起こり得る病気であることを皆さんに御理解いただきたいと思います。 昔のような偏見や誤解は少しずつ薄らいでいるとはいうものの、 いまだ根深く存在していることは大変残念なことであります。
     さて、 昨今のニュースや報道には、 心の病気に関する話題に事欠きません。 学校では子供たちが荒れ、 校内暴力やいじめの問題、 登校拒否や保健室登校が珍しくなくなりました。 厳しい経済環境の中で、 神経症、 うつ病を初めとする中高年のサラリーマンの心の病気も急増しています。 また、 自殺やアルコール依存症の発生も多くなっております。
     私たちは、 社会の一員として生活している以上、 だれでもショックを受けたりして心のバランスを失うことは当たり前なのです。 早期に発見して専門医の治療を受ければ、 回復に向かい、 社会での生活に支障のない暮らしをすることは可能なのです。 ましてや、 成長過程にある子供たちの心のバランスは、 ほんのわずかな刺激で大きく揺らぎます。
     今日、 子供たちをめぐる問題は、 不登校、 いじめ、 学級崩壊、 さらには拒食症や過食症といった摂食障害、 児童虐待、 薬物乱用、 さまざまな少年犯罪、 そして自殺と多様化し、 その解決は国家的な課題とも言えます。 少子化問題への関心が高まり、 そのためのさまざまな施策や配慮が、 医療、 福祉、 教育などさまざまな分野でなされているにもかかわらず、 子供たちの心の病気に関する相談は年々増加しており、 その解決と予防に関係機関は苦慮しているのが実情です。 教育の現場では、 スクールサポート事業やハートケア事業などと同時に、 面接相談や電話相談がなされています。 また、 児童相談所等の福祉の分野や、 警察などでも相談業務が行われているのと同時に、 浜松、 静岡の 「いのちの電話」 など、 民間団体による相談業務も行われています。 これらの業務には、 臨床心理士なども一部参加をしていますが、 専門の児童精神科の医師が不足しているため、 専門医を中心とした十分な診断や治療が行われるに至っていません。
     そこでお聞きしますが、 臨床心理士や各種相談機関の人材養成について、 どのようにお考えになっているのか伺います。
     また、 将来を担う子供たちの心を支えるために、 児童精神科医を頂点として、 関係機関が協力、 連携し、 子供たちの心の病気を早期に発見し、 適切な処置が行えるネットワークづくりが緊急の課題と思われますが、 県としてはどのようにお考えになられるか伺います。
     次に、 児童・思春期精神科の県内の状況について申し上げます。
     現在、 県内では西部地区の浜松医大附属病院と診療所一施設で、 専門の児童精神科医のもとで外来診療が行われていますが、 中・東部を見ますと、 平成十年六月から、 つまり昨年の六月から、 県立こころの医療センターで、 児童精神科医のもとで児童専門外来が開始されたにすぎません。 今現在、 県内たった三カ所にしか児童・思春期精神科外来が開設されていないことに驚かれた方も多いと思いますが、 今までも、 そして今日現在も、 心の病気と思われる子供さんは、 ほとんどが一般の内科や小児科を受診する方がほとんどで、 成人向けの精神科を訪ねることも少ないようです。 県立こころの医療センターに、 児童のための専門外来が開設されたことが、 やっと口コミで知られるようになるとともに、 小児科や内科の診療所からの紹介もふえ、 外来の患者さんが急増しています。 しかしながら、 当然のこととして、 外来診療だけでは十分な診療ができないため、 入院して治療することが望ましい患者児童がふえてきています。
     現在、 県内には、 入院治療のための児童・思春期専門の病棟は見当たりません。 県立こころの医療センターで入院治療を受けた子供さんの一例を申し上げるならば、 小児科の診療所から受け入れた小学校六年生の男子は、 拒食症のため体重が二十八キログラムしかありませんでした。 即座に入院治療となったわけですが、 男子とはいえ小学校六年生です。 成人男性と同じ病棟に入れるのは問題が多過ぎるとの判断から、 成人女性の病棟、 それも個室で入院させて治療の後、 無事退院しておられます。 このように、 現在は、 望ましくないこととわかっていながら、 成人の精神障害者と同じ病棟に入院させていると聞かされますと、 現在の状況を早期に改善させる必要があることは容易に理解できると思います。
     県立こころの医療センターは、 県下精神科医療の中核病院として位置づけられ、 その整備の基本方針の中には、 役割として、 児童・思春期精神科治療の実践とうたわれております。 近隣の千葉、 神奈川、 山梨、 愛知、 三重県などが県立の施設で児童・思春期専門治療病棟を持ち、 各県の児童・思春期精神科医療の中核をなしていることを考えると、 我が県のこころの医療センターにおいても、 児童のための専門病棟が必要なのではないでしょうか。
     そこで伺います。 県では、 こころの医療センターに児童・思春期専門病棟を整備するお考えはあるのか。 また、 現在行われている外来診療も、 待合室、 治療空間、 ともに成人の外来と分離させ、 児童のための独立した施設に改め、 児童やその親が来院しやすい環境を生み出す必要があると思われますが、 どのように考えるか伺います。
     そしてもう一点、 児童・思春期専門病棟を整備する場合、 その定員は三十から四十名が適当と思われますが、 これだけの児童・生徒が入院する場合、 当然のこととして、 学校教育の場を保障する必要があると思います。 児童・思春期専門病棟ができた場合に、 教育委員会としてどのような対応が考えられるのか、 あわせてお伺いをいたします。
     次に、 夏休みについて考えてみたいと思います。
     二学期が始まって、 はや一カ月。 小・中・高生も順調に学校生活へ復帰しているように見えます。 私が夏休みについて考えようと思ったのは、 ラジオから聞こえてきたこんな情報だったのです。 我々の日常生活にすっかり定着した町のコンビニエンスストア。 ここの商品は、 その季節や地区のイベントに合わせて品ぞろえが変更されているのは皆さんも御承知だと思います。 夏休みも終わりを迎える八月下旬になると、 コンビニエンスストアでは、 黒の毛染めがいつもより多く並ぶのだそうです。 (笑声) 今、 お笑いになった方、 おわかりだと思いますが、 夏休みの間、 茶色に染めていたり、 脱色をしていた髪を、 黒色に染め直す高校生や中学生のための配慮なのだそうです。 なるほどと妙に納得してしまうと同時に、 夏休みの間の子供の髪の色に関して、 だれも注意をする人がいない。 いや、 髪の色は彼らや彼女たちの夏休みの生活のごく一部をあらわしているにすぎないと思ったとき、 これは根の深い問題をいろいろ抱えているなと考えた次第です。
     ところが、 夏休みの児童・生徒の生活について調べてみようとすると、 余りにもその情報が少ないのです。 学校は長期休暇なのですから、 学校や教育委員会にそのデータがないのは、 ある意味では当たり前です。 ここで、 ますます不安が募ります。 「おいおい、 夏休みの子供たちは学校からも家からも解放されている。 一体、 どこのだれが夏休みの子供たちに歯どめをかけるんだ」 と。 また、 何人かの友人や教育関係者に、 夏休みがこんなに長いのはおかしいと思ったことはないかと聞いても、 ほとんどの方々は、 「考えたこともない」 との返事です。 あるいは、 「夏は暑くて勉強が手につかないから仕方がない」 との肯定意見がある反面、 「家庭の状況を考えると、 子供は学校へ行ってくれた方が助かる」 とのお母さんの切実な声もありました。
     確かに、 我が国での夏休みの歴史は古く、 今の大人である私たちは、 すべて長い夏休みの経験者であり、 夏休みが長いのは当たり前だと思っていてもいたし方ないとは思いますが、 大きく世の中が変わる中、 本当に子供たちにとって、 これだけ長期の夏休みが必要なのかの議論は、 ほとんどされたことがないのではないでしょうか。
     子供たちにゆとりの教育をとの方針で、 学校完全二日制が間もなく導入されようとしています。 官公庁や企業の週休二日制が定着していくのに合わせて導入されるのには、 授業の時間の減少をどのようにカバーするのか、 また、 学校外での社会や地域の受け皿等の問題など、 幾つかの課題がありますが、 世の中の流れと一定の理解をしているつもりです。 しかしながら、 年末年始や年度がわりの十日から二週間程度の休みは理解できますが、 四十日間にも及ぶ夏休みは異常に長いと言わざるを得ないのではないでしょうか。 製造業でラインをとめてしまう企業でも、 夏休みは長くて十日前後です。
     さて、 夏休みの子供たちの生活ぶりを見てみましょう。 先ほど申し上げたとおり、 データが少ないので、 恥を忍んで我が家の二人の小学生をモデルにしてみます。 七月じゅうは町の子供会主催のラジオ体操に出席するため早起きですが、 このラジオ体操は七月じゅうをもって終わってしまうため、 八月からは朝寝坊を楽しんでいるようです。 六年生の娘は、 遅い朝食が終わると、 新聞をとり、 テレビ欄のチェック。 夏休みの宿題はほとんどありませんので、 あり余る時間を、 ほとんどテレビの前で過ごしているようです。 机に向かっているかと思うと、 友達同士の間を回っている漫画の単行本。 一体、 一日にどれだけ勉強しているのか見当もつきません。 予定どおり行動しているのは、 日常から参加している部活動やスポーツクラブ、 習い事などでしょうか。
     妻がほぼ一日家にいる我が家ですら、 こんな様子です。 共働き世帯で大体似たような様子とのこと。 違いは、 お母さんが朝出勤前に置いていく五百円玉。 お昼はこれでコンビニエンスストアで買って食べなさいと。 もちろん、 御両親がお勤めでも、 きちんと規則正しく生活できる子供さんもいるとは思いますが、 四十日間もの不規則な生活を子供たちにさせているのを、 家庭の責任だけで片づけるわけにはいかないでしょう。 ましてや、 中学生や高校生はどうでしょうか。 部活動に熱中している生徒や受験生を除けば、 ほとんどの生徒にとって、 夏休みは、 だれにも束縛されることのない夢の四十日間に違いありません。 アルバイトに精を出す生徒は、 まだまともな方でしょう。 喫煙や深夜徘回、 飲酒や暴走行為、 果ては薬物まで、 ありとあらゆる誘惑が待ち受けています。 青少年の非行や犯罪は増加の一途をたどっているという憂慮すべき事態であることは、 昨日の我が党の込山議員の代表質問にもあったとおりですが、 長期の夏休みは、 子供たちを非行や犯罪に駆り立てるスリルと刺激に満ちあふれています。
     また、 夏休み明けの二学期には、 夏休みの不規則な生活や遊び癖から抜け切れない子供たちが不登校になったり、 高校では退学していく事例も多いと聞いております。 こういった課題以外にも、 男女雇用機会均等法の制定や男女共同参画社会への取り組みがなされている中、 児童・生徒の休日は、 女性の就業や社会参加を阻害する要因であるとの、 働くお母さんの声も聞かれました。
     平成十四年からは、 先ほど申し上げたとおり、 学校五日制がスタートし、 さらに休日がふえます。 核家族化、 女性の社会進出など社会が大きく変化している中、 今まで何の議論もされなかった夏休み。 この際、 教育長に、 夏休みのあり方についてお伺いをいたしたいと思います。
     とりあえず、 私の質問を終わります。 (拍手)

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