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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

阿部 卓也 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/04/2013

会派名:

民主党・ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 富士山静岡空港西側県有地の防災拠点づくりについて
2 アカマツ林とマツタケの復活について
3 県道二百二十三号認定に伴う観光振興策について
4 コマーシャル・オブ・ふじのくにについて
5 討議型民主主義手法の導入について
6 女性の潜在力の活用について
7 いじめ対策について


○議長(小楠和男君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三十一番 阿部卓也君。
       (三十一番 阿部卓也君登壇 拍手)
○三十一番(阿部卓也君) 民主党・ふじのくに県議団の阿部卓也です。
 通告に従い、知事、関係部局長及び教育長に質問並びに御提言を申し上げます。
 初めに、富士山静岡空港西側県有地における防災拠点づくりについて伺います。
 国によって、静岡空港に整備される基幹的広域防災拠点につきましては、国土交通省中部地方整備局を中心に策定中の中部圏広域防災ネットワーク整備計画の中で具体的内容が検討されていますが、今さら申し上げるまでもなく静岡空港は本県のほぼ中央に位置し交通の要衝でもあり、ここに防災拠点ができることは県民にとってまことに心強いことでありその完成が待たれます。
 この広域防災拠点は、国の応援の拠点であり一義的には国が整備すべきものと言えますが、静岡県としても応援を受ける体制を整え一人でも多くの県民の命を救うための初動が肝心となります。そのためには本県の地理に明るく危機管理を専門とする県の職員が常駐し災害対策本部が置かれる県庁からの情報を受け、県内に部隊を適正に配置できる体制を整備する必要があります。
 現在、空港の管理事務所に県職員はおりますが、震災後の空港の被災状況の把握など空港の管理で手いっぱいで、とても自衛隊を初めとする応援部隊の対応は不可能です。これでは防災拠点にはなり得ません。
 そこで提案いたしますが、危機管理部が所管する県の消防学校を空港西側用地へ移転したらどうでしょうか。県消防学校は、静岡市清水区興津にありますが、現状は老朽化が進んでいるだけではなく女性入校者に対する施設もなく建てかえなどの抜本的対策が必要となっており、十分検討に値すると考えます。もし移転が実現すれば県職員及び訓練中の実戦部隊が常駐していることになり、災害時にはその施設も屋内訓練棟は物資倉庫に、宿泊棟は警察、消防等支援部隊の宿泊施設とすることも可能となります。
 また、興津の跡地については三万七千平方メートル弱の土地が生み出され、興津の海岸沿いに住んでいらっしゃる方々に住宅移転用地として売却することなども考えられ、跡地の有効利用かつ移転経費の捻出もできますので妙案と思いますが、当局のお考えをお伺いいたします。
 さらに、もう一点提案があります。この広大な土地を利用して平時においても防災のメッカとするために、まずは住宅メーカー各社に協力を仰ぎ防災機能を備えたモデルハウスを建設していただくことを提案いたします。さらにはシンガポールで話題の倉庫ビジネスを模して備蓄倉庫を兼ねた常設の防災用品のショールームをつくることによって、ここに来れば最新の防災住宅と防災用品を見て体験することができるようにしておけば、県内外だけでなく世界中から防災の自治体担当者や自主防災組織の関係者などが、県内の防災施設等とあわせて防災視察のモデルコースとなるのではないかと考えます。
 また、倉庫は無料とし、かわりに備蓄品は災害時には県内または他県被災地で活用させてもらう契約をすれば、県費による備蓄品の更新が軽減され民間活力を利用した防災対策モデルとなるのではないでしょうか。
 以上、富士山静岡空港を機能的な防災拠点とするための提案とし、御所見をお伺いいたします。
 次に、アカマツ林とマツタケの復活について伺います。
 浜北にある県立森林公園とその周辺のアカマツ林は県内随一でありますが、悲しいことに激しい松枯れに襲われています。これは一昨年の東日本大震災の救護活動のためにヘリがチャーターできず松くい虫の薬剤散布ができなかったことで、残念ながら被害が拡大した後遺症でもあります。
 かつて、この地域は美しいアカマツ美林とマツタケの産地として有名でありましたが、今やマツタケの産出もごくわずかとなってしまっています。県内のマツタケも、昭和三十年代後半には六千キロも出荷されていたものが今は出荷統計すらとられていません。
 アカマツとマツタケは、お互いに栄養分を補完し合う相互共生の関係であり、マツタケが生える環境の松林は生えない環境の林より寿命も長いというデータもあります。このアカマツとマツタケの生態については茨城県の研究が進んでおり、マツノザイセンチュウによる松枯れの被害を受けにくい抵抗性アカマツの開発に成功し、マツタケの菌糸が育ちやすい環境をつくる研究も進み、数年で二、三本から数十本への増産に成功、そしてマツタケ菌のついたアカマツの苗木の生産と植林に成功と研究が進んでいます。これに対して本県では抵抗性クロマツの研究は進んでいるものの、アカマツの研究は全く取り組んでいません。
 そこで提案ですが、茨城県を初め先進県に協力を申し入れ、技術支援要請や研究者の先進県への派遣や研修に取り組むことや市場を流通する苗木の購入を検討すべきと思いますがいかかでしょうか。
 また、全国各地では、企業の支援による里山保全プロジェクトやNPOによるボランティア活動なども盛んであるだけに、「アカマツ林とマツタケの復活」というテーマでこれらの活動を誘致することも現実的であると考えます。
 さらには、県の森林・林業研究センターは県立森林公園に隣接しており好都合でもあるので、県立森林公園及び周辺の財産区管理のアカマツ林などを実験林として財産区関係者や各方面の協力を仰ぎ、夢のあるアカマツ林とマツタケの復活に向けて取り組むべきと思いますが、県の所見をお伺いいたします。
 次に、県道二百二十三号認定に伴う観光振興策について伺います。
 本定例会に提出されている清水港と土肥港を結ぶ航路を県道二百二十三号に認定する議案は、昨年我が会派の代表質問での提言が実現を見るものであり、本当にうれしく思っています。この航路は日常生活の交通手段だけではなく、県中部と伊豆地域を短時間で結ぶ洋上交通として観光振興にも大いに貢献する路線であり、海の道として県道認定することは、この航路の重要性を改めて県みずからが県内外に発信しようとする画期的な内容であります。
 これは、話題性の高い道路だけに最初の打ち出しがとても重要だと考えます。全国メディアの注目を集めるために、例えば民間のキャンペーンとリンクさせるなど戦略的な日程設定が肝要だと思いますが、認定に関する予定とPR内容についてどのようにお考えかお伺いいたします。
 加えて、ことし六月に予定される富士山の世界文化遺産登録など本県の観光誘客には絶好の機会がめぐってきていると考えます。
 県では、この機会にフェリーを活用して駿河湾周辺地域の観光を振興するべく平成二十五年度予算案に環駿河湾観光交流活性化事業費を計上していますが、伊豆半島の自治体観光協会や民間事業者とも十分に連携していくことも大切です。
 例えばNEXCOを例にとると、NEXCOの東名―新東名の乗り放題プランがありますが、四月十四日が現在のプランの期限となりちょうど切りかえの時期となります。ここにこの県道二百二十三号キャンペーンを入れ込んだ新プランをつくっていただくことを働きかけるなどの連携を考えたり、富士山世界遺産キャンペーンの一環としても観光交流人口の拡大を図る大きなツールとして県道二百二十三号を生かした県の観光戦略を伺います。
 次に、コマーシャル・オブ・ふじのくにについて伺います。
 今申し上げたように、順調にいけば六月の富士山の世界遺産登録によって富士山をキーワードに本県に大いに注目が集まるものと予測されます。これは世界に日本の理想郷ふじのくに静岡県を売り出す千載一遇のチャンスであります。それを見越して平成二十五年度の県の広報戦略についてお聞きします。
 まずは、ソーシャルメディア戦略です。特に現在の若年層はソーシャル世代と呼ばれるように、ネット上のソーシャルメディアで人とつながることは古い世代より得意としています。この若年層向けのコンテンツ制作と発信も重要となりますが、県のソーシャルメディア戦略を伺います。
 また、従来のテレビや雑誌などへのメディア戦略や今回アンテナコーナーを設ける秋葉原での情報発信も重要です。
 さらに、インターネットで検索されるであろうキーワードへの関連づけが重要になります。例えば「富士山」や「Mt.Fuji」と検索入力したら「静岡県」が一緒に出てくるような工夫をして、富士山イコール静岡県という認識を持ってもらわねばなりません。富士山という強力かつ旬な広告塔をどう生かすか。要はどのようにふじのくに静岡県を富士山という商品を使ってコマーシャルしていくのか。こちらも具体的な広報戦略をお伺いいたします。
 次に、討議型民主主義手法の導入について伺います。
 今現在の県政を取り巻く民主主義的議論の現状を考えてみますと、県行革審答申によると県の事業仕分けについて県民参加の仕分け手法と毎年の実施方法を改善し続けてきたこと、毎年一定の支出削減、財源捻出ができたことについて高く評価を受けたところでありますが、一方で四年が経過しマンネリ化、県民の参加方法への考え方などについて検討を要するという指摘も受けています。
 また、十二月議会で市民団体から提出された原発県民投票条例についても直接投票に対する疑義など課題が多く、十六万余の署名者に誠心誠意敬意を表しながらも議会としては議論を尽くした上で残念ながら否決をし、その後全議員参加によるエネルギー政策の勉強会を結成し議会を挙げて調査研究に取り組み始めたことは御承知のとおりであります。
 国における消費税増税や原発再稼働問題、社会福祉政策などを見ても、今政治に求められているのは熟議であります。インターネットなど情報ツールの発展した現在、国民、県民の皆様の政治を見る目は厳しく、議会も行政も一層の努力とさまざまな民意を酌み取るための工夫が求められます。
 そこで、提案をしたいのがスタンフォード大学討議型民主主義センター考案のデリベラティブポーリング(Deliberative Polling)、略してDP、日本語訳すると討論型世論調査やデンマークで開発されたコンセンサス会議、ドイツのプラーヌンクスツェレ――日本語訳すると計画細胞会議――などの導入です。
 直接投票については、一見民主主義の理想のように捉えられておられる向きもありますが、さにあらず。一時的に関心は高まりますが世論喚起に限界があることが科学的見地から実証されています。
 そこで、今紹介した手法は、いずれも討議型民主主義の考えのもと無作為抽出の参加者を集め、グループ討議や全体会議を通じて専門家からそれぞれの課題や賛否双方の意見を平等に聞き熟議を繰り返していくという手法であります。これこそ民主主義のあるべき姿なのではないでしょうか。
 今や欧米では、現世だけで終結できる課題は今の政治家が決め、そして責任をとる。次世代以降まで持ち越すような長期的課題については、例えばエネルギー問題やEU加盟とかはこれらの討議型民主主義のシステムに一度は託して、その後政治決定の場に戻したり国民投票に付したりと使い分けています。
 この際、開かれた県政を標榜されてきたチーム川勝としては、行革や各種中長期的なテーマについて討議型民主主義の手法を導入されてはどうかと考えますが、御所見を伺います。
 次に、女性の潜在力の活用について伺います。
 隣国韓国では初の女性大統領が誕生するなど、女性の潜在力をもっと活用すべきという声は、国内外においても県内においても高まっています。
 内閣府は、昨年末政府補助金について女性優先枠を設け、働く上での男女格差を解消するためのポジティブ・アクションを打ち出しましたし、経産省は先週東京証券取引所と共同で女性を積極活用している優良企業をなでしこ銘柄として選定しました。また報道によると、政府自民党も、今国会に女性の登用や雇用に積極的に取り組む企業から国等の物品調達やサービスを優先的に行うという趣旨の通称ダイバーシティ促進購入法案を提出する方針であるとされています。いずれも女性の潜在力を引き出しやすくして、国や企業の成長、女性の起業、女性の働きやすさをつくっていこうという動きです。
 日本は、現在世界最速で少子高齢型社会に突入しています。この人口減の社会では女性も重要な労働力であり社会保障の担い手であります。その観点から、静岡県としても国の動きと連動して企業が女性の登用や雇用を進めたり、男性の育児休業をとりやすくするための施策をさらに講ずる必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 また、現在の静岡県の女性の社会進出にスポットを当てた施策は所管部局・課が分散していて、女性がトータルな人生設計を考え社会にどうかかわっていくかという未来図を描くことができません。
 そこで、この際新年度一年かけて出産から子育て、継続就業、キャリアアップ、起業、介護、そして男性側の意識改革など女性の潜在力を引き出すために必要な施策を統一的に所管する例えば奈良県のこども・女性局のように人生を通したスパンで考えることのできる専門局やチームなどに一元化することも全庁的に検討すべきと考えますが、当局のお考えを伺います。
 最後に、いじめ対策について伺います。
 昨今問題となっているいじめ問題でありますが、私からは幾つか具体的な御提案を申し上げます。
 一つは、現在全国でも広く展開されているアンケートQ―UないしはハイパーQ―Uの導入促進についてです。
 アンケートQ―U及びハイパーQ―Uは、早稲田大学の河村茂雄教授により開発されたアンケートによる学校生活による児童個々の意欲や満足度、学級集団の状態を測定するツールで、不登校可能性児童の早期発見、いじめの発生・被害の把握や予防、学級崩壊の予防など全国で効果を上げています。
 先日、我々ふじのくに県議団は、このツールを全県導入をしている島根県に調査に行ってまいりました。この調査を共通の物差しとして、教員の経験やスクールカウンセラー、ソーシャルワーカーなどの指導とあわせて指導に役立っているということがよくわかりました。何より教師の指導力がアップしたということが如実で、特に小学校におけるクラスづくりの効果が高いとのことであります。
 最近、不祥事が相次ぎ、その原因に教師の多忙化、力量不足による悩みなどが挙げられている静岡県においてもこのアンケートQ―Uの導入促進は必要と考えますが、教育長のお考えはいかがでしょうか。
 ちなみに、県内では富士市教育委員会のみが全市で導入しており、その他県内でも導入している学校は散見できますが、それらの効果をどう評価されているかもあわせてお伺いいたします。
 二つ目の提案は、教育問題について世界の先進地である北欧では、いじめ問題についても各国とも法制化するなど先進的であることは御承知のとおりであります。中でもフィンランドでは、二〇〇九年より導入された統一的ないじめ防止プログラムKiVaが小中学校で効果を上げています。
 KiVaには、いじめについて学ぶ授業KiVaレッスンとコンピューターゲーム形式のKiVaゲームとがあります。レッスンでは九十分授業を年十回行い、仲間意識からくる心理的圧力や尊敬の念などの感情について学びいじめ防止に各自がどう行動すればいいかを考え、合間に行うゲームではいじめ発生時の対処法を楽しみながら練習するというものです。
 フィンランドは国レベルの取り組みではありますが、教育改革に力を入れる川勝県政におかれましては、県レベルでもぜひこのKiVaのようないじめ防止プログラムを研究するなど、組織改革だけではなく日本の教育の理想をこのふじのくにから発信すべきと考えます。
 現在あるいじめ対応マニュアルだけではなく、今すぐにではなくともいじめと向き合っていくプログラムをつくっていくために県を挙げて調査研究をしていくことが必要と考えますが、御所見を伺って私の質問を終わります。(拍手)
○議長(小楠和男君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 阿部議員にお答えいたします。
 初めに、県道二百二十三号認定に伴う観光振興策についてであります。
 伊豆地域を初め関係の皆様の御要望を承りまして、清水港と土肥港を結ぶ航路を富士山にちなんだ県道二百二十三号に認定する議案をお諮りしているところでございます。ぜひ御賛同を賜りたいと存じます。
 と申しますのも、四季折々の美しい富士山の姿を海上から楽しむことのできる駿河湾フェリー航路を富士山にちなんで県道二百二十三号として認定することは、駿河湾地域の魅力を全国に向けて発信し本県への誘客を図る絶好の機会となるからであります。
 もし、今議会で御承認をいただきますれば、路線の認定日につきましては四月中旬までが望ましいと考えております。一つには三月三十日に圏央道、相模原愛川―海老名区間が開通し、本県観光の主要な市場である首都圏西部地域が東名高速道路に直接アクセスすることになるからです。さらにはゴールデンウイークの誘客の周知期間を考えねばならないからでございます。
 認定日の前後には、首都圏の各種大型イベントにおきまして駿河湾航路の魅力を集中的にPRするとともに、ファムトリップにメディアを招聘するなど効果的な観光情報の発信に取り組むつもりでございます。
 また、駿河湾沿岸の自治体や観光関係団体、フェリー事業者、NEXCO中日本などとも御協力をいたしまして新しい周遊ルートを開発するとともに、フェリー料金や伊豆地域を周遊するフリー切符の割引を実施するなど認定の効果を誘客に結びつけてまいります。
 間近に迫った世界遺産登録に合わせまして、駿河湾フェリーから望む富士山の魅力を生かして、県道二百二十三号が結ぶ環駿河湾地域への誘客をさまざまな関係者と一体となって戦略的に推進してまいります。
 次に、討議型民主主義手法の導入についてであります。
 私は、県政を運営する上で政策形成過程の公表を初め透明性の向上、県民の皆様が県政へ参画する機会を確保すること、こうしたことが重要であると考えてまいりました。そのために事業仕分けも始めました。これは現在は無作為抽出した県民評価者の参加も得られて、いわゆる静岡型事業仕分けとして高い評価もいただいております。
 また、パブリックインボルブメントも必要な場所において実施しております。パブリックコメントも頂戴するようにしております。知事広聴も行い県下三十五市町全てにおいて実施いたしました。その他県政世論調査なども行っております。こうしたさまざまな手法を積極的に活用してきたところでございます。
 議員御提案の討論型世論調査につきましては、世代、性別、職業が異なる多様な住民が公共的な政策課題について数日間にわたって熟議を行うことで住民意見の把握や合意形成を促すもので、民主主義における政策決定の手法として諸外国において活用されていることは承知しております。
 一方、昨年政府が行いました中長期のエネルギー政策に関する討論型世論調査では、まず社会の縮図と言える参加者を募ることが困難であること、また国民的議論の喚起という側面が弱いことなどこうした改善すべき点も浮かび上がっております。
 実施に当たりましては、議会の役割との関係を初め裁判員制度におきまして見られる県民の参画に伴う負担の問題など検討すべき課題も少なくありません。それゆえできるだけ多くの民意が県政に反映される手法の一つとして研究をさせてください。
 なお、その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げますが、さまざまな建設的な御提言を賜りましてありがとうございます。特に広域防災拠点に関しまして今のところ国とともに行うオフサイトセンターの移転しか決まっておりませんけれども、県独自に行うものとしてこの消防学校の移転も十分に検討するに値するものと考えております。また跡地利用につきましても御提言ありがとうございました。その他防災にかかわるためには、例えば警察がヘリコプター基地をそこに設けるなどということも考えられるでしょう。我々は県独自にそこが防災拠点として県民に周知され、かつ広くそれが内外に知られるということが重要であると考えております。ありがとうございました。
○議長(小楠和男君) 小川危機管理監。
       (危機管理監 小川英雄君登壇)
○危機管理監(小川英雄君) 富士山静岡空港西側県有地の防災拠点づくりについてお答えをいたします。
 基幹的広域防災拠点は、国が整備することが基本となっておりますが、県といたしましても隣接して設置することによりまして、その機能がより高まる施設については富士山静岡空港周辺への整備を図る考えであります。このため浜岡原子力発電所から二・三キロにございますオフサイトセンターについて富士山静岡空港の西側県有地へ移転することとし、本議会に設計や造成の予算をお諮りしているところであります。
 また、基幹的広域防災拠点は、東日本大震災の教訓を踏まえた災害時に応援部隊や物資のスムーズな受け入れを行うための施設でありますが、平時における活用策も重要な課題でございます。
 消防学校につきましては、建築から二十七年余りと建てかえまでには若干の余裕がありますので、今後空港隣接地への整備の可能性についても検討していきたいと考えております。
 また、防災機能を備えたモデルハウスと備蓄倉庫を兼ねた常設の防災用品のショールームでありますが、災害時に基幹的広域防災拠点がしっかりと機能することが重要でありますことから、その施設整備とあわせて目的と効果、必要性などを検討する必要があると考えております。以上であります。
○議長(小楠和男君) 吉林経済産業部長。
       (経済産業部長 吉林章仁君登壇)
○経済産業部長(吉林章仁君) アカマツ林とマツタケの復活についてお答えいたします。
 現在、本県のアカマツは森林や公園の中に点在してはいるものの、平野部においてアカマツ林がまとまって残されているのは県立森林公園が唯一であります。
 県立森林公園は、地域の森林生態系を形成するとともに保健休養、自然との触れ合いの場として広く県民に利用されております。県では、公益機能が高い重要な松林として位置づけ、毎年薬剤散布や伐倒駆除を行うなど未来に継承する貴重な財産として残存するアカマツ林の維持保全に努めております。
 県立森林公園の土壌は、長年の落ち葉の堆積などにより富栄養化しかつてのアカマツが育つ環境とは大きく異なっており、現在抵抗性アカマツの苗を植栽する適地は限られております。このため直ちに実験林を造成することは困難であることを御理解いただきたいと思います。
 今後、森林・林業研究センターでは、市販されている抵抗性アカマツの苗の現地適応性やアカマツの苗にマツタケ菌を植えつける方法などについて先進県の茨城県等から情報収集を行ってまいります。
 これらの取り組みに加えまして、地元の方々やボランティアの方々の意見も十分伺いながらアカマツ林とマツタケの復活の夢が実現いたしますよう努めてまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(小楠和男君) 出野知事戦略監。
       (知事戦略監 出野 勉君登壇)
○知事戦略監(出野 勉君) コマーシャル・オブ・ふじのくにについてお答えいたします。
 県の広報の役割とは、本県のすばらしさやポテンシャルを国内外の多くの人にしっかりと知っていただき、静岡県を訪れたくなるような価値ある有意義な情報を受け手側の多様なニーズや環境に合わせ戦略的に提供していくことであります。
 議員御指摘のとおり、本年六月の富士山世界文化遺産登録は、世界に日本の理想郷ふじのくに静岡県を売り込む絶好のチャンスであります。本県のシンボルである富士山をキーワードとしてさまざまな広報手段を用いて国内外に静岡県のイメージアップを図ってまいります。
 まず、ソーシャルメディア戦略についてでありますが、現在県内の大学生と協働で運営しておりますフェイスブック「静岡未来」は、開始から四カ月余りで約千件の登録者を得るなど大変好評であります。
 今後、一層普及していくと考えられるフェイスブックやツイッター、ラインなどにつきまして広報活動に積極的に取り入れていくとともに、受け手の感性に合った映像コンテンツを制作し、ユーチューブやデジタルサイネージ――電子看板などの先進の手段によりタイムリーな情報発信を行い、若年層の関心を高める広報に力を入れてまいります。
 また、東京秋葉原に設置するアンテナコーナーや有楽町のシズオカ・マウントフジ・グリーンティープラザと連携を図り新聞、雑誌、テレビ、ラジオを活用して県産品のすばらしさをわかりやすく広報するなど、首都圏での情報発信にしっかりと取り組んでまいります。
 さらに、グーグルや中国の百度など国内外のインターネットの検索エンジンにおいて富士山と静岡県の関連づけを強め、ふじのくにとしてイメージアップに積極的に取り組むなど静岡県の魅力を全世界に発信してまいります。
 このように、最先端の広報手段や富士山の知名度を十分に活用し効果的で印象的な広報に取り組み、静岡県のファンの拡大を図り多くの方々の来訪を促してまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 伊熊くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 伊熊元則君登壇)
○くらし・環境部長(伊熊元則君) 女性の潜在力の活用についてお答えいたします。
 県では、第二次静岡県男女共同参画基本計画の当初三年間の実践目標としてあらゆる分野で女性が活躍できる環境の整備を掲げ、ワーク・ライフ・バランスの推進や多様な働き方が可能となる就業環境の整備など女性の潜在力を引き出すさまざまな施策に取り組んでおります。
 女性の登用拡大や男性の育児休業取得促進など男女共同参画へ積極的に取り組んでいる企業に対しましては、情報交換会の開催、事業所内研修への助成、知事褒賞の授与などを行っておりますが、女性がより働きやすい職場環境をつくるためには企業トップへの働きかけなどにより取り組みの一層の拡大を図っていく必要があると考えております。
 また、県庁内の横断的組織として男女共同参画推進本部を設置し、女性が男性と対等な社会の構成員であるという基本的な考え方のもと雇用や福祉を初めさまざまな施策に各部局が連携して総合的に取り組み、誰もが個性を生かし能力を発揮できる理想郷づくりを進めております。
 現在の実践計画の最終年となる来年度は、より一層女性の潜在力を引き出す観点からさまざまな環境にある女性が社会に進出して活躍できる可能性を広げるための施策と効果的な推進方策について検討し、平成二十六年度からの次期実践計画に反映してまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) いじめ対策についてお答えいたします。
 議員から御紹介のありました児童生徒の学級満足度等を調査するQ―Uにつきましては、県内小中学校において半数近くの学校で導入し、いじめや不登校の未然防止はもとより豊かな人間関係づくりのために活用しております。富士市では市内全小中学校で導入し、子供の実態を客観的に捉え学級経営の見直しに生かしていると聞いております。
 県教育委員会では、平成二十年度にQ―Uと同様の効果が期待できる人間関係づくりプログラムを作成しました。現在多くの小中学校で本プログラムを活用して子供に関する理解を深めるとともに、一人一人の子供が充実した楽しい学校生活を送ることができるよう努めております。
 今後も、人間関係づくりプログラムやQ―Uを子供に関する理解を深めるための客観的な資料として、各学校の実態に応じて活用するよう積極的に推進してまいります。
 さらに、議員御提案のKiVaなど本県のいじめ防止対策に生かせる有効な手法につきまして、知事部局、市町教育委員会、私学協会などとともに調査研究するなどオール静岡で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 三十一番 阿部卓也君。
       (三十一番 阿部卓也君登壇)
○三十一番(阿部卓也君) 御答弁ありがとうございました。四つ再質問させていただきます。
 まず、静岡空港の防災拠点についてですが、現在のままでは防災拠点としての能力が不足しているということは御認識をいただけたと思います。あえて唐突に消防学校の移転を持ち出したのは、現状防災拠点構想のグランドデザインが描けていないということを感じて、消防学校であれば警察、自衛隊、米軍との共同防災訓練もできるし、また防災教育のメッカにもできるということでの提案でありますので、再度この点について御認識をお伺いします。
 アカマツとマツタケについてお伺いします。
 県内のアカマツ林はこのままではなくなってしまうほど状況がひどいということは、認識をまずいただきたいということと、直ちに実験林は困難という御答弁でありましたが、これは県だけでやろうとしているからそういう御答弁になるのであって、わざわざ先ほど財産区ということを入れたのと民活というのを入れたのは、今財産区林を含めた林でモデル事業を実施すれば里山保全にもつながるということを理解していただきたいと。なのでマツタケという付加価値をつけることで、今マイナススパイラルに陥っているところをプラススパイラルにするということでありますので、再度その財産区及び民活についての御所見をいただきたいと思います。
 それから、女性の活用についてでありますが、取り組みの一層の拡大という判で押したような答えでありましたが、これは社会構造にもかかわる簡単ではないことであるということはわかっております。ただこれは少子化対策にも直結することでありますので、この課題を直視して庁内横断的かつ外部人材も入れての議論を熟議をまさにしていただきたいと思いますので、それについての御所見をもう一度伺います。
 それから、いじめ対策について教育長の御所見をいただきましたのでぜひ知事の御所見もいただきたいと存じます。以上です。
○議長(小楠和男君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 再質問ありがとうございました。そのうち二点にわたってお答えいたします。
 まず第一点は、基幹的広域防災拠点の防災拠点としての計画ですけれども、なるほど現在のところは何もございません。オフサイトセンターをそこにつくるということ以外にございませんようですが、しかし実際は既に昨年の九月に自衛隊、米軍などによってそこをベースにして訓練をしております。それを踏まえまして自衛隊のそのときのトップ――君塚さんでございますが――にもしこちらで事故が起こった場合にどこの場所が必要かと。米軍とどのように地割りをするかということについて既に絵をいただいております。したがいまして全体の大きな絵は、また工事やあるいは実際上の手続は経ておりませんけれども、まずもって自分たちがもしそこを使う場合にはどこが必要かということについて共有している認識があるということを申し上げておきたいと存じます。これにつきましてはまた危機管理監のほうからも詳細な御説明をいたします。
 いじめにつきましては、これは現場において本県は長らくこのいじめがあってはならないということでの対策を講じてまいりました。現場の先生を信じております。そしていじめをしてはならないというそういう学校文化、あるいは社会の文化をつくり上げていきたいというふうに思っておるわけです。一般論として、よく強い者はその強さを弱い者のために使うということを申し上げておりますが、それはやさしくできるからです。ですから力のある者は力の弱い者に対してやさしくあらねばならぬというそういう文化をつくり上げたいと。社会の中でつくり上げたいというふうに思っております。以上です。
○議長(小楠和男君) 小川危機管理監。
       (危機管理監 小川英雄君登壇)
○危機管理監(小川英雄君) 基幹的広域防災拠点の利用の概要につきまして、私のほうから若干説明をさせていただきたいと思います。
 県といたしましては、そこに全国から来ます支援物資の中継分配機能、それから広域支援部隊、自衛隊、消防、警察等々進出してまいりますので、その一時結集地なおかつベースキャンプ機能、それから若干時間がたってからということになりますけれども海外からの支援物資あるいは人員の受け入れ、それから災害医療支援の機能、それから物資等の備蓄機能ということを考えておりまして、それぞれの機関と調整をしながらどの程度の面積が必要なのか、どこの位置に必要なのかということについて概要の地割りはしてございます。
 それで、それのミニ版として、先ほど知事が御説明をいたしました昨年の九月一日に実際にはそこにいない職員でございますけれども、県庁のほうから担当の職員が駆けつけて調整会議等を行うと。そんなような訓練をしておりまして、今後さらにその防災機能が高まるような訓練並びに関係機関との調整をやってまいりたいと思います。以上でございます。
○議長(小楠和男君) 伊熊くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 伊熊元則君登壇)
○くらし・環境部長(伊熊元則君) まず、アカマツ林とマツタケの復活につきましての再質問についてお答えいたします。
 我々といたしましても、従来のような形でアカマツ林とマツタケが復活できるようなそういった形ができますように、県立森林公園は現在指定管理ということでやっておりますので、浜松市、地元の自治会あるいは指定管理者によります運営協議会を設置しております。その御意見を聞く、さらには現在有志で七十名ほどの方が県立森林公園のボランティア会を設置されておりますのでそういった方の御意見も伺うとともに、先生から御指摘がありました公園の利用者、周辺の財産区、ボランティア、さまざまな意見も聞きながら夢が実現するように進めてまいりたいと考えております。
 もう一点、女性の潜在力の活用につきまして、今後の取り組みにおきましては庁内の男女共同参画推進本部を設置しておりますのでその中での議論も当然ではございますが、先生から御指摘がありました奈良県のこども・女性局の例もございますので、そういった例も調査研究し必要に応じまして外部の方々の御意見も聞きながら新しい次期実践計画をつくってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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