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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成22年9月静岡県議会定例会

天野 一 議員(自民改革会議)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:09/28/2010番目)
答 弁 者知事


    ○副議長(岩瀬 護君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 天野一議員にお答えいたします。
     初めに、富士山静岡空港を生かしたアジア戦略についてのうち、アジアの歴史教育についてであります。
     議員は、子供にアジアの歴史をしっかりと教えるべきであるという御提言でございましたが、同感でございます。歴史の教科書をひもときますと、これは高校の場合に特にそうですけれども、アジアの歴史は世界史の中に書かれています。日本史と世界史とが分かれておりまして、アジアの歴史は世界史の中に入っていると。しからば日本はアジアではないのでしょうか。したがって日本史を選択した子は、世界史の一部として教えることになっているアジアのといいますか、日本以外のアジアについてはわかりますけれども、日本史専攻の子は関係がわからないということになります。ですから歴史教育全体の問題であるという認識を持っています。
     そもそもその淵源は日本にヨーロッパの歴史を導入したときに、ヨーロッパの人たちはみずからの歴史を世界史として考えていましたから、その世界史を日本で教えたと。これがもう明治の初め、ドイツのリースという人が東大で教えたのが最初です。そこに日本史が入っていないものでありますから、そこで国史、いわゆる日本史というものが別途設置されたわけです。
     しかし、日本は昔から漢籍を読んでいますので、ヨーロッパの歴史には東洋の歴史は入っていないということから、東大では東洋学、京大ではシナ学というのが発達いたしまして、アジア史というのは中国史だったわけです。東大の白鳥庫吉、あるいは京大の内藤湖南など、そういう人の著作は基本的には中国史です。しかし我々が今必要としているのは、日本と中国を中心にしたアジアとの交流の歴史といいますか、日本を一部としたアジアの歴史ではないかというふうに思います。ですからそれを教えるだけの力を先生が持っているかということが問われます。
     どうしたらいいかということで、私は一番簡単な方法といいますか、最初にするべきことは空港を利用して近隣のアジア諸地域に行くことだというふうに思います。中国に行く、あるいは韓国に行く、あるいは台湾に行く、そうしたチャーター便や定期便を活用してお隣の諸国に行くことによって、そことの交流の歴史に改めて目を開かれるということになります。
     少しく専門的になりますが、経済史は私は専門でやってきたことでありますけれども、西洋経済史と日本経済史と東洋経済史というものがあったわけですけれども、私は、東洋経済史と日本経済史がそれぞれ別個の範疇にあるのはおかしいということで、アジア経済史という学問を立ててきたという、そういうこれまでの努力もございまして、そういう日本を含んだ東アジアの歴史をしっかりと学ぶことがこれから本当に大切だということは、よく認識しているつもりです。
     さて、そうしたことで先生も中国に行っていただきたい、そうしないと教えることができません。仮に十分学生に教えることができなくても、例えば浙江省に行く、寧波港に行く。あるいは本県ですと農業の起源は稲作でその遺跡が登呂遺跡にあるということで、それは知っているかもしれませんが、それよりもはるかに昔、数千年前、六千五百年ほど前に浙江省に良渚遺跡というのがあります。その良渚遺跡を見れば米のふるさとということがわかるだけでなくて、お魚のふるさとでもあると、つまり稲作漁労の原型が、我々が今二十八年間の交流を持っている中国にあるということがわかるということになります。
     あるいは大百済典をことし韓国でなさっておられると。大百済典をやっているところは昔の百済の都がございました扶余プヨー――現在の公州市でございますけれども、それと奈良とがかかわっているということがわかります。そういうことがわかって初めてその関係を論じることができるということになるのではないかということで、アジアの歴史はこれから学ぼうという、そういう提言として私は受けとめたほうが建設的ではないかと。従来の歴史の教科書を開いても、中国のことは中国として日本と関係なく書かれていますから……。
     日本の外国史というのは海岸史です。下田から何が見えたか、浦賀から何が見えたか、長崎にどこから来たかということで、長崎に来ているその相手の国、あるいは相手の出港地、ジャカルタから来ている、あるいは広東から来ている、あるいは泉州から来ている、そうしたことについて全然知らないまま、いわば海岸史として沿岸から見る景色だけで外国を見ているという鎖国的発想であったので、私は今県議の言われたアジアの歴史をしっかり教えるためには、まず空港を利用して出てくださいと。今回、大井川の野球部の少年の空港に関する心配のお手紙をいただきまして、しかし今御紹介いただきましたように、野球を通して浙江省とこれから交流していこうということで、本当にうれしく思っている次第でございます。
     もう一つ、静岡県立大学、静岡文化芸術大学とアジア諸国との交流の現状でございますけれども、県立大学におきましては浙江大学、フィリピン大学、浙江省医学科学院、ボアジチ大学――これはトルコです――韓国の延世大学、タイのコンケン大学、静岡文化芸術大学におきましては韓国の湖ホ西ソ大学校、中国の上海工程技術大学、中国の浙江大学城市学院などと交流提携を結んでおります。中国語や韓国語などの語学教育だけでなくて、アジア諸国の歴史や文化などの教育を充実させるほか、アジア諸国の大学と国際交流協定をさらに広く締結していただくことにより、学生及び教員の交流を推進してもらっているところでございます。
     県といたしましては、この二つの大学の取り組みを一層拡充させるとともに、県内二十三大学校等で構成する大学ネットワーク静岡と協働いたしまして、より幅広い学生同士の交流を深め、日本とアジア各国の歴史と文化の相互理解を深めることにより、広く国際社会、なかんずくアジア地域で活躍できる人材の育成を進めてまいりたい。
     今日のような尖閣諸島の問題が起こったときに、日中のかけ橋になるようなそういう青年が、あるいは韓国の竹島ないし独島の問題も同じでございますが、そういう人材を育成してまいりたいというふうに念願しておりまして、これは本県のこれからあるべき最も重要な課題であるというふうに思っております。彼らと一緒に生活をする場所をつくろうということで、大学まち構想というのも、この大学ネットワーク静岡において今考えていただいているところでございます。
     次に、建設産業の活性化に向けた取り組みについてであります。
     長引く景気の低迷や建設投資の大幅な減少による経営環境の悪化に加え、公共工事の品質確保の促進に関する法律の施行、技術力を求められる入札契約制度の導入など、近年、建設産業を取り巻く環境は大きく変化しており、建設産業には経営基盤の強化や新しい市場の開拓、人材育成などへの取り組みが一層求められております。こうした状況を踏まえまして、六年ぶりに静岡県建設業審議会を再開いたします。建設産業のみずからの経営改革に向けた取り組みや県の果たすべき役割等について、学識経験者、ユーザー、業界代表者などから構成されるこの審議会におきまして、新しい本県の建設産業の活性化に向けた方策を検討してまいります。
     建設産業は本県の不可欠な産業であると認識をしております。社会資本整備や地域の雇用に大事であることは言うまでもありません。そしてこのたび台風九号がもたらしました甚大な被害の復旧においても、土砂の取り除きあるいは川の修復等で、私もこの建設業者の方々が懸命に地域の復興のために努力されているさまを目にしたものでございます。災害から地域を守る担い手としても、その健全な発展は極めて重要であると認識しているものでございます。
     県といたしましては、これまで県内建設業者の受注機会の確保に努めるほか、建設業者の経営力や技術力向上のための研修会の開催、産業支援機関の各種助成制度に関する情報提供など、経営と技術にすぐれた建設産業となるように環境整備に取り組んでまいりますが、特に入札における県内の建設業者の受注機会をしっかりと確保してまいりたいと。これは地元企業に配慮する地域要件というのを入札要件の中に加えるだけでなくて、やはり困ったときに重機を活用して、それを操縦する技術を持っている人が身近にいるということは極めて大切なので、そういう災害協定を結んでいるということも大事なことになります。
     そうしたことから受注機会を社会貢献をしている地元企業が得られるように、そうした点を評価した形で、建設産業の発展のための環境整備に真剣に取り組んでまいりたいと思っております。特に現在、公共事業あるいは住宅が本県におきましてはまだ下向いております。そうしたことからこうしたところも励まさないと、彼らの仕事がなかなかないということもありまして、そういう危機意識も持っておりますのでそうした方向に向けて努力してまいりたいと存じます。
     その他の質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁申し上げます。

お問い合わせ

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電話番号:054-221-3482

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