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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

岡本 護 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/06/2013

会派名:

民主党・ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 浜名湖への思いについて
2 健康長寿日本一への取り組みの進展について
3 ライフステージに応じた少子化対策の推進について
 (1) 若年層の雇用の改善
 (2) 婚活支援の取り組み
4 県立静岡がんセンターの診療機能の充実について
5 引佐地区の県立高校再編整備について


○副議長(大石哲司君) これで盛月寿美君の質問は終わりました。
 次に、六十七番 岡本 護君。
       (六十七番 岡本 護君登壇 拍手)
○六十七番(岡本 護君) 私は民主党・ふじのくに県議団の所属議員として当面する県政の諸課題について、知事及び関係部長、がんセンター局長並びに教育長にお伺いをいたします。
 まず初めに、浜名湖への思いについてであります。
 浜名湖は、言うまでもなく国内有数の広大な汽水湖で近くには水路でつながる佐鳴湖を有し、豊富な水産物や観光資源により地域住民の生活を豊かにしてきたところであります。そして何よりも地域住民にとってはオアシスとして長く愛されてきた湖と言えるでしょう。
 この地域で育ち暮らすある人の説を引用すれば、浜名湖の地形を人間の顔に見立て、浜名湖の眼は三重県の伊勢神宮を見詰めているというのです。浜名湖から伊勢神宮までの距離は七十五キロメートル、その往復の百五十キロメートルの円弧を基点に神社施設が多数あるといいます。二宮の川匂神社、諏訪湖の諏訪大社、琵琶湖の竹生島都久夫須麻神社、三輪山の大神神社、そして神津島、また隣の神奈川県などなど。
 そして、多くの人物が出世しているというのです。古くは豊臣秀吉、徳川家康があり、新しくはトヨタの創業者の豊田佐吉を初め世界的企業の創業者がこの浜名湖にゆかりが深いというのです。そこには目に見えない浜名湖の大きな力が存在しているのではないかというのです。
 さて、話を元に戻します。その浜名湖ですが、日本のほぼ中央に位置しいわゆるゴールデンルート、首都圏と関西圏を結ぶ観光客の周遊ルートにおいてもほぼ中央にありますことから、観光面において恵まれた立地環境にあると考えます。
 また、周辺地域は、新居の関所跡、気賀の関所跡を初め舘山寺、龍潭寺、奥山方広寺、浜名惣社神明宮等の著名な社寺などの歴史的、文化的資源はもとより全国ブランドであるウナギを初めそれに続く遠州灘天然トラフグやハモなどの食材の宝庫であり、また小規模ながら伝統的漁法のたきや漁が行われており、それらを目当てに遠方から訪れる観光客も少なくありません。
 県の統計ですが、平成二十四年度上半期の宿泊者数を見ても西北遠地域ではありますが、東日本大震災前の平成二十二年度との比較でも一〇七・九%に増加しております。昨年開通した新東名もプラスに作用していると言えるでしょう。しかしながら浜名湖周辺地域の豊富な観光資源を考慮すれば、観光面におけるポテンシャルはもっと高いものと考えます。
 このような中で、地域のさらなる活性化に向けては、観光交流の拡大が重要であるとの認識のもと地域の有志を中心に浜名湖活性化プロジェクトを立ち上げようとしております。地域の活性化には地元のやる気が不可欠であり、このような前向きな動きがあることは大変心強く思っております。観光交流の拡大のためにはこのような取り組みをさらに加速、拡大させていくことが重要です。
 そこで、浜名湖周辺地域の観光振興について県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 また、私は観光交流の拡大を通じた地域の活性化にはそのシンボルとなるものが必要であると考えます。いよいよ本年六月には富士山が世界文化遺産に登録されるものと、大きな期待を寄せているところであります。過日の富士山の日の各地でのイベントは期待と支援のあらわれと言えるでしょう。名実ともに富士山は私たち県民の、いや県民のみならず国民のシンボルであります。
 さて、そこで視点を移して西部地域のシンボルは何かと問えば、浜名湖との答えが圧倒的に多いものと思われます。昨年四月には浜松市が中国浙江省は杭州市の西湖と浜名湖との友好交流協定を締結いたしました。これを機に両市の友好が一層深まることを期待するものであります。西湖は年間七千五百万人もの人々が訪れる景勝地であり、二〇一一年には世界文化遺産に登録された湖でもあります。私も登録前の西湖を訪ね遊覧船で湖内をめぐりましたが、文字どおり人、人、人でありました。彼らにとっては西湖はまさにシンボルであります。
 そこで、私は浜名湖はあの美しい西湖にまさるとも劣らない湖であり世界文化遺産にも値する価値がある資源と考えますが、知事の御認識をお伺いいたします。
 次に、健康長寿日本一への取り組みの進展についてお伺いをいたします。
 昨年六月に厚生労働省が発表した都道府県別健康寿命において、本県は女性は七十五・三二歳で第一位となり、男性は七十一・六八歳で第二位となりました。県独自の試算では全国で男女総合一位という結果も報道されております。
 一方、昨年七月に厚生労働省が策定した健康日本二十一第二次計画では、健康寿命の指標として日常生活に制限のない期間の平均を主指標としており、その指針を定めた研究班から、健康寿命と平均寿命の格差を縮小することが超高齢化社会を迎える将来において高齢期のQOLの低下を防ぐとともに、医療費等の社会保障費負担の軽減につながると期待されるという意見も出されておりました。
 こういった中、本県の平均寿命と健康寿命の差は男性が八・二七年、女性が十・九〇年であり、また高齢化率は平成十二年度は二三・八%で十年前に比べ五ポイント以上も増加している現状もあり、健康寿命が全国一位であるということに満足して安心できる状況にはないものと考えているところです。
 高齢化率の上昇が見込まれる中、県民の皆様が元気で楽しく生き生きと暮らせるためには県としての取り組みを強化していくことはもちろんですが、これまでにも増して、住民の健康づくりを行う市町や従業員の健康増進に努めている民間企業も含めて官民一体となった取り組みが求められているのではないでしょうか。
 本年、本県におきましては、ふじのくに健康長寿プロジェクトを立ち上げ県民の健康づくり施策を推進していると伺っております。健康寿命が日本一になった本県において、日本全国から憧れを持って見られ県民にとって誇りを持てる健康県として今後どのように取り組みを進展させていくというお考えかをお伺いいたします。
 次に、ライフステージに応じた少子化対策の推進についてのうち、まず若年層の雇用の改善についてお伺いをいたします。
 静岡県の平成二十三年の合計特殊出生率は一・四九、出生数は三万千百七十二人と低レベルで推移しており、依然として少子化には歯どめがかかっておりません。この主な原因の一つに晩婚化が挙げられていますが、若者がなぜ結婚しないのかを考えますと、まずはしっかりと働いて結婚できるだけの安定した収入が得られることが第一ではないかと考えます。就職していなければ家庭を持ちやがては親になる生活設計は難しくなるでしょうし、子を持つ親としても安心して結婚を認めることもできません。
 そこで、若者の雇用の実態を見ますと、まず文部科学省の調査では昨年度に大学を卒業した若者が正社員として就職できた割合は六三・九%に過ぎないとのことであります。さらに労働力調査によれば昨年十二月の全国の失業率は四・二%でありますが、年代別に見ると二十四歳以下が七・一%、二十五歳から三十四歳までが五・一%と他の年代に比べて高くなっております。
 これに加え、正規の職につかないフリーターが全国で約百七十六万人、仕事にもついていないニートと言われる若者が約六十万人もいるとのことであります。二十歳代前半から三十歳代前半の結婚を控えた若者がこれほど就職していない現状では、結婚にも踏み切れず晩婚化になるのも当然であります。こうした状況下で、まずは若者の結婚への意識を高める前に正社員として就職して安定した収入を確保できるようにすることが先決であり、就労の支援こそが晩婚化、少子化対策の第一歩であると考えます。
 そこで、今後県として、就職が決まらない学生や正社員として就職できずにいる若者の雇用の改善にどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。
 次に、婚活支援の取り組みについてであります。
 少子化の進行や出生率の低下の大きな要因は、未婚者の比率が昔に比べて大幅に上昇していることが挙げられます。結婚は、個人の価値観や人生観に基づき本人みずからが決定するというものであり、行政が関与すべきでないといった意見のあることも十分承知をいたしております。しかし婚姻数が減れば生まれてくる子供の数もおのずと減ることから、さらに少子化の進行に拍車がかかり地域経済の停滞や社会保障制度の根幹を揺るがすことにつながります。まさに一刻の猶予もならない深刻な社会問題と言えましょう。結婚を希望する未婚の男女を支援し婚姻に結びつけ次世代を担う子供たちを育成していくことが、県政の喫緊の課題であるように思います。
 二〇一一年に内閣府が行った結婚・家族形成に関する調査によると、未婚者の約九割が「いずれ結婚したいと考えている」と回答をいたしております。一方で異性と交際する上での不安として、男女とも「自分は異性に対して魅力がないのではないかと思う」、次いで「そもそも異性との出会いの場所がわからない」と回答する者の割合が高いという調査結果が出ております。最近の経済状況も相まって若者は結婚に向けた一歩を踏み出せずにいるのではないでしょうか。
 こんな統計もあります。日本の男性は、いわゆる先進国の中で女性へのアプローチは全く下手で最下位だというのです。そして花束の一つも贈れないと酷評されているのであります。こうしたことから若い男女に対して結婚に対する憧れや夢を持ってもらい、結婚への意識を高めることは非常に重要なことと考えます。
 また、行政がみずからかかわる出会いのきっかけづくりは、男女の出会いへの安心感の提供でもあると思われます。
 そこで、婚活支援にかかわる県及び市町における最近の実施状況とその成果はどうであるか、また今後どのように取り組んでいかれるのかをお伺いいたします。
 次に、県立がんセンターの診療機能の充実についてであります。
 県立がんセンターは、平成十四年九月の開設から十年がたち、この間がん専門病院として高度な医療を提供するとともに、旗振り役となって本県のがん対策を推進するなどこれまでの取り組みは非常に高い評価を受けております。
 昨年九月には、がんに対する悩みや不安を抱える患者さんの相談に応えるがんよろず相談が、全国のがん診療連携拠点病院に設置が義務づけられた相談支援センターのモデルとなったことなどこの十年間の活動が高く評価され、日本対がん協会からがん医療の分野で権威のある賞の一つ、朝日がん大賞を受賞されました。
 また、がんの治療実績においても静岡がんセンターは国内トップレベルを誇っており、最先端の治療法などによりがんを上手に治すことに積極的に取り組んでいると聞いております。こうした質の高い医療の提供にはがん医療に関する豊富な知識や経験、すぐれた技術を兼ね備えた医療者の存在が第一でありますが、同時に医療機器の充実も欠かせません。
 この点において、静岡がんセンターが開設当初に整備した医療機器の中には、老朽化や陳腐化が進んでいるものもあるのではないかと心配をいたしているところであります。昨今の医療分野における技術革新は日進月歩の感があり、最先端の技術を用いた医療機器は診断や治療において大きな効果をもたらしていると言えます。
 私自身も、大腸がんと舌がんの経験があることからがんには大変高い関心もあり、安心できる医療の提供を望む多くの県民の静岡がんセンターに対する期待にさらに応えていくため、医療機器の更新や新たな整備に関しては最先端の機器を積極的に導入していくべきと考えます。
 そこで、静岡がんセンターでは、高度で専門的ながん医療の提供そしてがん医療のさらなる発展のため、先端医療機器の導入による診療機能の充実に対して今後どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。
 次に、引佐地区の県立高校再編整備についてであります。
 県教育委員会では、静岡県立高等学校第二次長期計画等に基づき現在県内の五地区において高校の再編整備計画を進めており、ことし四月には静岡市内において県立駿河総合高校と静岡市立清水桜が丘高校が開校予定であり、来年四月には志太榛原地区及び天竜地区においてもそれぞれ新構想高校が開校する予定であります。
 さらに、平成二十七年四月には引佐地区において引佐高校、気賀高校及び三ヶ日高校の再編により引佐地区新構想高校が、現在の引佐高校の校地に開校する予定であると伺っております。引佐地区の三校はいずれも長い歴史と伝統を持つ地域に根づいた高校であり、これまで地元を中心に産業の担い手となる有為な人材を数多く輩出しております。現在引佐高校には農業科と工業科、気賀高校には普通科と商業科がそれぞれ併設されておりますが、両校とも生徒のニーズに応える多様な類型を設けるとともに、学科の枠を超えた科目選択が可能な柔軟な教育課程編成を特色としております。また普通科を設置する三ヶ日高校においても環境や情報などの社会の変化に対応したコースを設けたり、商業、家庭、福祉などの専門科目を開講したりするなど、生徒のニーズに対応したきめ細かな教育を実践しております。
 さて、引佐地区新構想高校には、このような三校の教育内容を踏まえて普通科、農業科、工業科、商業科の四学科が設置されることと伺っております。普通科においては大学への進学希望を実現できるような教育の実践、専門学科においては各専門分野における専門性の高い教育を期待しております。また生徒の興味関心に柔軟に対応できるよう学科の枠を超えた科目選択が可能な教育課程の編成もぜひ継承していただきたいと思います。あわせて学校規模が大きくなることで部活動も数多く設置されることと思われますが、高校生の活躍が地元の活性化につながっていくことも大いに期待されるところであります。
 そこで、引佐地区新構想高校について、平成二十七年度の開校に向けた現在の準備状況と新高校の教育の特色等について教育長にお伺いをいたします。
 以上で私の質問は終わりますが、最後に民主党・ふじのくに県議団を代表して、この三月をもって退職される職員の皆様に一言御礼を申し上げます。
 本年度末で退職されます職員の皆様は、出野知事戦略監、増田出納局長、前田企業局長、杉山議会事務局長、内山収用委員会事務局長を初め知事部局、教育委員会、警察本部を合わせて千百六十三名と伺っております。
 退職される皆様は、最も早い方で昭和四十六年の採用、入庁であります。当時の県知事は竹山祐太郎知事の時代であり、以来山本敬三郎知事、斉藤滋与史知事、石川嘉延知事、そして川勝平太知事のもとで県民の奉仕者として長年にわたり県行政に携わり、本県の発展はもとより県民の暮らしの向上に御尽力されましたことに改めて敬意を表します。特に高度成長期が終えんを迎えるころの採用、入庁であり、以降日本経済が大きく揺れ動く中での施策の遂行にはさぞ御苦労があったものと推察をいたします。
 また、このたび退職を目前にして退職金が減額されることから、全国的に駆け込み退職が取り沙汰されている折、本県千百六十三名の皆様は業務遂行を最優先されているところであります。まことに頼もしく心強く誇りに思います。このことに改めて敬意と感謝を申し上げます。
 今後は健康に御留意され、これまでに培われた豊富な経験と見識を生かし、新たな人生を歩まれますよう御祈念申し上げますと同時に、後輩に対しましてもこれまでと同様の御指導を賜れば幸いに存じます。
 皆様のさらなる御活躍、御多幸を御祈念申し上げまして私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(大石哲司君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 岡本議員にお答えいたします。
 いい質問をありがとうございました。また退職する職員に対しまして心のこもったありがたいお言葉を賜りまして、心から御礼を申し上げます。
 まず初めに、浜名湖への思いについてでございます。
 浜名湖は、美しい自然や温泉、多彩な食など豊富な資源に恵まれ、富士山や伊豆半島とともに本県の誇る観光ブランドでございまして、新東名高速道路の整備によりさらなる発展が期待されております。
 県では、滞在型観光を目指す浜名湖観光圏整備推進協議会の設立に参画し、浜名湖をめぐるウオーキングやサイクリングなどの商品造成への助成や旅行商品を企画販売できる人材の育成を通じ、地域の主体的な取り組みを支援することで浜名湖の観光振興に取り組んでまいりました。
 その成果といたしまして、カキをウナギのたれで焼いた牡蠣カバ丼、また海や山の幸が満載の絶品・朝めしが御当地グルメとして人気を呼んでおります。残念ながらまだ私はこれを試食しておりませんが、牡蠣カバ丼は十一月下旬から三月――今月の中ごろまでとのことでございます。絶品・朝めしを含め写真で見る限り実に食欲をそそるそうした食材が今提供されております。今月からは、御住職の法話を聞く龍潭寺ほか湖北五山の旅など観光圏の皆様がみずから御企画なさいました体験型商品の販売を開始いたします。浜名湖は四季折々に姿を変える水辺の風景に恵まれて、湖岸には多くの古社、名刹がございます。文人墨客が風光明媚な景観を詩歌や俳句にあらわすなど世界文化遺産である西湖に匹敵する文化的価値があるものと認識しております。
 この点につきまして、鈴木康友市長と意見交換をしてまいりました。そして世界文化遺産にしていこうという運動をこれから二人力を合わせてやっていくということで、心を一つにしております。来年度は中国の瀟湘八景に倣いまして、歴史的、文学的、美術的背景を有する浜名湖周辺の景観を選定し遠江八景を編さんすることにしております。これがまた浜名湖の世界文化遺産への第一歩となるように浜名湖の魅力を発信してまいります。さらにまた来年は浜名湖花博十周年記念事業という絶好の機会もございます。これもあわせて浜名湖の魅力を発信する機会として考えております。
 浜名湖は、汽水域として全国屈指のたくさんの生物が生息しているところでございまして、まことに豊穣の海と言うにふさわしいところでございます。この浜名湖の世界文化遺産への取り組みということを通しまして、東からは伊豆半島のジオパーク、富士山の世界文化遺産、これはほぼ目前に迫っておりますが、そして南アルプスのエコパークの可能性もございます。また志太榛原地域におきましては世界農業遺産も視野に入ってまいりました。そして浜名湖が世界文化遺産になるということになりますれば、静岡県全体、海と山の風景の画廊ということになろうかと存じます。
 こうした浜名湖の多彩で豊かな資源につきましてその価値を再認識し、観光、文化芸術、産業などさまざまな分野で磨きをかけまして、浜名湖が世界のブランドとして大きく飛躍するように取り組んでまいります。
 次に、健康長寿日本一への取り組みの進展についてであります。
 議員から御説明のございましたとおり、本県は、昨年の六月に厚生労働省が発表なさいました都道府県別健康寿命で男女総合日本一となりました。健康寿命とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活ができる期間でありますが、私は高齢化が進行する中で、単なる寿命の長さではなくてこの健康寿命を伸ばしていくことこそ何より大切であると考えております。
 本県が健康寿命日本一となった理由は、お話の中にもございました本県のがんセンターの総長でございます山口先生によれば、お茶は言うまでもなく食材、水、そして太陽、これが日本でトップであるということが大きいと言われておりました。まことに地場の食材が二百十九品目と豊富で食生活が豊かになるので食材の王国であり食の都になり得ること、また近年予防医学的効能があるとの研究結果が出ておりますお茶の全国一の産地で消費量も日本一の茶の都であること、そして日照時間が長く温暖な気候に恵まれたまさに太陽の都であることなどという場の力に加え、健康長寿にたけ県と市町が一体となって健康づくりや介護予防に積極的に取り組んできたたまものであると考えております。
 三島市にある県の総合健康センターでは、約二万二千人の高齢者の追跡調査をいたしまして、健康長寿のキーワードを「運動」、「食生活」、「社会参加」、この三つといたしまして、この三分野から成る全国初の健康長寿プログラムふじ三三プログラムを開発いたしました。先行して実施いたしました百九人の結果を見ますと、一日平均歩数の増加、バランス能力の向上、体脂肪の減少などすばらしい効果があったとの報告を受けております。来年度は五市一町がこのプログラムに取り組んでいただけることとなりました。
 国が健康寿命を御発表になって以来、県内の各層を代表する方々がさまざまな機会を捉えられて健康長寿に関する発信をしてくださっております。県民全体で健康寿命を伸ばしていくことに大きな手応えを感じております。平均寿命から健康寿命へという国の重点の軸足の置きどころが変わってきておりますので、この健康寿命日本一になったこともそう遠くないところでしっかりと国のほうからそれなりの御褒美なりをいただけるものではないかと考えております。
 今後は、県内の企業の皆様にもこのふじ三三プログラムを活用していただくことにより県内全域にこのプログラムを広げまして、県民、市町、企業と一体となって健康づくりに取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(大石哲司君) 吉林経済産業部長。
       (経済産業部長 吉林章仁君登壇)
○経済産業部長(吉林章仁君) ライフステージに応じた少子化対策の推進についてのうち、若年層の雇用の改善についてお答えいたします。
 若者が安定した収入を確保し将来の人生設計を描けるようにするためには、まずは新卒の時点で正社員として就職し、社会人としてスタートすることが重要であると考えております。
 県では、今春卒業予定の学生を対象に二月と三月に就職面接会を計七回追加開催いたしますとともに、未内定のまま卒業した学生に対しましては研修や実習を行い内定まで支援することによりまして、今年度九八%の就職率を上げました就職応援事業の定員を来年度は二百十人に拡大し、正社員としての就職を目指してまいります。また来年度以降卒業予定の学生に対しましても地域企業を知るための見学会やバスツアーの開催、地域企業就職情報誌の配布、就職面接会の開催など多様なメニューを用意し、学生が就職活動の視野を広げ早期に内定を獲得できるよう支援をしてまいります。
 また、安定した職業についていない三十歳代までの若者に対しましては、新たに県内三カ所に設置するしずおかジョブステーションにおいて各人の能力に応じて就職活動への個別指導を行いますとともに、基礎的なビジネスマナーから実践的な職業知識の習得まで段階的なセミナーを実施するなど実効性の高い支援を行ってまいります。さらにニートと言われる若者に対しましては、軽度の就労訓練を行うジョブトレーニング事業を県内三カ所で計百八十人の規模で実施するなど、社会に適応し就職につながるきめ細やかな支援をしてまいります。
 今後とも、静岡労働局を初め産業界、教育界などと連携を強化いたしまして、一人でも多くの若者が正社員として雇用されますよう全力で就職支援に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 池谷健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
○健康福祉部長(池谷享士君) ライフステージに応じた少子化対策の推進についてのうち、婚活支援の取り組みについてお答えをします。
 県では、本年度から健康福祉部において少子化対策を企画立案から事業に至るまで一体的に実施することとし、妊娠・出産への支援や企業との連携のほか未婚化、晩婚化にも対応するため新たに婚活支援にチャレンジしたところであります。具体的には、全国に先駆けて恋愛や結婚を成就させてくれると言われるふじのくにエンゼルパワースポットの発掘と情報発信を行うとともに、これを活用した婚活の旅事業を地域の企業やNPOなどと連携して県内十カ所で展開し、若者の結婚に対する関心の高揚や結婚を応援する社会的機運の盛り上げを図りました。婚活の旅事業には定員のおよそ四倍、約千五百人の申し込みがあり、これまでに六十二組のカップルが誕生いたしました。参加者からは「県の主催なので安心して参加した」、「婚活への一歩を踏み出すきっかけとなった」との声をいただいております。また市町の実施状況につきましては全体の六割に当たる二十一の市町が出会いの場の提供や結婚相談事業を実施し、昨年度は私たちが把握できただけでも八十七組が結婚に結びつくなどの成果を上げています。
 県といたしましては、今後も県民の皆様や少子化対策協議会、そして県議会の御意見、御助言を踏まえながら、若者が結婚の夢を持ちかなえることができるよう社会全体で応援していく取り組みを進めてまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 斉藤がんセンター局長。
       (がんセンター局長 斉藤民夫君登壇)
○がんセンター局長(斉藤民夫君) 県立静岡がんセンターの診療機能の充実についてお答えをいたします。
 静岡がんセンターでは、開設以来高度がん専門医療を提供するため陽子線治療装置を初めとした最先端の医療機器を整備してまいりました。これらの医療機器は開院から十年を経過いたしましたことから年次計画に基づいて更新をしており、本年度はより治療効果が高く患者さんの負担が軽減できる放射線治療装置などを導入し、来年度におきましてもPET―CT、MRIなど最新機器への更新を予定しております。また高度で最先端な医療機器である手術支援ロボットダビンチを昨年度導入をし、特に大腸がん分野で国内トップの症例実績を上げておりますが、来年度はさらに次世代機を整備し適用部位も拡大をしてこの手術におけるメッカを目指してまいります。
 静岡がんセンターといたしましては、こうした最新の各種医療機器の導入は優秀な医療従事者の確保や育成にもつながり診療機能の充実が一層図られると考えておりますことから、高度がん専門医療機関として最先端の医療機器の導入を積極的に進め、県民の皆様に安全・安心な最善のがん医療を提供してまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 引佐地区の県立高校再編整備についてお答えいたします。
 仮称引佐地区新構想高等学校につきましては、「豊かな教養と確かな勤労観を持った地域社会の発展に貢献できる人材育成」を教育目標に掲げ、現在準備委員会を設置し関係校の教職員が中心となって教育課程の編成や設置部活動の検討など具体的な準備を進めているところであります。設置学科につきましては、就職から大学進学まで生徒の幅広い進路希望に対応するとともに、地域の産業を支えてきた教育の伝統を継承するため普通科と農業・工業・商業の専門学科を置くこととしており、生徒の社会的・職業的自立を促すキャリア教育を推進してまいります。
 普通科では、生徒の幅広い学習ニーズに対応し、スポーツ、栄養など心身の健康に関する科目や環境、福祉などの多様な科目を開設し、また専門学科では農工商の連携を図りながらこれからの新しい産業の創造などを見据え、学科、類型の枠を超えた教育を展開してまいります。
 さらに、普通科と三つの専門学科を併設する高校としては県内で唯一となりますので、この特色を生かして新商品の開発や生産、新たな販売方式の導入など六次産業化や地域の活性化を視野に入れた学校づくりを進めてまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) これで岡本護君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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静岡県議会事務局議事課

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電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp