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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

佐野 愛子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/12/2018

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 子どもたちを豊かに育むための環境づくりについて
(1) 総合教育会議の今後の方向性
(2) 教職員の多忙化解消
(3) 外国籍児童生徒への教育の充実
(4) 臨時的任用教職員の確保と育成
2 主要農作物種子法廃止への対応について
3 障害者就労継続支援事業所への支援について
4 性暴力被害者への支援について
(1) 性犯罪被害者への配慮
(2) 性暴力被害者支援センターSORAの機能充実


○副議長(落合愼悟君) これで竹内良訓君の質問は終わりました。
 次に、六十八番 佐野愛子君。
       (六十八番 佐野愛子君登壇 拍手)
○六十八番(佐野愛子君) 私はふじのくに県民クラブの一員として、分割方式で質問いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 初めに、子供たちを豊かに育むための環境づくりについてのうち、総合教育会議の今後の方向性について知事に質問いたします。
 総合教育会議制度が始まり四年、各自治体で首長と教育委員により教育政策を協議調整するという体制が定着してきました。県においては県独自の取り組みである地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会を設置し、産業、文化、芸術、スポーツなど広い分野からの有識者が総合教育会議に向けての提言、提案を行っております。一昨年度は学力の向上と一人一人に行き届いた教育のために静岡式三十五人学級の下限撤廃が提案され、総合教育会議を経て実現することができました。県民総意の願いであった少人数学級が実現したのはこの委員会の提言の大きな成果であります。
 学校現場では、一人一人の個性を生かし伸ばしながら全ての子供たちに各学年ごと指導要領で定められた学力を身につけさせ、集団としての規律や徳育を育むために日々地道な積み重ねを続けています。最低限の生活習慣すらままならない子、言葉だけの指導ではなかなか伝わらない子、それぞれの家庭環境の格差などの壁に教職員は悩み格闘しながら子供たちと向き合っている毎日です。
 私は先日開催された「人づくり・学校づくり」実践委員会を傍聴しました。協議の論点は学びを支える地域に根差した学校づくりの推進、誰もが夢と希望を持ち社会の担い手となる教育の推進であり、私としては障害のある子やマイノリティー、いじめ、貧困等に対する具体的支援などが提案されることを期待していましたが、大変高尚なエリートに集約した意見が多かったように受けとめられました。
 さて、一昨日は本県に由来が深い本庶佑先生がノーベル賞を受賞されました。大変名誉なことでありますし優秀な人材が社会へ大きな貢献をなしています。さらにスポーツでは、紀平さんや伊藤美誠さんのように国際的に活躍する姿は希望と感動を呼び起こしてくれます。しかしもともと才能がある子供は個人や民間の力でも実現することができるはずです。
 公教育の目的は、一握りの人材育成だけにあるのではなくさまざまな力の差がある子供たちを少しでもよき市民として社会に送り出すことにあるのではないでしょうか。
 総合教育会議では、教育の現場を捉え必要とされている施策を提言していくことや、さらに県が現在置かれている課題を見据え持続可能な未来のために教育で伝えなければならないことを示唆することが役割であると考えます。
 そこで、教育に関するさまざまな社会的課題に対する総合教育会議の今後の方向性について、知事の御所見を伺います。
 次に、教職員の多忙化解消について伺います。
 教職員の働き方改革が注目される中、県では公立小中学校の教職員多忙化解消を目的に未来の学校「夢」プロジェクトを立ち上げ本年度は三年目、まとめの年となっています。プロジェクトチームの提案をもとにモデル校を設置して教職員の意識改革、行事の見直しなどの取り組みを進めてきました。教員は子供と向き合ったり授業の準備をしたりなど教育本来の仕事に専念できることはやりがいであり、そのためには夢中で時間を費やします。しかし本務以外の雑務が余りに多過ぎて時間をとられてしまうことはストレスになります。
 多忙化を解消するためには、教員でなくてもできる仕事は教員以外の人に振り分けるという考え方を具現化した事業がスクール・サポート・スタッフ事業なのです。全校配置した静岡県の取り組みは全国の教職員の働き方改革の先頭を切ったとも言えます。今年度当初配置された週十時間、一日にして二時間いてくれるだけのスタッフでありますが、その成果の反響は大きかったです。とても助かる、ゆとりができたと、どこの学校でも絶賛されています。教職員の働き方改革のために配置されているスタッフなのですからどんどん活用すべきです。
 九月補正で県内全小中学校に配置が拡大されたことは、その有用性が検証されたことだと確信しています。来年度に向けてもさらに配置時間を拡大、教頭や養護教諭などへの配置などその恩恵を広げ教職員の多忙化解消を推進していただきたいと考えます。ひいてはそれが子供たちの指導の充実へ返っていくことになるのです。見解を伺います。
 また、夢プロ三年間の成果の発表会を折しも本日午後から県内全小中学校の校長をグランシップに参集して開催するとのことです。全県の教職員全てに働き方改革を普及するためにどんな方策を伝えるのでしょうか。この取り組みをこれで終わりとしないためにも、今後どのようにつなげていくのか伺います。
 次に、外国籍児童生徒への教育の充実について伺います。
 団塊の世代の大量退職や少子化による労働力不足から政府は外国人労働者の受け入れ拡大の方針を決定し、今国会では改正出入国管理法が成立しました。当たり前のことですが外国人も生活者であり、家族を呼び寄せて定住する人も多くいらっしゃいます。鈴木康友浜松市長は、単なる労働力として済ませるようではだめ、ロボットではない血の通った人間の集団だと言って国に外国人支援の必要性を強く訴えていました。
 平成二十八年度文科省調査によると、県内の公立学校に在籍する日本語指導が必要な外国人児童生徒は二千六百七十三人いるとされ全国で四番目に多い県です。学校現場からは、外国人児童生徒やその保護者に対して日本語が通じないという言葉の壁だけではなく生活習慣や価値観の違いもあり、意思疎通が困難であるという声をよく聞きます。県の措置だけでは足りず市町においても独自に支援員を任用したり、小笠地区では三市が連携し協議会を立ち上げてプレスクールを運営したりして効果を上げているところもあります。また焼津市では、外国人支援のNPOやボランティア団体が学習指導を行ったりしていますがまだまだ十分ではありません。学校だけでなく企業ぐるみ、地域ぐるみで子供たちを育む姿勢が必要です。
 一方で、外国人児童生徒の話題になると支援が必要であるということばかりに目が向きがちですが、多くの外国人児童生徒がクラスにいてともに学ぶことは日本人の子供たちにも多文化共生意識を育むことであり有益なことです。
 そこで、こうした外国人児童生徒を取り巻くさまざまな環境があることを踏まえ、県教育委員会として今後保護者を含め外国人児童生徒への教育をどのように推進していくのか伺います。
 次に、臨時的任用教職員の確保と育成について伺います。
 学校現場で働く教職員は二十代、三十代前半が占める率が多くなり産休・育休を取得する教職員がふえています。またメンタルなど心身の不調で特休を取得する教職員も増加傾向にあります。そんな際には臨時的任用教員が必要となります。通常講師と呼ばれていますが、現在その講師を探すのが公立小中学校では大変困難な状況にあります。特に学級担任の場合などはすぐに代替の先生が来ないと子供が困ります。講師が見つからないために級外の先生が急遽担任に入り一人足りないままで学校運営をせざるを得なかったり、中学校では理科の講師が見つからないために体育の先生が免許外で授業したりしています。これでは教員への負担が増すのはもちろん子供たちへの悪影響も懸念されます。
 このような講師不足の原因としては、社会全体の人手不足の波が学校現場にも押し寄せていることも考えられます。さらに退職した教員や家庭にいる教員経験者などには免許更新制度がネックになっています。また余りに過酷な学校現場には戻りたくないという退職教員も多いことも事実です。
 講師という非正規であってもやるべき仕事は正規の教員と全く同じことが求められます。しかし身分や待遇には大きな差があります。講師の人材確保について今後の対応や見通しを伺います。
 また、県内の講師の採用状況を見ると大学を卒業して間もない方々が多く採用されています。正規に採用された新規教職員は、初任者研修として年間二十日の校外研修や初任者専属の指導教員がつくなど研修計画に沿って必要な育成が行われています。それに比べ講師は年間三回程度しか研修の機会が設定されていません。多忙きわまる教員は、自分のクラスの対応で精いっぱいで隣のクラスの講師が困っていても手を差し伸べる余裕すらないと言います。一校で五人以上の講師が勤務している学校もあり、校内の研修では限界があります。
 藤枝市教育委員会では、独自に教師塾を開催し講師や教員採用試験を目指す学生を対象に退職校長などが講義を行って研修の機会をつくっています。どの子にも一定水準の学習を保障するためには講師の研修機会の保障は重大であると考えます。また任命の責任を負う県としての役割であると考えますが、見解を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(落合愼悟君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 佐野議員におかれましては、分割方式で四つ御質問いただきましたけれども四つとも教育、教育現場、教職員にかかわることということで、まことに教育問題のプロというのを改めて感じた次第でございます。
 私、十年近くこの仕事をする中で、佐野愛子議員に大学の現場しか知らなかった私をさまざまな教育現場に連れて行っていただいて目を開かれた思いが幾つもございました。
 きょうは御質問の中で、子供たちを豊かに育むための環境づくりについてのうち、総合教育会議の今後の方向性についてお答えをさせていただきます。
 この総合教育会議というのは国の決まりで設けるべきということで、教育委員会に首長が出席をして意見交換するという場であります。首長も千差万別で個性豊かな人がいますからその特異な個性によって教育現場に支障があってはいけないということから、私は総合教育会議に出るに当たっては社会全体の意見を反映するような形で出ようということで地域とともにある学校づくり検討委員会というのを五年前に立ち上げまして、その御意見を聞くというそんな形をつくり上げました。そして総合教育会議が始まりましてからはこれを検討委員会から実践委員会に格上げいたしまして、その全てに私自身は出席をし一切発言をせず最後に委員長から感想を求められたときだけ御礼かたがた御挨拶をするということにしてまいりました。この総合教育会議には、私自身の偏見が入らないようにこの実践委員会の委員長もしくは副委員長に必ず出席していただく。その席に必ず佐野愛子議員のお姿があって、もういつも傍聴されているので実は感心していたといいますか、御立派なことだと思っていたわけでございます。そうしたこのものが地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会だということですね。
 これを踏まえてこの総合教育会議をしているわけですが、この総合教育会議を通じて議員にただいま御評価いただきました静岡式三十五人学級編制の下限人数を撤廃するという御提言を実践委員会でいただいてそれを提言し、それを教育委員会のほうで教育長以下全員にお認めいただいて撤廃できたということです。
 また、少子化等によって学校の子供たちの数が少ないので運動部の活動ができにくくなっているということで、地域スポーツクラブを設立するようにという実践委員会からの御要望があってそれをまたこの総合教育会議に私持っていきまして、そしてこれも実現ができたということで教育現場が直面する課題に迅速に対処するというシステムができ上がってきたかなと思っております。
 この総合教育会議では、前提としてこのふじのくに「有徳の人」づくり大綱に定めた文武芸三道の鼎立、多様な人材を育む教育環境の整備、地域ぐるみ、社会総がかりの教育というものの実現に向けて今後取り組むべき施策等について協議を行っているところであります。
 議員御指摘のとおり、公教育の目的は一握りの人材育成のためにあるものではありません。総合教育会議では、子供たちに基礎的学力を身につけさせることや生まれ育った環境や経済的理由に左右されずに誰もがみずからの能力を伸ばせる環境づくりなど、学校教育の原点ともいうべき課題にも当然対応していく必要があります。そのためにはまず何よりも教育現場の実情を知ることが重要であります。
 この実践委員会の先生方も、先生方といいますか委員の方々も教育現場に足を運ばれております。私自身も現場主義ということでございますが、例えばことしだけでもつい先ごろは伊豆の稲取高等学校に行きまして高校生と意見交換をすると。あるいは藤枝の藤枝市立藤岡小学校でいわゆるIT教育の現場も見せていただくとか、あるいはこれもことしですけれども焼津の漁業高等学園でそこに学ぶ漁業を志す青年たちと意見交換をするなど、こうした形でさまざまな学校を訪問いたしまして直接児童生徒あるいは教職員の声を受けとめる努力をしております。
 また、この県教育委員会におかれましても木苗教育長以下現場へ足を運ばれまして学校関係者等との意見交換を重ねておりまして、両者がともに教育現場との連携に努めているところであります。
 こうした現場の状況を踏まえまして、先月三十日に開催した総合教育会議では教員の多忙化解消を初めコミュニティスクール導入の推進、障害のあるお子様たちへの支援などについて協議したところであります。課題の解決に向けて、関係部局におきましてはできるところから速やかに具体的な施策に落とし込んでいくというふうになっております。今後も総合教育会議におきまして教育現場の状況を十分に考慮し、県教育委員会と意思疎通を図りながらさまざまな課題の解決に向けた施策を具体的に実施することにより地域ぐるみ、社会総がかりでふじのくにの未来を担う有徳の人づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 子供たちを豊かに育むための環境づくりについてのうち、教職員の多忙化解消についてお答えいたします。
 教職員の働き方改革とは、多忙化を解消し教職員が子供と向き合う時間を十分に確保できる環境を整えることであると考えております。
 県教育委員会では、未来の学校「夢」プロジェクトの成果を踏まえ県内四百八十八校の全小中学校でスクール・サポート・スタッフの配置を進めております。配置した学校からは教職員の勤務時間の縮減に効果があるとの話を聞いており、引き続き国の事業を積極的に活用し学校現場の要望に応じた配置に努めてまいります。
 また、プロジェクトの成果を共有し全ての学校において実践に結びつけるため全小中学校長が参加する報告会を先ほどもお話がありましたように本日グランシップで開催しており、モデル校における具体的な取り組みとその成果のほか民間企業での事例紹介や教職大学院との共同研究の成果について説明することとしております。各学校では今年度から学校経営書に多忙化解消の方針も明記しており、本日の報告会が学校運営の責任者である校長が改めて働き方改革を推進していく責任を自覚しさらなる取り組みを講じていく契機になることを期待しております。
 県教育委員会といたしましては、市町教育委員会と連携し多忙化の解消に向け、すぐれた取り組み事例の共有化を図りながら校務の整理や外部人材の活用など実効性のある取り組みを進め、教員が生き生きと働ける学校づくりを進めてまいります。
 次に、外国籍児童生徒への教育の充実についてであります。
 日本語指導が必要な児童生徒数は増加傾向にあり、本年度県教育事務所管内では千八百人余となっております。また出身国が多岐にわたるため多言語化が進み、さらに以前のように特定の箇所に集中せず県内の多くの地域に在籍する散在化が見られております。
 各学校では特別の教育課程を編成し教員が日本語や教科の学習を実施しており、県教育委員会では対象となる児童生徒の日本語能力等を踏まえた指導計画が作成できるよう日本語指導コーディネーターを派遣しております。しかしながら対応できる教職員が十分でないことから日本語指導が必要な全ての児童生徒に対して特別の教育課程の編成ができておらず、さらに学校に対する保護者の理解が不十分な点が見られている状況であります。
 学校生活におきましては、外国人と日本人の児童生徒が互いのよさや違いを理解し認め合うことはグローバル社会を生きる子供たちにとりましてかけがえのないものであります。
 県教育委員会といたしましては、市町教育委員会と連携し、保護者の勤務先である企業等の協力を得ながら外国人の児童生徒の状況に応じた教育が十分に提供できるよう、学校におけるさらなる体制整備を進めてまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 鈴木教育部長。
       (教育部長 鈴木一吉君登壇)
○教育部長(鈴木一吉君) 子供たちを豊かに育むための環境づくりについてのうち、臨時的任用教職員の確保と育成についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、臨時的任用教員の確保は大きな課題となっております。県教育委員会では採用試験の受験者を中心に臨時的任用の希望を把握し市町教育委員会と情報を共有しており、あらかじめ予測できる産休・育休などの代替教員につきましてはほぼ確保ができているものの、突発的に必要となる場合につきましては臨時的任用教員の確保が難しくなっております。
 臨時的任用教員を確保するための決め手となるような特別な手段はないことから教員の働き方改革などにより魅力ある職場づくりに努め、静岡県で教員になりたいと考える人の裾野を広げることにより、臨時的任用教員だけでなく本務教員を含めた人材確保を図ってまいります。
 また、研修につきましては、任用一年目の講師を対象に先輩教諭の授業参観や授業づくりに関すること、人権、道徳教育や生徒指導など子供たちと接する上で必要な内容を精査して実施しております。
 児童生徒や保護者への対応が複雑化、多様化し臨時的任用教員の資質の向上が重要でありますことから、受講者のニーズを踏まえまして内容の充実を図るとともに市町が行う研修との整理や総合教育センターの研修への参加など効果的な実施方法について検討してまいります。
 臨時的任用教員は教壇に立つ先生であります。臨時的任用教員が教育現場で果たしている役割は大きく今後ともその確保と育成に努め、子供たちを豊かに育むための環境づくりに積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 佐野愛子君。
       (六十八番 佐野愛子君登壇)
○六十八番(佐野愛子君) 御答弁ありがとうございました。
 要望を二点、再質問を二点したいと思います。
 知事におかれましては、総合教育会議にかける思いをお話しいただきましてありがとうございました。ドリームズ カム トゥルー、全ての子供が夢を実現できるふじのくにそして国連のSDGsの中にも誰一人取り残さないという項目もあります。総合教育会議が子供たちへの具体的な提案を今後とも期待しています。要望します。
 そして、臨時的教職員ですが子供にとっては先生は先生、外からは区別がつきません。保護者の信頼を損ねないためにもしっかりとした研修をお願いしたいと要望します。
 外国籍の子供たちですが、取り出しの指導よりもプレスクールが有効かと思います。学校に入る前に一程度の様式を学習するプレスクールについてどのように考えるか質問いたします。
 教育長に質問いたします。
 本日午後からの全県校長会には教育長は御出席できないと思います。現場は本当に英語がふえたり授業数がふえたり多忙化の拍車をかける中の意識改革ということで苦慮しています。教育長はどのようなメッセージを託しているのか、お聞かせ願えればと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(落合愼悟君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 御質問ありがとうございました。
 ただいま、先ほどもお話がありましたような未来の学校「夢」プロジェクト成果報告会があります。それに当たって私出席できないものですから、メッセージを少しありましたので、それを三つほどございます。
 成果報告会は、「夢」プロジェクトの取り組みや成果もモデル地区にとどまらず県内の学校全体で共有していただくためのキックオフの会というように位置づけております。県教育委員会、市町教育委員会、学校がそれぞれの立場において学校における働き方改革とは何のために行うかを改めて問い直し、本気で業務改善に取り組んでいかなくてはいけないというようなことで先生方にもお願いしております。
 それゆえ、各校長も各学校で校長先生、責任者ですので各校長もそのことを十分に認識しそして最優先課題として先ほど言ったようなことについて積極的に取り組んでいただきたいというようなことを託してございます。そういうことでよろしくお願いします。
○副議長(落合愼悟君) 鈴木教育部長。
○教育部長(鈴木一吉君) 外国人児童生徒に対する支援についての再質問にお答えをいたします。
 県教育委員会では外国人児童生徒のための支援につきまして、先ほど言ったように特別な教育課程の編成だったり日本語指導のコーディネーターを派遣したりということで対応しておりますけれども、増加する児童生徒の状況に応じましてまだまだ十分な点がないかというふうに考えております。
 議員御紹介いただいたプレスクールに関しましても、学校現場の前にいろいろなことを覚えていただく習得していくことが非常に有意義な策だというふうに考えておりますので、状況等を考えながらどのような策が適当かをまた検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
○副議長(落合愼悟君) 佐野愛子君。
       (六十八番 佐野愛子君登壇)
○六十八番(佐野愛子君) 次に、主要農作物種子法廃止への対応について伺います。
 理想のふじのくには豊かな食材にあふれていることは自慢の一つです。もちろん安心で安全な県内産の農作物を提供することは言うまでもありません。
 そんな流れの中、稲、麦、大豆の種子の安定供給を都道府県に義務づけた主要農作物種子法がことし四月廃止されました。この法律は戦後間もない一九五二年、主食の種が途絶えて人々が二度と飢えることがないようにさきの大戦の反省に立ち国民を守るために生まれたものです。
 この法律のもと都道府県は、その土地の気候風土に合った奨励品種を開発し国内で生産される米の種子は一〇〇%自給してきました。県においても稲は磐田市にある農林技術研究所で原種生産までを担い農家に渡っています。酒米として県内の地酒に使われている「誉富士」も県の風土に合った品種の改良研究を重ねて普及してきました。県が公的な役割を担っているからこそ安全で安価でかつ優良な種子を提供し続けることができてきました。
 しかし、そのことが民間の開発意欲を阻害し成長戦略にそぐわないという理由で種子法は廃止されてしまったのです。民間には海外の巨大種子メーカーも含まれています。遺伝子組み換えの種が流通する可能性もあると危惧されています。単価を見てもこれまでの五倍から十倍高いとされています。米の販売価格が上がらない中、これでは農家はますます苦しくなってしまいます。
 種子法の対象ではありませんが今、在来種が注目されています。ブームになっている在来のソバを初め井川のジャガイモ、カブ、北遠のアワなど地域で何代も種をとり続け守り続けてきた野菜があります。地産地消の流れの中で地場の種は価値があります。
 国では附帯決議により県への交付税を今後も措置するとしていますが、埼玉、新潟、兵庫県は種子法の趣旨を踏襲した条例を制定、施行しています。埼玉県は在来種の生産と維持に県が協力するなど種子法にはなかった規定まで盛り込んでいます。
 県の農業を守り、食とりわけ主食の安全・安心のために県はどのような対応をしていくのか伺います。さらに万全を期して生産者、消費者の不安を払拭するため条例の制定も必要であると考えますが、県の見解を伺います。
 次に、障害者就労継続支援事業所への支援について伺います。
 ことし四月障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス等報酬の改正が行われましたが、その中で今回特に問題として挙げたいのは就労系のサービスです。余りにも各事業所の実態から離れたものとなっております。
 一般就労が難しい障害のある方が働く就労継続支援B型事業所では特に影響が大きく、全国の障害者施設で組織するきょうされんが改定の影響を調査したところB型三百五十一事業所のうち七〇%に当たる二百四十六事業所が減収の見込みとしております。基本報酬の算定の仕方が平均工賃月額に応じた報酬設定に改正され、工賃の高い事業所ほど給付費が高く低い事業所ほど少ないということになります。
 県の作業所連合会・わの調査によると、これまでの加算がなくなった影響が一番大きいとの見方もしていました。重度の障害のある方は高い工賃を稼ぐことはできませんし、精神障害のある方など毎日コンスタントに通うことができない方もいらっしゃいます。また利用者の豊かな生活のために地域活動や余暇活動などに力を入れている事業所は、その分工賃が上げられません。事業所の指導員が利用者分の作業を一生懸命負担せざるを得ないのが実態です。
 工賃アップは最大の課題で県も授産製品コンクールなど力を入れていますが、ほとんどの作業所の仕事といえば洗濯ばさみの作製、たわしの袋詰め、シール張りなどの内職で高い賃金は望めません。このままでは三年に一度の次回の制度改定まで持ちこたえることができず閉鎖せざるを得ない事業所が相次ぐことも予測されます。
 県は、今年度改定の就労継続支援B型事業所の運営実績をどのように調査、把握をしているのか、また現状の課題をどのように捉えて次の改定に向けて国へ働きかけていくのか、さらに県としてどのように支援していくのか伺います。
 次に、性暴力被害者への支援についてのうち、初めに性犯罪被害者への配慮について県警本部長に伺います。
 ミー・トゥーという言葉を聞いたことがある方が多いと思います。昨年秋セクハラ被害を受けたハリウッドの女優がSNSで呼びかけたことから世界中に広まりました。私もという言葉のとおりこれまで黙っていたセクハラや性被害を告白、共有する動きが日本でも始まりました。
 そんな中今年度のノーベル平和賞を受賞した二人の活動家、ごらんになったと思います。ナディア・ムラドさんというイラク人の二十五歳の女性、デニ・ムクウェゲ医師というコンゴの男性、二人とも性被害者を支援する立場で受賞しました。女性の心身と人権を守り平和を維持する活動が世界的に認められたのです。
 しかしながら、勇気を持って立ち上がらなければとわかってはいても性被害の場合はなかなか難しいのが現実です。
 昨年刑法が改正され性犯罪が厳罰化され、県内では強制性交と強制わいせつ等認知件数が昨年同期比で約一一%増加しているとのことです。しかしこの数字は氷山の一角で、昨年の県内の性犯罪認知件数は百六十五件でしたが実際には年間九百件近い性犯罪が発生していると推計されます。周りの人に知られたくない、自分が我慢して黙っていればと誰にも言えず抑え込んだままの被害者が多くいるのです。
 県警では被害に遭った方が申告しやすい取り組みや捜査の段階での配慮などどのようになされているのでしょうか。性犯罪被害者の声が届きやすくケースに応じた対応がなされるべきであると考えますが、見解を伺います。
 次に、性暴力被害者支援センターSORAの機能充実について伺います。
 県ではSORAをことし七月に立ち上げました。本県は全国四十五番目の設置でしたが十月には全ての都道府県にそろいました。本人または家族も友人も名前を名乗らなくても相談ができカウンセリングや性感染症の検査、警察や弁護士への同行も支援しています。十月末までの四カ月間にあった相談は百八十三件、そのうち五件は病院などの同行支援を必要としたという結果が出ています。当初の想定より上回るペースということですが、まだまだ周知がされていないと見受けられます。
 被害者の身体的ケアは一刻を争います。病院との連携が何よりも大切だと思われます。また静岡県は東西に広いため全県体制のケアの充実が求められます。
 そこで、SORAの周知とさらなる充実について伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(落合慎悟君) 吉林副知事。
○副知事(吉林章仁君) 障害者就労継続支援事業所への支援についてお答えをいたします。
 本年四月の国による障害者福祉サービスの報酬改定におきましては、工賃が高いほど自立した地域生活につながることや生産活動の支援に労力を要することから、高い報酬設定とするとの考え方によりまして障害者就労継続支援B型事業所に支払われる基本報酬月額が従前の定員規模別に加え平均工賃月額に応じた報酬に改定をされました。
 その影響につきまして「静岡県作業所連合会・わ」が今年度第一・四半期の状況について調査をしましたところ、前年度と比べ収入が減少すると報告した事業所は約四割となっております。規模が小さい、重度の方が多いといった理由から、中には年間収入が約三百八十万円減少すると見込む事業所もあるということがわかりました。
 そのため、県では本年八月他都道府県とともに国に対しまして、今回の報酬改定の検証と事業所の実態に即した運用を早期に行いますよう要望いたしました。今後も関係団体と連携をいたしまして、各事業所の状況を把握し必要に応じて柔軟な制度の運用や改善を国に働きかけてまいります。
 また、各事業所が利用者の工賃向上に取り組むことで安定した運営が可能となります。このため障害者働く幸せ創出センターを中心に、マーケティングの専門家の助言による授産品の品質向上や百貨店での販売を通しましたイメージアップなど事業所の自主製品の付加価値を高めるための支援も実施しております。
 さらに、県や市町に加えまして企業による授産品の発注拡大を強力に進めまして、障害者就労継続支援事業所の全体の底上げも図ってまいります。
 県といたしましては、これらの取り組みによりまして障害のある方が働き続け経済的な安定の確保はもとより社会の一員として生き生きとした生活が送れますよう、共生社会の実現に向けまして努力してまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 芦川農林水産戦略監。
○農林水産戦略監(芦川敏洋君) 主要農作物種子法廃止への対応についてお答えします。
  通称種子法は、稲、麦類及び大豆に関する優良種子を国と都道府県が主導し生産と普及を進める目的で制定されましたが、我が国農業の国際競争力の強化が求められる時代に民間事業者の種子開発意欲を阻害するとの理由により本年四月一日をもって廃止に至りました。しかし国は、種子法廃止後の都道府県の役割として種子の安定供給のために行ってきた従来業務と種子生産の民間参入が進むまでの間、都道府県が培ってきた種子増殖技術等に関する知見の維持の必要性を示しており、このため都道府県に対し財政措置を図っております。
 こうしたことから、県は引き続き種子生産として原種及び原原種の生産などに取り組むこととし、関係市町や団体に対して採種事業を継続して実施する意思を通知したところであります。種子法が廃止された本年度も県内産「コシヒカリ」や「誉富士」など八品種の水稲種子を計六十ヘクタールの規模で栽培し県内水稲流通種子量のおおむね七割から八割を賄う見込みであり、県が主体となって主食となる米の種子生産を担ってまいります。
 また、御提案のありました条例の制定についてでありますが、種子法の廃止に伴って既存条例を廃止した七県を含めて大方の県が新たに条例を設けず通知や要綱に基づき種子生産を続けております。本県におきましても現状において万全を期しているものと考えておりますが、生産者や関係者の皆様に不安の声があるようとのことであれば御意見をしっかり伺い、条例制定の必要性の有無を検討してまいりたいです。
 県といたしましては、主食の安全・安心のため今後とも県が主体となって米や麦の種子の安定供給に取り組み、生産者や消費者の皆様に信頼いただけるよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 小嶋警察本部長。
○警察本部長(小嶋典明君) 性暴力被害者への支援についてのうち、性犯罪被害者への配慮についてお答えいたします。
 初めに、性犯罪被害者が被害申告しやすくするための取り組みについてでありますが、県警察では平成八年から性犯罪被害者やその家族等が気軽に相談できるよう警察本部内に相談窓口性犯罪被害一一〇番を設置しているほか、女性警察官が勤務する県下八十七カ所の交番にひまわり窓口の看板を掲出し性犯罪被害等の相談に対応しております。また昨年八月から性犯罪被害相談電話全国共通番号#八一〇三、通称ハートさんも導入し、本年八月からは二十四時間対応しております。
 次に、捜査の過程における性犯罪被害者に対する配慮についてであります。
 県警察では、平成十年から全警察署の女性警察官の中から警察署女性被害捜査官を指名し被害者からの相談受理や事情聴取、病院への付き添い、各種支援制度の教示等を行っております。また捜査上必要となる被害再現を被害者自身にさせないためのダミー人形を全警察署に配備したほか、被害届や供述調書等の捜査書類に被害者の住所、勤務先等の個人情報を記載しないなど刑事手続を通じて被害者の個人情報が加害者側に知られることを防止するための措置を講ずるとともに、必要な場合には身辺保護対策を講じて再被害防止及び被害者の精神的負担の軽減を図っております。
 県警察といたしましては、今後とも相談窓口の適切な運営に努めていくとともに性犯罪被害に遭われた方の心に寄り添った捜査を推進し、県民の安全・安心の確保に努めてまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 鈴木くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 性暴力被害者への支援についてのうち、性暴力被害者支援センターSORAの機能充実についてお答えいたします。
 誰にも相談できず一人で悩んでいる性暴力被害者が安心して相談し、心身の健康を回復することを目的にSORAを設置いたしました。広く県民の皆様に知っていただく広報とともに求める人に届く広報が重要であると考えております。このため県民だよりやホームページに掲載するほか県内全ての高校、大学等の女子学生にSORAの案内カードを配布するなど周知に努めております。また来年三月に開催する性暴力根絶のシンポジウムにおいて紹介するなど認知度の向上を図ってまいります。
 病院との連携につきましては、心身への負担軽減のため個別の待ち合いスペースの確保などプライバシーへの配慮や相談員同席による診察、緊急時における優先的な診療などの協力体制を構築しております。
 県といたしましては、今後協力病院をふやすことによる全県体制のケアの充実とともに重要な役割を担う相談員の資質向上、弁護士会や児童相談所等SORAを構成する機関の一層の連携強化を図るなど、被害者に寄り添った支援が拡充するよう取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 佐野愛子君。
       (六十八番 佐野愛子君登壇)
○六十八番(佐野愛子君) 御答弁ありがとうございました。
 要望を一点、再質問を二点お願いします。
 障害者就労支援作業所ですが国の方針は障害者総合支援法、余りにも就労と自立を偏り過ぎて推進し過ぎていると思います。障害がある方々は高い工賃を求めて作業所に通っているのではなくて、社会参加や生きがいや生活のリズムそのようなものに充実感を求めているのだと思います。この乖離をぜひ国に強く示していただいて今後の国の方向性を他県とも連携して強く求めていただきたいと要望します。
 種子法につきまして、再質問いたします。
 条例化に向けて、主要農作物だけではなくて県内の在来の野菜や独自の開発種を守るという広い視野の条例の制定をつくるのはいかがでしょうか、見解を伺います。
 性犯罪被害センターについて伺います。
 先ほど、県警との丁寧な御答弁がありましたが連携の強化ということも述べていただきました。警察とはどのように連携しているのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(落合愼悟君) 芦川農林水産戦略監。
○農林水産戦略監(芦川敏洋君) 種子法の再質問ということでお答えいたします。
 在来種の種子、固有種の種子、県内の固有種の種子を守るということは大変意義があると思います。それで現状でも農林技術研究所で地域の特色のある在来種、希少種ということを機能性を含めて調べております。
 条例化についてでありますが、議員から御提案がありました埼玉県で条例化に踏み切っているということでありまして条文のところは協力するという一言に尽きているのですが、その背景等も調べまして今後の対応について検討させていただきたいなと考えております。以上です。
○副議長(落合愼悟君) 鈴木くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 性暴力被害者支援センターSORAの再質問についてお答えします。
 警察との連携の現状ということでございますけれども、まず警察には性暴力被害者センターその一部を構成する機関として一緒に活動しているところであります。具体的にはSORAのほうに相談があった場合にもし犯罪として訴えたいという方がいらっしゃれば警察に話をつなげます。また警察のほうに話があった場合にやはり犯罪として訴えるのは気が引けると、抑えたいということがあれば、また警察からこちらのほうに話をいただきまして対応するというような形で今現在連携しております。以上でございます。
○副議長(落合愼悟君) 佐野愛子君。
       (六十八番 佐野愛子君登壇)
○六十八番(佐野愛子君) 御答弁ありがとうございました。
 要望を二点お願いします。
 種子法につきましては、種子法だけではなくて静岡県の農業の基盤を守るというか静岡県は余りお米は主要ではなくてほかの産物のほうが多いと思います。そういった意味で広い意味での推進するような法律に、条例にするのもいかがかなと思いました。
 そして、SORAにつきましては警察ではできないところをSORAがやるというところがあると思います。連携も必要ですがSORAの独自性を生かして県民の安心につないでいただければと。以上要望いたします。質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(落合愼悟君) これで佐野愛子君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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